JP3517941B2 - シートクッションシールド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、車両用のシートクッ
ションにシートバックを前倒し可能に取付ける軸着部を
覆うシートクッションシールドに関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用のシートでは、シートクッション
側の固定アームにシートバック側の可動アームを軸着し
て、シートバックを前倒し可能に取付けている。この軸
着部に塗布された潤滑油によって汚れることを防いだ
り、美観を向上するために、内側及び外側シールドから
なるシートクッションシールドが固定アームに取付けら
れて、この軸着部が覆われている。

【０００３】ここで、従来のシートクッションシールド
は、図６に示すように、図示しない軸着部周辺を覆う内
側シールド５１と外側シールド５２をそれぞれ固定アー
ム５０の内側と外側から挟持し、外側シールド５２から
固定アーム５０の取付孔５３内を挿通して内側シールド
５１をネジ止めする取付ネジ５４によって取付けられて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この従来のシートクッ
ションシールドを組付けるには、固定アーム５０の端部
に内側シールド５１を保持しておき、次いで外側シール
ド５２の周縁端５２ａを内側シールド５１の周縁端５１
ａに当接して位置合わせした上で、取付ネジ５４により
両シールド５１，５２間をネジ止めするようにしてい
る。

【０００５】このように、シートクッションシールドを
組み付けるには、取付ネジ５４の取付作業を終えるまで
内側シールド５１及び外側シールド５２を位置合わせし
た状態で保持しておく必要があった。特に、取付ネジ５
４がタッピングスクリュとされている場合には、取付ネ
ジ５４の押圧力に抗して内側シールド５１を固定アーム
５０に押付けた状態に保持していなければならず、シー
トクッションシールドの組付け作業が容易ではなかっ
た。

【０００６】そこで、この発明では、予め内側シールド
を固定アームに取付け、この取付けられた内側シールド
に対して取付ネジによって外側シールドを取付ける構成
とすることによって、組付け作業の容易なシートクッシ
ョンシールドとすることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、内
側シールドには、取付ネジの先端が螺入される係合筒が
突出形成され、この係合筒の先端に取付孔の孔縁に係合
する係合片が設けられている。請求項２の発明では、請
求項１の発明に加えて、係合片の内面には取付ネジの先
側を係合筒内に導くガイド面が設けられている。請求項
３の発明では、請求項１の発明に加えて、外側シールド
の内面には、取付孔の周部となる固定アームの外面に当
接する位置合わせ突起が突出形成されている。

【０００８】

【作用】請求項１の発明において、固定アームにシート
クッションシールドを組付けるには、内側シールドの係
合片を固定アームの取付孔に対して、内側から挿通する
ように押し付けて、係合片が取付孔に係合させて固定ア
ームに取付ける。次に固定アームの外側に外側シールド
によって覆った上で取付ネジを螺入する。これにより、
取付ネジは取付孔を挿通して内側シールドの係合筒内で
螺着され、固定アームを内側シールドと外側シールドに
よって挟持して取付けられる。この取付ネジを螺着する
際に、内側シールドは既に固定アームに取付けられてい
るために、内側シールドが取付位置から外れることがな
く取付けられる。

【０００９】請求項２の発明では、係合片の内面にガイ
ド面が設けられているために、取付ネジを螺合する際
に、取付ネジの先端がガイド面によって係合筒内に案内
される。このため外側シールドの保持位置にずれがあっ
ても、その保持位置が矯正される。

【００１０】請求項３の発明では、外側シールドの内面
に設けられた位置合わせ突起が突出形成されているの
で、外側シールドを固定アームの外側に保持する際に、
この位置合わせ突起が取付孔に係合している取付片の周
部に位置するように位置合わせすればよい。大きくずれ
た位置に配置された場合には、この位置合わせ突起が取
付片に当接して、配設位置がずれていることが検知され
る。

【００１１】

【発明の効果】請求項１の発明では、内側シールドには
取付ネジの先端が螺入される係合孔を設けた係合筒が突
出形成され、この係合筒の先端に前記取付孔の孔縁に係
合する係合片が設けられて、内側シールドを固定アーム
に取付け、この取付けられた内側シールドに対して外側
シールドを取付ネジによって取付けることができるため
に、シートクッションシールドの組付け作業を容易に行
なうことができる効果を奏する。

