JP3513402B2 - 断熱パネル及びその接続構造 - Google Patents

断熱パネル及びその接続構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱パネル及びそ
の接続構造に関し、詳しくは、嵌合凸部及び嵌合凹部を
金属外皮にて囲繞して凹凸接続箇所の気密・水密性を増
しながら、嵌合凸部及び嵌合凹部が形成された端縁とは
隣接するパネル両側端縁において、嵌合凸部及び嵌合凹
部も含めた断熱材の側端面を保護し、かつ、側端面接続
片同士の接続を安定化させようとする技術に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、図6(a)に示すように、二枚の
金属外皮1,2間に断熱材3を充填するとともに断熱パ
ネルの一側縁部にパネルの厚みよりも薄い嵌合凸部4
を、他側縁部に嵌合凸部4が嵌合する嵌合凹部5を金属
外皮にて囲繞して形成し、一側縁部又は他側縁部のパネ
ル表面にパネル固定のための表面凹所6を形成し、他側
縁部又は一側縁部に表面凹所6に挿入されて固定具7を
隠す覆い片8を金属外皮にて囲繞して延出した断熱パネ
ルPにおいては、同図(b)に示すように、表面凹所6を
形成した側には側端面接続片9が存在せず、表面凹所6
側の断熱材3の側面は覆い片8を形成した側の側端面接
続片9にて覆うものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のものにおいては、側端面接続片9が存在しない表
面凹所6側の断熱材3の側面を弾性シール材を介装して
覆うのであり、この種の断熱パネルの施工に手間を要す
るという問題があった。又、側端面接続片9,9同士の
接続強度も高め難いものとなっていた。
【0004】即ち、嵌合凸部4と嵌合凹部5とを金属外
皮1にて略囲繞するようにして、気密・水密性を高める
とともに、表面凹所6において固定具7にて固定し、表
面凹所6に覆い片8を挿入して固定具7を隠して外観を
整えて施工するものでありながら、凹凸嵌合縁とは隣接
する側端縁におけるシール性及び接続強度を高め難く、
嵌合凸部4と嵌合凹部5とを金属外皮1にて囲繞する断
熱パネルの本来の機能を充分に発揮できていないものと
なっていた。
【0005】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、嵌合凸部及び嵌
合凹部を金属外皮にて囲繞して凹凸接続箇所の気密・水
密性を増しながら、嵌合凸部及び嵌合凹部が形成された
端縁とは隣接するパネル両側端縁において、嵌合凸部及
び嵌合凹部も含めた断熱材の側端面を保護し、かつ、側
端面接続片同士の接続を安定化させ、接続強度を高める
ことができる断熱パネル及びその接続構造を提供しよう
とするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1においては、二
枚の金属外皮1,2間に断熱材3を充填するとともに断
熱パネルの一側縁部にパネルの厚みよりも薄い嵌合凸部
4を、他側縁部に嵌合凸部4が嵌合する嵌合凹部5を金
属外皮にて囲繞して形成し、他側縁部のパネル表面にパ
ネル固定のための表面凹所6を形成し、一側縁部に表面
凹所6に挿入されて表面凹所6における固定具7を隠す
覆い片8を金属外皮にて囲繞して延出した断熱パネルで
あって、嵌合凸部4及び嵌合凹部5が形成された端縁に
隣接するパネル両側端縁において、嵌合凸部4及び嵌合
凹部5も含めた断熱材3の側面に対向して一方の金属外
皮1が折り曲げられて側端面接続片9を形成し、表面凹
所6側の側端面接続片9部分を他の側端面接続片9より
も断熱材3の側面に近接させて側部凹所10を形成し、
覆い片8側の側端面接続片9部分を他の側端面接続片9
と面一になるとともに側部凹所10に挿入される側部覆
い11とし、上記側部凹所10においては、表面凹所6
における金属外皮1の表面側部分5dと、表面側部分5
dの先端より内側に円弧状に折り曲げられて上記嵌合凹
部5において一方の内側壁部分5eの先端部を形成して
いる先端円弧部5fのみが折り曲げられていることを特
徴とするものである。
【0007】このような構成によれば、嵌合凸部4と嵌
合凹部5との凹凸嵌合箇所においては、充分な気密・水
密性を備えるとともに、表面凹所においてパネルを固
