JP3491430B2 - 単結晶製造装置 - Google Patents

単結晶製造装置

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JP3491430B2
JP3491430B2 JP02802296A JP2802296A JP3491430B2 JP 3491430 B2 JP3491430 B2 JP 3491430B2 JP 02802296 A JP02802296 A JP 02802296A JP 2802296 A JP2802296 A JP 2802296A JP 3491430 B2 JP3491430 B2 JP 3491430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華再結晶法によ
る炭化珪素等の単結晶の製造方法及び装置に係わり、特
に欠陥の少ない良質の単結晶を成長させる単結晶製造方
法及びその単結晶製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、炭化珪素単結晶基板は、
高耐圧電力用トランジスタや高耐圧ダイオード等の高耐
圧大電力用半導体装置に用いられる半導体基板として製
造されている。この炭化珪素単結晶基板の製造方法とし
ては、アチソン法、レーリー法、昇華再結晶法(改良レ
ーリー法)等が知られている。このうち半導体基板の製
造方法としては、大面積且つ高品質の炭化珪素単結晶の
結晶成長に有利な昇華再結晶法が主に採用されている。
【0003】この昇華再結晶法は、特公昭63−574
00号公報に開示されており、黒鉛製るつぼ内に配置さ
れた炭化珪素原料粉末を誘導コイルで加熱昇華させ、同
じく黒鉛製るつぼ内の炭化珪素原料粉末の表面と対面す
るように配置された炭化珪素単結晶からなる炭化珪素種
結晶の表面上に炭化珪素単結晶を成長させる方法であ
る。この方法により、得られた炭化珪素単結晶は、半導
体基板に用いるのに適した大面積且つ多形が制御された
基板として供給されている。
【0004】さらに、この炭化珪素単結晶基板上に必要
に応じて、液相エピタキシャル法(LPE)または、気
相エピタキシャル法(CVD)により、導電型もしくは
キャリア濃度が基板とは異なる炭化珪素単結晶層を成長
させ、半導体素子製作用基板が製造される。
【0005】しかし、前述した従来の方法により炭化珪
素単結晶基板を製造すると、マイクロパイプ欠陥と呼ば
れる基板中を貫通する線状の欠陥が多数発生する場合が
ある。このマイクロパイプ欠陥は導電性があり、マイク
ロパイプ欠陥が生じた半導体基板を用いて、例えば、縦
型MOSFETを製造した場合には、ソース・ドレイン
間リークや、ゲート・ドレイン間リークが発生し、素子
動作不良を引き起こすことを実験により確認した。
【0006】このマイクロパイプ欠陥による影響を無く
すための従来技術としては、特開平5−262599号
公報に開示されているように、前記昇華再結晶法を用い
て製造した炭化珪素単結晶基板の結晶面方位を(000
1)面と直交する面、即ち、角度が90°ずれた面を利
用することにより、マイクロパイプ欠陥を原因とする問
題を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した特開平
5−262599号公報に開示されている方法では、結
晶成長が(0001)面に対して直角方向に成長してい
るため、(0001)面を表面とする基板を大量生産す
る製造方法としては不向きである。即ち、製造する半導
体装置が縦型MOSFETであれば、(0001)面を
表面とする基板を用いることが多いため、この従来技術
の利用は好適しない。
【0008】そこで、(0001)面を表面とする基板
を用いて、マイクロパイプ欠陥の発生を防止し、炭化珪
素単結晶基板の大量生産する技術として、本出願人も共
同出願人として提案している特願平7−200610号
に記載されている図6に示すような、製造すべき単結晶
の原料を不活性ガス雰囲気中で加熱昇華させ、単結晶を
成長させる単結晶製造装置において、前記原料を充填
し、加熱により該原料から昇華ガスを生成するるつぼ
と、前記るつぼの上部に載設され、前記原料と対向する
開孔が形成された蓋と、前記るつぼの内側面に着脱可能
