JP3511285B2 - 印刷画像左右位置調節機構を備えた版胴式印刷装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、版胴式印刷装置に
係り、特に用紙に対する印刷画像左右位置の調節を行う
印刷画像左右位置調節機構を備えた版胴式印刷装置に係
る。

【０００２】

【従来の技術】円筒状版胴を回転自在に軸支しているド
ラムユニットを、印刷機本体に対して前記版胴の軸長手
方向に摺動可能とし、この摺動端にて手操作により印刷
機本体に着脱自在としている孔版印刷装置において、前
記印刷機本体側に設けた前記ドラムユニットの前記摺動
方向への案内手段と、前記摺動方向に前記ドラムユニッ
トを前記案内手段に沿って微小距離移動させる運動伝達
系と、前記運動伝達系に駆動力を与えるモータと、前記
運転伝達系を前記ドラムユニットに対して任意に連結
し、あるいは前記連結を断つ連断手段を有することを特
徴とする孔版印刷装置の画像左右位置調節装置が、平成
８年１０月９日発行の第２５４２４８９号特許公報に記
載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の特許公報に記載
されされている孔版印刷装置の画像左右位置調節装置に
於いては、複数個のドラムユニットを用いて多色重ね合
せ印刷を行う場合に、第一のドラムユニットについて画
像左右位置を調節して所定枚数の印刷を終り、次いでド
ラムユニットを第二のドラムユニットに交換し、画像左
右位置の調節を行って第一のドラムユニットによる所定
枚数の印刷物に重ね合せ印刷を行い、これにてあるいは
更に第三のドラムユニットにより画像左右位置の調節を
行って所定枚数の印刷物に更なる重ね合せ印刷を行い、
かくして一旦所定枚数の印刷物を得た後、一時保管され
た第一及び第二又はそれ以上のドラムユニットを用いて
再度追加の需要に応える重ね合せ印刷物を印刷せんとす
るときには、各ドラムユニットついて画像左右位置の調
節を再度初めからやり直さなければならないという問題
がある。

【０００４】本発明は、上記の問題に鑑み、複数のドラ
ムユニットがそれぞれ入れ替わって単独にあるいは重ね
合せ印刷のために互いに組み合わせて使用される場合
に、各ドラムユニットについて印刷画像左右位置が一度
調節されれば、その後複数のドラムユニットをどのよう
に入れ替えて印刷が行われても、何れのドラムユニット
についても再度の印刷画像左右位置の調節は不要とされ
るよう改良された版胴式印刷装置を提供することを課題
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる課題を達成すべ
く、本発明は、機枠と、版胴と、前記版胴に印刷用紙を
押し合わせる裏押しローラと、前記版胴をその中心軸線
の周りに回転可能に担持する枠体とを有し、前記機枠は
前記枠体の一部と着脱可能に係合して該枠体を前記版胴
の中心軸線に沿う方向に移動可能に案内しつつ保持する
案内保持手段を有し、前記枠体と該枠体により担持され
た前記版胴とを取り出し可能に収納するようになってお
り、前記枠体に設けられ前記版胴の中心軸線に沿う方向
の移動経路に沿って少なくとも印刷画像の左右位置調節
代の最大値に相当する移動距離だけ該枠体に対し移動可
能な変位部材と、前記変位部材を前記枠体に対し前記移
動経路に沿って選択的に移動させる駆動手段と、前記枠
体が前記機枠内の装填位置にあるとき前記変位部材の一
部を前記機枠に選択的に係止する係止手段とを含む印刷
画像左右位置調節手段が設けられており、前記変位部材
が前記一部にて前記係止手段により前記機枠に係止され
ている状態で前記駆動手段が前記変位部材を前記移動経
路に沿って前記枠体に対し移動させることにより印刷画
像の左右位置が調節されるようになっていることを特徴
とする版胴式印刷装置を提案するものである。

【０００６】上記の如き版胴式印刷装置の構成によれ
ば、印刷画像左右位置調節のための前記機枠に対する前
記版胴の軸線方向位置は、前記枠体に対する前記変位部
材の調節位置によって定まり、該変位部材は該枠体に設
けられた部材であるので、前記版胴と前記枠体と前記変
位部材の三者が一体となって構成されたドラムユニット
が前記機枠内の装填位置より該機枠外へ取り出された後
又再び該装填位置へ戻されても、一旦調節された前記枠
体に対する前記変位部材の位置は変化しないので、各ド
ラムユニットについて一度行われた印刷画像左右位置の
調節は、印刷画像左右位置変更のための再調節が行われ
るまで不変に保たれる。

