JP3503952B2 - ポリエステル樹脂および成形品の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂および成形品の製造方法

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JP3503952B2 JP54146898A JP54146898A JP3503952B2 JP 3503952 B2 JP3503952 B2 JP 3503952B2 JP 54146898 A JP54146898 A JP 54146898A JP 54146898 A JP54146898 A JP 54146898A JP 3503952 B2 JP3503952 B2 JP 3503952B2
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延 吉村
隆志 田辺
勝也 徳冨
隆 藤巻
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株式会社ディージェーケー研究所
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/91Polymers modified by chemical after-treatment
    • C08G63/914Polymers modified by chemical after-treatment derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/916Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、比較的分子量の低いポリエステル樹脂を少
量の結合剤と微量の触媒を使用して結合反応させ、分子
量の増大した成形加工性の改良されたポリエステル樹脂
の製造方法およびポリエステル樹脂成形品の製造方法に
関するものである。さらに詳しくは、本発明は分子量と
物性が低下して回収されたポリエステル成形品を修復改
善して、分子量の増大した成形加工性の改良されたポリ
エステル樹脂を製造する方法および基本的物性と機械的
特性などの改良されたポリエステル樹脂成形品の製造方
法に関するものである。
背景技術 直鎖状の芳香族飽和ポリエステル、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート(PEN)等は優れた物性を有し、繊維、フィ
ルム、プラスチック等として広範囲に使用されている。
プラスチック分野では、成形品が自動車、機械部品、電
気・電子材料、建材、容器、各種工業用品等に、これら
ポリエステルが高性能樹脂材料として広く活用されてい
る。
近年、省資源と環境保全の観点から、工場生産工程や
一般消費市場から回収された使用済みのプラスチック製
品の再利用の必要性が世界的に認識され、ポリエステル
についても、使用済みのボトル、フィルム等の回収再利
用が積極的に進められている。このような結晶性ポリエ
ステルは、成形加工の熱履歴を経ることによって大幅な
分子量低下が起こりやすく、分子末端の遊離カルボキシ
ル基数が増大する傾向が強いことが実用上問題であり、
回収品の再利用技術の開発の障害になっていた。使用済
みの回収したポリエステルは新品チップに比較して分子
量が低下しているので、例えば大量に派生する回収PET
ボトルのフレーク(破砕物)の分子量はほぼ半減されて
おり、従ってこれをベース樹脂として再利用すると成形
加工性が悪く、元のPETボトルにはならず、低分子量で
も成形できる単繊維にしかならず、再利用の用途は狭い
範囲に限定されているのが現状である。
この問題の解決方法としては、ポリエステルの固相重
合で分子量を回復させる方法、鎖延長剤とポリエステル
末端基を反応させる方法、機械的特性を補うためエラス
トマー等の他の樹脂を添加するなどの方法が知られてい
る。
鎖延長剤としてはイソシアナート、オキサゾリン、エ
ポキシ、アジリジン、カルボジイミド等の官能基を有す
る化合物の活用が提案されている。しかしながら、反応
性、耐熱性、安定性等からの制約が強く、実用性がある
ものは限定される。これらの中でもエポキシ化合物は、
比較的有用であり、モノエポキシ化合物の配合(特開昭
57−161124号公報)、ジエポキシ化合物の配合(特開平
7−166419号公報、特公昭48−25074号公報、特公昭60
−35944号公報等)があるが、反応速度、ゲル生成、溶
融粘度、相溶性、熱安定性、成型品の物性等に問題が多
々あった。
一方、回収されたポリエステルを2官能のエポキシ樹
脂および立体障害性ヒドロキシフェニルアルキルホスホ
ン酸エステルと溶融混合してポリエステルの分子量を増
大させる方法が提案されている(特開平8−508776号公
報)。この方法は比較的反応速度が早いが、使用する立
体障害性ヒドロキシフェニルアルキルホスホン酸エステ
ルは高価であり、低コストの回収循環費用が要求される
業界においては実用性に問題がある。また、ポリエステ
