JP4625998B2 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード、レーザダイオード等の発光素子、又は太陽電池、光センサー等の受光素子に使用される窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる窒化物半導体レーザ素子に関し、特に寿命特性が良好となる窒化物半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物半導体からなるレーザ素子は、波長400nm付近の青色レーザ素子として実用可能なレベルまで研究が進んでいる。
例えば、本発明者等を含む研究者等は、Japanese Journal of Aplide Physics. Vol.37(1998)pp.L1020-L1022に、ELOG(Epitaxially laterally overgrown GaN)を基板とし、この基板上に素子構造を形成し、約400nmの波長の光を、50℃の環境温度の条件下、5mWの出力で約160時間連続発振させることが可能な窒化物半導体レーザ素子を発表している。この技術は、井戸層の全積層数を2以下とすることにより、しきい値電流密度を低くすることができ、素子の発熱を抑えることで寿命特性を上記のように良好としている。
また、レーザディスプレイやカラーコピー等への用途のある発振波長が420nm以上のレーザ素子の研究も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記J.J.A.P.に記載の400nm付近の青色レーザ素子は、低しきい値電流密度とすることで寿命特性がかなり向上しているものの、製品に応用して用いる場合、寿命特性をさらに向上させて素子の信頼性を高めることが望まれる。
また、発振波長が420nm以上の場合には、400nm付近の発振波長のレーザ素子に比べて、寿命特性がかなり低下する。この理由は、定かではないが、例えば、井戸層のIn組成比を大きくすることにより、結晶性が低下する傾向があり、この結晶性の低下が素子の劣化を生じ易くさせているために、寿命特性が低下するのではないかと思われる。
【0004】
以上のように従来技術では、素子の寿命特性を向上させるために、しきい値電流密度を低下させて素子に発生する熱を抑制し、劣化を防止することが行われているが、寿命特性のさらなる向上のためには、素子の劣化をより防止することが望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、素子の劣化を防止して寿命特性が良好となる窒化物半導体レーザ素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記(1)〜(6)の構成とすることにより、本発明の目的を達成することができる。
(1) 基板上に、少なくともn型窒化物半導体、障壁層とInを含んでなる井戸層とを有する量子井戸構造の活性層、及びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物半導体レーザ素子において、前記活性層が、障壁層の膜厚が100オングストローム以上で、且つ井戸層の膜厚に対する障壁層の膜厚の比が[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=[1:3〜10]である量子井戸構造であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
(2) 前記活性層が、井戸層の全積層数が6以下の量子井戸構造であることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導体レーザ素子。
(3) 前記活性層が、井戸層の全積層数が2〜4の量子井戸構造であることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導体レーザ素子。
(4) 前記活性層が、障壁層の膜厚が100〜500オングストロームである量子井戸構造であることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の窒化物半導体レーザ素子。
(5) 前記活性層が、発振波長が420nm以上となるようにIn組成比を調整されてなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
(6) 前記窒化物半導体レーザ素子が、窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板又は窒化物半導体基板上に、窒化物半導体の横方向の成長を利用して成長させてなる窒化物半導体上に成長されてなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
【0007】
つまり、本発明は、上記の如く、活性層を、障壁層の膜厚が100オングストローム以上、且つ井戸層と障壁層の膜厚の比が[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=[1:3〜10]と、膜厚を特定してなる量子井戸構造とすることにより、素子の劣化が防止され、寿命特性が向上する窒化物半導体レーザ素子を提供することができる。
【0008】
従来技術である前記J.J.A.P.には、しきい値電流密度を低下させることで、素子の動作による発熱を抑制し素子の劣化を防止して寿命特性の向上を行っている。しかし、前記J.J.A.P.に記載の技術では、素子の十分な信頼性を得るためには、寿命特性が十分満足できるものではない。
【0009】
これに対して、本発明者等は、素子の劣化の原因について種々検討した結果、In組成不均一が素子の劣化に影響を及ぼしているのではないかと考えた。つまり、Inを含んでなる井戸層では、In組成不均一によるInの多い領域と、Inの少ない領域が形成されている。Inの多い領域は、バンドギャップエネルギーがInの少ない領域よりも小さくなっており、電流が集中し易くなっている。そのため、電流が井戸層中を均一に流れない。この局所的な電流の流れが、素子全体の劣化をも促進しているのではないかと考えた。
そして、この考察をもとに、本発明者等は、素子の発熱を防止する点からしきい値電流密度をできるだけ低く抑えると共に、従来はあまり考慮されていなかった局所的な電流の流れによる素子の劣化を防止することを検討した。
その結果、本発明は、活性層を、障壁層の膜厚を100オングストローム以上、且つ井戸層の膜厚に対して障壁層の膜厚を3〜10倍として成長させることにより、予想以上に良好な寿命特性の向上を達成させることができる。
【0010】
この理由は定かではないが、以下のことが考えられる。
本発明において、障壁層の膜厚を100オングストローム以上とすると、障壁層の結晶性が良好となる傾向があり、障壁層の結晶性が良好となれば障壁層上に成長される井戸層の結晶性も良好となり好ましい。更にまた、井戸層中のIn組成不均一により局所的に電流が流れても、厚膜の障壁層により電流の流れが拡散され電流が均一に流れるようになり、劣化及び劣化によるショートを防止しているのではないかと考えられる。
更に本発明において、井戸層の膜厚に対して障壁層の膜厚を3〜10倍の膜厚にすることにより、In組成不均一により局所的に流れる電流に対して、障壁層で電流を均一に拡散し、電流が均一に活性層を流れるようになり素子の劣化を抑制していると考えられる。
【0011】
ちなみに、前記J.J.A.P.に記載の素子構造において、井戸層の積層数を2とし、障壁層の膜厚、及び井戸層の膜厚と障壁層の膜厚の関係を上記本発明の構成とする他は同様にして素子を作製すると、しきい値電流密度がやや上昇する傾向が見られる。しかし、実際に寿命特性の試験を行うと、J.J.A.P.に記載の素子の寿命特性より良好となる。このことからも、上記本発明の各構成が相乗的に作用し、予想外の顕著な効果が得られるものと考えられる。
【0012】
更に本発明において、井戸層の全積層数を6以下とすると、しきい値電流密度を低く抑えられ、発熱による素子の劣化を防止する点から好ましい。更にまた、井戸層の結晶性及び低電圧の点からも好ましい。
更に本発明において、活性層が、井戸層の全積層数が2〜4の量子井戸構造であると、しきい値電流密度がより低くなり、寿命特性の向上の点で好ましい。
更にまた、本発明は、活性層が、障壁層の膜厚が100〜500オングストロームである量子井戸構造であると、しきい値電流密度を低く抑えながら、局所的な電流の流れによると思われる素子の劣化を良好に防止でき、寿命特性の向上の点で好ましい。
更にまた、本発明は、活性層が、発振波長が420nm以上となるようにIn組成比を調整されてなると、井戸層でのIn組成不均一が、発振波長が420nm未満の場合より大きくなり、局所的な電流の流れが大きくなり劣化がより促進される傾向があるが、上記のように、障壁層の膜厚と、及び井戸層と障壁層の膜厚の関係を上記のように特定すると、劣化を良好に防止でき、寿命特性の向上の点で好ましい。そして、従来の長波長の素子に比べて、より良好に寿命特性が向上する傾向がある。
【0013】
また更に、本発明において、窒化物半導体レーザ素子が、窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板又は窒化物半導体基板上に、窒化物半導体の横方向の成長を利用して成長させてなる窒化物半導体(以下ELOG成長によるELOG基板、又は単にELOG基板とする)上に成長されてなると、転位の低減された窒化物半導体を基板とするので、井戸層及び障壁層の結晶性を良好にする点で好ましく、更に活性層以外のその他の素子構造も転位が少なく結晶性が良好となり、寿命特性の向上の点で好ましい。特に、発振波長が420nm以上の場合には、井戸層のIn組成比が大きくなるので、In組成比の大きな井戸層の結晶性を良好にすることができ、素子の劣化を防止し寿命特性の向上の点で好ましい。
