JP2807890B2 - 輪転式孔版印刷装置 - Google Patents

輪転式孔版印刷装置

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JP2807890B2
JP2807890B2 JP4702989A JP4702989A JP2807890B2 JP 2807890 B2 JP2807890 B2 JP 2807890B2 JP 4702989 A JP4702989 A JP 4702989A JP 4702989 A JP4702989 A JP 4702989A JP 2807890 B2 JP2807890 B2 JP 2807890B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、孔版印刷の技術分野に係り、特に輪転式孔
版印刷装置に係る。
従来の技術 孔版印刷装置の一つとして、中心軸線の周りに回転可
能なよう支持されインキ通過孔を有する円筒状の周表面
に穿孔された孔版原紙が巻き付け装填されるよう構成さ
れた印刷ドラムと、前記印刷ドラムの中心軸線に平行に
配置された中心軸線の周りに回転可能なよう支持されそ
の円筒状の周表面と前記印刷ドラムの周表面との間に印
刷を施されるべきシートを挾んで送る挾み領域を形成す
る裏押しローラとを有する輪転式孔版印刷装置が知られ
ている。かかる輪転式孔版印刷装置に於ける印刷ドラム
は、従来無地の円筒壁を有する金属製シリンダ要素の該
円筒壁にインク通過用の多数の孔が穿孔された構造に作
られており、その円筒壁は印刷ドラム全体の強度と剛性
を保持するに必要な肉厚を有する板として構成されてい
る。
発明が解決しようとする問題点 上記の如き印刷ドラムと裏押しローラとを有する輪転
式孔版印刷装置に於ては、インキは印刷ドラムの内部へ
供給され、これよりインキは印刷ドラムの周壁に開けら
れた孔を通って周壁の外側に達し、そこに円筒状に巻き
付けられた孔版原紙の内側に供給され、更に孔版原紙の
穿孔部を経て孔版原紙の外側に達するようになってい
る。
かかる構成を有する従来の輪転式孔版印刷装置に於て
は、印刷ドラムは或るかなりの厚みを有する板材よりな
る円筒体構造であることと、またこの板材よりなる円筒
体に開けられたインキ通過孔の開口密度には印刷ドラム
の強度と剛性を保持する観点から自ずと制限が課せられ
ること、これらの互いに隔置された孔を通って送られる
インキを孔と孔の中間部へも均一に分配するため通常円
筒体の周りに二重〜三重に線材を織製又は編製してなる
網材が巻かれていることから、印刷ドラムの内部へ供給
されたインキがその外周面に沿って巻き付け装填された
孔版原紙の隔部へ均一に供給されるまでにはかなりの量
のインキの予備移動を必要とし、またそれには当然かな
りの時間を要し、そのため印刷ドラムに新しい孔版原紙
が装填され、新たな印刷が開始されるに当っては、良質
の印刷物が得られるようになるまでにどうしても数枚に
及ぶ初期の試し刷りを行うことが不可避であった。
ところで、孔版式に限らず、輪転式印刷装置に於て
は、印刷ドラムと裏押しローラの間の挾み領域に印刷を
施されるべきシートが供給されていないとき該挾み領域
が閉じられると、裏押しローラの表面がインキによって
汚染されるので、印刷ドラムと裏押しローラとが互いに
押し合されるのは、挾み領域に印刷シートが供給されて
いる時のみ許されるようになっていなければならず、そ
のため輪転式印刷装置に於ては、挾み領域への印刷シー
トの供給を感知し、これに応答してその都度一般的には
押出しローラの方を印刷ドラムへ向けて駆動する構造が
用いられている。これは、印刷ドラムに比して押出しロ
ーラの方が小径に且軽量に構成され得るので、印刷シー
トの供給に感応して急速に駆動されるべき物体として
は、より良質の小さい押出しローラの方が適しているか
らである。
かかる印刷シートの供給に同期した裏押しローラの移
動が必要であることに加えて、特に輪転式孔版印刷装置
に於ては、印刷ドラムにはその円筒状周表面の母線の一
