JP3515848B2 - 薄肉プラスチックボトル - Google Patents

薄肉プラスチックボトル

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JP3515848B2
JP3515848B2 JP05054896A JP5054896A JP3515848B2 JP 3515848 B2 JP3515848 B2 JP 3515848B2 JP 05054896 A JP05054896 A JP 05054896A JP 5054896 A JP5054896 A JP 5054896A JP 3515848 B2 JP3515848 B2 JP 3515848B2
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    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0223Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by shape
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    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を注出するス
クイズ容器などとしても好適に使用できる薄肉軽量でか
つ外力に対する反発復元力が改善された薄肉プラスチッ
クボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ペットボトルと称される延伸
ポリエチレンテレフタレート製ボトルや、ポリエチレン
製またはポリプロピレン製の薄肉プラスチックボトル
(以下、単に「ボトル」という)が飲料水などを充填す
る液体容器として盛んに用いられている。これらのボト
ルは、成形後の空ボトルの保管や輸送、また液体の充填
時や充填後の製品の輸送、保管、店頭陳列、更に消費者
における使用の過程などでさまざまな外力を受けて復元
不能に変形したり、また白化や亀裂を生じることがあ
る。この変形や亀裂を防止するために、ボトルの製造時
や充填時には、工程ラインにガードを設けて外力を排除
したり、輸送時や店頭陳列時には強化された外箱に収容
するなどの保護策が講じられている。
【0003】一方、ボトル自体の対衝撃強度についても
検討されている。例えばボトルの厚みは、薄いほうがプ
ラスチックの使用量が少なく経済的に有利であるが、強
度の点で限界があり、材質や容量によっても変化する
が、一般には350μm〜450μmの厚みが採用され
ている。
【0004】ボトルの形状面でも、例えば図5または図
6に示すように、胴壁部にさまざまな形状の凹凸パター
ンを形成し、この凹凸パターンによって外力に対する緩
衝性を強化しようとする試みが広く行われている。従来
のボトルの胴壁部に形成される凹凸パターンは、大きく
分類して次の二つの型、およびそれらの複合型に分ける
ことができる。その一つの型は、典型例を図5に示すよ
うに、胴壁部21の少なくとも一部分を水平断面多角形
の筒状に成形し、その平板部に凹凸パターン22を設け
たもの(例えば実公平7−28086号公報、実公平7
−28087号公報、実公平7−12243号公報、特
開昭64−9146号公報、特開平2−233342号
公報)、他の型は、典型例を図6に示すように、胴壁部
31を巻回する環状または弧状のリブ32,32,…が
胴壁部31の上下方向に平行に複数本形成されたもの
(例えば実開昭63−76611号公報)であり、複合
型は、これらの二つのパターンまたはその変形が併設さ
れたものである(例えば、実開平4−102206号公
報、実開平1−94218号公報、実公平3−2209
2号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
ボトルは、例えば胴壁部にストロークの大きい押圧が加
えられた場合や、1個所を手で繰り返し押圧して内容物
を小出しにして使用するスクイズ容器などとして用いよ
うとすると、除力された際に反発復元せず、座屈変形し
たり局部的に折れ線が入ってその部分に白化や亀裂が生
じるという問題があった。この問題があるために、ボト
ル当たりの樹脂使用量を低減することができず、また外
箱の強化などのための経費を節減することもできなかっ
た。本発明は、上記の課題を解決するためになされたも
のであって、従ってその目的は、外部からの変形応力に
対する反発復元力が改善され、かつ従来のボトルより更