【０００７】前記変位部材はねじ部を有する軸部材であ
ってよく、該ねじ部にて前記枠体の一部に設けられたね
じ孔にねじ係合し、前記駆動手段は前記軸部材をその中
心軸線の周りに前記枠体に対し選択的に回転駆動する手
段であってよい。

【０００８】前記駆動手段は前記軸部材の他の一部に設
けられたスプライン部と、該スプライン部に係合する歯
車と、該歯車を回転駆動する電動機とを含んでいてよ
い。

【０００９】前記軸部材は前記枠体に前記版胴の中心軸
線に沿って配置されていてよい。

【００１０】前記係止手段による前記変位部材の前記機
枠に対する係止位置に前記変位部材を位置決めする位置
決め手段が設けられていてよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照して本発明
を実施例について詳細に説明する。

【００１２】図１は本発明による印刷画像左右位置調節
機構を備えた版胴式印刷装置の一つの実施例の全体構成
を示す解図的正面図であり、図２はその解図的側面図で
ある。但しこれら図１及び図２に示す版胴式印刷装置の
全体構成の解図的表示には、本発明の要部をなす印刷画
像左右位置調節手段は現れておらず、該印刷画像左右位
置調節手段はドラムユニット部について本発明の一つの
実施例を幾分解図的に示す図３に現れている。

【００１３】先ず本発明に係る版胴式印刷装置の全体構
成を図１及び図２について説明すると、これらの図に於
て１０が版胴である。版胴１０はその両軸端部を構成す
る一対の剛固な環状部材１０ａ，１０ｂがその間に橋渡
しされた横桁部材１０ｃにより剛固に連結された枠体を
有し、平面図上に展開された形状が長方形をなす網材又
は多孔板がその両側縁部を環状部材１０ａ，１０ｂの外
周面上に摺接させた状態に円筒状に曲げられ、版胴の主
要部をなす多孔性円筒状の周壁１０ｄが形成されてい
る。前記網材又は多孔板の一端部は横桁部材１０ｃに固
定されており、その両側縁部は環状部材１０ａ，１０ｂ
の外周面に沿って周方向に摺動可能に装着されている。
尚かかる版胴の構造の詳細は、本件出願人と同一人の出
願に係る特開平２−２２５０７８号公報に記載されてい
る。又横桁部材１０ｃには、孔版原紙の先端を取り付け
るクランプ１２が設けられている。

【００１４】版胴１０内には円筒状の周壁１０ｄの内周
面に当接してそこにインクを供給するインク付けローラ
１４が設けられている。インク付けローラ１４に近接し
てドクターロッド１６が設けられており、これらインク
付けローラとドクターロッドの間に形成された楔状空間
に図には示されていないインク供給装置より供給された
インクによりインク隗１８が形成されるようになってい
る。

【００１５】版胴の外側にはそれに平行に裏押しローラ
２０が設けられており、版胴１０と裏押しローラ２０の
対向する外周面はそれぞれの母線に沿う帯状帯域にて互
いに近接し、その間に、印刷用紙を挟んで送り且つ該印
刷用紙上に版胴１０の周りに巻かれた孔版原紙の穿孔部
より押し出されたインクを付着させてこれに印刷を施す
挟み領域２２が形成されている。

【００１６】版胴１０及び裏押しローラ２０は、図１及
び図２には示されていないが以下に説明する図３には２
４として示されている機枠より、それぞれの中心軸線の
周りに回転するよう支持されており、版胴の周壁１０ｄ
がインク付けローラ１４によりその内側から半径方向外
向きに押圧されていないときには、挟み領域２２にて対
向する版胴の周壁１０ｄと裏押しローラ２０の外周面と
の間には隙間が残されている。網材又は多孔板よりなり
可撓性を有する周壁１０ｄは、後述の要領にて印刷用紙
が挟み領域２２に通される印刷時には、インク付けロー
ラ１４により裏押しローラ２０へ向けて半径方向外方に
押し出され、挟み領域２２に於ける前記間隙を消滅させ
て印刷用紙を裏押しローラ２０との間に押し挟むように
なっている。かかる要領による挟み領域２２の開閉制御
の詳細は、同じく上記の特開平２−２２５０７８号公報
に記載されている。

