JP3908976B2 - ポリエステル製パイプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭その他から大量に廃棄されるペットボトルその他のポリエチレンテレフタレート製品を回収し、認可加工業者により洗浄、粉砕されたフレーク(リサイクルポリエステル原料)を原料とした、産業用資材としてのパイプ並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在ポリエチレンテレフタレート(本発明では「ポリエステル」という。)は延伸した場合にその物性(引張強度、剛性、弾性率、透明性)などが優れているところから繊維製品、タイヤコード、フィルム、テープ、ボトルなどの延伸物性を利用した製品に広く使用されている。特にいわゆるPETボトルは、清涼飲料、醤油、酒などの飲食品、洗剤、シャンプー等の包装用容器としてその需要は年々増え続けている。
【0003】
一方、その廃棄物も増え続ける結果、PET製品の廃棄は有効資源の無駄使いや環境汚染を引き起こすことになるので、「容器包装に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」が制定され、PETボトルも平成9年4月から該法律の適用を受けている。
このためリサイクルポリエステル原料は、法律の制定、販売量の増加や消費者の協力による回収率の向上により、益々大量に供給されることになり、その有効利用先の開発が必要となってきている。
【0004】
一般にポリエステル樹脂は、高い剛性を有してはいるが、ガラス転移点が高いこと、結晶性が高いことなどの理由から耐衝撃性が低く、これが必要とされる成形品の製造原料としては不適当とされ、射出成形や押出成形においては小型の成形品に限られていた。
【0005】
特にリサイクルポリエステル原料は、成形加工等の熱履歴や粉砕などの機械的切断などを経ることによって大幅な分子量低下が起こりやすく、分子量低下に伴って耐衝撃強度をより大きく劣化させて回収品の再利用技術の開発の障害になっていた。使用済みのリサイクルポリエステルは新品チップに比較して分子量が低下し、例えば回収されるリサイクルポリエステル原料(破砕物)の分子量はほぼ半減している。従ってこれを成形製品の原料として再利用すると成形加工性が悪く、成形された製品が脆くて耐衝撃性も劣り、例えば成形してPETボトルとしての再利用は不可能となっている。その結果、このような低分子量でも使用できる低品質繊維製品または低品質シート等にしかならず、再利用の用途は狭い範囲に限定されていた。
【0006】
これらの問題を解決する方法として幾つかの方法が提案されている。例えばトランスエステル化または加水分解後に再合成してPETボトル原料に戻す方法、あるいはそのまま樹脂として利用する方法がある。後者の具体的方法としては、ポリエステルの分子量の回復および増大させる方法、即ちリサイクルポリエステル原料に関しては、固相重合で分子量を回復させる方法、鎖延長剤(結合剤)とポリエステル末端基を反応させて分子量を増大させる方法、機械的特性を補うためエラストマー等の他の樹脂を添加する方法などが知られている。分子量を増大させる為の鎖延長剤(結合剤)としては、イソシアナート、オキサゾリン、エポキシ、アジリジン、カルボジイミド等の結合手または官能基を有する化合物を使用することが提案されている。
【0007】
このように、イソシアナート系あるいはエポキシ系などの多官能の鎖延長剤を用いて分子量の増大をはかった改質ポリエステル材(改質PET材)は、分子量はある程度回復できるのでフィルム、繊維、テープなどの延伸物性を利用した分野への適用性は回復するが、薄ものあるいは小型製品を除き依然としてポリエステル特有の耐衝撃性が小さく、脆性を改善することはできていない。これは白化し不透明になるところから、結晶性が高く、延伸しない限り耐衝撃性は改善できていないことを示している。
しかし、リサイクルポリエステル原料供給量を確実に消費するには、樹脂の改質、成形法の改善を行うことにより肉厚の製品への適用可能な技術の開発への強い要望がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、PETボトルなどの回収に伴う、大量に且つ安価に供給されるリサイクルポリエステル原料を、樹脂の改質及び成形方法の改善により耐衝撃性を改善し、産業用材料として使用可能なポリエステル樹脂製パイプ及びその製造方法の開発を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] リサイクルポリエステル原料100重量部に対し多官能エポキシ結合剤0.1〜5重量部を、カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下に、溶融混合した改質ポリエステル材を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ることを特徴とするポリエステルパイプの製造方法、