に軽量化が可能な薄肉プラスチックボトルを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、胴壁部の
少なくとも一部分が水平断面多角形の筒状に成形され、
この部分に、胴壁部を環状に巻回する波線状の凹部また
は凸部からなる波形リブが胴壁部の上下方向に複数本形
成され、それぞれの波形リブの山部または谷部のいずれ
か一方または双方が、胴壁部に形成された稜線と交差す
るように配設されてなり、前記上下方向に隣接する複数
の波形リブが、上方の波形リブの谷部どうしを結ぶ線
と、下方の波形リブの山部どうしを結ぶ線との間に間隙
を形成するように離間して配設されるとともに、前記胴
壁部の上下方向に隣接する複数の波形リブが互いの山部
どうし、および谷部どうしをそれぞれ対向するように並
列させて、上下の波形リブの間にセグメントが形成され
てなることを特徴とする薄肉プラスチックボトルにより
達成される。本発明は、前記セグメントが前記胴壁部の
稜線により複数に区画されるとともに、前記稜線が断面
丸められてなり、前記セグメントが前記波形リブと前記
稜線によって連結されてなることを特徴とするものでも
良い。本発明は、前記胴壁部が断面5角形〜16角形の
範囲とされたもので良い。本発明は、前記胴壁部がポリ
プロピレンからなるものでも良い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により図面を用いて説明する。図1(a)(b)に示
す実施例のボトルは、平面視円形のポリプロピレン製ボ
トルであり、正立した状態で上から順に、注口部1、肩
部2、胴壁部3、および底部4が一体に成形されてなっ
ている。注口部1は内容物を注出する管体であって、そ
の側面にキャップ取付ネジが形成され、肩部2は注口部
1の基部から下方に向けてボトルの最大径まで断面円形
に漸次拡径している。胴壁部3は、上下方向に延びる稜
線5,5,…を有する断面正8角形の多角筒状に成形さ
れ、底部4はボトルの最大径から下方に向けて断面円形
に漸次縮径するように成形され、その接地部は周辺から
中央部に向けてレンズ状に凹面を形成している。
【0008】上記実施例のボトルの寸法は、容量が50
0mLのボトルの場合、例えば高さ201.8mm、最
大径65.3mmである。この例では、注口部1の口径
は24mm、胴壁部3の上下方向の長さは96.3mm
であり、また、このボトルの肉厚は150μm〜200
μmとされている。
【0009】胴壁部3の周面には、胴壁部3を環状に巻
回する例えば幅4mmの波線状の凹部からなる波形リブ
6,6,…が、胴壁部の上下方向に例えば10mm間隔
で6本、それぞれの山部7どうし、および谷部8どうし
を対向させて等間隔に並列して形成され、これら各波形
リブ6,6,…のそれぞれの谷部8,8,…は、胴壁部
3に形成された稜線5,5,…と交差して配設されてい
る。この胴壁部に形成された稜線5,5,…は、断面形
状が鋭い角を形成しないように、例えば14.6mmの
曲率半径をもって丸められている。
【0010】上記実施例のボトルについて、復元反発力
の試験を行った。比較例として、図6に示す従来形の円
筒状ボトルを用いた。この比較例のボトルは、外径6
5.1mm、高さ201.8mm、容量500mL、肉
厚200μmの平面視円形のポリプロピレン製ボトルで
あって、胴壁部の長さ98.8mmにわたって、胴壁部
を環状に巻回する幅4mmの外向き凹のリブが6本、平
行に形成されている。
【0011】試験方法を以下に記す。ボトルを注口部1
と底部4とで正立して固定し、胴壁部の中央部の1点
に、ボトル軸心に垂直に配設され、先端が直径10mm
の半球状をなす押圧棒を接触させ、設定したストローク
で、100mm/秒の速度で押圧を10回繰り返し、座
屈変形(除力しても復元しない状態)を起こしたボトル
個数(座屈変形数)、および胴壁面に白化・亀裂を起こ
したボトル個数(白化・亀裂数)を測定する。この試験
をストロークを変えて行い、実施例と比較例のそれぞれ
20個のボトル試料について、得られた結果を表1に示
す。
【0012】
【表1】
【0013】上記の結果から、実施例のボトルは、胴壁
部の1個所に繰り返し押圧を加える復元反発力の試験に
おいて、従来形の、平面視円形の胴壁部に環状の凹リブ
が平行に6本形成された比較例の薄肉ボトルと比較する
と、15mmを越える押圧ストロークに対しても繰り返
しの押圧に耐え、除力によって瞬間的に復元し、また胴
壁面に白化や亀裂を認めなかった。比較例の従来形状の
ボトルでは、10mmの押圧ストロークによって50%
が座屈変形し、押圧部周辺に折れ、白化、亀裂が認めら