【0014】
また、以下に、本発明の好ましいその他の形態について記載する。
本発明において、ELOG基板が用いられ、ELOG基板上に成長させるn型コンタクト層が、AlaGa1-aN(0<a<1、好ましくは0.01≦a≦0.05)からなると、n型コンタクト層と熱膨張係数が異なる傾向があるELOG基板上に、n型コンタクト層を形成しても内部の微細なクラックの発生が防止でき、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。n型コンタクト層上には、レーザ素子の種々の機能を有する複数の層を成長させるため、n型コンタクト層の結晶性が良好であればあるほど、結晶性の良好な素子を作製することができ、素子特性の向上を達成することができる。
また、本発明において、ELOG基板を成長させるための、異種基板が、サファイアのC面がステップ状にオフアングルされているものであると、転位の低減及び良好な面状態を得る点で好ましく、このようなELOG基板上に成長される素子構造も良好となり、本発明の効果を得る点で好ましい。更に、ステップ状にオフアングルされているサファイア基板のオフアングル角が、0.1°〜0.3°であるとELOG基板を良好に成長させることができ、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の窒化物半導体レーザ素子について更に詳細に説明する。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、基板上に、少なくともn型窒化物半導体、障壁層とInを含んでなる井戸層とを有する量子井戸構造の活性層、及びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物半導体レーザ素子であって、活性層が、障壁層の膜厚が100オングストローム以上で、且つ[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]が[1:3〜10]である量子井戸構造であれば特に限定されない。
以下に本発明のレーザ素子を構成する活性層について更に詳細に説明する。
【0016】
(活性層)
本発明において、活性層としては、少なくともInを含んでなる井戸層と、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きい障壁層からなる量子井戸構造を有している。さらに活性層の量子井戸構造は、障壁層の膜厚が100オングストローム以上で、且つ井戸層と障壁層の膜厚の比が、[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=1:3〜10、好ましくは1:4〜7であり、このような膜厚の関係を有している。上記のように井戸層の膜厚に対して障壁層の膜厚が3〜10倍であると、井戸層でのIn組成不均一により局所的に流れる電流に対して、障壁層で電流を均一に拡散し、電流が均一に活性層を流れるようになり素子の劣化を抑制する点で好ましい。
【0017】
活性層の井戸層としては、少なくともInを含んでなるInbGa1-bN(0≦b<1)で示される窒化物半導体が挙げられる。
活性層の量子井戸構造を形成する井戸層の全積層数としては、6以下、好ましくは2〜4であり、積層数が前記範囲であると、しきい値電流密度を低くでき、さらに井戸層の結晶性の点から好ましい。
井戸層の膜厚としては、特に限定されないが、少なくとも障壁層の膜厚との関係が上記したように、[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=[1:3〜10]となるような膜厚で、量子サイズ効果の得られる膜厚が好ましく、例えば好ましい具体的な膜厚としては、60オングストローム以下、好ましくは50オングストローム以下である。また井戸層の膜厚の下限値は、特に限定されないが、10オングストローム程度である。そして、このような膜厚の範囲内で、障壁層との膜厚を調整させる。
また、井戸層は、アンドープでも、不純物をドープされていてもよいが、好ましくは結晶性を損なわない点で、アンドープ、または不純物をドープする場合でも不純物(例えばSiなど)を1×1018/cm2以下含有されてなるものが好ましい。井戸層の結晶性が良好であれば、しきい値電流密度の低下や寿命特性の向上の点で好ましい。
【0018】
また、活性層の障壁層としては、特に限定されないが、少なくとも井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きい組成のものが挙げられ、例えば具体的には、InbGa1-bN(0≦b<0.1)で示される窒化物半導体が挙げられる。
障壁層の膜厚としては、100オングストローム以上であって、且つ井戸層の膜厚に対する障壁層の膜厚の比が、[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=[1:3〜10]の関係を有する膜厚を有し、好ましくは100〜500オングストロームである。このような膜厚であると、井戸層のIn組成不均一による局所的な電流の流れによる素子の劣化の防止及びショートの防止の点で好ましい。また、障壁層の膜厚の上限が500オングストローム以下であると、しきい値電流密度を低く抑える点で好ましい。
障壁層は、アンドープでも、不純物をドープされていてもよいが、好ましくはバルク抵抗や順方向電圧の点から、不純物(例えばSiなど)を5×1018/cm2〜1×1020/cm2、好ましくは7×1018/cm2〜5×1019/cm2含有されてなるものが好ましい。
【0019】
活性層の井戸層の積層数が、例えば6の場合、少なくとも井戸層が6層積層されていればよく、障壁層から始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり障壁層で終わっても、井戸層から始まり障壁層で終わっても、また井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。好ましくは障壁層で始まり障壁層で終わると、しきい値電流密度を低下させ寿命特性を向上させるのに好ましい。
また、活性層が井戸層の積層数が1である単一量子井戸構造の場合は、障壁層は井戸層を挟むように形成されるのが好ましい。単一量子井戸構造の場合、障壁層が形成されていると、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。
また、発振波長が420nm以上の場合は、井戸層の積層数は、3以下、好ましくは2であると、しきい値電流密度を低下させる点で好ましい。
【0020】
活性層の井戸層のIn組成比の調整としては、所望する発振波長となるようにIn組成比を調整してあればよく、具体的な値としては、例えば下記の理論値の計算式から求められる値を近似的な値として挙げることができる。しかし、実際にレーザ素子を動作させて得られる発振波長は、量子井戸構造をとる量子準位が形成されるため、発振波長のエネルギー(Eλ)がInGaNのバンドギャップエネルギー(Eg)よりも図7のように大きくなり、計算式などから求められる発振波長より、短波長側へシフトする傾向がある。
【0021】
[理論値の計算式]
Eg=(1−χ)3.40+1.95χ−Bχ(1−χ)
波長(nm)=1240/Eg
Eg:InGaN井戸層のバンドギャップエネルギー
χ:Inの組成比
3.40(eV):GaNのバンドギャップエネルギー
1.95(eV):InNのバンドギャップエネルギー
B:ボーイングパラメーターを示し、1〜6eVとする。このようにボーイングパラメータが変動するのは、最近の研究では、SIMS分析などから、従来は結晶に歪みがないと仮定して1eVとされていたが、In組成比の割合や膜厚が薄い場合等により歪みの生じる程度が異なり、1eV以上となることが明らかとなってきているためである。
【0022】
上記のように井戸層のSIMS分析などから求められる具体的なIn組成比から考えられる発振波長と、実際に発振させたときの発振波長とには、やや相違があるものの、実際の発振波長が所望する波長となるように調整される。
【0023】
以下に上記のような本発明の活性層を有する素子のその他の素子構造について説明する。
その他の素子構造としては、特に限定されず、例えば具体的なレーザ素子の一実施の形態としては、図1に示す素子構造のレーザ素子を挙げることができる。レーザ素子が、図1に示す素子構造と、上記の本発明の活性層とを組み合わせると、しきい値電流密度の低下及び寿命特性の向上の点で好ましい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図1に示される本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子を示す模式的断面図について以下に説明する。
図1には、サファイア等の異種基板上にELOG成長させた窒化物半導体基板1上に、n型不純物(例えばSi)をドープしてなるAlaGa1-aN(0<a<1)よりなるn型コンタクト層2、SiドープのIngGa1-gN(0.05≦g≦0.2)よりなるクラック防止層3、AleGa1-eN(0.12≦e<0.15)を含んでなる多層膜のn型クラッド層4、アンドープのGaNからなるn型ガイド層5、障壁層の膜厚及び井戸層と障壁層の膜厚の関係が上記のような量子井戸構造の活性層6、MgドープのAldGa1-dN(0<d≦1)からなる少なくとも1層以上のp型電子閉じ込め層7、アンドープのGaNからなるp型ガイド層8、AlfGa1-fN(0<f≦1)を含んでなる多層膜のp型クラッド層9、MgドープのGaNからなるp型コンタクト層10からなるリッジ形状のストライプを有する窒化物半導体レーザ素子が示されている。