【００１７】版胴１０とインク付けローラ１４と裏押し
ローラ２０とは、図には示されていない駆動系により互
いに同期して回転駆動されるようになっている。図示の
実施例では、版胴１０と裏押しローラ２０とは互いに同
径であり、同じ回転速度にて互いに反対方向に駆動され
る。裏押しローラ２０の外周面の一部には、その母線に
沿って窪み２６が設けられており、この窪みにて版胴１
０の横桁部１０ｃが挟み領域２２を通過するときこれを
受け入れるようになっている。

【００１８】印刷用紙供給トレイ２８、印刷用紙取り出
しローラ３０、印刷用紙送りローラ対３２等よりなる印
刷用紙供給手段が設けられており、印刷に当たって版胴
１０と裏押しローラ２０の回転に同期して印刷用紙を一
枚ずつ挟み領域２２へ供給するようになっている。図示
の実施例に於ては、裏押しローラ２０は、本件出願人と
同一人の出願に係る特開平４−３６１０４３号公報に記
載されている印刷用紙保持手段を備えている。これは裏
押しローラ２０の外周面の一部にその母線に沿って設け
られて挟み領域２２へ送られてくる印刷用紙の先端を裏
押しローラ２０上に保持するクランプ３４と、挟み領域
２２を通過した後の印刷用紙を裏押しローラ上に保持さ
れた状態にて移動させるべく、印刷用紙の両側縁部を裏
押しローラ２０上に押さえつける一対の押さえローラ３
６とを含んでいる。この場合、印刷用紙の先端は押さえ
ローラ３６の下を通過した後、クランプ装置３４より解
放され、剥し爪３８によって裏押しローラ２０より引き
剥がされ、印刷用紙受けトレイ４０上に受けられる。

【００１９】４２は孔版原紙ロールであり、これより引
き出された帯状の孔版原紙４４は、微細な発熱素子の列
を有するサーマルヘッド４６と該発熱素子の列に対し孔
版原紙４４を押し付けるプラテンローラ４８とからなる
原紙書き込み部を通り、一対の原紙送りローラ５０の間
を通り、更に原紙案内装置５２を通って送られ、その先
端が版胴１０の横桁部材１０ｃ上にクランプ１２によっ
て取り付けられ、所定の長さに亙って版胴の回転により
その周りに巻装された後、切断装置５４により切断され
る。

【００２０】使用済みの孔版原紙は、版胴１０の横桁部
材１０ｃ上にクランプ１２により取り付けられていた先
端から始まって、該クランプの解放後、版胴１０の排版
用回転に伴って排版爪５６、排版ローラ対５８により案
内され、排版ボックス６０内へ排版される。

【００２１】版胴１０の上方には原稿を複写して印刷を
行うための原稿読み取り装置６２が設けられている。原
稿読取り装置６２は原稿を載せる原稿載置台６４と、原
稿載置台上に上向きに置かれた原稿をその一端より挟ん
で送る一対の原稿送りローラ６６と、原稿読み取り台６
８上に移動する原稿の着色部を光学的に読み取って電気
信号を発生するＣＣＤ素子のような原稿読み取りヘッド
７０と、読み取りの終った原稿を受台７２へ向けて送る
一対の原稿送りローラ７４とを有している。

【００２２】原稿読み取りヘッド７０は原稿送りローラ
６６及び７４による原稿の送り方向に対し直角の方向に
原稿の幅一杯に亙って延在するよう設けられた多数の点
状原稿読み取り素子を含んでおり、その下を通過する原
稿の着色部を原稿の各送り位置毎にその全幅に亙って一
度に多数のドット位置に分解して読み取るようになって
いる。この場合、原稿の着色部は、長方形原稿の送り方
向に直角の方向を一つの次元による横座標とし、原稿の
送り方向を他の一つの次元による縦座標とする二次元ド
ットマトリックスの各ドット座標位置に於けるオン又は
オフの情報として読み取られるようになっている。

【００２３】原稿読み取りヘッド７０にて得られた原稿
の各縦座標位置に於ける一組の横座標ドット信号の集合
は、コンピュータにて構成された製版制御装置（Ｃ）７
６へ送られる。この製版制御装置７６には、版胴１０の
一方の側縁部に沿って設けられたピッチ模様７８を光学
的に読み取るピッチ模様読み取り装置８０より版胴１０
の回転角度位置に関する情報が供給されるようになって
いる。但しかかるピッチ模様やピッチ模様読み取り装置
による版胴の回転角度位置の確認は一つの実施例であ
り、版胴周面の周方向位置は版胴の回転角度位置によっ
て検出されてもよく、そのための手段としては公知の任
意の位置検出手段あるいは回転角度検出手段が用いられ
てよい。

