JP3523330B2 - 積層鉄心の製造方法 - Google Patents

積層鉄心の製造方法

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JP3523330B2
JP3523330B2 JP14565494A JP14565494A JP3523330B2 JP 3523330 B2 JP3523330 B2 JP 3523330B2 JP 14565494 A JP14565494 A JP 14565494A JP 14565494 A JP14565494 A JP 14565494A JP 3523330 B2 JP3523330 B2 JP 3523330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯状薄板材から打抜き
した所定枚数の各鉄心を積層状態で結合し、モータコア
やトランスコア等の積層鉄心を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層鉄心を製造する場合には、
例えば帯状薄板材を順送り金型装置で間欠移送させなが
ら、この帯状薄板材の鉄心用薄板部に対して各工程毎に
順次所望の型抜き加工を施した後に、この鉄心用薄板部
を外径抜きパンチで打抜きして帯状薄板材から切り離し
てダイ内へ順次抜き落とすと共に、この抜き落とされた
各鉄心は当該鉄心に予め設けられたかしめ結合手段によ
って所定枚数づつ積層状態で結合させる所謂型内自動積
層法が用いられている。上記かしめ結合手段としては、
特開昭55−13665号公報の積層鉄心の製造方法に
開示されているように、最終的には打抜き除去される各
鉄心の不要な部分例えば軸孔用薄板部に下面側に突出部
を上面側に半抜き穴をそれぞれ設け、上下に隣接する各
鉄心の突出部と半抜き穴とをかしめ結合で仮固着し、こ
のかしめ結合した軸孔用薄板部をその後に打抜き除去す
る方法が知られている。
【0003】然しながら、このかしめ結合の場合には半
抜き穴の内径寸法を突出部の外径寸法より小さく形成す
る必要があると共に、積層鉄心からかしめ結合部分を打
抜き除去する際にはかしめ結合部分の半抜き部つまり鉄
心側と連結している部分を完全に分離した状態に打ち抜
かなければならず、その打抜き力が増大するので大きな
プレス等を必要とする。そのために、多数枚の各鉄心が
積重された積層鉄心から上記かしめ結合部分を打抜くこ
とは容易ではなく、また打ち抜いた穴部にはバリなどが
発生し易いので別工程での追加工を必要とするなどの課
題があった。そこで、本件出願人は先に特願平4−33
6807号で上記課題を解決するための新規なかしめ結
合手段を用いた積層鉄心の製造方法を提案した。
【0004】この提案では、前者の場合と同様に積層鉄
心を仮固着するかしめ結合部分を各鉄心の不要な除去薄
板部内の一部に設け、この除去薄板部は外径打抜き前の
鉄心用薄板部から一旦半抜き状態または完全打抜き状態
で打抜き加工してほぼ分離状態にした後に、当該打抜き
穴内へ押し戻すいわゆるプッシュバック方式で鉄心用薄
板部へ圧入状態で嵌合保持させ、この除去薄板部のかし
め結合部分によって積層した各鉄心を仮固着させた後、
積層鉄心を本固着する際に除去薄板部を圧入嵌合されて
いる部分から切り離し除去する。このように除去薄板部
をプッシュバックさせると当該除去薄板部は圧接連結面
によって鉄心用薄板部に嵌合保持されるので、前者のよ
うに不要な除去薄板部の全体を半抜き状にして後でプレ
ス打抜きによって除去する場合に比べ、大きな打抜き力
を必要とせずに容易に除去され且つ残肉部やバリの発生
などもなく後加工が不要のために、高品質の積層鉄心製
品を作業性良く製造することができるなどの効果を期待
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで後者の技術思想
に基づいて製品を製作したところ、多数の中には上記プ
