JP3507535B2 - 熱インクジェットインク及びその製造方法 - Google Patents

熱インクジェットインク及びその製造方法

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JP3507535B2
JP3507535B2 JP28989193A JP28989193A JP3507535B2 JP 3507535 B2 JP3507535 B2 JP 3507535B2 JP 28989193 A JP28989193 A JP 28989193A JP 28989193 A JP28989193 A JP 28989193A JP 3507535 B2 JP3507535 B2 JP 3507535B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般的にはインクジェッ
トプリンタ用のインク組成物およびその製造法に関し、
詳しくは熱インクジェット印刷用の水性インク配合物に
おける水溶性染料および水不溶性染料の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】熱インクジェットプリンタはコンピュー
タとともに通常使用される他の種類のプリンタに対して
低コスト、高品質および比較的騒音のないオプションを
提供する。このようなプリンタはプレナムから出て行く
インクの出口を備えた小室中に抵抗体素子を使用してい
る。プレナムはインクを貯蔵するインク溜めに接続され
ている。複数のこのような抵抗体素子がプリントヘッド
にプリミティブ(primitive)と呼ばれる特定
のパターンに配列されている。それぞれの抵抗体素子は
ノズルプレートの一つのノズルに接続されていて、この
ノズルからインクが印刷媒体に向って噴射される。プリ
ントヘッドとインク溜めよりなる全アセンブリはインク
ジェットペンを構成する。
【0003】動作は、各抵抗体素子が導電性トレースを
介してマイクロプロセッサに接続されており、このマイ
クロプロセッサによって電流搬送信号が発生されて少な
くとも一つの選択された素子が加熱される。この加熱は
小室中に気泡を発生させて気泡がインクをノズルから印
刷媒体に向って噴射する。このようにして、所定のプリ
ミティブに特定の順序で配列された複数のこのような抵
抗体素子の瞬間加熱によって媒体上に英数字の活字が形
成され、領域が充填され、他の印刷能力が付与される。
【0004】インクジェット印刷用と記述されている多
くのインクは通常は非熱インクジェット印刷に関するも
のである。このような非熱インクジェット印刷の一つの
実例は印刷媒体にインクの小滴を噴射するために圧電素
子を使用する圧電インクジェット印刷である。このよう
な非熱用途に好適に使用されるインクはインク組成物に
対する加熱の影響のために熱インクジェット印刷に使用
できないことが少なくない。水溶性染料を使用して調製
された二種類のインクは互いに隣接して印刷されるとブ
リードを生じ耐水堅牢性も低下する傾向がある。ここで
使用されるブリードという用語は印刷媒体上に一つのイ
ンクドットが他のインクドットに隣接して置かれるとき
に生ずる染料の相互拡散を示す。二つのドットが色相の
異なる染料を含むならば、起る現象はカラーブリードと
呼ばれインクジェット印刷には極めて好ましくない。
【0005】ブリードの抑制は様々の方法で実施されて
きた。すなわち(a)ドットが離されるか、隣接するド
ットの印刷の間に時間のずれを持って配置されるプリン
タ技術、(b)インクの拡散時間が最小になるような高
速乾燥インクの使用、および(c)乾燥を促進するため
のヒーターおよび/または送風器の使用はこれらの幾つ
かの実例である。
【0006】プリンタ技術の利用はプリンタの制御に複
雑なアルゴリズム(計算法)を必要をする。これらはプ
リンタの処理量(効率)を低下させる。高速乾燥インク
は印刷媒体上で拡がる傾向があるために、しばしばブリ
ードの抑制が不十分になる。加熱板はコストを高めプリ
ンタを複雑にする。水、油、界面活性剤および共界面活
性剤(cosurfactant)よりなる熱力学的に
安定な等方性“溶液”として定義されるマイクロエマル
ションが従来インクジェット印刷用の水不溶性染料を可
容化するために使用されてきた。水の機能はマイクロエ
マルション小滴のために連続相を提供してエントロピー
