JP2004357349A - 鉄心片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】打ち抜き加工時およびプッシュバック時に鉄心片の外縁角部を略円弧状になまらせ、バリ等の発生を抑制することができる鉄心片の製造方法を提供する。
【解決手段】ヨーク部2aおよび極歯部2bを有する鉄心片2をプレスによって打ち抜き形成する際に、鉄心片2の形状に形成した半抜き孔11aを有するダイ11と、半抜き孔11aよりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチ12を用いることにより、鉄心素材10の一方面側から半抜きして半抜き部6を形成するときに他方面側の外縁角部7を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から半抜き部6を押圧板14によりプッシュバックして鉄心素材10の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部7を略円弧状になまらせる。次いで、一方面側に半抜き部6を突き落として鉄心片2を打ち抜き形成することによって、バリの発生を抑制している。
【選択図】 図1
【解決手段】ヨーク部2aおよび極歯部2bを有する鉄心片2をプレスによって打ち抜き形成する際に、鉄心片2の形状に形成した半抜き孔11aを有するダイ11と、半抜き孔11aよりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチ12を用いることにより、鉄心素材10の一方面側から半抜きして半抜き部6を形成するときに他方面側の外縁角部7を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から半抜き部6を押圧板14によりプッシュバックして鉄心素材10の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部7を略円弧状になまらせる。次いで、一方面側に半抜き部6を突き落として鉄心片2を打ち抜き形成することによって、バリの発生を抑制している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻線を巻回する鉄心片を複数枚積層した積層鉄心に関し、詳しくは鉄心片を打ち抜き形成するときに、バリの発生を減少できる鉄心片の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モ−タあるいはトランス等に使用される積層鉄心は、ヨーク部と一体に極歯部が形成された鉄心片を所定枚数積層し、上記極歯部に巻線が巻回される。上記鉄心片は、一般的に順送金型装置で打ち抜き形成される。このように鉄心片を金型装置で打抜いた場合には、鉄心片の打ち抜き側の周縁にだれが生じ、その反対側の周縁にバリが多少生じる。このため、金型装置のパンチとダイのクリアランスの調整やパンチ刃先を研磨するなどの対策を講じているが、特にバリの発生を解消することが困難であり、またバリが発生しないまでも、その周縁は鋭角に形成されることになる。
【0003】
このように、バリが生じた上記鉄心片を所定枚数積層した積層鉄心の極歯部に巻線を巻回すと、極歯部に生じたバリによって巻線の絶縁皮膜が損傷する等の問題がある。特に、高性能化されたモ−タの場合には、細い線材を高密度に巻回すが、この細い線材を高い張力下で強く巻回した場合には、上記線材の絶縁皮膜が損傷して絶縁性が劣化する問題がある。また、バリによって巻線が断線することがある。
【0004】
この問題の対策として、特許第3374956号(特許文献1)に開示される積層鉄心の製造方法にように、極歯部に生じたバリに起因する巻線の絶縁皮膜の損傷を防止することが提案されている。即ち、特許文献1に記載された積層鉄心の製造方法は、まず、図9(A)に示すように、素材板100の片面側からパンチ101とダイ102により半抜き加工する。次のステ−ジで、図9(B)に示すように、他面側から半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックして素材板100内に戻し、次のステ−ジで突き落としパンチ(図示しない)で片面側から半抜き部103を突き落とすことにより、鉄心片105が形成される。
【0005】
このように形成された鉄心片105には、図10に示すように、端面の中間部に凹凸107が形成され、これが巻線109を損傷させる原因となるので、その後のステ−ジで片面側から曲面を備えたツブシ加工装置によって極歯部のだれ及び端面の凹凸を平滑と共に、側端面に丸みを形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記金型装置のパンチ101によって半抜き加工を行った場合、素材板100の肉を半抜き部103方向に移動する一方、パンチ101の両側面方向にも移動する。このため、次のステ−ジで半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックするときに、パンチ101を離脱することによって支えが除かれることから、図9(B)に矢印にて示すように、パンチ101の両側の肉が僅かではあるがパンチ101の方向に戻り、上記半抜き加工によって形成された凹所106の幅W0がパンチ101の幅よりも狭くなる。この状態から半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックすると、狭くなった凹所106内に半抜き部103を強制的に圧入するので、両端面が大きな摩擦を受けながら摺動する。更に、次のステ−ジで突き落としパンチにより半抜き部103を突き落とすときにも大きな摩擦を受けながら摺動する。
【0007】
この結果、極歯部の端面には凹凸107が生じてしまう。また、上述したように、プッシュバックするときの摩擦によって端面の肉が引きずられるために、図10に示すように、極歯部の周縁にはバリ108が生ずる。特許文献1に記載された積層鉄心の製造方法は、半抜き部103をプッシュバックした後に、半抜き部103を突き落とすことにより、バリの発生を抑制しているが、狭くなった凹所106に半抜き部103をプッシュバックするときの大きな摩擦によってバリが発生することから、必然的にツブシ加工を施す必要があった。このように、後加工としてツブシ加工を行うことから、工程数が増加するので、コストが高くなる問題がある。