ッシュバックさせた除去薄板部が積層鉄心から容易に切
り離し除去できないものも発生し、当初期待しているよ
うな効果が必ずしも得られず、その原因を検討したとこ
ろ次のことが判明した。鉄心用薄板部に対して除去薄板
部をプッシュバックさせた後に、仮固着手段であるかし
め結合部に垂直荷重を加えて各鉄心をかしめ結合させる
と、除去薄板部が水平方向へ展延されて鉄心用薄板部と
の圧接連結面における嵌合保持力がプッシュバックさせ
た時点よりも強化されてしまう。この嵌合保持力は、工
程中で簡単に脱落しないように適度に保有されていなけ
ればならないが、過大に強化されるとその後の工程で仮
固着された積層鉄心から除去薄板部を切り離し除去する
際に大きなプレス力が必要になり、特に大径の積層鉄心
の場合には切り離し除去が不能になることも考えられ
る。
【0006】そこで本件発明者等は、先の提案における
技術思想を生かしつつ、上記仮固着の際に除去薄板部の
嵌合保持力が必要以上に強化されないように仮固着手段
側からの影響力を低減させ、仮固着後に不要となった除
去薄板部の除去を容易にし得るように改善した積層鉄心
の製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明による第1の積層鉄心の製造方法では、所
望に型抜きした鉄心用薄板部を外径打抜きパンチで金型
内へ順次抜き落とすと共に、抜き落とされた各鉄心を金
型内で積重させながら不要な除去薄板部に設けたかしめ
結合手段で仮固着させ、この仮固着された積層鉄心を金
型から取り出して本固着手段による当該積層鉄心の本固
着と仮固着した除去薄板部の打抜き除去とを同時に行う
ようにし、上記除去薄板部は上記外径打抜き工程以前に
設けられたプッシュバック工程で鉄心用薄板部から半抜
き又は完全打抜き状態で一旦打抜きした後に、打抜き穴
内へ押し戻して圧接結合面によって鉄心用薄板部に嵌合
保持されている積層鉄心の製造方法において、上記除去
薄板部には、仮固着の際に上記除去薄板部が圧接結合面
側へ展延するのを防止する逃げ孔が上記かしめ結合手段
の外周囲に穿設され、この逃げ孔の打抜き加工工程を上
記プッシュバック工程以前に設けた。
【0008】また本発明による第1の積層鉄心の製造方
法では、所望に型抜きした鉄心用薄板部を外径打抜きパ
ンチで金型内へ順次抜き落とすと共に、抜き落とされた
各鉄心を金型内で積重させながら不要な除去薄板部に設
けたかしめ結合手段で仮固着させ、この仮固着された積
層鉄心を金型から取り出して本固着手段による当該積層
鉄心の本固着と仮固着した除去薄板部の打抜き除去とを
同時に行うようにし、上記除去薄板部は上記外径打抜き
工程以前に設けられたプッシュバック工程で鉄心用薄板
部から半抜き又は完全打抜き状態で一旦打抜きした後
に、打抜き穴内へ押し戻して圧接結合面によって鉄心用
薄板部に嵌合保持されている積層鉄心の製造方法におい
て、上記外形打抜きの際に、上記外形打抜きパンチの軸
心側がかしめ結合手段の外周囲を押圧し、上記除去薄板
部を円弧状に湾曲させて上記鉄心用薄板部との圧接結合
面における接合面積を減少させた。
【0009】
【実施例】先ず図1〜7に基づいて本発明による積層鉄
心の製造方法の第1実施例について説明する。図1
(a)では、帯状薄板材(ストリップ材)10の鉄心用
薄板部11に対して順送り金型装置(図示を省略)で所
望に型抜き加工を施した後に鉄心21として打抜きさ
れ、最終的には図7(f)のようなモータ用ロータ13
の積層鉄心14を製造する工程(レイアウト)を示す平
面図であり、図1(b)は要部を破断して示す同正面図
である。
【0010】図1の第1工程では、各鉄心21のうちで
積層鉄心14の積み始めの1枚目の鉄心21aと2枚目
以降の各鉄心21b〜21nとの結合部分を分離させる
ために、鉄心用薄板部11に分離用孔15を穿設する所
謂計量抜きが行われる。この分離用孔15は、図7
(a)で詳細を拡大して示すように1枚目の鉄心21a