手段によるマイクロエマルション小滴の生成を容易にす
る。油は主としてマイクロエマルション小滴−不連続相
中に存在する水不溶性物質である。界面活性剤は主とし
てマイクロエマルション小滴の生成の原因になる両親媒
性、界面活性、自己凝集性化学種である。共界面活性剤
もマイクロエマルション小滴中で著しく濃縮される両親
媒性化学種であって小滴に安定性を付与する。
【0007】インクジェット技術において通常使用され
る共溶媒(cosolvent)という用語は水の蒸気
圧よりもかなり低い蒸気圧を有する水混和性溶媒を示
す。共溶媒は通常、ノズルの目詰まりを防止するために
添加される。しかしながら、ある種の共溶媒はまたマイ
クロエマルション小滴を安定化させる。マイクロエマル
ション型インクの成功は得られた印刷サンプルにおける
スレッディング(threading)あるいはフェザ
リング(feathering)の程度のために制約さ
れる。これらのインクに適用される有機溶媒および界面
活性剤の高濃度の組み合わせが紙の繊維と充てん剤を広
範囲に湿潤させて、フェザリングを起させる結果にな
り、最終的にはエッジの鮮鋭度が悪くなる。
【0008】周囲温度においては固体であるが高温度
(例えば70°C)においては液体であるマイクロエマ
ルション型インクを使用することによってこのような印
刷品質の欠陥を克服するための試みが行なわれてきた、
例えば米国特許第5,047,084号参照。しかしな
がら、これらのインクはプリントヘッドおよびプリンタ
に新たな要求、例えば噴射の前にインクを液体の形態に
保持するための予熱器および印刷媒体上に形成された固
体インク小滴(レンズレット(lenslet))を平
坦にするためのローラーを提起し、したがって製品をよ
り複雑でコスト高にする。
【0009】関連特許出願である1992年3月18日
に出願された本出願人による米国特許出願07/85
3,471号は水不溶性染料を含有するマイクロエマル
ション型インクを開示し、請求している。これらのイン
クは実質的な耐水堅牢性を有しステッディングを生ぜず
ブリードが軽減される。このインクジェットインクは、
(a)約0.05〜0.75重量%の高分子量ユロイ
ド、(b)少なくとも一つの界面活性剤と少なくとも一
つの共界面活性剤よりなる約0.1〜40重量%の少な
くとも二つの界面活性剤、(c)約0.5〜20重量%
の少なくとも一つの共溶媒、(d)約0.1〜5重量%
の少なくとも一つの水不溶性染料、(e)約0.1〜2
0重量%の油、および(f)残余の水よりなる配合を有
する。これらのインクは安定なマイクロエマルションを
生成し、ブリードが軽減されて線の鮮明度が優れる結果
になる。
【0010】商業的に入手可能な水不溶性(油可溶性)
カラー染料は一般にインクジェット印刷に必要なカラー
領域を提供しない。ある程度はこのことはインクジェッ
ト印刷における水溶性カラー染料の今日的な流行のため
である。このようなカラー領域の問題は黒染料には当て
はまらない。したがって、水不溶性の黒染料と水溶性の
カラー染料よりなるインクセットは、黒対カラーのブリ
ードが軽減されるとすれば魅力的な解決策であろう。
【0011】
【発明の目的】本発明は、黒インクとカラーインク(黄
色、マゼンタおよびシアン)あるいは二次的な成分との
間のブリードを抑制することのできるインクセットを提
供することを目的とする。
【0012】
【発明の概要】本発明によれば、熱インクジェットプリ
ンタによる印刷は、黒染料が水不溶性であり、他の染料
が水溶性であるインクの組合せを使用する。印刷媒体上
での乾燥が完結するまで、水溶性染料は水性の環境中に
とどまり、油溶性である水不溶性染料は油相中にとどま
る。したがって、黒インクとカラーインクとの間のブリ
ードが解消される。カラーセットは黄色、マゼンタおよ
びシアンインクを黒インクとともに含有する。本発明に
よれば、黒インクは油相中に水不溶性の黒染料を含み、
界面活性剤、共界面活性剤および水とともにマイクロエ
マルション化されている。カラーセットはそれぞれ少な
くとも一つの共溶媒と水よりなるビヒクル中に、それぞ
れ少なくとも一つの水溶性染料を含有するカラーインク
を含んでいる。
【0013】
【実施例】本発明によれば、黒インクとカラーインク
(黄色、マゼンタおよびシアン)あるいは二次的な成分
との間のブリードが解決されたインクセットが提供され
