JP3044122B2 - 乳化型パック料 - Google Patents

乳化型パック料

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JP3044122B2
JP3044122B2 JP4076220A JP7622092A JP3044122B2 JP 3044122 B2 JP3044122 B2 JP 3044122B2 JP 4076220 A JP4076220 A JP 4076220A JP 7622092 A JP7622092 A JP 7622092A JP 3044122 B2 JP3044122 B2 JP 3044122B2
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義久 米山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化型パック料に関し、
詳しくは皮膚に塗布した時は不透明な白色を呈するが、
乾燥した時は半透明な真珠光沢を呈する皮膜となり、剥
離時期を知らせることができる乳化型パック料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、皮膜型のパック料には皮膜物
性の優秀性及び皮膚に対する安全性の高さから皮膜形成
剤としてポリビニルアルコールが汎用されている。
【0003】ところが、ポリビニルアルコールを主皮膜
剤とするパック料は、皮膚に塗布した後、約20分前後
放置乾燥した後、シート状に乾燥したフィルムを剥す
が、その最終乾燥状態は不明確な場合が多く、主に使用
者個人の感覚に頼らざるを得ないため、例えば充分乾燥
していない時は厚めの塗布膜の部分が剥れず、きたなく
剥れ、後仕末が大変となる場合などが発生する。
【0004】このため従来より、斯かる欠点を改良し、
乾燥皮膜の剥離時期を知らせるパック料として、以下の
ような方法が提案されている。
【0005】 特開昭55−31057号公報や特開
昭56−150006号公報に記載のスチリル類似化合
物を含有した可変色性乃至は消色性パック剤
【0006】 特開昭57−48905号公報に記載
のフェノール系PH指示薬とPH緩衝剤とを含有しPH
を調節した皮膜型パック剤
【0007】 特開昭57−58604号公報に記載
の一方に鉄イオンを微量含有し他方にフェノール性水酸
基を有する物質を含有させて呈色反応を利用した二剤型
のパック剤
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法には夫々次のような欠点が存在する。
【0009】 特開昭55−31057号公報や特開
昭56−150006号公報で得られるパック剤は、イ
ンドレニウム型のスチリル色素の閉環等による発色作用
を利用するものであるが、元来このタイプの有機色素は
安全性上の問題があること、更には皮膚上で化学反応を
起こさせること自体が好ましくないなどの欠点がある
【0010】 特開昭57−48905号公報で得ら
れる皮膜型パック剤は、フェノール系のPH指示薬の呈
色反応を利用するものであるが、このタイプの物質は皮
膚に対してやはり好ましいものではなく、更にはPH領
域を変色点PHより0.2〜0.5高いPHに調節する
必要があり例えば高PH領域で不安定な有効成分などを
配合できないなど剤型化上の制約がある
【0011】 特開昭57−58604号公報で得ら
れるパック剤は、鉄イオンとフェノール性水酸基との呈
色反応を利用したものであるが、鉄イオンの呈色反応を
利用するため各種化粧品原料に由来する夾雑鉄イオンに
よる影響により均一且つ安定した発色を維持することが
困難なこと、更には呈色反応を制御するためには二剤型
とするしかなく、使用勝手が甚だ煩わしい欠点がある
【0012】本発明は斯かる実情に鑑みてなされたもの
であって、安全性や安定性上の問題がなく、また使用す
る化粧料成分に何ら制約を与えず、且つ確実に発色して
乾燥皮膜の剥離時期を知らせることのできるパック料を
提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、乳化タイプの皮膜
型のパック料中に特定の雲母チタンを含有させた時、乾
燥時に光干渉作用により発色して確実に剥離時期を把握
できることを見出し、これに基づき本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明はポリビニルアルコール
を主皮膜剤とするパック料において、二色性光彩色を呈
する雲母チタンを含有してなる乳化型パック料であり、
好ましい態様としては、ポリビニルアルコールと二色性
光彩色を呈する雲母チタンとを含有する水系分散物と、
