JP3485155B2 - 多気筒内燃機関における慣性過給式吸気マニホールドの構造 - Google Patents

多気筒内燃機関における慣性過給式吸気マニホールドの構造

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、四気筒等のような
多気筒内燃機関において、その各気筒の各々に独立して
接続したブランチパイプを、エアクリーナの下流におけ
る一つのサージタンクに対して接続することにより、慣
性効果を利用して吸気の過給を図るようにした吸気マニ
ホールドの構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、多気筒内燃機関に対するこの種
の慣性過給式吸気マニホールドにおいては、一つのサー
ジタンクから各気筒への吸気ポートに至る各ブランチパ
イプの長さを可成り長くすることによって、慣性効果に
よる吸気の過給を得ることができるようにしたものであ
るから、前記各気筒に対するブランチパイプは、可成り
長いものにした上で、各気筒に対する慣性過給のバラ付
きを小さくすることのために、各気筒の各々について略
同じ長さに揃えるように構成しなければならない。 【0003】そこで、従来は、例えば、特開昭63−1
8178号公報及び特開平4−76263号公報等に記
載されているように、一端を内燃機関におけるシリンダ
ヘッドの長手側面に接続した各ブランチパイプの各々
を、互いに略同じ長さにして、内燃機関における長手方
向の側面に沿って延びように湾曲したのち、その先端
を、内燃機関の側方に配設したサージタンクに接続し、
このサージタンクへの吸気入口に、スロットル弁を備え
たスロットルボデーを取付けるように構成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記各ブラン
チパイプを長い長さにした上で、この各ブランチパイプ
を、内燃機関における長手方向の側面に沿って延びるよ
うに構成することは、この各ブランチパイプの他端を接
続したサージタンクが、前記各ブランチパイプにおける
シリンダヘッドの長手側面への接続部から大きく離れる
ことにより、吸気マニホールドの全長が、各ブランチパ
イプの長さが長い分だけ長くなるから、この吸気マニホ
ールドを含む内燃機関全体の大きさが可成り大きくなと
言う問題がある。 【0005】しかも、重いスロットルボデーを備えたサ
ージタンクが、前記したように、各ブランチパイプにお
けるシリンダヘッドの長手側面への接続部から大きく離
れることにより、このスロットルボデー付きサージタン
クを内燃機関に対して支持する場合に、大きくて頑丈な
ブラケットを必要とするから、重量の増大及びコストの
アップを招来すると言う問題もあった。 【0006】本発明は、これらの問題を解消した慣性過
給式吸気マニホールドの構造を提供することを技術的課
題とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明の請求項1は、「スロットルボデーが取付
く吸気入口管を備えたサージタンクと、このサージタン
クから内燃機関における各気筒に向かって独立して延び
てその一端を内燃機関におけるシリンダヘッドの長手側
面に接続した複数本のブランチパイプとから成る吸気マ
ニホールドにおいて、前記サージタンクを、前記シリン
ダヘッドの長手側面に近接した部位に配設して、その下
面に当該サージタンクに対する前記各ブランチパイプの
各々の接続部を設ける一方、前記各ブランチパイプを、
クランク軸の軸線方向から見て、シリンダヘッドの長手
側面から前記サージタンクの上側を通って横向きに延ば
したのち前記サージタンクの外側で下向きに湾曲し更に
前記サージタンクの下側で上向きに湾曲して、前記サー
ジタンクの下面における各接続部に接続し、し、更に、
前記サージタンクの下面における各接続部を、前記シリ
ンダヘッドの長手側面のうちクランク軸の軸線方向の略
中央部分に、平面視で多角形の配列にして設けて、この
各接続部のうち内燃機関に近い側の接続部に、前記各ブ
ランチパイプのうち中央に位置する気筒からのブランチ
パイプを、前記各接続部のうち内燃機関から遠い側の接
続部に、前記各ブランチパイプのうち外側に位置する気
筒からのブランチパイプを各々接続する。」と言う構成
にした。 【0008】 【0009】 【発明の作用・効果】前記請求項1のように構成するこ
とにより、サージタンクを、シリンダヘッドの長手側面
に近接した部位に位置した状態のもとで、各気筒に対す
る長さの長い各ブランチパイプを、前記サージタンクの
外側を略取り囲むように配設することができるから、吸
気マニホールドを、従来よりも大幅にコンパクト化する
ことができて、この吸気マニホールドを含む内燃機関全
体をより小型化できるのであり、しかも、重いスロット
ルボデーが取付く前記サージタンクは、シリンダヘッド
の長手側面に近接した部位に位置していることにより、
このサージタンクをシリンダヘッド等の内燃機関に対し
て支持する場合に、そのブラケットを小さくて、極く簡
単で、軽量な構造のもので良いことになるから、重量の
増大及びコストのアップを確実に防止できる効果を有す
る。 【0010】これに加えて、本発明は、前記サージタン
クの下面における各接続部を、前記シリンダヘッドの長
手側面のうちクランク軸の軸線方向の略中央部分に、平
面視で多角形の配列にして設けて、この各接続部のうち
内燃機関に近い側の接続部に、前記各ブランチパイプの
うち中央に位置する気筒からのブランチパイプを、前記
各接続部のうち内燃機関から遠い側の接続部に、前記各
ブランチパイプのうち外側に位置する気筒からのブラン
チパイプを各々接続するというように構成することによ
り、サージタンクにおけるクランク軸の軸線方向に沿っ
た長さ寸法を短くすることができると共に、以下の実施