る。このことは黒インク中に少なくとも一つの水不溶性
染料を使用して黒インクのマイクロエマルションを生成
させ、一方ではカラーインクのそれぞれに少なくとも一
つの水溶性染料を使用することによって達成される。
【0014】黒インク:マイクロエマルションを生成さ
せるに際して水不溶性染料は油相中に溶解された後、
(a)界面活性剤と共界面活性剤よりなる界面活性剤系
と(b)水とともにマイクロエマルション化される。染
料の濃度は約0.1〜6重量%の範囲にある。界面活性
剤系の濃度は約1〜35重量%の範囲にあり、界面活性
剤の濃度は約0.5〜15重量%の範囲に共界面活性剤
の濃度は約0.5〜20重量%の範囲にある。油の濃度
は約0.5〜20重量%の範囲にある。残余は水であ
る。水不溶性染料は室温では水中にほとんど染料の溶解
性を示さない染料である。ここで使用されている水不溶
性染料は水性溶媒(20%以下が有機共溶媒と仮定)中
での溶解度が非常に小さいので様々な紙上でのその光学
濃度が0.80以下である染料である。(この定義は紙
の銘柄や種類によって僅かに異なるが、この差異は±
0.2を超えてはならない)。
【0015】水不溶性染料はいったんこのようなインク
が紙に印刷されると水の存在下でぼやけないので耐水堅
牢性の特性が重要なインクにおいて極めて有用である。
インクの間では、黒インクの耐水堅牢性がもっとも重要
であり、封筒印刷は大抵は黒インクで行なわれるが、水
がこぼれる可能性が大きい場合もそうである。このよう
な水不溶性染料の実例としては溶剤染料、建染染料およ
びある種の媒染染料がある。これらの染料は多様な黒と
して市販されている。
【0016】溶剤黒染料の実例としてはSolvent
Black(SB)3、SB5およびSB46があ
る。やはり本発明の実施に有用なInk Black
Bはモルテン・インターナショナル(Morten I
nternational)社によってエチレングリコ
ールフェニルエーテル中に50%のSB46を含む製品
の一つに付与された商品名である。建染黒染料の実例と
しては、Vat Black 9とVat Black
25がある。建染黒染料の他の実例としては、WAX
OLINE染料として知られる商標で市販されている一
群の染料があり、これらの染料はWAXOLINE B
lack 5BP 35115とWAXOLINE B
lack OBP 35109を含んでいる。(WAX
OLINEはICI Americasの商標であ
る)。水不溶性媒染黒染料の実例としてはBASF社の
化学部門(ミシガン州、Holland)から市販され
ているMordant Black 1、Mordan
t Black 9およびNeazopon Blac
k X52がある。
【0017】油は水不溶性有機溶媒か水不溶性モノグリ
コールエーテルまたはジグリコールエーテルを含む。水
不溶性有機溶媒(油)の実例としては非毒性の芳香族化
合物および炭化水素がある。非毒性芳香族化合物の実例
としてはトルエン、キシレン、ナフタレン、ナフタレン
スルホナート、置換ナフタレンスルホナート、フェナン
トレンおよびアントラセンがある。炭化水素の実例とし
ては8〜22個の炭素原子を有する直鎖および分枝の炭
化水素(オクタンからイソカンまでを含む)がある。約
8個よりも少ない炭素原子を有する炭化水素は揮発性が
高過ぎてインクから蒸発する。約22個より多い炭素原
子を有する炭化水素は一般にマイクロエマルション小滴
中に溶解しない。3個までの炭素−炭素二重結合を有す
るアルケンも本発明の実施に使用される。
【0018】水と非混和性のモノグリコールエーテルま
たはジグリコールエーテルが本発明の実施に使用される
ことが好ましい。水不溶性のモノグリコールエーテルま
たはジグリコールエーテルとしてはエチレングリコール
フェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエー
テルおよび他の芳香族系グリコールエーテルがある。界
面活性剤系は前に定義されたように少なくとも一つの界
面活性剤と一つの共界面活性剤よりなる。一つの好まし
い界面活性剤はN,N−ジメチル−N−ドデシルアミン
オキシド(NDAO)である。
【0019】
【化1】
【0020】そしてC1225部分の代わりに随意のR部
分が使用される。下記のR部分、その名称および略称は