として打ち抜かれる鉄心用薄板部11aに対し、後でロ
ータ軸孔16として打抜き除去される除去薄板部である
軸孔用薄板部12の内側中央に貫通孔として穿設され
る。また第1工程では、同時に上記分離用孔15の周囲
に逃げ孔30が同心状に穿設されるが、この実施例では
逃げ孔30は円弧状に3分割された状態で形成されてい
る。
【0011】第2工程では、各鉄心21のうちで積層鉄
心14の2枚目以降の鉄心21b〜21nとなる鉄心用
薄板部11b〜11nに対して、上記分離用孔15と同
位置にかしめ結合部17を形成させると共に、軸孔用薄
板部12の外周囲には多数のスロット部18が全ての鉄
心用薄板部11に対して打抜き加工される。また第2工
程では、かしめ結合部17の周囲に第1工程の逃げ孔3
0と同様の逃げ孔31が打抜き加工によって同時に形成
される。上記かしめ結合部17は、図7(a)で詳細を
拡大して示すように鉄心用薄板部11b〜11nの底面
側へ一部を突出させたかしめ用突起17aと、鉄心用薄
板部11の上面側の一部を凹設させたかしめ用凹溝17
bとで構成され、このかしめ用凹溝17bはかしめ用突
起17aより僅かに小径で上記分離用孔15と同径に形
成されている。なお第1工程のパンチは、1枚目の鉄心
21aとなる鉄心用薄板11aに対して上記分離用孔1
5と逃げ孔30を打抜き加工した後に後退して非加工状
態に移行され、2枚目以降の各鉄心21b〜21nとな
る鉄心用薄板11b〜11nに対する上記かしめ結合部
17と逃げ孔31の打抜き加工は第2工程のパンチによ
って行われる。
【0012】第3工程では、各鉄心用薄板11a,11
bを含む全ての鉄心用薄板部11に対して上記軸孔用薄
板部12を半抜き状態で打抜き加工し、これにより軸孔
用薄板部12が各鉄心用薄板部11の底面側へ突出する
態様で切起し加工されると共に、各鉄心用薄板部11の
上面側には半抜き穴19が形成される。この軸孔用薄板
部12と半抜き穴19は図7(b)で詳細を拡大して示
すように、積層鉄心14の積み始めの1枚目の鉄心21
aとなる鉄心用薄板部11aでは、分離用孔15と逃げ
孔30が穿設された軸孔用薄板部12aを切起し加工し
て上部に半抜き穴19aが形成される。また、積層鉄心
14の2枚目以降の鉄心21b〜21nとなる鉄心用薄
板部11b〜11nでは、かしめ結合部17と逃げ孔3
1が形成された軸孔用薄板部12b〜12nを切起し加
工して上部に半抜き穴19b〜19nが形成される。
【0013】第4工程では、第3工程で切起し加工した
半抜き状態の軸孔用薄板部12を鉄心用薄板部11の底
面側から平押しし、半抜き穴19内へ押し戻す(プッシ
ュバックさせる)。この押し戻された軸孔用薄板部12
は、平押しされた際に鉄心用薄板部11との連結部分が
剪断されてほとんど切り離された状態で半抜き穴19内
へ圧入される。このようにプッシュバックさせると、詳
細を図7(c)で拡大して示すように軸孔用薄板部12
aの外周面は鉄心用薄板部11aの圧接連結面20aに
よって嵌合保持され、軸孔用薄板部12b〜12nの外
周面は鉄心用薄板部11b〜11nの圧接連結面20b
〜20nによって嵌合保持される。第5工程では、格別
に作業が行われずに金型装置のバランスを取ったりする
ために設けられた遊び(アイドル)工程である。
【0014】第6工程では、図4のように先端に押し棒
22aが突設された外径打抜きパンチ22によって、各
鉄心21の外形打抜きおよび積層された各鉄心21間の
仮固着が行われる。外形打抜きパンチ22が鉄心21の
打抜きを行う際には、先行した押し棒22aがかしめ用
凹溝17bに嵌入して当該鉄心21のかしめ用突起17
aを既に打ち抜かれた鉄心21のかしめ用凹溝17bに
押し込むようにしながら、外径打抜きパンチ22が鉄心
用薄板部11を加圧し、帯状薄板材10から打抜かれて
切り離された各鉄心21は図2で示すような形状でダイ
部23の抜き孔24内へ順次抜き込まれる。この抜き孔
