JP3485705B2 - プロセスチーズ様食品及びその製造法 - Google Patents
プロセスチーズ様食品及びその製造法Info
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Description
に、風味の良好なプロセスチーズ様食品及び/又はチー
ズスプレッド様食品を製造する方法、及び該方法によっ
て製造してなる食品自体に関する。
チーズ様食品類(イミテーションプロセスチーズ類)の
製造において、蛋白質の供給源としては、ナトリウムカ
ゼイネート、カルシウムカゼイネート等の各種カゼイネ
ート、酸カゼイン、レンネットカゼイン等の各種カゼイ
ン、及び大豆蛋白質等が利用されている。これらプロセ
スチーズ様食品は、低価格、植物油脂と組み合わせるこ
とによるコレステロール低減、などがメリットとされて
実際に市販されている。
ゼインを利用した場合にはgluey flavour
が、大豆蛋白質を使用した場合には大豆臭がするため、
チーズフレーバー等のフレーバーで矯臭しているもの
の、オフ・フレーバーが隠しきれず需要が限定されてい
るのが現状である。さらにテクスチュア的には通常のチ
ーズのように蛋白質が乳酸菌等に由来する酵素で分解さ
れていないため、硬いテクスチュアとなっている。
に、プロセスチーズ様食品(イミテーションプロセスチ
ーズ)に対する需要が、特に低価格性や低コレステロー
ル性の面から、増大している現状に鑑みてなされたもの
であって、本発明は、ナトリウムカゼイネート、カルシ
ウムカゼイネート等の各種カゼイネート、酸カゼイン、
レンネットカゼイン等の各種カゼインを使用して調製し
た場合のgluey flavour等、オフ・フレー
バーの無い風味・組織の良好なプロセスチーズ様食品
(イミテーションプロセスチーズ)を提供することを目
的とする。
成するためになされたものであって、各方面から検討の
結果、各種カゼイネート、各種カゼインのgluey
flavourは、それらを調製する際のpHの変化に
伴って発現し、さらに、保存することによって増幅され
る点に着目した。
ートやカゼインを使用する場合には、一旦水溶液にした
後、活性炭カラム等で脱臭処理すれば、使用することが
一応可能である。しかしながら、チーズのように高蛋白
質の場合は半固体状であるため、脱臭処理をすることが
できない。
発達してきた限外濾過技術(UF技術)を利用して、脱
脂粉乳の製造工程にUF処理を組み込むことによって乳
糖含量が少なく、pH移動処理もない乳蛋白質高含有粉
末が生産可能となった点に着目し、このようにして調製
した乳蛋白質高含有粉末を蛋白質原料として使用したと
ころ、オフ・フレーバーのないすぐれたプロセスチーズ
様食品が調製できることをはじめて発見した。したがっ
て、本発明によってプロセスチーズ様食品を調製するた
めに使用する乳蛋白質高含有粉末の調製には、工程中の
pHの調整は極力抑えることが必要である。それにもか
かわらず、工程中でpHを1.0以上変化させた場合に
は、gluey flavourが明確に認められた。
乳、脱脂乳)を直接噴霧乾燥して得た全脂粉乳、脱脂粉
乳を使用しても、良好なプロセスチーズ様食品は得られ
ない。その原因追究の結果、直接噴霧乾燥の場合は、蛋
白質に対して乳糖が多すぎ、チーズには異質な甘味が付
与され、また、テクスチュアがペースティになること等
から、良好なプロセスチーズ様食品が得られないとの知
見を得た。
に検討の結果、UF濃縮を工程に組み込んで製造した、
乳糖含量が少なく、蛋白質含量が多い粉乳がプロセスチ
ーズ様食品の主原料として好適であるとの結論に達し、
更に鋭意研究を行い、本発明の完成に至ったものであ
る。
白質高含有粉末を主原料として、チーズ様食品(プロセ
スチーズ様又はチーズスプレッド様食品等)を製造する
点を基本的技術思想とするものである。
質含量の高い乳蛋白質高含有粉末であれば、すべてのも
のが使用できるが、乳糖含量は25%以下、好ましくは