また、p電極は、リッジ形状のストライプの最上層に形成され、n電極はn型コンタクト層上に形成される。
以下に、基板や各層等について更に詳細に説明する。
【0025】
(ELOG成長)
まず、ELOG成長について以下に説明する。
本発明において、用いることのできるELOG成長としては、窒化物半導体の縦方向の成長を少なくとも部分的に一時的止めて、横方向の成長を利用して転位を抑制することのできる成長方法であれば特に限定されない。
【0026】
例えば具体例としては、窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板上に、窒化物半導体が成長しないかまたは成長しにくい材料からなる保護膜を部分的に形成し、その上から窒化物半導体を成長させることにより、保護膜が形成されていない部分から窒化物半導体が成長し、成長を続けることにより保護膜上に向かって横方向に成長することにより厚膜の窒化物半導体(ELOG基板)が得られる成長方法が挙げられる。このような成長方法としては、例えば特願平10−275826号、特願平10−119377号、特願平10−146431号、特願平11−37826号、各明細書に記載の方法が挙げられる。
【0027】
また、その他の具体例としては、保護膜を用いない方法であり、窒化物半導体と異なる材料からなる異種基板上に成長させた窒化物半導体上に、凹凸を形成し、この上から再び窒化物半導体を成長させてなる窒化物半導体(ELOG基板)が得られる成長方法が挙げられる。また、保護膜を用いず、窒化物半導体の表面を部分的に改質して窒化物半導体の横方向の成長を意図的に行わせる方法が挙げられる。このような成長方法としては、例えば特願平11−378227号、特願平11−168079号、特願平11−142400号、各明細書に記載の方法が挙げられる。
【0028】
また更に、上記のようなELOG成長等により得られた窒化物半導体を基板とし、この窒化物半導体上に、上記に示したような保護膜を用いて行う又は凹凸を形成する等のELOG成長を繰り返して転位を良好に低減される窒化物半導体を得る成長方法が挙げられる。このような成長方法としては、例えば特願平11−80288号明細書に記載の方法が挙げられる。
【0029】
上記したELOG成長として好ましくは保護膜を用いないで成長させる方法、及び窒化物半導体上にELOG成長させる方法である。このような方法で行うと転位の低減の点で好ましく、さらには転位の低減されたELOG基板上に素子構造を形成すると、しきい値電流密度の低減及び寿命特性の向上の点で好ましい。
上記に挙げたELOG成長方法についての詳細は、上記列記した各号明細書の記載の通りであるが、好ましい一例を以下に示す。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0030】
以下に、本発明に用いることのできる好ましいELOG成長の一実施の形態を図2を用いて説明する。
図2(a−1〜a−4)は、窒化物半導体の成長方法の一実施の形態を段階的に示した模式図である。
まず、図2(a−1)の第1の工程において、異種基板41上に第1の窒化物半導体42を成長させ、図2(a−2)の第2の工程において、第1の窒化物半導体42に凹凸を形成し、続いて図2(a−3)の第3の工程において、凹凸の形成された第1の窒化物半導体42上に、常圧以上の圧力条件下で、第2の窒化物半導体43を成長させる。
【0031】
以下に上記各工程ごとに図2を用いて更に詳細に説明する。
(第1の工程)
図2(a−1)は異種基板41上に、第1の窒化物半導体42を成長させる第1の工程を行った模式的段面図である。
この第1の工程において、用いることのできる異種基板41としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA124)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、従来知られている窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。
異種基板としてサファイアを用いる場合、サファイアの主面をどの面にするかにより、凹凸を形成した時の凸部上部と凹部側面の窒化物半導体の面方位が特定される傾向があり、その面方位によって、窒化物半導体の成長速度がやや異なることから、凹部側面に成長し易い面方位がくるように主面を選択してもよい。
【0032】
また、第1の工程において、異種基板41上に第1の窒化物半導体42を成長させる前に、異種基板41上にバッファ層(図示されていない)を形成してもよい。バッファ層としては、AlN、GaN、AlGaN、InGaN等が用いられる。バッファ層は、900℃以下300℃以上の温度で、膜厚0.5μm〜10オングストロームで成長される。このように異種基板1上にバッファ層を900℃以下の温度で形成すると、異種基板41と第1の窒化物半導体42との格子定数不正を緩和し、第1の窒化物半導体42の結晶欠陥が少なくなる傾向にある。
【0033】
第1の工程において、異種基板41上に形成される第1の窒化物半導体42としては、アンドープ(不純物をドープしない状態、undope)のGaN、Si、Ge、及びS等のn型不純物をドープしたGaNを用いることができる。
第1の窒化物半導体42は、高温、具体的には約900℃より高温〜1100℃、好ましくは1050℃で異種基板41上に成長される。このような温度で成長させると、第1の窒化物半導体42は単結晶となる。第1の窒化物半導体42の膜厚は特に限定しないが、凹部内部での縦方向の成長を抑えて、横方向の成長が促進できるように、凹凸の形状を調整することが可能な膜厚であることが好ましく、少なくとも500オングストローム以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上の膜厚で形成する。
【0034】
(第2の工程)
次に、図2(a−2)は異種基板41上に第1の窒化物半導体42を成長させた後、第1の窒化物半導体42に部分的に凹凸を形成して、凹部側面に第1の窒化物半導体42を露出させてなる模式的断面図である。
【0035】
第2の工程において、部分的に凹凸を形成するとは、少なくとも凹部側面に第1の窒化物半導体42が露出されるように、第1の窒化物半導体42の表面から異種基板41方向に窪みを形成してあればよく、第1の窒化物半導体42にいずれの形状で凹凸を設けてもよく、例えば、ランダムな窪み、ストライプ状、碁盤目状、ドット状に形成できる。好ましい形状としては、ストライプ状であり、この形状とすると、異常成長が少なく、より平坦に埋まり好ましい。
第1の窒化物半導体42に部分的に設けられた凹凸は、第1の窒化物半導体42の途中まで、異種基板に達する深さまで、又は異種基板をエッチングして500〜2000オングストロームの深さまで、の形状で形成され、好ましくは異種基板が露出する程度、又は異種基板を上記のような深さに削る程度の深さが好ましく、より好ましくは異種基板を上記の深さで削る程度の深さである。凹部底部に異種基板が露出されていると、凹部底部からの成長が抑制されやすくなり、凹部開口部から厚膜に成長する第2の窒化物半導体43の転位を低減し易くなり好ましい。異種基板を上記のような深さに削ってあると、凹部上部の転位の低減と、転位のほとんどない部分と転位のある部分を再現性よく明確に区別できるなど結晶面が良好となり、転位のない凹部上部へのリッジ形状の形成の点で好ましく、量産する場合などに好ましい。
【0036】
凹凸の形状は、凹部側面の長さや、凸部上部の幅と凹部底部の幅などは、特に限定されないが、少なくとも凹部内での縦方向の成長が抑制され、凹部開口部から厚膜に成長する第2の窒化物半導体43が凹部側面から横方向に成長したものとなるように調整されていることが好ましい。
凹凸の形状をストライプ状とする場合、ストライプの形状として特に限定されないが、例えばストライプ幅(凸部上部の幅)を1〜20μm、好ましくは1〜10μmであり、ストライプ間隔(凹部底部の幅)を3〜20μm、好ましくは10〜19μmであるものを形成することができる。このようなストライプ形状を有していると、転位の低減と面状態を良好にする点で好ましい。
凹部開口部から成長する第2の窒化物半導体43の部分を多くするには、凹部底部の幅を広くし、凸部上部の幅を狭くすることで可能となり、このようにすると転位の低減された部分を多くすることができる。凹部底部の幅を広くした場合には、凹部の深さを深めにすることが、凹部底部から成長する可能性のある縦方向の成長を防止するのに好ましい。
【0037】
第2の工程で凹凸を設ける方法としては、第1の窒化物半導体42を一部分取り除くことができる方法であればいずれの方法でもよく、例えばエッチング、ダイシング等が挙げられる。
エッチングにより、第1の窒化物半導体42に部分的(選択的)に凹凸を形成する場合は、フォトリソグラフィー技術における種々の形状のマスクパターンを用いて、ストライプ状、碁盤目状等のフォトマスクを作製し、レジストパターンを第1の窒化物半導体2に形成してエッチングすることにより形成できる。フォトマスクは、エッチングして凹凸を形成後に除去される。
また、ダイシングで行う場合は、例えば、ストライプ状や碁盤目状に形成できる。
【0038】