ルにゴム、エラストマーを配合する方法も提案されてい
るが、それらの場合、相溶性、耐熱性、弾性率等に難点
があった。
発明の開示 本発明は、比較的分子量の低いポリエステル樹脂を原
料として分子量、分子量分布の増大した成形加工性の改
良されたポリエステル樹脂ペレットの製造方法およびそ
のポリエステル樹脂成形品の製造方法を提供することを
目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、飽和ポリエステルに結合剤として特定のエポキ
シ化合物および結合反応触媒を配合し、熱溶融すること
によって工業的に有利に前記目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、その1面において、(a)直鎖
状飽和ポリエステル100重量部、(b)結合剤として分
子内に2個のエポキシ基を含有する化合物0〜100重量
%および3個以上のエポキシ基を含有する化合物100〜
0重量%の混合物0.3〜10重量部、(c)結合反応触媒
としてカルボン酸の金属塩0.01〜5重量部から構成され
る混合物を、該ポリエステルの融点以上の温度で加熱す
ることを特徴とする、分子量の増大しスウェルが1〜20
0%であるポリエステル樹脂を製造する方法を提供する
ものである。
また本発明は、該カルボン酸の金属塩がナトリウム塩
およびマンガン塩から選ばれることを特徴とする上記の
製造方法を提供するものである。
さらにまた本発明は、直鎖状飽和ポリエステルが、回
収されたポリエステル成形品再循環物であり、好ましく
は固有粘度0.30〜0.90dl/gのものであることを特徴とす
る上記の製造方法を提供するものである。
さらにまた本発明は、結合剤として分子内に2個のエ
ポキシ基を含有する化合物が、脂肪族系ポリエチレング
リコール・ジグリシジルエーテルおよび芳香族系のビス
フェノールA・ジグリシジルエーテル、ビスフェノール
A・ジグリシジルエーテル初期縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とす
る、上記の製造方法を提供するものである。
さらにまた本発明は、結合剤として分子内に3個以上
のエポキシ基を含有する化合物が、脂肪族系のトリメチ
ロールプロパン・トリグリシジルエーテル、および芳香
族系のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスレゾルシノールテト
ラグリシジルエーテルからなる群から選ばれる少なくと
も1種以上を含有することを特徴とする、上記の製造方
法を提供するものである。
さらにまた本発明は、他の1面において、(a)直鎖
状飽和ポリエステル100重量部、(b)結合剤として分
子内に2個のエポキシ基を含有する化合物0〜100重量
%および3個以上のエポキシ基を含有する化合物100〜
0重量%の混合物0.3〜10重量部、(c)結合反応触媒
として(1)アルカリ金属のカルボン酸塩、炭酸塩およ
び重炭酸塩、(2)アルカリ土類金属のカルボン酸塩、
(3)アルミニウム、亜鉛またはマンガンのカルボン酸
塩、(4)マンガンの炭酸塩からなる群から選ばれる少
なくとも1種類以上を含有することを特徴とする、分子
量の増大しスウェルが1〜200%であるポリエステル樹
脂を製造する方法を提供するものである。
さらにまた本発明は、他の1面において、前記の方法
により製造されたポリエステル樹脂を提供するものであ
る。
さらにまた本発明は、他の1面において、前記の方法
により製造されたポリエステル樹脂を使用する、射出
品、フィルム、ヤーン、ボトル、繊維などの成形品の製
造方法を提供するものである。
本発明はまた、他の1面において、(a)直鎖状飽和
ポリエステル100重量部、(b)結合剤として分子内に
2個のエポキシ基を含有する化合物0〜100重量%およ
び3個以上のエポキシ基を含有する化合物100〜0重量
%の混合物0.3〜10重量部、(c)結合反応触媒として
カルボン酸の金属塩0.01〜5重量部から構成される混合
物を、該ポリエステルの融点以上の温度で加熱加工して
なる分子量の増大したポリエステル樹脂の射出品、フィ
ルム、ヤーン、ボトル、繊維などの成形品の製造方法を
提供するものである。
本発明はさらに、該直鎖状飽和ポリエステルが、回収
されたPETボトルのフレークであることを特徴とする、
上記に記載の成形品の製造方法を提供するものである。
図面の簡単な説明 図1は、ポリエステル樹脂の基本的な骨格構造を示す
図である。図1において、 はポリエステル樹脂の市販品(高分子量グレード、線
状構造体)、 はポリエステル樹脂の回収品(分子量が低下してい
る、線状構造体)、 は2官能の結合剤で連結された本発明のポリエステル
樹脂(高分子量、線状構造体)、 は3官能の結合剤で連結された本発明のポリエステル
樹脂(高分子量、長鎖分岐構造体)、 は3官能以上の結合剤で連結された本発明のポリエス
テル樹脂(高分子量、長鎖分岐構造体)をそれぞれ示
す。
発明を実施するための最良の形態 以下本発明について詳細に説明する。
(直鎖状飽和ポリエステル) 本発明における原料としての(a)成分の直鎖状飽和
ポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分と
から、または、ヒドロキシカルボン酸から合成されるも
のである。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフ
タル酸、等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、等の脂肪族、脂
環族ジカルボン酸、等を挙げることができる。これらの
中で、芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸および2,
6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、等を挙げることができる。これらの中で、エチレン
グリコール、テトラメテレングリコール、シクロヘキエ
サンジメタノールが好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、α−ヒドロ
キシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエト
キシ安息香酸等を挙げることができる。
本発明を適用することができる直鎖状飽和ポリエステ
ルは、実質的に直鎖状を保つ範囲内で、3官能以上の化
合物を共重合したものであってもよい。このような3官
能以上の化合物としては、例えば、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール等を挙げることができる。
直鎖状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートあるいはこれらの共重
合体が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートが特
に好ましい。
本発明で使用する直鎖状飽和ポリエステルは、1,1,2,
2−テトラクロルエタン/フェノール(1:1)混合溶媒に
溶解して25℃で測定した固有粘度が0.30dl/g以上である
ことが好ましく、0.40dl/g以上であることがより好まし
い。固有粘度が0.30dl/g未満であると、本発明によって
も高分子量化が困難であり、得られるポリエステル樹脂
が必ずしも優れた機械的強度を得ることができないおそ
れがある。固有粘度の上限は、特に制限されないが、通
常0.90dl/g以下、好ましくは0.80dl/g以下である。
ポリエステル回収品を使用する場合には、通常その成
形品が有している固有粘度であり、一般的には0.40〜0.
80dl/g、特に0.50〜0.70dl/gである。
回収したポリエステル成形品を利用する場合、その成
形品の形態は、繊維、フィルム、ボトルあるいは他の成
形品のいずれであってもよく、またポリエステル中に
は、他のポリマー、例えばポリオレフイン、ポリアクリ
ル酸エステルなどを少割合含有していても特に差し支え
ない。また充填剤、顔料、染料などの添加剤を少量含有
したものでもよい。特に、PETボトルは、回収され再循
環使用のための社会的環境が整備されつつあり、その上
ボトルのポリエステルは再利用に適した組成であるの
で、本発明の原料の直鎖状飽和ポリエステルとして好適
である。
(結合剤) 本発明の(b)成分の結合剤は、分子内に2個ないし
3個あるいは3個以上のエポキシ基を含有する化合物で
ある。通常、分子内に平均2個のエポキシ基を有する化
合物の例としては、脂肪族系のポリエチレングリコール
・ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール・
ジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコール・ジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサメチレングリコール
・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジ
グリシジルエーテル、グリセリン・ジグリシジルエーテ
ル、また芳香族系のビスフェノールA・ジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA・ジグリシジルエーテルの初
期縮合物、テレフタル酸ジグリシジルエーテル、また脂
環系の水添ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル、
等を挙げることができる。
分子内に平均3個以上のエポキシ基を有する化合物の
例としては、トリメチロールプロパン・トリグリシジル
エーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ノボラッ
ク・エポキシ樹脂、ビスレゾルシノールテトラグリシジ
ルエーテル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、テトラ
グリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等を挙げる
ことができる。
この(b)成分のエポキシ基含有化合物の配合量は
(a)成分の直鎖状飽和ポリエステル100重量部に対し
て0.3〜10重量部である。特に、0.5〜5重量部であるこ
とが好ましい。0.3重量部未満では鎖延長の効果が不充
分で、分子量が上がらず、成形品の基本物性や機械的特
性が劣る。10重量部を越えると可塑化効果で成形品の弾
性率が低下したり、ゲルが生成したりする。
本発明では、特に結合剤として分子内に2個のエポキ
シ基を含有する化合物0〜100重量%、3個以上のエポ
キシ基を含有する化合物100〜0重量%の混合物を使用
することができる。分子内に2個のエポキシ基を含有す
る化合物によってもスウェル(膨潤度)が出現し、少量
の長鎖分岐が形成されるが、3個以上のエポキシ基を含
有する化合物の使用量を増やすことにより、スウェル
(膨潤度)と長鎖分岐を所望の程度まで増やすことがで
きる。
これらが増大するほど、ポリエステル樹脂の溶融張力
や伸張粘度が増大し、一般に、成形加工性が改良され
る。例えば、樹脂の結晶化速度の増大により、射出成形
のサイクルが短縮されて生産性が向上する。インフレー
ション・フィルム成形では、バブルが安定し、フィルム
の偏肉が減少する。Tダイ・フィルム成形では、ネック
インが減少し、フィルムの歩留まりが向上する。シート
成形では、ドローダウン性が改善され、安定な成形が可
能となる。特に、スウェルと溶融張力の大きいポリエス
テル樹脂では、発泡成形を容易に行うことができる。
(結合反応触媒) 本発明における(c)成分としての結合反応触媒は、
(1)アルカリ金属のカルボン酸塩、炭酸塩および重炭
酸塩、(2)アルカリ土類金属のカルボン酸塩、(3)
アルミニウム、亜鉛またはマンガンのカルボン酸塩、
(4)マンガンの炭酸塩からなる群から選ばれた少なく
とも一種類以上を含有する触媒である。
前記触媒は、金属のカルボン酸塩のタイプとそれ以外
のタイプに分けられる。カルボン酸の金属塩を形成する
金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの
ようなアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウムおよびバリウムのようなアルカリ土類金属;
アルミニウム、亜鉛およびマンガンが例示される。
これら金属と塩を形成するカルボン酸は、モノカルボ
ン酸、ジカルボン酸およびその他の多価カルボン酸のい
ずれでもよく、さらにアイオノマーなどのポリマー状カ
ルボン酸であってもよく、その炭素数も特に制限されな
い。しかしカルボン酸の炭素数は1以上であればよく、
得られた高重合度ポリエステルの結晶化速度に影響を与
える。すなわち中級および高級のカルボン酸、特に中級
および高級脂肪酸の金属塩を触媒として使用した場合、
結晶化速度が促進された高重合度ポリエステルが得られ
る。特に好ましくは高級脂肪酸の金属塩を触媒として使
用すると、結晶化速度がさらに一層促進された高重合度
ポリエステルが得られる。
本発明の触媒を形成するカルボン酸のうち、特に好ま
しい高級カルボン酸としては、平均分子量が500〜1000
のパラフィンの酸化物がある。
この酸化物の平均分子量が500〜1,000となるような長
鎖パラフィンは、天然にははとんど存在せず、通常フイ
ツシヤー・トロブシュ法における石炭より合成石油を製
造する際の合成ワックスとして得られる。現在フイツシ
ヤー・トロプシュ法を商業規模で実施しているのは、南
アフリカ共和国のサゾール公社(Sasol Ltd.)のみであ
り、このサゾール公社から「サゾールワックス」として
市販されている。サゾールワックスには、ストレートタ
イプのH1、H2、C1またはC2と称される高融点パラフィン
ワックス、A1、A6またはA7と称される酸化タイプ、A2、
A3またはA14と称される酸化鹸化タイプがあり、いずれ
も使用することが出来る。
本発明における特に好ましい結合反応触媒は、カルボ
ン酸のマンガン塩であり、ポリエステル樹脂の末端カル
ボキシル基とエポキシ環の反応触媒として作用する。こ
のマンガン塩としては、有機カルボン酸の塩が好まし
く、具体的には炭素数1〜20個の、特に1〜10個の脂肪
族カルボン酸、炭素数3〜12個の脂環族カルボン酸ある
いは炭素数7〜20個の芳香族カルボン酸のマンガン塩が
好適である。塩を形成するカルボン酸の具体例として
は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、アジピン
酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボ酸、安息香
酸、フタル酸などが挙げられる。更に好ましい例として
は、酢酸第1マンガン、酢酸第1マンガン無水物、酢酸
第1マンガン4水塩、酢酸第2マンガン等を挙げること
ができる。特に、酢酸第1マンガン4水塩が好ましい。
この結合反応触媒としてのカルボン酸のマンガン塩の
