JP3678091B2 - 分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分岐成分を導入して溶融粘度を上昇させた熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法に関し、特に、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等を製造するにあたり押出発泡成形や押出ブロー成形が容易に可能である熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、優れた機械的性質及び化学的特性が注目され、繊維やフィルム分野に、更にその優れた透明性、気体遮断性、安全衛生性等の面から、食品包装分野をはじめ各種分野において著しい需要の伸びを示している。
しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂は、一般に溶融状態での粘度や張力が低いため、押出発泡成形や押出ブロー成形等の成形性が劣るため、溶融重合時間を延長したり、溶融重合の後に固相重合を行って高分子量化しても、これらの成形性の改良に結びつく程の高溶融粘度化には不十分であり、良好な発泡体や中空体等の成形品を得ることが困難であった。
【0003】
熱可塑性ポリエステル樹脂を高溶融粘度化する方法としては、例えば、多官能のカルボキシル基化合物や水酸基化合物を分岐成分として共重合する方法(例えば、国際公開WO86/00319号公報参照)等が提案されている。
しかしながら、この方法では、重合時に溶融粘度が上昇するため、製造設備において攪拌不能になる場合や、製品の抜出しが不可能になる等の問題があり、更に攪拌が不均一になることにより、溶融や溶解できない成分(ゲル)が発生するという問題があった。
また、ポリエステル樹脂と3個以上のエステル形成性基を含有する分岐成分とを均質混合して固体粒状に変換し、これを加熱する方法(例えば、特開昭53−94596号公報参照。)等も提案されている。
しかしながら、この方法でも、使用する熱可塑性ポリエステル樹脂の種類によっては、得られる熱可塑性ポリエステル中に未反応物や副生成物が残留したり、押出発泡成形や押出ブロー成形が可能な程度まで溶融粘度を上昇させることが出来ない場合があった。そして、このように得られる熱可塑性ポリエステル樹脂中に未反応物や副生成物が残留すると、これを原料として成形加工した成型品に異物や着色などの外観不良が発生したり、食品包装容器等の場合には内容物への溶出が発生するという問題があった。
【0004】
更に、特定の固有粘度および末端カルボキシル基含率を有する熱可塑性ポリエステル樹脂に芳香族多価カルボン酸無水物を加えて溶融押出する方法(例えば、特許第2807049号公報参照。)等も提案されている。しかしながら、この方法で製造された熱可塑性ポリエステル樹脂は、分子末端のカルボキシル基比率が高くなることにより熱安定性が悪いという問題があった。このため、特に成型機内で長時間の溶融滞留を必要とする成形方法、即ち発泡押出成形や、大型の押出ブロー成形のような成形に使用する原料としては適当でなく、また成型品についても、高温で長時間暴露されるような用途には使用できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述の現状に鑑みてなされたもので、ゲル等の発生が少なく、未反応物や副生成物の残留が少なく、熱安定性が良好であり、押出発泡成形や押出ブロー成形等に使用可能な程度に高い溶融粘度を有する分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成すべくなされたものであって、即ち、本発明は、極限粘度が0.4dl/g以上の熱可塑性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固化後、加熱処理する分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法において、熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量を100とした場合に、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物の水酸基当量が30〜250の範囲であるように溶融混練する分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法において用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、代表的には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が挙げられる。
ここで、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコールを主成分とするジオール単位との重縮合体からなるポリエステルであって、ジカルボン酸成分中におけるテレフタル酸以外のジカルボン酸含有量およびジオール成分中におけるエチレングリコール以外のジオール含有量の合計量が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下のものである。30モル%を越えて共重合されている場合は、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性が低下するため、溶融混練物を冷却固化した後の加熱処理が困難となるため好ましくない。
【0008】
尚、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
又、エチレングリコール以外のグリコール成分としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0009】
更に、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸等の一種又は二種以上が共重合されていてもよく、また本発明の効果を損なわない範囲で、3官能以上のカルボン酸含有化合物や水酸基含有化合物等の一種又は二種以上が共重合されていてもよい。
中で、ジカルボン酸単位としては、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が、又、グリコール単位としては、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適である。