10%以下、乳蛋白質含量は60%以上、好ましくは7
0%以上のものが良く、また、製造工程中においてpH
の調整を極力抑えたものが良く、酸やアルカリによって
pHを1.0以上変化させることなく製造したものが特
に好適である。
をUF濃縮を含む工程で濃縮し、最終的に噴霧乾燥する
ことにより製造することができ、例えば、下記表1に示
す工程によって製造することができる。また、市販品も
使用することができる。
うな乳蛋白質高含有粉末を単に使用しただけでは所期の
目的を達成することはできない。乳蛋白質高含有粉末中
の蛋白質は、チーズ中の蛋白質とは異なり、酵素によっ
て分解されていないため、溶融塩等の配合や工程を工夫
しても硬いテクスチュアになってしまうからである。そ
こで本発明においては、溶融塩と乳化剤とを併用するこ
とにより、この点を解決することに成功し、容易に軟ら
かい食感を有し、良好なテクスチュアを得るのにはじめ
て成功した。
加量に特に制限はないが、プロセスチーズ製造の常法に
従えば添加量は製品中の蛋白質100に対して4〜18
が目安であり、種類はモノリン酸塩、ジリン酸塩、ポリ
リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等のうち単独又は組み
合わせて用いられる。
作用を有する蛋白質以外の乳化剤、具体的にはレシチ
ン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、等を指す。レシチンとしては大豆レシチ
ン等通常の市販のレシチン、分別レシチン(ホスファチ
ジルイノシトール(PI)、ホスファチジルエタノール
アミン(PE)、ホスファチジルコリン(PC)の量比
を通常のレシチンとは変えたレシチン(例:PC高含量
レシチン))、種々の改質レシチン、卵黄レシチン等
が、適宜、単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
改質レシチンは通常の大豆レシチン等を化学的処理また
は酵素的処理により改質してO/W型乳化性を強めたも
のであって、好ましくは、水素添加レシチン、部分加水
分解レシチン、アセチル化レシチン及びヒドロキシル化
レシチンの1種又は2種以上が使用される。グリセリン
脂肪酸エステルとしては、モノグリセリド、ジグリセリ
ド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセ
リド等がある。
た通常のプロセスチーズは、乳酸菌の酵素等による蛋白
質、脂肪の分解によって生成する呈味成分、芳香成分を
有しており、そのバランスがおいしさになっている。一
方、当発明の主原料(乳蛋白質高含有粉、動植物脂)に
はこれらの呈味成分、芳香成分が不足なため、フレーバ
ー、調味料等で風味付けするのが好ましい。風味付けの
方法として、原料の一部にナチュラルチーズ、及び又は
通常のプロセスチーズを使用しても良い。本発明の本質
は、各種安定剤やゲル化剤の併用、風味付けのための香
辛料等各種食品の添加によって影響を受けるものでは無
く、目的とする製品の風味、テクスチュアの調整のた
め、それらを併用することも可能である。
しチーズスプレッド様食品といった各種チーズ様食品を
製造するには、上記した原料を使用する以外は常法によ
って行えばよく、原料を加熱溶融し、乳化すればよい。
乳化する装置としては、ケトル型チーズ乳化釜、横型ク
ッカー、高速せん断乳化釜、及び連続式熱交換機(ショ
ックステリライザー、コンビネーターなど)などいずれ
も使用できる。また、溶融装置とホモゲナイザー、イン
ラインミキサー、コロイドミルなどの乳化機を組み合わ
せることもできる。以下、本発明の実施例について述べ
る。
程中のpH調整をせず、最終的に噴霧乾燥した乳蛋白質
高含有粉(蛋白質含有量82%、乳糖含有量3%)1
3.5kg、融点32℃の大豆硬化油13.5kg、溶
融塩としてヘキサメタリン酸ナトリウム0.5kg、ト
リポリリン酸ナトリウム0.5kg、大豆レシチン0.