配合量は(a)成分の直鎖状飽和ポリエステル100重量
部に対して0.01〜5重量部である。特に、0.05〜1重量
部であることが好ましい。0.01重量部未満では触媒効果
が小さく、反応が未達となって分子量が充分増大しない
ことがある。5重量部を超えると局部反応によるゲル生
成や溶融粘度の急上昇による押出成形機内のトラブルな
どが生じる。
(その他の添加物) 上記の(c)成分の結合反応触媒に、助触媒、結晶化
核剤、結晶化促進剤として、例えば塩化リチウム、ヨウ
化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属、アルカリ
土類金属等のハロゲン化物や炭酸塩、重炭酸塩、トリブ
チルホスフイン、トリオクチルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン等のアリールまたはアルキル置換ホスフィ
ン、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタ
ン酸等の飽和脂肪酸やクロトン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸等の不飽和脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、等のアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
さらにまた、本発明のポリエステル樹脂組成物には、
前記(a)成分のポリエステル、(b)成分のエポキシ
基含有化合物および(c)成分の結合反応触媒以外に、
充填材としてタルク、炭酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、カオリン、アルミナ、水酸化アルミ等、補強材とし
てガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ウイスカー
等、顔料としてカーボンブラック、酸化アンチモン、二
硫化モリプデン、酸化チタン等、また着色剤、安定剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調節剤、帯電防止剤、
導電剤、流動性付与剤、離型材、他の架橋剤、他の樹脂
類等を任意に配合してもよい。
(配合方法、結合反応) 次に、本発明のポリエステル樹脂を配合する方法に付
いて説明する。
(a)成分のポリエステルは、通常のバージンチッ
プ、回収したフレーク、粒状物、粉末、チップ等の任意
の形状のものを使用することができ、乾燥も任意であ
る。一般的には、主成分のポリエステルを乾燥する方が
好ましい結果を与える。各成分をヘンシェルミキサー等
の混合機で混和させてから、例えば押出ペレタイザーま
たは直接に成形加工機に供給する。加熱溶融する温度
は、ポリエステルの融点以上で330℃以下であることが
反応制御の観点から望ましい。特に、320℃以下が好ま
しく、330℃を越えるとポリエステルの変色や熱分解が
生じるおそれがある。各成分は同時に混合する方法以外
に、(a)成分と(b)成分を予め混合し、その後、任
意の工程で(c)成分を添加することも可能である。ま
た、(a)成分と(c)成分を先に混合し、その後、任
意の工程で(b)成分を添加することも可能である。
加熱溶融する反応装置としては、単軸押出機、二軸押
出機、それらの組合せの二段押出機、ニーダー・ルーダ
ー等を使用することができる。
射出成形、製膜、ヤーン化、中空成形、紡糸等を行う
場合には、予め押出成形機で製造しておいたペレットを
使用してもよいし、上記の三成分をドライブレンドした
生の混合物を直接に加工機のフィーダーへ供給すること
もできる。混練工程の段階数や加熱条件を考慮して最適
な配合組成を選定することが重要である。成形時の成形
速度、金型温度、延伸条件も任意に選定でき、得られた
成形物を後で加熱処理する場合もありうる。
本発明により、短い時間、例えば、1分〜60分、好ま
しくは2分〜30分、特に好ましくは4分〜15分の時間
で、直鎖状の飽和ポリエステルの重合度が上昇し、末端
カルボキシル基量が減少するのは、結合触媒がポリエス
テルのカルボキシル基とエポキシ環の反応に対して促進
作用を有し、多官能エポキシ成分により末端カルボキシ
ル基を有するポリエステルの分子が連結されるために分
子鎖が延長したり、分岐したりして高分子量となり、同
時に末端カルボキシル基量が減少するものと推定され
る。ポリエステルに結合触媒のみを添加して加熱溶融し
た場合は、分子量の上昇と末端カルボキシル基の減少は
認められない。ポリエステルに多官能エポキシ成分のみ
を添加して加熱溶融した場合は、反応速度が遅いために
短時間に分子量を上昇させることは困難である。本発明
の(a)成分、(b)成分および(c)成分の三成分が
共存した場合にのみ顕著に分子量の上昇が認められる。
本発明によれば、原料のポリエステルの例えば固有粘
度0.30〜0.90dl/gに対して、分子量が増大したポリエス
テルの例えば固有粘度0.40〜2.0dl/gを短時間に簡単な
