JP2595134B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2595134B2 JP40341890A JP40341890A JP2595134B2 JP 2595134 B2 JP2595134 B2 JP 2595134B2 JP 40341890 A JP40341890 A JP 40341890A JP 40341890 A JP40341890 A JP 40341890A JP 2595134 B2 JP2595134 B2 JP 2595134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物に関し、さら
に詳しくは優れた耐熱性、機械特性、吸水特性、寸法特
性、溶融熱安定性を示すポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラメチレンジアミンまたはその機能
誘導体とアジピン酸またはその機能誘導体とから得られ
るナイロン46樹脂は知られている。
【0003】このナイロン46樹脂は耐熱性に優れ、ま
た引張強度、曲げ強度などの機械特性や摺動特性等にも
優れるため有用なエンジニアリングプラスチックとして
その利用上の価値が大きいと考えられている。
【0004】しかしこのナイロン46樹脂は、ナイロン
6樹脂、ナイロン66樹脂等に代表される通常のポリア
ミド樹脂よりもアミド基の比率が高いため吸水率がそれ
らに比べ大きくなるという欠点をもっている。このこと
は、ナイロン46樹脂が成形直後の乾燥状態では通常の
ポリアミド樹脂よりも優れた耐熱性、機械的特性をもち
ながら、実使用時においては通常のポリアミド樹脂より
吸水率が高いことにより、衝撃特性等はより向上するも
のの耐熱性、機械特性の低下はそれらよりも大きくなり
場合によってはナイロン46樹脂の優位性が失われるこ
とにもなる。また通常のポリアミド樹脂同様、ナイロン
46樹脂は結晶化度が高いため吸水率当りの寸法変化率
は通常のポリアミド樹脂よりも小さくはあるが、吸水に
伴う寸法変化の程度はその吸水率の高さから満足のいく
水準ではなく、エンジニアリングプラスチックスとして
ナイロン46樹脂のもつ優れた特性が生かせる用途に適
用するに当たっての大きな障害となっている。
【0005】ナイロン6樹脂やナイロン66樹脂等に代
表される通常のポリアミド樹脂に芳香族ポリエステル樹
脂を配合することによりその吸水性を低減させようとす
る方法は数多くなされてきた。ポリアミド樹脂と芳香族
ポリエステル樹脂は本質的に相溶性が悪いもの同士であ
るが、特公昭64−153号、特公平1−44259
号、特開昭58−154725号、同59−14224
4号、同60−63256号、同61−204259
号、同61−204264号、同61−213256
号、同61−213257号、同62−277462
号、同63−202656号、同63−275659
号、同63−304048号、同64−31865号、
特開平1−190755号、同1−204963号、同
1−268751号公報等で、主にカルボン酸基や酸無
水物基、カルボン酸金属塩基等の誘導体、グリシジル基
等を有するエチレン系共重合体により両者の相溶性を高
めようという試みがなされており、ナイロン46樹脂に
ついても特開昭64−31866号公報等に同様な例が
提案されている。
【0006】しかし、これらの方法で芳香族ポリエステ
ル樹脂をナイロン46樹脂に配合した組成物は、ナイロ
ン46樹脂の吸水性は改良されるものの、ナイロン46
樹脂のもつ特徴を損なってしまうという問題を有してい
る。芳香族ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタ
レート、ポリテトラメチレンテレフタレート等が挙げら
れるが、それらをカルボン酸基や酸無水物基、カルボン
酸金属塩基等の誘導体、グリシジル基等を有するエチレ
ン系共重合体の相溶化作用によりナイロン46樹脂に配
合した場合、特にポリテトラメチレンテレフタレートは
靱性等の機械的特性に優れた材料であり、それをナイロ
ン66樹脂やナイロン6樹脂等の通常のポリアミド樹脂
に配合した組成物にも良好な機械的特性を示すものが先
に例示した文献中に挙げられているが、ナイロン46樹
脂の成形温度が約300℃と非常に高くなるため、ポリ
テトラメチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタ
レートの熱分解による成形時の分子量低下が大となり、
成形性が著しく悪いという問題を生じてくるため工業的
に利用できる材料とはなっていない。
【0007】すなわち、ナイロン46樹脂に芳香族ポリ
エステル樹脂を配合した組成物で、ナイロン46樹脂の
特長を保持したままその吸水特性、及び寸法特性を改良
できるものはこれまで見い出されていないのが現状であ
る。
【0008】
【発明の目的】本発明は上述の事情を背景としてなされ
てものであり、その目的はナイロン46樹脂のもつ優れ
た耐熱性、機械特性、成形性を保持しつつその吸水特
性、寸法安定性を改良する点にある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、ナイロン46樹脂の吸水