定し、その固定具7を覆い片8によって隠して外観を高
めた施工がおこなえながら、断熱材3の嵌合凸部4と嵌
合凹部5の側端面においては、表面凹所側においても
側端面接続片9が存在していて、断熱材3の劣化を回避
し、耐候性を高め、かつ、側部凹所10に側部覆い11
が挿入されるから、側端面接続片9,9同士の接続強度
を高めることができるものである。更に、上記側部凹所
10においては、表面凹所6における金属外皮1の表面
側部分5dと、表面側部分5dの先端より内側に円弧状
に折り曲げられて上記嵌合凹部5において一方の内側壁
部分5eの先端部を形成している先端円弧部5fのみが
折り曲げられている。先端円弧部5fが折り曲げられる
ことで、金属外皮1の切断エッジがパネル端縁に現れる
のを回避することができ、防蝕性を高め、外観を高め、
かつ、エッジで怪我をすることもなく、断熱パネルPの
商品価値を高めている。
【0008】請求項2においては、金属外皮1にて囲繞
している覆い片8の折り返し片12が側部覆い11の内
面に沿設されていることを特徴とするものである。この
ような構成によれば、側部覆い11は二重構造になり、
側端面接続片9,9同士の接続強度を、一層、高めるこ
とができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1は裏側から見た一部省略した
部分斜視図、図2は表面から見た一部省略した部分斜視
図、図3は嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させた一部省略し
た断面図、図4(a)(b)(c)は製作過程を示す概
略斜視図である。
【0010】送り出し装置にて送り出された上下の金属
外皮2,1の両端にはロール成形により成形されて嵌合
凸部外皮部分4a及び嵌合凹部外皮部分5aが形成さ
れ、この二枚の金属外皮1,2間に発泡性合成樹脂材料
が注入され、発泡されて断熱材3が構成されるのであ
り、しかして、二枚の金属外皮1,2間に断熱材3を充
填するとともに断熱パネルPの一側縁部にパネルの厚み
よりも薄い嵌合凸部4を、他側縁部に嵌合凸部4が嵌合
する嵌合凹部5を金属外皮にて囲繞して形成するのであ
り、嵌合凹部5側のパネル表面にパネル固定のための表
面凹所6を形成してあり、嵌合凸部4側の表面凹所6に
挿入されてボルトのような固定具7を隠す覆い片8を金
属外皮にて囲繞して延出して断熱パネルPを構成してい
る。
【0011】この場合、断熱材3の厚み方向の中央部分
が嵌合凸部外皮部分4a,4a間及び嵌合凹部外皮部分
5a,5a間に若干残されている。
【0012】嵌合凸部4及び嵌合凹部5が形成された端
縁に隣接するパネルの両側端縁で嵌合凹部5側において
は、図4(a)(b)(c)に示すように、一方の金属
外皮1の殆どを残して断熱材3と他の金属外皮2とが切
断され、残された金属外皮1が断熱材3の側端面に対向
するように折り曲げられて側端面接続片9が形成される
のである。
【0013】一方の金属外皮1に連なっている嵌合凹部
外皮部分5aのうち、断熱材3内に埋入される埋入部分
5b及び嵌合凹部5の底部となる底部部分5c及び内側
壁部分5eが切断除去され、金属外皮1の表面側部分5
d及び先端円弧部5fが残され、この表面側部分5dが
側端面接続片9として折り曲げられるのである。この場
合、表面凹所6側の側端面接続片9の表面凹所側部分が
他の側端面接続片9よりも断熱材3の側面に近接させて
側部凹所10が形成されるのである。ところで、先端円
弧部5fが折り曲げられることで、金属外皮1の切断エ
ッジがパネル端縁に現れるのを回避することができ、防
蝕性を高め、外観を高め、かつ、エッジで怪我をするこ
ともなく、断熱パネルPの商品価値を高めている。
【0014】図4(a)に示すように、嵌合凸部4側に
おいては、一方の金属外皮1に連らなっている嵌合凸部
4の側壁部分4bが切除され、覆い片8を囲繞する折り
返し片12が残され、これらが重ねられて側端面接続片
9として折り曲げられるのである。
【0015】このようにして、断熱パネルPの側端面接
続片9の表面凹所側部分を他の側端面接続片9よりも断
熱材3の側面に近接させて側部凹所10を形成し、側端
面接続片9の覆い片側部分を他の側端面接続片9と面一
になるとともに側部凹所10に挿入される側部覆い11
とするものである。