手段で得ることができる。粘度の増大の程度は、原料ポ
リエステルの固有粘度や目的とするポリエステルの固有
粘度などによって左右されるが、一般的には固有粘度の
低いポリエステル例えば0.30〜0.5dl/gを原料として使
用する時には固有粘度の増加量を大きくし、また固有粘
度の高い原料例えば0.70〜0.9dl/gを使用する時には、
相対的に小さい増加量でよい。通常固有粘度の増加量は
0.1〜1.1dl/g、好ましくは0.20〜0.70dl/gの範囲であ
る。
実施例 以下、本発明を実施例および比較例により説明する。
なお、物性測定に使用した分析機器および測定条件を下
記に示す。
分子量の測定はGPC法によった。
・昭和電工社製SYSTEM−21 ・カラム(サンプル、リファレンス側とも)Shodex KF
−606M(2本) ・溶剤 ヘキサフロロイソプロピルアルコール ・カラム温度 40℃ ・流量 0.6ml/分 ・ポリマー濃度 0.15重量% ・検出器 Shodex RI−
74 ・分子量換算スタンダード PMMA(Shodex M−75) ・注入量 20μl メルトフローレート(MFR)は、JIS K6760に従い、
温度280℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
スウェルはMFR用のメルトインデクサーを用い、温度2
80℃、荷重2.16kgの条件で垂れ流し、サンプルが2.0cm
垂れたところでカットし、下端から5.0mmのところの直
径を測定し、下記の計算式により算出した。なお、実際
には、上記直径は数回測定され、その平均値が採用され
た。また、下記式の数値「2.095」は、MFR用メルトイン
デクサーのノズル径である。
スウェル(%)=[(直径の平均値−2.095)/2.095]×100 固有粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノ
ールの等重量の混合溶媒を使用し25℃で測定した。
(実施例1〜5)[脂肪族系の2官能エポキシ結合剤に
よる樹脂ペレットA〜Eの製造] 直鎖状飽和ポリエステルとしてPETボトルの回収フレ
ーク((株)フジテックの供給品、固有粘度0.564dl/
g、末端カルボキシル基量45当量/106g、水分含有率0.6
%以下)を130℃・6時間熱風乾燥した100重量部に、結
合剤として脂肪族系で分子量が異なる2官能エポキシ化
合物であるポリエチレングリコール・ジグリシジルエー
テルEGDGE(共栄社油脂化学工業(株)の製品、淡黄色
液体、エポライト40E、200E、400E)のそれぞれ1.0、1.
5、2.0および2.2重量部、および結合反応触媒としての
サゾールワックスA1・ナトリウム塩0.1重量部を混合
し、フレーク混合物[1]にした。
(株)栗本鉄工所製のS1型KRCニーダー(スクリュー
径25mm、同方向二軸型、L/D=10、回転数81〜324)を使
用し、この押出機のスクリューとダイの設定温度を280
℃とし、フレーク混合物[1]をホッパーから乾燥窒素
ガス雰囲気下に所定速度で投入すると共に、スクリュー
回転数を変えることによって滞留時間を調節しながら、
結合反応を行った。ストランドを口径3mmのノズルから
水中に連続的に押出し、回転カッターで切断して高級感
のある透明な樹脂ペレットA〜Eを製造し、熱い樹脂ペ
レットを直ちに130℃・3時間熱風乾燥して後に、防湿
袋または防湿容器に貯蔵した。反応条件と樹脂の基本物
性などを比較例1および比較例2の市販品PETペレット
のものと共に表1に示した。
本発明の樹脂ペレットA〜Eは、MFRが約1〜20g/10
分に制御され、かつスウェルが約40〜60%と大きいこと
に特徴があり、2種類の市販品ペット(一般的に、線状
構造体である)に比べて成形加工性が極めて良好であ
る。また、特に、本発明を代表する樹脂ペレットD(実
施例4)およびE(実施例5)は、それぞれMw32,200、
Mn9,380およびMw/Mn=3.4とMw37,200、Mn10,300およびM
w/Mn=3.6と高分子量であり、また分子量分布が広かっ
た。なお、これら樹脂ペレットDおよびEの末端カルボ
キシル基は、化学分析の下限値以下に低下していた。
本発明の樹脂ペレットは、一般的に市販品に比べて分
子量が小さい割には、溶融粘性が大きく、かつMFR値が
低く、また分子量分布が広くなっているので成形加工性
に富んでいる。これらの測定値は、少数の長鎖分岐(お
そらく一分子当たり一本以下と予想される)を持つ長鎖
分岐構造体の生成を示唆する。二分子の低分子量線状構
造体PET(図1の)の末端カルボキシル基と2官能エ
ポキシ化合物との結合反応では、本来2倍の分子量を持
つ線状構造体(図1の)が生成する筈であるが、末端
カルボキシル基とエポキシ環との反応で新たに副生した
ヒドロキシル基と他の2官能エポキシ化合物とが再結合
して少量の長鎖分岐構造体(図1の)が副成したもの
と推測される。
(比較例1〜2)[市販品PET] ポリエチレンテレフタレート(PET)の市販品ペレッ
トの2種類について基本的性質を測定し、表1に示し