で配置され、種結晶を含有する単結晶基板と、前記るつ
ぼから昇華ガスを外部へ排気する排気手段と、を具備
し、前記単結晶基板が前記原料と前記開孔とを結ぶ直線
上位置で、且つ、前記昇華ガスを該開孔を介して、前記
るつぼの外部に排気した際に、該昇華ガスが流れる方向
が該単結晶基板中の種結晶の表面に沿って平行となるよ
うに配置されている単結晶製造装置が提案されている。
【0009】この製造装置により、製造すべき単結晶の
原料を不活性ガス雰囲気中で加熱昇温させ、該単結晶を
成長させる単結晶製造方法において、加熱昇華により前
記原料から生成された昇華ガスが、種結晶を含有する単
結晶基板中の種結晶の表面に沿って平行して流れ、該表
面上に単結晶を成長する単結晶の製造方法を提案してい
る。
【0010】しかしながら、この方法においては、昇華
ガスをるつぼの上部に載設した蓋の開孔を介して、るつ
ぼから昇華ガスを外部に排気しているため、るつぼを覆
う断熱材とるつぼと断熱材を入れる真空容器及び、排気
管の内壁を昇華ガスにより汚染し、昇華ガスが断熱材と
真空容器及び排気管の内壁に再結晶化して付着すること
により断熱材が著しく劣化し、断熱材の交換を頻繁に行
う必要がある。そのため、部品交換のためのメンテナン
ス時間の増大による生産性の低下や製造コストの上昇に
つながる。又、排気管の詰まりや該排気管に接続された
排気弁の損傷を招く恐れがある。
【0011】そこで本発明は、マイクロパイプ欠陥の発
生を防止しつつ、昇華ガスによる単結晶製造装置の内部
の汚染及び、損傷を防ぐ単結晶製造装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、 (1)製造すべき単結晶の原料を不活性ガス雰囲気中で
加熱昇華させ、単結晶を成長させる単結晶製造装置にお
いて、充填した原料を加熱して昇華ガスを生成するるつ
ぼと、原料と対向する開孔が形成され、るつぼの上部の
載設される仕切板と、そのるつぼの内壁面の原料と開孔
とを結ぶ直線上位置で、且つ昇華ガスが開孔を介して、
るつぼの外部に排気した際に、該昇華ガスが流れる方向
が含有する種結晶の表面に沿って平行となるように配置
されている単結晶基板と、前記るつぼおよび仕切板より
も低温を維持し、前記開孔から排気される前記昇華ガス
を再結晶化させる上蓋と、を有する単結晶製造装置を提
供する。
【0013】この構成の単結晶製造装置は、昇華再結晶
法による単結晶成長において、種結晶を含有する単結晶
基板中の種結晶の表面に沿って略平行した昇華ガスの流
れを形成し、結晶基板の表面上に単結晶を成長させる。
【0014】(2)前記(1)の単結晶製造装置におい
て、上蓋はるつぼ及びその内壁及び仕切板の温度よりも
低く温度を維持するための液体若しくはガス状の冷媒に
より冷却する冷却手段を有する。
【0015】この構成により、上蓋は、その内壁面上に
仕切り板の開孔から排気される昇華ガスを再結晶化さ
せ、付着させる。 (3)前記(1)の単結晶製造装置において、上蓋の外
周を含まないるつぼの外周にのみ、ヒーターを設ける。
【0016】この構成により、上蓋の放熱効果を上げ、
るつぼ及びその内壁及び仕切板の温度よりも低く温度を
維持することができる。 (4)前記(1)の単結晶製造装置において、上蓋は、
仕切板の上部に薄肉支点(支持)によって載設する。
【0017】この構成により、るつぼから上蓋への熱の
伝導を低減する。 (5)前記(1)の単結晶製造装置において、上蓋の薄
肉支点(支持)部に断熱材を設ける。
【0018】この構成により、るつぼから上蓋への熱の
伝導を低減する。 (6)前記(1)の単結晶製造装置において、上蓋の内
径が、仕切板に設けてある開孔を含む円の直径よりも大
きい。
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1には、本発明による第1
実施形態としての炭化珪素単結晶を製造する単結晶製造
装置の構成断面図を示す。
【0021】この単結晶製造装置は、底部に炭化珪素原
料粉末2が充填される黒鉛製るつぼ1と、黒鉛製るつぼ
1の上部に載設され、開孔6が形成される黒鉛製仕切板
5と、黒鉛製るつぼ1の内部の壁面に種結晶となる炭化
珪素単結晶基板(単結晶全体を種結晶で構成している)
3と、黒鉛製仕切板5の上部に載設され、炭化珪素原料