第2の工程において窒化物半導体をエッチングする方法には、ウエットエッチング、ドライエッチング等の方法があり、平滑な面を形成するには、好ましくはドライエッチングを用いる。ドライエッチングには、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択することにより、窒化物半導体をエッチングしてできる。例えば、本出願人が先に出願した特開平8−17803号公報記載の窒化物半導体の具体的なエッチング手段を用いることができる。
また、エッチングによって凹凸を形成する場合、エッチング面(凹部側面)が、図2(a−2)に示すように異種基板に対して端面がほぼ垂直となる形状、又は順メサ形状や逆メサ形状でもよく、あるいは階段状になるように形成された形状等がある。好ましくは転位の低減や面状態の良好性などの点から、垂直、逆メサ、順メサであり、より好ましくは垂直である。
【0039】
(第3の工程)
次に、図2(a−3)は、エッチングにより凹凸を有する第1の窒化物半導体42上に、常圧以上の加圧条件下で、第2の窒化物半導体43を成長させる第3の工程を行った模式的断面図である。
第2の窒化物半導体43としては、前記第1の窒化物半導体42と同様のものを用いることができる。第2の窒化物半導体43の成長温度は、第1の窒化物半導体42を成長させる場合と同様であり、このような温度で成長させる第2の窒化物半導体43は単結晶となる。
また、第2の窒化物半導体43を成長させる際に、不純物(例えばSi、Ge、Sn、Be、Zn、Mn、Cr、及びMg等)をドープして成長さる、または窒化物半導体の原料となるIII族とV族の成分のモル比(III/Vのモル比)を調整して成長させる等により、横方向の成長を縦方向の成長に比べて促進させ転位を低減させる点で好ましく、さらに第2の窒化物半導体43の表面の面状態を良好にする点で好ましい。
【0040】
上記の常圧以上の加圧条件とは、常圧(意図的に圧力を加えない状態の圧力)から、装置などを調整し意図的に圧力を加えて加圧条件にした状態で反応を行うことである。具体的な圧力としては、常圧以上の圧力であれば特に限定されないが、好ましくは常圧(ほぼ1気圧)〜2.5気圧であり、好ましい圧力としては、常圧〜1.5気圧である。このような圧力の条件下で第2の窒化物半導体を成長させると、第2の窒化物半導体の表面の面状態を良好にする点で好ましい。
【0041】
また、第3の工程において、凹部内部では凹部の側面から横方向に成長するものと、凹部底部から縦方向に成長するものとがあると思われるが、成長し続ける過程で、凹部側面から成長した第2の窒化物半導体同士が接合し、凹部底部からの成長を抑制する。その結果、凹部開口部から成長した第2の窒化物半導体には転位がほとんど見られない。凹部底部からの縦方向の成長は、凹部側面からの横方向の成長に比べ、成長速度が遅いと思われる。また、凹部底部の表面が、サファイアなどの異種基板であると、凹部底部からの第2の窒化物半導体の成長が抑制され、凹部側面からの第2の窒化物半導体の成長が良好となり、転位の低減の点で好ましい。
【0042】
一方、凸部上部から成長した第2の窒化物半導体部分には、凹部開口部から成長するものに比べてやや多めの転位が見られるが、凸部上部に縦方向に成長を始める窒化物半導体も、縦方向に成長する速度よりも、凹部開口部に向かって横方向に成長する傾向があり、凹凸を形成しないで縦方向に成長させた場合に比べれば転位が低減する。また、本発明の第2及び第3の工程を繰り返すことで、凸部上部の転位をなくすことができる。また、凸部上部と凹部内部から成長した第2の窒化物半導体は、成長の過程で接合し、図2(a−4)のようになる。
【0043】
更に、第3の工程において、第2の窒化物半導体を成長させる際に、圧力を常圧以上の加圧条件に調整することにより、第2の窒化物半導体の表面が異常成長の少ない平坦な良好な面状態となる。
【0044】
また、本発明において、第2及び第3の工程を繰り返す場合、図2(b−1)に示すように、第1の窒化物半導体に形成した凹部上部に凸部が、第1の窒化物半導体に形成した凸部上部に凹部が、それぞれ位置するように第2の窒化物半導体に部分的に凹凸を形成する。そして凹凸を形成された第2の窒化物半導体上に第3の窒化物半導体4を成長させる。第3の窒化物半導体4は、全体的に転位の少ない窒化物半導体となり好ましい。第3の窒化物半導体としては第2の窒化物半導体と同様のものを成長させる。
また、第2及び第3の工程を繰り返す場合、第2の窒化物半導体の膜厚を、繰り返さない場合に比べて、やや薄く成長させ、第2の窒化物半導体に形成される凹部底部がサファイアなどの異種基板面となるように第2の窒化物半導体をエッチングすると、転位のより少ない面状態の良好な第3の窒化物半導体が得られ好ましい。
【0045】
また、第2の窒化物半導体43は、この上に素子構造となる窒化物半導体を成長させるための基板となるが、素子構造を形成するには異種基板を予め除去してから行う場合と、異種基板等を残して行う場合がある。また、素子構造を形成した後で異種基板を除去する場合もある。
異種基板等を除去する場合の第2の窒化物半導体5の膜厚は、50μm以上、好ましくは100μm以上、好ましくは500μm以下である。この範囲であると異種基板及び保護膜等を研磨除去しても、第2の窒化物半導体43が割れにくくハンドリングが容易となり好ましい。
【0046】
また異種基板等を残して行う場合の第2の窒化物半導体43の膜厚は、特に限定されないが、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。この範囲であると異種基板と窒化物半導体の熱膨張係数差によるウエハの反りが防止でき、更に素子基板となる第2の窒化物半導体45の上に素子構造となる窒化物半導体を良好に成長させることができる。
【0047】
本発明の窒化物半導体の成長方法において、第1の窒化物半導体42、及び第2の窒化物半導体43を成長させる方法としては、特に限定されないが、MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚が100μm以下ではMOCVD法を用いると成長速度をコントロールし易い。また膜厚が100μm以下ではHVPEでは成長速度が速くてコントロールが難しい。
【0048】
また本発明において、第2の窒化物半導体43上には、素子構造となる窒化物半導体を形成することができるので、明細書内において第2の窒化物半導体を素子基板又は窒化物半導体基板と言う場合がある。
【0049】
また第1の工程における前記異種基板となる材料の主面をオフアングルさせた基板、さらにステップ状にオフアングルさせた基板を用いたほうが好ましい。オフアングルさせた基板を用いると、表面に3次元成長が見られず、ステップ成長があらわれ表面が平坦になり易い。更にステップ状にオフアングルされているサファイア基板のステップに沿う方向(段差方向)が、サファイアのA面に対して垂直に形成されていると、窒化物半導体のステップ面がレーザの共振器方向と一致し、レーザ光が表面粗さにより乱反射されることが少なくなり好ましい。
【0050】
更に好ましい異種基板としては、(0001)面[C面]を主面とするサファイア、(112−0)面[A面]を主面とするサファイア、又は(111)面を主面とするスピネルである。ここで異種基板が、(0001)面[C面]を主面とするサファイアであるとき、前記第1の窒化物半導体等に形成される凹凸のストライプ形状が、そのサファイアの(112−0)面[A面]に対して垂直なストライプ形状を有していること[窒化物半導体の(101−0)[M面]に平行方向にストライプを形成すること]が好ましく、また、オフアングルのオフ角θ(図7に示すθ)は0.1°〜0.5°、好ましくは0.1°〜0.2°が好ましい。また(112−0)面[A面]を主面とするサファイアであるとき、前記凹凸のストライプ形状はそのサファイアの(11−02)面[R面]に対して垂直なストライプ形状を有していることが好ましく、また(111)面を主面とするスピネルであるとき、前記凹凸のストライプ形状はそのスピネルの(110)面に対して垂直なストライプ形状を有していることが好ましい。
ここでは、凹凸がストライプ形状の場合について記載したが、本発明においてサファイアのA面及びR面、スピネルの(110)面に窒化物半導体が横方向に成長し易いので、これらの面に第1の窒化物半導体の端面が形成されるように第1の窒化物半導体2に段差を形成するために保護膜の形成を考慮することが好ましい。
【0051】
本発明に用いられる異種基板について図を用いて更に詳細に説明する。図3はサファイアの結晶構造を示すユニットセル図である。
まず本発明の方法において、C面を主面とするサファイアを用い、凹凸はサファイアA面に対して垂直なストライプ形状とする場合について説明する。例えば、図5は主面側のサファイア基板の平面図である。この図はサファイアC面を主面とし、オリエンテーションフラット(オリフラ)面をA面としている。この図に示すように凹凸のストライプをA面に対して垂直方向で、互いに平行なストライプを形成する。図5に示すように、サファイアC面上に窒化物半導体を選択成長させた場合、窒化物半導体は面内ではA面に対して平行な方向で成長しやすく、垂直な方向では成長しにくい傾向にある。従ってA面に対して垂直な方向でストライプを設けると、ストライプとストライプの間の窒化物半導体がつながって成長しやすくなり、図2に示したような結晶成長が容易に可能となると考えられるが詳細は定かではない。
【0052】