[2] カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下に、リサイクルポリエステル原料及び多官能エポキシ結合剤を反応させた、メルトフロ−レ−ト0.1〜10g/10分の改質ポリエステル材100重量部に対し0.1〜5重量部のゴム用可塑剤および/または20重量部以下の脂肪族系ポリエステルを配合した樹脂組成物を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ることを特徴とするポリエステルパイプの製造方法、
[3] ゴム用可塑剤が、ポリエーテル−エステル系またはポリエステル系可塑剤である上記[2]に記載のポリエステルパイプの製造方法、
[4] 溶融押し出し後、パイプの外面は水にて、パイプ内面は水および送風機からの空気を同時に噴霧しながら行う上記[1]ないし[3]のいずれかに記載のポリエステルパイプの製造方法、
【0010】
[5] カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下にリサイクルポリエステル原料100重量部に対し多官能エポキシ結合剤0.1〜5重量部を反応させた改質ポリエステル材を、パイプ状に溶融押し出し、パイプの外面は水にて、パイプ内面は水および送風機からの空気を同時に噴霧しながら急冷して、引き取とったことを特徴とするポリエステルパイプ、
[6] カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下にリサイクルポリエステル原料及び多官能エポキシ結合剤を反応させた、メルトフロ−レ−ト0.1〜10g/10分の改質ポリエステル材100重量部に対し、0.1〜5重量部のゴム用可塑剤を配合した樹脂組成物を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ったことを特徴とするポリエステルパイプ、
【0011】
[7] 上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイスから押し出されたパイプのサイズを規定する装置に続きパイプの表面を水冷する装置および内表面の冷却のために水と送風機からの空気を同時に噴射する装置を設けたことを特徴とするポリエステルパイプの製造装置、
[8] 上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイス出口に近接して、押し出された溶融樹脂の表面を固化するためダイスに接合された内部マンドレルおよび水冷された外部サイザー、マンドレルに設けられたパイプ内面に冷水および送風機からの空気を同時に噴射をするスプレー装置、外部サイザーに近接して設けられた水冷却装置を有することを特徴とするポリエステルパイプの製造装置、
[9] 上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイス出口に近接して、押し出された溶融樹脂の表面を固化するためダイスに接合された内部マンドレルおよび水冷された外部サイザー、マンドレルに設けられたパイプ内面に冷水および送風機からの空気を同時に噴射をするスプレー装置、外部サイザーに近接してパイプ表面に水を流下させる装置を順に配置した冷却装置を有することを特徴とする縦型ポリエステルパイプの製造装置、及び
[10] 上記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、パイプ内面を冷却するための、ダイスから突きだした、水および送風機からの空気を同時に噴出させるための冷水噴霧パイプ、フォーマーを有する真空水槽からなる冷却装置を有することを特徴とするポリエステルパイプの製造装置、を開発することにより上記の目的を達成した、
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においてリサイクルポリエステル原料のポリエステルは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とから合成されるものである。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸であり、場合によってはイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、ジフエニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等、他の少量の芳香族ジカルボン酸、あるいはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族、脂環族ジカルボン酸等が共重合されているものも含まれる。
【0013】
グリコール成分としては、主にエチレングリコールであり、場合によっては少量のトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等を含むものがある場合もある。
またヒドロキシカルボン酸としては、例えば、α−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等を含む場合もあるが、リサイクルポリエステル原料のその殆どはポリエチレンテレフタレートとしてよい。
【0014】