【0016】しかして、表面凹所5においてボルトのよ
うな固定具7にて固定された下段の断熱パネルPの嵌合
凹部5に上段の断熱パネルPの嵌合凸部4をパッキンS
を介装して嵌合させ、下段のものの表面凹所6に上段の
ものの覆い片8を挿入して固定具7を隠し、そして上段
のものの側部凹所10に下段のものの側部覆い11を挿
入して上下の断熱パネルP,Pを接続するのである。
【0017】この場合、図5に示すように、断熱パネル
Pの左右端部の背面においては、断熱材3と側端面接続
片9との間に長尺な弾性シール材18を挿入しているの
であり、左右の断熱パネルP,Pの縦目地の背部におい
ては左右の断熱パネルP,Pの弾性シール材18,18
に跨がる断面略U字状で金属板を曲げ加工したバックア
ップ桟13が壁下地14に保持板15を介して取付けら
れているのであり、縦目地部分のシールを図っている。
側端面接続片9に引き続いて折り曲げられた目地片1
6,16の上にはコーキング剤17が充填される。とこ
ろで、目地片16はなくてもよいものである。
【0018】しかして、嵌合凸部4と嵌合凹部5との凹
凸嵌合箇所においては、充分な気密・水密性を備えると
ともに、表面凹所5においてパネルを固定し、その固定
具7を覆い片8によって隠して外観を高めた施工がおこ
なえながら、断熱材3の嵌合凸部4と嵌合凹部5の側端
面においては、表面凹所5側においても側端面接続片9
が存在していて、断熱材3の劣化を回避し、耐候性を高
め、かつ、側部凹所10に側部覆い11が挿入されるか
ら、側端面接続片9,9同士の接続強度を高めるもので
ある。
【0019】この場合、金属外皮1にて囲繞している覆
い片8の折り返し片12が側部覆い11の内面に沿設さ
れているのであり、側部覆い11は二重構造になり、側
端面接続片9,9同士の接続強度を、一層、高めるもの
である。
【0020】
【発明の効果】請求項1においては、嵌合凸部及び嵌合
凹部が形成された端縁に隣接するパネル両側端縁におい
て、嵌合凸部及び嵌合凹部も含めた断熱材の側面に対向
して一方の金属外皮が折り曲げられて側端面接続片を形
成し、表面凹所側の側端面接続片部分を他の側端面接続
片よりも断熱材の側面に近接させて側部凹所を形成し、
覆い片側の側端面接続片部分を他の側端面接続片と面一
になるとともに側部凹所に挿入される側部覆いとしてい
るから、嵌合凸部と嵌合凹部との凹凸嵌合箇所において
は、充分な気密・水密性を備えるとともに、表面凹所に
おいてパネルを固定し、その固定具を覆い片によって隠
して外観を高めた施工がおこなえながら、断熱材の嵌合
凸部と嵌合凹部の側端面においては、表面凹所側におい
ても側端面接続片が存在していて、断熱材の劣化を回避
し、耐候性を高め、かつ、側部凹所に側部覆いが挿入さ
れるから、側端面接続片同士の接続強度を高めることが
できるという利点がある。更に、上記側部凹所において
は、表面凹所における金属外皮の表面側部分と、表面側
部分の先端より内側に円弧状に折り曲げられて上記嵌合
凹部において一方の内側壁部分の先端部を形成している
先端円弧部のみが折り曲げられ、先端円弧部が折り曲げ
られることで、金属外皮の切断エッジがパネル端縁に現
れるのを回避することができ、防蝕性を高め、外観を高
め、かつ、エッジで怪我をすることもなく、断熱パネル
Pの商品価値を高めている。
【0021】請求項2においては、金属外皮にて囲繞し
ている覆い片の折り返し片が側部覆いの内面に沿設され
ているから、請求項1の効果に加えて、側部覆いは二重
構造になり、側端面接続片同士の接続強度を、一層、高
めることができるという利点がある。
【0022】請求項3においては請求項1と同様の効果
を、請求項4においては請求項2と同様の効果を得るこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱パネルの一実施の形態の裏側から
見た一部省略した部分斜視図である。
【図2】同上の表面から見た一部省略した部分斜視図で
ある。
【図3】同上の嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させた一部省
略した断面図である。
【図4】(a)(b)(c)は製作過程を示す概略斜視図で
ある。
【図5】同上の側端面接続片側の接続状態を示す断面図
である。
【図6】従来例を示し、(a)は概略断面図、(b)は