次に、A面を主面とするサファイア基板を用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例えばオリフラ面をR面とすると、R面に対して垂直方向に、互いに平行なストライプを形成することにより、ストライプ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾向にあるため、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層を成長させることができる。
【0053】
また次に、スピネル(MgAl24)に対しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(110)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(110)面に対して垂直方向にストライプを形成すると窒化物半導体層と隣接する窒化物半導体同士が保護膜の上部でつながって、結晶欠陥の少ない結晶を成長できる。なおスピネルは四方晶であるため特に図示していない。
【0054】
また、以下に、オフアングルされたサファイア基板のステップに沿う方向が、サファイア基板のA面に対して垂直に形成されてなる場合について図4を用いて説明する。
ステップ状にオフアングルしたサファイアなどの異種基板は、図4に示すようにほぼ水平なテラス部分Aと、段差部分Bとを有している。テラス部分Aの表面凹凸は少なく、ほぼ規則正しく形成されている。このようなオフ角θを有するステップ状部分は、基板全体にわたって連続して形成されていることが望ましいが、特に部分的に形成されていてもよい。なおオフ角θとは、図4に示すように、複数の段差の底部を結んだ直線と、最上層のステップの水平面との角度を示すものとする。
また異種基板はオフ角が0.1°〜0.5°、好ましくは0.1°〜0.2°である。オフ角を上記範囲とすると、第1の窒化物半導体42表面は細かな筋状のモフォロジーとなり、エピタキシャル成長表面(第2の窒化物半導体43表面)は波状のモフォロジーとなり、この基板を用いて得られる窒化物半導体素子は平滑で、特性も長寿命、高効率、高出力、歩留まりの向上したものが得られる。
【0055】
またさらに、上記のELOG成長等により得られた窒化物半導体基板上に更にELOG成長を行って得られる窒化物半導体を素子構造の基板とすると、転位の低減及び反りの低減などが良好となり、本発明の効果を得るのに好ましい。この好ましい一実施の形態としては、特願平11−80288号明細書に記載されている内容が挙げられる。
例えば好ましい一例として、上記の図2に示された工程により得られた第2の窒化物半導体43上に更に、例えばHVPEなどによって厚膜、例えば80〜500μmの第3の窒化物半導体を成長させ、その後、異種基板などを除去して第3の窒化物半導体のみとし、この第3の窒化物半導体の異種基板除去面とは反対の面上に、HVPE等により第4の窒化物半導体を成長させる。第4の窒化物半導体の膜厚は、第3の窒化物半導体の膜厚と、第4の窒化物半導体の膜厚の合計が、例えば好ましくは400〜80μm程度の膜厚となるように調整される。
このような第3及び第4の窒化物半導体からなる窒化物半導体上にELOG成長を繰り返すと転位が良好に低減された窒化物半導体基板を得ることができ、本発明の効果を得るのに好ましい。
【0056】
上記のような、転位の少ない窒化物半導体を基板とし、この基板上に素子構造を形成すれば結晶性の良好な素子が得られ、しきい値電流密度の低減及び寿命特性の向上の点で好ましい。
【0057】
上記のようなELOG成長により得られた窒化物半導体基板1上に、素子構造を成長させる。しかし、本発明はこれに限定されない。
(n型コンタクト層2)
まず、n型コンタクト層2を窒化物半導体基板1上に成長させる。n型コンタクト層としては、n型不純物(好ましくはSi)をドープされたAlaGa1-aN(0<a<1)を成長させ、好ましくはaが0.01〜0.05のAlaGa1-aNを成長させる。n型コンタクト層がAlを含む3元混晶で形成されると、窒化物半導体基板1に微細なクラックが発生していても、微細なクラックの伝播を防止することができ、更に従来の問題点であった窒化物半導体基板1とn型コンタクト層との格子定数及び熱膨張係数の相違によるn型コンタクト層への微細なクラックの発生を防止することができ好ましい。n型不純物のドープ量としては、1×1018/cm3〜5×1018/cm3である。このn型コンタクト層2にn電極が形成される。n型コンタクト層2の膜厚としては、1〜10μmである。
また、窒化物半導体基板1とn型コンタクト層2との間に、アンドープのAlaGa1-aN(0<a<1)を成長させてもよく、このアンドープの層を成長させると結晶性が良好となり、寿命特性を向上させるのに好ましい。アンドープn型コンタクト層の膜厚は、数μmである。
【0058】
(クラック防止層3)
次に、クラック防止層3をn型コンタクト層2上に成長させる。クラック防止層3としては、SiドープのIngGa1-gN(0.05≦g≦0.2)を成長させ、好ましくはgが0.05〜0.08のIngGa1-gNを成長させる。このクラック防止層3は、省略することができるが、クラック防止層3をn型コンタクト層2上に形成すると、素子内のクラックの発生を防止するのに好ましい。Siのドープ量としては、5×1018/cm3である。
また、クラック防止層3を成長させる際に、Inの混晶比を大きく(x≧0.1)すると、クラック防止層3が、活性層6から発光しn型クラッド層4から漏れ出した光を吸収することができ、レーザ光のファーフィールドパターンの乱れを防止することができ好ましい。
クラック防止層の膜厚としては、結晶性を損なわない程度の厚みであり、例えば具体的には0.05〜0.3μmである。
【0059】
(n型クラッド層4)
次に、n型クラッド層4をクラック防止層3上に成長させる。n型クラッド層4としては、AleGa1-eN(0.12≦e<0.15)を含む窒化半導体を有する多層膜の層として形成される。多層膜とは、互いに組成が異なる窒化物半導体層を積層した多層膜構造を示し、例えば、AleGa1-eN(0.12≦e<0.15)層と、このAleGa1-eNと組成の異なる窒化物半導体、例えばAlの混晶比の異なるもの、Inを含んでなる3元混晶のもの、又はGaN等からなる層とを組み合わせて積層してなるものである。この中で好ましい組み合わせとしては、AleGa1-eNとGaNとを積層してなる多層膜とすると、同一温度で結晶性の良い窒化物半導体層が積層でき好ましい。より好ましい多層膜としは、アンドープのAleGa1-eNとn型不純物(例えばSi)ドープのGaNとを積層してなる組み合わせである。n型不純物は、AleGa1-eNにドープされてもよい。n型不純物のドープ量は、4×1018/cm3〜5×1018/cm3である。n型不純物がこの範囲でドープされていると抵抗率を低くでき且つ結晶性を損なわない。
このような多層膜は、単一層の膜厚が100オングストローム以下、好ましくは70オングストローム以下、さらに好ましくは40オングストローム以下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オングストローム以下であるとn型クラッド層が超格子構造となり、Alを含有しているにもかかわらず、クラックの発生を防止でき結晶性を良好にすることができる。また、n型クラッド層4の総膜厚としては、0.7〜2μmである。
またn型クラッド層の全体のAlの平均組成は、0.05〜0.1である。Alの平均組成がこの範囲であると、クラックを発生させない程度の組成比で、且つ充分にレーザ導波路との屈折率の差を得るのに好ましい組成比である。
【0060】
(n型ガイド層)
次に、n型ガイド層5をn型クラッド層4上に成長させる。n型ガイド層5としては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体を成長させる。n型ガイド層5の膜厚としては、0.2〜0.07μmであるとしきい値が低下し好ましい。n型ガイド層4をアンドープとすることで、レーザ導波路内の伝搬損失が減少し、しきい値が低くなり好ましい。
【0061】
(活性層6)
次に、活性層6をn型ガイド層5上に成長させる。活性層6としては、上記に記載の障壁層の膜厚や、井戸層の膜厚と障壁層の膜厚が特定された量子井戸構造の活性層である。
【0062】
(p型電子閉じ込め層6)
次に、p型電子閉じ込め層7を活性層6上に成長させる。p型電子閉じ込め層7としては、MgドープのAldGa1-dN(0<d≦1)からなる少なくとも1層以上を成長させてなるものである。好ましくはdが0.1〜0.5のMgドープのAldGa1-dNである。p型電子閉じ込め層7の膜厚は、10〜1000オングストローム、好ましくは50〜200オングストロームである。膜厚が上記範囲であると、活性層6内の電子を良好に閉じ込めることができ、且つバルク抵抗も低く抑えることができ好ましい。
またp型電子閉じ込め層7のMgのドープ量は、1×1019/cm3〜1×1021/cm3である。ドープ量がこの範囲であると、バルク抵抗を低下させることに加えて、後述のアンドープで成長させるp型ガイド層へMgが良好に拡散され、薄膜層であるp型ガイド層8にMgを1×1016/cm3〜1×1018/cm3の範囲で含有させることができる。
またp型電子閉じ込め層7は、低温、例えば850〜950℃程度の活性層を成長させる温度と同様の温度で成長させると活性層の分解を防止することができ好ましい。
またp型電子閉じ込め層7は、低温成長の層と、高温、例えば活性層の成長温度より100℃程度の高温度で成長させる層との2層から構成されていてもよい。このように、2層で構成されていると、低温成長の層が活性層の分解を防止し、高温成長の層がバルク抵抗を低下させるので、全体的に良好となる。