本発明のリサイクルポリエステル原料は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール(1/1)混合溶媒に溶解して25℃で測定した固有粘度(IV値)が0.50dl/g以上(これは、JIS K−7210、表1「試験条件」の条件20に規定する温度280℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が約210g/10分以下に相当する。以下に同じ。)であることが好ましく、0.60dl/g以上(MFRが約130g/10分以下)であることがより好ましい。固有粘度が0.50dl/g未満であると、本発明の改質によっても高分子量化と高溶融粘度化が困難であり、得られる改質PET材が必ずしも優れた成形加工性および物性を与えることができない恐れがある。原料樹脂の固有粘度として、特に制限されてはいないが、通常0.90dl/g(MFRが約25g/10分以上)、好ましくは0.80dl/g(MFRが約45g/10分以上)位が上限となる。
【0015】
本発明において使用する多官能エポキシ結合剤は、分子内に2個のエポキシ基および/または2個を超える数のエポキシ基を含有する化合物である。
通常、分子内に2個のエポキシ基を有する化合物の例としては、脂肪族系のポリエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール・ジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサメチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、グリセリン・ジグリシジルエーテル、また脂環式系の水素化ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル、水素化イソフタル酸ジグリシジルエステル、3,4−エポキシ・シクロヘキシル・メチル−3,4−エポキシ・シクロヘキサン・カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ・シクロヘキシル)アジペートまたヘテロ環式系のジグリシジル・ヒダントイン、ジグリシジル・オキシアルキル・ヒダントイン、また芳香族系のビスフェノールA・ジグリシジルエーテル、ビスフエノールA・ジグリシジルエーテルの初期縮合物、ジフェニルメタンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル・アニリン等を挙げることができる。
【0016】
分子内に3個のエポキシ基を有する化合物の例としては、脂肪族系のトリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテル、またヘテロ環式系のトリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルシアヌレート、トリグリシジル・ヒダントイン、また芳香族系のトリグリシジル・パラ−またはメタ−アミノフエノール等を挙げることができる。
分子内に平均4個のエポキシ基を有する化合物の例としては、テトラグリシジル・ベンジルエタン、ソルビトール・テトラグリシジルエーテル、テトラグリシジル・ジアミノフエニールメタン、テトラグリシジル・ビスアミノメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。
【0017】
分子内に平均2個を超える数から数個の中間的個数のエポキシ基を有する化合物としては、フェノール・ノボラック・エポキシ樹脂およびクレゾール・ノボラック・エポキシ樹脂等を挙げることができる。その一例としてダウケミカル社から分子内のエポキシ基が、平均して約2.2、3.6、3.8および5.5個のものが上市されており、これらを使用することができる。
平均2個を超える数のエポキシ基を有する化合物を使用するときは、高粘度化の有効性は高いが、ゲル化が発生し易いのでその配合量は前もってテストして確認しておくことが好ましい。
【0018】
本発明の上記のエポキシ基含有化合物の配合量は、原料となるリサイクルポリエステル原料の平均分子量、2官能エポキシ化合物と2官能を超える数のエポキシ化合物からなる多官能エポキシ結合剤の配合比により変わり、原料樹脂の平均分子量が低いときあるいは2官能エポキシ化合物が多いときには多めに配合することになる。一般に多官能エポキシ結合剤は高価であるので、通常リサイクルポリエステル原料100重量部に対して0.1〜5重量部となるように2官能を超える数のエポキシ基を有する化合物とするか、2官能を越える数のエポキシ化合物の配合比を増加するように配合比を変更することが好ましく、特に、0.3〜2重量部になるようにすることが好ましい。0.1重量部未満の配合比では分散が不十分になりやすく、分子量と溶融粘度を必要とする範囲まで上がらず、MFRが所望の10g/10分以下にならない。一方、5重量部を越えると、コストアップになるだけでなく、ゲルが生成したりして、改質PET材の機械的特性や弾性率が低下したりする。
【0019】
