JP3523700B2 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents
窒化物半導体レーザ素子Info
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Description
lYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなるレ
ーザ素子に関する。
5eV〜6.0eVまであり、直接遷移型の材料である
ので、紫外〜赤色までの半導体レーザ素子の材料として
従来より注目されていた。最近、窒化物半導体でダブル
へテロ構造の青色LEDが実用化されたことにより、次
なる目標として窒化物半導体を用いた青色レーザ素子の
研究が活発に行われるようになった。
する必要がある。従来のGaAs系の化合物半導体より
なる赤外域に発振する半導体レーザは結晶の性質上、劈
開性を有しており、その劈開面がレーザ素子の光共振面
とされている。
の性質上劈開性を有していない。従って、窒化物半導体
でレーザ素子を作製する場合、劈開面を反射鏡として光
共振面ができないのでレーザ発振まで至らなかった。
波長半導体レーザはZnSe系半導体でしか確認されて
おらず、その半導体レーザは現在のところ寿命が数分し
かない。一方、窒化物半導体は前記のようにダブルへテ
ロ構造のLEDまで実現されており、この構造を用いれ
ばZnSeと比較してレーザが早期に実現できる可能性
が高い。従って本発明はこのような事情を鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは窒化物半導体
を用いてレーザ素子を実現するにあたり、まず反射鏡と
なる適切な光共振面を形成することにより、レーザ発振
が可能となるレーザ素子を提供することにある。
ザ素子を実現するにあたり、従来では十分な反射率が得
られなかった窒化物半導体層の光共振面に、さらに誘電
体多層膜を形成して反射率を高めることにより、窒化物
半導体層にレーザ発振が起こり得ることを新規に見いだ
し本発明を成すに至った。即ち、上述のように、窒化物
半導体層は劈開性を有していないので、劈開面を光共振
面とすることは困難である。しかしながら、劈開面に近
いような状態、つまり基板面に対し垂直で、鏡面に近い
面を形成することにより、光共振面に近い状態とするこ
とは可能である。そこで、本発明の窒化物半導体レーザ
素子は、窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦
X、0≦Y、X+Y≦1)がサファイア基板の[0001]
面(以下、C面という。)の表面に積層されてなり、前
記サファイア基板の厚さは150μm以下であり、さら
に光共振面は、そのサファイア基板が数1、数2、数
3、数4、数5、数6面(以下、数1面〜数6面をまと
めてM面という。)の内のいずれかの面で割られたとき
に、その面とともに割られた窒化物半導体面であり、そ
の光共振面に誘電体多層膜が形成されていることを特徴
とする。つまり、まず、サファイア基板の表面にレーザ
素子の構造となるように積層された窒化物半導体ウェー
ハを基板の特定の面方位で割ることにより、できるだけ
劈開面に近いような光共振面を得る。しかしながら、サ
ファイアと共に割られた窒化物半導体面は完全な劈開面
ではないので光損失が多い。そこでその窒化物半導体面
を光損失のほとんどない完全な光共振面とするため、さ
らに誘電体多層膜を形成したものである。
なる無機材料を交互に積層してなり、例えばλ/4n
(λ:波長、n:屈折率)の厚さで交互に積層すること
により反射率を変化させることができる。誘電体多層膜
の各薄膜の種類、厚さ等は発振させようとするレーザ素
子の波長に応じてそれらの無機材料を適宜選択すること
により設計可能である。例えばその無機材料には、高屈
折率側の薄膜材料としてTiO2、ZrO2、HfO2、
Sc2O3、Y2O3、MgO、Al2O3、Si3N4、Th
O2の内の少なくとも一種類が選択でき、低屈折率側の
薄膜材料としてSiO2、ThF4、LaF3、MgF2、
LiF、NaF、Na3AlF6の内の少なくとも一種類
が選択でき、これら高屈折率側の薄膜材料と、低屈折率
側の薄膜材料とを適宜組み合わせ、発振する波長に応じ
て数十オングストローム〜数μmの厚さで数層〜数十層
積層することにより誘電体多層膜を形成することができ
る。
上に窒化物半導体が積層されてなるレーザ素子の発光波