粉末から生成され開孔6を介して抜け出た昇華ガスを再
結晶化させる黒鉛製上蓋15と、黒鉛製るつぼ1を誘導
加熱するための誘導コイル8と、黒鉛製るつぼ1を覆い
外部と熱遮蔽するための断熱材7と、黒鉛製るつぼ1の
底部を覆う断熱材7に形成された温度測定用穴9と、こ
れら全部の部材を収納する真空容器10と、真空容器1
0に設けられた排気管11に接続し開度により排気され
る量を調整するための排気弁12と、排気弁12を通し
て取り付けられた真空ポンプ13と、真空容器10に所
定の不活性ガス、例えばアルゴンガスを導入するための
不活性ガス導入管14とで構成される。不活性ガスは、
図示されないマスフローコントローラ等に制御されて、
所望する量が導入されるものとする。
【0022】前記黒鉛製上蓋15は、加熱されないよう
に誘導コイル8の最上端部よりも上になるように載設
し、さらに断熱材7で覆わないようにして、放熱による
冷却効果を高めている。
【0023】前記黒鉛製上蓋15は、図2に示すように
黒鉛製仕切板5との接触部を少なくした薄肉支点(支
持)を形成して、前記黒鉛製仕切板5の上部に載設され
ており、黒鉛製るつぼ1および前記黒鉛製仕切板5から
の熱を伝わりにくいようにしてある。
【0024】また図3に示すように、前記黒鉛製上蓋1
5の薄肉支点(支持)部と前記黒鉛製仕切板5の接触部
に断熱材16を設置することにより、前記黒鉛製るつぼ
1および前記黒鉛製仕切板5からの熱を遮断している。
【0025】このような前記黒鉛製上蓋15の大きさ
は、内径が前記黒鉛製仕切板5に設けてある開孔6の位
置よりも大きく、黒鉛製上蓋の内部上面と黒鉛製仕切板
との距離をある程度離してできる空間が必要である。
【0026】例えば、黒鉛製上蓋の内部上面と黒鉛製仕
切板との距離が5mm以下では前記黒鉛製仕切板の開孔
6から抜け出た昇華ガスが再結晶化して付着し、前記開
孔6を塞いでしまうので、本実施形態では、10mm以
上の空間を確保した。
【0027】前記黒鉛製仕切板5は、開孔6が炭化珪素
単結晶基板3の取付け位置の直上となるように周辺部
(黒鉛製るつぼ1の内壁面側)に複数構成されている。
この開孔6は、炭化珪素単結晶基板3の表面に沿って、
昇華ガスが流れるように設けられていればよく、図示す
るように黒鉛製仕切板5の周辺部に設けなければならな
い制限はない。
【0028】つまり、炭化珪素単結晶基板3の取付け位
置と、開孔6の位置の関係は、後述する昇華ガスを開孔
6を介して黒鉛製るつぼ1内から黒鉛製上蓋15へ温度
差を駆動力として移動する際に生じる流れAの方向(図
1)が炭化珪素単結晶基板3の表面で略平行となるよう
に配置される。
【0029】このように構成された炭化珪素単結晶製造
装置による炭化珪素単結晶基板の製造方法について説明
する。まず、黒鉛製るつぼ1に炭化珪素原料粉末2を1
00g充填した後、炭化珪素単結晶基板3を取り付け、
黒鉛製るつぼ1上部に黒鉛製仕切板5載設し固定する。
さらに黒鉛製仕切板5上部に黒鉛製上蓋15を載設し固
定する。本実施形態では、この炭化珪素原料粉末2は、
研磨材として市販されている平均直径500μmのもの
を予め1800〜2000℃、真空中で熱処理して用い
た。また、種結晶となる炭化珪素単結晶基板3は、アチ
ソン炉による炭化珪素研磨材作製工程で偶発的に得られ
た炭化珪素単結晶を成形、研磨して作製し、結晶成長開
始前に酸洗浄して黒鉛製るつぼ1に取り付けている。
【0030】 次に真空ポンプ13を動作させて、真
空容器10を排気管11と排気弁12を通して、真空度
1.3×10 −1 〜1.3×10 −2 Paまで排気す
る。次に、誘導コイル8に高周波電源より電力を導入し
て黒鉛製るつぼ1に誘導加熱を行う。炭化珪素原料粉末
2の温度は、黒鉛製るつぼ1の温度と相対しているもの
とし、温度測定用穴9を通して、黒鉛製るつぼ1の底部
を光放射温度計により測定する。
【0031】 そして、1300℃まで温度を上昇させ
た後、黒鉛製るつぼ1内の真空度が約66.5kPa
なるように、不活性ガス導入管14よりアルゴンガスを
導入する。その後、再び温度を上昇させて、炭化珪素原
料粉末2の温度を2300〜2350℃にする。この時
の炭化珪素単結晶基板3の温度は、黒鉛製るつぼ1と誘
導コイル8の相対的な位置関係により、50〜150℃