テレフタル酸、前記のテレフタル酸以外のジカルボン酸成分、及び前記のカルボン酸含有化合物は、重縮合の原料としては、カルボン酸が炭素数1〜4程度のアルキルでエステル化されているものを用いることが出来る。
【0010】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒中、30℃で測定した場合の極限粘度が、好ましくは0.4dl/g以上、さらに好ましくは0.5dl/g以上、特に好ましくは0.6dl/g以上である。熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度が0.4dl/g未満の場合には、得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が低いため好ましくない。
又、前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、カルボキシル基当量が、好ましくは15meq/kg以上、さらに好ましくは30meq/kg以上の範囲である。熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量が15meq/kg未満の場合には、得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が低くなる傾向がある。前記カルボキシル基当量の測定は、先ず測定する熱可塑性ポリエステル樹脂をフリーザミルにて粉砕後、140℃、15分間熱風乾燥する。これを0.1g秤量し、195℃にてベンジルアルコール3ml中に3分間で溶解し、30秒放冷の後、クロロホルム5mlを注入して冷却する。この溶液をフェノールレッドを指示薬として0.1mol/lの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定する。
【0011】
本発明において、前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、溶融重合またはそれに続く固相重合等によって合成された原料を使用する以外に、シート,フィルム,絞り成形容器,ボトル等の成形加工過程で発生した端材や規格外品、或いは包装容器等として使用された後に市場から回収された成型品等を粉砕したものも使用することが出来る。これらは、粉砕品をそのまま原料として使用する以外に、一度溶融してペレット形状等にして使用することが出来る。
また、本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法には、本発明の効果を損なわない範囲で、熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化を促進するための結晶化促進剤を添加することができる。結晶化促進剤は特に限定されないが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アイオノマーなどの変性ポリオレフィン類、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウムなどの有機低分子塩類、タルクなどの無機核剤などが例示される。また、三酸化アンチモンなど重合触媒の選択によって熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化を促進することも出来る。これらの結晶化促進剤は1種を用いても複数種を併用してもよい。
【0012】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂に結晶化促進剤を添加する場合は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、結晶化促進剤を好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜5重量部で使用すればよい。結晶化促進剤を添加することにより、得られる押出発泡成形や押出ブロー成形の成型品の耐熱性や耐衝撃性が向上する場合がある。
これら結晶化促進剤は、通常、溶融混練時に熱可塑性ポリエステル樹脂、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物とともに添加して用いられるが、予め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有されていてもよい。
【0013】
尚、本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法には、本発明の効果を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、チオエーテル系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ヒンダードアミン系、シアノアクリレート系等の光安定剤、無機系および有機系の核剤、分子量調整剤、可塑剤、耐加水分解剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、着色剤、分散助剤等の添加剤、及び、ガラス繊維、マイカ、カーボンファイバー、チタン酸カリファイバー等の強化材、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の充填材等が樹脂に対して0.001〜10重量%の範囲で含有されていてもよい。
これらの添加剤及び充填剤は、通常、溶融混練時に熱可塑性ポリエステル樹脂や分子内に3個以上の水酸基を有する化合物とともに添加して用いられるが、予め熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有されていてもよい。
更には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の他の熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマー等が用いられてもよい。
【0014】