本発明の実施において有用である。 N,N−ジメチル−N−テトラデシルアミンオキシド
(NTAO) N,N−ジメチル−N−ヘクサデシルアミンオキシド
(NHAO) N,N−ジメチル−N−オクタデシルアミンオキシド
(NOAO) N,N−ジメチル−N−(Z−9−オクタデセニル)−
N−アミンオキシド(OOAO)
【0021】しかしながら、マイクロエマルション中の
油の濃度がインクジェット印刷に役立つのに十分な濃度
で黒染料を適合させるのに十分な程度に高い限り、マイ
クロエマルションを提供するどのような界面活性剤でも
本発明の実施に使用することができる。共界面活性剤と
しては2−ピロリドンなどのラクタム;プロピレングリ
コールラウレートなどのグリコールエステル;エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
エーテル、ジエチレングリコールのモノエチル、ブチル
およびヘキシルエーテル、プロピレングリコールエーテ
ル、ジプロピレングリコールエーテルおよびトリエチレ
ングリコールエーテルを含むモノグリコールエーテルと
ジグリコールエーテル;およびブチルアルコール、ペン
チルアルコール、および同族アルコールなどの長鎖アル
コールがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0022】黒インクは0〜10重量%の範囲の量の少
なくとも一つの共溶媒を含んでいてもよく、共溶媒はカ
ラーインクに関連して以下に定義される。多くの場合に
は共界面活性剤と共溶媒は同一のものであってもよい。
このインクはこの技術分野で通常行われているように少
なくとも一つの生物致死剤、殺菌剤および/またはスラ
イミサイド(微生物剤)を含んでいてもよい。微生物剤
としてはNUOSEPT(Nudex社、Huls A
merica部門)、UCARCIDE(Union
Carbide社)、VANCIDE(RT Vand
erbilt社)、およびPROXEL(ICI Am
ericas社)があるが、これらに限定されるもので
はない。ここに示されているすべての濃度は特別に指示
しない限り重量%である。すべての成分の純度は熱イン
クジェットインクに通常商業的に使用される純度であ
る。
【0023】前述の界面活性剤と共界面活性剤、油およ
び水を組合わせることによってマイクロエマルションが
生成される。マイクロエマルションは水不溶性染料を
“溶解”状態に保持する。インクがいったん印刷媒体に
印刷されると、水不溶性である染料は画像を耐水堅牢性
にする。インクは黒と隣接するどのカラー、一次カラー
または二次カラーとの間にもブリードを示さないので、
マルチパスあるいはエリアデプリーション(area
depletion)印刷技術は必要でない。詳しく
は、印刷媒体上での乾燥が完結するまで、カラーインク
に使用されている水溶性染料は水性の環境中にとどまる
が、油可溶性の水不溶性染料は油相中にとどまるので黒
インクとすべてのカラーインクとの間のブリードは軽減
される。ここで使用される乾燥という用語は印刷媒体上
に印刷されたインクが手を触れて乾いていると感じられ
ることを意味しインクが完全に乾燥していることを意味
しない。完全な乾燥には余分の時間が必要である。
【0024】本発明の黒インクはまず水混和性成分
(水、界面活性剤、共界面活性剤、そして必要に応じて
共溶媒)を混合して安定な溶液を生成させる。次に、油
中に含まれた水不溶性の少なくとも一つの染料が添加さ
れて混合物が生成される。そしてこの混合物は、例え
ば、かくはん、しんとう、その他のかくはん手段によっ
て均一化されてマイクロエマルション系インクが生成さ
れる。すべての成分をいっしょに添加するだけでインク
を配合しようとする試みはマイクロエマルションを生成
させるのに時間がかかり過ぎる。
【0025】共界面活性剤に対する界面活性剤の特定の
既知の濃度比について、マイクロエマルションの油含有
量を滴定によって便利に測定することができる。すなわ
ち、添加される油の量がマイクロエマルション化可能で
ある限り均一な相が自然に生成し、その量が限度を超え
ると油相は分離する。共界面活性剤に対する界面活性剤
の比率を様々に変化させることによって最大量の油をエ
マルション化させる比率が容易に決定できる。油の含有
量を最大量以下に保持することによって安定なマイクロ