24内へ抜き込まれた各鉄心21は図7(d)で詳細を
拡大して示すように、最初に抜き込まれた1枚目の鉄心
21aの分離用孔15に対し、次に抜き込まれた2枚目
の鉄心21bのかしめ用突起17aが圧入状態で嵌合し
てかしめ結合されると共に、3枚目以降の各鉄心21c
〜21nは先に抜き込まれた鉄心21のかしめ用凹溝1
7bへ後から抜き込まれた鉄心21のかしめ用突起17
aが圧入状態で嵌合してかしめ結合される。尚、その際
のかしめ力は図4に示すダイ部23の抜き孔24内径と
鉄心21の外径間の締め代による抵抗力と、外径打抜き
パンチ22による抜き方向の加圧力によって発生する。
【0015】このようにして、次々に抜き込まれて積層
状態で上下に隣接する各鉄心21は軸孔用薄板部12内
に仮固着手段として設けたかしめ結合部17を介して相
互にかしめ結合され、次に分離用孔15が穿設された鉄
心21aが抜き込まれると先に抜き込まれた鉄心21n
とはかしめ結合されないので、分離されて所定枚数が積
層された図5で示すような積層鉄心14が得られる。上
記の仮固着手段が設けられた軸孔用薄板部12は、従来
例の場合と同様に圧接連結面20によって各鉄心21に
嵌合保持されているが、この実施例の場合には除去力軽
減手段として上記逃げ孔30,31を設けることによっ
て、従来例のようにかしめ結合部17によるかしめ結合
で軸孔用薄板部12が押し広げられて嵌合保持力が過大
になることを防止している。すなわち、例えば図2のよ
うに分離用孔15およびかしめ結合部17の周囲に円弧
状に3分割された状態で形成された逃げ孔30,31を
穿設すると共に、圧接連結面20側とは3本の細いリブ
状連結片32を介して連結させるようにし、かしめ結合
時に発生する軸孔用薄板部12を押し広げようとする水
平応力を逃げ孔30,31で吸収させ且つリブ状連結片
32によって水平応力の伝達力を軽減させ、圧接連結面
20による嵌合保持力がプッシュバックされた時点より
過大にならないようにしている。なお、この逃げ孔3
0,31およびリブ状連結片32の構成は、例えば図3
で示す他の実施例のように変形させることもできる。図
3(a)の実施例では2分割された逃げ孔30,31と
2本のリブ状連結片32とで形成され、図3(b)の実
施例では4分割された逃げ孔30,31と4本のリブ状
連結片32とで形成され、図3(c)の実施例ではC字
状をした逃げ孔30,31と1本のリブ状連結片32と
で形成されている。
【0016】上記のようにして積層状態で仮固着された
複数個の積層鉄心14で抜き孔24内が一杯になると、
この抜き孔24内の下方に設置されている流体シリンダ
のピストンロッド25の先端に設けられた背圧ブロック
26の上面に最初の積層鉄心14の底面が当接する。こ
の状態で更に上方から新たな積層鉄心14が押し込まれ
ると、背圧ブロック26上にある最初の積層鉄心14は
抜き孔24内から押し出され、背圧ブロック26に取り
付けた検知スイッチ27が作動する。この検知スイッチ
27の検知信号で駆動された流体シリンダが背圧ブロッ
ク26を下降させ、背圧ブロック26上にある1ケ分の
積層鉄心14が取り出され、この積層鉄心14は排出手
段(図示を省略)を介して外部へ排出される。この積層
鉄心14は、図5で示すようにロータ軸孔16の部分は
半抜きされた後に押し戻された軸孔用薄板部12によっ
て閉塞されていると共に、当該軸孔用薄板部12に設け
られているかしめ結合部17によって上下に隣接する各
鉄心21が相互に仮固着されている。
【0017】第7工程では、仮固着されている積層鉄心
14を図6で示すようにシャフト挿入孔28aが穿設さ
れているベース28上へ載置させ、プレス等による押込
み力を用いてロータ軸29で軸孔用薄板部12の上面を
押圧する。これにより、図7(e)で詳細を示すように
かしめ結合部17が設けられている軸孔用薄板部12
は、積層鉄心14の各鉄心21に対して圧接連結面20
から切り離された状態でシャフト挿入孔28a内へ押し
