JP3519894B2 - 発振装置 - Google Patents

発振装置

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JP3519894B2
JP3519894B2 JP03203697A JP3203697A JP3519894B2 JP 3519894 B2 JP3519894 B2 JP 3519894B2 JP 03203697 A JP03203697 A JP 03203697A JP 3203697 A JP3203697 A JP 3203697A JP 3519894 B2 JP3519894 B2 JP 3519894B2
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION, OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、広範な分野で種々の構成の発
振装置が使用されている。従来の発振装置における、発
振信号の周波数を安定化させるための手法としては、例
えばPLL法など、基準となる外部周期信号に対するず
れを検出し、外乱等によりずれが生じたときそのずれが
できるだけすみやかに消失するよう調整をとる手法が採
用されている。
【0003】ところで、例えば人間の生活のリズムを考
えた場合、何らかの原因によりある朝いつもより早く目
をさましてしまったとき、その日はいつもより早めに眠
くなり、早めに眠ると翌朝も早めに目が覚めるなど、あ
る朝いつもより早く目覚めたという外乱の影響は、急激
には回復せず、何日間かかけて徐々に元のリズムに復帰
するのが普通である。
【0004】また、例えば、メトロノーム音に合わせて
楽器を演奏していてメトロノーム音からずれて演奏をし
ていることに気づいたとき、違和感を感じさせないよう
演奏をゆっくりとそのメトロノーム音に合わせるように
調整することが好ましい場合もある。また、例えばその
メトロノーム音が早過ぎて自分の演奏ペースと全く合わ
ないときは、メトロノーム音を1音おきに無視して半分
のテンポで演奏したり、あるいはその逆に、そのメトロ
ノーム音が遅過ぎて自分の演奏ペースと合わないときは
そのメトロノーム音と比べて倍のテンポで演奏すること
が好ましい場合もある。
【0005】近年、コンピュータ内に疑似生命体を構築
し、その疑似生命体が、コンピュータ内で、あたかも自
分の意思や感情をもっているかのように動作するシステ
ムが考えられており、その疑似生命体の生活のリズムや
演奏のテンポを、ロボット的ではなく、より実際の生命
体に近づけるための努力が払われている。その疑似生命
体の基本的な生活リズムや、自分の演奏のテンポをあま
りくずさずに演奏しようとする場合の演奏のテンポなど
を作り出す場合にも、一種の発振装置が使用されるが、
このような用途においては、上述のように、外乱の影響
がたちどころに修復されるのではなく、所定の時間をか
けてゆっくりと元に戻ったり、別の場面では、外部信号
の周期の半分や倍等、外部信号を無視する訳ではないが
外部信号の周期と同一ではないある関係を持った周期で
発振する発振装置を用いることが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術を
用いてこのような発振装置を構成しようとすると、例え
ば外乱による発振信号の周波数の乱れを検知して外部周
期信号の周波数を変化させ、所望の時間をかけて発振周
波数を元に戻すべく、その所望の時間をかけて外部周期
信号の周波数をゆっくりと元に戻す構成が考えられる
が、このような構成では、発振器自身はできるだけ忠実
に発信しようとし、外部周期信号の周波数をコントロー
ルするものであり、構成が複雑となってしまうという問
題がある。
【0007】このような問題を解決するには、外部で種
々手を加えるのではなく、内部で自己完結的に発振周波
数がゆっくりと元に回復したり、外部周期信号と同一で
はないある関係をもった周期で発振する発振装置を実現
することが好ましい。このような目的に適う発振装置が
本発明者らにより提案されている(特願平7−2118
