JP3346735B2 - 窒化物半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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JP3346735B2 JP4990698A JP4990698A JP3346735B2 JP 3346735 B2 JP3346735 B2 JP 3346735B2 JP 4990698 A JP4990698 A JP 4990698A JP 4990698 A JP4990698 A JP 4990698A JP 3346735 B2 JP3346735 B2 JP 3346735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LED(発光ダイ
オード)、LD(レーザダイオード)、あるいはスーパ
ルミネッセントダイオード(SLD)等の発光素子、太
陽電池、光センサー等の受光素子、あるいはトランジス
タ、パワーデバイス等の電子デバイスに使用される窒化
物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+
Y≦1)を用いた窒化物半導体素子及びその製造方法に
関し、特に結晶欠陥の少ない窒化物半導体基板上に素子
構造を形成し発光効率や寿命特性などが向上して成る窒
化物半導体素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、窒化物半導体から成る青色LED
及び緑色LEDは既に実用化されている。LEDは、サ
ファイア基板上にn型、p型の窒化物半導体が積層され
たダブルへテロ構造を有し、活性層は量子井戸構造の窒
化物半導体層を有している。LEDを構成する窒化物半
導体発光素子は、このサファイア基板側を発光観測面側
とする場合と、窒化物半導体層側を発光観測面側とする
場合の2種類の形態に分けられる。まず、サファイア基
板側を発光観測面とした場合、正と負の電極を窒化物半
導体の同一面側に設けているため、例えばリードフレー
ムのような支持体に電極を接続する際に電極間でのショ
ート防止の点からチップサイズが大きくなり、ハンドリ
ング性も悪くなる欠点がある。その一方で、この場合
は、透明なサファイアの性質を積極的に利用しているの
で、光取り出し効率が良くなるという利点がある。次
に、窒化物半導体側を発光観測面とする場合、チップサ
イズを小さくすることができ、ハンドリング性も前者の
場合に比べて非常に優れている。その反面、窒化物半導
体側を発光観測面とする場合、サファイア基板側に漏れ
る光は、例えばリードフレームの接着剤に吸収されて光
取り出し効率が悪くなるという欠点がある。このような
大きく分けて2種の形態からなるLEDは、それぞれ利
点と欠点とを有しているが、製造工程の簡素化等の点か
ら、ハンドリング性の良い後者が選択され、一般に市販
されている。更に後者の場合、サファイア基板側に光が
漏れ、光取り出し効率が低下するといった問題点を解決
するために、例えば特開平9−64421号公報には、
基板の素子構造を有していない面に光反射膜を形成する
ことにより、基板側に漏れる光を窒化物半導体層側の発
光観測面側に反射して発光効率を向上させる技術が記載
されている。
【0003】また、本発明者等は、連続発振が可能な窒
化物半導体のLD素子として、ストライプ型の導波路を
有し活性層端面の劈開面又はエッチング面を共振面とす
るレーザ素子と、基板に対して垂直な方向でレーザ光が
出射される面発光レーザ素子を提案している。上記2種
類のレーザ素子において、面発光型レーザは、レーザ素
子の低閾値化、横モード、縦モード等を安定化させるた
めには有用である。そして、面発光レーザ素子は、レー
ザビーム径を小さくし易くDVD光源として非常に有利
であり、更に、単一横モードが得られ易く、単一横モー
ドが求められている光通信分野においても望ましい。本
発明者等が提案した面発光型の窒化物半導体レーザ素子
として、例えば特開平7−335975号、同8−26
4891号、同8−321660号各公報に、サファイ
ア基板面とp側層の最上部に反射鏡を形成した面発光レ
ーザ素子、また基板面又は窒化物半導体の最上層に一方
の反射鏡を形成し、素子から離れた位置に他方の反射鏡
を形成した面発光レーザ素子、更に活性層のn側に反射
鏡の機能を有する半導体を積層形成し、他方の反射鏡を
基板面あるいは窒化物半導体の最上層に形成する面発光
レーザ素子が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記L
EDの後者(窒化物半導体側を発光観測面とする)の場
合、サファイア基板側に漏れる光を反射させるためにサ
ファイア基板表面に光反射膜を形成する技術では、発光
効率がある程度向上したものの十分満足できるものでは
ない。更に、上記公知の面発光レーザ素子は、活性層と
反射鏡との距離が長すぎて反射鏡を共振器とするのが難
しく、また活性層のn側に形成される反射鏡となる半導
体としてAlaGa1-aN/AlbGa1-bNの多層膜を活
性層を成長させる前に形成する技術では、活性層を結晶
性良く成長させ難くなる傾向がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、LEDにおいて
主として基板側に漏れる光を有効に反射させて、発光素
子の光取り出し効率を向上させることができ、また面発
光型レーザにおいて良好な共振器となる有効な反射鏡を
有することができる窒化物体素子及びその製造方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は下記
(1)〜(13)の構成によって本発明の目的を達成す
ることができる。 (1)窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板の上
に成長された第1の窒化物半導体層に凹凸を形成しその
凹凸部にある第1の窒化物半導体層の側面を露出して成
り、その凸部の上部平面に第1の保護膜及び凹部の下部
平面に第2の保護膜を有し、前記第1及び第2の保護膜
を形成していない凹凸部の側面から成長させた第1の窒
化物半導体層より結晶欠陥の少ない第2の窒化物半導体
層上に素子構造を有する窒化物半導体発光素子であっ
て、前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少なくとも一
方が誘電体多層膜よりなる反射鏡であることを特徴とす
る窒化物半導体発光素子。 (2)前記誘電体多層膜よりなる反射膜は、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、酸化チタン、窒化チタン、酸化ジルコ
ニウム等の酸化物、窒化物からなることを特徴とする前
記(1)に記載の窒化物半導体発光素子。 (3)前記保護膜は、保護膜材料をλ/4n(λ:発光
波長、n:誘電体の屈折率)となるよう積層された誘電
体多層膜であることを特徴とする前記(1)乃至(2)
に記載の窒化物半導体発光素子。 (4)窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板の上
に成長された第1の窒化物半導体層に凹凸を形成しその
凹凸部にある第1の窒化物半導体層の側面を露出して成
り、その凸部の上部平面に第1の保護膜及び凹部の下部
平面に第2の保護膜を有し、前記第1及び第2の保護膜
を形成していない凹凸部の側面から成長させた第1の窒
化物半導体層より結晶欠陥の少ない第2の窒化物半導体
層上に素子構造を有する窒化物半導体発光素子であっ
て、前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少なくとも一
方が、活性層の発光を反射して、表面に窒化物半導体が
成長しにくい性質を有する銀白色の金属からなることを
特徴とする窒化物半導体発光素子。 (5)前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少なくとも
一方が、Pt、Ni、Cr、又はAgからなることを特
徴とする前記(4)に記載の窒化物半導体発光素子。 (6)前記窒化物半導体発光素子は、発光ダイオード、
