JP3521000B2 - 熱収縮性ポリスチレン系チユーブ - Google Patents

熱収縮性ポリスチレン系チユーブ

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JP3521000B2 JP20525393A JP20525393A JP3521000B2 JP 3521000 B2 JP3521000 B2 JP 3521000B2 JP 20525393 A JP20525393 A JP 20525393A JP 20525393 A JP20525393 A JP 20525393A JP 3521000 B2 JP3521000 B2 JP 3521000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に乾電池被覆用に使
用される、収縮仕上がり性に優れ被覆加工性が良好で、
自然収縮の小さい熱収縮性ポリスチレン系チユーブに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】乾電池被覆用の熱収縮性チユーブとして
は、ポリ塩化ビニルから作られたものがよく知られてい
る。しかし、近年ポリ塩化ビニルを焼却すると塩化水素
が発生するといった環境問題の観点から、ハロゲン系元
素を含まない原料から作られる熱収縮性チユーブが求め
られてきた。その原料の1つの候補として、収縮フイル
ム分野で実用化されているといった理由からスチレン−
ブタジエン系ブロツク共重合体を挙げることができる。
【0003】しかし、スチレン−ブタジエン系ブロツク
共重合体を用いたチユーブを製造するには、一般に延伸
温度を高くする必要がある。このために、収縮を起こす
温度が高くなり、乾電池被覆用に用いるには好適といえ
なかった。かかる問題点を改良した低温収縮性チユーブ
を提供する技術として、特定の分子量範囲あるいは分子
量分布を有するスチレン−ブタジエン系ブロツク共重合
体、あるいは、特殊なブロツク構造を有するスチレン−
ブタジエン系ブロツク共重合体を使用した方法などが開
発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製造方法
により製造される低温収縮性チユーブは、延伸後のチユ
ーブが室温保管中に収縮する、いわゆる自然収縮の現象
が生じてしまう。このために、低温収縮性チユーブは平
面性や寸法安定性に欠けており、その性能は満足いくも
のではなかった。
【0005】またチユーブは一旦平坦に折り畳んで巻き
取られ、使用時には一定長さにカツトしてから口を開
き、その状態で乾電池などに被覆されるが、スチレン−
ブタジエン系ブロツク共重合体から得られるチユーブは
開口性が悪く、高速の自動被覆装置により被覆すること
が困難であるとともに、チユーブ内面の滑り性に劣って
いるため、この面でも高速の自動被覆装置により被覆す
ることが困難であるという問題があった。
【0006】さらには、ポリ塩化ビニルに比べ、スチレ
ン−ブタジエン系ブロツク共重合体から得られるチユー
ブは長さ方向の収縮率が大きいため、円筒形の乾電池な
どを加熱収縮被覆する場合に径方向に収縮するとともに
長さ方向にも大きく収縮するため、位置決めなどが困難
で被覆仕上がりが悪いと言う問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決する良好な低温収縮性と小さい自然収縮性とを併せ持
ち、さらに好ましくは良好な開口性と内面滑り性をも有
する乾電池被覆用熱収縮性ポリスチレン系チユーブを提
供せんとするものであり、その要旨とするところは、ス
チレン系炭化水素ブロツクと共役ジエン系炭化水素ブロ
ツクとを含有するブロツク共重合体と、スチレン系炭化
水素を含有しかつガラス転移温度が40〜90℃である
ランダム共重合体とを主成分とする組成物からなり、ブ
ロツク共重合体中に含まれる共役ジエン系炭化水素ブロ
ツクの、組成物全体に占める重量割合が5〜40重量%
である乾電池被覆用熱収縮性ポリスチレン系チユーブに
存する。
【0008】本発明の好ましい態様については以下の詳
細な説明中で順次説明する。本発明におけるブロツク共
重合体は、スチレン系炭化水素ブロツクと共役ジエン系
炭化水素ブロツクとを含有する。スチレン系炭化水素ブ
ロツクには、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの単独重合