例えば、多官能エポキシ結合剤としてエポキシ樹脂を使用するときは、その種類、特に分子量によってその配合量は異なる。例えば、低分子量でエポキシ当量100〜200g/eqのエポキシ樹脂を使用して固有粘度が0.90dl/gと高い回収PET原料と反応させる場合には、0.1重量部の配合量でも可能である。他方、高分子量でエポキシ当量約2000g/eqのエポキシ樹脂を使用して固有粘度が0.50dl/gと低い直鎖状飽和ポリエステルと反応させる場合には、5重量部程度の配合量が必要である。この適切な配合量はテストすれば簡単に測定できる。
【0020】
本発明におけるリサイクルポリエステル原料と多官能エポキシ結合剤の反応を行わせるに際し、この反応を促進するとされている触媒であればすべて使用できる。例えば好ましい結合反応触媒として、カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩を挙げることが出来る。特に好ましいのは、これらのステアリン酸塩であり、更にそれらの混合物であり、これらは特に安全性が極めて高い。
他の好ましい結合反応触媒は、カルボン酸のマンガン塩であり、ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基とエポキシ環の反応触媒として反応を促進する。このマンガン塩としては、有機カルボン酸の塩が好ましく、具体的には炭素数1〜20個の、特に1〜10個の脂肪族カルボン酸、炭素数3〜12個の脂環族カルボン酸あるいは炭素数7〜20個の芳香族カルボン酸のマンガン塩が好適である。塩を形成するカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、アジピン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、モンタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、フタル酸などが挙げられる。更に好ましい例としては、酢酸第1マンガン、酢酸第1マンガン無水物、酢酸第1マンガン4水塩、酢酸第2マンガン等を挙げることができる。
【0021】
この結合反応触媒としてのカルボン酸のナトリウム塩、カルシウム塩およびマンガン塩等を含めて、その配合量は、リサイクルポリエステル原料100重量部に対して0.01〜1重量部である。特に0.05〜0.5重量部であることが好ましい。0.01重量部未満では触媒効果が小さく、結合反応が未達となって分子量を回復し、粘度が上昇した改質ポリエステル材を得ることが出来ないことがある。1重量部を超えると局部反応によるゲル生成や溶融粘度の急上昇による押出成形機内のトラブルなどが生じる。好ましい配合量の例は、ステアリン酸カルシウム0.10重量部とステアリン酸ナトリウム0.05〜0.1重量部の混合物、ステアリン酸カルシウム0.10重量部とステアリン酸リチウム0.05〜0.1重量部の混合物またはステアリン酸カルシウム0.10重量部と酢酸マンガン0.05〜0.1重量部の混合物などである。
【0022】
一般にPET系ポリエステルは、他の融点の低い熱可塑性樹脂に比してガラス転移温度が高く、耐衝撃性に乏しいため冷延伸による物性の改善が可能なフィルムや繊維などに比して肉厚の厚いパイプなどの成形品とするときは急冷することにより結晶化を防止したり、結晶化度を調整するとかによりて耐衝撃性を付与することが必要となる。
【0023】
上記の改質反応時または改質PET材にゴム用可塑剤および/または脂肪族系ポリエステルを可塑剤または軟化剤として配合すると耐衝撃性をさらに改善できる。
上記のゴム用可塑剤としては、市販品もあるが、平均分子量が数100ないし数1000の炭素数4ないし18くらいまでのカルボン酸と各種分子量のポリエチレングリコールからなるポリエーテル・ポリエステル系可塑剤、あるいは平均分子量が数100ないし2000程度のアジピン酸とブチレングリコール等グリコール類の共縮合体等のアジピン酸系ポリエステルなどを挙げることができる。このようなゴム用可塑剤は、ポリエステル原料100重量部に対して5重量部以下、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部を配合する。配合量が5重量部を越えるときは、可塑剤の種類によってはブリードをする危険があるので避けることが好ましい。ブリードしないものであればこれを越えて配合することは構わないが、樹脂の剛性が低下する。
【0024】
また、エチレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール類と、炭素数2〜8の脂肪族2価カルボン酸から得られた(少量のジイソシアネートなどによりカップリングされたものもある。)平均分子量が数1000ないし2万程度の脂肪族ポリエステルを、リサイクルポリエステル原料100重量部に対して20重量部以下、好ましくは1ないし10重量部のポリエステルを耐衝撃性改良剤として使用することもできる。この場合には、可塑剤的な作用ではなく、結晶化を阻害して耐衝撃性を改善している可能性が高い。
