JP2002219742A - ポリエステル・パイプの製造方法 - Google Patents

ポリエステル・パイプの製造方法

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JP2002219742A
JP2002219742A JP2001016375A JP2001016375A JP2002219742A JP 2002219742 A JP2002219742 A JP 2002219742A JP 2001016375 A JP2001016375 A JP 2001016375A JP 2001016375 A JP2001016375 A JP 2001016375A JP 2002219742 A JP2002219742 A JP 2002219742A
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pipe
polyester resin
resin
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Akira Mano
昭 間野
Makoto Yamaguchi
誠 山口
Yoshitsugu Mito
良嗣 三戸
Shiyuuichiro Matsushita
洲一郎 松下
Yasuo Oonoki
康夫 大軒
Shinichi Inoue
眞一 井上
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Ebara Corp
Ikegai Corp
Nippon Shokubai Co Ltd
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Ebara Corp
Ikegai Corp
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状の安定したポリエステル樹脂製パイプの
製造方法を提案することを目的とするものであり、具体
的には従来成形が困難であったポリエステル・パイプの
製造に当たり、特定したポリエステル樹脂を使用するこ
とによって形状の安定したポリエステル樹脂パイプの押
出成形方法を提供するものである。更に、回収ポリエス
テルを特定したポリエステル樹脂の原料とすることによ
り、回収ペットに代表される回収ポリエステルの有効利
用方法を提供する。 【解決手段】 メルト・フロー・レートが15g/10
min以下のポリエステル樹脂を260〜310℃の樹
脂温度で円筒状に押出し、水冷したサイジング・ダイで
パイプ状に冷却・賦型するポリエステル・パイプの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル・パ
イプの製造方法に関する。より詳しくは、ポリエステル
樹脂を多官能性化合物で高分子量化する方法で本発明に
規定されたメルト・フロー・レートとした樹脂を使用す
ることによって、形状の安定したポリエステル・パイプ
を押出し成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、
「PET」ともいう)樹脂等のポリエステル樹脂は、エ
ンジニアリングプラスチックスとして、繊維、フィル
ム、成形品等の材料として広く用いられている。このよ
うなポリエステル樹脂の成形方法としては、繊維やフィ
ルムでは延伸により行われ、PETボトルに代表される
成形品の製造では延伸ブロー成形が一般的である。
【0003】このようなポリエステル樹脂は概して、分
子量が十分に高い樹脂ではなく、溶融時の樹脂粘度が著
しく低かった。このため、この低溶融粘度の樹脂を円筒
状に、例えば、水平に押出すと、当該樹脂はサイジング
・ダイに到達する前に自重で垂れ下がり、パイプ形状に
賦型できなかった。具体的には、ドローダウンが発生
し、パイプ形状に賦型できなかった。従って、押出成形
を利用してポリエステル・パイプを製造するための研究
の余地があった。
【0004】ところで、PET樹脂に関して、平成12
年4月から「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促
進等に関する法律」が施行されたため、PETボトル等
の膨大な量の回収PETをリサイクルする技術として、
延伸ブロー成形等以外にPET樹脂を成形加工する技術
が切望されている。また、着色PETの粉砕物について
は、着色しているため糸やシート等にリサイクルするに
は適さず、ごみとして廃棄されているのが現状である。
従って、土中に埋めるパイプ等にリサイクルできるよう
な技術があれば、着色PETを含む粉砕物を効率よくリ
サイクルできることから、このような技術について研究
する余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、形状の安定したポリエステル樹脂製パイプの製造方
