JP3517087B2 - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JP3517087B2 JP16071097A JP16071097A JP3517087B2 JP 3517087 B2 JP3517087 B2 JP 3517087B2 JP 16071097 A JP16071097 A JP 16071097A JP 16071097 A JP16071097 A JP 16071097A JP 3517087 B2 JP3517087 B2 JP 3517087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面に模様を有
する化粧シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【先行技術】従来の化粧シートは、表面部材としての硬
さや強度や剛性を有する所定の厚みを有する基材と、そ
の基材の表面に貼付されるとともに予め木目模様等を印
刷した薄板状の樹脂シートとから形成されていた。その
化粧シートの製造方法は、予め自然の木目等を参考にし
て形成した木目模様等を有する原版から薄板状の樹脂シ
ートに木目模様等を印刷して、その後、木目模様等を有
する樹脂シートを所定の厚みの基材に貼付して形成して
いた。
【0003】或いは、予め基材と樹脂シートとを一体化
して、所定の形状の板材を形成した後、その板材の表面
に木目模様等を有する原版から木目模様を印刷すること
により形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の化粧シートの製造方法は、予め木目等の模様が描かれ
た原版を何度も繰り返し、使用するため、その化粧シー
トを壁材等の使用面積が広い箇所に利用する場合には、
原版を他の模様のものに変更しない限り、全く同一の模
様が繰り返し、何度も現れることとなった。このため、
模様が実際の木ではなく、印刷したものであることが一
目瞭然となって、外観上、良くなく、高級感を損ねると
いう第一の問題点があった。
【0005】さらに、表面の材質として樹脂材を使用し
ているため、その表面を直接、手で触ると、樹脂特有の
ツルッとした感触となり、触感もあまり良いものではな
く、さらに、外観も表面の樹脂特有の光沢を有してお
り、あまり良いものではないという第二の問題点があっ
た。そこで、請求項1記載の発明は、上記した従来の技
術の有する第一の問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、同一の模様が繰り返し再現さ
れることなく、常に異なる模様が形成され、高級感を損
ねることがない化粧シートの製造方法を提供しようとす
るものである。
【0006】さらに、これに加え、この請求項1記載の
発明は、上記した従来の技術の有する第二の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、手
で触った感触が樹脂特有のツルッとした感触がなく、木
特有のしっとりとした暖かみのある感触が得られ、外観
も木特有の落ちついた外観表面を得ることができる上
に、均一性や耐水性に優れた化粧シートの製造方法を提
供しようとするものである。
【0007】これに加え、請求項2記載の発明は、エン
ボス加工により立体感のある模様を形成することできる
化粧シートを提供しようとするものである。これに加
え、請求項3記載の発明は、溝切削加工により立体感の
ある模様を形成することができる化粧シートを提供しよ
うとするものである。請求項4記載の発明は、同一の模
様が繰り返し再現されることなく、常に異なる模様が形
成され、高級感を損ねることがないうえに、立体感のあ
る模様を形成することができる化粧シートを提供しよう
とするものである。
【0008】請求項5記載の発明は、同一の模様が繰り
返し再現されることなく、常に異なる模様が形成され、
高級感を損ねることがないうえに、立体感のある模様を
形成することができる化粧シートを提供しようとするも
のである。これに加え、請求項6記載の発明は、手で触
った感触が樹脂特有のツルッとした感触がなく、木特有
のしっとりとした暖かみのある感触が得られ、外観も木
特有の落ちついた外観表面を得ることができる上に、均
一性や耐水性に優れた化粧シートを提供しようとするも
のである。
【0009】これに加え、請求項7記載の発明は、樹脂
特有の接着剤を必要とすることなく、通常の壁紙と同様
の接着剤を使用することができ、通常の壁紙と同様の施
工法で貼付作業ができて現場施工が容易な化粧シートを
提供しようとするものである。これに加え、請求項8記
載の発明は、簡単に接着することができて、現場施工が
容易な化粧シートを提供しようとするものである。
【0010】これに加え、請求項9記載の発明は、予め
裏面側に剛性部材を備えているため、強度や剛性を備え
た板材として使用することができ、現場施工において、
シートを接着する手間が省けて、現場施工が容易な化粧
シートを提供しようとするものである。これに加え、
求項10記載の発明は、予め裏面側に耐火性能が優れた
耐火材を備えているため、現場施工において、耐火材に
その表面を化粧する化粧シートを接着する手間が省け
て、現場施工が容易な化粧シートを提供しようとするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。請求項1記載の発明は、
表面に模様を有する模様シートを備えた薄板シート状の
化粧シート(10)の製造方法であって、シート状の樹脂か
らなるシート状樹脂基材(20)、またはそのシート状樹脂
基材(20)と異なる外観色を有する溶融材(30)に、予め木
粉を混入して用意し、シート状樹脂基材(20)上に溶融状
の溶融材(30)を乗せるとともに、これら両者を圧延する
圧延工程により、両者が融合した模様を呈する模様シー
ト(40)を形成することを特徴とする。
【0012】なお、ここで、「樹脂」とは、硬質樹脂、
軟質樹脂を含み、例えば塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニ
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェ
ノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS
樹脂、ポリスチレン樹脂等である。また、ここで、「圧
延工程」とは、シート状樹脂基材(20)と溶融材(30)とを
一体化させたものを所定の厚さの薄板シート状に形成す
る工程であって、例えば、円筒状の圧延ローラー(50)を
2個、配置し、その間に物を通すことにより、所定の厚
さの薄板シート状のものを得ることができるような工程
を含むものである。
【0013】また、ここで、「両者が融合した模様」と
は、シート状樹脂基材(20)の上に、それと外観色が異な
る溶融状の溶融材(30)を乗せ、両者を圧延することによ
り、両者が一部、溶けてあって、混じりあうことによ
り、形成される模様である。この模様は、シート状樹脂
基材(20)や溶融材(30)の外観色、溶融材(30)の投入量、
投入時間や投入間隔、塊状や心太状や水滴状等の溶融材
(30)の投入形態や投入方法、溶融材(30)の溶融温度及び
圧延条件等を種々変化させたり、調整することにより、
種々の異なる模様を形成することができるものである。
具体的には、この模様は、木目模様や、コルク模様や、
大理石模様や、色分け模様や、ぼかし模様等の種々の模
様を形成することができるものである。例えば、茶色の
シート状樹脂基材(20)の上に、白色の溶融材(30)を乗せ
て斑状に混合させ、圧延することにより、斑状の模様が
圧延方向である長手方向に方向性を有する模様となっ
て、木質状の木目模様を形成することができるものであ
る。また、茶色のシート状樹脂基材(20)の上に、黄褐色
の溶融材(30)を多数、点在するように散布することによ
り、網目状の斑状のコルク模様を形成することもできる
ものである。また、シート状樹脂基材(20)や溶融材(30)
に赤色や黄色等の有色の外観色を有するものを使用し、
溶融材(30)の温度を低めにして、両者が溶け合う量を少
なくすることにより、種々の色分け模様を形成すること
ができるものである。その際、投入位置を規則正しく、
移動させることにより、幾何学的な模様を形成すること
もできるものである。さらに、溶融材(30)の温度を高め
にして、両者が溶け合う量を多くすることにより、ぼか
し模様を形成することもできる。また、シート状樹脂基
材(20)及び溶融材(30)の外観色に薄緑色や白色等を使用
し、溶融材(30)の投入形態を多数点状に散布することに
より、大理石の表面のようなマーブル状の大理石模様を
形成することもできるものである。
【0014】本発明は、シート状の樹脂からなるシート
状樹脂基材(20)の上に、そのシート状樹脂基材(20)と異
なる外観色を有する溶融状の溶融材(30)を乗せている。
これにより、高温の溶融状の溶融材(30)の熱により、シ
ート状樹脂基材(20)の一部が溶融する。そして、溶融し
たシート状樹脂基材(20)の一部が溶融状の溶融材(30)と
混じり合って混合した斑の模様を有する状態となる。そ
して、その上から圧延することにより、斑状の模様を有
するとともに均一な厚みを有するシート状の化粧シート
が形成される。そして、シート状樹脂基材(20)と溶融材
(30)とが融合して形成された模様は、両者が混じり合っ
て形成されたものであるため、全く、同一の模様が繰り
返し、再現されることなく、常に、異なる模様が形成さ
れる。これにより、同一模様の大量生産品ではない、一
品製作品としての高級感を得ることができる。
【0015】さらに、ここで「木粉」とは天然木材のほ
か、おがくず等を粉砕により、微粉状の粒子に形成して
いるものを含むものである。本発明は、シート状樹脂基
材(20)または溶融材(30)には、予め木粉が混入されてい
るため、化粧シート(10)の表面を手で触った感触が、木
質感のあるものとなり、塩化ビニル等の樹脂特有の表面
のツルッとした感触がなく、手にしっくりとなじむ暖か
みのある良好な手触り感を得ることができる。また、表
面の外観も樹脂特有の光沢がなく、木質特有の落ちつい
た外観を得ることができる。
【0016】また、化粧シート(10)は、上述した材料か
ら形成され、樹脂を有しているため、木質材と比較し
て、吸水性が小さく、吸湿による収縮も発生しない。こ
れにより、木質材と比較して、反り難く、ねじれ難く、
また、腐り難いという材料としての均一性に優れたもの
にすることができる。請求項2記載の発明は、上記した
請求項1記載の特徴点に加え、圧延工程の次に、模様シ
ート(40)の厚みよりも浅い深さであって、複数の凹部(6
0)を形成するエンボス工程と、このエンボス工程の次
に、エンボス工程によって形成した凹部(60)の内部も含
めた表面の全面に塗料(70)を塗布して着色を施す全面着
色工程と、この全面着色工程の次に、エンボス工程によ
る凹部(60)の内部の塗料(70)を残して、凹部(60)内部以
外の着色した表面部分の塗料(70)をふき取るふき取り工
程とを備えたことを特徴とする。
【0017】なお、ここで、「エンボス工程」におけ
る、「エンボス」とは、いわゆるエンボス加工のことで
あり、薄板状の板材に、雄型を押し当てることにより、
その板材の表面に浅い凹凸を付ける加工を含むものであ
る。例えば、外周表面に突出する凹部用突部(52)を有す
る円筒状のエンボスローラー(51)を、模様シート(40)の
表面に回転させながら、連続して押圧することにより、
模様シート(40)の表面に凹部用突部(52)により形成され
た凹部(60)を形成するような加工を含むものである。
【0018】また、ここで、この「凹部(60)」により形
成される模様とは、特に、特定の模様に限定されるもの
ではなく、「凹部(60)」の形状を変化させることによ
り、多数の異なる立体的な模様を形成することができる
ものである。例えば、この「凹部(60)」をエンボスロー
ラー(51)の円周上に細長く突条に突出するような凹部用
突部(52)により形成されるものとすれば、化粧シート(1