【0008】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、打ち抜き加工時およびプッシュバック時に鉄心片の外縁角部を略円弧状になまらせ、バリ等の発生を抑制することができる鉄心片の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ヨーク部および極歯部を有する鉄心片をプレスによって打ち抜き形成する際に、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイと、上記半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、上記鉄心素材の一方面側から半抜きして半抜き部を形成するときに他方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から上記半抜き部を押圧板によりプッシュバックして上記鉄心素材の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記一方面側に上記半抜き部を突き落として上記鉄心片を打ち抜き形成することによって、バリの発生を抑制している。更に、半抜き部を形成するときにダイの半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、半抜き部を形成するとき、および、プッシュバックするときに端面どうしの摩擦が小さく、または無くなることから、滑らかな端面を有すると共に、バリの無い鉄心片を製造することが可能となる。また、ツブシ加工等の後工程を不要にすることが可能となり、工程が短縮でき、コストの低減に加え、後工程による鉄心片へのストレスを減少することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイおよび上記半抜きパンチを用いることにより、上記半抜き部を形成するときに他方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせ、また、上記半抜き部をプッシュバックするときに一方面側の全周囲が外縁角部を略円弧状になまらせるようにしている。これにより、巻線が巻回される極歯のみならず、ヨーク部の内縁等も略円弧状になまらせることによりバリを無くしているので、極歯以外に巻線が接触しても巻線の絶縁皮膜の損傷や断線が未然に防止可能となる。
【0011】
更に、請求項3に記載の発明は、他方面側から上記半抜き部をプッシュバックする押圧板は、上記ダイの半抜き孔内に弾性体により他方面側に弾圧付勢されて配設されると共に上記半抜きパンチに従動して移動し、上記半抜きパンチを後退するときに上記押圧板の弾圧付勢力により上記半抜き部を押し戻すようにしている。このため、1工程によって上記鉄心片を製造することが可能となり、工程の短縮によってコストの低減が可能となる。
【0012】
更にまた、請求項4に記載の発明は、上記半抜きパンチと上記ダイが対向する対向部において上記鉄心素材を圧潰することにより硬度を高くした加工硬化部を形成し、上記鉄心素材の他方面に形成した上記半抜き部を上記押圧板により押し戻すとき、上記加工硬化部を剪断させるようにしている。この加工硬化部は素材の硬度が高くなっていることから、凹凸のない美麗な剪断面が形成でき、しかも、肉の移動が小さくなるのでバリの発生が抑制できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、上記半抜き部を他方面側から上記押圧板によりプッシュバックするときに、上記鉄心素材の一方面側を押さえ具によって上記半抜き部の周囲を押圧する。その押さえ具の開口部を上記押圧板の外形よりも大きく形成することにより、上記半抜き部をプッシュバックするときに、上記押さえ具による半抜き部の移動の妨げを防止する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による鉄心片の製造方法について、図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図2は、本発明にかかる鉄心片の適用例として、インナーロータ型モータのステータを示している。ステータ1は、円弧状に形成されたヨーク部2aの内周から中心方向に向けて一体に突出形成した極歯部2bからなる複数個の分割鉄心片2・・を円環状に連結させている。各分割鉄心片2の連結は、ヨーク部2aの端面に各々形成された凹のアリ溝と凸のアリ溝とを結合することによって連結される。そして、円環状に連結された分割鉄心片2を所定枚数積層することによってステータ1を構成している。このステータ1の内部には、図示しないロータが回転自在に配設されてモータを構成している。
【0016】
各分割鉄心片2はかしめ部2cによって面接合状態で各々が分離しないように積層されている。上記かしめ部2cは、第1番目に積層される分割鉄心片2には貫通孔として形成され、第2番目以降の分割鉄心片2には半抜き突起として形成され、先に抜かれた分割鉄心片2の貫通孔あるいは半抜き突起の裏面の孔に圧入的に嵌合することによってかしめ積層される。
【0017】
更に、積層された分割鉄心片2の各々の極歯部2bには、図3に示すように巻線3が巻回される。この巻線3を巻回する工程等において、巻線3の絶縁皮膜を損傷させたり、あるいは巻線3が断線しないように、後述する鉄心片の製造方法によって、上記分割鉄心片2の外縁角部は全周囲が略円弧状に形成されている。
即ち、図4に示すように、巻線3が巻回される極歯部2bのリブの他に、前記ロータに対向する歯部の内周、および、ヨーク部2aの内周等、特に巻線3が接触する部位の他に、分割鉄心片2の全周囲の外縁角部が略円弧状に形成している。
【0018】
図1(A)乃至(D)は、分割鉄心片2の製造工程を示している。図1(A)は、分割鉄心片2に加工される鉄心素材10であり、この素材は、透磁率が良好な磁性体として例えば珪素鋼板が使用される。この鉄心素材10は、図5に示すように、所定の厚さを有するフープ材が好適であり、このフープ材からなる鉄心素材10を順送り金型によって各ステージ毎に加工を施すことによって分割鉄心片2が製造される。
【0019】
上記鉄心素材10は、図1(B)に示すように、図示しないプレス機の固定側に設置した順送り金型に移送される。そして、図5に示すように、両側にパイロット孔10cが形成される。次に、分割鉄心片2の形状に形成した半抜き孔11aを有するダイ11に、パイロット孔10cにより位置決めして載置した後、鉄心素材10の一方面側10aから半抜きパンチ12を下降して鉄心素材10を半抜き加工することにより半抜き部6が形成される。この半抜き部6を形成するときには、同時に図5に示すように、上記かしめ部2cが半抜き加工によって形成される。尚、このかしめ部2cは、前段のパイロット孔10cを形成するステージ、または、最終段のステージに形成するようにしても良い。
【0020】
半抜き部6は、鉄心素材10の一方面側10aに凹部4が形成されると共に、他方面側10bに半抜き孔11a内に陥没した凸部5が形成された状態となる。
このとき、ダイ11に形成された半抜き孔11aの幅W1は、半抜きパンチ12の幅W2よりもやや小さい相似形に設定している。従って、半抜き部6の凸部5は、凹部4よりもやや小さい相似形に突出形成される。そして、この半抜き加工するときに、図1(B)に示す円内の拡大図のように、凸部5の外縁の角部7にダレが生じることから、周縁角部7が略円弧状に形成される。
【0021】
また、上述のように、ダイ11の半抜き孔11aにおける幅W1を、半抜きパンチ12における幅W2よりもやや小さい相似形に設定していることから、半抜きパンチ12を下降したとき、半抜き孔11aの開口上面の近傍と、半抜きパンチ12の下端面の外周近傍との間が圧潰され、この部分に加工硬化が生じて鉄心素材10に加工硬化部8が形成される。
【0022】