だけ炭化珪素原料粉末2の温度より低く設定している。
炭化珪素原料粉末2と炭化珪素単結晶基板3の温度が安
定した後、真空ポンプ13により真空容器10を減圧す
る。この減圧とともに炭化珪素原料粉末2からの昇華が
始まり、昇華ガスを発生して、結晶成長が開始される。
【0032】 さらに黒鉛製るつぼ1内の真空度を約6
6.5Pa〜1.3kPaまで減圧して成長圧力とす
る。結晶成長中は、真空容器10内にアルゴンガスを1
5(リットル/分)流し、排気弁12の開度を調整しな
がら真空ンプ13により、真空度を制御する。
【0033】従って、炭化珪素原料粉末2から昇華した
昇華ガスは、炭化珪素単結晶基板3との温度差及び黒鉛
製仕切板5の開孔6からの抜けを駆動力として、炭化珪
素単結晶基板3の表面上で流れ(図1に示すA)を作
り、結晶成長が進行する。
【0034】但し、開孔6からの昇華ガスの抜けは低温
部である黒鉛製上蓋15に炭化珪素多結晶が付着するこ
とを駆動力として起こる。所望する成長膜厚にも異なる
が、例えば、5時間成長させた後、アルゴンガスで真空
容器10をパージするとともに、誘導コイルに導入した
高周波電力を遮断し、黒鉛製るつぼ1の温度を下げて成
長終了とする。
【0035】このような成長においては、炭化珪素原料
粉末2のうち、33gが昇華して、その内3gが黒鉛製
るつぼ1から外部に排気され、炭化珪素単結晶基板3上
には、厚さ2mmの炭化珪素単結晶インゴット4が得ら
れた。
【0036】そして、得られた結晶をスライス及び研磨
し、500℃の溶融KOH中で10分間エッチングし
て、エッチピット観察したところ、マイクロパイプの存
在を示す六角形状の大エッチピットは観察されなかっ
た。
【0037】以上のように本実施形態は、マイクロパイ
プ欠陥の存在しない炭化珪素単結晶を炭化珪素単結晶基
板の面方位に関わらずに製造することができる。このよ
うにマイクロパイプ欠陥が存在しない炭化珪素単結晶を
炭化珪素単結晶基板の面方位に関わらずに製造できる理
由については、前述した特願平7−200610号に記
載されている様に、昇華ガスの流れにより成長モードが
変化してらせん成長が起こらないためと考えている。
【0038】本発明の製造装置では、図1に示すよう
に、昇華ガスが黒鉛製るつぼの上部に載設された黒鉛製
上蓋へ抜けることのできる開孔を黒鉛製仕切板に形成し
た密閉型るつぼ構造とし、炭化珪素単結晶基板(炭化珪
素種結晶)を原料と開孔の間で、且つ、原料と開孔を結
ぶほぼ直線上に取り付けることを特徴としており、炭化
珪素単結晶基板上を昇華ガスが流れる構造、配置となっ
ている。
【0039】一方、従来技術では図6に示すようにるつ
ぼは開放型構造であり、原料粉末から炭化珪素単結晶基
板への流れは、黒鉛製るつぼの外側への排気によるもの
であり、炭化珪素単結晶基板上での昇華ガスの流れは、
本発明による昇華ガスとの流れと同じである。
【0040】前記炭化珪素単結晶基板の面方位が(00
01)面の場合に起きるらせん成長は、密閉構造のるつ
ぼでの現象であるが、密閉構造のるつぼ内の仕切板に開
孔を設けて昇華ガスの流れを従来技術と同じにした場合
には、らせん成長になっているか否かは明確になってい
ない。
【0041】本発明では、面方位が(0001)面を表
面に持ち、らせん転位による表面ステップが存在する炭
化珪素単結晶基板を用いた結晶成長であるにもかかわら
ず、マイクロパイプ欠陥が存在しない炭化珪素単結晶基
板が得られることを新たに見出した。この結果、密閉構
造のるつぼの仕切板に開孔を形成し、昇華ガスの流れに
変化のある場合には、成長モードが変化してらせん成長
に伴うマイクロパイプ欠陥の発生は無いものと予想され
る。
【0042】炭化珪素単結晶基板を原料と開孔の間で、
且つ、原料と開孔とを結ぶほぼ直線上に取り付けること
により、昇華ガスの流れの効果が炭化珪素単結晶基板上
で大きくなるようにした。
【0043】また、炭化珪素単結晶基板の露出面が前記
原料と開孔とを結ぶ直線にほぼ平行であることにより、
昇華ガスの流れの方向と炭化珪素単結晶基板表面の方向
がほぼ平行になり成長モードの変化が著しい。従来技術
のように、原料に対して、炭化珪素単結晶基板表面を対
向させる場合と比べるとマイクロパイプ欠陥の低減効果
が大きい。