99号参照)。ところが、その提案の発振装置は、外部
から、周期的に値が変化する例えば正弦波形を持った信
号を入力する必要があり、順次連続するパルスからなる
パルス列信号を外部から入力してそのパルス列信号に同
調した信号を生成することはできない。
【0008】近年の信号処理のディジタル化の傾向に照
らすと、外部からパルス列信号を入力してそのパルス列
信号に同調した信号を生成する発振装置の方が望まし
い。本発明は、上記事情に鑑み、内部で自己完結的に、
発振周波数がゆっくりと追随したり、外部周期信号と同
一ではないある関係を持った周期で発振することがで
き、しかもパルス列信号を外部から入力してこれらの動
作を実現する発振装置を提供することを目的とする。
【0009】図1は、本発明の原理説明用ブロック図で
ある。本発明の発振装置は、基本的には、順次連続する
複数のパルスからなるパルス列信号を入力する信号入力
手段11と、時間経過に伴って単調変化する値を有する
状態量を生成する状態量生成手段12と、信号入力手段
11によりパルスが1つ入力される毎に、状態量生成手
段12で生成中の状態量の値を、その状態量の現在値よ
りもその状態量の値の変化方向に所定量だけ変化した値
に遷移させる状態量遷移手段13と、状態量遷移手段1
3にて遷移された状態量の値を所定のしきい値と比較
し、該状態量の値がしきい値に達した場合に、状態量生
成手段12で生成中の状態量を所定の初期値にリセット
させる状態量リセット手段14と、順次連続する、上記
状態量が初期値にリセットされるタイミングどうしの時
間間隔を周期とする信号を生成する信号生成手段15と
を備えたことを特徴とする。
【0010】ここで、上記本発明の発振装置において、
上記所定を変更自在に指定する遷移量指定手段16を
備えることが好ましい。また、上記本発明の発振装置に
おいて、状態量生成手段12が、状態量遷移手段13に
よる状態量の値の遷移のタイミング、および状態量リセ
ット手段14による、状態量のリセットのタイミングを
除き、時間経過に伴って値の変化率を減少させながら、
上記初期値から上記しきい値に向かって値が変化する状
態量を生成するものであることが好ましい。
【0011】その場合に、時間経過に伴う状態量の値の
変化率の変化係数を指定する変化係数指定手段17を備
えることがさらに好ましい。さらに、上記本発明の発振
装置において、信号入力手段11により入力されたパル
ス列信号を構成するパルスの周期を検出する周期検出手
段18と、周期検出手段18で検出された周期に応じ
た、上記初期値にリセットされた状態量の値の初期変化
率を指定する初期変化率指定手段19とを備えることが
好ましい。
【0012】その場合にさらに、信号入力手段11によ
り入力されたパルス列信号と信号生成手段15で生成さ
れた信号との間の位相を検出する位相検出手段20と、
位相検出手段20により検出された位相に応じた、上記
初期変化率の微調量を指定する初期変化率微調手段21
とを備えることが一層好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本実施形態では、integrate an
d fire発振器を基本とした発振装置を定義する。
integrate and fire発振器とは、図
2に示すように周波数(傾き)Ωで増加する状態量(た
とえば、電圧)などが閾値(ここでは1とした)に到達
すると1度パルス信号を発し、状態量を0に戻して同様
の動きを繰り返す発振装置である。この装置の発振の特
性は、 xn+1 =xn +Ω・(tn+1 −tn ) ……(1) xn+1 1 ⇒ xn+1 =0 (発火) で表される。但し、tn ,tn+1 は時間軸上の座標点、
n ,xn+1 は、それぞれ時刻tn ,tn+1 の時点の状
態量の値である。
【0014】ここでは、安定した同期と外部周期への適
応性を高めるために、図2に示す発振器を基に図3のよ
うなパルス発振器を用意する。この発振器の特性は、 xn+1 =xn +(Ω−γ・xn +α)・(tn+1 −tn ) ……(2) xn+1 1 ⇒ xn+1 =0 (発火) である。ここで、 Ω:基本周波数 γ:状態量変化係数(γ≧0とし、状態量に比例して、