一方、鉄心素材10の他方面10bには弾性体からなるバネ13によって上方に弾圧付勢された押圧板14を当接している。この押圧板14は、半抜き孔11a内に上下動可能に配設されている。そして、この押圧板14は、上記半抜き加工時に半抜きパンチ12の押圧力によりバネ13の弾力に抗して他方面側10bに形成される半抜き部6の凸部5と共に下降する。また、この押圧板14は、上記半抜き加工時には、凹部4の平面度を確保する機能を有している。更に、鉄心素材10の一方面10aには、半抜きパンチ12の周囲にバネ15によって弾性付勢された押さえ具16を当接させて押圧している。この押さえ具16は、半抜き部6の周囲を押圧するように、半抜き部6との対向部分を開口させている。そして、この開口部16aの幅W3は、上記押圧板14の外形の幅W1よりも大きな相似形に形成されている。
【0023】
以上のように鉄心素材10を半抜き加工した後、半抜きパンチ12は鉄心素材10から離間するように上方に後退する。この半抜きパンチ12の後退動作に従動して鉄心素材10の他方面10bに当接していた押圧板14もバネ13の弾力によって上昇しようとする。このとき、押圧板14を弾圧付勢するバネ13の弾力は、半抜き部6をプッシュバックするために必要な押圧力に設定されている。
また、押さえ板16を押圧するバネ15の弾力は、バネ13の弾力よりも大きく設定している。
【0024】
そして、鉄心素材10の他方面10bに形成された半抜き部6の凸部5を押圧板14によって上方に押圧し、図1(C)に示すように、半抜き部6を鉄心素材10の板面と同一面までプッシュバックする。このとき、半抜き部6の一方面10a側の周縁角部7には、ダレが生じて略円弧状に形成される。また、プッシュバックするときには、前述したように、加工硬化部8が形成されているので、半抜き部6の周縁と鉄心素材10の内面との間は、鉄心素材10の板面とほぼ垂直に剪断する。この結果、半抜き部6の周縁角部には、両面共にダレを生じさせて略円弧状に形成する。
【0025】
その後、図1(D)に示すように、押圧板14によって半抜き部6を上方に押圧することによって半抜き部6が打ち抜かれ、鉄心素材10から離脱して分割鉄心2が形成される。このように製造された分割鉄心2は、図5に示すように、フープ状の鉄心素材10から分割鉄心2を離脱させるときに順次積層され、分割鉄心2が所定の枚数に達した段階で取り除かれる。このとき、分割鉄心2は所定枚数に達した時点、または、積層する毎にかしめ部2cによって接合される。
【0026】
上述したように、押圧板14の付勢力によって分割鉄心2が打ち抜かれる個所は、加工硬化により硬度が増した加工硬化部8であり、この部分は粘性が減少していることから容易に剪断されると共に、粘性によるバリの発生が抑制されるので、剪断面も美麗に形成される。また、分割鉄心2の外縁は、半抜き部6をプッシュバックするときにダレが生じ、図1(D)の円内に示した拡大図のように、角部7が略円弧状に形成される。このように、半抜き部6をプッシュバックするとき、半抜き部6の周囲を押さえ具16によって押圧するが、押さえ具16の開口部16aの幅W3を上記押圧板14の幅W1よりも大きく形成しているので、半抜き部6の移動、および、一方面10a側の外縁角部を略円弧状に形成するときに妨げにはならない。
【0027】
このようにして形成された分割鉄心2は、素材となる鉄心素材10に半抜き加工によって半抜き部6を形成する際に、凸部5の外縁角部、即ち、分割鉄心2の他方面10b側の外縁角部7を略円弧状に形成してなまらせ、次の押圧板14によるプッシュバック時に、分割鉄心2の一方面10a側の外縁角部7に対して故意にダレを生じさせ、両面の外縁角部を略円弧状に形成してなまらせている。この結果、ツブシ加工等の後加工、あるいはバレル等を用いたバリ取り工程が不要となり、工程の短縮が可能になると共に、コストの低減が可能となった。
【0028】
また、上述した第1の実施形態によれば、押圧板14によって半抜き部6をプッシュバックするときに、後退動作中の半抜きパンチ12が凹部4内に嵌入している。このとき、半抜きパンチ12によって両側の肉の戻りを阻止するので、凹部4の幅は変化しない。従って、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面に働く摩擦力が小さくなり、端面の肉を引きずることがないので、美麗な端面に形成することが可能となる。このように製造した分割鉄心2は、全外周における外縁角部を両面共に略円弧状になまらせ、しかも、端面も美麗に形成しているので、積層された分割鉄心2に巻線3を巻回しても、巻線3の絶縁皮膜が損傷すること、あるいは巻線3が断線することを未然に防止される。更に、分割鉄心2に与えるストレスが大幅に減少するために、平面度が確保できる等、この種の分割鉄心2として従来から求めていたニーズに応えることが可能となった。
【0029】
図6は、本発明による製造方法の第2の実施形態を示している。即ち、前述の図1(B)に示した半抜き工程によって半抜き部6を形成した後、図6(A)に示すように、鉄心素材10を平面ダイ21に位置決めして載置し、半抜き部6の凸部5に、先端面を平坦に形成した押圧板20を当接する。次いで、図6(B)に示すように、凸部5を押圧板20によって押圧し、半抜き部6に対して平打ち加工によりプッシュバックを行う。このとき、このとき、半抜き部6の一方面10a側の周縁角部7には、ダレが生じて略円弧状に形成される。また、プッシュバックするときには、前述したように、加工硬化部8が形成されているので、半抜き部6の周縁と鉄心素材10の内面との間は、鉄心素材10の板面とほぼ垂直に剪断する。この結果、半抜き部6の周縁角部には、両面共にダレを生じさせて略円弧状に形成する。
【0030】
更に、図6(C)に示すように、平打ち加工によりプッシュバックした鉄心素材10をダイ22に位置決めして載置した後に、押圧パンチ23によって半抜き部6を打ち抜くことにより鉄心素材10から離脱させて分割鉄心2を形成する。
【0031】
この第2の実施形態においても、半抜き部6の凸部5の幅W1を凹部4の幅W2よりもやや小さくしている。これにより、鉄心素材10に加工硬化部8が形成され、硬度が高くなった加工硬化部8によって剪断を容易にすると共に、美麗な端面に形成できることは第1の実施形態と同様である。更に、半抜き部6の凹部4の幅W2を凸部5の幅W1をよりもやや大きく形成していることから、鉄心素材10の肉が凹部4内に戻されて幅W2がやや小さくなっても、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面が摩擦しないので、従来の問題であった摩擦による端面の凹凸化が防止され、美麗な端面に形成することができる。
【0032】
図7は、図1に示した半抜きパンチの変形例を示している。図1における押圧パンチ12は、先端から基端に向けてパッケージ1の形状とほぼ同じ所定形状に形成されているが、図7に示す半抜き用のテーパパンチ30は、先端から基端に至るに従って断面積が大きくなるようにテーパ状に形成している。このテーパパンチ30は、先端の平坦面の形状をダイ11の抜き孔11aよりもやや小さく形成しているので、ダイ11の半抜き孔11aの開口端角部とテーパパンチ30の先端近傍との間で鉄心素材10を圧潰し、硬度が高くなるように加工硬化を生じさせた加工硬化部31が形成される。その後、図1(C)および図3(D)に示したように、鉄心素材10の他方面10bに形成された半抜き部の凸部32をバネ13によって弾圧付勢された押圧板14によって上方に押し戻すことにより、凸部32を陥没させると同時に打ち抜いて鉄心素材10から離脱させ、分割鉄心2を形成することは前述の例と同様である。
【0033】
