JP3506866B2 - フィブロイン顔料およびメイクアップ化粧料 - Google Patents

フィブロイン顔料およびメイクアップ化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水難溶性乃至水不
溶性モナスカス色素を再生フィブロインに結合して得ら
れる化粧料用顔料と、それを配合したメイクアップ化粧
料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧料等に繁用されているタール
系色素は、発癌性、変異原性等、人体への有害性が問題
となってから、化粧品に使用許可されている法定色素が
年々減少していく傾向にある。このタール系色素に代わ
る安全性の高い色素(着色料)として天然色素がある。
特に、モナスカス・プルプレウス(MonascusP
urpureus)やモナスカス・アンカ(Monas
cus Anka)の如きモナスカス属に属するモナス
カス色素生産菌が赤色色素を生産することが知られてお
り、天然着色料として、食品分野に幅広く利用されてい
る。モナスカス色素生産菌はモナスコルブリン、ルブロ
パンクタチンを主体とする水難溶性もしくは水不溶性
で、アルコール可溶の色素を生産する。しかしながら、
このモナスカス色素単独では耐光性、耐熱性に劣り、p
Hによる色相差が大きいほか、水や汗或いは他の化粧料
によってブリードするため化粧料には使用出来なかっ
た。
【0003】特公平5−59885号公報には、このよ
うな天然色素の欠点を改良するために、再生フィブロイ
ンパウダーを予め水溶性に変性したモナスカス色素で媒
染染色して得られた着色顔料をメイクアップ化粧料に配
合することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の顔料は水溶性アルミニウム塩を媒染剤として使用す
る媒染染色で得られるものであり、使用するモナスカス
色素は水溶性であることが必要となる。そしてモナスカ
ス色素を水溶性にするためには、水溶性アミノ化合物、
例えば水溶性蛋白、ペプタイド、アミノ酸等を使用して
モナスカス色素を水可溶性の複合体に予め変性する必要
があり、工程数が多くなる欠点がある。更には、水溶性
モナスカス色素においては、モナスカス色素を構成する
モナスコルブリン、ルブロパンクタチン等の化合物の親
和基である環状エーテル部分が既に水溶性アミノ化合物
と結合しているため、逆に再生フィブロインパウダーの
アミノ基とは化学的親和性は低く、したがって、得られ
る水溶性モナスカス色素を結合したフイブロイン顔料は
耐ブリード性を充分に向上せしめることが困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の欠点を改良せんとして鋭意研究した結果、モナス
カス属に属するモナスカス色素生産菌を培養して得られ
る水難溶性乃至水不溶性モナスカス色素を溶解(但し、
該モナスカス色素を水溶性化して溶解するものは除く)
したアルコール中に、pH8以上のアルカリ条件下で再
生フィブロインパウダーを添加して、モナスカス色素と
再生フィブロインパウダーとを結合した化粧料用顔料
(但し、上記モナスカス色素で媒染染色したフィブロイ
ン顔料は除く)は、良好な耐久性(耐ブリード性、耐光
性、耐熱性)と充分な色調を与え、光沢、感触や保湿性
もフィブロイン自体のそれよりも優れ、人体に安全であ
る顔料を経済性よく得ることが出来る。また、本発明の
上記顔料を配合したメイクアップ化粧料は、耐ブリード
性、保湿性、付着性、伸展性、色調に優れており、肌へ
のしっとり感、シルキー感を与えるとともに、安定した
メイクアップ効果が得られることを見出し本発明を完成
した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用する水難溶性乃至水
不溶性でアルコール可溶のモナスカス色素は、モナスカ
ス色素生産菌を培地を用い培養して得られる。培地とし
ては、公知慣用の糖類等を主成分とする培地が利用でき
る。このような糖類の例としては、グルコース、フラク
トース、シュークロース、マルトース、デキストリン、
スターチ等を例示することができる。更に、培地は窒素