エマルションが生成する。一つの実例として、黒インク
は水不溶性染料としてInk Black B(モルテ
ン・インターナショナル社)を使用している。この黒染
料はエチレングリコールフェニルエーテルに溶解され
(油相)、そしてジメチルオクタデセニルアミンオキシ
ド(界面活性剤)、2−ピロリドン(共界面活性剤と共
溶媒)および水を使用してマイクロエマルション化され
る。
【0026】カラーインク:全体としてカラーインクの
配合は通常のものであり本発明の部分を構成するもので
はない。詳しくはカラーインクは共溶媒系および水中に
少なくとも一つの水溶性染料を含有している。このよう
なカラーインクの実例は1992年7月28日に発行さ
れ本出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第5,13
3,803号に開示されている。カラーインクの組成に
関するこの発明の教示は参考のためにここに特別に含め
られている。
【0027】前に定義された用語の共溶媒としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポロプロピレン
グリコールなどのグリコールおよびその誘導体;ブチル
カルビトールなどのジエチレングリコールエーテル;ブ
タンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールな
どのジオールおよび同族のジオール;および他の溶媒、
例えばスルホラン、エステル、ケトン、γ−ブチロラク
トンなどのラクトン、N−ピロリドン、2−ピロリド
ン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラ
クタム、およびグリセロールおよびこれらの誘導体をあ
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0028】黒インクとカラーインクとの間のブリード
の軽減:カラーインク中の水溶性染料に隣接して印刷さ
れる黒インク中の水不溶性染料を使用することによって
黒インクとカラーインクとの間のブリードが防止され
る。黒と任意のカラーとの間のブリードは一般に一つの
カラーと他のカラーとの間のブリードよりもひどいの
で、このことは望ましい結果である。カラーインク間の
ブリードはここでは速乾性(ハイドットゲイン)インク
の使用によって軽減される。例えばn−ブチルカルビト
ールなどのある種の共溶媒はカラーインクのビヒクルの
一部として使用されると速乾性インクを得ることができ
る。これらのカラーインクは迅速に乾燥するのでカラー
間のブリードが軽減される。しかしながら、ハイドット
ゲインインクは印刷媒体上で広がり、水溶性染料を含む
広がるインクは本文活字(黒)印刷には適当ではないの
で黒インクとカラーインクとの間のブリードを軽減する
ために利用することはできない。
【0029】 実施例:3.4重量%のInk Bla
ck B染料、10.3重量%のフェニルエーテルエチ
レングリコール、6重量%のOOAO、23重量%の2
―ピロリドンおよび残余の水よりなる黒インクが配合さ
れた。8重量%のn―ブチルカルビトール、2.5重量
%のAcid Yellow23(AY23)黄色染料
および残余の水よりなる黄色インクが配合された。比較
のために水溶性黒染料を使用した黒インクが1991年
11月5日発行で本発明と同じ譲受人に譲渡された米国
特許第5,062,893号の教示に従って配合され
た。この黒インクは2重量%の黒染料混合物、7.5重
量%の2―ピロリドンおよび残余の水よりなっている。
インクはブリードを軽減するために利用されるどのよう
な既存の印刷技術も利用しないで互いに隣接して印刷さ
れた。1が最良(ブリードなし)で7が最悪を示す1〜
7の直線状ブリードスケールを利用して、三種類の異な
る紙に関して人間による評価に基づいて下記の表に列記
された数値が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】ブリードの評点が≧2.5であるというこ
とは好ましくないと考えられる。水溶性カラー染料を含
むインクとともに水不溶性黒染料を含むインクを使用す
ると水溶性黒染料を含むインクを使用するよりも優れて
いると思われる。
【0032】工業的利用可能性:本発明の教示は熱イン
クジェットプリンタの次の世代において黒対カラーのブ