また、この変形例においては、テーパパンチ30によって半抜き部の凹部33の内側面がテーパ状に形成される。このため、鉄心素材10の肉が凹部33内に戻されても、その肉がテーパ部分の角度をやや大きくする程度であり、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面を摩擦させるまでには至らないので、摩擦による端面の凹凸化が防止され、分割鉄心片2の端面を美麗に形成することができることは、前述した実施形態と同様である。
【0034】
図8は、半抜きパンチの更に変形例を示している。この半抜きパンチ40は、先端面の外周角部に円弧状に形成した円弧部41を形成している。この半抜きパンチ40は、先端の平坦面をダイ11の半抜き孔11aよりもやや小さく形成しているので、ダイ11の半抜き孔11aの開口端角部と半抜きパンチ40の先端近傍との間で鉄心素材10を圧潰し、硬度が高くなるように加工硬化を生じさせた加工硬化部42が形成される。その後、図1(C)および図3(D)に示したように、鉄心素材10の他方面10bに形成された凸部43を押し板14によって上方に押し戻すことにより、凸部43を陥没させると同時に打ち抜いて鉄心素材10から離脱させ、分割鉄心片2を形成することは前述の例と同様である。
【0035】
また、この変形例においても、半抜き部の凸部42の幅が凹部44の幅よりもやや小さく形成される。これにより、前述した第2の実施形態と同様に、鉄心素材10に加工硬化部42が形成され、硬度が高くなった加工硬化部42によって剪断を容易にすると共に、美麗な端面に形成できる。更に、半抜き部の凹部44の幅を凸部42の幅をよりもやや大きく形成していることから、鉄心素材10の肉が凹部44内に戻されて幅がやや小さくなっても、プッシュバックするときに半抜き部の両端面が摩擦しないので、摩擦による端面の凹凸化が防止され、美麗な端面に形成することができる。
【0036】
以上説明した実施形態においては、両面の全周囲の外縁角部をほぼ同じようになまらせているが、巻線を巻回する極歯部等の必要な部分外縁角部のみを略円弧状になまらせたり、各部によってなまらせる大きさを変える等、任意に設定しても良い。また、前述した実施形態は、分割鉄心片を例示したが、ヨーク部を円環状に形成したインナーロータ型モータ、または、アウタロータ型モータに使用される鉄心片について適用しても良い。また、鉄心片の形状、および、構造等については種々に異ならせても良く、本発明は前述した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更することは可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明にかかる鉄心片の製造方法は、ヨーク部および極歯部を有する鉄心片をプレスによって打ち抜き形成する際に、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイと、上記半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、上記鉄心素材の一方面側から半抜きして半抜き部を形成するときに他方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から上記半抜き部を押圧板によりプッシュバックして上記鉄心素材の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記一方面側に上記半抜き部を突き落として上記鉄心片を打ち抜き形成することにより、バリの発生を抑制することができる。更に、半抜き部を形成するときにダイの半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることによって、半抜き部を形成するとき、および、プッシュバックするときに端面どうしの摩擦が小さく、または無くなることから、滑らかな端面を有すると共に、バリの無い鉄心片を製造することが可能となる。また、ツブシ加工等の後工程を不要にすることが可能となり、工程が短縮でき、コストの低減に加え、後工程による鉄心片へのストレスを減少することができる。
【0038】
また、請求項2に記載の鉄心片の製造方法によれば、半抜き部を形成するときに、他方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせ、また、上記半抜き部をプッシュバックするときに、一方面側の全周囲が外縁角部を略円弧状になまらせるようにしているので、極歯以外に巻線が接触しても巻線の絶縁皮膜の損傷や断線を未然に防止することができる。
【0039】
更に、請求項3に記載の鉄心片の製造方法によれば、他方面側から上記半抜き部をプッシュバックする押圧板は、上記ダイの半抜き孔内に弾性体により他方面側に弾圧付勢されて配設されると共に上記半抜きパンチに従動して移動し、上記半抜きパンチを後退するときに上記押圧板の弾圧付勢力により上記半抜き部を押し戻すようにしているので、1工程によって上記鉄心片を製造することが可能となり、工程の短縮によってコストを低減することができる。
【0040】
また、請求項4に記載の鉄心片の製造方法によれば、上記半抜きパンチと上記ダイが対向する対向部において上記鉄心素材を圧潰することにより硬度を高くした加工硬化部を形成し、上記鉄心素材の他方面に形成した上記半抜き部を上記押圧板により押し戻すとき、上記加工硬化部を剪断させるようにしているので、凹凸のない美麗な剪断面が形成でき、しかも、肉の移動が小さくなるのでバリの発生を抑制することができる。
【0041】
更にまた、請求項5に記載の鉄心片の製造方法によれば、半抜き部を他方面側から押圧板によりプッシュバックするときに、鉄心素材の一方面側を押圧する押さえ具の開口部を押圧板の外形よりも大きく形成しているので、半抜き部をプッシュバックするときに、押さえ具による半抜き部の移動の妨げが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(D)は、本発明にかかる鉄心片の製造方法を示す工程説明図である。
【図2】本発明により製造した鉄心片を用いたモータのステータを示す平面図である。
【図3】本発明により製造した鉄心片に巻線を巻回した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明により製造した鉄心片の断面形状を示す斜視図である。
【図5】本発明により鉄心片を製造する鉄心素材を示す平面図である。
【図6】(A)乃至(C)は、本発明にかかる鉄心片の他の製造方法を示す工程説明図である。
【図7】本発明における半抜きパンチの変形例を示す断面図である。
【図8】本発明における半抜きパンチの他の変形例を示す断面図である。
【図9】従来の鉄心片の製造方法を示す工程説明図である。
【図10】従来の鉄心片の製造方法によって製造された鉄心片を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 分割鉄心片
2a ヨーク部
2b 極歯部
3 巻線
4 凹部
5 凸部
6 半抜き部
7 周縁角部
8 加工硬化部
10 鉄心素材
10a 一方面
10b 他方面
11 ダイ
11a 半抜き孔
12 半抜きパンチ
13 バネ
14 押圧板
16 押さえ具