金属外皮の斜視図である。
【符号の説明】
1 金属外皮 2 金属外皮 3 断熱材 4 嵌合凸部 5 嵌合凹部 6 表面凹所 7 固定具 8 覆い片 9 側端面接続片 10 側部凹所 11 側部覆い 12 折り返し片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04D 3/35 E04D 3/35 F (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/12 E04B 1/80 E04C 2/26 E04D 3/35

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の金属外皮間に断熱材を充填すると
    ともに断熱パネルの一側縁部にパネルの厚みよりも薄い
    嵌合凸部を、他側縁部に嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部を
    金属外皮にて囲繞して形成し、他側縁部のパネル表面に
    パネル固定のための表面凹所を形成し、一側縁部に表面
    凹所に挿入されて表面凹所における固定具を隠す覆い片
    を金属外皮にて囲繞して延出した断熱パネルであって、
    嵌合凸部及び嵌合凹部が形成された端縁に隣接するパネ
    ル両側端縁において、嵌合凸部及び嵌合凹部も含めた断
    熱材の側面に対向して一方の金属外皮が折り曲げられて
    側端面接続片を形成し、表面凹所側の側端面接続片部分
    を他の側端面接続片よりも断熱材の側面に近接させて側
    部凹所を形成し、覆い片側の側端面接続片部分を他の側
    端面接続片と面一になるとともに側部凹所に挿入される
    側部覆いとし、上記側部凹所においては、表面凹所にお
    ける金属外皮の表面側部分と、表面側部分の先端より内
    側に円弧状に折り曲げられて上記嵌合凹部において一方
    の内側壁部分の先端部を形成している先端円弧部のみが
    折り曲げられて成ることを特徴とする断熱パネル。
  2. 【請求項2】 金属外皮にて囲繞している覆い片の折り
    返し片が側部覆いの内面に沿設されて成ることを特徴と
    する請求項1記載の断熱パネル。
  3. 【請求項3】 二枚の金属外皮間に断熱材を充填すると
    ともに断熱パネルの一側縁部にパネルの厚みよりも薄い
    嵌合凸部を、他側縁部に嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部を
    金属外皮にて囲繞して形成し、他側縁部のパネル表面に
    パネル固定のための表面凹所を形成し、一側縁部に表面
    凹所に挿入されて表面凹所における固定具を隠す覆い片
    を金属外皮にて囲繞して延出した断熱パネルの接続構造
    であって、嵌合凸部及び嵌合凹部が形成された端縁に隣
    接するパネル両側端縁において、嵌合凸部及び嵌合凹部
    も含めた断熱材の側面に対向して一方の金属外皮が折り
    曲げられて側端面接続片を形成し、表面凹所側の側端面
    接続片の表面凹所側部分を他の側端面接続片よりも断熱
    材の側面に近接させて側部凹所を形成し、覆い片側の側
    端面接続片の覆い片側部分を他の側端面接続片と面一に
    なるとともに側部凹所に挿入される側部覆いとし、上記
    側部凹所においては、表面凹所における金属外皮の表面
    側部分と、表面側部分の先端より内側に円弧状に折り曲
    げられて上記嵌合凹部において一方の内側壁部分の先端
    部を形成している先端円弧部のみが折り曲げられて断熱
    パネルを構成し、隣接する下段の断熱パネルの嵌合凹部
    に上段のものの嵌合凸部を、下段のものの表面凹所に上
    段のものの覆い片を、下段のものの側部凹所に上段のも
    のの側部覆いを挿入して成ることを特徴とする断熱パネ
    ルの接続構造。
  4. 【請求項4】 金属外皮にて囲繞している覆い片の折り
    返し片が側部覆いの内面に沿設されて成ることを特徴と
    する請求項3記載の断熱パネルの接続構造。
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