JP2000143949A - ポリエステルエラストマ―組成物 - Google Patents

ポリエステルエラストマ―組成物

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JP2000143949A JP11254575A JP25457599A JP2000143949A JP 2000143949 A JP2000143949 A JP 2000143949A JP 11254575 A JP11254575 A JP 11254575A JP 25457599 A JP25457599 A JP 25457599A JP 2000143949 A JP2000143949 A JP 2000143949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、耐熱性、耐加水分解性に優れ、
しかも加熱時の揮散性が少なく、ゲル化物の少ないエラ
ストマー組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル型ブロック共重合体、およ
びポリエステルの末端と反応しうる官能基を1分子中に
2個以上の化合物、を含むポリエステルエラストマー組
成物において、該ポリエステルエラストマー組成物が (A)150℃、2時間での重量減少が0.4%以下
(揮散性) (B)250℃、4時間でのゲル化度が50%以下(ゲ
ル化率) であることを特徴とするポリエステルエラストマー組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性及び耐
久性に優れ、かつ加熱時の揮散性が少なく、ゲル化物の
少ないポリエステルエラストマー組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルとラクトン類とを反
応せしめたポリマーの製法としては、結晶性芳香族ポリ
エステルとラクトンを反応させる方法(特公昭48-4116
号公報)、結晶性芳香族ポリエステルとラクトンを反応
させ、得られるブロック初期共重合体に多官能アシル化
剤を反応させて鎖延長させる方法(特公昭48-4115号公
報)、結晶性芳香族ポリエステルの存在下にラクトン類
を固相状態で重合させる方法(特公昭52-49037号公報)
等が知られている。
【0003】これらの方法によって得られるポリマー
は、熱可塑性でありながら優れたゴム状弾性を有する。
しかし、耐熱性が不十分であり、高温に長時間曝される
と、強度および伸度が著しく低下するという難点があ
る。さらに、これらのポリマーは耐水性が不十分であ
り、水の存在下で加水分解を起こし易い。そのため、こ
れらの組成物は、そのまま、繊維、フィルム、成形材料
などの素材として実用に供することが難しい。
【0004】そこで、上記のようなポリエステル型ブロ
ック共重合体の耐熱性および耐水性を改善するため、1
官能以上のエポキシ化合物を配合する方法(特開昭58-1
62654号公報)などが提案されている。この方法によ
り、耐熱性および耐水性は改良される。しかし、この方
法は、使用されるエポキシ化合物の種類によっては、得
られる組成物を加熱したときに、未反応のエポキシ化合
物が多く揮散するという問題点を有するため、熱可塑性
樹脂を成型品に加工する場合、あるいは樹脂の着色、難
燃性付与等の加工を行う際に衛生上問題を生じる可能性
があった。さらには発生するガスは、押出機、成形機等
のシリンダー、スクリュー、および金型の表面を腐食さ
せたり、電器機器部品、および電子機器部品の分野で
は、発生するガスが金属部分を腐食し、その結果、接点
不良や導電不良を引き起こす恐れがあった。これらの問
題を解決するために、使用するエポキシ化合物の種類を
限定することにより加熱時の揮散性を改善した方法(特
開平10-30053号公報)が報告されている。
【0005】また、結晶性芳香族ポリエステルとポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール
類を共重合させたポリエステル型ブロック共重合体にお
いても、機械的特性の向上のため、エポキシ化合物を配
合する方法が採られることがある。
【0006】前述のようなエポキシ化合物の配合により
樹脂の耐熱性および加水分解性は改善され、加熱時の揮
散性も抑えられることがわかった。しかし、上記組成物
は押出機内でのポリエステル型ブロック共重合体とエポ
キシ化合物と安定剤との配合工程においてはゲル化物が
発生し、フィルター詰まりを起こしたり、成形品の外観
を損ねるなどの問題が生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性、および耐加水分解性を有し、しかも加熱時の
揮散性が少なく、ゲル化物の少ない熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物は、 ・ポリエステル型ブロック共重合体、およびポリエステ
ルの末端と反応しうる官能基を1分子中に2個以上の化
合物、を含むポリエステルエラストマー組成物におい
て、該ポリエステルエラストマー組成物が、 (A)150℃、2時間での重量減少が0.4%以下 (B)250℃、4時間でのゲル化度が50%以下 であることを特徴とするポリエステルエラストマー組成