状態量の変化速度を減少させる) α:基本周波数調整変数(特に必要がなければα=0) であり、それぞれ、Ωは、本発明にいう「初期変化
率」、γは、「変化率の変化係数」、αは、「初期変化
率の微調量」に対応する。(2)式では、例えば図3に
示すように、x=0の時点では(Ω+α)の傾き(変化
率)を持ち、その変化率が変化係数γおよび状態量xに
応じて徐々に減少する曲線が定義される。ここでは、こ
の曲線を状態量変化曲線と称し、Φ(t)であらわす。
【0015】基本周波数調整変数αについての説明は後
にまわし、ここではα=0と考える。外部からのパスル
信号との同期のために、以下の動きを定義する。すなわ
ち、外部からのパルスが検出されると、その時点の状態
量xn を、 xn ’=xn +K とする。ここで、 K:外部パルスに対する状態変化量(本発明にいう所定
値) である。これは、外部からパルスが入力されると、状態
量xを飛躍的に増加(または減少)させるもので、図4
のように、発振器の位相を飛躍的に進める(または後退
させる)ことを意味する。したがって、発振器の状態が
図5の斜線部にあるときに外部パルスが入力されれば、
発振器は直ちに発火し、状態量は0に戻る。これによ
り、外部パルス列信号のパルスの繰り返しの周波数と発
振器固有の周波数がある一定の範囲以内の差にとどまる
ならば、発振器の出力は外部周期に完全に同期する。こ
こで、双方が同期するためには、ある時点で外部パルス
によって即時に発振器が発火したあと、外部パルスが次
に入力されるときには図5に示した斜線部まで状態が到
達していることが必要となる。すなわち、外部パルスの
周期がT0 のとき、 1−KΦ(T01 であるならば、発振器は外部パルス列信号に同期する。
【0016】発振器が外部パルス列信号に同期するまで
の過程を、図6に示す。図6からもわかるように、外部
パルスに対する状態変化量Kは、発振器の、外部周期に
対する結合力の強さを示すものであり、Kが大きいほ
ど、外部パルス列信号との同期に至るまでに要する時間
も短くなり、また外部パルス列信号のパルスの周期と自
己の基本周波数により定まる基本周期との差が大きくて
も同期することが可能となる。すなわちKは、発振器
の、外部パルス列信号に対する速度調整能力を規定す
る。
【0017】図5の斜線部は、状態変化係数γによって
も領域の広さが変わる。γは状態量の変化速度を状態量
の増加に伴って減少させる働きを持つため、特に、状態
量xが閾値に近くなったときに、変化速度を大きく低下
させる。よってγが大きく設定されるほど、図5の斜線
部で表される同期可能領域は広がる。これはすなわち、
外部パルスの周期に揺らぎがあるような場合にでも、同
期を保つことができることを意味する。
【0018】外部パルス列信号の周期と自己の基本周期
が互いに大きく異なる場合の作用の例を図7に示す。図
7に示すように、外部パルス列信号の周期と自己の基本
周期が大きく異なる場合、この発振器は適切な有理数比
に双方の位相関係を固定する。ここではこれを位相ロッ
クの状態と称する。すなわちこの発振器は、自己の基本
周波数があらかじめ定められた値に固定されていたと
き、外部からのあらゆる速度の周期的パルス信号に対し
て、同期もしくは位相ロックの状態を保つ能力を有す
る。
【0019】図8は、上記の原理を採用した本発明の発
振装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。信
号入力部101は、外部からの周期的パルス信号を入力
する。パルス信号検出部102は、信号入力部101で
入力された周期的パルス信号を検出し発振装置内部に伝
える。したがって、本実施形態では、信号入力部101
とパルス信号検出部102を合わせたものが、本発明に
いう信号入力手段の一例に相当する。
【0020】状態量調整部103は、パルス信号検出部
102によって外部からのパルスが検出されると、パル
ス発振部104が保持する状態量xを、状態変化量Kだ
け増加(または減少)させる。この状態量調整部103
は、本発明にいう状態量遷移手段に相当する。パルス発
振部104では、図3に示す発振器の基本機能を実現す