レーザダイオード、又はスーパルミネッセントダイオー
ドであることを特徴とする前記(1)乃至(5)に記載
の窒化物半導体発光素子。 (7)前記レーザダイオードは、ストライプ型の導波路
を有するレーザ素子、又は面発光型レーザであることを
特徴とする前記(6)に記載の窒化物半導体発光素子。 (8)前記基板は、サファイア、スピネル、又は炭化ケ
イ素、であることを特徴とする前記(1)乃至(7)に
記載の窒化物半導体発光素子。 (9)前記凹凸は、ランダムな窪み、ストライプ状、碁
盤面状、又はドット状に形成されていることを特徴とす
る前記(1)乃至(8)に記載の窒化物半導体発光素
子。 (10)前記凹凸のエッチング面は、異種基板に対して
側面がほぼ垂直となる形状、順メサ形状、逆メサ形状、
又は第1の窒化物半導体の側面が階段状になるよう形成
されたことを特徴とする前記(1)乃至(9)に記載の
窒化物半導体発光素子。 (11)前記第2の窒化物半導体層の結晶欠陥密度は1
個/cm以下であることを特徴とする前記(1)
乃至(10)に記載の窒化物半導体発光素子。 (12)窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板の
上に、第1の窒化物半導体層を成長させる第1の工程
と、第1の工程後、前記第1の窒化物半導体層に凹凸を
形成して第1の窒化物半導体層の側面を露出させ、凸部
の上部平面に窒化物半導体が成長しない又は成長しにく
い第1の保護膜を形成し、凹部の下部平面に窒化物半導
体が成長しない又は成長しにくい第2の保護膜を形成す
る第2の工程と、第2の工程後、前記第1の窒化物半導
体層の露出された側面から第2の窒化物半導体層を成長
させて窒化物半導体基板とする第3の工程と、第3の工
程で得られた窒化物半導体基板の上に複数の窒化物半導
体層からなる素子構造を形成して窒化物半導体素子とす
る第4の工程を含み、更に第2の工程で形成する第1の
保護膜及び第2の保護膜のいずれか一方が誘電体多層膜
よりなる反射鏡であることを特徴とする窒化物半導体発
光素子の製造方法。 (13)前記第2の工程で、凹部の下部平面が第1の窒
化物半導体層面又は異種基板面であることを特徴とする
前記(12)に記載の窒化物半導体発光素子の製造方
法。
【0007】つまり、本発明は、結晶欠陥を減少させる
ことができる窒化物半導体の横方向の成長を利用して窒
化物半導体を成長させる(lateral over
growth:ラテラル成長)ことにより、結晶欠陥の
非常に少ない窒化物半導体が得られ、更にラテラル成長
の際に用いられる保護膜に光を反射する機能を持たせる
ことにより、上記従来の問題点を解決することができ
る。このように、本発明は、ラテラル成長によって結晶
欠陥の非常に少ない窒化物半導体を成長させ、その上に
素子構造を形成するので、結晶性の良好な素子構造が得
られ、これによって結晶欠陥の多い場合に比べ発光効率
が向上する。更に本発明は、ラテラル成長の際に用いら
れる保護膜に光を反射する機能を加えたこと、つまり保
護膜として誘電体多層膜よりなる反射鏡を用いることに
より、LEDでは基板側に漏れる光を保護膜で反射させ
ることができるので、発光効率がさらに向上し、又、面
発光レーザでは活性層と近距離に且つ素子構造の結晶性
を損なうことのない光を反射可能な保護膜が形成されて
いるので、面発光レーザの共振器となる良好な反射鏡を
得ることができる。このように、反射鏡が活性層に近い
と反射鏡間(共振器長)を小さくすることが可能となる
ので、吸収等からくる共振器の内部損失が小さくなり発
振しきい値が下がる傾向がある。
【0008】従来、窒化物半導体を成長させるための基
板として、窒化物半導体と格子整合する基板が存在しな
いため、例えばサファイア、スピネル、炭化ケイ素等が
基板として用いられていた。このような格子整合しない
基板上に成長される窒化物半導体には、多くの結晶欠陥
が発生し良好な結晶として窒化物半導体を得ることがで
きない。結晶欠陥は素子構造となる窒化物半導体に転位
し素子の性能を低下させる一つの要因となる。この性能
低下の要因となる結晶欠陥を少なくする窒化物半導体の
成長方法を行いその上に素子構造を形成して成る素子と
して、例えば、本発明者等は、サファイア基板上にGa
N膜を約2μm成長させた後SiO2より成る保護膜を
レーザの共振方向に沿って幅8μm、保護膜と保護膜の
間を4μmとなるようにストライプ状に形成し、保護膜
が形成されていない部分から縦方向に成長を開始させ、
続いて保護膜上で横方向に成長させ、10μmの膜厚の
GaN膜を成長させると、保護膜上に特に結晶欠陥が少
なく且つ全体的にも結晶欠陥が少ないGaN単結晶膜が
得られ、この結晶欠陥の少ないGaN単結晶膜上に素子
構造を成長させることで、波長約400nm、光出力2
mWで連続発振約1万時間を達成できる窒化物半導体レ
ーザ素子が得られることを発表している(例えば「In
GaN系多重量子井戸構造半導体レーザの現状」,第5
8回応用物理学会学術講演会,講演番号4aZC−2,
1997年10月、”Presennt Status
of InGaN/AlGaN based Las
er Diodes”,The Second Int
ernational Conference onN
itride Semiconductors (IC
NS’97),講演番号S−1,1997年10月など
に記載されている)。このような保護膜上に窒化物半導
体の横方向の成長を利用して窒化物半導体を成長させる
方法は、lateral over growth(ラ
テラル成長)と言われている。
【0009】このような公知の技術に対し、本発明は、
サファイアなどの異種基板上に第1の窒化物半導体層を
成長させて、凹凸部を設け、凸部の上部平面に第1の保
護膜を、凹部の下部平面に第2の保護膜を形成した後、
第2の窒化物半導体を成長させることで、窒化物半導体
の縦方向への成長をいったん抑制し、まず横方向にのみ
成長させた後、横及び縦方向に成長させることにより結
晶欠陥の転位や発生が減少し、結晶性の良好な第2の窒
化物半導体層を得ることができるものである。上記従来
のラテラル成長では窒化物半導体の縦方向への成長を部
分的に抑制しているのみであるが、本発明は縦方向の成
長を実質的全て抑制し横方向の成長のみとし、その後縦
と横の両方向への成長をさせるものである。更に本発明
は、このようなラテラル成長に用いる保護膜として、窒
化物半導体が成長しにくい性質に加えて、光を反射でき
る機能を加えることにより、反射鏡として新たに製造工
程を増やすことなく良好な反射鏡が得られる。しかも従
来の反射鏡の形成位置に比べ活性層に近い位置に形成で
きるので反射鏡としての機能が良好となると共に、前記
従来の素子構造内に反射鏡として半導体を形成した場合
に比べ、本発明の反射鏡はラテラル成長に用いられる保
護膜であるので、素子構造の結晶性を損なうことがなく
結晶性を良好に保つことができる。従って、本発明は、
良好な反射鏡を有する発光効率の向上した発光ダイオー
ド、及び良好な共振器と成りうる反射鏡を有する面発光
レーザ素子を得ることができ、更にそれらを得ることが
できる製造方法を提供することができる。以下、明細書
内において、第2の窒化物半導体を単に窒化物半導体基
板、又は基板という場合がある。
【0010】また、面発光レーザにおいて、反射鏡がフ
ァブリペロー型の平板反射鏡になるので、反射鏡が活性
層から遠いと共振する光の帰還率がなくなる可能性があ
り、本発明においては反射鏡が活性層に近い位置で形成
可能なので光りの帰還率が良好となる。
【0011】本発明において、第1の保護膜及び第2の
保護膜のいずれか一方が誘電体多層膜より成る反射鏡で
あればよく、好ましくは両方が誘電体多層膜より成る反
射鏡であることが、LEDにおける発光効率の向上及び
面発光レーザの反射鏡としての有用性の向上が得られる
ので望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に図1、図2〜図5を用いて
本発明の窒化物半導体素子及びその製造方法を更に詳細
に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態である窒化
物半導体素子を示した模式的断面図である。図1には、