0)の表面には、かかる凹部用突部(52)により、細長く凹
状の凹部(60)が形成されることとなり、あたかも、木質
特有の導管の風合いを醸し出すことができ、より木質感
を強調することができるものである。なお、ここで「導
管」とは、木が根から吸い取った水分や養分を木の上部
に送る管のことを意味するものであって、導管の風合い
とは、実際の木質面に現れる導管により形成される凹凸
状の模様を意味するものである。
【0019】また、この「凹部(60)」をエンボスローラ
ー(51)の円周状に多数、ランダムに点在して突状に突出
するような凹部用突部(52)により形成されるものとすれ
ば、化粧シート(10)の表面には、かかる凹部用突部(52)
により、表面にランダムに点在する点状の窪みが形成さ
れることとなり、あたかも、コルクに特有の凹状の窪み
を有するコルク調の感じを醸し出すことができ、よりコ
ルク感を強調することができるものである。
【0020】本発明は、エンボス工程により、複数の凹
部(60)を形成し、その後の全面着色工程と、ふき取り工
程とを経ることにより、凹状に凹んだ凹部(60)の内部に
のみ塗料を塗布した状態の模様を得ることができる。こ
れにより、立体感のある模様を有する化粧シート(10)を
得ることができる。請求項3記載の発明は、上記した
求項1記載の特徴点に加え、圧延工程の次に、模様シー
ト(40)の厚みよりも浅い深さであって、複数の凹部(60)
を模様シート(40)の表面を削り取ることにより形成する
凹部切削工程と、この凹部切削工程の次に、凹部切削工
程によって形成した凹部(60)の内部を除く表面のみに塗
料(70)を塗布して着色を施す表面着色工程とを備えたこ
とを特徴とする。
【0021】本発明は、凹部切削工程により、模様シー
ト(40)の表面に複数の凹部(60)を形成し、その後の表面
着色工程により、凹部(60)の内部以外の表面に塗料を塗
布して模様の印刷模様を得ることができる。この凹部(6
0)により、化粧シート(10)は、印刷模様のような二次元
状の模様ではなく、立体感のある模様を得ることができ
る。
【0022】請求項4記載の発明は、表面に模様を有す
る薄板シート状の化粧シート(10)であって、シート状の
樹脂からなるシート状樹脂基材(20)と、そのシート状樹
脂基材(20)と異なる外観色の樹脂からなる溶融状の溶融
材(30)とを圧延して両者を融合させることにより形成し
た模様シート(40)と、その模様シート(40)の表面に凹状
に凹むとともにその凹状の内部のみに塗料(70)を塗布し
た複数の凹部(60)とを備えたことを特徴とする。
【0023】本発明は、シート状樹脂基材(20)と、その
シート状樹脂基材(20)と異なる外観色の樹脂からなる溶
融材(30)とを圧延した両者を融合させた模様シート(40)
を備えている。このため、この模様シート(40)の模様
は、同一の模様が繰り返し再現されることなく、常に、
異なる模様が形成される。これにより、同一模様の大量
生産品ではない、一品製作品としての高級感を得ること
ができる。
【0024】さらに、その模様シート(40)の表面には、
凹状に凹む凹部(60)が形成され、その凹部(60)の内部に
は、塗料(70)が塗布されている。この凹部(60)により、
化粧シート(10)は、印刷模様のような二次元状の模様で
はなく、立体感のある模様を形成することができる。
求項5記載の発明は、表面に模様を有する薄板シート状
の化粧シート(10)であって、シート状の樹脂からなるシ
ート状樹脂基材(20)と、そのシート状樹脂基材(20)と異
なる外観色の溶融材(30)とを融合させることにより形成
した模様シート(40)と、その模様シート(40)の表面に形
成された凹状の複数の凹部(60)とを備え、模様シート(4
0)の凹部(60)以外の表面には、塗料(70)を塗布したこと
を特徴とする。
【0025】本発明は、シート状樹脂基材(20)と、その
シート状樹脂基材(20)と異なる外観色の樹脂からなる溶
融材(30)とを圧延した両者を融合させた模様シート(40)
を備えている。このため、この模様シート(40)の模様
は、同一の模様が繰り返し再現されることなく、常に、
異なる模様が形成される。これにより、同一模様の大量
生産品ではない、一品製作品としての高級感を得ること
ができる。
【0026】さらに、その模様シート(40)の表面には、
凹状に凹む複数の凹部(60)が形成され、その凹部(60)以
外の表面には、塗料が塗布されている。この凹部(60)に
より、化粧シート(10)は、印刷模様のような二次元状の
模様ではなく、立体感のある模様を形成することができ
る。請求項6記載の発明は、上記した請求項4または請
求項5記載の特徴点に加え、シート状樹脂基材(20)また
は溶融材(30)には木粉を混入していることを特徴とす
る。
【0027】本発明は、シート状樹脂基材(20)または溶
融材(30)に木粉が含まれているため、化粧シート(10)の
表面を手で触った感触が、木質感のあるものとなり、塩
化ビニル等の樹脂特有の表面のツルッとした感触がな
く、手にしっくりとなじむ暖かみのある良好な手触り感
を得ることができる。また、表面の外観も樹脂特有の光
沢がなく、木質特有の落ちついた外観を得ることができ
る。
【0028】また、化粧シート(10)は、上述した材料か
ら形成され、樹脂を有しているため、木質材と比較し
て、吸水性が小さく、吸湿による収縮も発生しない。こ
れにより、木質材と比較して、反り難く、ねじれ難く、
また、腐り難いという材料としての均一性に優れたもの
にすることができる。請求項7記載の発明は、上記した
請求項4、請求項5または請求項6記載の特徴点に加
え、模様シート(40)は、その裏面側に和紙を備えたこと
を特徴とする。
【0029】本発明は、模様シート(40)の裏面側に和紙
を備えている。このため、室内の壁紙として利用する
際、樹脂材に使用するような特別の接着剤を使用するこ
となく、通常の壁紙に使用する接着材と同じものを使用
して、壁紙と同様の施工法により、壁に接着することが
できる。すなわち、模様シート(40)の裏面側に接着材を
塗布すると、和紙が接着材を含み、壁との接着を良好な