る。すなわち、時間の経過とともに状態量xを増加さ
せ、閾値に到達すると発火して状態量を初期値である0
に戻し、そのタイミングでパルスを生成する。したがっ
て、このパルス発振器104は、本発明にいう状態量生
成手段と状態量リセット手段と信号生成手段とが複合さ
れたものに相当する。
【0021】外部周期検出部105は、本発明にいう周
期検出手段に相当するものであり、外部からのパルス列
信号の周期T0 を検出する。基本周波数Ωはこの発振装
置の特性としてあらかじめ与えておくこともできるが、
本実施形態では、本発明にいう初期変化率指定手段に相
当する基本周波数決定部106を備えており、この基本
周波数決定部106では、外部周期検出部105によっ
て得られた外部周期T 0 によって、外部からのパルス列
信号との同期に適切な基本周波数Ωを再設定することが
可能である。これにより、外部周期T0 が、この発振装
置の基本周期を変更しなければ1:2などの有理数比の
位相ロックにつながるような値の時にも、1:1の同期
状態へと導くことが可能となる。
【0022】状態変化量Kも、この発振装置の特性とし
てあらかじめ与えておくこともできるが、本実施形態で
は、本発明にいう遷移量指定手段に相当する状態変化量
設定部107を備えており、この状態変化量設定部10
7では、自己の、外部からのパルス列信号に対する速度
調整能力を変更するために、状態変化量Kの大きさを再
設定することができる。これにより、自己の速度調整能
力を動的に変化させることが可能となる。
【0023】基本周波数の調整変数αは、基本周波数調
整部108によって制御されるものであり、基本周波数
決定部106によって粗く設定された基本周波数Ωを微
調整し、外部周期に同期するために最適な値へと移行さ
せる効果を持つ。また、基本周期の微調整を行うことに
より、外部周期が緩やかに速度を変えていくとき、それ
に従って、自己の発振の周波数も同じく緩やかに変化し
て、双方の同期を保つことが可能となる。位相差評価部
109によって外部からのパルス列信号の周波数よりも
自己の基本周波数が高すぎると判断されたときは減少、
低すぎると判断されたときは増加させることによって、
基本周波数を微調整する。位相差評価部109は、本発
明にいう位相検出手段に相当し、外部からのパルスが検
出された時点でパルス発振部104で生成されたパルス
との位相差を評価し、時間的に最近の位相差の変化か
ら、基本周波数の適正度を判断する。基本周波数調整部
108は、その結果に基づいて、しばらくの間αの数値
を増減させる。αの値が適切に設定されると、その後の
発振の結果位相差評価部109によって周波数設定が適
正と判断され、設定されたαの値がそのまま利用される
ことによって、パルス発振部104で利用される基本周
波数として、外部からのパルス列信号に同期するために
最適な値が設定されたことになる。また、外部からのパ
ルス列信号の緩やかな変化にも追従することが可能とな
る。
【0024】状態量変化係数γも、この発振装置の特性
としてあらかじめ与えておくこともできる。γはパルス
発振部104における状態変化速度の減少率を規定する
ものであり、γが大きければ図5の斜線部で示される同
期可能領域が広くなり、外部からのパルス列信号に対す
る速度調整能力が高まる。本発明にいう変化係数指定手
段に相当する状態量変化係数設定部110では、γの値
を再設定することができる。γを大きくして速度調整能
力を上げることは、外部からのパルス列信号のパルス間
隔のゆらぎや小さな遅れに対する許容能力を上げること
を意味する。
【0025】連続発振部111は、パルス発振部104
が出力するパルス発振の周波数と同一周波数の、値が正
弦的に変化する連続発振信号を出力する発振部である。
発振の用途によっては正弦波形状の発振信号の方が好ま
しい場合がある。連続発振部111は外部からのパルス
列信号に同期した連続的な発振を出力することを可能と
する。尚、この連続発振部111は、パルス発振部10
4の、パルスを生成する部分とともに本発明にいう信号
生成手段を構成している。
【0026】図8に示した本実施形態の動作の理解の容