窒化物半導体と異なる異種基板1上に形成された第1の
窒化物半導体層2の表面上に凹凸部を形成して成り、そ
の凸部の上部平面に第1の保護膜3及び凹部の下部平面
に第2の保護膜4を有し、前記第1の保護膜3及び第2
の保護膜4が形成されていない凹凸部の側面から成長さ
れた第2の窒化物半導体層5を基板とし、その基板上に
素子構造を有してなる窒化物半導体素子が記載されてい
る。更に本発明において、第1の保護膜3及び/又は第
2の保護膜4は、誘電体多層膜である。
【0014】本発明の第2の窒化物半導体層(窒化物半
導体基板)として、ラテラル成長を利用して窒化物半導
体を成長させる方法は、第1の窒化物半導体に部分的に
凹凸を設けた凸部の上部平面に第1の保護膜を形成し、
凹部の下部平面に第2の保護膜を形成することで、異種
基板の表面に発生する結晶欠陥が連続的に転位するのを
防止する。更に、このように第1及び第2の保護膜を形
成すると、窒化物半導体が保護膜上に成長しにくいこと
から、第2の窒化物半導体の成長が選択的に第1の窒化
物半導体の凹凸部の保護膜の形成されていない側面から
横方向に成長をはじめる。ここで、異種基板の表面に発
生する結晶欠陥は、窒化物半導体が横方向に成長する過
程では、縦方向に成長する場合に比べて、転位が極めて
少なくなる。更に横方向に転位した結晶欠陥は、窒化物
半導体が横から縦方向へも成長し始める際にほとんど転
位が起こらないと推定される。その結果、結晶欠陥のほ
とんどない、結晶性の非常に良好な第2の窒化物半導体
を厚膜で得ることができる。ここで、窒化物半導体は保
護膜上に成長しにくいが、第2の窒化物半導体が横方向
と縦方向の成長を続けることで、あたかも保護膜の上に
成長しているかのように保護膜を覆って成長する。
【0015】更に、第2の窒化物半導体の表面の結晶欠
陥の現れている部分に新たに保護膜を形成し、その上に
新たな窒化物半導体を成長させてもよく、こうすること
により更に結晶欠陥を減少させることができる。この場
合、新たな保護膜は、反射機能を有していてもいなくて
もよいが、好ましくは発光効率が向上するので反射機能
を有する。また、面発光レーザの場合、素子構造の最上
層に設けられたもう一方の反射鏡(例えば図9ではp電
極27が保護膜よりなる反射鏡と対になる。)と対面す
る位置に形成された新たな保護膜が少なくとも反射機能
を有していることが好ましい。新たな保護膜が反射機能
を有している場合、異種基板、第1及び第2の保護膜や
第2の窒化物半導体を除去し易くなり、新たな保護膜を
形成した上に成長された新たな窒化物半導体を基板とす
ることもできる。
【0016】また、本発明の上記のラテラル成長を利用
した成長方法により得られる結晶欠陥の非常に少ない結
晶性の良好な第2の窒化物半導体を基板として用いて窒
化物半導体素子を作成すると、この上に積層成長させた
窒化物半導体素子も同様に、結晶欠陥のない結晶性の良
好な素子となり、結晶欠陥による劣化を著しく防止でき
ライフ時間が向上し、また、LEDでは逆耐圧が著しく
上昇し、寿命特性の良好な窒化物半導体素子を提供する
ことが可能となる。更に、このような結晶欠陥の低減に
よる素子の性能の向上に加え、ラテラル成長で用いられ
る保護膜に光反射機能を持たせることにより、発光効率
がより向上し、面発光レーザでの良好な反射鏡となる。
【0017】また、本発明は、窒化物半導体と異なる異
種基板1上に形成した第1の窒化物半導体層2に凹凸部
を形成し、凸部の上部平面に第1の保護膜3及び凹部の
下部平面に第2の保護膜4をそれぞれ形成して、第2の
窒化物半導体層を成長させて窒化物半導体基板となした
後、この基板上に素子構造を形成する前に異種基板1を
除去してから素子構造を形成してもよい。
【0018】以下に、図2〜図5に示された、本発明の
窒化物半導体基板となる第2の窒化物半導体層の成長方
法の一実施の形態を段階的に示した模式的断面図を用い
て、第2の窒化物半導体層の成長方法を更に詳細に説明
する。
【0019】本発明の第2の窒化物半導体層の成長方法
の一実施の形態として、まず、図2の第1の工程におい
て、異種基板1上に第1の窒化物半導体層2を成長さ
せ、図3の第2の工程において、第1の窒化物半導体2
の側面を露出させるために第1の窒化物半導体2の表面
に凹凸を形成し、第1の窒化物半導体2の成長の方向を
コントロールするために、凸部の上部平面に第1の保護
膜3を形成し、凹部の下部平面に第2の保護膜4を形成
し、続いて図4の第3の工程において、成長の方向が制
御された第1の窒化物半導体2、つまり第1の窒化物半
導体2の側面から第2の窒化物半導体5を成長させ窒化
物半導体基板を形成する。
【0020】以下に上記各工程ごとに図を用いて更に詳
細に説明する。図2は異種基板1上に、第1の窒化物半
導体2を成長させる第1の工程を行った模式的段面図で
ある。この第1の工程において、用いることのできる異
種基板1としては、例えば、C面、R面及びA面のいず
れかの面を主面とするサファイア、スピネル(MgA1
24)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3C
を含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化
物半導体と格子整合する酸化物基板等、従来知られてい
る窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができ
る。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネル
が挙げられる。
【0021】また、第1の工程において、異種基板1上
に第1の窒化物半導体2を成長させる前に、異種基板1
上にバッファ層(図示されていない)を形成してもよ
い。バッファ層としては、AlXGa1-XN(0≦X≦
1)よりなる組成のものを用いることができる。バッフ
ァ層は、200℃〜900℃の低温で成長され、膜厚と
しては1原子以上の膜厚であればよいが、例えば0.5
μm〜10オングストロームの膜厚で成長される。この
ように異種基板1上にバッファ層を上記温度範囲で形成
すると、異種基板1と第1の窒化物半導体2との格子定
数不正を緩和し、第1の窒化物半導体2の結晶欠陥が少
なくなる傾向にある。また、バッファ層として例えばZ
nO等の窒化物半導体と異なる半導体よりなる層をバッ
ファ層としてもよい。
【0022】第1の工程において、異種基板1上に形成
される第1の窒化物半導体2としては、アンドープ(不
純物をドープしない状態、undope)のGaN、Si、G
e、及びS等のn型不純物をドープしたGaNを用いる
ことができる。n型不純物濃度としては1×1017/cm
3以下である。第1の窒化物半導体2は、高温、具体的
には900℃〜1100℃、好ましくは1050℃で異
種基板1上に成長される。第1の窒化物半導体2の膜厚
は特に限定しないが、凹凸部を形成するためには100
オングストローム以上、好ましくは1〜10μm程度、
より好ましくは1〜5μmの膜厚で形成することが望ま
しい。
【0023】次に、図3は異種基板1上に第1の窒化物
半導体2を成長させた後、第1の窒化物半導体2に第1
の窒化物半導体2がわずかに残る程度の深さで凹凸部を
形成して、第1の窒化物半導体2の側面を露出させ、図
3のように凸部の上部平面に第1の保護膜3を形成し、
凹部の下部平面に第2の保護膜4を形成し、第1の窒化
物半導体2の縦方向の成長を抑制して横方向の成長のみ
にする第2の工程を行った模式的断面図である。第2の
工程において、凹凸部の形成と保護膜の形成の順は特に
限定されず、例えば後述の方法で行われる。
【0024】第2の工程において、凹凸を形成すると
は、少なくとも第1の窒化物半導体2の側面が露出され
るように、第1の窒化物半導体2の表面から異種基板1
の方向に窪みを形成してあればよく、第1の窒化物半導
体2にいずれの形状で凹凸を設けてもよく、例えば、ラ
ンダムな窪み、ストライプ状、碁盤面状、ドット状に形
成できる。第1の窒化物半導体2に部分的に設けられた
凹凸部は、第1の窒化物半導体2の途中まで、又は異種
基板に達する深さで形成され、この凹凸部の窪みの深さ
は、第1の窒化物半導体2の膜厚や、凹部の下部に形成
される第2の保護膜4の膜厚等にも左右される値であ