体、それらの共重合体および/またはスチレン系炭化水
素以外の共重合可能なモノマーをブロツク内に含む共重
合体などがある。
【0009】またブロツク共重合体の共役ジエン系炭化
水素ブロツクには、例えばブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンなどの単独重合体、それらの共重
合体および/または共役ジエン系炭化水素以外の共重合
可能なモノマーをブロツク内に含む共重合体などがあ
る。
【0010】ブロツク共重合体の構造および各ブロツク
部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の
構造としては、例えば直線型、星型などがあり、また各
ブロツク部分の構造としては、例えば完全ブロツク、テ
ーパードブロツクなどがある。スチレン系炭化水素と共
役ジエン系炭化水素との割合は一般に20:80〜9
0:10(重量比)、さらに好ましくは20:80〜4
0:60の範囲内にあるとよい。
【0011】また本発明において、上記ブロツク共重合
体に混合するランダム共重合体は、スチレン系炭化水素
を含有し、かつガラス転移温度が40〜90℃であるラ
ンダム共重合体である。本発明では、損失弾性率の主分
散に相当するピークをガラス転移温度とする。損失弾性
率は動的粘弾性測定装置を用いて振動周波数10Hzで
測定した。
【0012】ランダム共重合体のガラス転移温度を40
〜90℃に調整するために、一般にスチレン系炭化水素
とは異なる単量体を使用するが、前記単量体としては、
その単量体が単独でなす重合体のガラス転移温度が70
℃以下となるような単量体を使用することが好ましく、
さらに好ましくは55℃以下である。具体的には、アク
リル酸エステル、共役ジエン系炭化水素、ビニルエーテ
ル、脂肪酸ビニル、1−アルケンが挙げられる。これら
を単独で、または、2種以上混合して用いることもでき
る。
【0013】アクリル酸エステルとしては、例えば(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が
挙げられる。
【0014】共役ジエン系炭化水素としては、例えばブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙
げられる。
【0015】ビニルエーテルとしては、例えばビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピル
エーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルヘキシルエー
テル、ビニルオクチルエーテル、ビニル−2−エチルヘ
キシルエーテル等のC1 〜C8 のアルキル基を有するビ
ニルアルキルエーテルが挙げられる。
【0016】脂肪酸ビニルとしては、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パル
ミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2
−メチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビ
ニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニルなどが挙げら
れる。1−アルケンとしては、例えばエチレン、プロピ
レン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテ
ンなどが挙げられる。
【0017】スチレン系炭化水素とそれ以外の単量体と
の共重合比は、概ね50/50〜95/5重量%が好ま
しい。スチレン系炭化水素が50%未満の場合には、ブ
ロツク共重合体と混合時に著しく白濁することがあり製
品の外観上好ましくない。一方、95%を越えるとガラ
ス転移温度を40〜90℃に調整しづらい。上記白濁の
問題を解決するなどの目的で、ランダム共重合体に上述
以外のさらに別の単量体を20重量%を越えない範囲で
共重合しても構わない。
【0018】本発明においては、ランダム共重合体のガ
ラス転移温度を40〜90℃に調整することが重要であ
る。これを下回る場合には、ブロツク共重合体と適量混
合した時に自然収縮が大きくなりすぎ、逆に上回る場合
には十分な低温収縮性が得られない。本発明には、コス