出されると共に、その後に形成されたロータ軸孔16内
へロータ軸29が圧入されながらかしめ結合部17に代
わって各鉄心21の相互間を順次本固着していく。上記
ロータ軸29によって上面を押圧された軸孔用薄板部1
2は、プッシュバックされて各鉄心21とは圧接連結面
20の適正な嵌合保持力によって連結されていると共
に、特に逃げ孔30,31およびリブ状連結片32を設
けてかしめ結合時に圧接連結面20の嵌合保持力が過大
にならないようにしているので、各鉄心21から容易に
切り離すことができる。従って、積層鉄心14から軸孔
用薄板部12が完全に除去されてロータ軸29がロータ
軸孔16内を貫通すると、当該ロータ軸29による積層
鉄心14の本固着が完了し、図7(f)で示すようにモ
ータ用ロータ13ができあがる。
【0018】以上に説明した第1実施例による積層鉄心
の製造方法では、除去薄板部である軸孔用薄板部12に
設けられた分離用孔15およびかしめ結合部17の周囲
に逃げ孔30,31を設け、この逃げ孔30,31によ
ってかしめ結合部17側から圧接連結面20側へ展延し
ようとする水平応力の伝達を軽減させ、積層した各鉄心
21に対する仮固着が行われた際に圧接連結面20の嵌
合保持力が増大せずに適正に維持させるようにした。こ
れにより、鉄心用薄板部11に対してプッシュバックさ
れた軸孔用薄板部12の圧接連結面20は、積層した各
鉄心21を仮固着した際に嵌合保持力が過大になること
が防止され、その後のロータ軸29の挿入による軸孔用
薄板部12の除去を容易にすることができる。
【0019】次に、本発明による積層鉄心の製造方法の
第2実施例について図8〜9に基づいて説明する。この
積層鉄心の製造方法は、先の実施例における第6工程
(積層工程)で図4の場合と同様に外形打抜きを行って
ダイ部23内に抜き込まれた各鉄心21をかしめ結合部
を介して仮固着して積層するためのものである。この外
形打抜きを行う外形打抜きパンチ34は、前工程で鉄心
用薄板部11へプッシュバックされている軸孔用薄板部
12の圧接連結面20に対し、押し棒35がかしめ結合
部を仮固着した際に嵌合保持力が過大になることを防止
するように工夫され、これにより先の実施例の場合と同
様に実施される第7工程でロータ軸29を挿入した際に
軸孔用薄板部12の除去が容易になるようにしている。
【0020】外形打抜きパンチ34には軸線方向に沿っ
て段付き孔36が穿設され、この段付き孔36内には上
記押し棒34とブッシュ37および押しばね38がそれ
ぞれ装着されている。ブッシュ37は基端側にフランジ
部37aを備えた円筒形状に形成され、このフランジ部
37aを段部に係合して先端側が外形打抜きパンチ34
のパンチ面34aより僅かに突出する態様で段付き孔3
6内へ摺動可能に装着されている。押しばね38はコイ
ルスプリングによって形成され、この押しばね38の先
端が上記フランジ部37aを押圧して段付き孔36の段
部側へ付勢し、このばね力は上記した圧接連結面20に
よる嵌合保持力より小さく設定されている。押し棒34
は、基端側を外形打抜きパンチ34に固定(図示を省
略)した状態で段付き孔36に収容され、先端をブッシ
ュ37より僅かに突出させた状態で押しばね38とブッ
シュ37の軸心に挿通されている。
【0021】上記した外形打抜きパンチ34を用いて帯
状薄板材10から鉄心21となる鉄心用薄板部11の打
抜きを行うと、外形打抜きパンチ34が下降した際に先
ず押し棒35の先端が軸孔用薄板部12の上面に形成さ
れたかしめ用凹溝17bに嵌入し、次いでブッシュ37
の先端がかしめ用凹溝17bの周囲に当接した状態で軸
孔用薄板部12を押圧する。この状態で外形打抜きパン
チ34がさらに下降すると、押し棒35はこれに連動し
て下降しながら下面のかしめ用突起17aを先に打抜き
されている鉄心21のかしめ用凹溝17bに圧入して仮
固着状態で積層させると共に、外形打抜きパンチ34に