ものにすることができるものである。これにより、樹脂
特有の特別な接着剤や、施工法を必要とすることなく、
容易に貼付作業を行うことができる。
【0030】請求項8記載の発明は、上記した請求項
4、請求項5または請求項6記載の特徴点に加え、模様
シート(40)は、その裏面側に両面テープを備えたことを
特徴とする。なお、ここで、「両面テープ」は、テープ
の表裏面の両方に接着剤が塗布されているものであっ
て、この「両面テープ」が模様シート(40)の裏面側の全
面若しくは一部に予め接着されているものを含むもので
ある。
【0031】本発明は、模様シート(40)の裏面側に両面
テープを備えているため、現場施工において、接着剤を
化粧シート(10)の裏面に塗布する作業を省略することが
できる。これにより、化粧シート(10)の接着作業を簡単
にすることができ、現場施工を容易にすることができ
る。請求項9記載の発明は、上記した請求項4、請求項
5または請求項6記載の特徴点に加え、模様シート(40)
は、その裏面側に剛性を有する剛性部材(80)を備えたこ
とを特徴とする。
【0032】なお、ここで、「剛性部材(80)」とは、剛
性を有するものであれば良いものであって、例えば、薄
板鋼板、アルミニウム板、木質合板、チップボード等を
含むものである。本発明は、模様シート(40)の裏面側に
剛性を有する剛性部材(80)を備えているため、化粧シー
ト(10)を強度や剛性を備えた板材として使用することが
できる。これにより、現場施工において、剛性部材(80)
とその表面を化粧する化粧シート(10)とを一体化したも
のを同時に取り付けることができて、取り扱いも容易と
なり、剛性部材(80)に化粧シート(10)を接着する手間が
省けて、現場施工を容易にすることができる。
【0033】請求項10記載の発明は、上記した請求項
4、請求項5または請求項6記載の特徴点に加え、模様
シート(40)は、その裏面側に耐火性能が優れた耐火部材
を備えたことを特徴とする。なお、ここで、「耐火部
材」とは、耐火性が優れた耐火材料からなるものであっ
て、例えば、石膏ボード、珪酸カルシウム板、セメント
板、木毛セメント板、石綿スレート等を含むものであ
る。
【0034】本発明は、模様シート(40)の裏面側に耐火
部材を備えているため、化粧シート(10)を耐火性が向上
した板材として使用することができる。これにより、現
場施工において、耐火部材とその表面を化粧する化粧シ
ート(10)とを一体化したものを同時に取り付けることが
できて、取り扱いも容易となり、耐火部材の表面に化粧
シート(10)を接着する手間が省けて、現場施工を容易に
することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて、更に詳しく説明する。図1乃至図7は、本
発明の第一の実施の形態を示すものであり、図1はシー
ト状樹脂基材の上に溶融材を乗せる製造工程の概略斜視
図、図2はシート状樹脂基材の上に溶融材を乗せた状態
の化粧シートの概略縦断面図、図3はシート状樹脂基材
と溶融材とが融合した状態の化粧シートの概略縦断面
図、図4は凹部を形成した状態の化粧シートの概略縦断
面図、図5は凹部の内部も含めた表面の全面に塗料を塗
布した状態の化粧シートの概略縦断面図、図6は凹部内
部以外の塗料をふき取った状態の化粧シートの概略縦断
面図、図7はエンボス加工により複数の凹部を形成して
いる状態の化粧シートの概略斜視図をそれぞれ示すもの
である。
【0036】まず、本実施の形態の構成について説明す
る。本実施の形態に係る化粧シート10は、表面に木目模
様を有する薄板シート状のものである。この化粧シート
10は、表面に木目模様を有する模様シート40と、その模
様シート40の表面にエンボス加工により凹状に凹むとと
もにその凹状の内部のみに塗料70を塗布した複数の凹部
60とを備えている。前記模様シート40は、全体外観色が
茶色のシート状の樹脂からなるシート状樹脂基材20と、
そのシート状樹脂基材20と異なる白っぽい外観色の樹脂
からなる溶融状の溶融材30とを圧延して両者を融合させ
ることにより形成したものである。
【0037】前記シート状樹脂基材20及び溶融材30の内
部には、予め粉砕された微小の木粉が混入されている。
もちろん、この木粉は、シート状樹脂基材20若しくは溶
融材30のいずれか一方にのみ混入していても良いもので
ある。さらに、この化粧シート10は、シート状樹脂基材
20及び溶融材30のいずれにも木粉を混入させずに樹脂の
みからなるものでも形成することができるものである。
【0038】この化粧シート10の作用及び効果に付いて
説明する。本実施の形態に係る化粧シート10の模様シー
ト40は、シート状樹脂基材20と、そのシート状樹脂基材
20と異なる外観色の樹脂からなる溶融材30とを圧延した
両者を融合させることにより形成されているものであ
る。このため、この模様シート40の木目模様は、同一の
模様が繰り返し再現されることなく、常に、異なる模様
が形成される。これにより、同一模様の大量生産品では
ない、一品製作品としての高級感を得ることができる。
【0039】さらに、その模様シート40の表面には、凹
状に凹む凹部60が形成され、その凹部60の内部には、塗
料70が塗布されている。これにより、立体感のある木目
模様を形成することができ、さらに、この凹部60によ
り、木質特有の導管の風合いを表すことができ、より木
質感を強調することができる。また、本実施の形態に係
る化粧シート10は、シート状樹脂基材20及び溶融材30に
予め木粉が混入されているため、化粧シート10の表面を
手で触った感触が、木質感のあるものとなり、塩化ビニ
ル等の樹脂特有の表面のツルッとした感触がなく、手に
しっくりとなじむ暖かみのある良好な手触り感を得るこ
とができる。また、表面の外観も樹脂特有の光沢がな
く、木質特有の落ちついた外観を得ることができる。
【0040】また、化粧シート10は、上述した材料から
形成され、樹脂を有しているため、木質材と比較して、
吸水性が小さく、吸湿による収縮も発生しない。これに
より、木質材と比較して、反り難く、ねじれ難く、ま