物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステル型ブ
ロック共重合体とは、高融点硬ポリエステルセグメント
と分子量400〜6000程度の低融点重合体セグメン
トとからなる共重合体であり、高融点ポリエステルセグ
メント構成成分だけで高重合体を形成した場合の融点が
150℃以上であり、低融点重合体セグメント構成成分
のみで測定した場合の融点ないし軟化点が80℃以下の
構成成分からなるポリエステルエラストマーと呼ばれる
熱可塑性ポリエステル型ブロック共重合体である。
【0010】ポリエステル型ブロック共重合体をさらに
詳しく述べると、高融点ポリエステルセグメント構成成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ビス
(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボ
キシフェニル)スルホン等の芳香族ジカルボン酸又はそ
のエステルとエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、デカメチレングリコール、p−
キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等
のジオールから製造されるポリエステルあるいはこれら
の2種類以上のジカルボン酸あるいは2種類以上のジオ
ールを用いたコポリエステルp−(β−ヒドロキシエト
キシ)安息香酸などのオキシ酸およびそれらのエステル
から誘導されるポリエステル、1,2−ビス(4,4’
−ジカルボキシフェノキシ)エタン等の芳香族エーテル
ジカルボン酸と前述のジオールとから製造されるポリエ
ーテルエステル、等の結晶性芳香族ポリエステル、ポリ
ピバロラクトンなどのポリラクトン、さらに以上のジカ
ルボン酸類、オキシ酸類、ジオール類を組み合わせたコ
ポリエステル類などを示すことができる。
【0011】分子量400〜6000の低融点重合体セ
グメント構成成分としては、例えばポリ(エチレンオキ
サイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコー
ル等のポリアルキレンエーテルグリコール及びこれらの
混合物さらにこれらのポリエーテルグリコール構成成分
を共重合した共重合ポリエーテルグリコール等を示すこ
とができる。また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸
と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポ
リエステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテト
ラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリ
ネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネ
ート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチ
レンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンを代表とす
るポリラクトン類などを示すことができる。さらに上記
ポリエステルとポリエーテルを組み合わせたポリエステ
ルポリエーテル共重合体なども示すことができる。上記
ポリエステル型ブロック共重合体での低融点重合体セグ
メント構成成分の割合は5〜80重量%が好ましい。
【0012】これらの中でも、結晶性芳香族ポリエステ
ルとラクトン類を反応させることによって得たれたもの
は、エラストマーとしての高度の機能を達成させるため
に、ポリエステルの末端と反応しうる官能基もつ化合物
と反応させて分子量の増加をさせることが必須であり、
ポリエステルの末端と反応しうる官能基もつ化合物の使
用量も多くなり、揮散による問題や、ゲル化による問題
が起こりやすく、本発明の技術を適応させるポリエステ
ル型ブロック共重合体として好ましい。
【0013】本発明のポリエステルエラストマー組成物
は150℃、2時間での重量減少が0.4%以下である
ことが必要である。好ましくは0.35%以下、より好
ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.25%以
下、最も好ましくは0.2%以下である。重量減少が
0.4%を上回ると、ポリエステルエラストマー組成物
を成型品に加工する場合、あるいは樹脂の着色、難燃性
付与等の加工を行う際に揮散物が多くなり、数々の問題
が生じる。
【0014】また、本発明のポリエステルエラストマー
組成物は、250℃、4時間でのゲル化度が50%以下
であることが必要である。好ましくは30%以下、より
好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、
最も好ましくは5%以下である。ゲル化度が50%を上
回ると、ポリエステルエラストマー組成物を成型品に加