またp型電子閉じ込め層7が2層から構成される場合の各層の膜厚は、特に限定されないが、低温成長層は10〜50オングストローム、高温成長層は50〜150オングストロームが好ましい。
【0063】
(p型ガイド層8)
次に、p型ガイド層8をp型電子閉じ込め層7上に成長させる。p型ガイド層8としては、アンドープのGaNからなる窒化物半導体層として成長させてなるものである。膜厚は0.2〜0.07μmであり、この範囲であるとしきい値が低くなり好ましい。また上記したように、p型ガイド層はアンドープ層として成長させるが、p型電子閉じ込め層7にドープされているMgが拡散して、1×1016/cm3〜1×1018/cm3の範囲でMgが含有される。
【0064】
(p型クラッド層9)
次に、p型クラッド層9をp型ガイド層8に成長させる。p型クラッド層としては、AlfGa1-fN(0<f≦1)を含んでなる窒化物半導体層、好ましくはAlfGa1-fN(0.05≦f≦0.15)を含んでなる窒化物半導体層を有する多層膜の層として形成される。多層膜とは、互いに組成が異なる窒化物半導体層を積層した多層膜構造であり、例えば、AlfGa1-fN層と、AlfGa1-fNと組成の異なる窒化物半導体、例えばAlの混晶比の異なるもの、Inを含んでなる3元混晶のもの、又はGaN等からなる層とを組み合わせて積層してなるものである。この中で好ましい組み合わせとしては、AlfGa1-fNとGaNとを積層してなる多層膜とすると、同一温度で結晶性の良い窒化物半導体層が積層でき好ましい。より好ましい多層膜としは、アンドープのAlfGa1-fNとp型不純物(例えばMg)ドープのGaNとを積層してなる組み合わせである。p型不純物は、AlfGa1-fNにドープされてもよい。p型不純物のドープ量は、1×1017/cm3〜1×1019/cm3である。p型不純物がこの範囲でドープされていると結晶性を損なわない程度のドープ量で且つバルク抵抗が低くなり好ましい。
このような多層膜は、単一層の膜厚が100オングストローム以下、好ましくは70オングストローム以下、さらに好ましくは40オングストローム以下、好ましくは10オングストローム以上の膜厚の窒化物半導体層を積層してなる。単一の膜厚が100オングストローム以下であるとn型クラッド層が超格子構造となり、Alを含有しているにもかかわらず、クラックの発生を防止でき結晶性を良好にすることができる。
p型クラッド層9の総膜厚としては、0.35〜0.5μmであり、この範囲であると順方向電圧(Vf)を低減するために好ましい。
またp型クラッド層の全体のAlの平均組成は、0.05〜0.1である。この値は、クラックの発生を抑制し且つレーザ導波路との屈折率差を得るのに好ましい。
【0065】
(p型コンタクト層10)
次に、p型コンタクト層10をp型クラッド層9上に成長させる。p型コンタクト層としては、MgドープのGaNからなる窒化物半導体層を成長させてなるものである。膜厚は10〜200オングストロームである。Mgのドープ量は1×1019/cm3〜1×1022/cm3である。このよう膜厚とMgのドープ量を調整することにより、p型コンタクト層のキャリア濃度が上昇し、p電極とのオーミックがとりやすくなる。
【0066】
本発明の素子において、リッジ形状のストライプは、p型コンタクト層からエッチングされてp型コンタクト層よりも下側(基板側)までエッチングされることにより形成される。例えば図1に示すようなp型コンタクト層10からp型クラッド層9の途中までエッチングしてなるストライプ、p型コンタクト層10からp型ガイド層8までエッチングしてなるストライプ、又はp型コンタクト層10からn型コンタクト層2までエッチングしてなるストライプなどが挙げられる。
【0067】
エッチングして形成されたリッジ形状のストライプの側面やその側面に連続した窒化物半導体層の平面に、例えば図1に示すように、レーザ導波路領域の屈折率より小さい値を有する絶縁膜が形成されている。ストライプの側面等に形成される絶縁膜としては、例えば、屈折率が約1.6〜2.3付近の値を有する、Si、V、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物や、BN、AlN等が挙げられ、好ましくは、Zr及びHfの酸化物のいずれか1種以上の元素や、BNである。
さらにこの絶縁膜を介してストライプの最上層にあるp型コンタクト層10の表面にp電極が形成される。
エッチングして形成されるリッジ形状のストライプの幅としては、0.5〜4μm、好ましくは1〜3μmである。ストライプの幅がこの範囲であると、水平横モードが単一モードになり易く好ましい。
また、エッチングがp型クラッド層9とレーザ導波路領域との界面よりも基板側にかけてなされていると、アスペクト比を1に近づけるのに好ましい。
以上のように、リッジ形状のストライプのエッチング量や、ストライプ幅、さらにストライプの側面の絶縁膜の屈折率などを特定すると、単一モードのレーザ光が得られ、さらにアスペクト比を円形に近づけられ、レーザビームやレンズ設計が容易となり好ましい。
また、リッジ形状のストライプを形成する際、素子構造を形成するための基板がELOG基板である場合、ELOG成長が保護膜を用いて行う場合は保護膜の上方部に、ELOG成長が凹凸を設けて行う場合は凹部上方部に、リッジ形状のストライプが形成されることが素子の信頼性の向上の点で好ましい。また、保護膜の中心部、凹部の中心部のそれぞれの上部を避けることが信頼性の点で好ましい。
また本発明の素子において、p電極やn電極等は従来公知の種々のものを適宜選択して用いることができる。
【0068】
以上のような不純物濃度、膜厚、組成などを調整された各素子構造、幅の狭いリッジ形状のストライプなどを組み合わせると、しきい値電流密度の低下と寿命特性の向上の点で好ましい。
【0069】
【実施例】
以下に本発明の一実施の形態である実施例を示す。しかし本発明はこれに限定されない。
また、本実施例はMOVPE(有機金属気相成長法)について示すものであるが、本発明の方法は、MOVPE法に限るものではなく、例えばHVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。
また、発明の詳細な説明に記載したように、In組成比の理論値の計算式の値と、量子井戸構造をとる量子準位の形成による短波長へのシフトなどによる実際の発振波長とは異なるために、実施例の活性層のIn組成比は近似的な値である。
【0070】
[実施例1]
実施例1として、図1に示される本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子を製造する。
【0071】
異種基板41として、図4に示すようにステップ状にオフアングルされたC面を主面とし、オフアングル角θ=0.15°、ステップ段差およそ20オングストローム、テラス幅Wおよそ800オングストロームであり、オリフラ面をA面とし、ステップがA面に垂直であるサファイア基板を用意する。
このサファイア基板を反応容器内にセットし、温度を510℃にして、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板上にGaNよりなる低温成長のバッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。
バッファ層成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させ、1050℃になったら、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNからなる第1の窒化物半導体層を2μmの膜厚で成長させる。
次に、第1の窒化物半導体層を積層したウェーハ上にストライプ状のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりストライプ幅(凸部の上部になる部分)5μm、ストライプ間隔(凹部底部となる部分)10μmにパターニングされたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装置によりSiO2膜の形成されていない部分の第1の窒化物半導体層をサファイアが露出しさらに1200オングストロームの深さに削れるまでエッチングして凹凸を形成することにより、凹部側面に第1の窒化物半導体層を露出させる。凹凸を形成後に、凸部上部のSiO2膜を除去する。なおストライプ方向は、図5に示すように、オリフラ面に対して垂直な方向で形成する。
次に、反応容器にセットし、常圧で、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなる第2の窒化物半導体層を15μmの膜厚で成長させ窒化物半導体基板1とする。凹部上方部の表面には転位がほとんど見られなくなる。
得られた窒化物半導体を窒化物半導体基板1として以下の素子構造を積層成長させる。
【0072】
(アンドープn型コンタクト層)[図1には図示されていない]
窒化物半導体基板1上に、1050℃で原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアガスを用いアンドープのAl0.05Ga0.95Nよりなるn型コンタクト層を1μmの膜厚で成長させる。
(n型コンタクト層2)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアガスを用い、不純物ガスにシランガス(SiH4)を用い、Siを3×1018/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95Nよりなるn型コンタクト層2を3μmの膜厚で成長させる。