源、ミネラル類やビタミン類を含有することができ、こ
のような他の培地成分の例としては、硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム等の窒素源や、リ
ン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸
第一鉄等のミネラル類や、酵母エキス等のビタミン類等
を例示することができる。
【0007】培地温度及びpHも公知の条件を採用で
き、例えば、約20℃〜約40℃及びpH約4〜約8の
条件を例示できる。培養時間は通常、約48〜約120
時間程度である。培養は好気性条件下に行われ、通常、
液体培養方式が採用される。菌体からの色素の抽出は、
アルコール等の水溶性有機溶媒が利用でき、菌体に対し
5〜20倍量で効率よく抽出できる。
【0008】上記方法で得られた水難溶性乃至水不溶性
でアルコール可溶のモナスカス色素には、約10種類以
上の色素が混合しており、構造式が判明しているものと
しては黄色のモナスシン、アンカフラビン、橙赤色のル
ブロパンクタチン、モナスコルブリン、赤紫色のモナス
コルブラミン、ルブロパンクタアミンが含まれる。
【0009】本発明でいう再生フィブロインパウダーと
は、絹フィブロインの水溶液を凝固することによって再
生(析出)する微粉末状の再生フィブロインである。か
かる再生フィブロインパウダーの調整法に関しては、例
えば、特公昭58−38449号公報等に開示されてい
る。それによれば、銅−エチレンジアミン水溶液、水酸
銅−アンモニア水溶液、水酸化銅−アルカリ−グリセリ
ン水溶液、臭化リチウム水溶液、カルシウムあるいはマ
グネシウムまたは亜鉛の塩化物あるいは硝酸塩またはチ
オシアン酸塩の水溶液、チオシアン酸ナトリウム水溶液
よりなる群から選択された少なくとも一種の溶液に絹フ
ィブロインを溶解後、透析して得た3〜20重量%のフ
ィブロイン水溶液に凝固性塩の混合、空気吹き込み、等
電点凝固、超音波処理および速いずり変形速度での攪拌
等の少なくとも一種の方法により、フィブロインを凝固
析出せしめ、次いで、脱水、乾燥後、粉砕することによ
って再生フィブロインパウダーが得られる。この方法に
よって得られるフィブロインは、5万以上の平均分子量
を有し、非繊維状で、分子の配向が天然絹糸の1/2以
下であり、乾燥時の嵩密度が0.1〜0.7g/cm3
であり、少なくとも50重量%が熱不溶性絹フィブロイ
ン(β構造)である。また、本発明に使用する該再生フ
ィブロインパウダーの結晶化度としては色調及び配合化
粧料の感触の点から10〜35%のものが好ましく、更
に好ましくは、15〜30%である。再生フィブロイン
パウダーの平均粒子径は、メイクアップ化粧料に配合し
た時の分散性、皮膚に対する馴染み、円滑性の点から1
〜100μが好ましく、特に5〜30μに調整すること
が好ましい。
【0010】また、本発明に使用する他の再生フィブロ
インパウダーとしては、特公昭63−39711号公報
に開示された方法によって、上記のごとき再生フィブロ
インパウダーの懸濁液に再生フィブロインパウダーに対
して約0.5〜100重量%のN,N’−ジアルキルア
ミノエチルメタクリレートを混合し、該アクリレートに
対して約0.1〜10重量%のラジカル重合触媒の存在
下約30〜100℃で反応させる方法により得られる。
例えば、N,N’−ジアルキルアミノエチルメタクリレ
ートの重合体を約20重量%または50重量%固着せし
めた再生フィブロインパウダーも好ましく例示すること
ができる(以下、本発明でDM処理品と言う)。これら
再生フィブロインパウダーとしては、市販されているも
のも利用することもできる。例えば、シルクパウダーI
M(再生フィブロインパウダー)、或いはDM−シルク
パウダー(N,N’−ジアルキルアミノエチルメタクリ
レートの重合体を約20重量%固着)(いずれもカネボ
ウシルクエレガンス社製)等の市販品を挙げることがで
きる。
【0011】上記水難溶乃至水不溶性でアルコール可溶
性のモナスカス色素と再生フィブロインパウダーとの複
合体の形成は、前記の如き培養した菌体よりアルコール
溶剤でモナスカス色素を抽出した抽出液に上記再生フィ
ブロインパウダーを加えることにより行われ、pH8.