本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法において用いられる、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物としては、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物であれば、限定されるものではないが、具体的には、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビタール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロール(グリセロールが2〜20程度縮合した化合物およびこれらの混合物)、ポリオール(炭素数2〜4程度のアルキレンオキシドが縮合した化合物)等が挙げられ、更には、カルボキシル基等の他の官能基を有するものであってもよい。中で、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリグリセロール、ポリオールが好適である。尚、これら化合物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
前記の分子内に3個以上の水酸基を有する化合物の配合量は、前記熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量を100とした場合に、水酸基当量が30〜250となるよう配合する必要がある。好ましくは50〜200、更に好ましくは80〜150である。3個以上の水酸基を有する化合物の配合量が前記範囲未満では、得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が低く、押出発泡成形や押出ブロー成形に適した樹脂が得られない。一方、前記範囲超過では、得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の成形性が悪化して流動不良を引き起こすとともに、無反応の水酸基化合物や副生成物が残留するため、樹脂の劣化および異物や着色、臭気等の原因になる。
分子内に3個以上の水酸基を有する化合物の水酸基当量は、使用する化合物の分子構造から算出することができるが、混合物であったり分子構造や分子量が明らかでない等の場合には、滴定法などの一般的な方法で直接測定すればよい。
【0016】
前記の分子内に3個以上の水酸基を有する化合物は、通常、混練装置に直接に投入するが、予め、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物を熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有したマスターバッチとして投入することも出来る。
本発明において、前記の分子内に3個以上の水酸基を有する化合物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、1官能や2官能以上のカルボン酸化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物等の反応促進剤を1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、通常、前記の熱可塑性ポリエステル樹脂と前記の分子内に3個以上の水酸基を有する化合物及び、必要に応じて用いる添加剤等とを混練装置にて溶融混練し、これを固体状態とした後に、加熱処理することにより製造される。
【0017】
本発明における溶融混練の混練方式には特に制約はなく、回分式であっても連続式であってもよいが、一般に一軸押出機または二軸押出機の名称の連続押出機などが好適に使用される。
本発明において溶融混練は、原料である熱可塑性ポリエステル樹脂をそのまま混練装置に投入することも出来るが、予め熱可塑性ポリエステル樹脂を乾燥して投入することが好ましく、この場合、含有水分量を400ppm以下、好ましくは200ppm以下、特に好ましくは50ppm以下とする。ポリエステル樹脂を乾燥することにより、樹脂の劣化や着色を抑制するとともに、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物との反応性を高めることが出来る。
原料である熱可塑性ポリエステル樹脂を乾燥せずに混練装置に投入する場合は、混練装置内部の溶融樹脂滞留部分を減圧状態にすることが好ましい。このような混練装置内部を減圧する場合には、二軸押出機を使用することが混練効率および製造効率の観点から好ましく、2×104Pa以下、好ましくは3×103Pa以下で行うことが好ましい。混練装置内部を減圧することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂と分子内に3個以上の水酸基を有する化合物との反応性を高めることが出来るとともに、樹脂の劣化や着色を防いだり、反応残留物や副生成物を除去することができる。
【0018】
本発明で使用する分子内に3個以上の水酸基を有する化合物が、前記の減圧下では気化して留去されてしまう場合には、予め乾燥した樹脂原料を使用することで、混練装置は減圧しないことが好ましい。
本発明において、混練装置による溶融混練は、好ましくは180〜340℃、更に好ましくは200〜320℃、特に好ましくは230〜300℃の温度で行う。前記範囲未満では、熱可塑性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物との反応が不充分な傾向となり、一方、前記範囲超過では、樹脂の劣化や着色等が生じ易い傾向となる。
前記溶融混練は、溶融混練時間が、好ましくは0.5〜30分、更に好ましくは1〜20分、特に好ましくは2〜10分であることが望ましい。前記範囲未満では、熱可塑性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物との反応が不充分な傾向となり、一方、前記範囲超過では、樹脂の劣化や着色等が生じ易い傾向となる。ここで溶融混練時間とは、溶融された樹脂と分子内に3個以上の水酸基を有する化合物とが接触し、動力によって剪断を受けている時間をいう。押出機等で溶融混練時間が明確でない場合は、着色剤等を微量用いて、原料を投入してからスクリュー以降に吐出され始める迄の時間として測定する。
【0019】
溶融混練された分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、水冷、風冷等の冷却により固化され、通常、ペレット状等の粒状物として回収される。このような粒状とした場合、引き続き実施される加熱処理の効率が高くなるため好ましい。