工する場合、あるいは樹脂の着色、難燃性付与等の加工
を行う際にゲル状物が発生し、成型品にゲル状物が混入
することによる外観上の問題、強度の低下や、成形機や
混練機出口に取り付けたフィルターの詰まりによる成型
機や混練機の圧力上昇等といった問題が発生する。な
お、これらの測定方法は実施例の項で述べる通りであ
る。
【0015】本発明で用いられる結晶性芳香族ポリエス
テルとしては、主としてエステル結合またはエステル結
合とエーテル結合とからなるポリマーが好ましいものと
して挙げられ、少なくとも1種の芳香族基を主たる繰り
返し単位とし、そして分子末端に水酸基を有するものが
用いられる。この結晶性芳香族ポリエステルは、融点が
150℃以上のものが、また好ましい分子量は用途によっ
て異なり、成形材料として使用する場合は5000以上、よ
り好ましくは8000以上のものであり、接着剤やコーティ
ング剤などとして使用される場合の分子量は5000以下で
ある。
【0016】結晶性芳香族ポリエステルの好ましい具体
例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラ
メチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレートなどの
ホモポリエステル;ポリエチレンオキシベンゾエート、
ポリ−p−フェニレンビスオキシエトキシテレフタレー
トなどのポリエステルエーテル;主としてテトラメチレ
ンテレフタレート単位またはエチレンテレフタレート単
位からなり、他にテトラメチレンまたはエチレンイソフ
タレート単位、テトラメチレンまたはエチレンアジペー
ト単位、テトラメチレンまたはエチレンセバケート単
位、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート
単位、テトラメチレンまたはエチレン−p−オキシベン
ゾエート単位などの共重合成分を有する共重合ポリエス
テルまたは共重合ポリエステルエーテルなどである。な
お、共重合体の場合にはテトラメチレンテレフタレート
またはエチレンテレフタレート単位が60モル%以上含ま
れることが好ましい。またラクトン類としては、カプロ
ラクトンが最も好ましいが、その他としてエナンラクト
ン、カプリロラクトン等も使用することができ、これら
のラクトン類も2種以上を併用することができる。
【0017】上記結晶性芳香族ポリエステルとラクトン
類との共重合割合は、その用途によって適宜変えられ得
る。一般に、結晶性芳香族ポリエステルの割合が増大す
ると、得られる組成物は硬くなり、強度、伸度などの機
械的特性が向上する。ラクトン類の割合が増大すると、
得られる組成物は軟質化し、低温特性が向上する。従っ
て、機械的強度、低温特性などのバランスを考慮しなが
ら、用途に応じて両者の共重合割合が選定され得る。標
準的な配合比率としては、重量比で芳香族ポリエステル
/ラクトン類が97/3〜5/95、より一般的には95/5〜30/7
0の範囲である。硬質の成形体を得たい場合には、好ま
しくは上記割合は95/5〜70/30の範囲から選択するのが
よい。
【0018】本発明で使用されるポリエステルの末端と
反応しうる2官能以上の化合物としては、構造は一切制
限されないが、樹脂組成物の150℃、2時間での重量
減少を0.4%以下にするためには、下記(I)式を満
足し、同一内子内に2個以上有する化合物であることが
好ましい。 (W1−W2)/W1≦0.1 (I) ここで、W1:熱処理前のサンプル重量 W2:200℃で30分熱処理した後のサンプル重量
【0019】具体例としては、ビスフェノールA−ジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールS−ジグリシジルエーテル、ク
レゾールノボラック型グリシジルエーテル、フェノール
ノボラック型グリシジルエーテル、ポリカルボジイミ
ド、ビスオキサゾリン化合物等が好ましい例として挙げ
られる。特に好ましい例としてはビスフェノールA−ジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジル
エーテル、ビスフェノールS−ジグリシジルエーテル化
合物等が挙げられる。
【0020】これらポリエステルの末端と反応しうる2
官能以上の化合物の配合量は、用いられるポリエステル
型ブロック共重合体の末端に存在する官能基の量、ある
いは最終的に得られる組成物の要求特性によって変わり
得る。好ましくは上記ポリエステル型ブロック共重合体
100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部、より好まし
くは0.3重量部〜8重量部、さらに好ましくは0.5重量部
〜6重量部である。0.1重量部未満では、このような化
合物を反応させることによって得られる作用効果、例え
ば、増粘による成形性の向上効果、耐熱性および耐加水
分解性の向上効果が有意に発揮されない。また10重量部
を超えると、未反応化合物が残存することによって、成
形体の表面性状が粗雑になる等、成形品の品質に悪影響
が現れてくる。
【0021】本発明組成物において、前記ポリエステル
型ブロック共重合体とポリエステルの末端と反応しうる
2官能以上の化合物との反応は触媒を用いなくとも起こ