0以上のアルカリ条件下で1〜4時間攪拌することで形
成可能である。結合体の分離は遠心分離や吸引濾過でよ
く、必要があれば水洗し固形物を乾燥すればモナスカス
色素結合フィブロインパウダーが得られる。
【0012】本発明の水難溶乃至水不溶性でアルコール
可溶のモナスカス色素は培養後の抽出剤であるアルコー
ルに溶解したもの以外に、抽出液に乾燥工程を加えて固
形化したものを再びアルコールに溶解したものも利用で
きる。そして、モナスカス色素と再生フィブロインパウ
ダーとの結合はpH8.0以上のアルカリ条件下、好ま
しくは9〜11のpH条件下で、アルコールを用いて行
われる。このようなpH条件にpHを調整するのに用い
られるアルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ナトリウム等を利用することができ
る。本発明でモナスカス色素と再生フィブロインパウダ
ーとを結合させる系において、アルコールとしては、エ
チルアルコールが利用されるが、必要ならば他のアルコ
ール、例えば、メチルアルコール、iso−プロピルア
ルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール等も利用できる。また95重量%以下含水のアルコ
ールの利用も例示することができる。
【0013】本発明のメイクアップ化粧料における上記
モナスカス色素結合フィブロイン顔料の配合量は、処方
成分の全重量に対して、好ましくは0.01〜50重量
%、更に好ましくは0.1〜30重量%である。また、
本発明のメイクアップ化粧料は、上記モナスカス色素結
合フィブロイン顔料に加え、必要に応じて他の着色無機
顔料や有機顔料を配合することもできる。更に、本発明
のメイクアップ化粧料に配合される基剤としては、体質
顔料、油性物質、香料等の通常使用されるメイクアップ
化粧料の基剤であって特に限定されない。本発明でいう
メイクアップ化粧料としては、例えば、口紅、リップク
リーム、アイシャドウ、ほほ紅、ファンデーション、マ
スカラ、ネイルカラー等である。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例に示す%とは、結晶化度以外は重量%
を意味する。また、本発明のモナスカス色素結合フィブ
ロイン顔料の耐ブリード性、耐光性の試験法およびメイ
クアップ化粧料の実用テスト(官能テスト)の試験法は
次の通りである。
【0015】(1)耐光性試験 試料を3個準備し、1個は日照箱(ガラスケース)の中
に収容して太陽光線の直射日光に3日間曝露し、1個は
螢光灯下に2週間曝露し、残りの1個は暗所に保存し無
暴露試料として、照射後の試料の色を肉眼観察により無
曝露の試料と比較して、色の変化の程度から耐光性を判
断した。
【0016】(2)耐熱性試験 試料を2個準備し、1個は内部温度40℃に調節した恒
温槽の中に2ケ月および6ケ月収容し、1個は冷暗所
(5℃)に2ケ月及び6ケ月保存し、2ケ月および6ケ
月後に40℃と冷暗所(5℃)の両試料の色を肉眼観察
により比較して、色の変化の程度から耐熱性を判断し
た。
【0017】(3)耐ブリード性試験 試料1gを100gの水・エチルアルコール(1:1)
混合液に分散し、70℃温水中で1時間加温処理する。
そして水・エチルアルコール混合液中への色素の溶出す
る度合を肉眼で評価するとともに、この上澄液1ミリリ
ットルを正確にとり、10ミリリットルにメスアップし
て、490nmでの吸光度を測定した。
【0018】上記の耐光性、耐熱性、耐ブリード性(肉
眼観察)の評価は、表1の判定基準に基づき実施した。
【0019】
【表1】
【0020】(4)実用テスト メイクアップ化粧料の試料を2ケ月間使用した時の色
調、肌への付着性、感触、肌への透明感、光沢、伸展性
について、女子パネラー30人による官能テスト(実用
テスト)で評価した。
【0021】実施例1(本発明のモナスカス色素結合フ
ィブロイン顔料) グルコース5%、燐酸第二カリウム0.8%、硝酸カリ