易のために、人の演奏する楽音のテンポに対して計算機
が自己のテンポを調整して同期演奏を行う場合について
説明する。この計算機内部では、図8に示す実施形態
が、ソフトウェアにより実現されているものとする。計
算機内部に実現されたこの発振装置に入力される外部信
号は、人の演奏する音の連続情報からパルス的信号への
変換を行った結果得られる、音のON/OFFなどのパ
ルス的な信号とする。
【0027】外部周期検出部105は、外部周期信号の
周期T0 を検出する。基本周波数決定部106では、外
部周期検出部105によって得られた外部周期T0 に大
きな変動があると、自己の自然周期Tが外部周期T0
りも若干遅くなるように基本周波数Ωを設定する。この
発振装置の特性上、外部周期よりも自己の速度が速い場
合には1:2などの有理数比に位相ロックする性質があ
る。これを嫌い、あえて1:1の比で同期することを望
むならば、自己の基本周波数Ωを外部周期よりもやや遅
めに設定することが有効である。このように、基本周期
決定部106では外部周期に合わせて自己の基本周波数
を粗く調整する。
【0028】パルス発振部104は、自己の状態量xを
時間の経過とともに変化させ、一定の閾値に達すると発
火しパルス信号を出力して状態量xを0に戻す。このパ
ルス発振器104により、図3に示された発振器の基本
的な発振が実現される。パルス信号検出部102では、
外部周期検出部105で周期T0 が検出された場合にの
み、入力される外部信号のテンポを刻むパルスを検出
し、それを有効な外部パルス信号として各部へと伝達す
る。これによって、外部から音がまったく周期性を持た
ず、バラバラな速度で入力されるとき、すなわち外部周
期検出部105で外部周期が検出不能のときに、そのバ
ラバラな信号に発振装置が同期しようとして発振が乱れ
てしまうことを未然に防ぐことができる。
【0029】状態量調整部103は、パルス信号検出部
102によって外部からの有効なパルス信号が検出され
たとき、パルス発振部104によって保持される状態量
xを、状態変化量設定部107によって設定された状態
変化量Kだけ増加(または減少)させる。次に、発振装
置の、外部信号に対する速度調整能力を動的に変化させ
る場合について説明する。
【0030】状態変化量設定部107は、発振装置の、
外部パルスに対する状態変化量Kを変更する。たとえ
ば、発振装置が出力するテンポで音楽を演奏するとき、
音楽を実際に演奏中であれば、テンポはあまり急激に変
化させることはできないため、状態変化量Kは小さめに
設定する必要があるが、人の演奏する音に対して自分の
テンポを同期させようと試みている段階であって、自分
の演奏を開始する前であれば、状態変化量Kを大きく設
定して、できるだけ速く人の演奏する音のテンポに自己
の発振状態を同期させる方が望ましい。状態変化量設定
部107では、このような発振の利用状態などの条件に
あわせて、自己の速度調整能力を動的に変化させること
ができる。
【0031】次に、外部から入力される音の速度のゆら
ぎや遅れに対する許容能力を変化させる場合について説
明する。状態量変化係数設定部110は、状態量変化係
数γを変更する。たとえば、音楽教育的に、互いに一定
のテンポを保って一緒に演奏を行うことに重点を置くな
らば、この発振装置に基づいて演奏される音楽のテンポ
は、外部から入力される音のテンポが揺らいでいるとき
には自己の速度を保って相手がテンポを調整してくれる
ことを促すことが望ましい。しかしながら、より自由
に、互いに調整し合いながら演奏を楽しむことを目的と
するならば、外部からの音のテンポが揺らいだり遅れた
りしても、なるべく相手に合わせるほうが望ましい。こ
のように状況に応じて、外部入力の揺らぎや遅れに対す
る許容能力を変化させるためには、状態変化係数γを変
化させることが有効となる。状態量変化係数γを大きく
することは、前述したとおり、外部周期の揺らぎや小さ
な遅れに対する許容能力を上げることを意味し、逆に、
発振装置の発振は外部周期に対して同期することを優先
し自己の発振の安定性の優先度を下げることとなる。外
部から入力される音のテンポの重要度に応じて、外部周