特性、寸法特性を改良すべく鋭意研究した結果、ナイロ
ン46樹脂に芳香族ポリエステル樹脂とイミド化ポリア
クリレートを特定量配合した組成物が上述の目的に合致
することを見いだし本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、(A)ナイロン46
樹脂100重量部、(B)芳香族ポリエステル樹脂5〜
100重量部、及び(C)イミド化ポリアクリレート
0.5〜25よりなる樹脂組成物である。
【0011】本発明を説明する。
【0012】本発明において用いられる(A)成分のナ
イロン46樹脂とは、酸成分としてアジピン酸またはそ
の機能誘導体を用い、アミン成分としてテトラメチレン
ジアミンまたはその機能誘導体を用いて縮合反応により
得られるポリアミドを主たる対象とするが、そのアジピ
ン酸成分またはテトラメチレンジアミン成分の一部を他
の共重合成分で置き換えたものでもよい。
【0013】ナイロン46樹脂の好ましい態様は特開昭
56−149430号公報および特開昭56−1494
31号公報に記載されている。
【0014】本発明で用いられるナイロン46樹脂の極
限粘度は、m−クレゾールを用い35℃で測定したと
き、0.90〜1.90、更には1.00〜1.50の
範囲にあることが望ましい。
【0015】1.90を超える極限粘度のナイロン46
樹脂を用いる場合には組成物の溶融状態における流動性
が悪く、得られる成形品の外観の光沢が失われるのみな
らず、その機械特性、熱特性のバラツキが大きくなるた
め好ましくない。
【0016】一方1.90よりも低い極限粘度では、組
成物の靱性等の機械的強度が小さくなる欠点を生ずる。
【0017】本発明に用いられる(B)成分の芳香族ポ
リエステルは、その酸成分がテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル
酸等のフタル酸誘導体;2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸およびそ
の誘導体であり、ジオール成分がエチレングリコール、
プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の
脂肪族ジオールの少なくとも1種よりなるポリエステル
を主たる対象とする。
【0018】これらの中で酸成分がテレフタル酸である
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート等や酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン
酸であるポリエチレン−2,6−ナフタレートやポリテ
トラメチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。また
芳香族ポリエステルとしては上述のポリエステルの一部
を共重合成分で置換したものでもよく、そのような共重
合成分としては、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレ
フタル酸、メチルイソフタル酸等のフタル酸誘導体;
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸等のナ
フタレンジカルボン酸およびその誘導体;4,4′−ジ
フェニルジカルボン酸、3,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸等のジフェニルカルボン酸およびその誘導体;4,
4′−ジフェノキシメタンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸;1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;ハイドロキ
ノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼンおよびその
誘導体;2,2−ビス(4−ヒドキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドキシフェニル)スルホン等
のビスフェノール化合物;ビスフェノール化合物とエチ
レングリコール等のグリコールとから得られるエーテル
ジオール等の芳香族ジオール;ε−オキシカプロン酸、
ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等の
オキシジカルボン酸等があげられる。
【0019】また上述のポリエステルに分岐成分、例え
ばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等
三官能または四官能のエステル形成能をもつ酸、または
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
ット等の三官能または四官能のエステル形成能をもつア
ルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%
以下、更に好ましくは0.3モル%以下を共重合しても
よい。
【0020】更に、この芳香族ポリエステルは2種以上
を組み合わせて使用しても構わない。
【0021】本発明に用いられる芳香族ポリエステルの