長が360nm〜460nmの範囲にあり、さらに光共
振面に形成された前記誘電体多層膜がSiO2、Ti
O2、ZrO2よりなる群から選択された少なくとも二種
類以上の薄膜を積層した多層膜であることを特徴とす
る。つまり、窒化物半導体で360nm〜460nmに
発振するレーザ素子を実現した場合、その光共振面に形
成する誘電体多層膜は、特にSiO2、TiO2、ZrO
2より選択された少なくとも2種類以上が最も適してい
る。なぜなら前記3種類の酸化物は360nm〜460
nmの範囲で光吸収が少なく、窒化物半導体と非常に良
く密着して剥がれることもない。さらに前記波長の光が
連続的に長時間照射されても劣化することがなく、さら
に好ましいことにレーザ素子の発熱に対して非常に耐熱
性に優れているからである。
の気相製膜技術を用いて形成することができる。またそ
の他、上記化合物を含む溶媒にレーザ素子を浸漬(ディ
ッピング)した後、乾燥するという操作を繰り返して形
成することも可能である。例えばSiO2とZrO2より
なる誘電体多層膜を形成する場合、SiO2、ZrO2を
蒸着、スパッタ等の気相製膜技術で形成する他、Siを
含む有機金属化合物の溶媒にレーザ素子を浸漬した後、
乾燥し、酸素雰囲気でベーキングして酸化物とし、次に
Zrを含む有機金属化合物の溶媒にレーザ素子を浸漬
し、乾燥した後、ベーキングして酸化物とする操作を繰
り返すことにより誘電体多層膜を製膜可能である。但し
好ましく膜厚制御の面で気相製膜技術を用いる方がよ
い。
ブルへテロ構造であればよく、例えば基板上に、n型コ
ンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド
層、p型コンタクト層を順に積層した構造で実現可能で
ある。基板にはサファイア(C面、A面、R面も含
む。)、SiC(4H、6Hも含む。)、ZnO、Ga
As、Si等が使用でき、好ましくはサファイアあるい
はSiCを用いる。n型コンタクト層としてはGaN、
AlGaN等の二元混晶、または三元混晶の半導体層が
結晶性の良いものが得られる。特にGaNとすると電極
材料と好ましいオーミックが得られる。但し、n型とす
るには半導体層にSi、Ge、S等のドナー不純物をド
ープする。次のn型クラッド層は活性層よりもバンドギ
ャップが大きい窒化物半導体であれば良く、例えばAl
GaNが好ましい。次の活性層はノンドープのn型In
GaNとすると、およそ635nm〜365nm付近の
バンド間発光が得られる。好ましくはインジウムのモル
比をガリウムに対して半分以下にしたn型InGaNが
結晶性が良く、レーザ素子の寿命が長い。次のp型クラ
ッド層はn型クラッド層と同じく活性層よりもバンドギ
ャップの大きい窒化物半導体であれば良く、例えばAl
GaNが好ましい。またp型とするにはZn、Mg、C
d等のII族元素、C(カーボン)等より構成されるアク
セプター不純物を半導体層にドープする。またドープ
後、さらに低抵抗なp型にする目的で400℃以上でア
ニーリングを行っても良い。
と同じくGaN、AlGaN等の二元混晶、または三元
混晶の半導体層が結晶性の良いものが得られる。特にG
aNとすると電極材料と好ましいオーミックが得られ
る。さらに前記レーザ素子の構造において、活性層を数
十オングストロームの膜厚で3層以上積層した多層膜、
つまり多重量子井戸構造としてもよい。さらにまた各窒
化物半導体層の界面を格子整合させるため、各層のIII
族元素のモル比を調整して四元混晶(InAlGaN)
の窒化物半導体とすることもできるが、一般的には三元
混晶、二元混晶の方が結晶性に優れている。特に好まし
くは、活性層の膜厚を300オングストロームよりも薄
くすると共に、その活性層とn型クラッド層との間、お
よび/または前記活性層とp型クラッド層との間に、活
性層よりもバンドギャップが大きいn型またはp型のI
nGaN層を挟むことにより、活性層とクラッド層との
界面からくる歪で、活性層を弾性的に変形するようにす
ると、歪量子井戸構造のレーザ素子が実現されるので、
さらにレーザ発振が容易となる。
ニットセル図を示す。本発明のレーザ素子を構成する窒
化物半導体は、このユニットセル図に示すようなサファ
イア基板のC面に積層されて、C軸方向に配向されてい
る。また、サファイア基板のC面とは[0001]面に
完全に一致していることはいうまでもなく、[000
1]面よりおよそ±10゜以内の範囲でオフ角を有する
C面であっても本発明の範囲に含まれるものとする。第