トが低廉であるなどの理由から、スチレンとアクリル酸
エステル、特にアクリル酸n−ブチルとのランダム共重
合体を好適に使用することができる。ランダム共重合体
のガラス転移温度を40〜90℃に調整するには、スチ
レンとアクリル酸n−ブチルの共重合比を、75/25
〜95/5(重量比)にすればよい。
【0019】ランダム共重合体の製法としては、公知の
あらゆる手法、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、溶液重合、気相重合などを採用することが可能であ
り、反応の形態としてもラジカル重合、アニオン重合、
カチオン重合のいずれの方法を採用してもよい。ランダ
ム共重合体の分子量(Mw)は、溶融特性と機械的特性
のバランスから50,000〜500,000が好まし
く、さらに好ましくは100,000〜300,000
である。
【0020】次に、ブロツク共重合体とランダム共重合
体とを主成分とする組成物について説明する。上記組成
物の混合比は、ランダム共重合体のガラス転移温度およ
び両共重合体の相溶性の度合いに応じて適宜決められる
が、通常、ブロツク共重合体とランダム共重合体との混
合割合は、10/90〜90/10である。
【0021】また、ブロツク共重合体中に含まれる共役
ジエン系炭化水素ブロツクが組成物全体に占める重量割
合が、5〜40重量%であることが好ましい。さらに好
ましくは8〜25重量%である。この割合が5重量%未
満では最終チユーブの耐衝撃性が劣化し、40重量%を
越える時は、チユーブとしての腰が弱くなり、高速の自
動被覆装置に適さなくなる。チユーブの腰の指標とし
て、チユーブ長さ方向の引張り弾性率でみると上記組成
範囲であれば150kgf/mm2 以上となり、また共
役ジエン系炭化水素ブロツクの重量割合を25重量%以
下にすると概略200kgf/mm2 以上の引張り弾性
率が得られ被覆適性上好ましい。
【0022】また組成物中のブロツク共重合体として
は、前述の通り、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭
化水素との割合が、20:80〜40:60(重量比)
の範囲内にあるものが特に好ましい。このように共役ジ
エン系炭化水素ブロツクの重量割合が高いものを用いる
と、滑剤を添加した場合に滑剤のブリード性が高くな
り、チユーブの開口性が大きく改良され、またコスト的
にも有利な方向となる。
【0023】上記組成物には、共役ジエン系炭化水素ブ
ロツクの重量割合が5〜40重量%となる範囲内で汎用
ポリスチレンを混合してもよい。汎用ポリスチレンと
は、一般の透明ポリスチレンおよび耐衝撃性成分がブレ
ンドされた一般のポリスチレンを指す。汎用ポリスチレ
ンは30重量%以下の添加であることが好ましい。上記
組成物中には、通常用いられる各種添加剤、例えば紫外
線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、可塑剤、充填
剤などを目的に応じて添加できる。
【0024】本発明のチユーブは、乾電池の亜鉛缶を被
覆する内装用収縮チユーブとして使用するためには、該
チユーブの内面の動摩擦係数が0.4以下、好ましくは
0.35以下であることが必要である。チユーブの内面
の動摩擦係数が0.4より大きくなると、乾電池の自動
被覆機での被覆において、乾電池へのチユーブ挿入時に
チユーブを開口する工程で、チユーブの開口性が思わし
くなく、工程トラブルとなり不適である。
【0025】動摩擦係数を0.4以下とする方法として
は、上記組成物への滑剤の添加が好ましい。有機系の滑
剤としては、パラフイン、マイクロワツクス、低分子量
ポリエチレン等の炭化水素系;高級脂肪酸、オキシ脂肪
酸等の脂肪酸系;モノ脂肪酸アミド、アルキレンビス脂
肪酸アミド等の脂肪酸アミド系;脂肪酸低級アルコール
エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価
アルコールエステル等のエステル系;脂肪アルコール、
多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール等
のアルコール系;金属石鹸系等が挙げられる。これらの
有機系滑剤を用いる場合には、上記のように共役ジエン
系炭化水素ブロツクの重量割合が高いブロツク共重合体
用いるとその効果が大きく発揮される。
【0026】また、カオリン、クレー、炭酸カルシウ