極限粘度は、o−クロロフェノールを用い35℃で測定
したとき、0.5以上のものを用いることができるが、
0.9以上の極限粘度を持つものが好ましい。通常、芳
香族ポリエステル樹脂は固有粘度0.5以上のものが用
いられ、中でも特に成形時の流動性が良好であること等
から0.5〜0.9の範囲のものが好ましく使用されて
いる。しかしナイロン46樹脂に配合する場合にはその
成形加工温度が300℃と高くなるため、その範囲の極
限粘度の芳香族ポリエステル樹脂では靱性等の機械的特
性は良好であるものの、分子量低下が大きくなり十分な
溶融熱安定性を示さない場合も生じる。
【0022】極限粘度0.9以上の芳香族ポリエステル
樹脂を用いたときには、靱性等の機械的特性のみならず
溶融熱安定性も良好な組成物を得ることができる。一方
1.5以上の極限粘度の芳香族ポリエステル樹脂では流
動性が悪くなり、機械的特性のバラツキ等が大きくなっ
てくるため好ましくない。
【0023】本発明に用いられる芳香族ポリエステルは
通常の製造方法、例えば溶融重縮合またはこれと固相重
縮合反応とわ組み合わせた方法等によって製造される。
例えばポリテトラメチレンテレフタレートの製造例につ
いて説明すると、テレフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステ
ル等の低級アルキルエステル)とテトラメチレングリコ
ールまたはそのエステル形成性誘導体とを触媒の存在
下、加熱反応させ、得られるテレフタル酸のグリコール
エステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反応さ
せる方法によってポリテトラメチレンテレフタレートを
製造することができる。
【0024】本発明の(B)成分の芳香族ポリエステル
樹脂の配合量は、ナイロン46樹脂100重量部当り5
〜100重量部である。この配合量が5重量部より少な
いときにはナイロン46樹脂の吸水特性に対する改良効
果が十分でなく、また100重量部より多いときにはナ
イロン46樹脂の持つ優れた耐熱性が損なわれるため好
ましくない。
【0025】本発明において用いられる(C)成分のイ
ミド化ポリアクリレートとは、下記一般式(化1)
【化1】 で表される構成単位を含むポリマーであり、ここでR1
とR2 は水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、
3 は水素、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、
アルカリール基およびアラルキル基から選ばれる基であ
る。炭素数1〜8のアルキル基は、メチル、エチル、n
−プロピル、sec−プロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、ペンチル類、ヘキシル類、シクロヘキシル、ヘプチ
ル類、オクチル類等の、直鎖、分岐及び環状のアルキル
基であり、これらの中でR1 ,R2 及びR3 がメチル基
であるN−メチル−イミド化ポリメチルメタクリレート
が、ガラス転移点等で表わされる耐熱性が高い等の理由
のためナイロン46樹脂に配合する場合最も好ましい。
【0026】イミド化ポリアクリレートは、メタクリル
酸−メタクリル酸エステル共重合体とアンモニア、アミ
ン、尿素またはその置換体との高温での反応、ポリメタ
クリル酸無水物とアンモニアまたはアミンとの反応、メ
タクリル酸エステル−メタクリルアミド共重合体のイミ
ド環を生じる熱反応、及びアクリル酸またはメタクリル
酸エステル基を高率で含むポリマーとアンモニアまたは
アミンとの溶液中または溶融物中での反応のような方法
によって得ることができるが、好ましい方法は米国特許
第424374号明細書や特開昭59−117550号
公報に記載された方法である。
【0027】またイミド化ポリアクリレートは、米国特
許第4727117号明細書に記載の方法により未反応
のアクリル酸成分に由来するカルボン酸基やイミド化の
際に副生成する酸無水物基を減少あるいは除去する後処
理を施すこともできるが、本発明においてそのような処
理を施さずにカルボン酸基や酸無水物基を分子内に含む
ポリマーを用いる方が好ましい。
【0028】このイミド化ポリアクリレートは上記(化
1)で表わされる構成単位だけでなく、未反応のアクリ
ル単位はもちろん他の構成単位を含んだ共重合体でもよ
い。
【0029】この共重合体は少なくとも5%以上のイミ
ド化された構成単位を含み、好ましくは50%以上のイ
ミド化された構成単位を含む。イミド化ポリアクリレー
トの耐熱性の尺度となるガラス転移温度はこのイミド化
された構成単位の含有率、すなわちイミド化率に直接依
存し、イミド化率を変化させることにより種々のガラス
転移温度をもつイミド化ポリアクリレートを得ることが
できるが、特にイミド化ポリアクリレートのR1 ,R2
及びR3 がメチル基のとき、すなわちN−メチル−イミ
ド化ポリメチルメタクリレートのときにはイミド化率が
50%以上であるとそのガラス転移温度が約140℃以
上となる。このような高いガラス転移点を有するという
ことは、それだけ高い温度まで成形品の特性が安定に保
たれるということになり、高温で成形加工されたり高温