つに沿って延在する孔版原紙始端取付装置が不可欠の構
成要素として設けられており、この孔版原紙始端取付装
置は一般に印刷ドラムの円筒状周表面よりはかなり突き
出た構造を有するので、裏押しローラは、印刷ドラムの
回転に際して、この孔版原紙始端取付装置との衝突を避
けるため、印刷ドラムに直接接することによるインキ汚
染を避けるに必要な僅かの距離以上のかなり大きい距離
だけ印刷ドラムより引離されなければならない。そのた
め輪転式孔版印刷装置に於ては、裏押しローラは、その
質量を下げるべく印刷ドラムに比してかなり小さい直径
のものとされても、なお、かなり大きな距離に亙って印
刷ドラムの回転に同期して大きな加速度にて往復動され
なければならず、そのため裏押しローラを支持し且駆動
する構造部はかなり強固で大重量の構造となり、印刷装
置の重量とコストを増大させるばかりでなく、印刷装置
の運転時にかなりの騒音と振動を発生するという問題が
ある。
上述の輪転式孔版印刷装置に於ける裏押しローラの軸
偏位の必要性をなくしまた初期試し刷りの必要枚数を殆
ど零とすることが可能なよう改良された輪転式孔版印刷
装置が、本件出願人と同一の出願人による特願昭63−28
553号に於て提案された。
上記の先の出願にて提案された輪転式孔版印刷装置
は、中心軸線の周りに回転可能なよう支持されインキ通
過孔を有し円筒状の周表面に穿孔された孔版原紙が巻き
付け装填されるよう構成された印刷ドラムと、前記印刷
ドラムの中心軸線に平行に配置された中心軸線の周りに
回動可能なよう支持されその円筒状の周表面と前記印刷
ドラムの周表面との間に印刷を施されるべきシートを挾
んで送る挾み領域を形成する裏押しローラとを有する輪
転式孔版印刷装置にして、前記印刷ドラムは前記インキ
通過孔を有する周壁部が線材を織製又は編製してなる網
材のみにて実質的に構成されており、実質的に前記網材
のみよりなる周壁部にその半径方向内側より当接しこれ
を前記裏押しローラへ向けて半径方向外方へ押す中押し
ローラが設けられていることを特徴とする輪転式孔版印
刷装置である。
上記の如く印刷ドラムのインキ通過孔を有する周壁部
が線材を織製又は編製してなる網材のみにて実質的に構
成される時には、かかる実質的に網材のみよりなる印刷
ドラムの周壁部は、網材の目が適度に小さくされていれ
ば、ドラムの内側へ供給されたインキをその周りに巻き
付け装填された孔版原紙の内側表面の全域に急速且均一
に導くことができるので、印刷ドラムに新たに孔版原紙
が装填され、新たな印刷が開始される時にも、第1枚目
の印刷から、また印刷画像の濃淡に大きな偏りがありイ
ンキの供給に大きな偏りを要するような場合にも、第2
枚目の印刷くらいから正常な印刷物を得ることが可能と
なる。
印刷ドラムのインキ通過孔を有すべき周壁部、即ち印
刷ドラムの両端を除く主要部を実質的に網材のみにて構
成し、その内部に中押しローラを外部より操作可能に組
込むことは、その一つの方式として、印刷ドラムの両端
部を一対の環状部材によって構成し、これら両環状部材
を前記の孔版原紙始端取付装置を設けるに必要な横木を
利用して強固に連結し、その間に網材を張設することに
よって達成される。
またこのように印刷ドラムのインキ通過孔を有する主
要な周壁部が実質的に網材のみにて構成される時には、
かかる実質的に網材のみよりなる周壁部は大きな可撓性
と局部的膨出性を有するので、その一部であって裏押し
ローラに対向する部分をその内部より中押しローラによ
り半径方向外方へ押せば、その部分は容易に半径方向外
方へ弾性的に膨出することができるので、かかる中押し
ローラの半径方向移動を制御することによって、印刷ド
ラムと裏押しローラの間の軸線間距離を変えることなく
一定に保ったままであっても、印刷ドラムと裏押しロー
ラの間の挾み領域に印刷シートがある時にのみ印刷ドラ
ムと裏押しローラの周壁部を互いに押し合せ、該挾み領
域に印刷シートがない時には両者の接触を回避するとい
う制御を容易に達成することができ、裏押しローラの軸
偏位のための駆動機構の必要性及びその運転に伴う騒音