法を提案することを目的とするものであり、具体的には
従来成形が困難であったポリエステル・パイプの製造に
当たり、特定したポリエステル樹脂を使用することによ
って形状の安定したポリエステル樹脂パイプの押出成形
方法を提供するものである。更に、回収ポリエステルを
特定したポリエステル樹脂の原料とすることにより、回
収ペットに代表される回収ポリエステルの有効利用方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テル樹脂を押出成形する方法を種々検討するうち、メル
ト・フロー・レートが15g/10min以下のポリエ
ステル樹脂を用い、260〜310℃の樹脂温度で押出
し成形することにより、ポリエステル樹脂の溶融強度が
高くなることに起因して形状の安定したパイプを製造す
ることができ、上記課題をみごとに解決できることを見
いだした。また、ポリエステル樹脂のメルト・フロー・
レートを15g/10min以下とするには、多官能性
化合物を使用して高分子量化することが好適であり、こ
のようなポリエステル樹脂が260〜310℃の樹脂温
度で押出成形して形状の安定したパイプを製造するため
に好適であることも見いだした。更に、このような製造
方法でパイプを製造すると、PETボトル等の回収ポリ
エステルのリサイクルに役立ち、製造原料として着色ポ
リエステルを含む場合でも着色がリサイクルの阻害要因
にはならないため、着色ポリエステル等を含む回収ポリ
エステルの有効利用も促進できることに想到し、本発明
を完成したものである。
【0007】すなわち本発明は、メルト・フロー・レー
トが15g/10min以下のポリエステル樹脂を26
0〜310℃の樹脂温度で円筒状に押出し、水冷したサ
イジング・ダイでパイプ状に冷却・賦型するポリエステ
ル・パイプの製造方法である。以下に、本発明を詳述す
る。
【0008】先ず、本発明において使用するポリエステ
ル樹脂について説明する。なお、本明細書中では、「ポ
リエステル樹脂」の用語を、重合体であるポリエステ
ル、又は、該ポリエステルを含む樹脂組成物の意味で使
用する。本発明では、ポリエステル樹脂として、265
℃で測定したメルト・フロー・レートが15g/10m
in以下のものを使用する。上記メルト・フロー・レー
トの測定方法を下記に示す。
【0009】メルト・フロー・レートの測定方法 オリフィス:1mmΦ×10mml 荷重:5kg 測定温度:265℃ なお、測定機器としては、テクノセブン社製メルトイン
デクサ(商品名)を用いることができる。
【0010】上記ポリエステルの代表例であるPETの
一般構造は、下記一般式で示されるようにエステル結合
をもったポリマーである。下記一般式中、nは、1以上
の整数を表す。
【0011】
【化1】
【0012】本発明では、ポリエステル樹脂のメルト・
フロー・レートを上記のように設定するためには、ポリ
エステルを高分子量化することが好適である。ポリエス
テルを高分子量化する方法としては特に限定されなく公
知の高分子量化方法を採用することができる。例えば、
ポリエステルを加熱溶融させ、減圧下で、更にエステル
縮合反応をさせてもよい。また、ポリエステルと多官能
性化合物とを溶融状態で反応させる方法と固相状態で反
応させる方法等が例示される。
【0013】上記多官能性化合物としては、例えば、ジ
エポキシ化合物、ビス−オキサゾリン化合物、ポリイソ
シアネート化合物、及び、多価カルボン酸無水物からな
る群より選択するのが好ましいが、本発明におけるポリ
エステル樹脂を効果的に得るには、多価カルボン酸無水
物が特に好ましい。更に、この中でも、芳香族テトラカ
ルボン酸の二無水物、特にピロメリット酸二無水物が最
も好ましい。その他の有用な二無水物としては、例え
ば、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン
酸、(ペリレン−3,4,9,10)テトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エー
テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、
2,3,4,5−テトラカルボキシヒドロフラン等が挙
げられる。多官能性化合物の使用量は、ポリエステル樹
脂100重量部当たり、通常0.05〜2重量部の範囲
内とすることが好ましい。
【0014】上記固相状態での反応形態の好ましい形態
としては、ポリエステル樹脂と多官能性化合物を含むポ
リエステル樹脂組成物の熱溶融物をペレット状態にし、
そのペレット状態で固相重合反応させ高分子量ポリエス
テル樹脂を得る方法がある。上記のポリエステル樹脂の
高分子量化法はいずれの手法を採用することもできる。
この際、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレン等のポリオレフィン類や塩化ビニル樹
脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポ
リスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、熱可
塑性エラストマー類等の他の熱可塑性樹脂;炭酸カルシ
ウムやタルク、下水汚泥の焼却飛灰、ゴミの焼却飛灰等
の充填材の他、結晶核剤、結晶促進剤、可塑剤、抗酸化
剤、安定剤、顔料、難燃剤、離形剤、滑り改質剤、耐熱
剤等の添加剤を加えてもよい。
【0015】上記高分子量化方法を、例えば、後述する
ような回収されたPETフレークに適用させることによ
り、バージンのPET原料に匹敵する物性の高分子量化
PET樹脂を得ることができ、回収されたPET樹脂を
より有効に本発明の原材料として採用することができる
ので好ましい実施形態である。
【0016】本発明のポリエステル樹脂が示すメルト・
フロー・レートは、15g/10min以下であるが、
好ましい範囲としては、10g/10min以下が好ま
しく、6g/10min以下がより好ましく、2g/1
0min以下が更に好ましい。上記メルト・フロー・レ
ートを好ましく実現できるポリエステル樹脂の高分子量
化方法としては上記の公知の高分子量化方法が採用でき
る。この中で、得られたポリエステル樹脂の流動性、適
度な、ポリエステル樹脂熱溶融時に粘度を実現させるた
めには、固相状態で高分子量化させることが好ましい。
【0017】本発明で使用するポリエステル樹脂には、
上述した熱可塑性樹脂や充填材、添加剤を加えてもよい
が、これらの中でも充填材としては、リサイクルの点か
ら、下水汚泥の焼却飛灰、ゴミの焼却飛灰を用いること
が好ましい。上記の添加剤等として、ポリオレフィンを
含む場合は、押出し成形性を向上することができること
から好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレン及びそれらの共重合体、並びに、そ
れらの混合物等が挙げられる。より好ましくは、ポリエ
チレン、ポリプロピレン及びそれらの共重合体、並び
に、それらの混合物であり、更に好ましくは、ポリプロ
ピレンである。ポリオレフィンの好ましい分子量は、5
000〜1000000の範囲内が好ましく、1000
0〜100000の範囲内がより好ましい。また、ポリ
オレフィンの添加量は、ポリエステル樹脂100重量部
当たり、ポリオレフィンが、0.05〜10重量部の範
囲内であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜
5重量部であり、更に好ましくは、0.2〜2重量部の
範囲内である。
【0018】本発明のポリエステル樹脂には、必要に応
じて更に強化繊維を配合することもできる。強化繊維と
しては特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、アラ
ミド繊維、カーボン繊維等が挙げられ、中でも特にガラ
ス繊維が好ましく、より好ましくはチョップドガラス繊
維である。強化繊維の添加量としては特に限定されない
が、例えば、ポリエステル樹脂100重量部当たり、
0.5〜50重量部が好ましく、0.5〜15重量部が
より好ましく、0.5〜10重量部が更に好ましく、
0.5〜5重量部が特に好ましい。上記範囲を逸脱する
と、成形外観が悪くなったり、パイプとして、必要なじ
ん性が出難かったりする。強化繊維の長さは、通常用い
る長さであれば特に制限はないが、好ましくは、0.1
〜5mm、更に好ましくは0.2〜4mmである。本発
明のポリエステル樹脂は、具体的には強化繊維が配合さ
れたポリエステル樹脂組成物である。
【0019】本発明に用いるポリエステル樹脂は、ジカ
ルボン酸若しくはその誘導体と、炭素数2〜12のジオ
ールとの重縮合反応物が好適である。上記ジカルボン酸
若しくはその誘導体としては特に限定されないが、例え
ば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クロロテ
レフタル酸、ニトロテレフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸やそれらの酸無水物及びそれらのジメチ
ルエステルやジエチルエステル等の低級アルコール類の
ジエステル類、2,6−ナフタレンジカルボン酸やそれ
らの酸無水物及びそれらのジメチルエステルやジエチル
エステル等の低級アルコール類のジエステル類、更に、
ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸やそれらの酸無水物及びそれらの
ジメチルエステルやジエチルエステル等の低級アルコー
ル類のジエステル類等が挙げられるが、この中でも特に
テレフタル酸が好ましい。上記ジオールとしては、特に
限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール等
が挙げられ、この中でも特にエチレングリコールが好ま