雰囲気下で使用されるナイロン46樹脂の配合成分とし
て好ましいものとなる。
【0030】このイミド化ポリアクリレートの共重合成
分としてはアクリル酸及びそのアルキルエステル、メタ
クリル酸及びそのアルキルエステル、アクリル酸無水
物、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等があげられ、好ましくはメ
チルメタクリレートである。更にこの共重合成分は2種
以上が同時に存在していても構わない。
【0031】ナイロン46樹脂の吸水特性を改良するた
めに先述の芳香族ポリエステル樹脂を配合しようと試み
ても、両者の相容性が非常に悪いため良好な状態で押出
や成形加工を行うことができず、得られる成形品の特性
も劣るものである。しかし、両者に更にイミド化ポリア
クリレートを添加するとナイロン46樹脂と芳香族ポリ
エステル樹脂の相容性が著しく改善され、押出や成形加
工を良好な状態で行えるようになるのみならず、得られ
る成形品もナイロン46樹脂のもつ優れた靱性を保持し
たものとなる。
【0032】イミド化ポリアクリレートは、上記米国特
許第4246374号明細書、米国特許第472711
7号明細書、特開昭59−117550号公報等で知ら
れたポリマーであり、ナイロン6等のポリアミド樹脂等
各種の樹脂と組み合わせた組成物も特開昭58−208
348、同59−25836、同59−117550、
同61−9459、同62−89705、同62−96
551号、特開平2−63738、同2−12745
5、同2−178310号公報等に開示されているが、
ナイロナ46樹脂と組み合わされた例はなく、その組成
物の溶融熱安定性を低下させないという重要な特性も示
すことを見いだした。ナイロン46樹脂の成形加工温度
は約300℃以上と非常に高いため、従来ポリアミド樹
脂と芳香族ポリエステル樹脂の相溶化効果を示すことが
知られていた変性エチレン系共重合体等の化合物では、
その耐熱性の不足により得られる組成物の溶融熱安定性
が低く、成形時のシリンダー内の滞留により激しい粘度
低下が起こる等成形性に不都合を生じる。これは芳香族
ポリエステル樹脂として高分子量の原料を使用しても同
様である。それに大してイミド化ポリアクリレートによ
ってナイロン46樹脂と芳香族ポリエステル樹脂を相溶
化させた場合には、その溶融熱安定性はナイロン46樹
脂の持つそれを低下させることがなく、良好な成形性を
保持することを見いだした。
【0033】本発明の(C)成分のイミド化ポリアクリ
レートの配合量は、ナイロン46樹脂100重量部当り
0.5〜25重量部である。この配合量が0.5重量部
より少ないときにはナイロン46樹脂と芳香族ポリエス
テル樹脂との相容化効果が十分でなく、また25重量部
より多いときにはナイロン46樹脂の持つ優れた耐熱性
や成形時の流動性等が損なわれるため好ましくない。
【0034】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて顔
料その他の配合剤をその発現量添加してもよい。このよ
うな配合剤としては充填剤、例えばガラス繊維、アラミ
ド繊維、炭素繊維、スチール繊維、アスベスト、セラミ
ック繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ボロンウィス
カー等の繊維状物、カオリン、クレー、ウォラストナイ
ト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
ガラスビーズ、ガラスフレークス等の粉末状、粒状ある
いは板状の無機充填材が例示できる。
【0035】これらの充填材は、通常補強材、表面改質
材として、あるいは電気的、熱的特性等の改質を目的と
して配合されるが、配合による効果発現の最小量と過剰
配合による組成物本来の優れた特性、成形上の利点を損
失しない範囲で配合されるべきである。
【0036】また難燃剤、例えば臭素化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ、臭素
化ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルおよびそ
のオリゴマー、臭素化ビスフェノールAを原料として製
造されるポリカーボネートオリゴマー、臭素化ビフェニ
ルエーテル、臭素化ジフタルイミド化合物、塩素化ヘキ
サペンタジエンの2量体等のハロゲン含有化合物;赤リ
ン、トリフェニルホスフェート等のリン化合物;ホスホ
ン酸アミド等のリン−窒素化合物;メラミン、メラム、
メレム、メロン、シナヌール酸、シアヌール酸メラミン
等のトリアジン化合物;水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、ドーソナイト、2水分石コウ等の金属水酸
化物や上記ハロゲン含有化合物との併用または単独で用
いられる難燃助剤、例えば三酸化アンチモン等のアンチ
モン化合物、酸化ホウ素、酸化鉄等の金属酸化物等の配
合が可能である。
【0037】更に、耐熱性向上を目的としてヨウ化銅等
の銅化合物、ヒンダードフェノール化合物、芳香族アミ
ン化合物、有機リン化合物、硫黄化合物等の酸化防止剤
あるいは熱安定剤を添加することもできる。また溶融粘
度安定性、耐加水分解性の改良等の目的には、各種のエ