2kg、チーズフレーバー0.05kg、食塩0.6k
g、グルタミン酸ナトリウム0.05kg、溶融後製品
水分が46%になるよう添加水をケトル型チーズ乳化釜
に入れ、150rpmで84℃まで加熱溶融し、スライ
スチーズの形状に充填した。冷却後の製品はオフ・フレ
ーバーのない良好な風味であり、適度な軟らかさで食感
も良好であった。
g、融点32℃の大豆硬化油10kg、チェダーチーズ
10kg、溶融塩としてクエン酸ナトリウム0.5k
g、ピロリン酸ナトリウム0.5kg、デカグリセリン
モノスチアレート0.2kg、チーズフレーバー0.0
3kg、食塩0.4kg、グルタミン酸ナトリウム0.
02kg、溶融後製品水分が46%になるよう添加水を
高速せん断乳化釜に入れ、600rpmで88℃まで加
熱溶融し、200gのブロック形状に充填した。冷却後
の製品はオフ・フレーバーのない良好な風味であり、適
度な軟らかさで食感も良好であった。
g、融点32℃のナタネ硬化油14kg、溶融塩として
リン酸水素二ナトリウム0.5kg、ヘキサメタリン酸
ナトリウム0.3kg、ピロリン酸ナトリウム0.2k
g、乳化剤として酵素分解レシチン0.15kg、乳酸
0.1kg、チーズフレーバー0.08kg、食塩0.
5kg、グルタミン酸ナトリウム0.04kg及び溶融
後製品水分が45%になるよう添加水をケルト型チーズ
乳化釜に入れ、100rpmで90℃まで加熱溶融し、
20gのポーションの形状に充填した。冷却後の製品は
オフ・フレーバーのない良好な風味であり、適度な軟ら
かさで食感も良好であった。
g、融点32℃のナタネ硬化油5kg、溶融塩としてリ
ン酸水素二ナトリウム0.5kg、メタリン酸ナトリウ
ム0.5kg、乳化剤としてデカグリセリンモノパルミ
チン酸エステル0.2kg、乳酸0.1kg、チーズフ
レーバー0.1kg、食塩0.5kg、グルタミン酸ナ
トリウム0.05kg及び溶融後水分が50%になるよ
う添加水をケルト型チーズ乳化釜に入れ、150rpm
で90℃まで加熱溶融し、スライスチーズの形状に充填
した。冷却後の低脂肪製品はオフ・フレーバーのない良
好な風味であり、食感も良好であった。
おいて、蛋白質主原料として、脱脂乳をUF濃縮を含む
工程で濃縮し、最終的に噴霧乾燥した乳蛋白質高含有粉
を使用し、溶融塩と乳化剤を併用することにより、風
味、食感とも良好な製品の生産が可能となる。
食感のすぐれたイミテーションチーズ類を安価に製造す
ることが可能となる。また、スライス、スティック、ブ
ロック等各種の形状、大きさに成形することももちろん
可能である。
Claims (5)
- 【請求項1】 脱脂乳を、限外濾過濃縮(UF濃縮)を
含む工程で濃縮し、最終的に噴霧乾燥してなる、乳糖含
量の少ない乳蛋白質高含有粉末を使用し、動物油脂及び
/又は植物油脂、溶融塩、乳化剤を添加し、加熱溶融す
ること、を特徴とするチーズ様食品の製造法。 - 【請求項2】 乳蛋白質含量が60%以上、乳糖含量が
25%以下の乳蛋白質高含有粉末を使用すること、を特
徴とする請求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】 製造工程において、酸及び/又はアルカ
リによってpHを1.0以上変化させることなく製造し
てなる乳蛋白質高含有粉末を使用すること、を特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の製造法。 - 【請求項4】 チーズ様食品がプロセスチーズ様食品又
はチーズスプレッド様食品であること、を特徴とする請
求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製造法。 - 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
載の製造法によって製造してなるチーズ様食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35081195A JP3485705B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | プロセスチーズ様食品及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35081195A JP3485705B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | プロセスチーズ様食品及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09172964A JPH09172964A (ja) | 1997-07-08 |
JP3485705B2 true JP3485705B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=18413041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35081195A Expired - Lifetime JP3485705B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | プロセスチーズ様食品及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (6)
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WO2019234957A1 (ja) * | 2018-06-04 | 2019-12-12 | 森永乳業株式会社 | チーズ様食品、その製造方法 |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP35081195A patent/JP3485705B2/ja not_active Expired - Lifetime
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