しい。
【0020】上記ポリエステル樹脂には、テレフタル酸
から誘導される単位の25モル%までがイソフタル酸若
しくは他のジカルボン酸から誘導される単位で置換され
たコポリマーも含まれ、特に、ポリアルキレンテレフタ
レート単独重合又はポリアルキレンテレフタレートとイ
ソフタル酸との共重合により生成したポリアルキレンテ
レフタレート系重合体であることが望ましい。また、上
記ポリエステル樹脂は、ポリエステル骨格以外に他の熱
可塑性樹脂骨格を含有していてもよい。上記ポリエステ
ル樹脂としては、PET、イソフタル酸を一部共重合し
たPET、ポリブチレンテレフタレート、及び、ポリエ
チレンナフタレートが好ましく、この中でもPETが特
に好ましい。
【0021】上記ポリエステル樹脂は、他の相溶性ポリ
マー、例えば、ポリカプロラクトンを20重量%まで配
合したものであってもよい。また、液晶特性を示すと共
に反応性基(例えば、水酸基、アミノ基等)を有するポ
リマー若しくは化合物を5重量%まで添加することによ
って機械的物性を改良してもよい。本発明におけるポリ
エステル樹脂は、必要に応じて添加剤や強化繊維等を加
えたものであり、該ポリエステル樹脂は、上述のよう
に、多官能性化合物との反応により分子量を増大させた
ものがより好ましい。
【0022】本発明のポリエステル樹脂を熱溶融、多官
能性化合物で高分子量化させる装置としては特に限定さ
れない。通常の反応装置であってもよいし、以下の二軸
混練機であってもかまわない。この溶融混練は、二軸押
出機を用いた溶融分散混練によることが好ましい。二軸
押出機は特に限定されないが、例えば、ベント付き同方
向かみ合い二軸スクリュー押出機、ベント付き同方向非
かみ合い二軸スクリュー押出機、ベント付き異方向かみ
合い二軸スクリュー押出機、ベント付き異方向非かみ合
い二軸スクリュー押出機、無ベント式同方向かみ合い二
軸スクリュー押出機、無ベント式同方向非かみ合い二軸
スクリュー押出機、無ベント式異方向かみ合い二軸スク
リュー押出機、無ベント式異方向非かみ合い二軸スクリ
ュー押出機等が挙げられ、この中でもベント付き異方向
非かみ合い二軸スクリュー押出機が特に好ましい。更に
溶融混練の温度は、用いるポリマー又はコポリマーの融
点によって異なるが、240〜310℃の範囲内にある
ことが好ましく、より好ましくは240〜300℃、ま
た、押出機中での滞留時間は10〜100秒の範囲内に
あることが好ましく、より好ましくは15〜80秒の範
囲内、更により好ましくは15〜50秒の範囲内であ
る。
【0023】上記溶融混練で得られた混合物は、固相重
付加反応処理に付す場合には、上述したようにペレット
状であることが好ましい。溶融混練で二軸押出機を用い
るときは、混合物を押出機からストランド状(直径が、
好ましくは1〜10mm、より好ましくは3〜5mm)
にて押出し、ペレタイザーによるカット(長さが、好ま
しくは1〜20mm、より好ましくは2〜10mm)に
よりペレタイズして、固形チップ状のペレットを得る。
【0024】本発明では、上記ポリエステル樹脂が、回
収ポリエステルの粉砕物を原料とすることが好ましい。
これにより、回収PET等の回収ポリエステルのリサイ
クルの点から有効な方法となり、また、製造コストを抑
制することが可能となる。回収ポリエステルとしては、
回収PETが代表的であり、PETボトル、PETフィ
ルムの端部、各種PETパーツ、成形加工時に生じるラ
ンナー等の工程廃材等のポリエステル成形製品からのリ
サイクル品を用いることができる。また、現在、着色ポ
リエステルの粉砕物は、着色しているため糸、シートや
他のリサイクルには使用されず、ごみとして廃棄されて
いるが、本発明の方法では、着色は阻害要因にはならな
いことから、回収ポリエステルの粉砕物として、着色P
ET等の着色ポリエステルの粉砕物も含むことができ
る。このように回収ポリエステルの粉砕物を原料とする
場合、ポリエステル樹脂中の回収ポリエステルの使用割
合としては特に限定されないが、例えば、ポリエステル
樹脂を100重量部とすると、20重量部以上とするこ
とが好ましい。より好ましくは、30重量部以上であ
り、更に好ましくは、40重量部以上であり、特に好ま
しくは、50重量部以上とすることである。
【0025】本発明において使用するポリエステル樹脂
について説明したが、次いで、上述したポリエステル樹
脂を260〜310℃の樹脂温度で円筒状に押出し、水
冷したサイジング・ダイでパイプ状に冷却・賦型するこ
とについて説明する。本発明では、260〜310℃の
樹脂温度で押出し成形される。より好ましくは260〜
300℃、更に好ましくは260〜290℃である。こ
の樹脂温度と本願規定のメルト・フロー・レートとがあ
いまって、円筒状に押出した溶融樹脂がダイとサイジン
グ・ダイとの間の空間で垂下することなく、形状の安定
したパイプが成形できる。
【0026】上記の押出し成形において使用する製造装