り、第1の窒化物半導体2の側面から横方向に成長する
第2の窒化物半導体5が成長し易い形状の側面が得られ
るように凹凸部が形成されることが好ましい。凹凸部の
窪みの深さは、第1の窒化物半導体2が残る程度の深さ
が好ましい。例えば、凹凸部を形成する際に異種基板1
が露出されていると、第2の保護膜4の形成時に第1の
窒化物半導体2の側面付近に第2の保護膜4が形成しに
くいと考えられることから、第2の保護膜4が十分に異
種基板1の表面を覆ってない場合には、異種基板1の表
面に第2の窒化物半導体5が成長し、そこから結晶欠陥
が発生する可能性があるからである。凹凸部の窪みの具
体的な深さは、特に限定されないが、例えば500オン
グストローム〜5μmである。
【0025】凹凸部の形状をストライプ状とする場合、
ストライプの具体的な形状として、例えばストライプ幅
10〜20μm、ストライプ間隔2〜5μmのものを形
成することができる。
【0026】第2の工程で凹凸部を設ける方法として
は、第1の窒化物半導体を一部分取り除くことができる
方法であればいずれの方法でもよく、例えばエッチン
グ、ダイシング等が挙げられる。エッチングにより、第
1の窒化物半導体2に凹凸を形成する場合は、フォトリ
ソグラフィー技術における種々の形状のマスクパターン
を用いて、ストライプ状、碁盤目状等のフォトマスクを
作製し、レジストパターンを第1の窒化物半導体2に形
成してエッチングすることにより形成できる。また、上
記形状のマスクを用いてオフトリフ法を行ってもよい。
また、ダイシングで行う場合は、例えば、ストライプ状
や碁盤目状に形成できる。
【0027】第2の工程において窒化物半導体をエッチ
ングする方法には、ウエットエッチング、ドライエッチ
ング等の方法があり、平滑な面を形成するには、好まし
くはドライエッチングを用いる。ドライエッチングに
は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性
イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロト
ロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等
の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択する
ことにより、窒化物半導体をエッチングしてできる。例
えば、本出願人が先に出願した特開平8−17803号
公報記載の窒化物半導体の具体的なエッチング手段を用
いることができる。また、エッチングによって段差を形
成する場合、エッチング面が、図3に示すように異種基
板に対して側面がほぼ垂直となる形状、又は順メサ形状
や逆メサ形状でもよく、あるいは第1の窒化物半導体2
の側面が階段状になるように形成された形状等がある。
【0028】第2の工程で、第1の窒化物半導体2が縦
方向に成長するのを制御するために、例えば凹凸部の凸
部の上部平面に第1の保護膜3を形成し、凹部の下部平
面に第2の保護膜4を形成する。凹凸部の側面の形状が
階段状である場合は、階段の各段の異種基板にほぼ水平
な面に第2の保護膜4をそれぞれ形成する。第2の工程
で用いられる第1及び第2の保護膜としては、保護膜表
面に窒化物半導体が成長しないか、若しくは成長しにく
い性質を有し、更に第1の保護膜と第2の保護膜の少な
くとも一方が光を反射する機能を有する誘電体多層膜
(反射鏡)である材料が挙げられる。第1の保護膜及び
第2の保護膜の少なくとも一方が反射鏡となる誘電体多
層膜であると、LEDの場合、基板側に漏れる光を発光
面に反射することができ発光効率が向上し、LDの場
合、面発光レーザの良好な反射鏡となる。LEDの場
合、好ましくは第1の保護膜及び第2の保護膜が反射鏡
であると上記効果がより良好となり好ましい。LDの場
合は、素子構造の最上層に形成される他方の反射鏡(例
えば図8のp電極27)と対向する位置に、第1又は第
2の保護膜を有し、その保護膜が少なくとも反射機能を
有していればよい。他方の反射鏡と対向する保護膜とし
ては第1の保護膜が好ましい。
【0029】保護膜として、例えば酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiXY)、酸化チタン(Ti
2)、窒化チタン(Tixy)、酸化ジルコニウム
(ZrO2)等の酸化物、窒化物、またこれらの多層膜
が挙げられる。保護膜が活性層で発光する光を反射可能
な機能を有する場合、保護膜の材料としたは、誘電体多
層膜であればよく、例えば前記の保護膜となる材料を用
いることができ、前記保護膜材料を例えばλ/4n
(λ:発光波長、n:誘電体の屈折率)となるように積
層することにより光を反射可能な誘電体多層膜(反射
鏡)とすることができる。また、光を反射可能な保護膜
としては、Pt、Ni、Cr、Ag等のように、例えば
銀白色の金属で活性層の発光を反射して、表面に窒化物
半導体が成長しにくい性質を有する金属でもよい。な
お、保護膜(反射鏡の機能を兼ね備える場合を含む)
は、上記酸化物、窒化物、誘電体多層膜、金属等が第2
の窒化物半導体の成長温度に耐える融点を有している材
料を選択することが望ましい。また上記材料からなる反
射鏡において、好ましい反射鏡としては、例えば反射率
がほぼ100%の高い反射率を有し、MOCVD等の反
応条件に耐え得る化学的に安定した材料の誘電体多層膜
が挙げられる。保護膜材料を窒化物半導体表面に形成す
るには、例えば蒸着、スパッタ、CVD等の気相製膜技
術を用いることができる。
【0030】また、第2の工程において、第1の保護膜
3及び第2の保護膜4は、凹凸部を第1の窒化物半導体
2に形成する方法が、エッチングである場合と、ダイシ
ングである場合とで、形成のされ方が多少異なる。まず
エッチングで凹凸部を形成する場合、第1の窒化物半導
体2上に第1の保護膜3となる保護膜材料を形成後、そ
の上にレジスト膜を形成しパターンを転写し露光、現像
して第1の窒化物半導体2に部分的に第1の保護膜3を
形成した後、第1の窒化物半導体2をエッチングするこ
とで凹凸部の形成を行う。続いて凹凸部を形成した第1
の窒化物半導体2上、つまり第1の保護膜3や凹凸部の
下部等に更に第2の保護膜4となる保護膜材料を形成
し、CF4とO2ガスによるドライエッチングにより、凹
凸部を形成し露出された第1の窒化物半導体2の側面部
分のみの保護膜をエッチングし、第2の保護膜4を形成
する。このように形成すると、例えば図3では、第1の
保護膜3は一層として図示されているが、第1の保護膜
3上に更に保護膜が形成され2層の保護膜が積層された
ような状態になっている。ここで第2の保護膜4を形成
する前に、凹凸部の上部平面に形成された第1の保護膜
3を取り除いてから、凸部の上部平面と凹部の下部平面
とに保護膜を形成してもよく、又は第1の保護膜3を取
り除かずに第2の保護膜4を形成してもよい。
【0031】また、エッチングで凹凸部を形成する場
合、リフトオフ法を用いて保護膜を形成する方法を行っ
てもよい。まず、第1の窒化物半導体層の表面上に特定
の形状(例えば保護膜の形状がストライプ状となるよう
な形状のもの)のマスクを形成する。次に、マスクを形
成した第1の窒化物半導体の全面に、第1の保護膜を形
成した後、マスクをリフトオフ法により除去して、第1
の保護膜を特定の形状に形成する。次に、第1の保護膜
が形成されていない第1の窒化物半導体をエッチングに
より除去し、第1の窒化物半導体層に凹凸部を形成す
る。このように第1の保護膜を形成され且つ凹凸部を形
成された第1の窒化物半導体層の上にマスクを形成し、
凹部の下部のマスクを除去し、マスクが除去された凹部
の下部に第2の保護膜を形成し、第1の保護膜上のマス
クや凹凸部の露出された側面のマスク等のマスクを除去
する。こうすることによって、第1の窒化物に形成され
た凸部の上部平面に第1の保護膜を、凹部の下部平面に
第2の保護膜を形成できる。
【0032】次に、ダイシングで凹凸部を形成する場
合、第1の窒化物半導体2を上面からダイシング・ソー
で第1の窒化物半導体2に凹凸部を形成し、その後、そ
の上に保護膜を形成し、CF4とO2ガスによるドライエ
ッチングにより端面部分の保護膜のみエッチングするこ
とで所望の形状及び位置に第1の保護膜3及び第2の保