た。また、これら市販品PETは、分子量および分子量分
布は、夫々Mw42,500、Mn16,900およびMw/Mn=2.5(比較
例1)、およびMw50,500、Mn18,200およびMw/Mn=2.8
(比較例2)と分子量分布が狭く、スウェルもマイナス
で殆どゼロであり、線状構造体の特徴を示しており、従
ってスウェル値が比較的大きい本発明の長鎖分岐構造体
とは明らかに異なる。
(実施例6〜8)[2官能と多官能エポキシ結合剤によ
る樹脂ペレットF〜Hの製造] 上記の実施例1〜5において、固有粘度0.678dl/gの
回収PETボトルフレークを原料とし、結合剤として2官
能エポキシ化合物であるポリエチレングリコール・ジグ
リシジルエーテル(共栄社油脂化学工業(株)の製品、
淡黄色液体、エポライト400E)の1〜1.5重量部に3官
能以上の多官能エポキシ結合剤を併用し、かつ結合反応
触媒として酢酸第1マンガン4水塩0.2重量部に変更し
た以外は、実施例1〜5と同様にして樹脂ペレットF〜
Hを得た。表2に結果を示す。
本発明の樹脂ペレットF〜Hは、MFRが約0.6〜12g/10
分に制御され、かつスウェルが約110〜190%と更に大き
くなり、成形加工性がさらに改良された。長鎖分岐構造
体(図1のおよび)が生成したものと推測される。
(実施例9)[樹脂ペレットIの製造] 固有粘度0.678dl/gのポリエチレンテレフタレートの
回収フレークスを140℃で6時間乾燥したもの100重量部
に、エピコート815(油化シェルエポキシ(株)の製
品、主成分はビスフェノールA・ジグリシジルエーテ
ル)1重量部および酢酸第1マンガン4水塩0.2重量部
を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。このフレー
ク混合物を43mm二軸押出機(ベルストルフ社、同方向回
転、セグメント型)を用いて、バレル温度280℃、押出
速度約40kg/時間で溶融押出し、3本のストランドを水
冷し、回転カッターでペレット化した。得られたポリエ
チレンテレフタレートのペレットIは、乾燥され、防湿
容器に貯蔵されたが、その固有粘度は1.02dl/g、MFRは
6.2g/10分、スウェルは49%であった。本実施例によれ
ば、分単位の滞留時間で分子量が大幅に上昇し、不均一
反応の様な副反応によるゲル形成も殆どなく、長時間安
定した混練り押し出し運転ができた。
比較のために、エポキシ成分と触媒成分を加えずに、
乾燥したフレークのみで同一条件の混練り押出し運転を
したが、得られたペレットの固有粘度は0.63dl/gであ
り、MFRは測定不可能であり、分子量は上昇せずにむし
ろ低下した。
(実施例10〜11)[樹脂ペレットIのシート成形] 樹脂ペレットIを用いて、スクリュー径20mm単軸の小
型押出機に200mm幅のTダイを取り付けて、300℃で、10
0、200および300μm厚さの未延伸シートを成形した。
次に、この200μm厚さの未延伸シートを90℃で4倍に
一軸延伸してシートを成形した(実施例10)。
さらに、この300μmシートから同様に延伸した一軸
延伸シートを二軸延伸装置で100℃で2倍に延伸して二
軸延伸フイルムを成形した(実施例11)。それらシート
とフイルムの機械的特性を表3に示した。
(実施例12)[フレーク混合物Jからインフレーション
・フイルムの直接的成形] 本発明の実施例7の配合のフレーク混合物Jを調製
し、下記のインフレーションフィルム成形装置で成形テ
ストを行った。
成形機:吉井鉄工社製、LDPE用インフレーション成形
機(単軸タンデム型、スクリュー径40mm、L/D=26、60m
m、L/D=18) ダイ:径100mm(リップ1.0mm、LDPE用のもの) エアリング:プラコー社製垂直吹き出しタイプ ダイ出口樹脂設定温度:270℃ ブロー比:2.6 フィルム厚み:30μm 引取りスピード:25m/分 2時間の成形テストにおいて、安定したフィルムを成
形することができた。また、偏肉は0.5時間おきに4点
のサンプルを測定したところ、28〜34μmの範囲内であ
った。一方、このフィルムをヘキサフロロイソプロピル
アルコールに溶解し、SEC−MALLS法により分析したら、
1分子当たりに長鎖分岐の複数本を検出した。
(実施例13〜15) 本発明の実施例9の樹脂ペレットを使用し、各種の成
形加工を試みた。JIS金型による射出成形性、ダイレク
ト・ブローおよびインジェクション・ブローのボトル成
形性、マルチフィラメントなどの成形性は、優れてい
た。
産業上の利用可能性 一般消費市場から回収されるポリエステル樹脂を再利
用する場合、不可避的な分子量の低下により利用分野が
制限されていたのを、本発明の方法により容易に所望の
分子量、物性のポリマーに復元することができ、再生資
源の有効利用に大きく寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−300518(JP,A) 特開 平8−325407(JP,A) 特開 昭56−45928(JP,A) 特開 昭55−60552(JP,A) 特表 平8−508776(JP,A) 特表 平9−509214(JP,A) 米国特許4999388(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/68 C08G 59/62 C08G 63/91 C08L 67/00 - 67/03