期のテンポが揺らいでいてもなるべく同期を保つのか、
外部周期のテンポが揺らいでいれば、なるべく自己の発
振速度を保つのかの度合いを設定することができる。
【0032】次に、外部周期に同期した連続発振を行う
場合について説明する。発振装置の特性上、外部周期と
の同期のために状態量xは瞬時に飛躍的に変化すること
がある。これはすなわち、発振装置の位相が飛躍的に変
化することを意味する。しかしながら、メロディーを演
奏したり体を動かすなどの動作を行うときに、この位相
に基づいてメロディーの進行状況や体の位置を決定する
ような場合には、メロディーや体の位置のジャンプが現
れて不自然な感じを与える場合がある。連続発振部11
1において、パルス発振部104の出力するパルス発振
の周波数を用いて連続値を出力することにより、このよ
うな位相の不自然なジャンプを回避しながら、外部周期
に同期した発振を行うことができる。
【0033】さらに、外部周期が緩やかに変化していく
ときに自己の基本周波数を微調整して1:1での同期状
態を保つ場合について説明する。発振装置の特性上、外
部周期が発振装置の基本周波数により定まる基本周期よ
りもゆっくりとした周期の場合、発振装置は1:2など
の適切な有理数比での位相ロック状態へと移行する。そ
れを嫌い、常に1:1での同期状態を保つことを望む場
合、前述したとおり、基本周波数決定部106において
自己の自然周期Tが外部周期T0 よりも若干遅くなるよ
うに基本周波数Ωを設定すればよい。しかし基本周期決
定部105は周波数の粗調整を目的とし、外部周期T0
に大きな変化があったときしか周波数を変更しないた
め、外部周期が緩やかに変化していくような場合には、
図9のように、基本周波数決定部において決定した自然
周期Tよりも外部周期T0 が大きくなり発振が1:2な
どの有理数比へと向かう場合が起こりうる。位相差評価
部109は、外部からのパルス信号が検出された時点で
パルス発振部104の保持する状態量(自己の位相)と
の差を評価し、最近の位相差の変化から、基本周波数が
低すぎる、または高すぎるかどうかを判断する。基本周
波数調整部106は、その結果に基づいて、しばらくの
間、基本周波数調整変数αの数値を増減させる。αの値
が適切に設定されると、その後の発振の結果位相差評価
部109によって周波数設定が適正と判断され、その調
整されたαの値がそのまま利用されることによって、パ
ルス発振部104で利用される基本周波数として外部周
期に同期するために最適な値が設定されたことになる。
これによって、図10のように、常に同期に最適な基本
周波数が設定され、外部周期が徐々に変化するときに
も、同期を保つことができる。
【0034】さらに、実施形態の発振装置によって外部
パルス信号を発生させる場合、すなわち実施形態の発振
装置を2つ組合せて発信させる場合について説明する。
このような場合、2つの発振装置の間には主従関係がな
く、対等に同期する相互同期の状態が形成される。これ
により、例えば人と人とがテンポを合わせて音楽を演奏
するように、計算機同士でテンポを合わせて自動演奏を
行うことが可能となる。
【0035】
【発明の効果】このように、本発明によれば、外部から
のパルス列信号に対して同期をとる必要のある発振装置
で、目標とする外部パルス列信号の繰り返し周波数につ
いてあらかじめ何の情報も与えられていない場合におい
ても、自己の基本周波数を適切に設定し、そのうえで外
部パルス列信号との位相差を小さく保って同期を得るこ
とが可能となる。また、外部パルス列信号がその周期を
徐々に変化させていく場合においても、常に微調整する
ことによって同期を保つために、基本周波数を最適な値
に設定することが可能であり、安定的に同期を得ること
ができる。また、従来はあってはならないものとして扱
われてきた、同期の目標となる外部周期自体の揺らぎや
遅れに対して、発振装置の調整能力を変更する機能を実
現することにより、そのような信号に対しても自己の発
振の安定性を保ちながら同期を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明用ブロック図である。
【図2】integrate and fire発振器