護膜4を同時に形成する。
【0033】第1の保護膜3及び第2の保護膜4の膜厚
は、特に限定せず、ドライエッチングにより凹凸部の側
面を露出させられる膜厚であり、且つ底面を被覆できる
膜厚にする必要がある。また、第1の保護膜3と第2の
保護膜4の膜厚は、第2の窒化物半導体5が横方向に成
長し易いように調整されていることが好ましく、場合に
よってはそれぞれの膜厚が異なってもよい。例えば、第
1の保護膜3は、薄く形成された方が、第3の工程で成
長させる第2の窒化物半導体5が第1の保護膜3と同程
度の膜厚となった時、隣接している第2の窒化物半導体
5同士が接合し易くなると考えられる。また第2の保護
膜4は、比較的厚く(但し、第1の窒化物半導体2の側
面が第2の窒化物半導体5が成長される程度に十分露出
されている範囲)形成された方が、第2の窒化物半導体
5の成長初期において、凹凸部の下部(第1の窒化物半
導体の平面又は異種基板面)を十分に覆うことができる
と共に熱による第2の保護膜4へのピンホールの発生を
防止できると考えられる。ピンホールが保護膜に発生す
ると、ピンホールから第2の窒化物半導体5が縦方向に
成長する恐れがあり、結晶欠陥の発生の原因となると考
えられる。
【0034】次に、図4は、エッチングにより露出され
た第1の窒化物半導体2の側面から第2の窒化物半導体
5を成長させる第3の工程を行った模式的断面図であ
る。第3の工程においては、第1〜第2の工程により第
1の保護膜3及び第2の保護膜4を形成したことによ
り、第2の窒化物半導体5が成長可能な部分を、第1の
窒化物半導体2の側面のみとし、第1の窒化物半導体2
の凹凸部の側面から第2の窒化物半導体5が選択的に横
方向に成長し始める。そして、成長を続けるうちに、第
2の窒化物半導体5が横方向に加え縦方向にも成長をは
じめ、窒化物半導体が成長しにくい保護膜上にあたかも
成長したかのように、第2の窒化物半導体5は第1の保
護膜3及び第2の保護膜4を覆い成長を続ける。このよ
うに成長初期に成長方向を特定された第2の窒化物半導
体5は、厚膜に成長させても、結晶欠陥の少ない非常に
良好な結晶性を有する。
【0035】第2の窒化物半導体5としては、前記第1
の窒化物半導体2と同様のものを用いることができる。
第2の窒化物半導体5は、成長の初期においては、保護
膜の形成されていない第1の窒化物半導体の側面に選択
的に成長し、向き合っている第1の窒化物半導体の側面
から横方向に成長した第2の窒化物半導体が第2の保護
膜4の上面を覆いながら、次第に横方向から縦方向に成
長し始め第1の保護膜3と同程度の膜厚に成長すると、
図4のように第2の窒化物半導体が第1の保護膜3の上
部に向かって横方向に成長し、そして図4のように隣接
している第2の窒化物半導体5同士でつながっていく。
その結果、図5に示すように、第2の窒化物半導体5が
あたかも第1の保護膜3及び第2の保護膜4上に成長し
たかのような状態となる。
【0036】第2の窒化物半導体5は、この上に素子構
造となる窒化物半導体を成長させるための基板となる。
第2の窒化物半導体の膜厚は、特に限定されないが、1
00μm〜500μm、好ましくは50μm〜400μ
mである。この範囲であると異種基板と窒化物半導体の
熱膨張係数差によるウエハの反りが防止でき、更に素子
基板となる第2の窒化物半導体5の上に素子構造となる
窒化物半導体を良好に成長させることができる。
【0037】ラテラル成長において、3族源のガスに対
する窒素源のガスのモル比(V/III比を2000より
大きくする場合は、窒化物半導体の
【0038】
【外1】
【0039】面が成長し易い面となり、成長が進行する
につれて、図6の窒化物半導体の成長状態を示す模式的
断面図に示されるように、保護膜上に成長していく窒化
物半導体の結晶体小面(Facet:ファセット)が斜
めになり隣接する窒化物半導体同士が接合するまでほぼ
台形状に成長し易い傾向がある。また、ラテラル成長に
おいて、V/III比を2000以下にする場合は、窒化
部物半導体の
【0040】
【外2】
【0041】面が成長し易い面となり、図4に示すよう
に、保護膜上に成長していく窒化物半導体のファセット
がほぼ垂直になり易い傾向がある。保護膜上に成長して
いく窒化物半導体の断面の形状が、斜めの場合に比べ、
垂直に成長をする場合の方が、結晶欠陥の転移がまっす
ぐ表面まで達しなく、転移が90°曲がり易くなるよう
である。更にファセットが垂直に成長をする場合は、表
面透過型電子顕微鏡観察によると、窓部上部のみに転移
が観測され保護膜上部にはほとんど欠陥が見られなくな
る。ファセットが垂直に成長をする場合、窓部上部の結
晶欠陥濃度は、ほぼ10 8個/cm2以下好ましくは10
7個/cm2以下であり、保護膜上部では、ほぼ106
/cm2以下、好ましくは105個/cm2以下である。
これに対しファセットが斜めに成長をする場合は、窓部
及び保護膜上部両方に渡って転移が107個/cm2以上
となる傾向がある。V/III比の好ましい値としては2
000〜100、1500〜500であり、この範囲で
あると、上記結晶欠陥の転移が表面まで転移しにくくな
り良好な結晶性を有する窒化物半導体を得られやすい。
【0042】本発明において、第1の窒化物半導体2、
及び第2の窒化物半導体5を成長させる方法としては、
特に限定されないが、MOVPE(有機金属気相成長
法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子
線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成
長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている
全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、
膜厚が100μm以下ではMOCVD法を用いると成長
速度をコントロールし易い。また膜厚が100μm以下
ではHVPEでは成長速度が速くてコントロールが難し
い。
【0043】また本発明において、第2の窒化物半導体
5上には、素子構造となる窒化物半導体を形成すること
ができるので、明細書内において第2の窒化物半導体を
素子基板又は窒化物半導体基板と言う場合がある。
【0044】また第1の工程における前記異種基板とな
る材料の主面をオフアングルさせた基板、さらにステッ
プ状にオフアングルさせた基板を用いることもできる。
更に好ましい異種基板としては、(0001)面[C面]
を主面とするサファイア、(112−0)面[A面]を主
面とするサファイア、又は(111)面を主面とするス
ピネルである。ここで異種基板が、(0001)面[C
面]を主面とするサファイアであるとき、前記保護膜が
そのサファイアの(112−0)面[A面]に対して垂直
なストライプ形状を有していること[窒化物半導体の
(101−0)[M面]に平行方向にストライプを形成す
ること]が好ましく、また(112−0)面[A面]を主
面とするサファイアであるとき、前記保護膜はそのサフ
ァイアの(11−02)面[R面]に対して垂直なストラ
イプ形状を有していることが好ましく、また(111)
面を主面とするスピネルであるとき、前記保護膜はその
スピネルの(110)面に対して垂直なストライプ形状
を有していることが好ましい。ここでは、保護膜がスト
ライプ形状の場合について記載したが、本発明において
サファイアのA面及びR面、スピネルの(110)面に
窒化物半導体が横方向に成長し易いので、これらの面に
第1の窒化物半導体2の側面が形成されるように第1の
窒化物半導体2に凹凸部を形成するために保護膜の形成
を考慮することが好ましい。
【0045】本発明に用いられる異種基板について図を
用いて更に詳細に説明する。図7は窒化物半導体の結晶
構造を示すユニットセル図である。窒化物半導体は正確
には菱面体構造であるが、このように六方晶系で近似で
きる。まず本発明の方法において、C面を主面とするサ
ファイアを用い、保護膜はサファイアA面に対して垂直
なストライプ形状とする場合について説明する。例え
ば、図8は主面側のサファイア基板の平面図である。こ
の図はサファイアC面を主面とし、オリエンテーション