【００２４】製版制御装置７６は上記の二次元マトリッ
クスに倣った原稿の着色部のパターン情報を作成する。
原稿画像の読み取りが終了し、かかる二次元ドットマト
リックスに倣った画像パターンの作成が終了するかある
いはその終了を待たず、前記各縦座標位置に於ける一連
の横座標の数値群情報が得られる毎に、これらの読み取
り信号はサーマルヘッド制御装置（Ｔ）８２へ供給さ
れ、該サーマルヘッド制御装置はそれに基づいてサーマ
ルヘッド４６の各発熱素子のオンオフを制御する。尚そ
の間、版胴１０は製版制御装置７６からの指令に基づい
て回転駆動装置（Ｄ）８４によって同期回転駆動され
る。

【００２５】版胴１０を本発明の要部をなす印刷画像左
右位置調節手段を伴って機枠２４に着脱可能に取り付け
た構造の一つの実施例が図３に幾分解図的に示されてい
る。図３に於て、版胴に関し図１及び図２にて符号によ
り示された部分に対応する部分は同じ符号により示され
ている。

【００２６】版胴１０は８６にて全体的に示された枠体
によりその中心軸線８８の周りに回転可能に支持されて
いる。枠体８６は、版胴１０を中心軸線８８の周りに回
転可能に支持する軸部９０と、版胴１０を担持した状態
でそれ自身を機枠２４に対し着脱可能に係合させる枠部
９２とを含んでおり、枠部９２の両側縁部９４にてそこ
に回転式に装着された４個のローラ９６が機枠２４に設
けられた一対の案内保持レール９８の案内溝１００に沿
って係合することにより、機枠２４に対し版胴の中心軸
線８８に沿う方向に移動可能に装着されており、これに
よって版胴１０を担持した一つのドラムユニットをな
し、機枠２４に対し、版胴の中心軸線８８に沿う方向
に、図３に示されている如き装填位置とこれより機枠２
４に対し図にて左方へ移動してローラ９６が案内保持レ
ール９８の案内溝１００より外れる機外位置との間に移
動し得るようになっている。版胴１０は、図３に示され
ている如き装填位置にて、その一方の環状部材１０ｂに
設けられた歯車１０ｅの部分にて、図には示されていな
い駆動歯車より駆動されるようになっており、また一方
の環状部材１０ｅに加えられた回転トルクは、図には示
されていないが環状部材１０ａ及び１０ｂの周縁部に設
けられた環状歯車とそれらに噛み合う一対のピニオンと
これら一対のピニオンを互いに連結する軸とにより他方
の環状部材１０ａに同期して伝達され、網材又は多孔板
よりなる周壁１０ｄに捩れを生ずることなく版胴１０全
体が一様に回転駆動されるようになっている。

【００２７】一対の環状部材１０ａ及び１０ｂは一対の
ラジアルスラスト軸受１０２を介して枠体の軸部９０よ
り中心軸線８８の周りに回転可能に支持され又軸部９０
に対する中心軸線８８に沿う方向の移動を規制されてい
る。

【００２８】軸部９０内にはその一端部に開口する孔１
０４が設けられており、該孔の開口端近くはねじ１０６
を切られたねじ孔として形成されている。尚図示の実施
例に於ては、ねじ１０６を切られた部分はねじ部の本体
部に嵌め込まれたスリーブ状の部材により構成されてい
るが、かかる詳細構造はねじ孔形成のための便宜を考え
た設計的事項である。

【００２９】孔１０４のねじ部１０６より内側の部分は
ねじ部１０６の内径をなす山部の頂径より大きくない直
径の円筒部１０８として形成されており、又その一部は
軸部９０の一部が切欠き１１０によって切り欠かれるこ
とにより外部に対し露呈されている。

【００３０】孔１０４には該孔のねじ部１０６に係合す
るねじ部１１２とそれに続くスプライン部１１４とを有
する軸部材１１６がそのねじ部１１２にて孔１０４のね
じ部１０６にねじ係合した状態に装着されている。軸部
材１１６のねじ部側端部には軸線方向に隔置された一対
のフランジ部１１８が設けられており、これら一対のフ
ランジ間に環状溝１２０が形成されている。切欠き部１
１０にて外部に露呈された軸部材１１６のスプライン部
１１４には歯車１２２が係合しており、その軸１２４は
ステップモータと減速歯車装置とを含む駆動ブロック１
２６により支持され又選択的に回転駆動されるようにな
っている。