の問題を共になくすることがでる。
印刷ドラムと裏押しローラの間の挾み領域に印刷シー
トがないときに両者が直接接触することを避けるために
は、両者の周囲が数ミリ程度の極く小さな距離だけ隔て
られれば十分であり、この程度の偏位は実質的に網材の
みよりなる印刷ドラム周壁部の中押しローラによる弾性
変形によって容易に達成されるものである。
尚、印刷ドラムの回転に伴ってその周表面の母線の一
つに沿って設けられた上述の孔版原紙始端取付装置を備
えたローラに近接して挾み領域を通過する間、両者の干
渉を避けることが必要であるが、このことは裏押しロー
ラの外径を印刷ドラムの外径と同一にし、両者を同一の
回転速度にて互いに同期して反対方向へ回転させるよう
にし、裏押しローラにその円筒状周表面の母線の一つに
沿って印刷ドラムの横木を受入れる溝を設けて置くこと
により容易に達成される。この場合、裏押しローラは最
早従来の裏押しローラの如く印刷ドラムの回転に伴って
その軸線を偏位させる必要はないので、その質量の大き
さは問題とならず、また単に寸法的にはこれを印刷ドラ
ムと同径のものとすることに何らの問題はない。
上述の如き先の提案による輪転式孔版印刷装置の構成
に於て、印刷ドラムは、上記の如く孔版原紙始端取付装
置の担持に必要な横木の両端部に一対の環状部材が固定
され、これら一対の環状部材の間に線材を織製又は編製
してなる網材が張渡された構造とされているが、かかる
構造の印刷ドラムは、その構造より理解される通り、そ
の全体としての剛性、特にその回転中心軸線の周りの捩
りに対する剛性がかなり小さいものである。そのため、
一対の環状部材の間に張渡された網材には印刷ドラムの
回転中心軸線の周りの捩れ、即ち一対の環状部材の間の
相対的回転方向偏位に基く捩れが生じ易いという問題が
ある。線材を織製又は編製してなる網材自身はかかる捩
れを吸収するに十分高い柔軟性を有しているが、かかる
原因に基く網材の捩れが生ずると、その周りに巻き付け
られた孔版原紙に皺が生じ、印刷画像に歪みが生ずる虞
れがある。
問題点を解決するための手段 本発明は、上記の如き本件出願人と同一の出願人の先
の提案になる輪転式孔版印刷装置に於ける印刷ドラムの
捩れに起因する印刷画像の歪みの問題に対処し、この問
題を解消すべく改良された輪転式孔版印刷装置を提供す
ることを目的としている。
かかる目的を達成するため、本発明は、印刷ドラム
を、該印刷ドラムの軸線方向両端部を構成する二つの環
状部材と、該印刷ドラムの円筒状周壁の一つの母線に沿
って前記二つの環状部材の間に延材し孔版原紙の始端を
選択的に取り付ける孔版原紙始端取付装置と、インキ通
過孔を有し展開形状が長方形である周壁部材とを有する
構造とし、前記周経部材が、印刷ドラムの回転に伴う印
刷ドラム周壁の移動の進行方向前端となる前縁にて原紙
紙始端取付装置に固定され、これより他端の後縁へ向け
て両側縁部を前記二つの環状部材の周面上に自由に着座
させて該環状部材の周りに巻きつけられ、該後縁にて両
側縁の部分を前記環状部材の周面上に巻き付ける方向に
弾力的に引っ張られ、印刷ドラムの回転に伴って前記挾
み領域にて前記前縁より前記後縁へ向けて前記中押しロ
ーラによりスキージングされるよう構成されることを提
案するものである。
作用及び効果 輪転式孔版印刷装置、特にその印刷ドラム、が上記の
如く構成されることにより、印刷ドラムの周壁を構成す
る前記周壁部材は、その両側縁部が二つの環状部材の周
面上にその周方向への摺動を拘束されることなく自由に
着座した状態に保持され、二つの環状部材の間に相対的
な角度偏倚が生じても、それによって円筒状に巻かれた
周壁部材に捩れが及ぼされることはない。両側縁部を二
つの環状部材の周面上に自由に着座させた状態に巻かれ
た周壁部材は、印刷ドラムの回転に伴うその周壁の移動
の進行方向前端となる前縁にて原紙紙始端取付装置に固
定され、この固定端の近傍より始まって印刷ドラムの回
転に伴い後縁へ向けて挾み領域にて中押しローラにより
スキージングされるので、周壁部材は印刷ドラムが1回
転する毎に与えられるこのスキージング作用により環状