【００１２】請求項２の発明では、取付ネジの先側を螺
合する際に、係合片の内面に取付ネジを係合筒内に導く
ガイド面が設けられて、取付ネジの先端がガイド面によ
って係合筒内に案内されるために、外側シールドの保持
位置にずれがあっても、その保持位置が矯正されて容易
に取付けることができる効果を奏する。

【００１３】請求項３記載の発明では、外側シールドの
内面に取付孔の周縁に当接する位置合わせ突起が突出形
成されているので、外側シールドを固定アームの外面に
保持する際に、取付孔に係合している取付片の周部に位
置合わせ突起を位置合わせすればよいために、容易に位
置合わせをすることができる効果を奏する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の１実施例について図１から図
５を参照して説明する。図１に示すように、床面に固定
されているシートトラック１上には、シートクッション
（図示しない）の側面に取付けられた固定アーム２が前
後移動可能に配設されている。この固定アーム２にはシ
ートバック（図示しない）の下部に取付られた可動アー
ム３が軸４により傾動可能に軸着され、可動アーム３に
付設された付勢バネ４ａによって前倒し状態に付勢され
るとともに、シートクッションの他側に設けられたロッ
ク機構によって起立姿勢が保持されている。そして、こ
の軸４の周囲の固定アーム２及び可動アーム３の内外両
面を内側シールド１０と外側シールド２０とにより覆う
シートクッションシールドが構成されている。

【００１５】固定アーム２は、板状のアーム本体２ａの
下側にシートトラック１上に摺動可能に取付けられる脚
部片５が設けられるとともに、上部後側には軸４を挿通
する軸取付片６が設けられている。また、アーム本体２
ａには、図示しない取付ボルトによってシートクッショ
ンに固定する取着孔７が形成されるとともに前後両側に
前部取付孔８と矩形をなす取付孔９が形成されている。

【００１６】内側シールド１０は、固定アーム２から軸
４及び可動アーム３を覆う全体として略Ｌ字形状とされ
たシールド板１０ａの後端から前端の上縁に沿って側縁
片１０ｂが周設されている。そして前部取付孔８と対応
する部位にネジ孔１２ａが形成された取付ブラケット１
２が設けられ、また、取付孔９と対応する部位にボス１
３が設けられている。なお、シールド板１０ａの付勢バ
ネ４ａの周囲に対応する部位には補強突部１４が突出形
成されている。

【００１７】ボス１３は、図２，図３に示すように、取
付孔９内に挿入可能な四角柱状の係合筒１５が突出さ
れ、またこの係合筒１５から上前後方向に放射状に間隔
保持片１６が形成されている。係合筒１５の先端には後
述する取付ネジ４０の前端が螺合するネジ孔１７を開口
するとともに、側縁の上下を切欠１８より切欠いて弾性
が付与された一対の係合片１９が形成されている。この
係合片１９の外面には取付孔９の孔縁に係合する係合面
１９ａが形成されるとともに、内面には外方に向かって
広がるガイド面１９ｂが設けられている。

【００１８】外側シールド２０は、大略シールド板１０
ａと同じ形状からなる外シールド板２０ａの外縁に沿っ
て側縁片２１が周設されている。そして前部取付孔８と
対応する部位にネジ孔２２ａが形成された取付突起２２
が設けられて、図示しないネジにより取付けられてい
る。また、取付孔９と対応する部位にボス２３が設けら
れている。なお、外シールド板２０ａの付勢バネ４ａの
周囲に対応する部位には補強突部２４が突出形成されて
いる。

【００１９】ボス２３は、図２，図４に示すように、取
付ネジ４０の頭部側によって取付けられる取付筒２５が
内側に突出形成され、その先端にネジ挿通孔２５ａが設
けられている。さらに、取付筒２５の先端には、位置合
わせ突起２６が、図２に示すように係合片１９の外周を
囲んで取付けられるように形成されている。また、この
取付筒２５から上下前後方向に放射状に間隔保持片２７
が突出形成されている。

【００２０】次に、この実施例の作用について説明す
る。固定アーム２に内側シールド１０を取付けるに当た
っては、大略位置合わせした内側シールド１０を固定ア
ーム２の内面に被せる。これにより図５に示すように、
係止片１９の先端が取付孔９内に挿入され、各係止片１
９の係合面１９ａが取付孔９の外面側に係合する。この
際、固定アーム２の外面側は係合面１９ａによって、内
面側は間隔保持片１６によって、両側から当接支持され
て取付けられる。また、取付孔９は矩形に形成されてお
り、係止片１９の外側もこれに対応した角柱形状とされ
ているので、内側シールド１０は回転すること無く保持
される。