16a 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻線を巻回する鉄心片を複数枚積層した積層鉄心に関し、詳しくは鉄心片を打ち抜き形成するときに、バリの発生を減少できる鉄心片の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モ−タあるいはトランス等に使用される積層鉄心は、ヨーク部と一体に極歯部が形成された鉄心片を所定枚数積層し、上記極歯部に巻線が巻回される。上記鉄心片は、一般的に順送金型装置で打ち抜き形成される。このように鉄心片を金型装置で打抜いた場合には、鉄心片の打ち抜き側の周縁にだれが生じ、その反対側の周縁にバリが多少生じる。このため、金型装置のパンチとダイのクリアランスの調整やパンチ刃先を研磨するなどの対策を講じているが、特にバリの発生を解消することが困難であり、またバリが発生しないまでも、その周縁は鋭角に形成されることになる。
【0003】
このように、バリが生じた上記鉄心片を所定枚数積層した積層鉄心の極歯部に巻線を巻回すと、極歯部に生じたバリによって巻線の絶縁皮膜が損傷する等の問題がある。特に、高性能化されたモ−タの場合には、細い線材を高密度に巻回すが、この細い線材を高い張力下で強く巻回した場合には、上記線材の絶縁皮膜が損傷して絶縁性が劣化する問題がある。また、バリによって巻線が断線することがある。
【0004】
この問題の対策として、特許第3374956号(特許文献1)に開示される積層鉄心の製造方法にように、極歯部に生じたバリに起因する巻線の絶縁皮膜の損傷を防止することが提案されている。即ち、特許文献1に記載された積層鉄心の製造方法は、まず、図9(A)に示すように、素材板100の片面側からパンチ101とダイ102により半抜き加工する。次のステ−ジで、図9(B)に示すように、他面側から半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックして素材板100内に戻し、次のステ−ジで突き落としパンチ(図示しない)で片面側から半抜き部103を突き落とすことにより、鉄心片105が形成される。
【0005】
このように形成された鉄心片105には、図10に示すように、端面の中間部に凹凸107が形成され、これが巻線109を損傷させる原因となるので、その後のステ−ジで片面側から曲面を備えたツブシ加工装置によって極歯部のだれ及び端面の凹凸を平滑と共に、側端面に丸みを形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記金型装置のパンチ101によって半抜き加工を行った場合、素材板100の肉を半抜き部103方向に移動する一方、パンチ101の両側面方向にも移動する。このため、次のステ−ジで半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックするときに、パンチ101を離脱することによって支えが除かれることから、図9(B)に矢印にて示すように、パンチ101の両側の肉が僅かではあるがパンチ101の方向に戻り、上記半抜き加工によって形成された凹所106の幅W0がパンチ101の幅よりも狭くなる。この状態から半抜き部103を平打ちダイ104でプッシュバックすると、狭くなった凹所106内に半抜き部103を強制的に圧入するので、両端面が大きな摩擦を受けながら摺動する。更に、次のステ−ジで突き落としパンチにより半抜き部103を突き落とすときにも大きな摩擦を受けながら摺動する。
【0007】
この結果、極歯部の端面には凹凸107が生じてしまう。また、上述したように、プッシュバックするときの摩擦によって端面の肉が引きずられるために、図10に示すように、極歯部の周縁にはバリ108が生ずる。特許文献1に記載された積層鉄心の製造方法は、半抜き部103をプッシュバックした後に、半抜き部103を突き落とすことにより、バリの発生を抑制しているが、狭くなった凹所106に半抜き部103をプッシュバックするときの大きな摩擦によってバリが発生することから、必然的にツブシ加工を施す必要があった。このように、後加工としてツブシ加工を行うことから、工程数が増加するので、コストが高くなる問題がある。
【0008】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、打ち抜き加工時およびプッシュバック時に鉄心片の外縁角部を略円弧状になまらせ、バリ等の発生を抑制することができる鉄心片の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ヨーク部および極歯部を有する鉄心片をプレスによって打ち抜き形成する際に、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイと、上記半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、上記鉄心素材の一方面側から半抜きして半抜き部を形成するときに他方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から上記半抜き部を押圧板によりプッシュバックして上記鉄心素材の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記一方面側に上記半抜き部を突き落として上記鉄心片を打ち抜き形成することによって、バリの発生を抑制している。更に、半抜き部を形成するときにダイの半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、半抜き部を形成するとき、および、プッシュバックするときに端面どうしの摩擦が小さく、または無くなることから、滑らかな端面を有すると共に、バリの無い鉄心片を製造することが可能となる。また、ツブシ加工等の後工程を不要にすることが可能となり、工程が短縮でき、コストの低減に加え、後工程による鉄心片へのストレスを減少することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイおよび上記半抜きパンチを用いることにより、上記半抜き部を形成するときに他方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせ、また、上記半抜き部をプッシュバックするときに一方面側の全周囲が外縁角部を略円弧状になまらせるようにしている。これにより、巻線が巻回される極歯のみならず、ヨーク部の内縁等も略円弧状になまらせることによりバリを無くしているので、極歯以外に巻線が接触しても巻線の絶縁皮膜の損傷や断線が未然に防止可能となる。
【0011】
更に、請求項3に記載の発明は、他方面側から上記半抜き部をプッシュバックする押圧板は、上記ダイの半抜き孔内に弾性体により他方面側に弾圧付勢されて配設されると共に上記半抜きパンチに従動して移動し、上記半抜きパンチを後退するときに上記押圧板の弾圧付勢力により上記半抜き部を押し戻すようにしている。このため、1工程によって上記鉄心片を製造することが可能となり、工程の短縮によってコストの低減が可能となる。
【0012】