よって帯状薄板材10から鉄心用薄板部11を打抜いて
ダイ部23内に鉄心21として抜き込まれる。上記した
仮固着に際し、押し棒35の周囲で軸孔用薄板部12を
押圧しているブッシュ37は、次第に増強される押しば
ね38の支弾力によって軸孔用薄板部12を円弧状に湾
曲変形させ、鉄心用薄板部11との圧接連結面20には
V字状の間隙39が生じて接触面積が減少する。このよ
うにして圧接連結面20における接触面積を減少させる
ことにより、プッシュバックして圧接連結面20で鉄心
21に連結させている軸孔用薄板部12の嵌合保持力を
必要最小限度に設定することも可能になり、その後の第
7工程でロータ軸29を圧入して軸孔用薄板部12を除
去しながら当該ロータ軸29による本かしめを行う作業
がきわめて容易になる。本件発明者等が行った実験結果
によると、この第2実施例では先の第1実施例に比べて
略3分の1の押圧力で軸孔用薄板部12を除去すること
ができた。
【0022】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、要旨の範囲内において各種の変形を採り得る
ものである。例えば、第1実施例と第2実施例はそれぞ
れ単独で実施しても良いし、両者を併用して実施するこ
ともできる。また、上記実施例ではかしめ結合部を軸孔
用薄板部の中央に1カ所設けた場合について説明した
が、このかしめ結合部を同心円上へ複数箇所に設ける態
様もあり、その場合には特に第2実施例における上記押
し棒とブッシュおよび押しばねによる除去力軽減手段は
かしめ結合部と同数が必要である。また、上記実施例で
は第3および第4工程において不要な除去薄板部である
軸孔用薄板部12を半抜き状態にした後に押し戻す所謂
プッシュバック方式としたが、これを一旦完全に打抜き
してから押し戻すようにしても良い。更に、実施例では
モータ用ロータの積層鉄心を例に説明したが、モータの
ステータやトランスなどの積層鉄心に対しても同様の方
法で実施が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上の説明でも明らかなように、本発明
による積層鉄心の製造方法では次のような効果を期待す
ることができる。先ず第1発明による積層鉄心の製造方
法では、鉄心用薄板部にプッシュバックして圧接結合面
により嵌合係止される除去薄板部に対し、この除去薄板
部に設けられたかしめ結合部を用いて仮固着した際に当
該除去薄板部が圧接結合面側へ過大に展延しないよう
に、上記かしめ結合手段の外周囲に予め逃げ孔を穿設す
るようにしている。これにより、外形打抜きされた各鉄
心を積層しながら仮固着する際に、かしめ結合部側から
圧接連結面側へ展延しようとする除去薄板部の水平応力
は上記逃げ孔によって伝達が軽減され、圧接連結面によ
る嵌合保持力が増大せずに適正に維持させるので、後工
程で実施される積層鉄心の本固着に際して除去薄板部を
小さな押圧力で容易に切り離し除去することができる。
また第2発明による積層鉄心の製造方法では、上記外形
打抜きの際に外形打抜きパンチの軸心側がかしめ結合手
段の外周囲を押圧し、上記除去薄板部を円弧状に湾曲さ
せて上記鉄心用薄板部との圧接結合面の接合面積を減少
させた。これにより、第1発明の場合と同様に後工程で
実施される積層鉄心の本固着に際して除去薄板部を小さ
な押圧力で容易に切り離し除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による積層鉄心の製造方法
を用いて、モータ用ロータの鉄心を打抜き加工する工程
図。
【図2】図1の方法でダイ内へ抜き込まれる鉄心の平面
図。
【図3】図2の鉄心に穿設される逃げ孔の他の実施例を
示す鉄心の部分平面図。
【図4】図1における第6工程に使用される金型の要部
断面図。
【図5】図4の金型から取り出される積層鉄心の斜視
図。
【図6】図5の積層鉄心から不要部分である軸孔用薄板
部を除去し且つ本固着する第7工程を説明する縦断面