これ以外には、ゴム用可塑剤を相溶化剤としてエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、ブタジエン系ポリマーの部分水素化系ゴム等の合成ゴムをブレンドすることも効果的である。この場合には相溶化剤の種類によりゴムの配合量が定まる。
【0025】
またリサイクルポリエステル原料のフレークも、配合することによりパイプ表面の平滑性を改善できる。まずリサイクルポリエステル原料を必要な配合で改質PET材を製造した後に、新たなフレークを配合することが必要である。この配合は、改質PET材100重量部に対して10〜50重量部をまぶして使用するだけで成形性および表面平滑性を大幅に改良できる。
【0026】
上記の改質反応時に触媒とともに必要に応じて使用できる助触媒、結晶化核剤、結晶化促進剤としては、例えば塩化リチウム、ヨウ化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属等のハロゲン化物や炭酸塩、重炭酸塩、トリブチルホスフイン、トリオクチルホスフイン、トリフエニルホスフイン等のアリールまたはアルキル置換ホスフイン、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の飽和脂肪酸やクロトン酸、オレイン酸、エライジン酸等の不飽和脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることができる。なお改質反応に関与しないものは助触媒を除き改質PET材に配合しても良い。
【0027】
本発明の改質PET材には、充填材としてタルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ等、また補強材としてガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維及びウイスカー等、また顔料としてカーボンブラック、酸化アンチモン、二硫化モリブデン、酸化チタン等、その他着色剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調節剤、帯電防止剤、導電剤、流動性付与剤、離型材、他の架橋剤、他の樹脂類等を必要に応じて配合してもよい。
【0028】
例えば、酸化防止剤としては、p−t−ブチルヒドロキシトルエン、p−t−ブチルヒドロキシアニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安滋剤としては、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等、紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフエニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフエノン等、帯電防止剤としては、N,Nービス(ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフオネート等、難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスー(2,3−ジクロロブロビル)ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等を挙げることができる。
【0029】
リサイクルポリエステル原料としては、市販のフレーク、あるいはそれからの粒状物、粉末、チップ、溶融物等の任意の形状のものを使用し改質直前または改質に際し乾燥して用いることが好ましい。乾燥は一般的には、リサイクルポリエステル原料を除湿空気、熱風または加熱窒素で110〜160℃の温度で数時間ないし十数時間乾燥する方が好ましい結果を与える。ついで乾燥したリサイクルポリエステル原料などの各成分をヘンシエルミキサー等の混合機で混和させてから、例えば押出ペレタイザーまたは直接に成形加工機に供給し、加熱溶融して改質反応を行わせる。加熱溶融する温度は、ポリエステルの融点以上で350℃以下であることが反応制御の観点から望ましい。特に、300℃以下が好ましく、350℃を越えると特にポリエステルの変色や熱分解が生じるおそれがある。
【0030】
これらの混合物を加熱、溶融して反応する反応装置としては、ペレタイザーとしての単軸押出機、二軸押出機、それらの組合せの二段式押出機、ニーダー・ルーダーおよびポリエステル樹脂の重縮合の製造に使用される二軸反応装置等あるいは成形と同時に反応させるための各種押出機を使用することができる。この反応法は、押出機中で短時間でおこなうことができるので、押出機のL/Dは比較的短くとも良いが、できれば20〜40程度であることが好ましい。
【0031】
反応装置の性能にもよるが、一般に短い時間、例えば、30秒〜20分、好ましくは1分〜10分、特に好ましくは1.5分〜6分の時間で、ポリエステルの結合反応が起こる。これは、結合触媒がポリエステル末端基とエポキシ環の結合反応に対して促進作用を有し、多官能エポキシ成分によりカルボキシル基を有するポリエステル同士の分子が化学的に連結されるために、ポリエステル分子鎖が延長したり、分岐が付加されたりして高分子量となり、それに伴いカルボキシル基量が減少するものと推定される。