【００２１】内側シールド１０を取付けた後に、外側シ
ールド２０を固定アーム２に取付ける。この際大略位置
合わせした外側シールド２０を固定アーム２の外面から
被せていく。すると、位置合わせ突起２６が取付孔９か
ら外側に突出する係合片１９を囲んで、その外周部位の
固定アーム２の外面に当接する。このように大略位置合
わせして保持される外側シールド２０のネジ孔１７内に
取付ネジ４０を挿入し、雌ネジを切りながら螺合してネ
ジ止めする。これにより内側シールド１０及び外側シー
ルド２０が固定アーム２の両側を覆って固定される。そ
して更に前部取付孔８にネジ孔１２ａとネジ孔２２ａに
図示しないネジを螺着することによって内側シールド１
０及び外側シールド２０の前側を固定する。

【００２２】なお、外側シールド２０を固定アーム２に
取付ける際に、正確に押付けられていない場合には、係
止片１９を囲む位置合わせ突起２６が、この係止片１９
に当接するために、固定アーム２に対して正しい位置で
ないことが検知され、再度正確に外側シールド２０を配
設し直すことを容易に行なうことができる。

【００２３】また、外側シールド２０を固定アーム２に
押付けた状態で、取付ネジ４０をネジ挿通孔２５ａから
ネジ孔１７に挿通する際に、外側シールド２０の押付け
位置が僅かにずれていても、ガイド面１９ｂによってガ
イドされる取付ネジ４０がネジ孔１７内に挿入されるに
従って、外側シールド２０の押し付け位置を微調整し
て、外側シールド２０を正確な位置に移動する。

【００２４】そして、取付ネジ４０の先端をネジ孔１７
内をタッピングしながら螺入していくことになるが、固
定アーム２は係合片１９によって固定アーム２に固定さ
れているので、内側シールド１０が後方に逃げるような
ことが無く、取付ネジ４０の取付作業を容易に行うこと
ができる。

【００２５】なお、上述した構成からなる実施例を示し
たが、この実施例の他にも以下の例に示されるように適
宜変更して実施することができる。 （１）この実施例では、取付ネジ４０がいわゆるタッピ
ングスクリューとされ、ネジ孔１７は取付ネジ４０の螺
入によって雌ネジが切られる簡単な構成とされている
が、ネジ孔１７に予め雌ネジを設けたネジ孔としてもよ
い。 （２）この実施例では、内側シールド１０のボス１３に
係合片１９を設けた例を示しているが、取付ブラケット
１２にも係合片を設けて前部取付孔８に係合する構成と
することができる。このような構成とすれば、内側シー
ルド１０をより確実に固定アーム２に取付けることがで
きる。また、取付孔９を必ずしも矩形としなくても、内
側シールド１０を回転すること無く固定アーム２に取付
けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 分解斜視図

【図２】 部分拡大断面図

【図３】 内側シールドのボス部を示す一部拡大斜視図

【図４】 外側シールドのボス部を示す一部拡大斜視図

【図５】 内側シールドを取付孔へ取付ける状態を示す
一部拡大断面図

【図６】 従来のシートクッションシールドを示す一部
拡大断面図

【符号の説明】 ２…固定アーム ３…可動アーム ９…取付孔 １０…内側シールド １５…係合筒 １６…間隔保持片 １９…係合片 １９ｂ…ガイド面 ２０…外側シールド ２１…側縁片 ２４…補強突部 ２６…位置合わせ突起 ４０…取付ネジ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッションに取り付けられた固定
   アームと、シートバックに取り付けられた可動アームと
   の軸着部を、内側シールドと外側シールドとにより挟持
   し、外側シールドから前記固定アームの取付孔内を挿通
   して内側シールド間を取付ネジによって取付けられてい
   るシートクッションシールドにおいて、 前記内側シールドには、前記取付ネジの先端が螺入され
   る係合筒が突出形成され、この係合筒の先端に前記取付
   孔の孔縁に係合する係合片が設けられていることを特徴
   とするシートクッションシールド。
2. 【請求項２】 係合片の内面には、取付ネジの先側を係
   合筒内に導くガイド面が設けられていることを特徴とす
   る請求項１記載のシートクッションシールド。
3. 【請求項３】 外側シールドの内面には、取付孔の周部
   となる固定アームの外面に当接する位置合わせ突起が突
   出形成されていることを特徴とする請求項１記載のシー
   トクッションシールド。