水中油型の乳化エマルションとを混合してなる乳化型パ
ック料であり、また該二色性光彩色を呈する雲母チタン
の含有量がパック料全体に対して0.2〜3重量%であ
る乳化型パック料に関するものである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に適用されるポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)としては、分子量的には低
分子量〜中分子量領域のもの(例えば、日本合成化学社
製EG−05〜EG−30グレード)が好適に用いられ
る。
【0017】またその含有量としては、使用するPVA
のグレードに応じてパック料全体に対し通常5〜20重
量%、好ましくは7〜15重量%の範囲が選択される。
【0018】次に、同様に本発明に適用される二酸化チ
タンで被膜された雲母及び顔料は、光の干渉作用により
発色または変色して光虹色を呈するものであり、斯かる
市販品としては、フラメンコブルー、フラメンコレッ
ド、フラメンコグリーン(以上、マール社製)、チミロ
ンスーパーレッド、チミロンスーパーブルー、チミロン
スーパーグリーン(以上、メルク社製)などとして入手
することができる。
【0019】二色性光彩色を呈する雲母チタンの含有量
としては、マスキング剤となる乳化エマルションの量に
よっても異なるがパック料全体に対して0.2〜3重量
%、特には1〜1.5重量%が好ましい。0.2重量%
未満であると乾燥時の発色度合が小さく明確さに欠ける
ようになり、反対に3重量%を越えると塗布直後から真
珠光沢を呈し易くなり、乾燥時も単に真珠光沢が増強さ
れるのみとなる。
【0020】尚、雲母チタンであっても、メタリック的
なパール感はあるが二色性光彩色を呈さないもの、例え
ば市販品としてはチタンマイカSPM−70(テイカ社
製)、チミカパールホワイト、フラメンコスーパーパー
ル100、クロイゾネブルー(以上、マール社製)など
は、塗布時、乾燥時何れも全くパール感を示さないか、
又はパール感を呈する場合には塗布時にも乾燥時にもパ
ール感を呈して変化が殆どないなどして本発明には使用
できない。
【0021】本発明のパック料には、上記PVAと雲母
チタンの必須成分に加えて、パック料において通常使用
される各種成分、例えば粘度特性を改良するために用い
られるザンコート、キサンタンガム、グアーガム、ロー
カストビーンガム、トラガントガム、カラヤガム、アル
ギン酸ソーダ、ペクチン酸ソーダ等の天然水溶性高分
子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
半合成水溶性高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチル
セルロース等の合成水溶性高分子、ゲル化剤として用い
られる微結晶セルロース、感触を改良し分散性を付与す
るために用いられるプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、揮
発性を促進させるためのエタノール等のアルコール類、
酸化チタン、シリカ、セリサイト、タルク、酸化亜鉛等
の粉体などを適量配合できる。
【0022】更に、本発明ではパック料にエモリエント
性を付与すると共に、乳化エマルションを形成し、更に
は乾燥時の透明性を向上させるため油分が配合される。
用いられる油分の種類については、通常パック料に用い
られているものであれば何ら制約はなく、例えば流動パ
ラフィン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリ
ンワックス等の炭化水素類、パルミチン酸、ステアリン
酸等の脂肪酸類、オリーブ油、ゴマ油等の植物油脂、セ
タノール、コレステロール等の高級アルコール類、ミリ
スチン酸オクチルドデシル等のエステル類、その他シリ
コーン油などが挙げられる。
【0023】油分の配合量としては、乳化エマルション
状態が維持される範囲であれば良いが、好適には乳化エ
マルション全体に対して15〜50重量%の範囲が選択
される。
【0024】本発明では、パック料は乳化型の形態であ
ることが必要である。斯かる乳化型パック料を得る方法
としては、PVA、雲母チタンを含む全水相成分の分散
物中に、油性成分、界面活性剤を含む油相を添加して逆
乳化する方法や又はPVA、雲母チタンを含む水相成分
の分散物と、別途調製した水中油型の乳化エマルション
とを混合する方法などがあるが、得られた乳化型パック
料の品質(フィルム強度、ソフト感等)からは後者の方
法が有利である。
【0025】後者の方法において配合される乳化エマル
ションの量としては、雲母チタンの含有量によっても変