ム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、フッ化リチウ
ム等の不活性微粒子である無機系滑剤を含有せしめても
よい。添加量は、動摩擦係数の低下度合いにより適宜決
められる。
【0027】以上説明した各成分からなる組成物は、通
常の混練機で混合することができるが、操作の容易さか
ら押出機、特に2軸押出機を用いるのが好ましい。ま
た、ドライブレンドして直接押出成形してもよい。
【0028】混合された組成物は、押出機によって、環
状ダイによりチユーブ状に押出される。該未延伸チユー
ブを長さ方向及び径方向にチユーブラー延伸する。その
際、延伸倍率は、長さ方向には1〜1.7倍、好ましく
は1〜1.4倍とし、径方向には、1.7〜4倍、好ま
しくは1.8〜3.5倍である。延伸温度は厚さむらが
悪化しない限り、低温の方が良く、通常、72〜98℃
ぐらいの範囲から選ぶのが好ましい。
【0029】延伸方法としては、通常採られているチユ
ーブラー延伸でよく、こうして得られた延伸チユーブを
巻取り、製品とすることができる。上記の様にして得ら
れるチユーブの厚さは、特に限定されないが、乾電池用
の収縮チユーブとしては、通常30〜150μm、好ま
しくは、50〜100μmであり、折径としては20〜
60mm程度のものが普通である。
【0030】本発明のチユーブは、乾電池用収縮チユー
ブとして使用するためには、100℃熱水中30秒での
収縮率が長さ方向で40%以下、好ましくは30%以
下、径方向で40%以上、好ましくは45%以上でなけ
ればならない。少なくとも径方向の収縮率が40%以上
でない時には、乾電池用として用いた時、端部が密着せ
ず、立ち上った状態となり不適である。
【0031】又、径方向の収縮率が40%以上でも、長
さ方向の収縮率が40%を超えるものでは、乾電池用の
自動被覆機で、被覆した時、被覆位置がずれてしまった
り、更には、カツト長さを長くしなければならず、コス
トアツプにもつながり、好ましくない。収縮率は、組成
物の特性(主にガラス転移温度)に応じて、延伸倍率、
延伸温度を調整して決定される。
【0032】
【実施例】以下、実施例について説明するが、本発明
は、これに限定されるものではない。以下の各種特性は
次のように測定、評価した。 (1)ガラス転移温度(℃) 岩本製作所(株)製粘弾性スペクトロメーターVES−
F3を用い、振動周波数10Hzで測定し、損失弾性率
の主分散のピーク温度とした。
【0033】(2)100℃収縮率(%) 100℃の熱水に30秒間浸漬した後、長さ方向、径方
向、両方向について以下の式にて算出した。 収縮率(%)=[(L0 −L1 )/L0 ] ×100 L0 :収縮前の寸法 L1 :収縮後の寸法 (3)自然収縮率(%) 30℃のオーブン中に30日放置し、径方向について求
めた。
【0034】(4)動摩擦係数 JIS K−7125に準じ、下側試験片を25mm×
125mm、上側試験片を15mm×120mmとし、
すべり片を15mm×40mmのおさえ面積を有する5
0gのものとして、上側試験片を引張ることにより測定
した。
【0035】(5)仕上り性 日本自動精機(株)製の乾電池用自動機(SW−1)を
使い、折径23mm、カット長さ53mmのチューブを
単三乾電池に被覆後、加熱収縮させたとき、端部が密着
せず立上った状態となったり、被覆位置がずれて被覆さ
れたものを×、これら不都合が極めて軽微なものを△、
これらの不都合が全くなかったものを○とした。
【0036】(6)開口性 日本自動精機(株)製の乾電池用自動機(SW−1)を
使い、開口性を判断し、開口性が良くトラブルのないも
のを○、10個中1〜5個の開口不良を起こしたものを
△、10個中6個以上の開口不良を起こしたものを×と
した。 (7)引張り弾性率(kgf/cm2 ) カット長さ360mm、幅5mmの試験片を標線間30
0mmでチャツクにセツト後、引張り速度100mm/
分で引張り試験を行い、荷重−伸び曲線より算出した。
【0037】(8)落下衝撃割れ 折径23mm、カツト長さ53mmのチユーブを単三乾
電池に被覆後、高さ500mmの高さから、コンクリー
ト面に、乾電池のエツジ部分から落下する様に落とし、
チユーブの割れが生じなかったものを○、10個中1〜
5個の割れが生じたものを△、10個中6個以上の割れ
が生じたものを×とした。