た、腐り難いという材料としての均一性に優れた化粧シ
ート10を得ることができる。さらに、この化粧シート10
は、エンボス加工により、凹部60を形成しているため、
サンディング等の機械切削加工による凹部60の形成方法
と比較して、裏面側に鋼板等の剛性部材80を形成せず
に、凹部60を形成することができる。すなわち、裏面側
に剛性部材80を形成せず、薄板シート状のままで、完成
させることができる。これにより、完成品をロール状に
巻くことができ、製品の保存、搬送等に大変便利であ
る。また、ロール状に巻くため、長尺状のものに貼付す
る場合にも、化粧シート10の途中で継ぎ目を形成せずに
貼付することができ、製品の外観も良好なものにするこ
とができる。
【0041】次に、この化粧シート10の製造方法につい
て説明する。まず、内部に微小の木粉を混入させてある
全体外観色が茶色のシート状の樹脂からなるシート状樹
脂基材20をロール状に巻いた状態で用意する。それと同
時に、そのシート状樹脂基材20と異なる白っぽい外観色
を有するとともに内部に微小の木粉を混入させてある溶
融材30を高温で溶融させた状態で貯留する。
【0042】なお、シート状樹脂基材20が茶色の外観
色、溶融材30が白っぽい外観色としたが、外観色は、特
にこれに限定されるものではなく、両者が逆であっても
良く、さらに、他の異なる外観色同士の組合せとしても
良いものである。これにより、種々の異なる外観色の木
質外観を表現することができるものである。次に、図1
に示すように、全体外観色が茶色のシート状の樹脂から
なるシート状樹脂基材20上に、白っぽい外観色を有する
溶融状の溶融材30をシート状樹脂基材20の幅方向に揺動
する投入部31の投入口32から落下させる。その際、シー
ト状樹脂基材20は、ロール状に巻かれた状態から、連続
的に引き出されており、図2に示すように、シート状樹
脂基材20の表面上に、溶融材30が連続的に、また、時に
は、断続的に落下し、シート状樹脂基材20の表面に乗っ
ていく。
【0043】次に、図3に示すように、シート状樹脂基
材20と、その表面上の溶融材30とは、溶融材30の高温の
熱により、シート状樹脂基材20が溶けだし、両者が不連
続に、かつ、不均一に融合する。すなわち、高温の溶融
状の溶融材30の熱により、シート状樹脂基材20の一部が
溶融すると、溶融したシート状樹脂基材20の一部が溶融
状の溶融材30と混じり合って混合した斑の模様を有する
状態となる。
【0044】次に、図3に示すように、シート状樹脂基
材20とその上の溶融材30とを圧延する圧延工程により、
両者が所定の厚さになるように加工される。具体的に
は、図1に示すような上下の圧延ローラー50の間にシー
ト状樹脂基材20及び溶融材30が挟み込まれて、両者が融
合しながら、所定の厚みに圧延加工される。同時に、シ
ート状樹脂基材20が溶融材30と斑状に融合した状態で、
圧延されることにより、斑状の模様が圧延方向である長
手方向に方向性を有する模様となって、木質状の木目模
様を呈する模様シート40を形成する。
【0045】なお、投入部31の揺動の周期や振れ幅等
は、自由に調整することができるものである。また、投
入部31の投入口32は、スリット状になっているが、多数
の小孔が連続するようなものであっても良いものであ
る。また、投入口32から垂れ落ちる溶融材30は、図1で
は連続状に繋がっているが、雨垂れ状に垂れ落ちたり、
或いは、多数の塊状のものにすることもできるものであ
る。これらの条件を変化させることにより、多数のパタ
ーンの異なる木目模様を自由に形成することができるも
のである。これにより、同一模様が繰り返し再現される
のではなく、常に、異なる模様を形成することができ、
同一模様の大量生産品ではない、一品製作品としての高
級感のある模様を形成することができる。しかも、この
模様は、全く異なる模様が形成されるのではなく、シー
ト状樹脂基材20と溶融材30とが融合する状態の変化によ
り模様の変化を発生することができるものである。これ
により、同一模様ではなく、僅かに異なる模様を連続的
に形成することができ、全体として、調和があり、見た
目も非常に落ちついて印象を与えることができるような
模様を形成することができるものである。
【0046】次に、図4に示すように、エンボス工程に
おいて、模様シート40の厚みよりも浅い深さであって、
模様シート40の木目方向と平行な複数の凹部60を形成す
る。このエンボス工程は、具体的には、図7に示すよう
に、模様シート40の上面を押圧する円筒状の圧延ローラ
ー50により行われるものである。この圧延ローラー50の
外周表面には、凹部60を形成するために圧延ローラー50
の表面から外側に向かって突出する複数の凹部用突部52
が形成されている。
【0047】次に、図5に示すように、全面着色工程に
おいて、エンボス工程で形成した凹部60の内部も含めた
模様シート40の上面の全面に塗料を塗布する。次に、図
6に示すように、ふき取り工程において、エンボス工程
による凹部の内部の塗料を残して、凹部60内部以外の着
色した表面部分の塗料をふき取る。これにより、凹状に
凹んだ凹部60の内部にのみ塗料を塗布した状態の模様を
得ることができ、この凹部60があたかも、木質特有の導
管の風合いを醸し出し、立体感のある木目模様を得るこ
とができ、木質感をより強調した化粧シート10が完成す
る。
【0048】次に、本発明の第二の実施の形態について
説明する。図8乃至図12は、本発明の第二の実施の形
態を示すものであって、図8は融合した模様シートと他
の剛性部材とを接着する前の状態の化粧シートの概略縦
断面図、図9は模様シートと剛性部材とを接着した状態
の化粧シートの概略縦断面図、図10は表面を削り取る
ことにより凹状の凹部を形成した状態の化粧シートの概
略縦断面図、図11は凹部の内部を除く表面のみに塗料
と塗布した状態の化粧シートの概略縦断面図、図12は
凹部切削工程により表面を削り取って凹部を形成してい
る状態の概略斜視図をそれぞれ示すものである。
【0049】先ず、本実施の形態の構成について説明す
る。本実施の形態に係る化粧シート10は、第一の実施の