置や上記樹脂温度以外の製造条件としては特に限定され
ず、例えば、水冷したサイジング・ダイの温度として
は、通常では20℃程度であり、5〜90℃の範囲とす
ることが好ましい。サイジング・ダイの長さは、通常で
は20〜80cmである。また、押出機のダイからポリ
エステル樹脂を押出す速度と、サイジング・ダイがポリ
エステル樹脂を引取る速度との比すなわちドローダウン
比が、1:1.1〜1:1.5となるようにすることが
好ましい。これにより、より安定して成形することが可
能となる。
【0027】本発明のポリエステル・パイプの製造方法
は、ポリエステル樹脂を押出した後に一次冷却が施され
たエアギャップを通過させてサイジング・ダイに移送す
る工程を含んでなり、上記エアギャップの滞留時間は、
25秒以下に設定されてなることが好ましい。これによ
り、製造工程の点から、本発明の作用効果をより発揮す
ることが可能となる。すなわち溶融円筒状のポリエステ
ル樹脂を押出機のダイからサイジング・ダイへ変形なし
に移送することにより、形状の安定したパイプが成形で
きることになる。エアギャップの滞留時間が25秒を超
えると、安定して成形できないおそれがある。より好ま
しくは、15秒以下である。
【0028】上記工程において、エアギャップとは、押
出機のダイにおける熱が水冷したサイジング・ダイに伝
わらないようにするために、押出機のダイとサイジング
・ダイとの間に設けられる空間である。本発明では、エ
アギャップの距離は、10〜200mmであることが好
ましい。エアギャップの距離により、ポリエステル樹脂
の移送速度を適宜調整して上記の滞留時間に設定するこ
とになる。
【0029】上記エアギャップに一次冷却を施す方法と
しては特に限定されず、例えば、空気を周囲から均一に
吹きつけるエアリングによる空冷方法、水又は温水を吹
きつける冷却方法等が挙げられる。これらの中でも、エ
アリングによる空冷方法が好ましい。
【0030】本発明では、ポリエステル・パイプの口径
としては特に限定されないが、本発明の作用効果を充分
に発揮することができることから、大口径のパイプの製
造に好適であり、具体的には、口径が100mmΦ以上
のパイプの製造に適用することが好ましい。より好まし
くは、150mmΦ以上、更に好ましくは200mmΦ
以上である。このような大口径のポリエステル・パイプ
の製造方法は、本発明の好ましい実施形態の一つであ
る。
【0031】本発明で得られたパイプは、土中に埋める
パイプが好ましい実施形態である。より具体的には、下
水管、上水管用のパイプである。また、電線や各種ケー
ブルの埋設用パイプとしても有効に利用することができ
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、メルト・フロー・レートの測定方法
は、上述した測定機器及び測定条件で行った。
【0033】実施例1 回収ペットとして、東京ペットボトルリサイクル社製ク
リアフレーク(商品名、メルト・フロー・レート:10
0g/10min)を原料にして、メルト・フロー・レ
ート10g/10minの高分子量化ポリエチレンテレ
フタレート樹脂を作製した。この樹脂を40mmΦの単
軸押出機でシリンダー温度270℃、ダイ温度270℃
で押出し、円筒状溶融物を20℃に水冷した外径55m
mΦのサイジングダイに案内して冷却・賦型した。得ら
れたパイプは、外径55mm、内径50mmの安定した
形状のパイプであった。
【0034】実施例2 東京ペットボトルリサイクル社製クリアフレーク(商品
名、メルトフローレート:100g/10min)9
8.6重量%、日本硝子繊維社製のチョップドストラン
ド1重量%及びピロメリット酸二無水物(PDMA、株
式会社日本触媒社製)0.4重量%を溶融混練して得た
ポリエステル樹脂組成物を用いて、200℃の温度で5
時間、固相重付加反応させ、メルト・フロー・レート5
g/10minの高分子量化ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を実施例1と
同じ条件でパイプ成形した。得られたパイプは、外径5
5mm、内経50mmの安定した形状のパイプであっ
た。
【0035】実施例3 東京ペットボトルリサイクル社製クリアフレーク(商品
名、メルトフローレート:100g/10min)80
重量%、日本硝子繊維社製のチョップドストランド15
重量%及び下水汚泥の焼却飛灰5重量%からなる配合物
からメルト・フロー・レート1g/10minの高分子
量化ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を作製し
た。この樹脂組成物を65mmΦの単軸押出機でシリン
ダー温度270℃、ダイ温度270℃で押出し、円筒状
溶融物を20℃に水冷した外径267mmΦのサイジン
グダイに案内して冷却・賦型した。得られたパイプは、
外径267mm、内径250mmの安定した形状のパイ