れた。以上の結果から、本発明の形状は、ボトルを薄
肉、軽量化しても十分な変形復元力を持つことがわか
る。
【0014】上記実施例のボトルが、その胴壁部のパタ
ーンによって復元反発力が向上する理由については明確
ではないが、以下のように考えられる。図1に示すよう
に、胴壁部3の面は、稜線5,5,…と波形リブ6,
6,…とが交差することによって、1周期分の波形(全
波形)平面からなる多数のセグメント9a,9b,…に
分割されている。そして、それぞれのセグメント9a,
9bどうしは、その周辺が稜線5,5,…または波形リ
ブ6,6,…によって搖動自在に連結されている。ここ
で胴壁部の1局部、例えばセグメント9aに押圧が加え
られると、外向き凸に形成された稜線5,5,…は外力
に対して剛性を示すので、外向きの反発力を発現する。
一方、稜線5,…と波形リブ6,…とによってセグメン
ト化された胴壁部3は、各セグメント9a,9b,…自
体の剛性が強いため、全体の変形は非セグメント化ボト
ルと同等でも、弾性回復範囲内の歪内にあり、除力とと
もに全体が即座に復元する。しかもリブ6,6,…が波
形であることによって、歪の力線がリブを直角に折り曲
げる方向に働かず、捻る方向に働くためリブが折れ難く
なる。除力されると、稜線5,5,…はその剛性によっ
て反発し直ちに直線状態に復帰し、この復元力によって
セグメント9a,9b,…も元の位置に戻る。稜線5の
反発力と、波形リブ6の歪応力分散性との好適なバラン
スによって、長いストロークの繰り返し押圧に対しても
歪が分散緩和され、除力によって直ちに復元する反発復
元性が得られるとともに、リブが折れないので白化や亀
裂が防止されるものと考えられる。
【0015】図2(a)(b)は、図1に示した実施例
のボトル(図2(a))と、図6に示した比較例のボト
ル(図2(b))とについて、それぞれの胴壁部に外部
から押圧を加えたときの歪力の分散状態をコンピュータ
シミュレーションにより求めた結果を示している。図2
(a)(b)において、歪力の分散状態は応力レベルを
表す等高線の密度によって示され、密度が疎であるほど
歪力の分散が良好であることを表す。図2(a)に示す
波形リブを有する実施例のボトルにおいては、図2
(b)に示す従来形の、平面視円形の胴壁部に環状の凹
リブが平行に6本形成された比較例のボトルと比較する
と、胴壁部全体に歪力が比較的均一に分散していること
がわかる。これに対して図2(b)に示す従来形のボト
ルでは、凹リブ32,32,…に歪力が集中し、座屈変
形や亀裂が生じ易い状態が示されている。
【0016】上記実施例においては胴壁部3が断面正8
角形に形成されているが、断面形状はこれに限定される
ものではなく、多角形に形成されていれば角数は限定さ
れない。一般には、断面形状は5角形〜16角形の範囲
内であることが好ましい。3角形,4角形の場合、外力
に対する稜線の剛性は増加するが、限界を越えた外力に
対しては座屈変形し易くなる。また、17角形以上では
断面形状が円形に近似するため、稜線の剛性が低下し反
発復元性が低下する。
【0017】胴壁部3に形成される波形リブ6の形状は
特に限定されるものではなく、デザイン上の要求などに
より、図3に示すような矩形波状のもの、または鋸歯状
やサイクロイド状その他の形状であってもよい。また、
特定の波形リブ6に含まれるそれぞれの波形および/ま
たは胴壁部3に形成されたそれぞれの波形リブ6,6,
…の相互の波形は、同じであっても異なっていてもよ
い。実施例に示したサインカーブ状のものは、隣接する
セグメント9a,9bの境界に鋭い角部が生じないの
で、外力による歪が波形リブ6を介して他のセグメント
に均等に分散され、局部集中が回避されるので好ましい
形状である。
【0018】またこの波形リブ6はボトルの外側から見
たとき凹部を形成していても凸部を形成していてもいず
れでもよい。波形リブ6が凹部を形成していれば、胴壁
部の稜線5は常に外側に凸に形成されているので、これ
との相互作用によって、外力が加えられたとき胴壁部の
内・外方向のコンプライアンスが更に向上する。
【0019】胴壁部3に複数本形成される波形リブ6,
6,…は、隣接する波形リブ6,6の山部7と谷部8と
が対向するように配設されていてもよい。この場合は、
隣接する波形リブの山部7と谷部8とが交互に一本の稜
線5と交差することになる。好ましくは、図1に示した
ように、上下に隣接する波形リブの山部7,7どうしお
よび谷部8,8どうしが対向するように並列される。こ
の場合は、押圧力に対して各セグメント9a,9b,…
が変曲点を支点とするテコのように作用して歪を速やか
に広く分散させることができる。