成長されたn型コンタクト層2には、微細なクラックが発生しておらず、微細なクラックの発生が良好に防止されている。また、窒化物半導体基板1に微細なクラックが生じていても、n型コンタクト層2を成長させることで微細なクラックの伝播を防止でき結晶性の良好な素子構造を成長さることができる。結晶性の改善は、n型コンタクト層2のみの場合より、上記のようにアンドープn型コンタクト層を成長させることによりより良好となる。
【0073】
(クラック防止層3)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルインジウム)及びアンモニアを用い、不純物ガスにシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.08Ga0.92Nよりなるクラック防止層3を0.15μmの膜厚で成長させる。
【0074】
(n型クラッド層4)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.14Ga0.86NよりなるA層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25オングストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚8000オングストロームの多層膜(超格子構造)よりなるn型クラッド層4を成長させる。
【0075】
(n型ガイド層5)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型ガイド層を0.15μmの膜厚で成長させる。
【0076】
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を150オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を45オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚735オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
【0077】
(p型電子閉じ込め層7)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3ドープしたAl0.4Ga0.6Nよりなるp型電子閉じ込め層7を100オングストロームの膜厚で成長させる。
【0078】
(p型ガイド層8)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型ガイド層8を0.15μmの膜厚で成長させる。
このp型ガイド層8は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め層7からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3となりp型を示す。
【0079】
(p型クラッド層9)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.1Ga0.9NよりなるA層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25オングストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ100回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚5000オングストロームの多層膜(超格子構造)よりなるp型クラッド層9を成長させる。
【0080】
(p型コンタクト層10)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層10を150オングストロームの膜厚で成長させる。
【0081】
反応終了後、反応容器内において、ウエハを窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型層を更に低抵抗化する。
アニーリング後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面にSiO2よりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イオンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチングし、図6に示すように、n電極を形成すべきn側コンタクト層2の表面を露出させる。
次に図6(a)に示すように、最上層のp側コンタクト層10のほぼ全面に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO2)よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形成した後、第1の保護膜61の上に所定の形状のマスクをかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜63を、ストライプ幅1.8μm、厚さ1μmで形成する。
次に、図6(b)に示すように第3の保護膜63形成後、RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CF4ガスを用い、第3の保護膜63をマスクとして、前記第1の保護膜をエッチングして、ストライプ状とする。その後エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去することにより、図6(c)に示すようにp側コンタクト層10の上にストライプ幅1.8μmの第1の保護膜61が形成できる。
【0082】
さらに、図6(d)に示すように、ストライプ状の第1の保護膜61形成後、再度RIEによりSiCl4ガスを用いて、p側コンタクト層10、p側クラッド層9、及びp側ガイド層8をエッチングして、ストライプ幅1.8μmのリッジ形状のストライプを形成する。但し、リッジ形状のストライプは、図1に示すように、ELOG成長を行う際に形成した凹部の上部で且つ凹部の中心部分を避けるように形成される。
リッジストライプ形成後、ウェーハをPVD装置に移送し、図6(e)に示すように、Zr酸化物(主としてZrO2)よりなる第2の保護膜62を、第1の保護膜61の上と、エッチングにより露出されたp側クラッド層9の上に0.5μmの膜厚で連続して形成する。このようにZr酸化物を形成すると、p−n面の絶縁をとるためと、横モードの安定を図ることができ好ましい。
次に、ウェーハをフッ酸に浸漬し、図6(f)に示すように、第1の保護膜61をリフトオフ法により除去する。
【0083】
次に図6(g)に示すように、p側コンタクト層10の上の第1の保護膜61が除去されて露出したそのp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp電極20を形成する。但しp電極20は100μmのストライプ幅として、この図に示すように、第2の保護膜62の上に渡って形成する。
第2の保護膜62形成後、図1に示されるように露出させたn側コンタクト層2の表面にはTi/Alよりなるn電極21をストライプと平行な方向で形成する。
【0084】
以上のようにして、n電極とp電極とを形成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmとした後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側からバー状に劈開し、劈開面(11−00面、六角柱状の結晶の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。共振器面にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図1に示すようなレーザ素子とする。なお共振器長は300〜500μmとすることが望ましい。
得られたレーザ素子をヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みた。
その結果、得られたレーザ素子は、60℃、しきい値電流密度2.2kA/cm2、出力30mW、発振波長405nmの連続発振が確認され、3000時間以上の寿命を示す。
【0085】
[実施例2]
実施例1において、活性層6を下記のように、変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を45オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚690オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、実施例1とほぼ同等に良好な寿命特性を有する。
【0086】
[実施例3]
実施例1において、活性層6を下記のように、変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を500オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚2150オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は実施例1とほぼ同等に良好な結果である。
【0087】
[実施例4]
実施例1において、活性層6を下記のように、変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚950オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、実施例1とほぼ同等に良好であるが、実施例1と比較すると、しきい値電流密度及び電圧が共に低下し、寿命特性がより良好となる傾向がある。