単にリサイクルポリエステル原料と多官能エポキシ成分のみを添加して加熱溶融した場合は、反応速度が遅いために短時間で分子量を上昇させたり、MFRを低下させることは困難である。これに触媒を共存させた場合にのみ顕著に分子量の上昇に伴うMFRの低下、溶融粘度の上昇、スウェルの上昇が認められる。
【0032】
一般に、ポリエステル分子はその融点以上の温度にて、付着水または自己が有する微量水分でそのエステル結合が容易に加水分解し、カルボキシル基と水酸基を発生するとともに分子量を大きく低下させる。特に、二軸押出機の中の様に高温下で剪断力がかかる条件では、より加水分解を促進する。従って、上記の反応装置では、一般にリサイクルポリエステル原料を予め110〜140℃で熱風乾燥して水分量100〜200ppmに下げたもの、および除湿空気で乾燥して水分量を50ppm以下に下げたものを使用するのが好ましい。
【0033】
PET樹脂は、通常空気中の湿度を吸着して環境湿度に応じて3,500〜6,000ppm(0.35〜0.60重量%)の水分を含んでおり、上記のような乾燥処理を行うことにより、加水分解を大幅に抑制できる。未乾燥のままで回収ペットボトルフレークまたは新品のポリエステル樹脂を原料として使用する場合には、ポリエステル樹脂が溶融した直後に、真空度を好ましくは2.6×103Pa以下、特に好ましくは6.6×102Pa以下に下げて、水分を真空脱気によって除去することにより達成することができる。
【0034】
改質PET材をパイプ状に押し出す方法は、従来の熱可塑性樹脂のパイプ製造装置と本質的に同じである。押出装置は、リサイクルポリエステル原料を改質すると同時にパイプ押出を行っても良く、あるいは一旦改質PET材のペレットを製造した後に他の押出機を使用して押出成形することも自由である。押出機、ギアポンプなどを使用できる。好ましいものとしてベント付の2軸押出機を挙げることができる。
ただ、本改質PET材においては、肉厚が3mmを越えるパイプの場合には両面からの急冷が必要であり、パイプ内面を水噴射による冷却を必要とするので、従来の熱可塑性樹脂パイプ製造装置の冷却装置をそのまま使用することはできない。
【0035】
冷水による冷却であっても、ミストによる冷却では不十分なことが多く、この場合には大量の空気を送り、ミストの蒸発を促進させることが必要であり、できればスプレーまたは攪拌機付水槽に浸漬した状態での冷却することが好ましい。肉厚が4mmを越える場合には両面からの冷水による強制冷却が必要となる。
それでもインパクトが不十分な場合にはゴム用可塑剤等を配合することにより耐衝撃性を高くすることが必要となる。
【0036】
パイプの両面から冷水による直接の冷却をするには、例を挙げれば図1または図2に示すような装置を使用して製造することができる。
図1について説明すると、ダイス1より押し出されたパイプ2は、ダイス面に近接して設けられた、水冷されている内部マンドレル4(冷却用水がダイスにかからないようにするためにも必要である。)および冷却水6により冷却されている外部サイザー5の間を通りその表面が冷却され形状が定められる。続いて冷却水31および好ましくは図示されていない送風機からの空気が内部冷却用スプレー3に送られ、水冷用ノズル33からパイプ内面に大量のスプレー水を吹き付けるとともに送風することにより水の蒸発を促進させる。この送風は水の蒸発を助け、水温を低下させるとともに冷却を促進する。
【0037】
またパイプ表面には、外部サイザー5に近接して、冷却水入口71から水が供給される外部水冷却装置7を設け、該装置からパイプ外表面に水膜を作るように水をオーバーフローさせ、パイプ表面を水により直接冷却する。冷却されたパイプは引取機8により一定速度で引き取られ、その下に設けられたパイプカッター10により一定の長さに切断されてポリエステルパイプ11となる。
なお必要に応じ引取機8の上部には外部冷却装置からオーバーフローする水を受ける水受け72、あるいは冷却を確実にするために引取機の下部に水膜を作るための外部水冷却装置9を設け、全体の下部に冷水受け92を設けても良い。あるいは内部マンドレルおよび外部サイザー以下の全体を水没式にして強い攪拌を行って冷却することも可能である。この場合には内部冷却スプレーに空気の送入すると水の振動が激しくなるので、パイプ内部の冷却は水冷ノズルからの水を増量するかパイプ外部の水を強制的に高速で循環することが好ましい。
【0038】
また従来の水冷却真空水槽を使用することも可能である。
図2に示す水冷却真空水槽20は、20a〜20dの4つに区分されており、ダイス1に近接して設けられたフォーマー21から溶融樹脂パイプが送入されてくる。各真空水槽はシール固定シートで固定されたラシャシールまたはゴム製シールと送り込まれるパイプによって隣接水槽とは区画シールされ、パイプが第1から第4まで順々に通過することによりパイプ外面は冷却されている。一方パイプ内部は、冷却用水31及びブロワーからの加圧空気32が水噴射ノズル33から噴射され、パイプ内面を冷却する。パイプ内面の冷却は、水の顕熱、同時に噴射される加圧空気の噴射に伴う強制的な水の蒸発による潜熱、空気の噴射による攪拌作用により冷却をする相乗作用により冷却が著しく促進される。このようにして両面から冷却されたパイプは、最終第4真空水槽を出て引き取り機8により連続的に引き取られ、次のパイプカッター10により所定の長さに切断される。この結果このような急冷により、従来では実用的に不十分であったポリエステルパイプの耐衝撃性が向上し、厚さ5mm程度のパイプであっても製造可能となった。