3の本発明のレーザ素子はユニットセル図のM面、つま
り、斜線部に示すような6角柱の側面でサファイアを割
った際にできる窒化物半導体層の分割面を光共振面とし
ている。
を示し、図3に図2のレーザ素子をストライプ電極に垂
直な方向で切断した際の断面図を示す。このレーザ素子
はメサストライプ型の構造を示しており、サファイア基
板1のC面上にGaNよりなるバッファ層2、Siドー
プn型GaNよりなるn型コンタクト層3、Siドープ
n型AlGaNよりなるn型クラッド層4、Siドープ
n型InGaNよりなる第二のn型クラッド層5、ノン
ドープInGaNよりなる活性層6、Mgドープp型A
lGaNよりなるp型クラッド層7、Mgドープp型G
aNよりなるp型コンタクト層8とが積層されたダブル
へテロ構造を有している。さらにp型コンタクト層8の
表面にストライプ状の正電極12と、n型コンタクト層
3の表面に同じくストライプ状の負電極11が形成され
ている。
割られた対向する窒化物半導体面を基本的には光共振面
としており、さらにこの面を完全な光共振面とするため
に、この窒化物半導体面とサファイア基板とに亙って、
SiO2とTiO2とがそれぞれ10層ずつ交互に積層さ
れてなる誘電体多層膜20が形成されている。誘電体多
層膜20は対向した窒化物半導体層の表面にそれぞれ形
成されており、活性層の発光はこの誘電体多層膜20で
反射されて完全な光共振面となる。なお、サファイアを
M面で割った場合、窒化物半導体の光共振面は六方晶系
の
バー、またはダイサーを用いることができる。スクライ
バーを用いた場合、窒化物半導体が積層された面と反対
側のサファイア基板をスクライブするのであるが、スク
ライブする前にそのサファイア基板を150μm以下、
さらに好ましくは100μm以下の厚さに研磨して薄く
することが望ましい。基板を150μm以下に研磨して
薄くすることにより、M面から割れるように形成したス
クライブラインからウェーハを割る際に、スクライブラ
インより真っ直ぐに割れ易くなり、割れた窒化物半導体
層面が光共振面に近くなる。一方、ダイサーで割る場合
には、同じく窒化物半導体が積層されていないサファイ
ア基板側をハーフカットした後、ウェーハを圧し割るこ
とにより光共振面を形成できる。ダイサーによるハーフ
カット、スクライバーでウェーハを割る際には前記のよ
うにサファイア基板の厚さを150μm以下にすること
により、窒化物半導体層が基板に対して垂直に割れやす
くなり、光共振面となる傾向にある。
対してほぼ垂直にエッチングされた窒化物半導体の端面
が光共振面であり、この垂直にエッチングされた窒化物
半導体面に誘電体多層膜が形成されていることを特徴と
する。つまりこのレーザ素子も第三のレーザ素子と同じ
く、エッチングのみでは光損失の多い共振面しか得るこ
とができないので、光損失のほとんどない完全な光共振
面を得るため、さらに窒化物半導体のエッチング面の表
面に活性層の波長を反射する誘電体多層膜を形成して、
エッチング面を完全な光共振面としているのである。
面とするレーザ素子は特に図示しないが、例えば図2に
おいて、誘電体多層膜20を形成している面が、窒化物
半導体層側からエッチングした際のその窒化物半導体の
端面であっても、同一図となるので省略する。なおエッ
チングで光共振面を形成する場合、窒化物半導体が積層
される基板は特にサファイアでなくでもよく、前記のよ
うにSiC、ZnO等の材料でもよいことはいうまでも
ない。
た窒化物半導体層の最表面に所定のマスクを形成した
後、エッチングすることで形成可能である。エッチング
手段としては、ドライエッチング、ウェットエッチング
両方の手段があるが、窒化物半導体の端面を垂直にエッ
チングするにはドライエッチングが好ましい。ドライエ
ッチングでは例えば、反応性イオンエッチング、イオン
ミリング、イオンビームアシストエッチング、集束イオ
ンビームエッチング等の手段を用いることができる。
得導波型ストライプ型レーザとしては、電極ストライプ
型、メサストライプ型、ヘテロアイソレーション型等を
挙げることができる。またその他、作りつけ導波機構を
もつストライプ型レーザとして、埋め込みヘテロ型、C
SP型、リブガイド型等を挙げることができる。これら
の構造のレーザ素子に導波路として通常数μmから20
μm程度の幅の電極を最上層(上記構造の例ではp型コ
ンタクト層)に形成し、このストライプに沿って発振を
起こさせる。発振するための光共振面には、例えばこの