り得るが、反応の促進または親和性の向上の点から、触
媒を用いることが望ましい。触媒としては、一般にアミ
ン類、リン化合物、炭素原子数が10以上であるモノカル
ボン酸および/またはジカルボン酸類の、元素周期律表
より選ばれたIa族またはIIa族の金属塩類などが挙げら
れ得る。なかでもトリブチルフォスフィン、トリフェニ
ルフォスフィンなどの3価のリン化合物;およびステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムなどのステ
アリン酸の金属塩類が好ましい。これらの触媒は、単独
でまたは2種以上混合して用いられ得る。また、上記触
媒は一括して添加しても分割して添加しても、同様の効
果が得られ、触媒の添加量は、通常、上記ポリエステル
型ブロック共重合体100重量部に対して3重量以下、好ま
しくは0.03〜2重量部である。
【0022】本発明の樹脂組成物には各種の熱安定剤や
光安定剤が用いることが好ましい。安定剤の構造は特に
限定される物ではないが、ポリエステルエラストマー組
成物が、250℃、4時間でのゲル化度が50%以下で
あるためには、安定剤に1級または2級のアミン部分が
含まれていないことが好ましい。さらには、安定剤には
3級のアミン骨格が含まれていることが好ましい。ポリ
エステル型ブロック共重合体を安定化させる効率を考え
ると3級アミン部分がシクロ環の1員、特に、ヒンダード
アミン、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール構造を有
するものが好ましい。
【0023】上記安定剤のアミンが3級未満であるも
の、1級もしくは2級アミンの安定剤を使用するとポリエ
ステルエラストマー中にゲル化物が生じ、押出機のフィ
ルター詰まりや成形品の外観を損ねる等の問題が発生す
る。これは1級もしくは2級アミンはエポキシ樹脂の硬化
剤として知られているように、1級もしくは2級アミンが
エポキシ樹脂内に組み込まれ、エポキシ樹脂分子を架橋
していくためだと考えられる。
【0024】上記安定剤の添加量は、該エラストマーの
用途によって適宜変えられ得る。一般にはより高度な安
定性を要求される用途では添加量を高める必要がある
が、添加量を高めすぎると安定剤が成形時に析出し、成
形金型を汚染したり、ポリマー流路に堆積して成形に不
都合を生じる原因となる。また、成形品として加工した
後でも成形品を使用中にその表面に析出して、見栄えが
悪くなったり、衛生上問題を生じる可能性がある。従っ
て、添加量は0.1〜5重量部の範囲が適切であり、より好
ましくは0.3〜3重量部である。
【0025】上記安定剤は単独でまたは他の一般的な安
定剤と混合して用いうるが、共に用いうる安定剤として
は、フェノール系、アミン系、リン系、チオエーテル
系、金属塩系、などが挙げられる。本発明においては揮
散性と機械的特性、耐熱性、耐加水分解性のバランスを
取る観点より、安定剤としても揮散性の低い化合物を選
定することが望ましい。
【0026】本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物は、必要に応じてさらに、繊維状強化材および
/または無機フィラーを含有し得る。前記ポリエステル
型ブロック共重合体100重量部にたいして、100重量部を
超えない範囲で配合することにより、強度・剛性・耐熱
性・寸法安定性等の向上を図ることが可能である。繊維
状強化材としては、ガラス繊維、シリカガラス繊維、ア
ルミナ繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊
維などの無機繊維、チタン酸カルウムウィスカー、酸化
亜鉛ウィスカーなどのウィスカーおよび炭素繊維等が挙
げられる。無機フィラーとしてはタルク、ワラストナイ
ト、カオリン、マイカ、セリサイト、クレー、アルミナ
シリケート、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、
炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。
【0027】さらに、本発明の熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物は、必要に応じて難燃剤を含有し得
る。前記ポリエステル型ブロック共重合体100重量部に
たいして、100重量部を超えない範囲で配合することに
より難燃性の向上を図ることが可能である。難燃剤とし
ては、ハロゲン系、リン系、メラミン系等の有機添加
物、金属水酸化物等の無機添加物等が挙げられる。ま
た、必要に応じて酸化アンチモン、ホウ素化合物等の難
燃助剤を添加してもかまわない。
【0028】本発明の組成物には、用途、目的などに応
じて、従来公知の結晶化促進剤、結晶核材、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、
帯電防止剤、導電性改良剤、耐加水分解改良剤、多官能
架橋剤、耐衝撃改良剤、金属劣化防止剤、着色剤などが
配合され得る。また、本発明の目的を損なわない限り、
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレ
タンのような他の種類の樹脂もブレンドされ得る。
【0029】本発明の組成物の製造方法としては、特に
限定されるものではなく、任意の方法で行うことができ
る。たとえば押出機、ロールミル、バンバリーミキサー
などで加熱・混練することにより、目的の組成物を得る
ことができる。
【0030】以下、実施例を挙げて本発明の構成及び作
用効果をより詳細に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣
旨に適合しうる範囲で変更して実施することも可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0031】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
本発明においては、特に指定しない限り、「部」はすべ
て重量部を表す。
【0032】(製造例1)ポリエステル型ブロック共重
合体の調整1 ポリテトラメチレンテレフタレート70kg、ε−カプロラ
クトン30kgを反応容器にとり、窒素ガスでパージした
後、230℃で撹拌しながら2時間溶融反応させることで、
ポリエステル型ブロック共重合体のチップを得た。得ら
れたポリエステル型ブロック共重合体は、還元比粘度が
1.163であり、酸価が65当量/106gであり、引っ張り破断
強度が370kg/cm2であり、引っ張り破断伸度が710%であ
った。
【0033】(製造例2)ポリエステル型ブロック共重
合体の調整2 テレフタル酸ジメチル40kg、1,4−ブタンジオール25
kg、テトラブチルチタネート75gを反応容器にとり、窒
素ガスでパージした後、常法に従いエステル交換反応を
行った。エステル交換率が95%以上進んだ時点で、分子
量1000のポリテトラメチレングリコール32kgを加え混合
した後、オートクレーブに移し、250℃にて140分間重縮
合反応を行い、ポリエステル型ブロック共重合体のチッ
プを得た。得られたポリエステル型ブロック重合体は、
還元比粘度が1.211であり、酸価が34当量/106gであり、
引っ張り破断強度が310 kg/cm2であり、引っ張り破断伸
度が550%であった。
【0034】(実施例1)製造例1で得られたポリエス
テル型ブロック共重合体のチップ100重量部、2官能性以
上の化合物として、ビスフェノールF−ジグリシジルエ
ーテル4重量部、3級アミン骨格を有する安定剤として三
共社製サノールLS2626を1重量部ドラムタンブラーに入
れ、室温にて30分間攪拌した。混合物を40mmφ同方向2
軸押出機を用いて230℃にて押出し、水冷後切断チップ
化した。得られたチップを100℃にて減圧乾燥してから
本発明のポリエステルエラストマー組成物のチップを得
た。
【0035】(実施例2)3級アミン骨格を有する安定
剤の配合量を1.5重量部とした以外は、実施例1と同様に
して、本発明のポリエステルエラストマー組成物のチッ
プを得た。
【0036】(実施例3)3級アミン骨格を有する安定
剤と共に、一般的に耐久性改良材として知られる、ヒン
ダードフェノール系0.3重量部配合した以外は、実施例1
と同様にして、本発明のポリエステルエラストマー組成
物のチップを得た。
【0037】(実施例4)製造例2で得られたポリエス
テル型ブロック共重合体を用いた以外は実施例1と同様
にしてポリエステルエラストマー組成物のチップを得
た。
【0038】(比較例1)3級アミン骨格を有する安定
剤の代わりに、1級および2級アミン骨格を有する安定剤
としてチバガイギー社製キマソーブ944FLを0.8重量部以
外は、実施例1と同様にして、ポリエステルエラストマ
ー組成物のチップを得た。
【0039】(比較例2)ビスフェノールF−ジグリシ
ジルエーテルの代わりにポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテルを3重量部としとした以外は、実施例1と
同様にして、ポリエステルエラストマー組成物のチップ
を得た。
【0040】上記実施例1〜4及び比較例1〜2で得ら
れたポリエステルエラストマー組成物を、以下の項目に
ついて評価した。
【0041】[引張破断強伸度]射出成形機(山城精機
社model-SAV)を持ちいて、チップを100mm×100mm×2mm
の平板に成形した後、ダンベル状3号形の試験片を平板
から打ち抜いた。東洋精機社製テンシロンUTM-IIIを用
いて、得られた試験片を毎分500mmの速さで伸長し、試
験片が破断したときの荷重(kg)を初期断面積(cm2
を除した値を引張破断強度(kg/cm2)とし、試験片が破
断するまでの試料の伸びの原試料長に対する割合を引張
破断伸度(%)とした。値は5個のサンプルの平均を取
った。
【0042】[溶融粘度]JIS K6760記載の試験法に準
拠し、230℃でのメルトフローレート(MFR)を測定し
た。
【0043】[還元比粘度]ポリマー0.05gを25mlの混
合溶媒(フェノール/テトラクロロエタン=60/40)に溶か
して、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
【0044】[酸価]酸価はポリマー0.5gをベンジ