部材の周りにたるみを生ずることなく常にぴったりと巻
きつけられた状態に維持される。
またこの場合、後述の実施例の説明からも理解される
如く、一対の環状部材の間に延在する孔版原紙始端取付
装置は、単に孔版原紙始端取付装置としての機能を果す
のみでよく、一対の環状部材を互いに連結する荷重担持
部材として機能する必要はないので、軽量で薄い構造と
され得、印刷ドラムの孔版原紙担持円筒面より内側に収
められ、中押しローラの印刷シート挾み領域制御のため
の駆動機構を利用して中押しローラとの干渉が容易に避
けられる構造に構成され得るので、裏押しローラには孔
版原紙始端取付装置との干渉を避けるための窪みは最早
必要とされず、従って裏押しローラの直径を印刷ドラム
の直径より小さくした印刷装置を構成することが可能と
なる。
実施例 以下に添付の図を参照して本発明を一つの実施例につ
いて詳細に説明する。
第1図は本発明による輪転式孔版印刷装置の要部の構
成を解図的に示す側面図であり、第2図は第1図に示さ
れている構成を含む印刷装置を第1図の右方より見た図
である。
これらの図に於て、1は印刷ドラムであり、2は裏押
しローラである。印刷ドラム1はその両端部を環状部材
3a、3bにより構成されており、これら環状部材3a、3bの
周面上には、後程詳細に説明される如く、両側縁部にて
自由に着座した状態にて線材を織製、不織製又は編製し
てなる網材、例えばステンレスワイヤを縦横に織製して
なる網材4が、円筒状に設置されている。印刷ドラム1
の母線に沿う一部には、横木5が設けられており、この
横木には印刷ドラムの周りに開き付け装填される孔版原
紙の始端を選択的に取付けるための種々の態様にて公知
の孔版原紙始端取付装置(図に於ては省略されている)
が設けられている。第1図及び第2図に示す実施例に於
ては、横木5は同時に環状部材3aと3bの両者を剛固に連
結する部材としても機能している。印刷ドラム1は、そ
の両端の環状部材3a及び3bの部分にてそれより両側へ突
出た環状軸部6a及び6bがそれぞれ軸受7a及び7bを経てケ
ーシング8に回転可能に装着されることにより、その中
心軸線の周りに回転可能なよう支持されている。裏押し
ローラ2は、その両端より突出た軸部9a及び9bがそれぞ
れ軸受10a及び10bを経てケーシング8に回転可能に装着
されることにより、その中心軸線の周りに回転可能なよ
う支持されている。
印刷ドラム1と裏押しローラ2は、それぞれの一端部
に装着された同径の環状歯車11と12との噛合いにより、
第1図にて矢印により示されている如く互いに反対方向
に同期して同速度にて回転するようになっており、この
回転は裏押しローラ2の軸9bが内部に電動機を含む駆動
装置13によって駆動されることにより行われるようにな
っている。尚、裏押しローラ2には印刷ドラム1の横木
5に対応してそれを受入れることのできる溝14が形成さ
れている。
第1図及び第2図に於ては、印刷ドラム1と裏押しロ
ーラ2の円筒状周表面の間の距離は図示の目的でそれら
の直径に比して誇張して大きく示されているが、この間
隔は印刷ドラムの直径が十数センチである実際の装置に
於ても2〜5mm程度の極く小さいものとされてよい。こ
の部分が印刷に当って印刷を施されるべきシートSを挾
み込む挾み領域15である。尚、16及び17はシートSを挾
み領域15へ向けて送るための送りローラである。
印刷ドラム1内には、その実質的に網材4のみよりな
る周縁部の母線に沿う一部であって裏押しローラ2に対
向する部分を選択的に該裏押しローラへ向けて半径方向
外方へ押出すための中押しローラ18が設けられている。
この中押しローラはその中心軸線に整合して延在する軸
19により回転可能に支持されており、軸19はその両端部
にて軸20よりアーム21a及び21bを経て支持されている。
軸20は印刷ドラム1の両端部に於ける環状軸部6a及び6b
の内部を貫通して延在しており、その両端部にて軸受22
a及び22bを経てケーシング8より回動可能に支持されて
いる。軸20の一端はてこ23及びリンク24を経て駆動装置