の原理説明図である。
【図3】本実施形態の基本動作説明図である。
【図4】外部パルスに対する処理の説明図である。
【図5】同期可能条件を示す説明図である。
【図6】外部周期と自然周期が近い場合の同期に至る過
程を示す図である。
【図7】外部周期と自然周期が離れている場合の位相ロ
ック状態に至る過程を示す図である。
【図8】本発明の発振装置の一実施形態をあらわすブロ
ック図である。
【図9】基本周波数の微調整機能を持たない場合の効果
を示す図である。
【図10】基本周波数の微調整機能の効果を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 信号入力手段 12 状態量生成手段 13 状態量遷移手段 14 状態量リセット手段 15 信号生成手段 16 遷移量指定手段 17 変化係数指定手段 18 周期検出手段 19 初期変化率指定手段 20 位相検出手段 21 初期変化率微調手段 101 信号入力部 102 パルス信号検出部 103 状態量調整部 104 パルス発振部 105 外部周期検出部 106 基本周波数決定部 107 状態変化量設定部 108 基本周波数調整部 109 位相差評価部 110 状態量変化係数設定部 111 連続発振部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 4/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次連続する複数のパルスからなるパル
    ス列信号を入力する信号入力手段と、 時間経過に伴って単調変化する値を有する状態量を生成
    する状態量生成手段と、 前記信号入力手段によりパルスが1つ入力される毎に、
    前記状態量生成手段で生成中の状態量の値を、該状態量
    の現在値よりも該状態量の値の変化方向に所定量だけ変
    化した値に遷移させる状態量遷移手段と、 前記状態量遷移手段にて遷移された状態量の値を所定の
    しきい値と比較し、該状態量の値が該しきい値に達した
    場合に、前記状態量生成手段で生成中の状態量を所定の
    初期値にリセットさせる状態量リセット手段と、 順次連続する、前記状態量が初期値にリセットされるタ
    イミングどうしの時間間隔を周期とする信号を生成する
    信号生成手段とを備えたことを特徴とする発振装置。
  2. 【請求項2】 前記所定を変更自在に指定する遷移量
    指定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の発振
    装置。
  3. 【請求項3】 前記状態量生成手段が、前記状態量遷移
    手段による状態量の遷移のタイミング、および前記状態
    量リセット手段による、状態量のリセットのタイミング
    を除き、時間経過に伴って値の変化率を減少させなが
    ら、前記初期値から前記しきい値に向かって値が変化す
    る状態量を生成するものであることを特徴とする請求項
    1記載の発振装置。
  4. 【請求項4】 時間経過に伴う前記状態量の値の変化率
    の変化係数を指定する変化係数指定手段を備えたことを
    特徴とする請求項1記載の発振装置。
  5. 【請求項5】 前記信号入力手段により入力されたパル
    ス列信号を構成するパルスの周期を検出する周期検出手
    段と、 前記周期検出手段で検出された周期に応じた、前記初期
    値にリセットされた状態量の値の初期変化率を指定する
    初期変化率指定手段とを備えたことを特徴とする請求項
    1記載の発振装置。
  6. 【請求項6】 前記信号入力手段により入力されたパル
    ス列信号と前記信号生成手段で生成された信号との間の
    位相を検出する位相検出手段と、 前記位相検出手段により検出された位相に応じた、前記
    初期変化率の微調量を指定する初期変化率微調手段とを
    備えたことを特徴とする請求項5記載の発振装置。
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