【0038】(9)自動機走行性 日本自動精機(株)製の乾電池用自動機(SW−1)を
使い、自動機走行性を判断し、走行中、チユーブの引掛
かり等の走行トラブルがないものを○、10個中1〜5
個の走行トラブルを起こしたものを△、10個中6個以
上の走行トラブルを起こしたものを×とした。
【0039】(実験例1) (ランダム共重合体の合成)温度制御装置と攪拌装置を
備えたオートクレーブに、開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル0.5重量部と、スチレンおよびアクリル
酸n−ブチルを計100重量部と、シクロヘキサン30
0重量部とを投入し、十分攪拌しながら3気圧100℃
で3.5時間加熱後、得られた白色の共重合体をメタノ
ール洗浄し減圧乾燥して、表1に示す4種のスチレン−
アクリル酸n−ブチルランダム共重合体(RP−1〜
4)を作成した。用いた薬品および単量体はナカライテ
スク(株)製の特級もしくは特級相当試薬である。分子
量(Mw)は、公知のGPC法で測定し、ポリスチレン
換算で算出した。
【0040】表1から明らかなように、RP−2,3の
ガラス転移温度は40〜90℃の範囲内であり、本発明
の実施例となるが、RP−1,4のガラス転移温度は4
0〜90℃の範囲外であり、比較例となる。ランダム共
重合体の化学組成およびランダム性の確認は、IR、N
MR、動的粘弾性測定を行った結果、所望したものが合
成されていることを確認した。
【0041】(組成物の調製)スチレン70重量%とブ
タジエン30重量%とからなるブロツク共重合体(旭化
成工業(株)製、アサフレツクス810)と、表1に示
すRP−1〜4のランダム共重合体とを、それぞれ45
/55(重量%)の比率でドライブレンドし、同方向二
軸押出機を用いて溶融混合し、組成物のペレツトを得
た。
【0042】(チユーブの製造および性能試験)上記組
成物をチユーブラー押出しし、外径8.0mm、厚さ
0.20mmの未延伸チユーブを得た。これらを各々延
伸が可能な最低温度で、長さ方向に1.2倍、径方向に
2.5倍チユーブラー延伸し、延伸チユーブを得た。表
2に100℃収縮率と自然収縮率を示す。またブロツク
共重合体として、スチレン30重量%とブタジエン70
重量%とからなるブロツク共重合体(旭化成工業(株)
製、タフプレンA)を用いて同様の評価を行った結果を
表3に示す。
【0043】
【表1】
【表2】
【表3】
【0044】表2、3に示す結果から明らかなように、
実施例では径方向の100℃収縮率が40%より大き
く、しかも自然収縮率は2.0%より小さく、実用的な
範囲に入っている。一方、比較例1、4は自然収縮率が
2.0%より大きく、自然収縮のため波打ちやチユーブ
の径不足などの問題が生じやすく実用範囲外であり、比
較例2、3および5は自然収縮率は小さいものの、径方
向の収縮率が20%と小さく低温収縮性に劣り実用範囲
外である。
【0045】(実験例2)スチレン85重量%とアクリ
ル酸n−ブチル15重量%とを、実施例1と同様の方法
で重合し、ランダム共重合体RP−5を得た。RP−5
の分子量(Mw)は110,000、ガラス転移温度は
53℃であった。上記ランダム共重合体RP−5と、次
の2種のブロツク共重合体、すなわち(B1 )スチレン
70重量%とブタジエン30重量%とからなるブロック
共重合体(旭化成工業(株)製、アサフレックス81
0)または(B2 )スチレン30重量%とブタジエン7
0重量%とからなるブロック共重合体(旭化成工業
(株)製、タフプレンA)とを、有機系滑剤エチレンビ
スステアリルアミド1.0部と共に、表4に示す重量部
数にて実験例1と同様の方法を用いて混合し、組成物を
得た。上記組成物をチユーブラー押出しし、外径8.0
mm、厚さ0.20mmの未延伸チユーブを得た。これ
を延伸温度95℃で、長さ方向に1.2倍、径方向に
2.5倍チユーブラー延伸し、延伸チユーブを得て各種
特性を評価した。同様の方法で、表4に示す重量部で実
施し、比較した。
【0046】
【表4】
【0047】表4に示す通り、共役ジエン系炭化水素ブ
ロツクの重量部数が8〜40部のNo.2〜6は、引張
り弾性率が150kgf/mm2 以上を満たし、自動機
走行性にも優れ落下衝撃割れもない優れたものである。
また動摩擦係数も0.4以下で開口性も優れている。一
方、共役ジエン系炭化水素ブロツクの重量部数が3部の
No.1は、落下衝撃割れ性に劣り、また共役ジエン系