更にまた、請求項4に記載の発明は、上記半抜きパンチと上記ダイが対向する対向部において上記鉄心素材を圧潰することにより硬度を高くした加工硬化部を形成し、上記鉄心素材の他方面に形成した上記半抜き部を上記押圧板により押し戻すとき、上記加工硬化部を剪断させるようにしている。この加工硬化部は素材の硬度が高くなっていることから、凹凸のない美麗な剪断面が形成でき、しかも、肉の移動が小さくなるのでバリの発生が抑制できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、上記半抜き部を他方面側から上記押圧板によりプッシュバックするときに、上記鉄心素材の一方面側を押さえ具によって上記半抜き部の周囲を押圧する。その押さえ具の開口部を上記押圧板の外形よりも大きく形成することにより、上記半抜き部をプッシュバックするときに、上記押さえ具による半抜き部の移動の妨げを防止する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による鉄心片の製造方法について、図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図2は、本発明にかかる鉄心片の適用例として、インナーロータ型モータのステータを示している。ステータ1は、円弧状に形成されたヨーク部2aの内周から中心方向に向けて一体に突出形成した極歯部2bからなる複数個の分割鉄心片2・・を円環状に連結させている。各分割鉄心片2の連結は、ヨーク部2aの端面に各々形成された凹のアリ溝と凸のアリ溝とを結合することによって連結される。そして、円環状に連結された分割鉄心片2を所定枚数積層することによってステータ1を構成している。このステータ1の内部には、図示しないロータが回転自在に配設されてモータを構成している。
【0016】
各分割鉄心片2はかしめ部2cによって面接合状態で各々が分離しないように積層されている。上記かしめ部2cは、第1番目に積層される分割鉄心片2には貫通孔として形成され、第2番目以降の分割鉄心片2には半抜き突起として形成され、先に抜かれた分割鉄心片2の貫通孔あるいは半抜き突起の裏面の孔に圧入的に嵌合することによってかしめ積層される。
【0017】
更に、積層された分割鉄心片2の各々の極歯部2bには、図3に示すように巻線3が巻回される。この巻線3を巻回する工程等において、巻線3の絶縁皮膜を損傷させたり、あるいは巻線3が断線しないように、後述する鉄心片の製造方法によって、上記分割鉄心片2の外縁角部は全周囲が略円弧状に形成されている。
即ち、図4に示すように、巻線3が巻回される極歯部2bのリブの他に、前記ロータに対向する歯部の内周、および、ヨーク部2aの内周等、特に巻線3が接触する部位の他に、分割鉄心片2の全周囲の外縁角部が略円弧状に形成している。
【0018】
図1(A)乃至(D)は、分割鉄心片2の製造工程を示している。図1(A)は、分割鉄心片2に加工される鉄心素材10であり、この素材は、透磁率が良好な磁性体として例えば珪素鋼板が使用される。この鉄心素材10は、図5に示すように、所定の厚さを有するフープ材が好適であり、このフープ材からなる鉄心素材10を順送り金型によって各ステージ毎に加工を施すことによって分割鉄心片2が製造される。
【0019】
上記鉄心素材10は、図1(B)に示すように、図示しないプレス機の固定側に設置した順送り金型に移送される。そして、図5に示すように、両側にパイロット孔10cが形成される。次に、分割鉄心片2の形状に形成した半抜き孔11aを有するダイ11に、パイロット孔10cにより位置決めして載置した後、鉄心素材10の一方面側10aから半抜きパンチ12を下降して鉄心素材10を半抜き加工することにより半抜き部6が形成される。この半抜き部6を形成するときには、同時に図5に示すように、上記かしめ部2cが半抜き加工によって形成される。尚、このかしめ部2cは、前段のパイロット孔10cを形成するステージ、または、最終段のステージに形成するようにしても良い。
【0020】
半抜き部6は、鉄心素材10の一方面側10aに凹部4が形成されると共に、他方面側10bに半抜き孔11a内に陥没した凸部5が形成された状態となる。
このとき、ダイ11に形成された半抜き孔11aの幅W1は、半抜きパンチ12の幅W2よりもやや小さい相似形に設定している。従って、半抜き部6の凸部5は、凹部4よりもやや小さい相似形に突出形成される。そして、この半抜き加工するときに、図1(B)に示す円内の拡大図のように、凸部5の外縁の角部7にダレが生じることから、周縁角部7が略円弧状に形成される。
【0021】
また、上述のように、ダイ11の半抜き孔11aにおける幅W1を、半抜きパンチ12における幅W2よりもやや小さい相似形に設定していることから、半抜きパンチ12を下降したとき、半抜き孔11aの開口上面の近傍と、半抜きパンチ12の下端面の外周近傍との間が圧潰され、この部分に加工硬化が生じて鉄心素材10に加工硬化部8が形成される。
【0022】
一方、鉄心素材10の他方面10bには弾性体からなるバネ13によって上方に弾圧付勢された押圧板14を当接している。この押圧板14は、半抜き孔11a内に上下動可能に配設されている。そして、この押圧板14は、上記半抜き加工時に半抜きパンチ12の押圧力によりバネ13の弾力に抗して他方面側10bに形成される半抜き部6の凸部5と共に下降する。また、この押圧板14は、上記半抜き加工時には、凹部4の平面度を確保する機能を有している。更に、鉄心素材10の一方面10aには、半抜きパンチ12の周囲にバネ15によって弾性付勢された押さえ具16を当接させて押圧している。この押さえ具16は、半抜き部6の周囲を押圧するように、半抜き部6との対向部分を開口させている。そして、この開口部16aの幅W3は、上記押圧板14の外形の幅W1よりも大きな相似形に形成されている。
【0023】
以上のように鉄心素材10を半抜き加工した後、半抜きパンチ12は鉄心素材10から離間するように上方に後退する。この半抜きパンチ12の後退動作に従動して鉄心素材10の他方面10bに当接していた押圧板14もバネ13の弾力によって上昇しようとする。このとき、押圧板14を弾圧付勢するバネ13の弾力は、半抜き部6をプッシュバックするために必要な押圧力に設定されている。
また、押さえ板16を押圧するバネ15の弾力は、バネ13の弾力よりも大きく設定している。
【0024】
そして、鉄心素材10の他方面10bに形成された半抜き部6の凸部5を押圧板14によって上方に押圧し、図1(C)に示すように、半抜き部6を鉄心素材10の板面と同一面までプッシュバックする。このとき、半抜き部6の一方面10a側の周縁角部7には、ダレが生じて略円弧状に形成される。また、プッシュバックするときには、前述したように、加工硬化部8が形成されているので、半抜き部6の周縁と鉄心素材10の内面との間は、鉄心素材10の板面とほぼ垂直に剪断する。この結果、半抜き部6の周縁角部には、両面共にダレを生じさせて略円弧状に形成する。
【0025】
その後、図1(D)に示すように、押圧板14によって半抜き部6を上方に押圧することによって半抜き部6が打ち抜かれ、鉄心素材10から離脱して分割鉄心2が形成される。このように製造された分割鉄心2は、図5に示すように、フープ状の鉄心素材10から分割鉄心2を離脱させるときに順次積層され、分割鉄心2が所定の枚数に達した段階で取り除かれる。このとき、分割鉄心2は所定枚数に達した時点、または、積層する毎にかしめ部2cによって接合される。
【0026】