ストライプに垂直な方向の窒化物半導体層表面に形成さ
れる。またこの他、面発光型のレーザを作製した場合、
光共振面は窒化物半導体層中に形成されるが、本発明の
レーザ素子では、面発光レーザの光共振面の少なくとも
一方に前記した誘電体多層膜を形成することも可能であ
る。
用いてレーザ素子を実現する際、最初に述べたように反
射鏡となる光共振面を形成することが非常に重要であ
る。本発明では窒化物半導体層の光共振面に誘電体多層
膜が形成されているので、誘電体多層膜により光損失が
少なく優れた反射鏡として作用する。また前述した誘電
体多層膜は光共振面の両方に形成することについて説明
しているが、いずれか一方に形成しても、レーザ発振は
可能である。例えば、光共振面の片方に誘電体多層膜を
形成し、もう片方に金属薄膜よりなる反射鏡を形成する
こともできる。
長が360nm〜460nmの領域にある場合、光共振
面にSiO2、TiO2、ZrO2よりなる群から選択さ
れた少なくとも二種類以上の薄膜が積層された誘電体多
層膜を形成することにより、世界で初めて短波長領域の
レーザ素子が実現できる。しかも、SiO2、TiO2、
ZrO2の材料は窒化物半導体と非常に良く密着して剥
がれることもなく、前記短波長の光が連続的に長時間照
射されても劣化することがなく、さらに好ましいことに
レーザ素子の発熱に対して非常に耐熱性に優れているの
で、室温において長時間の連続発振可能となる。
積層したレーザ素子において、基板となるサファイア単
結晶は窒化ガリウム系化合物半導体と異なり結晶性が非
常に良く、図1に示すようにほぼ正確な六方晶系を有し
ている。一方、窒化物半導体は六方晶系といえどもサフ
ァイア基板の上に必ずしも基板と一致した結晶形で積層
されるわけではない。しかしサファイアの結晶系が安定
しているならば、安定したサファイアの方でウェーハを
割ってやることにより、窒化物半導体を安定して割れ易
くすることが可能となり、あたかも窒化ガリウム系化合
物半導体で劈開面を形成したかのような状態にできるの
である。特に、図1の斜線部で示すようにサファイアの
M面は必ず対向するもう一方のM面を有しているため、
それらのM面でウェーハを割ることによって対向する光
共振面が形成される。この共振面にさらに誘電体多層膜
が形成されると、完全な反射鏡ができるので窒化物半導
体は容易にレーザ発振する。
に垂直な端面を形成し、その端面を光共振面としても、
反射鏡としては未だ不十分であるので、その端面に誘電
体多層膜を形成しすることにより、光を完全に閉じこめ
られるので窒化物半導体が容易にレーザ発振する。
1を説明する。まず、厚さ350μmのサファイア基板
1上に、GaNよりなるバッファ層2を200オングス
トローム、Siドープn型GaNよりなるn型コンタク
ト層3を5μm、Siドープn型Al0.3Ga0.7Nより
なるn型クラッド層4を0.1μm、Siドープn型I
n0.01Ga0.99Nよりなる第二のn型クラッド層5を5
00オングストローム、ノンドープIn0.08Ga0.92N
よりなる活性層6を100オングストローム、Mgドー
プp型Al0.3Ga0.7Nよりなるp型クラッド層7を
0.1μm、Mgドープp型GaNよりなるp型コンタ
クト層8を0.5μmの膜厚で順に成長させたウェーハ
を用意する。
の表面に所定の形状でマスクを形成した後、RIE(反
応性イオンエッチング)を用いて、窒化物半導体層をエ
ッチングし、n型コンタクト層3を露出させる。n型コ
ンタクト層3を露出させた後、n型コンタクト層3には
Ti/Alよりなる負電極11を20μmの幅で形成
し、p型コンタクト層7にはNi/Auよりなる正電極
12を3μmの幅で形成する。なお電極の形状は図2、
図3に示すようなストライプ形状とする。
を形成していない方の面を研磨機で80μmの厚さまで
研磨する。研磨後、サファイア基板の研磨面をスクライ
バーでスクライブする。スクライブ方向はストライプ電
極と直交するスクライブラインがサファイア基板のM面
と一致するようにし、もう一方のスクライブラインはス
トライプ電極と平行な方向とする。スクライブライン形
成後、ウェーハをローラで押し割り、レーザチップとす
る。このレーザチップは図2に示すような形状を有して
おり、ウェーハを割って露出した窒化物半導体面が光共
振面とされており、発光波長420nmである。
施したのち、スパッタ装置で露出した窒化物半導体面に
SiO2よりなる薄膜を75nmで形成し、その上にZ
rO2よりなる薄膜を同じく48nmで形成し、このペ