フラット(オリフラ)面をA面としている。この図に示
すように保護膜のストライプをA面に対して垂直方向
で、互いに平行なストライプを形成する。図8に示すよ
うに、サファイアC面上に窒化物半導体を選択成長させ
た場合、窒化物半導体は面内ではA面に対して平行な方
向で成長しやすく、垂直な方向では成長しにくい傾向に
ある。従ってA面に対して垂直な方向でストライプを設
けると、ストライプとストライプの間の窒化物半導体が
つながって成長しやすくなり、図2〜図5に示したよう
な結晶成長が容易に可能となる。
【0046】次に、A面を主面とするサファイア基板を
用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例え
ばオリフラ面をR面とすると、R面に対して垂直方向
に、互いに平行なストライプを形成することにより、ス
トライプ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾
向にあるため、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層を成長
させることができる。
【0047】また次に、スピネル(MgAl24)に対
しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半
導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(11
0)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して
平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(11
0)面に対して垂直方向にストライプを形成すると窒化
物半導体層と隣接する窒化物半導体同士が保護膜の上部
でつながって、結晶欠陥の少ない結晶を成長できる。な
おスピネルは四方晶であるため特に図示していない。
【0048】次に、第3の工程で得られた第2の窒化物
半導体5(窒化物半導体基板)の上に複数の窒化物半導
体層からなる素子構造を形成して窒化物半導体素子とす
る第4の工程について以下に説明する。第4の工程で
は、第2の窒化物半導体5(窒化物半導体基板)上に、
素子構造となる少なくともn型及びp型等の複数の窒化
物半導体層を成長させる。素子構造となる窒化物半導体
としては、特に限定されず、少なくともn型及びp型の
窒化物半導体が積層されていればよい。例えば、n型窒
化物半導体層として、超格子構造を有するn型窒化物半
導体層を有し、この超格子構造のn型層にn電極を形成
することのできるn型窒化物半導体が形成されているも
の等が挙げられる。また、窒化物半導体素子構造を形成
するその他の構成、例えば電極、素子の形状等は、いず
れのものを適用させてもよい。本発明の窒化物半導体素
子の一実施の形態を実施例に示したが、本発明はこれに
限定されない。
【0049】本発明の窒化物半導体素子構造となる窒化
物半導体を成長させる方法は、特に限定されないがMO
VPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気
相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOC
VD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成
長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好
ましい成長方法は、MOCVD法であり、結晶をきれい
に成長させることができる。しかし、MOCVD法は時
間がかかるため、膜厚が厚い場合には時間の短い方法で
行うことが好ましい。また使用目的によって種々の窒化
物半導体の成長方法を適宜選択し、窒化物半導体の成長
を行うことが好ましい。
【0050】
【実施例】以下に本発明の一実施例を示すが、本発明は
これに限定されない。 [実施例1]実施例1における窒化物半導体基板(第2
の窒化物半導体層5)の製造の各工程を図2〜図5を用
いて示す。また実施例1での窒化物半導体基板の製造
は、MOCVD法を用いて行った。更に得られた窒化物
半導体基板上に図1に示すLED素子の素子構造を形成
し窒化物半導体素子を得る。
【0051】(第2の窒化物半導体層5=窒化物半導体
基板の製造)異種基板1として、2インチφ、C面を主
面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板1を反
応容器内にセットし、温度を510℃にして、キャリア
ガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチ
ルガリウム)とを用い、サファイア基板1上にGaNよ
りなるバッファ層(図示されていない)を約200オン
グストロームの膜厚で成長させる。
【0052】バッファ層を成長後、TMGのみ止めて、
温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になった
ら、原料ガスにTMG、アンモニア、シランガスを用
い、アンドープのGaNよりなる第1の窒化物半導体層
2を2μmの膜厚で成長させる(図2)。
【0053】第1の窒化物半導体層2を成長後、スパッ
タ装置により、SiO2とSiNとを単一膜厚がλ/4
nとなるように交互に10対形成し、第1の保護膜3と
して誘電体多層膜を形成する。第1の保護膜3成長後、
その上にストライプ状のフォトマスクを形成し、露光、
現像して、ストライプ幅15μm、ストライプ間隔3μ
mの(SiO2/SiN)10よりなる第1の保護膜3を
1μmの膜厚で形成する。続いて、RIE装置により第
1の保護膜3が形成されていない部分の第1の窒化物半
導体層2を途中までエッチングして第1の窒化物半導体
層2に凹凸部を形成し第1の窒化物半導体層2の側面を
露出させる(図3)。なお、ストライプ方向は、図8に
示すように、オリフラ面に対して垂直な方向で形成す
る。
【0054】第1の窒化物半導体層2に、図4のように
凹凸部を形成した後、部分的に窪みを有する第1の窒化
物半導体2の表面に、第1の保護膜3と同様に、SiO
2とSiNとからなる誘電体多層膜を形成し、CF4とO
2ガスにより、凹凸部を形成したことにより露出された
第1の窒化物半導体2の側面部分の誘電体多層膜のみを
エッチングすることにより、(SiO2/SiN)10
第2の保護膜4を凹部の下部に形成する。
【0055】第1の保護膜3及び第2の保護膜4を形成
後、反応容器内にセットし、温度を1050℃で、原料
ガスにTMG、アンモニア、シランガスを用い、アンド
ープのGaNよりなる第2の窒化物半導体層5を30μ
mの膜厚で成長させる(図4及び図5)。
【0056】第2の窒化物半導体層5を成長後、ウェー
ハを反応容器から取り出し、アンドープGaNよりなる
窒化物半導体基板を得る。
【0057】(比較の窒化物半導体基板の製造例)一
方、比較のため、上記の製造方法において第1の保護膜
3及び第2の保護膜4を形成せず、上記製造方法と同様
にサファイア基板1上にバッファ層を成長させた後、そ
の上に第1の窒化物半導体層2を30μmの膜厚で形成
し、比較の窒化物半導体基板を得た。
【0058】ここで上記製造された第2の窒化物半導体
層5(窒化物半導体基板5)、及び比較の窒化物半導体
基板上に、それぞれ10×15μmの範囲を任意に9箇
所選び、単位面積あたりのエッチピットの数を光学顕微
鏡により観察し、エッチピットの数を測定した。なお、
エッチピットの測定方法は、まず上記のそれぞれのGa
N基板をドライエッチングにより約1μmエッチング
し、その後、顕微鏡観察を行いエッチピットを数える。
エッチピットは、結晶欠陥の指標となり、エッチピット
の数が少ないと結晶欠陥のない結晶性の良好な結晶とい
える。その結果、エッチピットの数は、本発明の窒化物
半導体基板が5×106個/cm2であり、比較の窒化物
半導体基板が1×1010個/cm2であり、本発明のも
のは比較のものに比べ非常に減少していた。
【0059】(素子構造の形成)次に、上記得られた窒
化物半導体基板5上に、Siを1×1019/cm3ドープ
したn型Al0.2Ga0.8Nよりなる第1の層、20オン