図。
【図7】上記した各工程における鉄心の加工状態を説明
する要部縦断面図。
【図8】本発明の第2実施例による積層鉄心の製造方法
を実施する外形打抜きパンチの要部縦断面図。
【図9】図8の外形打抜きパンチによる外形打抜き工程
の動作説明図。
【符号の説明】
10 帯状薄板材 11 鉄心用薄板
部 12 軸孔用薄板部(除去薄板部) 13 モータ用ロ
ータ 14 積層鉄心 15 分離用孔 16 ロータ軸孔 17 かしめ結合
部 17a かしめ用突起 17b かしめ用
凹溝 18 スロット部 19 半抜き穴 20 圧接連結面 21 鉄心 22,34 外径打抜きパンチ 23 ダイ部 24 抜き孔 25 ピストンロ
ッド 26 背圧ブロック 27 検知スイッ
チ 28 ベース 29 ロータ軸 30,31 逃げ孔 32 リブ状連結
片 35 押し棒 36 段付き孔 37 ブツシュ 38 押しばね
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−103449(JP,A) 特開 平6−47443(JP,A) 特開 昭55−13665(JP,A) 特開 平5−154576(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 15/02 B21D 28/02 B21D 39/03 B21D 43/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望に型抜きした鉄心用薄板部を外径打
    抜きパンチで金型内へ順次抜き落とすと共に、抜き落と
    された各鉄心を金型内で積重させながら不要な除去薄板
    の外形より内側に設けたかしめ結合手段で仮固着さ
    せ、この仮固着された積層鉄心を金型から取り出して本
    固着手段による当該積層鉄心の本固着と仮固着した除去
    薄板部の打抜き除去とを同時に行うようにし、上記除去
    薄板部は上記外径打抜き工程以前に設けられたプッシュ
    バック工程で鉄心用薄板部から半抜き又は完全打抜き状
    態で一旦打抜きした後に、打抜き穴内へ押し戻して圧接
    結合面によって鉄心用薄板部に嵌合保持されている積層
    鉄心の製造方法において、 上記除去薄板部には、仮固着の際に上記除去薄板部が圧
    接結合面側へ展延するのを防止する逃げ孔が、当該除去
    薄板部の外形より内側で上記かしめ結合手段の外周囲に
    穿設され、この逃げ孔の打抜き加工工程を上記プッシュ
    バック工程以前に設けたことを特徴とする積層鉄心の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 所望に型抜きした鉄心用薄板部を外径打
    抜きパンチで金型内へ順次抜き落とすと共に、抜き落と
    された各鉄心を金型内で積重させながら不要な除去薄板
    の外形より内側に設けたかしめ結合手段で仮固着さ
    せ、この仮固着された積層鉄心を金型から取り出して本
    固着手段による当該積層鉄心の本固着と仮固着した除去
    薄板部の打抜き除去とを同時に行うようにし、上記除去
    薄板部は上記外径打抜き工程以前に設けられたプッシュ
    バック工程で鉄心用薄板部から半抜き又は完全打抜き状
    態で一旦打抜きした後に、打抜き穴内へ押し戻して圧接
    結合面によって鉄心用薄板部に嵌合保持されている積層
    鉄心の製造方法において、上記外形打抜きの際に、上記
    外形打抜きパンチで打ち抜く前に軸心側がかしめ結合手
    に嵌入し次いでその外周囲を押圧し、上記除去薄板部
    を円弧状に湾曲させて上記鉄心用薄板部との圧接結合面
    における接合面積を減少させたことを特徴とする積層鉄
    心の製造方法。
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