【００３１】軸部材１１６の一対のフランジ部１１８間
に形成された環状溝１２０には、ステイ１２８にて機枠
２４に固定されたソレノイドアクチュエータ１３０の図
にて上下方向に移動する作動子１３２の先端に設けられ
たピン１３４が選択的に係合するようになっている。機
枠２４に対する軸部材１１６の図３にて右方への移動は
図示の如く作動子のピン１３４が環状溝１２０に係合す
る位置にあるとき外側のフランジ部１１８の端面に係合
するストッパ１３６であって図示の実施例ではアクチュ
エータ１３０のハウジング及びステイ１２８を介して機
枠２４に対し固定された部材によって制限されるように
なっている。ストッパ１３６にはそれに軸部材１１６が
その端面をなす外側のフランジ部１１８にて当接したこ
とを感知するセンサ１３８が設けられている。

【００３２】以上の如き構成に於いて、版胴１０を枠体
８６にて担持したドラムユニットが図示の如く機枠２４
に対する装填位置にあり、軸部材１１６の環状溝１２０
にアクチュエータ１３０の作動子１３２がその先端のピ
ン１３４にて契合した状態にあるとき、駆動ブロック１
２６が図には示されていない印刷画像左右位置調節用パ
ネル（例えば特開平７−１３７２３４号公報に開示され
ている如き装置）により所望の印刷画像左右位置調節を
行うべく作動され、それに伴って歯車１２２を経てスプ
ライン１１４の部分にて軸部材１１６がその中心軸線の
周りにいずれかの方向に回転駆動されると、それに応じ
て軸部材１１６と枠体の軸部９０との間には版胴の中心
軸線８８に沿う方向の相対的変位を生じ、軸部材１１６
がその一対のフランジ部１１８とアクチュエータの作動
子１３２との間の係合により軸線方向の移動を阻止され
ていることから、枠体８６が版胴１０と共に一対の案内
保持レール９８に沿って案内されて図にて左右に変位
し、機枠２４に対し軸線方向位置が固定された裏押しロ
ーラ２０との間に対応する軸線方向変位を生じ、これに
よって裏押しローラ２０の外周面に保持された状態にて
挟み領域２２にて版胴の外周面に出会う印刷用紙に対す
る版胴１０の軸線方向位置が変化し、印刷画像の左右位
置が変化する。

【００３３】版胴１０と枠体８６とが組み合わさったド
ラムユニットが図示の如き機枠２４に対する装填位置よ
り取り外されるべきときには、アクチュエータ１３０が
作動され、作動子１３２がその先端のピン１３４を軸部
材の環状溝１２０より引き抜く方向に移動される。この
状態でドラムユニットはその印刷画像左右位置を所望の
調節状態に保持したまま機外へ引き出される。その後同
型の他のドラムユニットが同じく一対の案内保持レール
９８に沿って図３に示す位置まで機内に押し込まれる
と、その軸部材の端面のフランジ部１１８がストッパ１
３６に当接したところで版胴ユニットの挿入が止まり、
又この時そのことがセンサ１３８により感知され、ここ
でアクチュエータ１３０が作動されてその作動子１３２
のピン１３４が環状溝１２０に嵌入すると、その後は当
該版胴ユニットについて印刷画像左右位置の所望の調節
が同様の要領にて行われてよい。かかる第二のドラムユ
ニットによる印刷が終り、それが機外へ取り外されると
きにも、該ドラムユニットについて行われた印刷画像左
右位置の調節状態はそのまま保持される。

【００３４】かくして複数のドラムユニットのそれぞれ
について印刷に当たって印刷画像左右位置の所望の調節
が行われ、一度取り外されたドラムユニットが再度印刷
のために機枠に装填されると、先の使用の際に調節され
た印刷画像左右位置はその間に他のドラムユニットが使
用され又それについて印刷画像左右位置の調節が行われ
ていても、何らの支障なくそのまま嘗て一度調節された
印刷画像左右位置を保って印刷を行うことができる。

【００３５】以上に於いては本発明を一つの実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明がかかる実施例にのみ限
られるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による印刷画像左右位置調節機構を備え
た版胴式印刷装置の全体的構成の一つの実施例を示す解
図的正面図。