本発明の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融混練にて得られた粒状物等を固体状態で加熱処理することにより、溶融粘度を更に上昇させることが出来る。加熱処理を行う際の装置は特に限定されないが、固体状態の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂が、静置されている状態よりも流動または攪拌されている状態で加熱されることが好ましく、具体的には、一般的にダブルコーン型、横型円筒型、縦型円筒型、縦型漏斗型などの回転容器や攪拌容器、流動床などが好適に使用される。
この様な加熱処理を実施する場合は、通常、窒素などの不活性気体の気流下や滞留下、或いは大気圧以下の減圧下にて行うことが樹脂の劣化の観点から好ましい。大気圧以下の減圧下で行う場合は、減圧度が高い方が好ましく、3×103Pa以下とすることが特に好ましい。減圧下で実施する場合に残留する気体は不活性気体であることが好ましい。
【0020】
前記加熱処理は、通常、溶融混練で得られた分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の融解温度以下の温度、好ましくは150〜250℃、特に好ましくは180〜230℃の温度で、1〜50時間、好ましくは5〜40時間、特に好ましくは10〜30時間の処理を行う。融解温度を超過する温度では効率的な加熱処理が困難となり、前記温度範囲未満では加熱処理による溶融粘度の上昇効果が小さい傾向がある。
又、該加熱処理を行う前には、予め粒状物を結晶化しておくことが好ましい。結晶化は、通常、加熱処理と同様の操作を、90〜180℃、好ましくは110〜170℃、特に好ましくは120〜160℃の温度で、0.1〜10時間、好ましくは0.2〜8時間、特に好ましくは0.5〜6時間行う。予め結晶化を行うことにより、粒状物の融着が防止されるため好ましい。
このような加熱処理を行うことにより、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度が上昇するため押出発泡成形や押出ブロー成形などでの成形性が向上するとともに、更に無反応の水酸基化合物や副生成物を除去、低減化することができるため、樹脂の劣化および異物や着色、臭気等を低減化することができる。
【0021】
本発明の製造方法で得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、温度280℃、剪断速度10sec-1における溶融粘度が2000Pa・s以上、更には4000Pa・s以上、特には8000Pa・s以上であることが好ましい。溶融粘度が前記範囲未満の場合は、得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を用いて押出発泡成形や押出ブロー成形を行った場合は、溶融粘度が低いために良好な成形体を得ることができない。
本発明の製造方法で得られる分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を原料として成形する場合には、一般的な成型方法、すなわち押出成形や射出成形、プレス成形、注入成形等の種々の成形方法を使用することができるが、特に押出成形に好適に使用され、中でも押出発泡成形や押出ブロー成形に好適に用いられる。
【0022】
以上のように、本発明の製造方法による分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、高い溶融粘度を有し、かつ熱安定性が良好であるため、成型機内で長時間の滞留を必要とするような成形、すなわち押出発泡成形や大型押出ブロー成形の成形体を良好に製造することができる。こうして得られた成形体は、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等に好適に使用することが出来、高温で長時間使用するような用途にも使用することが出来る。
また、本発明の製造方法による分岐熱可塑性ポリエステル樹脂は、ゲル等の発生が少なく、未反応物や副生成物の残留が少なく、熱安定性が良好であるため、外観の要求される用途の成形体や食品包装容器、具体的には透明ボトルやインフレーションフィルム、絞り成形容器などに好適に使用することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
P−1;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル%、ジオール単位がエチレングリコール97.3モル%、ジエチレングリコール2.7モル%からなり、極限粘度0.61dl/g、カルボキシル基当量66.8meq/kgである熱可塑性ポリエステル樹脂。
P−2;ジカルボン酸単位がテレフタル酸95.0モル%、イソフタル酸5.0モル%、ジオール単位がエチレングリコール97.6モル%、ジエチレングリコール2.4モル%からなり、極限粘度0.83dl/g、カルボキシル基当量43.2meq/kgである熱可塑性ポリエステル樹脂。
P−3;ジカルボン酸単位がテレフタル酸100モル%、ジオール単位がエチレングリコール97.5モル%、ジエチレングリコール2.5モル%から得られ、極限粘度0.98dl/g、カルボキシル基当量13.1meq/kgである熱可塑性ポリエステル樹脂。
【0024】
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM35、L/D=30)に、熱可塑性ポリエステル樹脂としてP−1を100重量部と、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物としてのペンタエリスリトールを0.2重量部の配合比で供給し、回転数150rpm、温度280℃、1×102Paの減圧下で溶融混練した。混練時間は1.7分であった。混練物はダイから押し出され、水槽中で冷却された後、ペレタイザーでカットされ、ペレット形状で回収した。
得られたペレットを冷却し、付着した水分を蒸発させた後、ダブルコーン型回転固相重合装置に投入し、真空中、150℃にて3時間の結晶化処理を行った後、引き続き200℃にて30時間の加熱処理を行い、分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を得た。
原料組成を表1に示す。また、得られた分岐熱可塑性ポリエステル樹脂について、以下のとおり、評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0025】
(1)剪断速度10sec-1及び1000sec-1における溶融粘度