ルアルコール/クロロホルム(50/50重量)100
mlに溶解させ、KOHのエタノール溶液で滴定した。
指示薬はフェノールレッドを用いた。
【0045】[耐熱性]ダンベル試験片を180℃の熱風
乾燥機内に放置し、各放置後のサンプルの引張破断伸度
を測定した。引張破断伸度が初期引張破断伸度の50%に
なる時間(日)を耐熱性の指標とした。
【0046】[耐加水分解性]ダンベル試験片を、沸騰
水中に浸漬し、各放置後のサンプルの引張破断伸度を測
定した。引張破断伸度が初期引張破断伸度の50%になる
時間(日)を耐加水分解性の指標とした。
【0047】[ゲル化率の測定]約250mlのガラス
瓶(約4cmφ×高さ20cm)にポリエステルエラス
トマーを約50g精秤(V0)し、これを250℃のシリコ
ンオイルバス中に浸け窒素を上部から吹き込みながら
(約30ml/min)、撹拌し、4時間加熱処理し
た。処理後、内容物をテトラクロロエタンとフェノール
(1/1重量比)との混合溶媒(500ml)に溶解さ
せ(ガラス瓶も上記混合溶媒の一部で洗い流す)、その
後、100メッシュの重量既知のステンレス製金網(重
量V')により不溶物を分取し、150℃、10torr以
下、の条件で8時間乾燥させた後、金網ごと精秤(V1)
し、下記式によりゲル化分率を求めた。ゲル化分率が低
いものほどゲル化が起きにくく、良好な試料である。 ゲル化分率(%)=(V1−V')×100/V0
【0048】[揮散性]水分率を0.03%以下にしたペレ
ットを、直径6cm×高さ3cmの重量既知のガラス製秤量瓶
(S'g)に約5g採取し、秤量瓶ごと精秤(S0)した
後、瓶の蓋を開けた状態で2時間、150℃の熱風乾燥
機内中央に放置した。冷却後重量を秤量瓶ごと精秤(S
1)し、下式により加熱減量率を算出した。加熱減量率
が低いものほど揮散性良好な試料である。 加熱減量率(%)=(S0−S1)×100/(SO-S') なお、ペレットの水分率が0.03%を越える場合は、10
0℃、10torr以下で水分率が0.03%以下になるまで、
乾燥させた。
【0049】[鎖延長剤加熱減量率]シリカゲルを入れ
たデシケーター中で25℃1週間以上保管乾燥させた鎖
延長剤を、直径6cm×高さ3cmの重量既知のガラス製秤量
瓶(W'g)に約5g採取し、秤量瓶ごと精秤(W0')し
た後、瓶の蓋を開けた状態で30分、200℃の熱風乾燥機
内に放置した。冷却後重量を秤量瓶ごと精秤(W1')
し、下式により加熱減量率を算出した。 加熱前のサンプル重量(W0'−W') 加熱後のサンプル重量(W1'−W') 鎖延長剤加熱減量率=(W0'−W1')/(WO'-W')
【0050】上記評価項目について、実施例及び比較例
で得られたポリエステルエラストマー組成物を評価した
結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】安定剤A:1−[2−{3−(3,5−ジ
−T−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンニ
ルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−T−ブ
チル−4−ヒドロキシルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 安定剤B:ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメ
チルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルイミノ)}ヘキサメチレン{(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]
【0053】第1表より明らかなように、ポリエステル
型プロック共重合体に前記(I)式で示される2官能以
上の化合物でかつその官能基が前期ポリエステル型ブロ
ック共重合体の末端基と反応しうる化合物と、3級アミ
ン骨格を有する安定剤からなる熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーは、加熱時の揮散性が少なく、ゲル化物の少
ない組成物が得られる。更に本発明の組成物は、耐熱性
や耐水性においても非常に優れた性能を有している。
【0054】
【発明の効果】本発明のポリエステルエラストマー組成
物を用いることにより、機械的強度、耐熱性、耐加水分
解性に優れ、しかも加熱時の揮散性が少なく、ゲル化物
の少ないエラストマー成形品が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル型ブロック共重合体、およ
    びポリエステルの末端と反応しうる官能基を1分子中に
    2個以上有する化合物、を含むポリエステルエラストマ
    ー組成物において、該ポリエステルエラストマー組成物
    が、 (A)150℃、2時間での重量減少が0.4%以下
    (揮散性) (B)250℃、4時間でのゲル化度が50%以下(ゲ
    ル化率) であることを特徴とするポリエステルエラストマー組成
    物。
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