上述したように、押圧板14の付勢力によって分割鉄心2が打ち抜かれる個所は、加工硬化により硬度が増した加工硬化部8であり、この部分は粘性が減少していることから容易に剪断されると共に、粘性によるバリの発生が抑制されるので、剪断面も美麗に形成される。また、分割鉄心2の外縁は、半抜き部6をプッシュバックするときにダレが生じ、図1(D)の円内に示した拡大図のように、角部7が略円弧状に形成される。このように、半抜き部6をプッシュバックするとき、半抜き部6の周囲を押さえ具16によって押圧するが、押さえ具16の開口部16aの幅W3を上記押圧板14の幅W1よりも大きく形成しているので、半抜き部6の移動、および、一方面10a側の外縁角部を略円弧状に形成するときに妨げにはならない。
【0027】
このようにして形成された分割鉄心2は、素材となる鉄心素材10に半抜き加工によって半抜き部6を形成する際に、凸部5の外縁角部、即ち、分割鉄心2の他方面10b側の外縁角部7を略円弧状に形成してなまらせ、次の押圧板14によるプッシュバック時に、分割鉄心2の一方面10a側の外縁角部7に対して故意にダレを生じさせ、両面の外縁角部を略円弧状に形成してなまらせている。この結果、ツブシ加工等の後加工、あるいはバレル等を用いたバリ取り工程が不要となり、工程の短縮が可能になると共に、コストの低減が可能となった。
【0028】
また、上述した第1の実施形態によれば、押圧板14によって半抜き部6をプッシュバックするときに、後退動作中の半抜きパンチ12が凹部4内に嵌入している。このとき、半抜きパンチ12によって両側の肉の戻りを阻止するので、凹部4の幅は変化しない。従って、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面に働く摩擦力が小さくなり、端面の肉を引きずることがないので、美麗な端面に形成することが可能となる。このように製造した分割鉄心2は、全外周における外縁角部を両面共に略円弧状になまらせ、しかも、端面も美麗に形成しているので、積層された分割鉄心2に巻線3を巻回しても、巻線3の絶縁皮膜が損傷すること、あるいは巻線3が断線することを未然に防止される。更に、分割鉄心2に与えるストレスが大幅に減少するために、平面度が確保できる等、この種の分割鉄心2として従来から求めていたニーズに応えることが可能となった。
【0029】
図6は、本発明による製造方法の第2の実施形態を示している。即ち、前述の図1(B)に示した半抜き工程によって半抜き部6を形成した後、図6(A)に示すように、鉄心素材10を平面ダイ21に位置決めして載置し、半抜き部6の凸部5に、先端面を平坦に形成した押圧板20を当接する。次いで、図6(B)に示すように、凸部5を押圧板20によって押圧し、半抜き部6に対して平打ち加工によりプッシュバックを行う。このとき、このとき、半抜き部6の一方面10a側の周縁角部7には、ダレが生じて略円弧状に形成される。また、プッシュバックするときには、前述したように、加工硬化部8が形成されているので、半抜き部6の周縁と鉄心素材10の内面との間は、鉄心素材10の板面とほぼ垂直に剪断する。この結果、半抜き部6の周縁角部には、両面共にダレを生じさせて略円弧状に形成する。
【0030】
更に、図6(C)に示すように、平打ち加工によりプッシュバックした鉄心素材10をダイ22に位置決めして載置した後に、押圧パンチ23によって半抜き部6を打ち抜くことにより鉄心素材10から離脱させて分割鉄心2を形成する。
【0031】
この第2の実施形態においても、半抜き部6の凸部5の幅W1を凹部4の幅W2よりもやや小さくしている。これにより、鉄心素材10に加工硬化部8が形成され、硬度が高くなった加工硬化部8によって剪断を容易にすると共に、美麗な端面に形成できることは第1の実施形態と同様である。更に、半抜き部6の凹部4の幅W2を凸部5の幅W1をよりもやや大きく形成していることから、鉄心素材10の肉が凹部4内に戻されて幅W2がやや小さくなっても、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面が摩擦しないので、従来の問題であった摩擦による端面の凹凸化が防止され、美麗な端面に形成することができる。
【0032】
図7は、図1に示した半抜きパンチの変形例を示している。図1における押圧パンチ12は、先端から基端に向けてパッケージ1の形状とほぼ同じ所定形状に形成されているが、図7に示す半抜き用のテーパパンチ30は、先端から基端に至るに従って断面積が大きくなるようにテーパ状に形成している。このテーパパンチ30は、先端の平坦面の形状をダイ11の抜き孔11aよりもやや小さく形成しているので、ダイ11の半抜き孔11aの開口端角部とテーパパンチ30の先端近傍との間で鉄心素材10を圧潰し、硬度が高くなるように加工硬化を生じさせた加工硬化部31が形成される。その後、図1(C)および図3(D)に示したように、鉄心素材10の他方面10bに形成された半抜き部の凸部32をバネ13によって弾圧付勢された押圧板14によって上方に押し戻すことにより、凸部32を陥没させると同時に打ち抜いて鉄心素材10から離脱させ、分割鉄心2を形成することは前述の例と同様である。
【0033】
また、この変形例においては、テーパパンチ30によって半抜き部の凹部33の内側面がテーパ状に形成される。このため、鉄心素材10の肉が凹部33内に戻されても、その肉がテーパ部分の角度をやや大きくする程度であり、プッシュバックするときに半抜き部6の両端面を摩擦させるまでには至らないので、摩擦による端面の凹凸化が防止され、分割鉄心片2の端面を美麗に形成することができることは、前述した実施形態と同様である。
【0034】
図8は、半抜きパンチの更に変形例を示している。この半抜きパンチ40は、先端面の外周角部に円弧状に形成した円弧部41を形成している。この半抜きパンチ40は、先端の平坦面をダイ11の半抜き孔11aよりもやや小さく形成しているので、ダイ11の半抜き孔11aの開口端角部と半抜きパンチ40の先端近傍との間で鉄心素材10を圧潰し、硬度が高くなるように加工硬化を生じさせた加工硬化部42が形成される。その後、図1(C)および図3(D)に示したように、鉄心素材10の他方面10bに形成された凸部43を押し板14によって上方に押し戻すことにより、凸部43を陥没させると同時に打ち抜いて鉄心素材10から離脱させ、分割鉄心片2を形成することは前述の例と同様である。
【0035】
また、この変形例においても、半抜き部の凸部42の幅が凹部44の幅よりもやや小さく形成される。これにより、前述した第2の実施形態と同様に、鉄心素材10に加工硬化部42が形成され、硬度が高くなった加工硬化部42によって剪断を容易にすると共に、美麗な端面に形成できる。更に、半抜き部の凹部44の幅を凸部42の幅をよりもやや大きく形成していることから、鉄心素材10の肉が凹部44内に戻されて幅がやや小さくなっても、プッシュバックするときに半抜き部の両端面が摩擦しないので、摩擦による端面の凹凸化が防止され、美麗な端面に形成することができる。
【0036】