ウム0.2%、塩化ナトリウム0.1%、硫酸マグネシ
ウム0.05%、酵母エキス0.05%よりなるpH
6.0の培地15リットルを80リットルの酵母タンク
に入れて121℃で20分間滅菌する。冷却後これをモ
ナスカス・プルプレウスIF04518の種母を3%接
種して通気量10リットル/分、攪拌250rpm、背
圧0.3kg/cm2 にて30℃、96時間培養する。
次いで、培養液を遠心分離して菌体600g(水分70
%)を得た。この菌体30gに95%エチルアルコール
300gを加え室温にて1時間攪拌抽出し、モナスカス
色素抽出液を得た。この抽出液中のモナスカス色素は水
に難溶性であるが、エチルアルコールには可溶であっ
た。次に、この色素抽出液に再生フィブロインパウダー
(結晶化度30%)500gを添加し、30%水酸化ナ
トリウム水溶液にてpH9.5〜10.0に調整しつ
つ、30〜40℃にて1時間攪拌した後、2N塩酸にて
pH6.5に調整後、吸引濾過して、固形物を水洗後乾
燥し、濃赤褐色のモナスカス色素結合フィブロイン顔料
503gを得た。
【0022】実施例2(本発明のモナスカス色素結合フ
ィブロイン顔料) 実施例1で得られた菌体30gに95%エチルアルコー
ル200gを加え、室温にて1時間攪拌抽出し、モナス
カス色素抽出液195gを得た。この抽出液中のモナス
カス色素は水に難溶性であるが、エチルアルコールには
可溶であった。次に、この抽出液に再生フィブロインパ
ウダー(結晶化度10%)100gを添加し、30%水
酸化ナトリウム水溶液にてpH10.5に調整し、50
℃にて1時間攪拌後、2N塩酸にてpH6.5に調整し
た後吸引濾過して、固形分を水洗乾燥して濃赤褐色のモ
ナスカス色素結合フィブロイン顔料101gを得た。
【0023】実施例3(本発明のモナスカス色素結合フ
ィブロイン顔料) 実施例2で得られたモナスカス色素抽出液に、N,N’
−ジアルキルアミノエチルメタアクリレートの重合体を
約20%固着したシルクパウダー(DM−シルクパウダ
ー、カネボウシルクエレガンス社製)300gを添加
し、30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH10.0に
調整し、40℃にて1時間攪拌後、2N塩酸にてpH
6.5に調整し、次いで、吸引濾過して、固形分を水洗
乾燥して濃赤褐色のモナスカス色素結合フィブロイン顔
料301gを得た。
【0024】比較例1(媒染処理によるモナスカス色素
結合フィブロイン顔料) 特開昭56−65049号公報の実施例1に基づき、水
難溶性モナスカス色素に水溶性アミノ酸化合物であるグ
ルタミン酸ソーダを加えてグルタミン酸と結合したモナ
スカス水溶性色素を製造した。次いで、特公平5−59
885号公報の実施例6に基づき、この水溶性モナスカ
ス色素150gを水20lに溶解して、この水溶液に3
0%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを11に調
製し、これを染液とした。この染液の中に再生フィブロ
イン(結晶化度31%)500gを分散させ60℃で1
時間染色した後、アルミニウムアンモニウムミョウバン
の10%水溶液50mlを加えて70℃で30分間媒染
処理を行った。媒染後4N塩酸を添加してpHを5に調
製して濾過し、水洗、乾燥して赤褐色のモナスカス色素
結合フィブロイン顔料を得た。
【0025】実施例1〜3で得られたモナスカス色素結
合フィブロイン顔料及び比較例1で得られた媒染処理に
よるモナスカス色素結合フィブロイン顔料の内容を整理
すると次の表2のようになる。
【0026】(1)上記各種フィブロイン顔料の概略
【0027】
【表2】
【0028】上記フィブロイン顔料を下記表3、表4の
油性系と粉体系のメイクアップ化粧料の組成に配合して
得られた8種類の試料(試料1〜8)を前記評価試験方
法で試験を実施し、下記表5〜8に示す試験結果を得
た。なお、耐ブリード性はフィブロイン顔料自体のブリ