炭化水素ブロツクの重量部数が45部のNo.7は引張
り弾性率が150kgf/mm2 よりも小さく自動機走
行性に劣る。
【0048】さらに、ブタジエンブロツク重量%が70
重量%のブロツク共重合体(B2 )を用いた組成物から
なる延伸チユーブ(No.3、5、6)は滑剤のブリー
ド性に優れ、ブタジエンブロツク重量%が30重量%の
ブロツク共重合体(B1 )を用いた組成物からなる延伸
チユーブ(No.2、4)に比べ動摩擦係数が低く、開
口性も一層良好であった。
【0049】(実験例3)スチレン30重量%とブタジ
エン70重量%とからなるブロック共重合体(旭化成工
業(株)製、タフプレンA)20重量部と、前記ランダ
ム共重合体RP−5を75重量部と、汎用ポリスチレン
(旭化成工業(株)製、スタイロン683)5部とを、
表5に示す量の有機系滑剤エチレンビスステアリルアミ
ドと共に混合し、実験例1と同様の方法で未延伸チユー
ブを得た。続いてこれらを、延伸温度95℃、延伸倍率
は表5に示す条件でチユーブラー延伸を行い、延伸チユ
ーブを得た。これらのチユーブの各種特性を評価した結
果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表から明らかなように、収縮率が長さ方向
で40%以下、径方向で40%以上であり、動摩擦係数
が0.4以下であるNo.8〜10は、仕上がり性、開
口性とも優れている。これに対し、径方向収縮率が40
%に満たないNo.11、および長さ方向収縮率が40
%を越えてしまうNo.12はいずれも収縮仕上がりが
悪く、乾電池被覆用チユーブとしては不適であった。ま
た動摩擦係数が0.4を越えるNo.13は開口性に劣
る。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明は、スチレン系炭化
水素および共役ジエン系炭化水素を含有するブロツク共
重合体と、スチレン系炭化水素を含有しかつガラス転移
温度が40〜90℃であるランダム共重合体とを主成分
とする組成物からなるため、良好な低温収縮性と小さい
自然収縮性を併せ持ち、さらには100℃の熱水中に3
0秒浸漬したときの収縮率を長さ方向で40%以下、径
方向で40%以上、かつ内面の動摩擦係数を0.4以下
とすることにより、特に乾電池を収縮被覆する場合に、
開口性が良く自動被覆装置における高速被覆が可能な熱
収縮性チユーブが得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−52129(JP,A) 特開 昭61−25819(JP,A) 特開 昭60−224521(JP,A) 特開 平5−104630(JP,A) 特開 平1−183058(JP,A) 実開 昭62−154927(JP,U) 実開 昭62−134725(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 25/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系炭化水素ブロックと共役ジエン
    系炭化水素ブロックとを含有するブロック共重合体と、
    スチレン系炭化水素を含有しかつガラス転移温度が40
    〜90℃であるランダム共重合体とを主成分とする組成
    物からなり、ブロック共重合体中に含まれる共役ジエン
    系炭化水素ブロックの、組成物全体に占める重量割合が
    5〜25重量%であることを特徴とする乾電池被覆用熱
    収縮性ポリスチレン系チューブ。
  2. 【請求項2】ブロック共重合体が、共役ジエン系炭化水
    素ブロックを60〜80重量%含有するものである請求
    項1記載の乾電池被覆用熱収縮性ポリスチレン系チュー
    ブ。
  3. 【請求項3】100℃の熱水中に30秒間浸漬したとき
    の収縮率が長さ方向で40%以下、径方向で40%以
    上、かつ内面の動摩擦係数が0.4以下である請求項1
    または2記載の乾電池被覆用熱収縮性ポリスチレン系チ
    ューブ。
  4. 【請求項4】100℃の熱水中に30秒間浸漬したとき
    の収縮率が長さ方向で30%以下、径方向で45%以上
    である請求項記載の乾電池被覆用熱収縮性ポリスチレ
    ン系チューブ。
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