【0044】次に図4には、第2実施形態としての単結
晶製造装置の概略的な構成を示し説明する。ここで、図
4に示す炭化珪素の単結晶を製造する単結晶製造装置
は、前述した図1に示した単結晶製造装置を改良したも
のであり、構成が略同等であり、特徴部分のみについて
説明する。
【0045】 本実施形態は、図4に示すように、黒鉛
製るつぼ1内の炭化珪素原料粉末2と種結晶である炭化
珪素単結晶基板3との間に昇華ガスのガス整流部17を
配置している。このガス整流部17は、黒鉛からなる、
例えばドーナツ形状に形成され炭化珪素単結晶基板3上
の昇華ガスの流れを整流する。また、上蓋の再結晶化し
て付着したものが剥がれにくくなるように、サンドブラ
スト処理等を施して、上蓋の表面を粗くし、上蓋のメン
ンス時期を長めにすることもできる。
【0046】また結晶成長においては、前述した第1実
施形態と同様に行い、本実施形態においても、マイクロ
パイプ欠陥の存在しない炭化珪素単結晶が得られた。次
に、図5には本発明による第3の実施形態の構成例を示
し説明する。
【0047】本実施形態は、前述した第1,第2の実施
形態と異なり、るつぼ内の不要な昇華ガスを排気するこ
とにより、負圧を作り出し、昇華ガスの流れを形成しつ
つ、再結晶した昇華ガスをトラップするものである。
【0048】 この単結晶製造装置は、前述した図1に
示した構成と略同等であるが、上蓋の構成が異なってい
る。この上蓋15には、管内にアルゴン(Ar〉や冷媒
を流して該上蓋を冷却するための冷媒用配管20と、黒
鉛製るつぼ1内から昇華ガスを外部に排気するための排
気管21が設けられる。この排気管21は、フィルタ2
2に接続され、さらにフィルタ22から排気管2で排
気弁12に接続される。
【0049】この様な構成により、黒鉛製るつぼ1から
昇華ガスを排気して、負圧を作り出し、炭化珪素単結晶
基板3の表面と平行する昇華ガスの流れを作り、結晶成
長させる。
【0050】また、前記上蓋の内壁にトラップできなか
った再結晶化されたものは、フィルタ22にて除去す
る。このフィルタ22は、定期的に交換することによ
り、十分な排気が行われるように維持する。また排気管
21内に再結晶化した昇華ガスが付着しにくいようにリ
ボンヒータ等を巻き付けてある程度の温度に加熱しても
よい。
【0051】この第3の実施形態によれば、前述した第
1の実施形態と同等の効果が得られる。さらに、排気に
より負圧を容易に作り出すことができるため、炭化珪素
単結晶基板3の表面により多く流量の昇華ガスを当てつ
けることができ、成長を早めることができる。
【0052】また本発明は、前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、他にも発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変形や応用が可能であることは勿論である。例
えば、黒鉛製るつぼの上部に載設する黒鉛製上蓋の位置
は、誘導コイルによる誘導加熱を受けない位置に配置し
て黒鉛製るつぼより低温に保てばよい。
【0053】また、黒鉛製上蓋の外壁側に放熱効果を高
めるためのヒートシンクのようなフィンを設けても良
い。さらに、黒鉛製上蓋の上部に、液体若しくはガス状
等の冷媒を導入して強制的に黒鉛製上蓋を冷却する冷却
手段を設けて、黒鉛製上蓋に再結晶化しやすくしても良
い。
【0054】以上のように本発明の単結晶製造装置にお
いては、るつぼが密閉構造となるように黒鉛製るつぼの
上部に載設した黒鉛製上蓋が黒鉛製るつぼより低温にな
るようにすればよく、誘導コイルによる誘導加熱方式以
外でも、黒鉛等を用いたヒータによる抵抗加熱方式で
も、実施形態のように昇華ガスの流れを生じる形態であ
ればよい。本発明で製造できる単結晶は、炭化珪素単結
晶の他、原料を昇華させて種結晶上に単結晶を成長させ
ることができるものであれば適用でき、例えば、Cd
S、CdSe、ZnS、ZnSe、CdTe等がある。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による単結晶
製造装置は、昇華再結晶法による炭化珪素等の単結晶成
長において、密閉構造のるつぼ内で原料からの昇華ガス
を単結晶基板中の種結晶の表面と略平行に流れるように