アを10ペア積層した透明な誘電体多層膜20を形成す
る。このようにして形成された誘電体多層膜の反射率曲
線を図4に示す。図4に示すようにSiO2とZrO2よ
りなる誘電体多層膜は380nm〜450nm付近の波
長を100%反射できる。
トシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンドし
た後、室温でレーザ発振を試みたところ、しきい値電流
密度1.5kA/cm2で発振波長420nmのレーザ発
振が確認され、100時間以上の連続発振を示した。
0.95Nとしたウェーハを用意する。なおこのレーザ素子
の発光波長は460nmである。その後基板を研磨して
ストライプ状の電極を形成した後、ウェーハをサファイ
アのM面で割る迄は実施例1と同様にしてレーザチップ
を作製する。
体面にSiO2よりなる薄膜を82nm、TiO2よりな
る薄膜を38nmの膜厚で10ペア形成する。なおSi
O2とTiO2よりなる薄膜の反射率曲線は特に図示しな
いが、460nmの反射率はほぼ100%を示してい
る。
例1と同様にヒートシンクに設置し、それぞれの電極を
ワイヤーボンドした後、室温でレーザ発振を試みたとこ
ろ、しきい値電流密度1.5kA/cm2で発振波長46
0nmのレーザ発振が確認され、同じく100時間以上
の連続発振を示した。
後、マスクを除去し、さらにp型コンタクト層の表面に
所定の形状のマスク(このマスク形状は後に形成するス
トライプ状の電極と垂直、および平行となるようなライ
ンが露出している。)を形成する。マスク形成後RIE
エッチング装置を用いSiCl4ガスで窒化物半導体を
サファイア基板が露出するまでエッチングする。
極、負電極を形成した後、先ほどのエッチングにより露
出したサファイア基板をスクライブまたは、ダイシング
してチップ状のレーザ素子に分離する。後は実施例1と
同様にして、電極と直交して露出した窒化物半導体面に
誘電体多層膜を形成してレーザ素子とする。このように
して得られたレーザ素子も実施例1と同じく、室温でレ
ーザ発振し、しきい値電流密度1.5kA/cm2で発振
波長420nmのレーザ発振が確認され、100時間以
上の連続発振を示した。
子は光共振面となる窒化物半導体面に発振波長に応じた
反射率を有する誘電体多層膜を形成しているので、反射
鏡としての光共振面が活性層の光を互いにほぼ100%
反射することにより、レーザ発振が可能となる。360
nm〜460nmの短波長のレーザ発振において、Si
O2、TiO2、ZrO2という窒化物半導体にふさわし
い材料で誘電体多層膜を形成したことによって室温での
短波長のレーザ発振が可能となる。このように短波長域
のレーザ素子が実現されたことにより、書き込み用光
源、コンパクトディスクの光源として記録密度が飛躍的
に向上し、その産業上の利用価値は非常に大きい。
ル図。
示す斜視図。
た誘電体多層膜の反射率曲線を示す図。
・・・・n型コンタクト層、4・・・・n型クラッド
層、5・・・・第二のn型クラッド層、6・・・・活性
層、7・・・・p型クラッド層、8・・・・p型コンタ
クト層、11・・・負電極、12・・・正電極、20・
・・誘電体多層膜。
Claims (2)
- 【請求項1】 サファイア基板の[0001]面の表面
に窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)が積層されてなる窒化物半導体レーザ素
子であって、 前記サファイア基板の厚さは150μm以下であり、か
つ前記レーザ素子の光共振面は、前記サファイア基板が 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 【数5】 【数6】 面の内のいずれかの面で割られたときに該面とともに割
られた窒化物半導体面であり、前記光共振面に誘電体多
層膜が形成されていることを特徴とする窒化物半導体レ
ーザ素子。 - 【請求項2】 前記窒化物半導体レーザ素子の発光波長
が360nm〜460nmの範囲であり、前記光共振面
に形成された前記誘電体多層膜がSiO2、TiO2、Z
rO2よりなる群から選択された少なくとも二種類以上
の薄膜を積層した多層膜であることを特徴とする請求項
1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
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