13に連結されており、挾み領域15に印刷シートが供給さ
れているときに駆動装置13より印刷ドラム1及び裏押し
ローラ2の回転に同期して駆動されるようになってい
る。即ちシートSが挾み領域15内に供給されていて印刷
が行われるべき時には、横木5が存在する母線領域を除
く他の領域に於てのみ網材4よりなる印刷ドラム周壁部
を裏押しローラへ向けて半径方向外方へ弾性的に押出す
べく、中押しローラ18は第3図に示されている位置へ移
動される。
印刷用インキは図には示されていないインキ供給装置
により従来の輪転式孔版印刷装置に於けると同じく印刷
ドラム1の内部へ供給され、これより特に挾み領域15の
部分へ向けてその周壁部へ内側より供給される。従来の
輪転式孔版印刷装置に於ては、印刷ドラムの内部へ供給
されたインキを挾み領域15に対応する位置にて印刷ドラ
ムの周壁へその内側より塗り付け、該周壁に設けられた
インキ通過孔を経てその外部へ押出すために、丁度図示
の中押しローラ18に類似するインキ供給ローラが設けら
れている。本発明に於ては、かかるインキの供給のため
のインキ供給ローラは中押しローラ18によって兼ねられ
てよい。従って図示の実施例に於ける中押しローラ18
は、印刷ドラムの網材4よりなる周壁部を裏押しローラ
2へ向けて半径方向外方へ選択的に押出す作用を行うロ
ーラとして作動すると同時に、印刷ドラムの周壁部にそ
の内側よりインキを供給するインキ供給ローラとしても
作動する。かかる中押しローラは、丁度四角の枠体に網
材を張った初期の手動式謄写版装置に於て、孔版原紙を
印刷面に対し押付ける作用を行うと同時にインキを供給
する作用を行っていた手押しローラと同様の働きをする
ものである。
以上の如き構成によれば、そのインキ通過部を実質的
に網材のみにて構成された印刷ドラム1は、その内部に
供給されたインキを薄い網材の層よりなる周壁部を経て
その外面に沿って巻き付け装填された孔版原紙の全域に
対し容易に直接的に供給することできるので、印刷ドラ
ムの周りに新しい孔版原紙が巻き付け装填され、新たな
孔版印刷が行われる時にも、第1枚目の印刷の時から十
分なインキの供給が行われ、無駄な試し刷りを重ねるこ
となく孔版印刷を行うことができる。
また印刷ドラム1と裏押しローラ2の間の軸線間距離
を印刷ドラムの回転に同期して変化させる装置は必要と
されず、中押しローラ18を第1図に示す状態と第3図に
示す状態との間で移動させる作動は図示の実施例に於け
る如く軸20を僅かに回動させることによって達成される
ので、そのための駆動構造は極めて簡単で済み、しかも
中押しローラ18は軽量なものでよく、その移動距離も極
く小さいので、その作動は殆ど騒音を発生することなく
行われる。
第4図は印刷ドラム1の構造を第2図に示された構造
より幾分修正された形にて詳細に示す斜視図である。即
ち、第4図に示す印刷ドラムに於ては、環状歯車11が印
刷ドラムの両端部に一対の環状歯車11a及び11bとして設
けられており、またこれに関連してこれら一対の環状歯
車11a及び11bとそれぞれ噛合う一対のピニオン25a及び2
5bが設けられており、これら一対のピニオンは軸26によ
り互いに連結され同時に回転するようになっている。尚
第4図には示されていないが、軸26の両端はそれぞれケ
ーシング8に対応して設けられた一対の軸受部に回転可
能に受けられるようになっている。このように一対の環
状歯車11a及び11bとこれに関連して軸26にて互いに連結
された一対のピニオン25a及び25bを設けた構造とするこ
とにより、環状部材3aは第2図に示された構造に於ける
如く横木5のみを経て環状部材3bより駆動される場合に
比して環状部材3bに確実に同期して駆動されるので、環
状部材3aと3bの間に相対的捩れ回転が生ずる度合が低減
される。
長方形の展開形状を有する網材4は、第4図にては横
木5の裏側に位置して見えないその前縁の部分にて横木
5に設けられた孔版原紙始端取付装置に固定され、その
両側縁部4sにて環状部材3a及び3bの周面上に自由に着座