することにより、昇華ガスの排気によりるつぼを覆う断
熱材を劣化させずに、また、真空容器及び排気管の内壁
を汚染することなく、単結晶基板中の面方位に関わら
ず、マイクロパイプ欠陥の存在しない単結晶を製造する
ことができる。よって本発明によれば、マイクロパイプ
欠陥の発生を防止しつつ、炭化珪素単結晶基板の大量製
造にも好適する単結晶製造装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態としての単結晶製
造装置の構成断面図である。
【図2】第1実施形態としての黒鉛製るつぼの構成断面
図である
【図3】第1実施形態としての黒鉛製るつぼの構成断面
図である
【図4】本発明による第2の実施形態としての単結晶製
造装置の構成断面図である。
【図5】本発明による第3の実施形態としての単結晶製
造装置の構成断面図である。
【図6】従来技術の単結晶製造装置に用いる黒鉛製るつ
ぼの構成断面図である。
【符号の説明】
1…黒鉛製るつぼ 2…炭化珪素原料粉末 3…炭化珪素単結晶基板(種結晶) 4…炭化珪素単結晶インゴット 5…黒鉛製仕切板 6…開孔 7…断熱材 8…誘導コイル 9…温度測定用穴 10…真空容器 11…排気管 12…排気弁 13…真空ポンプ 14…不活性ガス導入管 15…黒鉛製上蓋 16…断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木藤 泰男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−66000(JP,A) 特開 平5−262599(JP,A) 特開 平8−325099(JP,A) 特開 平9−48688(JP,A) 実開 昭63−2776(JP,U) 特公 昭63−57400(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 WPI(DIALOG) JSTPlus(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造すべき単結晶の原料を不活性ガス雰
    囲気中で加熱昇華させ、単結晶を成長させる単結晶製造
    装置において、 前記原料を充填し、加熱により該原料から昇華ガスを生
    成するるつぼと、 前記るつぼの上部に載設され、前記原料と対向する開孔
    が形成された仕切板と、 前記るつぼの内側面に配置され、種結晶を含有する単結
    晶基板と、 前記仕切板の上部に載設され、前記るつぼおよび仕切板
    よりも低温を維持し、 前記るつぼからの昇華ガスを再結晶化させて昇華ガスを
    トラップする上蓋とを具備し、 前記単結晶基板が、前記開孔とを結ぶ直線上位置で且
    つ、前記昇華ガスを該開孔を介して、前記上蓋内に排気
    し、前記上蓋に昇華ガスを再結晶化させる際に、 該昇華ガスを流れる方向が該単結晶基板中の種結晶の表
    面に沿って略平行となるように配置されていることを特
    徴とする単結晶製造装置。
  2. 【請求項2】 前記上蓋は、前記るつぼ及び仕切板の温
    度よりも低く温度を維持するために、液体若しくはガス
    状の冷媒により冷却する冷却手段を具備することを特徴
    とする、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 【請求項3】 前記上蓋の外周を含まない前記るつぼの
    外周にのみ、ヒーターが設けられていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 前記上蓋は、前記仕切板の上部に薄肉支
    点(支持)によって載設され、前記るつぼ側からの熱の
    伝達を低減させることを特徴とする、請求項1に記載の
    単結晶製造装置。
  5. 【請求項5】 前記上蓋の薄肉支点(支持)部に断熱材
    が設けてあることを特徴とする、請求項1に記載の単結
    晶製造装置。
  6. 【請求項6】 前記上蓋の内径が、前記仕切板に設けて
    ある開孔を含む円の直径よりも大きいことを特徴とす
    る、請求項1に記載の単結晶製造装置。
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