プであった。なお、実施例3においても、実施例2と同
様な条件で固相重付加反応を行い、所定のメルトフロー
レートを示す高分子量PET樹脂組成物を作製してい
る。
【0036】実施例4 実施例2のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に、
添加剤としてポリオレフィンであるポリプロピレン(P
P)を1重量%配合したポリエチレンテレフタレート樹
脂組成物を製造し、同様にパイプを成形した。成形性良
好で、良好な外観のパイプを得ることができた。
【0037】実施例5 実施例3の条件にて、ペットフレークを市販の回収品で
はない、バージンのペットフレーク(ただしメルトフロ
ーレートは100g/10min)に替えて同様に外径
267mm、内径250mmのパイプを成形した。形状
の安定したパイプが得られた。
【0038】実施例6 実施例3と同様にして、クリアフレークを着色PETの
粉砕物からなるフレークに替えて、同様に行った。得ら
れたパイプは着色していたが、安定した形状のパイプで
あった。
【0039】比較例1 メルト・フロー・レートが100g/10minである
東京ペットボトルリサイクル社製クリアフレークを実施
例1の条件でパイプ成形した。円筒状溶融物は、押出機
のダイとサイジング・ダイとの間の空間で垂下し、パイ
プは成形できなかった。
【0040】比較例2 押出機のシリンダー温度とダイを320℃に変更した以
外は実施例1と同じ条件でパイプ成形した。円筒状溶融
物は、押出機のダイとサイジング・ダイとの間の空間で
垂下し、パイプは成形できなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明は上述のような構成よりなるの
で、本発明の製造方法により、従来成形が困難であった
ポリエステル・パイプの製造に当たり、特定したポリエ
ステル樹脂を使用することによって形状の安定したポリ
エステル樹脂パイプの押出成形を行うことができる。ま
た、回収ペット等を特定したポリエステル樹脂の原料と
することにより、回収ペットボトル等の有効利用を行う
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間野 昭 東京都港区港南1丁目6番27号 株式会社 荏原製作所品川事務所内 (72)発明者 山口 誠 東京都港区港南1丁目6番27号 株式会社 荏原製作所品川事務所内 (72)発明者 三戸 良嗣 茨城県行方郡玉造町芹沢920番52号 株式 会社池貝ツクバ事業部内 (72)発明者 松下 洲一郎 茨城県行方郡玉造町芹沢920番52号 株式 会社池貝ツクバ事業部内 (72)発明者 大軒 康夫 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 井上 眞一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F207 AA24 AA50 AB25 AG08 KA01 KA17 KF01 KK56 KK76

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルト・フロー・レートが15g/10
    min以下のポリエステル樹脂を260〜310℃の樹
    脂温度で円筒状に押出し、水冷したサイジング・ダイで
    パイプ状に冷却・賦型することを特徴とするポリエステ
    ル・パイプの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル・パイプの製造方法
    は、ポリエステル樹脂を押出した後に一次冷却が施され
    たエアギャップを通過させてサイジング・ダイに移送す
    る工程を含んでなり、該エアギャップの滞留時間は、2
    5秒以下に設定されてなることを特徴とする請求項1記
    載のポリエステル・パイプの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル樹脂が、回収ポリエス
    テルの粉砕物を原料とすることを特徴とする請求項1又
    は2記載のポリエステル・パイプの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003311809A (ja) * 2002-04-26 2003-11-06 Showa Denko Kenzai Kk ポリエステル製パイプ及びその製造方法
JP2004131552A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 中空成形体
JP2019006005A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 株式会社アオイ グライドフレックスチューブ

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