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)直鎖状飽和ポリエステル100重量
    部、(b)結合剤として分子内に2個のエポキシ基を含
    有する化合物0〜100重量%および3個以上のエポキシ
    基を含有する化合物100〜0重量%の混合物0.3〜10重量
    部、(c)結合反応触媒としてカルボン酸の金属塩0.01
    〜5重量部から構成される混合物を、該ポリエステルの
    融点以上の温度で加熱することを特徴とする、分子量の
    増大しスウェルが1〜200%であるポリエステル樹脂を
    製造する方法。
  2. 【請求項2】カルボン酸の金属塩がナトリウム塩および
    マンガン塩から選ばれることを特徴とする、請求項1に
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】直鎖状飽和ポリエステルが、回収されたポ
    リエステル成形品再循環物であることを特徴とする、請
    求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】直鎖状飽和ポリエステルが、回収されたポ
    リエステル成形品再循環物であり、固有粘度0.30〜0.90
    dl/gのものであることを特徴とする、請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】結合剤として分子内に2個のエポキシ基を
    含有する化合物が、脂肪族系のポリエチレングリコール
    ・ジグリシジルエーテルおよび芳香族系のビスフェノー
    ルA・ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・ジグ
    リシジルエーテル初期縮合物からなる群から選ばれる少
    なくとも1種以上を含有することを特徴とする、請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】結合剤として分子内に3個以上のエポキシ
    基を含有する化合物が、脂肪族系のトリメチロールプロ
    パン・トリグリシジルエーテル、および芳香族系のフェ
    ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
    ク型エポキシ樹脂、ビスレゾルシノールテトラグリシジ
    ルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種以上
    を含有することを特徴とする、請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】(a)直鎖状飽和ポリエステル100重量
    部、(b)結合剤として分子内に2個のエポキシ基を含
    有する化合物0〜100重量%および3個以上のエポキシ
    基を含有する化合物100〜0重量%の混合物0.3〜10重量
    部、(c)結合反応触媒として(1)アルカリ金属のカ
    ルボン酸塩、炭酸塩および重炭酸塩、(2)アルカリ土
    類金属のカルボン酸塩、(3)アルミニウム、亜鉛また
    はマンガンのカルボン酸塩、(4)マンガンの炭酸塩か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を含有する
    ことを特徴とする、分子量の増大しスウェルが1〜200
    %であるポリエステル樹脂を製造する方法。
  8. 【請求項8】(a)直鎖状飽和ポリエステル100重量
    部、(b)結合剤として分子内に2個のエポキシ基を含
    有する化合物0〜100重量%および3個以上のエポキシ
    基を含有する化合物100〜0重量%の混合物0.3〜10重量
    部、(c)結合反応触媒としてカルボン酸の金属塩0.01
    〜5重量部から構成される混合物を、該ポリエステルの
    融点以上の温度で加熱加工してなる分子量の増大したポ
    リエステル樹脂の射出品、フィルム、ヤーン、ボトル、
    繊維などの成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】カルボン酸の金属塩がナトリウム塩および
    マンガン塩から選ばれることを特徴とする、請求項8に
    記載の成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】該直鎖状飽和ポリエステルが、回収され
    たPETボトルのフレークである請求項8または9に記載
    の成形品の製造方法。
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