リード抑制に用途を見出すと期待される。以上のように
黒インクとカラーインクとの間のブリードを防止する熱
インクジェットインクの組合せが開示されている。本発
明の精神から外れることなく、自明な性質の様々の変化
および変更態様が行なわれ得る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とにより、黒インクとカラーインク(黄色、マゼンタお
よびシアン)あるいは二次的な成分との間のブリードを
抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒インク、黄色インク、マゼンタインク、
    およびシアンインクを含むインクジェット印刷用のイン
    クジェット・インクセットであって、前記黄色、マゼン
    タ及びシアンインクは水溶性染料を含有し、前記黒イン
    クはマイクロエマルションにおける少なくとも一つの水
    不溶性染料を含有することを特徴とするインクジェット
    ・インクセット。
  2. 【請求項2】前記黒インクが、0.5〜15重量%の少
    なくとも1つの界面活性剤と0.5〜20重量%の少な
    くとも1つの共界面活性剤とを有する、1〜35重量%
    の少なくとも2つの界面活性剤と、 0〜20重量%の少なくとも1つの水混和性溶媒と、 0.1〜6重量%の少なくとも1つの水不溶性黒染料
    と、 0.5〜20重量%の、水不溶性有機溶媒か水不溶性モ
    ノグリコールエーテルまたはジグリコールエーテルを含
    油と、 残余の水と、 を含み、 前記カラーインクの各々が、 1〜20重量%の少なくとも1つの水混和性溶媒と、 0.1〜6重量%の少なくとも1つの水溶性染料と、 残余の水と、 を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェ
    ット・インクセット。
  3. 【請求項3】前記少なくとも1つの界面活性剤がアミン
    オキシドであることを特徴とする、請求項2に記載のイ
    ンクジェット・インクセット。
  4. 【請求項4】前記少なくとも1つの共界面活性剤が、ラ
    クタム、グリコールエーテル、モノおよびジ・グリコ−
    ルエーテル、ジエチレングリコールエーテル、長鎖アル
    コール、およびアセチレンポリエチレンオキシドから成
    るグループから選択されることを特徴とする、請求項2
    に記載のインクジェット・インクセット。
  5. 【請求項5】前記水不溶性有機溶媒が、非毒性芳香族、
    8〜22個の炭素原子を有する直鎖および分岐の炭化水
    素、および3つまでの炭素−炭素二重結合を有するアル
    ケンから成るグループから選択されることを特徴とす
    る、請求項2に記載のインクジェット・インクセット。
  6. 【請求項6】前記黒インクにおける前記少なくとも1つ
    の水不溶性染料が、溶剤黒染料、建染め黒染料、および
    媒染黒染料から成るグループから選択されることを特徴
    とする、請求項2に記載のインクジェット・インクセッ
    ト。
  7. 【請求項7】前記少なくとも1つの水混和性溶媒が、グ
    リコール、ジエチレングリコールエーテル、ジオール、
    およびスルホラン、エステル、ケトン、ラクトン、ラク
    タム、およびグリセリンとそれらの誘導体から成るグル
    ープから選択されることを特徴とする、請求項2に記載
    のインクジェット・インクセット。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のインクジェット・インク
    セットから印刷媒体上に印刷するステップを含む、熱イ
    ンクジェットプリンタにおける黒インクとカラーインク
    との間のブリードを低減する方法。
JP28989193A 1992-10-26 1993-10-26 熱インクジェットインク及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3507535B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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