【0020】上下に隣接する波形リブ6,6どうしの間
隔はそれぞれ等しくても異なっていてもよい。上下に隣
接する波形リブ6,6の山部7,7どうしおよび谷部
8,8どうしが対向するように並列されている場合に
は、図4に示すように、上下に並列された波形リブ6
a,6bは、上方の波形リブ6aの谷部8,8,…を結
ぶ線Bと下方の波形リブ6bの山部7,7,…を結ぶ線
Tとの間に間隙Dが形成されるように配設されることが
好ましい。これによって、セグメント9が適度の剛性を
獲得し、波形リブ6a,6b,…における歪力の分散が
効果的に行われるようになる。
【0021】上記実施例において、波形リブ6,6,…
は、それぞれの谷部8,8,…が稜線5,5,…と交差
している。この谷部8,8,…の代わりに、山部7,
7,…が稜線5,5,…と交差していても同様な効果が
得られることはいうまでもない。また、図示しないが、
山部7,7,…と谷部8,8,…の双方が稜線5,5,
…と交差していてもよい。この場合、セグメントの形状
は半波形となる。この半波形のセグメントは、特に胴壁
部の水平断面多角形の角数が多い場合に有利となる。稜
線5,5,…の数が増えると稜線5の剛性が低下するの
で、これを補うために、全波形より剛性が高い半波形の
セグメントを用いるほうがボトルの強度が高くなるから
である。
【0022】以上説明したボトル胴壁部の稜線5,5,
…および波形リブ6,6,…は、胴壁部の全体に施され
ていてもよく、また、他の凹凸パターンと組み合わせ
て、または組み合わせずに、胴壁部の一部分(例えば上
半分、下半分など)に施されていてもよい。
【0023】本発明のボトルは、肉厚を薄くしても反発
復元力が大きく、破損し難いので、ボトル容量当たりの
樹脂量を削減できるばかりでなく、用途面でも、飲料水
容器などのほか、使用時に胴壁部の同一個所が繰り返し
て押圧されるような用途、例えば洗剤や化粧液を小出し
にするスクイズ容器などとしても有利に使用することが
できる。
【0024】以下、本発明の請求項1に記載した好まし
い実施の形態とその効果を列記する。 (1)請求項1に記載した薄肉プラスチックボトルにお
いて、胴壁部の断面形状が5角形〜16角形の範囲内の
多角形である薄肉プラスチックボトル。外力に対する抗
座屈変形性が向上する。 (2)請求項1に記載した薄肉プラスチックボトルにお
いて、それぞれの波形リブの山部または谷部のいずれか
一方が、胴壁部に形成された稜線と交差するように成形
された薄肉プラスチックボトル。稜線と波形リブとによ
って形成された多数のセグメントは、それぞれの剛性が
向上し、外力による歪を速やかに広く分散させ、座屈変
形や亀裂を生じ難くする。 (3)請求項1に記載した薄肉プラスチックボトルにお
いて、波形リブがサインカーブ状の形状に成形された薄
肉プラスチックボトル。波形リブの山部・谷部が外力に
よる歪の均等な分散を生起させ、局部集中が回避され
る。 (4)請求項1に記載した薄肉プラスチックボトルにお
いて、波形リブが外部から見て凹部を形成してなる薄肉
プラスチックボトル。外力に対し、胴壁部の内・外方向
の弾性が向上する。 (5)請求項1に記載した薄肉プラスチックボトルにお
いて、上下に隣接する波形リブが、互いの山部どうし、
および谷部どうしがそれぞれ対向するように並列された
薄肉プラスチックボトル。歪を速やかに広く分散させ、
外力に対する抵抗性を向上する。 (6)上記(5)に記載した薄肉プラスチックボトルに
おいて、上下に隣接する波形が、上方の波形リブの谷部
を結ぶ線と下方の波形リブの山部を結ぶ線との間に間隙
が形成されるように配設された薄肉プラスチックボト
ル。歪力の分散が効果的に行われるようになる。
【0025】
【発明の効果】本発明の薄肉プラスチックボトルは、胴
壁部の少なくとも一部分が水平断面多角形の筒状に成形
され、この部分に、胴壁部を環状に巻回する波線状の凹
部または凸部からなる波形リブが胴壁部の上下方向に複
数本形成され、それぞれの波形リブの山部または谷部の
いずれか一方または双方が、多角形筒状に形成された胴
壁部の稜線と交差するように配設されてなるものである
ので、外部からの変形応力に対する反発復元力が向上
し、座屈変形、白化、亀裂が防止され、また従来のボト
ルより更に薄肉化が可能となり、省資源と軽量化が達成
される。しかも、リブが波形であることで、歪の力線が
リブを直角に折り曲げる方向に働かず、捻る方向に働く
ためにリブが折れ難い。更に、水平断面多角形の胴壁部
の稜線の反発力と波形リブの歪応力分散性とのバランス
によって、長いストロークの繰り返し押圧に対しても歪
を分散緩和でき、除力によって直ちに復元する反発復元