形態と同様の模様シート40と、その模様シート40の表面
に凹状に凹むとともにその凹状の内部のみに塗料70を塗
布した複数の凹部60と、この模様シート40の裏面側に剛
性を有する剛性部材80とを備えている点に特徴を有する
ものである。なお、この剛性部材80は、薄板状アルミニ
ウム板81を模様シート40の裏面側に接着することにより
一体化しているものである。また、模様シート40及び溶
融材30には、第一の実施の形態と同様に予め木粉が混入
されているものである。その他の構成は、第一の実施の
形態と同様の構成であって、同様の部分には同一の部品
番号を付与して説明を省略する。
【0050】本実施の形態の作用及び効果について説明
する。本実施の形態においても、シート状樹脂基材20
と、溶融材30とを融合させた模様シート40を備えている
ため、第一の実施の形態と同様に、模様シート40の木目
模様は、同一の模様が繰り返し再現されることなく、常
に、異なる模様が形成されて、大量生産品ではない、一
品製作品としての高級感を醸し出すことができる。そし
て、模様シート40及び溶融材30に予め木粉を混入してい
るため、木質と同様の良好な感触や表面外観を得ること
ができる。
【0051】さらに、その模様シート40の表面には、凹
状に凹む複数の凹部60が形成され、その凹部60以外の表
面には、塗料が塗布されている。これにより、立体感の
ある木目模様を形成することができ、さらに、この凹部
60により、木質特有の導管の風合いを醸し出すことがで
き、より木質感を強調させることができる。本実施の形
態に係る化粧シート10の製造方法について説明する。
【0052】先ず、第一の実施の形態と同様の方法で、
模様シート40を形成する。次に、図8に示すように、剛
性部材80である所定の形状の薄板状アルミニウム板81を
用意し、模様シート40の裏面側に配置する。次に、図9
に示すように、模様シート40と、薄板状アルミニウム板
81とを接着剤により、接合して一体化する。
【0053】次に、図10に示すように、凹部切削工程
において、模様シート40の厚みよりも浅い深さであっ
て、木目模様と平行な複数の凹部60を模様シート40の表
面を削り取ることにより形成する。この凹部切削工程
は、具体的には、図12に示すように、外周表面に針金
状に突出する切削ブラシ54を有する円筒状の切削ローラ
ー53を回転させることにより、模様シート40の表面を切
削ブラシ54が削り取り、凹部60を形成するものである。
【0054】なお、この凹部切削工程において、使用す
る切削機械は、凹部60を形成することができるようなも
のであれば良いものであって、特に、この切削ローラー
53に限定されるものではなく、他の切削機械でも良いも
のである。例えば、表面に粗い砥粒をちりばめた回転砥
石のようなものを使用しても良く、また、ベルトの表面
に粗めの砥粒を有する回転ベルトのようなものを使用し
ても良いものである。
【0055】次に、図11に示すように、表面着色工程
において、凹部切削工程により形成した凹部60の内部を
除く模様シート40の表面のみに塗料を塗布して着色を施
す。具体的には、特に図示しないが、表面に塗料を塗布
した回転ローラーを凹部60を有する模様シート40の表面
に接触させることにより、凹部60の内部には、塗料を付
着させずに模様シート40の表面のみに着色することがで
きる。
【0056】上述した工程により、立体感の有る木目模
様を有する化粧シート10が完成する。次に、本発明の第
三の実施の形態について説明する。図13は、本発明の
第三の実施の形態であって、エンボス加工により複数の
点在する凹部を形成している状態の化粧シートの概略斜
視図を示すものである。本実施の形態に係る化粧シート
10は、表面にコルク模様を有する薄板シート状のもので
ある。この化粧シート10は、表面にコルク状のコルク模
様を有する模様シート40と、その模様シート40の表面に
エンボス加工によりランダムに点在する大小の凹状に凹
むとともにその凹状の内部のみに塗料70を塗布した複数
の凹部60とを備えている。前記模様シート40は、全体外
観色が茶色のシート状の樹脂からなるシート状樹脂基材
20と、そのシート状樹脂基材20と異なる茶褐色の外観色
の樹脂からなる溶融状の溶融材30とを圧延して両者を融
合させることにより形成したものである。そして、シー
ト状樹脂基材20及び溶融材30には、第一の実施の形態と
同様に予め粉砕された微小の木粉が混入されている。
【0057】本実施の形態の作用及び効果について説明
する。本実施の形態においても、第一の実施の形態の作
用及び効果と同様に、シート状樹脂基材20と、溶融材30
とが融合しているため、同一のコルク模様が繰り返し再
現されることなく、常に、異なる模様が形成されて、大
量生産品ではない、一品製作品としての高級感を醸し出
すことができる。そして、模様シート40及び溶融材30に
予め木粉を混入しているため、木質と同様な良好な感触
や表面外観を得ることができる。
【0058】さらに、模様シート40の表面には、ランダ
ムに点在する大小の凹部60が形成されているため、この
凹部60が、コルク模様に特有の大小に点在する凹状の窪
みを形成することができ、コルク模様特有の風合いを醸
し出すことができ、よりコルク模様の感じを強調するこ
とができる。本実施の形態に係る化粧シート10の製造方
法について説明する。この化粧シート10の模様シート40
は、茶色のシート状樹脂基材20の上に、黄褐色の溶融材
30を多数、点在するように散布することにより、網目状
の斑状のコルク模様を形成している。そして、エンボス
ローラー51の表面に多数、ランダムに点在する大小の凹
部用突部52を模様シート40に押圧することにより、その
表面に多数、ランダムに点在する大小の凹部60を形成し
ている。その他の点は、第一の実施の形態と略同様であ
る。
【0059】なお、本実施の形態において、エンボスロ
ーラー51の表面には、凹部用突部52のみを形成したが、
この凹部用突部52に加えて、網目状に連続的に突出する
ようなものを形成し、模様シート40にコルク調の網目状