ード性を評価した。
【0029】(2)メイクアップ化粧料の組成 1)油性系メイクアップ化粧料(試料1〜4)
【0030】
【表3】
【0031】2)粉体系メイクアップ化粧料(試料5〜
8)
【0032】
【表4】
【0033】(3)試験結果 1)耐ブリード性(指数は実施例1の吸光度を1.0と
した場合の数値)
【0034】
【表5】
【0035】上記の試験結果の肉眼観察で、実施例1〜
3の上澄液は僅かに赤紫色で透明で、比較例1の上澄液
は暗赤紫色であり、これら肉眼観察と吸光度の評価から
実施例1〜3の水難溶性モナスカス色素を結合したフィ
ブロイン顔料は、比較例1の水溶性モナスカス色素を媒
染したフィブロイン顔料に比べ耐ブリード性に優れてい
た。
【0036】2)耐光性
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】3)耐熱性
【0040】
【表8】
【0041】実施例4(本発明の口紅) ヒマシ油47部(以下重量部)、カルナウバロウ4部、
キャンデリラロウ7部、固形パラフィン7部、ラノリン
10部、オクチルドデカノール15部を混合して80℃
に加熱して溶融した後、この溶融混合物の中に本発明の
モナスカス色素結合フィブロイン顔料(実施例1)を1
0部添加して均一に混練した後、再度溶融して型に流し
込み、冷却して本発明の口紅を得た。得られた口紅につ
いて前記耐光性試験(直射日光3日、蛍光灯2週間)で
は色調の変化は認められなく、耐熱性試験(40℃×2
ケ月、40℃×6ケ月)でも色調の変化が無かった。ま
た、この口紅について前記の実用テストを行ったとこ
ろ、殆どのパネラーが色調、付着性、感触(しっとり
感、シルキータッチ)、保湿性、唇への透明感、光沢、
伸展性が良好であると評価された。一方、上記実施例4
の口紅において、実施例1の水難溶性モナスカス色素を
結合したフィブロイン顔料を使用する代わりに前記比較
例1で得られた水溶性モナスカス色素で媒染したフィブ
ロイン顔料を使用した口紅を同様にして得たが、この口
紅は実用テストでは半数以上のパネラーが色調、付着
性、感触(しっとり感、シルキータッチ)、保湿性、唇
への透明感、光沢、伸展性が良好であると評価された
が、耐光性試験(直射日光3日、蛍光灯2週間)で色調
の大きな変化が認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明の化粧料用フィブロイン顔料、メ
イクアップ化粧料は、耐ブリード性、耐光性、耐熱性、
保湿性、付着性、伸展性に優れ、肌に絹様の光沢および
感触(しっとり感、シルキータッチ)、また透明感を与
え、安定したメイクアップ効果を付与し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−149512(JP,A) 特開 昭61−293907(JP,A) 特開 昭57−208949(JP,A) 特開 平3−197568(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モナスカス属に属するモナスカス色素生
    産菌を培養して得られる水難溶性乃至水不溶性モナスカ
    ス色素を溶解(但し、該モナスカス色素を水溶性化して
    溶解するものは除く)したアルコール中に、pH8以上
    のアルカリ性条件下で再生フィブロインパウダーを添加
    して、モナスカス色素と再生フィブロインパウダーとを
    結合して得られる化粧料用フィブロイン顔料(但し、上
    記モナスカス色素で媒染染色したフィブロイン顔料は除
    く)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィブロイン顔料(但
    し、上記モナスカス色素で媒染染色したフィブロイン顔
    料は除く)を配合したメイクアップ化粧料。
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