グストロームと、アンドープ(undope)のGaNよりな
る第2の層、20オングストロームとを交互に100層
積層してなる総膜厚0.4μmの超格子構造のn側クラ
ッド層11を形成する。n側クラッド層11を超格子層
にするとクラックのない結晶性の良いキャリア閉じ込め
のクラッド層が形成できる。
【0060】次に、膜厚20オングストロームの単一量
子井戸構造のIn0.1Ga0.9Nよりなる活性層12、膜
厚0.3μmのMgを1×1020ドープAl0.2Ga0.8
Nよりなるp側クラッド層13、膜厚0.5μmのMg
を1×1020ドープGaNよりなるp側コンタクト層1
4を順に成長させる。素子構造となるn側クラッド層1
1〜n側コンタクト層14成長後、ウエハを反応容器か
ら取り出して、窒素雰囲気中で700℃でアニーリング
して、p側クラッド層13、p側コンタクト層14を低
抵抗にする。そしてp層側からエッチングを行いクラッ
ド層11の表面を露出させて、Ti/Alよりなるn電
極17を0.5μmの膜厚で形成し、一方p側コンタク
ト層のほぼ全面には透光性のNi/Auよりなるp電極
15を200オングストロームの膜厚で形成し、そのp
電極15の上に、ボンディング用のパッド電極16を
0.5μmの膜厚で形成し、図1に示すような同一面側
からn電極17とp電極15とを設けた構造とする。最
後にサファイア基板の厚さを50μm程度まで研磨して
薄くした後、研磨面側をスクライブして350μm角の
チップに分離してLED素子とする。
【0061】得られたLED素子は、結晶欠陥の少ない
結晶性の良好な第2の窒化物半導体層を窒化物半導体基
板とし、更にラテラル成長の際に保護膜に反射機能を持
たせて活性層で発光した光を活性層に近い位置で反射さ
せているので、従来のサファイア基板上に窒化物半導体
素子構造を成長させ更にサファイア基板面に反射鏡を設
けたものに比較して、出力が1.5倍以上、静電耐圧も
2倍以上と非常に優れた特性を示し、素子寿命も向上し
た。
【0062】[実施例2]以下、図8に示される本発明
の一実施の形態である面発光レーザ素子の構造を示した
模式的断面図を用いて実施例2を以下に示す。
【0063】実施例1と同様にして、サファイアよりな
る異種基板1の上に、GaNよりなるバッファ層、アン
ドープGaNよりなる第1の窒化物半導体層2、光を反
射可能な誘電体多層膜よりなる第1の保護膜3及び第2
の保護膜5を形成し、更にこの上にアンドープGaNよ
りなる第2の窒化物半導体層5を順に積層させ、窒化物
半導体基板5を形成する。
【0064】上記形成された窒化物半導体基板5上に、
Siドープn型GaNよりなるn側コンタクト層21を
4μm成長させる。
【0065】次に、40オングストロームのアンドープ
In0.05Ga0.95Nよりなる障壁層と40オングストロ
ームのアンドープIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層とを
交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚440オ
ングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層
23を成長させる。ここで上記ようにn側コンタクト層
上に活性層を成長させたが、場合によってはn側コンタ
クト層上にn側クラッド層を形成しこの上に活性層を成
長させてもよい。n側クラッド層としては特に限定され
ないが、例えば、膜厚25オングストロームのアンドー
プAl0.15Ga0.85N層と、25オングストロームのS
iドープGaN層とを交互に積層して、総膜厚0.4μ
mの超格子層よりなるn側クラッド層が挙げられる。n
側クラッド層が超格子層よりなる場合、n型不純物はバ
ンドギャップエネルギーの大きい層及び小さい層のいず
れか一方の層に多くドープ(変調ドープ)するとしきい
値が低下し易い傾向があり好ましい。
【0066】次に、ウェーハを反応容器から取り出し、
円形を有するSiO2よりなるマスクを活性層の表面に
形成する。但し、そのマスクの位置は前記第2の保護膜
5よりも小さく、その第2の保護膜5の真上になるよう
に形成する。ここで上記のように活性層に直接マスクを
形成したが、場合によっては活性層上にp側クラッド層
を形成しこの上にマスクを形成してもよい。p側クラッ
ド層としては特に限定されないが、例えば、25オング
ストロームのアンドープAl 0.15Ga0.85N層と、25
オングストロームのMgドープGaN層とを交互に積層
して、総膜厚0.4μmの超格子層よりなるp側クラッ
ド層24が挙げられる。p側クラッド層が超格子層より
なる場合、p型不純物はバンドギャップエネルギーの大
きい層及び小さい層のいずれか一方の層に多くドープ
(変調ドープ)するとしきい値が低下し易い傾向があり
好ましい。
【0067】SiO2よりなるマスクを形成後、再度、
ウェーハを反応容器内に移し、そのマスクが形成されて
いない活性層23の表面にSiドープn型Al0.1Ga
0.9Nよりなる電流阻止層26を0.4μmの膜厚で形
成する。なおこの電流阻止層26はZn、Cdのような
p型不純物をドープしてもp型になりにくいp型不純物
をドープして、高抵抗なi型の窒化物半導体層としても
よいし、またクラッド層を設ける場合はAl混晶比をク
ラッド層よりも大きくして高抵抗なi型AlGaNを形
成することもできる。
【0068】電流阻止層26形成後、ウェーハを反応容
器から取り出し、マスクを除去した後、再び反応容器内
において、その電流阻止層26の上にMgドープp型G
aNよりなるp側コンタクト層25を成長させる。
【0069】反応終了後、アニーリングを行いp層をさ
らに低抵抗化し、実施例1と同じく、エッチングにより
n側コンタクト層22の一部を露出させ、露出したn側
コンタクト層22にTi/Alよりなるn電極28を形
成する一方、p側コンタクト層の表面にNi/Auより
なるp電極27を形成した後、ウェーハをチップに分離
して図9に示すような構造の面発光レーザ素子を得た。
その結果、結晶欠陥が少ない結晶性の良好な窒化物半導
体基板5上に素子構造を形成し、更にラテラル成長に用
いられる保護膜に光反射機能を持たせているので、活性
層に近い位置に反射鏡となる第2の保護膜5を有してい
るので良好な反射鏡が得られる。このように反射鏡が活
性層に近いと反射鏡間(共振器長)を小さくすることが
可能となるので、吸収等からくる共振器の内部損失が小
さくなり発振しきい値が下がる。更にラテラル成長の保
護膜に光反射機能を持たせているので、反射鏡を形成す
るための新たな製造工程を増やすことなく、且つ反射鏡
を形成したことによる素子構造の結晶性の低下がない。
そして、得られた面発光レーザは、410nmのレーザ
光がサファイア基板側から観測された。
【0070】[実施例3]実施例1において、成長させ
た第1の窒化物半導体層2にダイシングにより段差を形
成して第1の窒化物半導体層2の端面を露出させた後、
図2に示すように、保護膜3及び保護膜4を形成する他
は同様にして、第2の窒化物半導体層5の窒化物半導体
基板を得た。得られた窒化物半導体基板上に実施例1と
同様に素子構造を形成した結果、実施例1とほぼ同様の
結果が得られた。
【0071】[実施例4]実施例1において、第1の窒
化物半導体層2をエッチングする際に、サファイア基板
1までエッチングする他は同様にして行った。その結
果、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0072】
【発明の効果】本発明は、新規なラテラル成長により結
晶欠陥の少ない窒化物半導体基板を形成し、更にラテラ
ル成長の際に用いられる保護膜に光反射機能を持たせる
ことで、発光効率の向上したLED、更に保護膜が良好
な反射鏡となるので性能の向上した面発光レーザ素子の
窒化物半導体、及びそれらの製造方法を提供することが
できる。更に本発明は、結晶性の良好な窒化物半導体を
基板としてこの上に素子構造を構成する窒化物半導体を
成長させているので、ライフ時間の伸び、逆耐圧が上昇
し、寿命特性の良好な窒化物半導体素子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における光反射機能を有する保