【0039】
【実施例】
(実施例1〜2、比較例1〜2)
原料として、リサイクルポリエステル原料(透明フレ−ク)100重量部、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエ−テルとトリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテルのモル比1:1の混合物を含有するマスターバッチ(前記透明フレークで10重量%に希釈)を6重量部、触媒としてステアリン酸ナトリウムとステアリン酸カルシウムの重量比で1:1の混合物を0.2重量部を用い、二軸押出機により改質PET材を調製した。得られた樹脂のMFRは2.0g/10分であった。
この改質PET材100重量部に対し、ゴム用可塑剤(商品名:アデカRS700)0.4重量部(実施例1,比較例1)、ゴム用可塑剤(商品名アデカPN150)0.4重量部(実施例2,比較例2)を配合し、外径55.9mmφ、リップ間隙4mmのダイスから280℃で押し出し、水噴射量5リットル/時間、空気噴射量40リットル/分でパイプ内部冷却を、外部は水シャワー式で冷却を行い、外径53.2mmΦのパイプの成形を行った。比較例1および2では内部冷却を行わなかった。
得られたパイプの物性を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003908976
【0041】
(実施例3、比較例3〜4)
原料として、リサイクルポリエステル原料(透明フレ−ク)100重量部、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエ−テルとトリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテルのモル比1:1の混合物を含有するマスターバッチ(前記透明フレークで10重量%に希釈)を7重量部、触媒としてステアリン酸ナトリウムとステアリン酸カルシウムの重量比で1:1の混合物を0.2重量部を用い、二軸押出機により改質PET材を調製した。得られた樹脂のMFRは2.4g/10分であった。
この改質PET材100重量部に対し、ゴム用可塑剤を用いず、内径102.6mmφ、外径116mmφのダイスから280℃で押し出し、水噴射量5リットル/時間、空気噴射量40リットル/分でパイプ内部冷却を行い、内径91mm、長さ195mmのフォーマーを有する真空水槽を用い、ダイスと真空水槽の間隙30mmで成形を行い、外径91.1mmΦのパイプを成形した。実施例3および比較例3では、130℃で24時間乾燥した原料フレークを使用し、比較例4では原料フレークをそのまま使用した。得られたパイプの物性を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0003908976
【0043】
(実施例4−5)
実施例1において、結合剤のマスターバッチを7重量部(実施例4)および6重量部(実施例5)とし、実施例4ではゴム用可塑剤を用いず、実施例5においてはゴム用可塑剤(商品名:アデカPN150;0.4phr)を用い、図1に示すような縦型パイプ製造装置により成形を行った。
L/D27の65mmの単軸押出機を用い、内径116mmφ、リップ間隙6.7mmのダイスから押し出し、パイプ外部は大量の水を循環して冷却し、内部冷却スプレーから水および空気を噴射してパイプ内部を冷却した。得られたパイプの物性値を表3に示す
【0044】
【表3】
Figure 0003908976
【0045】
(比較例5)
実施例1で用いたリサイクルポリエステル原料(透明フレ−ク)(MFR22g/10分)をそのまま実施例1と同様に、水噴射量5リットル/時間、空気噴射量40リットル/分でパイプ内部冷却を、外部は水シャワー式で冷却を行い、外径53.2mmΦのパイプの成形を行った。しかしパイプは所定の形状のものが得られなかった。
【0046】
【発明の効果】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭その他から大量に廃棄されるペットボトルその他のポリエチレンテレフタレート製品を回収し、認可加工業者により洗浄、粉砕されたフレーク(リサイクルポリエステル原料)を原料とした、産業用資材としてのパイプ並びにその製造方法に関する。
本発明は、PETボトルなどの回収に伴う、大量に且つ安価に供給されるリサイクルポリエステル原料(フレーク)を、多官能エポキシ結合材を使用して改質するとともに成形においては、パイプなイプの冷却に水と空気を混合して噴射することによる方法を開発することにより、急冷して結晶化を防止して耐衝撃性を向上させることに成功した。さらに、改質PET材に対してゴム用の可塑剤を配合することによりさらに耐衝撃性を改善することに成功し、廃棄物であったペットボトルを産業用パイプ原料としてリサイクルすることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型パイプ製造装置の概念図。