力が得られるとともに、リブが折れ難いので、白化や亀
裂を防止できる薄肉プラスチックボトルを提供できる。
更に本発明は、前記上下方向に隣接する複数の波形リブ
が、上方の波形リブの谷部どうしを結ぶ線と、下方の波
形リブの山部どうしを結ぶ線との間に間隙を形成するよ
うに離間して配設され、前記胴壁部の上下方向に隣接す
る複数の波形リブが互いの山部どうし、および、谷部ど
うしをそれぞれ対向するように並列させて、上下の波形
リブの間にセグメントを形成してなるので、稜線と波形
リブとによって形成された多数のセグメントは、それぞ
れの剛性が向上し、外力による歪を速やかに広く分散さ
せ、座屈変形や亀裂を生じ難くする。また、上下に隣接
する波形リブを、互いの山部どうし、および谷部どうし
を対向するように並列させることで歪を速やかに広く分
散させ、外力に対する抵抗性を向上できる。次に本発明
は、前記セグメントが前記胴壁部の稜線により複数に区
画されるとともに、前記稜線が断面丸められてなり、前
記セグメントが前記波形リブと前記稜線によって連結さ
れてなるので、各セグメント自体の剛性が強く、胴壁部
全体の変形が非セグメント化ボトルと同等であっても、
前記連結部を介して各セグメントが弾性回復範囲内の歪
内にあり、外力の除力とともに全体を即座に復元できる
という効果がある。本発明において胴壁部の断面形状を
5角形〜16角形とすることで、外力に対する座屈変形
を生じ難くできるとともに、稜線の剛性を低下させない
ので反発復元力の低下を防止できる効果が得られる。更
に本発明において、ポリプロピレン製の薄肉プラスチッ
クボトルであるならば、上述した種々の効果が確実に得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す(a)側面図、およ
び(b)線A−Aで切った断面図。
【図2】(a)は、本発明の実施例におけるコンピュー
タシミュレーションによる歪力の分布図、(b)は従来
形パターンを有する比較例におけるコンピュータシミュ
レーションによる歪力の分布図、
【図3】 本発明の他の一実施例における胴壁部の展開
図。
【図4】 本発明の一実施例における胴壁部の展開図。
【図5】 従来のプラスチックボトルの一例を示す側面
図と平面図。
【図6】 従来のプラスチックボトルの他の一例を示す
側面図と平面図。
【符号の説明】
1……注口部 2……肩部 3……胴壁部 4……底部 5……稜線 6……波形リブ 7……山部 8……谷部 9,9a,9b……セグメント

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴壁部の少なくとも一部分が水平断面多
    角形の筒状に成形され、この部分に、胴壁部を環状に巻
    回する波線状の凹部または凸部からなる波形リブが胴壁
    部の上下方向に複数本形成され、それぞれの波形リブの
    山部または谷部のいずれか一方または双方が、胴壁部に
    形成された稜線と交差するように配設されてなり、前記上下方向に隣接する複数の波形リブが、上方の波形
    リブの谷部どうしを結ぶ線と、下方の波形リブの山部ど
    うしを結ぶ線との間に間隙を形成するように離間して配
    設されるとともに、前記胴壁部の上下方向に隣接する複
    数の波形リブが互いの山部どうし、および谷部どうしを
    それぞれ対向するように並列させて、上下の波形リブの
    間にセグメントが形成されてなることを特徴とする薄肉
    プラスチックボトル。
  2. 【請求項2】 前記セグメントが前記胴壁部の稜線によ
    り複数に区画されるとともに、前記稜線が断面丸められ
    てなり、前記セグメントが前記波形リブと前記稜線によ
    って連結されてなることを特徴とする請求項に記載の
    薄肉プラスチックボトル。
  3. 【請求項3】 前記胴壁部が断面5角形〜16角形の範
    囲とされたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    薄肉プラスチックボトル。
  4. 【請求項4】 前記胴壁部がポリプロピレンからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄肉プ
    ラスチックボトル。
JP05054896A 1996-03-07 1996-03-07 薄肉プラスチックボトル Expired - Fee Related JP3515848B2 (ja)

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