ポキシ化合物、オキサゾリン化合物等を添加してもよ
い。エポキシ化合物としては、例えばビスフェノール−
A型エポキシ化合物、各種グリコールやグリセロールと
エピクロルヒドリンとの反応から得られる脂肪族グリシ
ジルエーテル、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ま
たは脂肪族カルボン酸型エポキシ化合物、脂環化合物型
エポキシ化合物などが好ましく、オキサゾリン化合物と
して芳香族または脂肪族ビスオキサゾリン、特に2,
2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
【0038】その他安定剤、着色剤、滑剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤の添加もできる。
【0039】更にまた、少量の割合で他の熱可塑性樹
脂、例えば他のポリアミド樹脂、他のポリエステル樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリエチレンおよびその共重合体、ポリプロピレン
およびその共重合体、ポリスチレンおよびその共重合
体、アクリル樹脂およびアクリル系共重合体、ポリアミ
ドエラストマー、ポリエステルエラストマー等;熱硬化
性樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を配合してもよ
い。
【0040】本発明の脂肪組成物を得るには任意の配合
方法を用いることができる。
【0041】通常これらの配合成分はより均一に分散さ
せることが好ましく、その全部もしくは一部に均一に分
散させることが好ましく、その全部もしくは一部を同時
にあるいは別々に例えばブレンダー、ニーダー、ロー
ル、押出機等の混合機で混合し均質化させる方法や、混
合部分の一部を同時あるいは別々に例えばブレンダー、
ニーダー、ロール、押出機等で混合し、更に残りの成分
をこれらの混合機あるいは押出機で混合し均質化させる
方法を用いることことができる。更に予めドライブレン
ドされた組成物を加熱した押出機で溶融混練して均質化
したあと針金状に押出し、次いで所望の長さに切断して
粒状化する方法がある。
【0042】このようにして造られた成形用組成物は、
通常十分乾燥された状態に保たれて成形機ホッパー内に
投入され成形に供される。更にまた、組成物の構成原料
をドライブレンドして直接成形機ホッパー内に投入し成
形機中で溶融混練することも可能である。
【0043】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。なお、
実施例中の各種特性の測定は以下の方法によった。
【0044】(1)機械的強度:引張試験……ASTM D63
8 に準拠。
【0045】(2)HDT(荷重たわみ温度):ASTM D
638 に準拠。(荷重4.6kg/cm2 ) (3)吸水特性:80℃,相対湿度95%雰囲気中に6
時間放置した後の重量増加より算出(成形品厚さ1.5
mm)。
【0046】(4)寸法特性:80℃,相対湿度95%
雰囲気中に6時間放置した後の寸法変化より算出(成形
品;流れ方向100mm×直角方向 60mm×厚さ1.5
mm、フイルムゲート)。
【0047】(5)溶融粘度:JIS K7210 に準拠して高
化式フローテスター((株)島津製作所製)により、一
定時間樹脂を溶融状態に保った後溶融粘度(poise )を
測定。
【0048】ノズル……10/1(L/D) 温度……300℃ 荷重……30kg/cm2 滞留時間……樹脂の溶融状態での保持時間 (6)極限粘度:ナイロン46樹脂の極限粘度は溶媒と
してm−クレゾールを用い、オストワルド粘度管により
35℃にて測定した。また芳香族ポリエステル樹脂の極
限粘度は溶媒としてo−クロロフェノールを用い、オス
トワルド粘度管により35℃にて測定した。
【0049】
【実施例1〜6 比較例1〜4】110℃,10Tor
rの減圧下で12時間乾燥した極限粘度1.40のナイ
ロン樹脂(「STANYL」オランダ国DSM社製)極
限粘度1.10のポリテトラメチレンテレフタレート
(帝人(株)製)、極限粘度0.71のポリエチレンテ
レフタレート(1)(帝人(株)製)、極限粘度1.1
0のポリエチレンテレフタレート(2)(帝人(株)
製)、及び米国特許第4246374号明細書記載の方
法により作り、米国特許第4727117号記載の方法
による処理を施さずにカルボン酸及び/または酸無水物
が残存するビカット軟化点150℃のN−メチル−イミ
ド化ポリメチルメタクリレート(「パラロイドEXL−
4151」ローム・アンド・ハース社製)を(表1)に
示す量割合にて、予めタンブラーで均一に混合した後ス
クリュー径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて真
空に引きながらシリンダー温度330℃、スクリュー回
転数160rpm、吐出量40kg/hにて溶融混練し、ダ
イスから吐出するスレッドを冷却切断して成形用ペレッ
トを得た。
【0050】
【表1】
【0051】次いでこのペレットを用いて射出容量5オ
ンスの射出成形機にてシリンダー温度300℃、金型温
度120℃、射出圧力800kg/cm2 、冷却時間15