【図2】真空水槽を使用した本発明の横型パイプ製造装置。
【符号の説明】
1.ダイス。
2.押し出されたパイプ。
3.内部冷却用スプレー
31:冷水
32:空気
33:水冷用ノズル。
4.内部マンドレル
5.外部サイザー
6.冷却水入口
7.外部水冷装置(水膜リング)
71:冷水
72:冷水受け
8.引取機
9.外部水冷装置(水膜リング)
10.パイプカッター
11.パイプ
20.真空水槽
20a〜20d:第1〜第4真空水槽
21.フォーマー
22.ラシャシール
23.真空ゲージ

Claims (10)

  1. リサイクルポリエステル原料100重量部に対し多官能エポキシ結合剤0.1〜5重量部を、カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下に、溶融混合した改質ポリエステル材を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ることを特徴とするポリエステルパイプの製造方法。
  2. カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下に、リサイクルポリエステル原料及び多官能エポキシ結合剤を反応させた、メルトフロ−レ−ト0.1〜10g/10分の改質ポリエステル材100重量部に対し0.1〜5重量部のゴム用可塑剤および/または20重量部以下の脂肪族系ポリエステルを配合した樹脂組成物を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ることを特徴とするポリエステルパイプの製造方法。
  3. ゴム用可塑剤が、ポリエーテル−エステル系またはポリエステル系可塑剤である請求項2に記載のポリエステルパイプの製造方法。
  4. 溶融押し出し後、パイプの外面は水にて、パイプ内面は水および送風機からの空気を同時に噴霧しながら行う請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリエステルパイプの製造方法。
  5. カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下にリサイクルポリエステル原料100重量部に対し多官能エポキシ結合剤0.1〜5重量部を反応させた改質ポリエステル材を、パイプ状に溶融押し出し、パイプの外面は水にて、パイプ内面は水および送風機からの空気を同時に噴霧しながら急冷して、引き取とったことを特徴とするポリエステルパイプ。
  6. カルボン酸のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩またはそれらの混合物からなる触媒の存在下にリサイクルポリエステル原料及び多官能エポキシ結合剤を反応させた、メルトフロ−レ−ト0.1〜10g/10分の改質ポリエステル材100重量部に対し、0.1〜5重量部のゴム用可塑剤を配合した樹脂組成物を、パイプ状に溶融押し出し、急冷し、引き取ったことを特徴とするポリエステルパイプ。
  7. 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイスから押し出されたパイプのサイズを規定する装置に続きパイプの表面を水冷する装置および内表面の冷却のために水と送風機からの空気を同時に噴射する装置を設けたことを特徴とするポリエステルパイプの製造装置。
  8. 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイス出口に近接して、押し出された溶融樹脂の表面を固化するためダイスに接合された内部マンドレルおよび水冷された外部サイザー、マンドレルに設けられたパイプ内面に冷水および送風機からの空気を同時に噴射をするスプレー装置、外部サイザーに近接して設けられた水冷却装置を有することを特徴とするポリエステルパイプの製造装置。
  9. 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、ダイス出口に近接して、押し出された溶融樹脂の表面を固化するためダイスに接合された内部マンドレルおよび水冷された外部サイザー、マンドレルに設けられたパイプ内面に冷水および送風機からの空気を同時に噴射をするスプレー装置、外部サイザーに近接してパイプ表面に水を流下させる装置を順に配置した冷却装置を有することを特徴とする縦型ポリエステルパイプの製造装置。
  10. 請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂のパイプ製造において、パイプ内面を冷却するための、ダイスから突きだした、水および送風機からの空気を同時に噴出させるための冷水噴霧パイプ、フォーマーを有する真空水槽からなる冷却装置を有することを特徴とするポリエステルパイプの製造装置。
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