護膜を用いて成長させた窒化物半導体基板上に形成され
た窒化物半導体LED素子の一実施の形態を示す模式的
断面図である。
【図2】図2は、本発明における窒化物半導体基板の製
造方法の各工程において得られる窒化物半導体ウェーハ
の構造を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、本発明における窒化物半導体基板の製
造方法の各工程において得られる窒化物半導体ウェーハ
の構造を示す模式的断面図である。
【図4】図4は、本発明における窒化物半導体基板の製
造方法の各工程において得られる窒化物半導体ウェーハ
の構造を示す模式的断面図である。
【図5】図5は、本発明における窒化物半導体基板の製
造方法の各工程において得られる窒化物半導体ウェーハ
の構造を示す模式的断面図である。
【図6】図6は、本発明における窒化物半導体基板の製
造方法の一工程のその他の形態により得られる窒化物半
導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
【図7】図7は、サファイアの面方位を示すユニットセ
ル図である。
【図8】図8は、保護膜のストライプ方向を説明するた
めの基板主面側の平面図である。
【図9】図9は、本発明における光反射機能を有する保
護膜を用いて成長させた窒化物半導体基板上に形成され
た窒化物半導体LD素子の一実施の形態を示す模式的断
面図である。
【符号の説明】
1・・・異種基板 2・・・第1の窒化物半導体 3・・・第1の保護膜 4・・・第2の保護膜 5・・・第2の窒化物半導体(窒化物半導体基板) 11・・・n側クラッド層 12、23・・・活性層 13・・・p側クラッド層 14、25・・・p側コンタクト層 15、27・・・p電極 16・・・パッド電極 17、28・・・n電極 21・・・n側コンタクト層 20・・・クラック防止層 26・・・電流阻止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00 H01L 21/205 H01S 5/00 - 5/50

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体と異なる材料よりなる異種
    基板の上に成長された第1の窒化物半導体層に凹凸を形
    成しその凹凸部にある第1の窒化物半導体層の側面を露
    出して成り、その凸部の上部平面に第1の保護膜及び凹
    部の下部平面に第2の保護膜を有し、前記第1及び第2
    の保護膜を形成していない凹凸部の側面から成長させた
    第1の窒化物半導体層より結晶欠陥の少ない第2の窒化
    物半導体層上に素子構造を有する窒化物半導体発光素子
    であって、前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少なく
    とも一方が誘電体多層膜よりなる反射鏡であることを特
    徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記誘電体多層膜よりなる反射膜は、酸
    化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、窒化チタン、酸化
    ジルコニウム等の酸化物、窒化物からなることを特徴と
    する請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記保護膜は、保護膜材料をλ/4n
    (λ:発光波長、n:誘電体の屈折率)となるよう積層
    された誘電体多層膜であることを特徴とする請求項1乃
    至2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 窒化物半導体と異なる材料よりなる異種
    基板の上に成長された第1の窒化物半導体層に凹凸を形
    成しその凹凸部にある第1の窒化物半導体層の側面を露
    出して成り、その凸部の上部平面に第1の保護膜及び凹
    部の下部平面に第2の保護膜を有し、前記第1及び第2
    の保護膜を形成していない凹凸部の側面から成長させた
    第1の窒化物半導体層より結晶欠陥の少ない第2の窒化
    物半導体層上に素子構造を有する窒化物半導体発光素子
    であって、前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少なく
    とも一方が、活性層の発光を反射して、表面に窒化物半
    導体が成長しにくい性質を有する銀白色の金属からなる
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の保護膜及び第2の保護膜の少
    なくとも一方が、Pt、Ni、Cr、又はAgからなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体発光素
    子。
  6. 【請求項6】 前記窒化物半導体発光素子は、発光ダイ
    オード、レーザダイオード、又はスーパルミネッセント
    ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至5に記
    載の窒化物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 前記レーザダイオードは、ストライプ型
    の導波路を有するレーザ素子、又は面発光型レーザであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体発光
    素子。
  8. 【請求項8】 前記基板は、サファイア、スピネル、又
    は炭化ケイ素、であることを特徴とする請求項1乃至7
    に記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記凹凸は、ランダムな窪み、ストライ
    プ状、碁盤面状、又はドット状に形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至8に記載の窒化物半導体発光素
    子。
  10. 【請求項10】 前記凹凸のエッチング面は、異種基板
    に対して側面がほぼ垂直となる形状、順メサ形状、逆メ
    サ形状、又は第1の窒化物半導体の側面が階段状になる
    よう形成されたことを特徴とする請求項1乃至9に記載
    の窒化物半導体発光素子。
  11. 【請求項11】 前記第2の窒化物半導体層の結晶欠陥
    密度は10個/cm以下であることを特徴とする請
    求項1乃至10に記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 窒化物半導体と異なる材料よりなる異
    種基板の上に、第1の窒化物半導体層を成長させる第1
    の工程と、 第1の工程後、前記第1の窒化物半導体層に凹凸を形成
    して第1の窒化物半導体層の側面を露出させ、凸部の上
    部平面に窒化物半導体が成長しない又は成長しにくい第
    1の保護膜を形成し、凹部の下部平面に窒化物半導体が
    成長しない又は成長しにくい第2の保護膜を形成する第
    2の工程と、 第2の工程後、前記第1の窒化物半導体層の露出された
    側面から第2の窒化物半導体層を成長させて窒化物半導
    体基板とする第3の工程と、 第3の工程で得られた窒化物半導体基板の上に複数の窒
    化物半導体層からなる素子構造を形成して窒化物半導体
    素子とする第4の工程を含み、 更に第2の工程で形成する第1の保護膜及び第2の保護
    膜のいずれか一方が誘電体多層膜よりなる反射鏡である
    ことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の工程で、凹部の下部平面が
    第1の窒化物半導体層面又は異種基板面であることを特
    徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子の製
    造方法。
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