模様を形成するようにしても良いものである。また、第
二の実施の形態において、模様シート40の裏面側に剛性
を有する剛性部材80として、薄板状アルミニウム板81を
使用したが、これは、剛性を有する板状のものであれば
良いものであって、特に薄板状アルミニウム板81に限定
するものではない。例えば、鋼板等の他の種類の金属板
でも良く、また、金属板以外でも、木質合板、チップボ
ード等でも良いものである。また、この剛性部材80は、
第一及び第三の実施の形態における化粧シート10の裏面
側に形成しても良いものである。
【0060】さらに、上述した第一及乃至第三の実施の
形態に係る模様シート40の裏面側に、耐火性能が優れた
石膏ボード、珪酸カルシウム板、セメント板、木毛セメ
ント板、又は石綿スレート等の耐火部材を形成して、両
者を一体化しても良い。これにより、現場施工におい
て、耐火部材とその表面を化粧する化粧シート10とを一
体化したものを同時に取り付けることができて、取り扱
いも容易となり、耐火部材の表面に化粧シート10を接着
する手間が省けて、現場施工を容易にすることができ
る。
【0061】また、上述した第一乃至第三の実施の形態
に係る模様シート40の裏面側に、両面テープを形成して
も良い。これにより、現場施工において、接着剤を化粧
シート10の裏面に塗布する作業を省略することができ
て、化粧シート10の接着作業を簡単にすることができ、
現場施工を容易にすることができる。さらに、上述した
第一乃至第三の実施の形態に係る模様シート40の裏面側
に、和紙を形成しても良い。これにより、この化粧シー
ト10を室内用の壁紙として利用する際、樹脂材に使用す
るような特別の接着剤を使用することなく、通常の壁紙
に使用する接着材と同じ種類の接着剤を使用して、壁紙
と同様の施工法により、壁に接着させることができる。
すなわち、模様シート40の裏面側に接着材を塗布する
と、和紙が接着材を含み、壁との接着を良好なものにす
ることができるものである。これにより、樹脂特有の特
別な接着剤や、施工法を必要とすることなく、容易に壁
紙としての化粧シート10の貼付作業を行うことができ
る。
【0062】さらにまた、上述した第一乃至第三の実施
の形態に係る化粧シート10は、上述したように室内の壁
表面を化粧する壁紙等の内装材として使用することがで
きる他、通常の塩ビ鋼板等が使用されているような箇所
にはいずれの箇所にも使用することができる。例えば、
台所の流し等の周囲部材や浴室の内装材等の耐水性が要
求される箇所にも使用することができる上に、さらに、
軒天の天井材、幕板、玄関ドアの表面部材、バルコニー
の笠木、破風等の外装材としても使用することができる
ものであって、木目模様を有するとともに耐水性に優れ
た建築用材料として使用することができるものである。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、同一の模様が繰り返し再現される
ことなく、常に異なる模様が形成され、高級感を損ねる
ことがない化粧シートの製造方法を提供することができ
る。
【0064】さらに、この請求項1記載の発明によれ
ば、手で触った感触が樹脂特有のツルッとした感触がな
く、木特有のしっとりとした暖かみのある感触が得ら
れ、外観も木特有の落ちついた外観表面を得ることがで
きる上に、均一性や耐水性に優れた化粧シートの製造方
法を提供することができる。請求項2記載の発明によれ
ば、エンボス加工により立体感のある模様を形成するこ
とできる化粧シートを提供を提供することができる。
【0065】請求項3記載の発明によれば、凹部切削加
工により立体感のある模様を形成することができる化粧
シートを提供を提供することができる。請求項4記載の
発明によれば、同一の模様が繰り返し再現されることな
く、常に異なる模様が形成され、高級感を損ねることが
ないうえに、立体感のある模様を形成することができる
化粧シートを提供することができる。
【0066】請求項5記載の発明によれば、同一の模様
が繰り返し再現されることなく、常に異なる模様が形成
され、高級感を損ねることがないうえに、立体感のある
模様を形成することができる化粧シートを提供すること
ができる。請求項6記載の発明によれば、手で触った感
触が樹脂特有のツルッとした感触がなく、木特有のしっ
とりとした暖かみのある感触が得られ、外観も木特有の
落ちついた外観表面を得ることができる上に、均一性や
耐水性に優れた化粧シートを提供することができる。
【0067】請求項7記載の発明によれば、樹脂特有の
接着剤を必要とすることなく、通常の壁紙と同様の接着
剤を使用することができ、通常の壁紙と同様の施工法で
貼付作業ができて現場施工が容易な化粧シートを提供す
ることができる。請求項8記載の発明によれば、簡単に
接着することができて、現場施工が容易な化粧シートを
提供することができる。
【0068】請求項9記載の発明によれば、予め裏面側
に剛性部材を備えているため、強度や剛性を備えた板材
として使用することができ、現場施工において、シート
を接着する手間が省けて、現場施工が容易な化粧シート
を提供することができる。請求項10記載の発明によれ
ば、予め裏面側に耐火性能が優れた耐火材を備えている
ため、現場施工において、耐火材にその表面を化粧する
化粧シートを接着する手間が省けて、現場施工が容易な
化粧シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態であって、シート
状樹脂基材の上に溶融材を乗せる製造工程を示す概略斜
視図である。
【図2】 本発明の第一の実施の形態であって、シート
状樹脂基材の上に溶融材を乗せた状態の化粧シートを示
す概略縦断面図である。
【図3】 本発明の第一の実施の形態であって、シート
状樹脂基材と溶融材とが融合した状態の化粧シートを示
す概略縦断面図である。
【図4】 本発明の第一の実施の形態であって、凹部を
形成した状態の化粧シートを示す概略縦断面図である。
【図5】 本発明の第一の実施の形態であって、凹部の
内部も含めた表面の全面に塗料を塗布した状態の化粧シ
ートを示す概略縦断面図である。