得られた樹脂の溶融粘度を、東洋精機社製キャピログラフ1B型を用い、温度280℃、直径1mm×長さ10mmのキャピラリノズルを使用して測定した結果、剪断速度10sec-1における溶融粘度が8200Pa・s、剪断速度1000sec-1における溶融粘度が1400Pa・sであった。
【0026】
(2)300℃、20分滞留後の剪断速度122sec-1における溶融粘度
得られた樹脂を、東洋精機社製キャピログラフ1B型のシリンダーに温度300℃で充填して20分間保持した後、直径1mm×長さ10mmのキャピラリノズルから剪断速度122sec-1にて吐出した際の溶融粘度は2000Pa・sであった。
【0027】
(3)不溶解成分
得られた樹脂をフリーザミルを用いて粉砕し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒に130℃にて1%溶解し、溶液をグラスフィルターで吸引濾過した結果、不溶物は見られなかった。
【0028】
(4)抽出物量
得られた樹脂2.0gをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=1/1)の混合溶媒に2重量%溶解し、この溶液を100倍量(容積)の過剰アセトン中に滴下して析出した樹脂を濾過し、濾液をエバポレータによって濃縮後、蒸発乾固させることによって抽出物量を測定したが、抽出物量は検出下限(0.005%)未満であった。
【0029】
(5)発泡成形
得られた分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を、含有水分量が50ppm以下となるように乾燥した後、これを一軸押出機(30mmφ、L/D=40)に投入し、途中、押出機バレルの後半1/3の部分より、発泡剤としてブタンを0.6重量%となるように導入した。ダイからストランド状に押し出された発泡体は水槽で冷却することにより得た。得られた発泡体は、密度0.21g/cm3であった。
【0030】
実施例2〜5、比較例1、2
表1に示すように、熱可塑性ポリエステル樹脂の種類および、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物の使用量を変更した他は、実施例1と同様にして分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を製造した。
得られた樹脂を実施例1と同様の方法で(1)〜(5)について評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0031】
比較例3
実施例1において、溶融混練してペレット形状で回収した樹脂を、結晶化処理および加熱処理せずにそのまま使用した他は、実施例1と同様な方法で分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を得た。
得られた樹脂を実施例1と同様の方法で(1)〜(5)について評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、(5)の発泡成形の評価結果は、泡が吹き破れたため発泡体を得ることが出来なかった。
【0032】
比較例4
実施例1において、熱可塑性ポリエステル樹脂としてP−2を100重量部、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物を使用する代わりにピロメリット酸二無水物を0.5重量部使用した他は、実施例1と同様な方法で分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を得た。
得られた樹脂を実施例1と同様の方法で(1)〜(5)について評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003678091
【0034】
【表2】
Figure 0003678091
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、高い溶融粘度を有し、かつ熱安定性が良好であり、ゲルや異物等の発生や残留が少ない分岐熱可塑性ポリエステル樹脂を製造する方法を提供でき、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂は、包装材料や建材、車両部材、電気製品部品等の成型品として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 極限粘度が0.4dl/g以上の熱可塑性ポリエステル樹脂と、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物とを溶融混練し、該溶融混練物を冷却固化後、加熱処理する分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法において、熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量を100とした場合に、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物の水酸基当量が30〜250の範囲であるように溶融混練することを特徴とする分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 加熱処理を150〜250℃で、1〜50時間行うことを特徴とする請求項1に記載の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 加熱処理を窒素気流下、窒素滞留下及び大気圧以下の減圧下の何れかの条件下で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
  4. 溶融混練を押出機で、0.5〜30分間の範囲で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
  5. 分子内に3個以上の水酸基を有する化合物が、ペンタエリスリトールである請求項1ないし4のいずれかに記載の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル基当量が15meq/kg以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の分岐熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法。
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