した状態にてその周りに円筒状に巻かれ、その後縁4tの
部分、特にその両側縁4sに並んだ部分にて、一対の引張
りコイルばね27a及び27bにより両側縁部4sが環状部材3a
及び3bの周面上に巻き付く方向に横木5に向けて弾力的
に引張られている。
かかる構成によれば、たとえ環状部材3aと3bの間に相
対的な捩れ回転偏位が生じても網材4はその両側縁部に
て環状部材3a及び3bに対して回転方向に滑ることができ
るので、網材4には捩れは生じず、その周りに張付けら
れた孔版印刷原紙が皺になることはなく、歪みのない印
刷画像が得られる。このことは試験機にて確認されてい
る。
ところで、本発明による如く印刷ドラムのインキ通過
孔を有する周壁部が線材を織製、不織製又は編製してな
る長方形状の網材のみて実質的に構成され、しかもこの
網材の両側縁部が一対の環状部材3a及び3bの周面上に自
由に着座した状態に取付けられる時には、もしこれら一
対の環状部材が第4図の実施例に於ける如くそれぞれが
環状歯車11a及び11bを備え、一対のピニオン25a及び25b
を担持する軸26を介して互いに同期的に駆動されるなら
ば、両環状部材は横木5によって強固に連結される必要
はない。従って横木5は第2図或いは第4図の実施例に
示されている如く環状部材3a及び3bを比較的強固に結合
する太くて丈夫な部材として構成される代わりに、第5
図及び第6図に示されている如く環状部材3a及び3bの周
面に沿って湾曲した比較的薄い板状の部材として構成さ
れてもよい。このように横木5が環状部材3a及び3bの周
面に沿った薄い板状の部材として構成される時には、中
押しローラ18を第1図に示されている後退位置と第3図
に示されている前進位置との間で移動させる中押しロー
ラ駆動機構を利用して横木5が中押しローラの近傍を通
過する際に中押しローラを僅かにドラムの内部へ向けて
偏位させることにより中押しローラと横木5の間の干渉
を容易に回避することができる。このように横木5及び
それに設けられた孔版原紙始端取付装置が環状部材3a及
び3bの周面或いはその周りに巻かれた網材4による印刷
ドラムの外周面より半径方向外方へ突き出ない構造とさ
れる時には、第1図及び第3図に示されている如く裏押
しローラ2に横木と同期してこれを受入れる溝14が設け
られる必要はなくなり、従って裏押しローラ2は第5図
に示されている如く印刷ドラム1の直径より小さい任意
の直径のローラとして構成され得、これによって印刷装
置の重量及び寸法を第1図〜第3図に示す実施例に比し
て大きく低減することができる。
第6図にはかかる薄形の横木5を用いて構成された印
刷ドラムの一つの実施例が第4図と同様の要領にて斜視
図により示されている。図示の如く横木5は環状部材3a
及び3bの間に延在しこれら環状部材の周面に沿う円筒面
の外面を呈するように湾曲された帯状の板材として構成
されており、その前縁部5fの部分の網材4の前縁部4lが
ろう付け、押え金具その他の適当な取付手段により取付
けられている。網材4の後縁4tの両側縁部を網材が環状
部材3a及び3bの周りに巻き付けられる方向に引張る引張
りコイルばね27a及び27bは横木5の後縁部5eの両端部に
沿って切り欠かれた溝28a及び28b内に収められており、
網材4によって与えられる印刷ドラムの外周面より挾み
領域15の間隙巾以上に外に突き出ないようになってい
る。
横木5の中央部には帯状の金属板29が磁力により吸着
された状態に保持されている。この金属板29は孔版原紙
の始端を横木5に取付けるための孔版原紙始端取付装置
を構成するものである。かかる帯状の金属板29は非常に
薄いものでよく、かかる金属板が横木5上に孔版原紙の
始端を挾んだ状態で磁力にて吸着された状態に保持され
ても、印刷ドラムの外周面が滑かな円筒形状となること
を殆ど妨げず、挾み領域15が数ミリの大きさに保たれる
だけで裏押しローラ2に干渉する虞れはない。
かくして、本発明によれば、印刷ドラムのインキ通過
孔を有する周壁部を網材のみにて実質的に構成するとい
う前記の先の提案になる基本構成を有する輪転式孔版印