【図6】 本発明の第一の実施の形態であって、凹部内
部以外の塗料をふき取った状態の化粧シートを示す概略
縦断面図である。
【図7】 本発明の第一の実施の形態であって、エンボ
ス加工により複数の凹部を形成している状態の化粧シー
トを示す概略斜視図である。
【図8】 本発明の第二の実施の形態であって、融合し
た模様シートと他の剛性部材とを接着する前の状態の化
粧シートを示す概略縦断面図である。
【図9】 本発明の第二の実施の形態であって、模様シ
ートと剛性部材とを接着した状態の化粧シートを示す概
略縦断面図である。
【図10】 本発明の第二の実施の形態であって、表面
を削り取ることにより凹状の凹部を形成した状態の化粧
シートを示す概略縦断面図である。
【図11】 本発明の第二の実施の形態であって、凹部
の内部を除く表面のみに塗料と塗布した状態の化粧シー
トを示す概略縦断面図である。
【図12】 本発明の第二の実施の形態であって、凹部
切削工程により表面を削り取って凹部を形成している状
態の化粧シートを示す概略斜視図である。
【図13】 本発明の第三の実施の形態であって、エン
ボス加工により複数の点在する凹部を形成している状態
の化粧シートを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10…化粧シート、20…シート状樹脂基材、30…溶融材、
31…投入部、32…投入口、40…模様シート、50…圧延ロ
ーラー、51…エンボスローラー、52…凹部用突部、53…
切削ローラー、54…切削ブラシ、60…凹部、70…塗料、
80…剛性部材、81…薄板状アルミニウム板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−92634(JP,A) 特開 平9−57867(JP,A) 特開 平8−169058(JP,A) 特開 平7−329013(JP,A) 特開 平5−171794(JP,A) 特開 平4−135836(JP,A) 特開 昭60−231874(JP,A) 実開 昭55−49948(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 33/00 B05D 5/06 B29D 7/00 - 7/01 B32B 27/00 - 27/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に模様を有する模様シートを備えた
    薄板シート状の化粧シートの製造方法であって、 シート状の樹脂からなるシート状樹脂基材、またはその
    シート状樹脂基材と異なる外観色を有する溶融材に、予
    め木粉を混入して用意し、 シート状樹脂基材上に溶融状の溶融材を乗せるととも
    に、 これら 両者を圧延する圧延工程により、両者が融合した
    模様を呈する模様シートを形成することを特徴とする化
    粧シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 圧延工程の次に、模様シートの厚みより
    も浅い深さであって、複数の凹部を形成するエンボス工
    程と、 このエンボス工程の次に、エンボス工程によって形成し
    た凹部の内部も含めた表面の全面に塗料を塗布して着色
    を施す全面着色工程と、 この全面着色工程の次に、エンボス工程による凹部の内
    部の塗料を残して、凹部内部以外の着色した表面部分の
    塗料をふき取るふき取り工程とを備えたことを特徴とす
    請求項1記載の化粧シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 圧延工程の次に、模様シートの厚みより
    も浅い深さであって、複数の凹部を模様シートの表面を
    削り取ることにより形成する凹部切削工程と、 この凹部切削工程の次に、凹部切削工程によって形成し
    た凹部の内部を除く表面のみに塗料を塗布して着色を施
    す表面着色工程とを備えたことを特徴とする請求項1記
    載の化粧シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 表面に模様を有する薄板シート状の化粧
    シートであって、 シート状の樹脂からなるシート状樹脂基材と、そのシー
    ト状樹脂基材と異なる外観色の樹脂からなる溶融状の溶
    融材とを圧延して両者を融合させることにより形成した
    模様シートと、 その模様シートの表面に凹状に凹むとともにその凹状の
    内部のみに塗料を塗布した複数の凹部とを備えたことを
    特徴とする化粧シート。
  5. 【請求項5】 表面に模様を有する薄板シート状の化粧
    シートであって、 シート状の樹脂からなるシート状樹脂基材と、そのシー
    ト状樹脂基材と異なる外観色の溶融材とを融合させるこ
    とにより形成した模様シートと、 その模様シートの表面に形成された凹状の複数の凹部と
    を備え、 模様シートの凹部以外の表面には、塗料を塗布したこと
    を特徴とする化粧シート。
  6. 【請求項6】 シート状樹脂基材または溶融材には木粉
    を混入していることを特徴とする請求項4または請求項
    5記載の化粧シート。
  7. 【請求項7】 模様シートは、その裏面側に和紙を備え
    たことを特徴とする請求項4、請求項5または請求項6
    記載の化粧シート。
  8. 【請求項8】 模様シートは、その裏面側に両面テープ
    を備えたことを特徴とする請求項4、請求項5または請
    求項6記載の化粧シート。
  9. 【請求項9】 模様シートは、その裏面側に剛性を有す
    る剛性部材を備えたことを特徴とする請求項4、請求項
    5または請求項6記載の化粧シート。
  10. 【請求項10】 模様シートは、その裏面側に耐火性能
    が優れた耐火部材を備えたことを特徴とする請求項4、
    請求項5または請求項6記載の化粧シート。
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