【0088】
[実施例5]
実施例4において、活性層6を下記のように、変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を300オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚1350オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、実施例4とほぼ同等に良好である。
【0089】
[実施例6]
実施例4において、活性層6の井戸層の全積層数が6層となるように、障壁層と井戸層の積層数を調整し活性層の膜厚を変える他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
得られたレーザ素子は、実施例4に比べてややしきい値電流密度が上昇する傾向があるが、実施例4とほぼ同様に良好な寿命特性を有する。
【0090】
[実施例7]
実施例4において、活性層の井戸層の全積層数が7層となるように、障壁層と井戸層の積層数を調整し活性層の膜厚を変える他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。 得られたレーザ素子は、実施例4に比べてしきい値電流密度が上昇する傾向があり、実施例4に比べてやや寿命特性が低下する傾向があるが、従来の素子比べれば寿命特性が向上する。
【0091】
[実施例8]
実施例1において、活性層6を下記のように、変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を600オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を60オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚2580オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、実施例1とほぼ同等に良好であるが、実施例1と比較すると、ややしきい値電流密度が上昇し、寿命特性がやや低下する傾向がある。
【0092】
[実施例9]
実施例1において、活性層6を下記のように、発振波長を430nmとなるようにIn組成比を調整し、井戸層の積層数を調整する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を150オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.12Ga0.88Nよりなる井戸層を40オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚530オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
得られたレーザ素子は、実施例1と同様の条件でレーザ発振させたところ、従来の長波長レーザ素子に比べて、しきい値電流密度及び電圧が低くなり、寿命特性が良好となる。
【0093】
[比較例1]
実施例4において、活性層6を下記のように障壁層の膜厚を100オングストロームより薄い膜厚に変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を90オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を30オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚450オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、しきい値電流密度は実施例4とほぼ同等程度であるが、寿命特性がかなり低下し、約1/3程度の寿命しか示さない。
【0094】
[比較例2]
実施例4において、活性層6を下記のように井戸層の膜厚に対して障壁層の膜厚を2.5倍の膜厚に変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を100オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を40オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚520オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、しきい値電流密度は実施例4とほぼ同等程度であるが、寿命特性がかなり低下し、約1/3程度の寿命しか示さない。
【0095】
[比較例3]
実施例4において、活性層6を下記のように井戸層の膜厚に対して障壁層の膜厚を11倍の膜厚に変更する他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製する。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層を495オングストロームの膜厚で成長させる。続いて、シランガスを止め、In0.13Ga0.87Nよりなる井戸層を45オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層した総膜厚2115オングストロームの多重量子井戸構造(MQW)の活性層6を成長させる。
上記の活性層を有するレーザ素子は、しきい値電流密度が実施例4に比べてかなり上昇し、寿命特性が低下する。
【0096】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、障壁層の膜厚、且つ井戸層と障壁層の膜厚の関係を特定することにより、素子の劣化を防止して寿命特性が良好となる窒化物半導体レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【図2】図2は、本発明で用いることのできるELOG成長の一実施の形態の各工程の構造を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、サファイアの面方位を示すユニットセル図である。
【図4】図4は、オフアングルした異種基板の部分的な形状を示す模式的断面図である。
【図5】図5は、凹凸のストライプ方向を説明するための基板主面側の平面図である。
【図6】図6は、リッジ形状のストライプを形成する一実施の形態である方法の各工程におけるウエハの部分的な構造を示す模式的断面図である。
【図7】図7は、InGaN井戸層のバンドギャップエネルギー(Eg)と、量子準位の形成による発振波長のエネルギー(Eλ)とを示した模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・窒化物半導体基板
2・・・n型コンタクト層
3・・・クラック防止層
4・・・n型クラッド層
5・・・n型ガイド層
6・・・活性層
7・・・p型電子閉じ込め層
8・・・p型ガイド層
9・・・p型クラッド層
10・・・p型コンタクト層

Claims (7)

  1. 基板上に、少なくともn型窒化物半導体、障壁層とInを含んでなる井戸層とを有する量子井戸構造の活性層、及びp型窒化物半導体を順に積層してなる窒化物半導体レーザ素子において、
    前記基板は窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板を備え、その上に第1の窒化物半導体を有し、その表面に凹凸が形成されており、
    前記凹凸の凹部は、前記第1の窒化物半導体及び前記異種基板を削って形成されており、
    前記異種基板は、前記異種基板の表面から500〜2000オングストロームの深さにまで削られて、前記凹部の底面に前記異種基板が露出されており、
    前記活性層が、障壁層の膜厚が100オングストローム以上で、且つ井戸層の膜厚に対する障壁層の膜厚の比が[井戸層の膜厚:障壁層の膜厚]=[1:3〜10]である量子井戸構造であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記活性層が、井戸層の全積層数が6以下の量子井戸構造であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記活性層が、井戸層の全積層数が2〜4の量子井戸構造であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記活性層が、障壁層の膜厚が100〜500オングストロームである量子井戸構造であることを特徴とする請求項1〜3に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記活性層が、発振波長が420nm以上となるようにIn組成比を調整されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記凹凸を埋める第2の窒化物半導体をさらに有し、該第2の窒化物半導体の上に、前記窒化物半導体レーザ素子が成長されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記凹凸は、ランダムな窪み、ストライプ状、碁盤目状及びドット状のうちのいずれかの形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
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