刷装置を印刷画像に歪みを生ずることなく実施すること
ができる。また第4図及び第6図により詳細に例示され
ている構造より明らかな通り、本発明による印刷ドラム
の構造はその製作及び組立てが極めて容易且安価に行え
るものであり、また必要に応じて網材を取換える保守の
作業も極めて容易に行えるものである。
以上に於ては本発明を一つの実施例について詳細に説
明したが、本発明がかかる実施例にのみ限られるもので
はなく、本発明の範囲内にて他に種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による輪転式孔版印刷装置の構造の要部
を解図的に示す側面図、第2図は第1図に示されている
構造を含む印刷装置を第1図にて右方より見たところを
示す一部解図的表示による図、第3図は第1図に示す構
造を他の作動状態にて示す第1図と同様の図、第4図は
印刷ドラムの一つの構造をより詳細に示す斜視図、第5
図及び第6図は印刷ドラムの他の一つの実施例を示す第
1図及び第4図にそれぞれ類似する図である。 1……印刷ドラム,2……裏押しローラ,3a、3b……環状
部材,4……網材,5……横木,6a、6b……環状軸部,7a、7b
……軸受,8……ケーシング,9a、9b……軸部,10a、10b…
…軸受,11、11a、11b、12……環状歯車,13……駆動装
置,14……溝,15……挾み領域,16、17……ローラ,18……
中押しローラ,19、20……軸,21a、21b……アーム,22a、
22b……軸受,23……てこ,24……リンク、25a、25b……
ピニオン,26……軸,27a、27b……引張りコイルばね,28
a、28b……溝,29……金属板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心軸線の周りに回転可能に支持され、イ
    ンキ通過孔を有する円筒状の周壁を有し、該円筒状周壁
    上に穿孔された孔版原紙が巻き付け装填されるよう構成
    された印刷ドラムと、 円筒状周表面を有し、前記印刷ドラムの中心軸線に平行
    に配置された中心軸線の周りに回転可能に支持され、前
    記円筒状周表面と前記印刷ドラムの周壁との間に印刷を
    施されるべきシートを挾んで送る挾み領域を形成する裏
    押しローラと、 前記印刷ドラム内に設けられ、該印刷ドラムの前記周壁
    の前記裏押しローラに向かい合った部分を半径方向内側
    より半径方向外向きに選択的に押し出す中押しローラ
    と、 を有し、前記印刷ドラムは、 該印刷ドラムの軸線方向両端部を構成する二つの環状部
    材と、 前記円筒状周壁の一つの母線に沿って前記二つの環状部
    材の間に延在し孔版原紙の始端を選択的に取り付ける孔
    版原紙始端取付装置と、 インキ通過孔を有し展開形状が長方形である周壁部材と
    を有し、 前記周壁部材は、前記印刷ドラムの回転に伴う該周壁の
    移動の進行方向前端となる前縁にて前記原紙始端取付装
    置に固定され、これより他端の後縁へ向けて両側縁部を
    前記二つの環状部材の周面上に自由に着座させて該環状
    部材の周りに巻き付けられ、該後縁にて両側縁の部分を
    前記環状部材の周面上に巻き付ける方向に弾力的に引っ
    張られており、該印刷ドラムの回転に伴って前記挾み領
    域にて前記前縁より前記後縁へ向けて前記中押しローラ
    によりスキージングされることを特徴とする輪転式孔版
    印刷装置。
  2. 【請求項2】前記中押しローラは、前記円筒状周壁にそ
    の内側から当接しこれを半径方向外方へ押し出すよう移
    動するとき、同時に前記周壁が郭定する円筒面に沿って
    前記周壁の回転方向に偏倚することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の輪転式孔版印刷装置。
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