秒、および全成形サイクル40秒の条件で各特性測定用
の成形品を成形した。
【0052】これらの成形品を用いて各特性を測定し
た。成形品は測定前にJIS K7100に従い、23
℃,相対温度50%の雰囲気中で88時間状態調節を行
った。
【0053】
【比較例5〜7】N−メチル−イミド化ポリメチルメタ
クリレートの代わりに、ポリ(エチレン−メタクリル酸
−メタクリル酸ナトリウム)共重合体(「ハイラミン
1707」三井・デュポンポリケミカル(株)製)を
(表1)に示す量割合にて用いる他は、実施例1と同様
な方法によって押出、成形し、各特性測定用の成形品を
作成した。
【0054】それらの結果を(表1)に示す。ナイロン
46樹脂は引張強度、引張伸度等の機械的特性やHDT
で表される耐熱性に優れる樹脂であるが、吸水率が大き
くそれに伴う寸法変化も大きいという欠点を持つ(比較
例1)。この吸水特性を改良するため、ポリテトラメチ
レンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂を配合
しようとしても、ナイロン46樹脂とそれらの相溶性が
悪いため、良好な状態での押出・成形ができず、得られ
る成形品も靱性に劣る(比較例1)。しかし、これらに
更にN−メチル−イミド化ポリメチルメタクリレートを
添加すると、両者の相溶性は著しく改善されるようにな
る。そして、それらはナイロン46樹脂の持つ引張強
度、引張伸度等の機械的特性やHDTで表される耐熱性
をよく保持し、かつナイロン46樹脂の吸水率及びそれ
による寸法変化率が改良された組成物となる(実施例1
〜6)。更に、それらは溶融時の熱安定性にも優れ、ポ
リテトラメチレンテレフタレートやポリエチレンテレフ
タレート等融点約260℃以下のポリマーを300℃以
上で加工しているにもかかわらず、その溶融粘度は溶融
状態での滞留によってもよく保持している(実施例1〜
6)。N−メチル−イミド化ポリメチルメタクリレート
の代わりに、それと同様ナイロン46樹脂と芳香族ポリ
エステル樹脂に対して相容化効果を示す化合物を用いた
ときの例も(表1)に示すが、ナイロン46樹脂と芳香
族ポリエステル樹脂と混練りした組成物は機械的特性や
耐熱性には優れるものが、得られるが、その溶融時の粘
度低下は非常に大きく熱安定性に劣る(比較例5〜
7)。この例からも先述のN−メチル−イミド化ポリメ
チルメタクリレートを使用した組成物の溶融熱安定性が
優れていることがわかる。このN−メチル−イミド化ポ
リメタルメタクリレートの配合量が少ないときにはナイ
ロン46樹脂と芳香族ポリエステル樹脂との相容化効果
が小さく(比較例3)、また多すぎると組成物の溶融粘
度が高くなりすぎるため成形に支障が生じる(比較例
4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33:12) (C08L 77/06 67:02 33:06)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ナイロン46樹脂100重量部、
    (B)芳香族ポリエステル樹脂5〜100重量部及び
    (C)イミド化ポリアクリレート0.5〜25重量部よ
    りなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(C)成分のイミド化ポリアクリレートが
    カルボン酸及び/又は酸無水物を分子鎖中に含むポリマ
    ーである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(C)成分のイミド化ポリアクリレートが
    N−メチル−イミド化ポリメチルメタクリレートである
    請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)ナイロン46樹脂100重量部、
    (B)芳香族ポリエステル樹脂5〜100重量部及び
    (C)ガラス転移点140℃以上となるイミド化率を有
    するN−メチル−イミド化ポリメチルメタクリレート
    0.5〜25重量部よりなる樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂がポ
    リテトラメチレンテレフタレートである請求項4に記載
    の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂がポ
    リエチレンテレフタレートである請求項4に記載の樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂がポ
    リテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
    ートである請求項4に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂がポ
    リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートで
    ある請求項4に記載の樹脂組成物。
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