以上説明した実施形態においては、両面の全周囲の外縁角部をほぼ同じようになまらせているが、巻線を巻回する極歯部等の必要な部分外縁角部のみを略円弧状になまらせたり、各部によってなまらせる大きさを変える等、任意に設定しても良い。また、前述した実施形態は、分割鉄心片を例示したが、ヨーク部を円環状に形成したインナーロータ型モータ、または、アウタロータ型モータに使用される鉄心片について適用しても良い。また、鉄心片の形状、および、構造等については種々に異ならせても良く、本発明は前述した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更することは可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明にかかる鉄心片の製造方法は、ヨーク部および極歯部を有する鉄心片をプレスによって打ち抜き形成する際に、上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイと、上記半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることにより、上記鉄心素材の一方面側から半抜きして半抜き部を形成するときに他方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、次いで他方面側から上記半抜き部を押圧板によりプッシュバックして上記鉄心素材の板面に押し戻すときに一方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記一方面側に上記半抜き部を突き落として上記鉄心片を打ち抜き形成することにより、バリの発生を抑制することができる。更に、半抜き部を形成するときにダイの半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチを用いることによって、半抜き部を形成するとき、および、プッシュバックするときに端面どうしの摩擦が小さく、または無くなることから、滑らかな端面を有すると共に、バリの無い鉄心片を製造することが可能となる。また、ツブシ加工等の後工程を不要にすることが可能となり、工程が短縮でき、コストの低減に加え、後工程による鉄心片へのストレスを減少することができる。
【0038】
また、請求項2に記載の鉄心片の製造方法によれば、半抜き部を形成するときに、他方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせ、また、上記半抜き部をプッシュバックするときに、一方面側の全周囲が外縁角部を略円弧状になまらせるようにしているので、極歯以外に巻線が接触しても巻線の絶縁皮膜の損傷や断線を未然に防止することができる。
【0039】
更に、請求項3に記載の鉄心片の製造方法によれば、他方面側から上記半抜き部をプッシュバックする押圧板は、上記ダイの半抜き孔内に弾性体により他方面側に弾圧付勢されて配設されると共に上記半抜きパンチに従動して移動し、上記半抜きパンチを後退するときに上記押圧板の弾圧付勢力により上記半抜き部を押し戻すようにしているので、1工程によって上記鉄心片を製造することが可能となり、工程の短縮によってコストを低減することができる。
【0040】
また、請求項4に記載の鉄心片の製造方法によれば、上記半抜きパンチと上記ダイが対向する対向部において上記鉄心素材を圧潰することにより硬度を高くした加工硬化部を形成し、上記鉄心素材の他方面に形成した上記半抜き部を上記押圧板により押し戻すとき、上記加工硬化部を剪断させるようにしているので、凹凸のない美麗な剪断面が形成でき、しかも、肉の移動が小さくなるのでバリの発生を抑制することができる。
【0041】
更にまた、請求項5に記載の鉄心片の製造方法によれば、半抜き部を他方面側から押圧板によりプッシュバックするときに、鉄心素材の一方面側を押圧する押さえ具の開口部を押圧板の外形よりも大きく形成しているので、半抜き部をプッシュバックするときに、押さえ具による半抜き部の移動の妨げが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(D)は、本発明にかかる鉄心片の製造方法を示す工程説明図である。
【図2】本発明により製造した鉄心片を用いたモータのステータを示す平面図である。
【図3】本発明により製造した鉄心片に巻線を巻回した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明により製造した鉄心片の断面形状を示す斜視図である。
【図5】本発明により鉄心片を製造する鉄心素材を示す平面図である。
【図6】(A)乃至(C)は、本発明にかかる鉄心片の他の製造方法を示す工程説明図である。
【図7】本発明における半抜きパンチの変形例を示す断面図である。
【図8】本発明における半抜きパンチの他の変形例を示す断面図である。
【図9】従来の鉄心片の製造方法を示す工程説明図である。
【図10】従来の鉄心片の製造方法によって製造された鉄心片を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 分割鉄心片
2a ヨーク部
2b 極歯部
3 巻線
4 凹部
5 凸部
6 半抜き部
7 周縁角部
8 加工硬化部
10 鉄心素材
10a 一方面
10b 他方面
11 ダイ
11a 半抜き孔
12 半抜きパンチ
13 バネ
14 押圧板
16 押さえ具
16a 開口部
Claims (5)
- ヨーク部および極歯部を有する鉄心片をプレスによって打ち抜き形成する鉄心片の製造方法であって、
上記鉄心片の形状に形成した半抜き孔を有するダイに磁性金属板からなる鉄心素材を載置した後、上記半抜き孔よりもやや大きい相似形に形成した半抜きパンチによって上記鉄心素材の一方面側から半抜きして半抜き部を形成し、
次いで他方面側から上記半抜き部を押圧板によりプッシュバックして上記鉄心素材の板面方向に押し戻すと共に、上記一方面側から上記半抜き部を突き落として上記鉄心片を打ち抜き形成し、
上記鉄心片は、上記半抜きパンチによって上記半抜き部を形成するときに他方面側の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記押圧板により上記半抜き部を押し戻すときに一方面側の外縁角部を略円弧状になまらせたことを特徴する鉄心片の製造方法。 - 上記鉄心片は、上記半抜きパンチによって上記半抜き部を形成するときに他方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせ、上記押圧板により上記半抜き部を押し戻すときに一方面側の全周囲の外縁角部を略円弧状になまらせた請求項1に記載の鉄心片の製造方法。
- 上記鉄心素材の他方面側から上記半抜き部をプッシュバックする押圧板は、上記ダイの半抜き孔内に弾性体により他方面側に弾圧付勢されて配設されると共に上記半抜きパンチに従動して移動し、上記半抜きパンチを後退するときに上記押圧板の弾圧付勢力により上記半抜き部を押し戻す請求項1および2に記載の鉄心片の製造方法。
- 上記半抜き孔を有する上記ダイよりもやや大きい相似形の半抜きパンチを用いて、上記ダイに載置固定した上記鉄心素材の一方面側から上記半抜きパンチを押圧して半抜き加工を施すとき、上記半抜きパンチと上記ダイが対向する対向部において上記鉄心素材を圧潰することにより硬度を高くした加工硬化部を形成し、上記鉄心素材の他方面に形成した上記半抜き部を上記押圧板により押し戻すとき、上記加工硬化部を剪断させる請求項1乃至3に記載の積層鉄心の製造方法。
- 上記半抜き部を他方面側から上記押圧板によりプッシュバックするときに、上記鉄心素材の一方面側を押さえ具によって上記半抜き部の周囲を押圧し、上記押さえ具の開口部は、上記押圧板の外形よりも大きく形成した請求項1乃至4に記載の積層鉄心の製造方法。
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