動するが、パック料全体に対して2〜25重量%、好ま
しくは5〜15重量%の範囲が選択される。
【0026】2重量%より少ない量では、マスキング効
果が低く塗布時から多少真珠光沢を呈し、透明感が出て
しまい変色変化が僅かなものとなる。逆に25重量%を
越えると変色度合は良好であるが、乾燥時のフィルム強
度が弱くなりパック感(皮膚の緊張感)がうすれる傾向
があり、あまり好ましくない。
【0027】ここで本発明の特徴について述べるならば
次のような点が挙げられる。1)従来から、メークアッ
プ化粧料等に使用されてきたパール顔料の一つである雲
母チタンを用いているため、皮膚に対する安全性上の懸
念が全くない。
【0028】2)パック料には従来から粉体が使用され
ており、従来と同様にしてパック料を製造することが可
能であり、安定性面の悪影響は全くなく、且つ剤型化上
の制約がない。
【0029】3)乳化エマルションの光マスキング作用
により、皮膚に塗布した時は不透明な白色を呈している
が、水分が蒸発して乾燥した時は、油分による透明化作
用と相まって皮膜は半透明となり、この時光干渉作用に
より雲母チタンが真珠光沢を呈するため、容易かつ確実
に剥離時期を確認することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0031】(実施例1〜5)本発明の実施例として、
表1に記載の各成分を混合し、乳化型パック料を製造し
た。方法としては、Aの成分を溶解、混合、分散して得
られた水系分散物中に、Bの成分を乳化して得られた水
中油型の乳化エマルションを投入、混合した後、Cの成
分を添加した。尚、表1中の数値は重量%を表わす。
【0032】
【表1】
【0033】(比較例1〜3)表2に記載の各成分を混
合し、乳化型パック料を製造した。方法としては、実施
例1〜5と同様にして行なった。
【0034】
【表2】
【0035】(比較実験)本発明により得られた実施例
1〜5の乳化型パック料と比較品としての比較例1〜3
の乳化型パック料とを用い、皮膚への塗布時及び乾燥時
での状態を目視観察により比較した。その結果を表3に
示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3の結果に示された如く、本発明の乳化
型パック料は塗布時には不透明な白色であり乾燥時には
真珠光沢を呈するので剥離時期が明確に把握できるのに
対し、比較品の乳化型パック料は不透明な白色のまま
か、もしくは塗布時から着色パール様を呈して剥離時期
の把握が困難であることが立証された。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、二色性光彩色を呈する
雲母チタンを乳化型のパック料に含有せしめることによ
り、皮膚に塗布されたパック料の剥離時期を容易かつ確
実に把握できるとともに、安全性や安定性上の問題もな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−263904(JP,A) 特開 昭63−57508(JP,A) 特開 平2−138386(JP,A) 特開 平3−72411(JP,A) 特開 昭62−16408(JP,A) 特開 昭60−169412(JP,A) 特開 昭59−212422(JP,A) 特開 昭58−164653(JP,A) 特開 昭58−149960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールを主被膜剤とする
    バック料において、光の干渉作用により発色または変色
    して光虹色を呈する、二酸化チタンで被膜された雲母及
    び顔料を含有することを特徴とする乳化型パック料。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールと、光の干渉作用
    により発色または変色して光虹色を呈する、二酸化チタ
    ンで被膜された雲母及び顔料を含有する水系分散物と、
    水中油型の乳化エマルションとを混合してなる乳化型パ
    ック料。
  3. 【請求項3】 光の干渉作用により発色または変色して
    光虹色を呈する、二酸化チタンで被膜された雲母及び顔
    料の含有量がパック料全体に対して0.2〜3重量%で
    ある請求項1又は2の何れかに記載の乳化型パック料。
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KR101086368B1 (ko) * 2002-11-18 2011-11-23 가부시키가이샤 코세 팩 화장료
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