【図２】図１に示す印刷装置の解図的側面図。

【図３】図１及び図２に示す印刷装置の版胴の部分であ
って本発明の要部に係る部分の一つの実施例を幾分解図
的に示す断面図。

【符号の説明】

１０…版胴 １０ａ，１０ｂ…版胴の環状部材 １０ｃ…版胴の横桁部材 １０ｄ…版胴の周壁 １０ｅ…版胴の歯車部 １２…クランプ １４…インク付けローラ １６…ドクターロッド １８…インク隗 ２０…裏押しローラ ２２…挟み領域 ２４…機枠 ２６…窪み ２８…印刷用紙供給トレイ ３０…印刷用紙引き出しローラ ３２…印刷用紙送りローラ ３４…クランプ ３６…押さえローラ ３８…剥し爪 ４０…印刷用紙受けトレイ ４２…孔版原紙ロール ４４…帯状の孔版原紙 ４６…サーマルヘッド ４８…プラテンローラ ５０…原紙送りローラ ５２…原紙案内装置 ５４…切断装置 ５６…排紙爪 ５８…排版ローラ ６０…排版ボックス ６２…原稿読み取り装置 ６４…原稿載置台 ６６…原稿送りローラ ６８…原稿読み取り台 ７０…原稿読み取りヘッド ７２…原稿受台 ７４…原稿送りローラ ７６…製版制御装置 ７８…ピッチ模様 ８０…ピッチ模様読み取り装置 ８２…サーマルヘッド制御装置 ８４…回転駆動装置 ８６…枠体 ８８…版胴の中心軸線 ９０…枠体の軸部 ９２…枠体の枠部 ９４…枠体の側部 ９６…ローラ ９８…案内保持レール １００…案内保持レールの溝 １０２…ラジアルスラスト軸受 １０４…孔 １０６…孔１０４のねじ部 １０８…孔１０４の円筒部 １１０…切欠き １１２…軸部材１１６のねじ部 １１４…軸部材１１６のスプライン部 １１６…軸部材 １１８…軸部材１１６のフランジ部 １２０…環状溝 １２２…歯車 １２４…軸 １２６…駆動ブロック １２８…ステイ １３０…アクチュエータ １３２…作動子 １３４…ピン １３６…ストッパ １３８…センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−246765（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−119412（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−293175（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−1913（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−104159（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41L 13/04 B41F 13/14

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機枠と、 版胴と、 前記版胴に印刷用紙を押し合わせる裏押しローラと、 前記版胴をその中心軸線の周りに回転可能に担持する枠
   体とを有し、 前記機枠は前記枠体の一部と着脱可能に係合して該枠体
   を前記版胴の中心軸線に沿う方向に移動可能に案内しつ
   つ保持する案内保持手段を有し、前記枠体と該枠体によ
   り担持された前記版胴とを取り出し可能に収納するよう
   になっており、 前記枠体に設けられ前記版胴の中心軸線に沿う方向の移
   動経路に沿って少なくとも印刷画像の左右位置調節代の
   最大値に相当する移動距離だけ該枠体に対し移動可能な
   変位部材と、前記変位部材を前記枠体に対し前記移動経
   路に沿って選択的に移動させる駆動手段と、前記枠体が
   前記機枠内の装填位置にあるとき前記変位部材の一部を
   前記機枠に選択的に係止する係止手段とを含む印刷画像
   左右位置調節手段が設けられており、前記変位部材が前
   記一部にて前記係止手段により前記機枠に係止されてい
   る状態で前記駆動手段が前記変位部材を前記移動経路に
   沿って前記枠体に対し移動させることにより印刷画像の
   左右位置が調節されるようになっていることを特徴とす
   る版胴式印刷装置。
2. 【請求項２】前記変位部材はねじ部を有する軸部材であ
   り、該ねじ部にて前記枠体の一部に設けられたねじ孔に
   ねじ係合しており、前記駆動手段は前記軸部材をその中
   心軸線の周りに前記枠体に対し選択的に回転駆動する手
   段であることを特徴とする請求項１に記載の版胴式印刷
   装置。
3. 【請求項３】前記駆動手段は前記軸部材の他の一部に設
   けられたスプライン部と、該スプライン部に係合する歯
   車と、該歯車を回転駆動する電動機とを含んでいること
   を特徴とする請求項２に記載の版胴式印刷装置。
4. 【請求項４】前記軸部材は前記枠体に前記版胴の中心軸
   線に沿って配置されていることを特徴とする請求項２又
   は３に記載の版胴式印刷装置。
5. 【請求項５】前記係止手段による前記変位部材の前記機
   枠に対する係止位置に前記変位部材を位置決めする位置
   決め手段が設けられていることを特徴とする請求項１〜
   ４のいずれかに記載の版胴式印刷装置。