形態の項において詳しく述べるように、各ブランチパイ
プの長さを各ブランチパイプについて略等しくした状態
のものとで、シリンダヘッドの長手側面からの突出寸法
が増大することを回避できるから、吸気マニホールドに
更なるコンパクト化と、軽量化とを達成できるのであ
る。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、四
気筒内燃機関に適用した場合の図面について説明する。
この図において符号1は、四つの気筒A1,A2,A
3,A4をクランク軸の軸線方向1aに沿って直列に並
べた四気筒内燃機関を示す、この内燃機関1におけるシ
リンダヘッド2の長手側面3には、前記各気筒A1,A
2,A3,A4への吸気ポート4,5,6,7が開口し
ている。 【0012】符号8は、前記内燃機関1に対する吸気マ
ニホールドを示し、この吸気マニホールド8は、金属板
製のサージタンク9と、長い長さの四本の金属製ブラン
チパイプ10,11,12,13とから成り、前記各ブ
ランチパイプ10,11,12,13の一端には、一つ
の共通フランジ14が固着され、このフランジ14は、
前記シリンダヘッド2の長手側面3に対して、当該各ブ
ランチパイプ10,11,12,13が前記各気筒A
1,A2,A3,A4への吸気ポート4,5,6,7に
連通するように複数本のボルト15にて接続されてい
る。 【0013】そして、前記吸気マニホールド8における
サージタンク9を、平面視である図1に示すように、各
気筒A1,A2,A3,A4のうち中央に位置する第2
気筒A2と第3気筒A3との間の部位で、且つ、シリン
ダヘッド2の長手側面3に近接した部位に配設して、こ
のサージタンク9の上面に、吸気入口管16を、当該吸
気入口管16が上向きに突出するように一体的に接続し
て、この吸気入口管16の上端に、スロットル弁(図示
せず)を備えたスロットルボデー17を取付ける。 【0014】また、前記サージタンク9の下面には、前
記各ブランチパイプ10,11,12,13に対する四
つの接続部18,19,20,21を設ける一方、前記
各ブランチパイプ10,11,12,13を、略同じ長
さに揃えて、クランク軸の軸線方向1aから見た側面図
である図3に示すように、シリンダヘッド2の長手側面
3から前記サージタンク9の上側を通って横向きに延ば
したのち前記サージタンク9の外側で下向きに湾曲し更
に前記サージタンク9の下側で上向きに湾曲して、前記
サージタンク9の下面における各接続部18,19,2
0,21の各々に接続する。 【0015】この場合において、前記サージタンク9の
下面における四つの接続部18,19,20,21を、
平面視である図1に示すように、略正方形の配列にし
て、この各接続部18,19,20,21のうち内燃機
関1に近い側の二つの接続部19,20に、前記各ブラ
ンチパイプ10,11,12,13のうち中央に位置す
る第2気筒A2及び第3気筒A3からのブランチパイプ
11,12を接続する一方、前記各接続部18,19,
20,21のうち内燃機関1から遠い側の二つの接続部
18,21に、前記各ブランチパイプ10,11,1
2,13のうち外側に位置する第1気筒A1及び第4気
筒A4からのブランチパイプ10,13を接続すると言
う構成にする。 【0016】このように、サージタンク9を、シリンダ
ヘッド2の長手側面3に近接した部位に配設する一方、
前記シリンダヘッド2の長手側面3に接続した各ブラン
チパイプ10,11,12,13を、側面視においてシ
リンダヘッド2の長手側面3から前記サージタンク9の
上側を通って横向きに延ばしたのち前記サージタンク9
の外側で下向きに湾曲し更に前記サージタンク9の下側
で上向きに湾曲して、前記サージタンク9の下面におけ
る各接続部18,19,20,21の各々に接続したこ
とにより、前記サージタンク9を、シリンダヘッド2の
長手側面3に近接した部位に位置した状態のもとで、各
気筒A1,A2,A3,A4に対する長さの長い各ブラ
ンチパイプ10,11,12,13を、前記サージタン
ク9の外側を略取り囲むように配設することができるか
ら、吸気装置を、従来よりも大幅にコンパクト化するこ
とができるのである。 【0017】しかも、重いスロットルボデー17が取付
く前記サージタンク9は、シリンダヘッド2の長手側面
3に近接した部位に位置していることにより、このサー
ジタンク9をシリンダヘッド2等の内燃機関に対して支
持する場合に、そのブラケットを小さくて、極く簡単
で、軽量な構造のものにすることができる。また、前記
サージタンク9を、平面視で、前記シリンダヘッドの長
手側面のうちクランク軸の軸線方向の略中央部分に配設
することに加えて、このサージタンク9の下面における
四つの各接続部18,19,20,21を、平面視で略
正方形の配列にしたことにより、前記サージタンク9に
おけるクランク軸の軸線1aの沿った長さを短くできる
のである。 【0018】ところで、前記サージタンク9の下面にお
ける各接続部18,19,20,21を、平面視で略正
方形の配列にした場合において、前記各ブランチパイプ
10,11,12,13を互いに略同じ長さにした状態
のもとで、前記各接続部18,19,20,21のうち
内燃機関1に近い側の二つの接続部19,20に、前記
各ブランチパイプ10,11,12,13のうち外側に
位置する第1気筒A1及び第4気筒A4からのブランチ
パイプ10,13を接続する一方、前記各接続部18,
19,20,21のうち内燃機関1から遠い側の二つの
接続部18,21に、前記各ブランチパイプ10,1
1,12,13のうち中央に位置する第2気筒A2及び
第3気筒A3からのブランチパイプ11,12を接続す
るように構成すると、中央に位置する第2気筒A2及び
第3気筒A3からのブランチパイプ11,12の外側面
11a,12aが、サージタンク9の外側面より、当該
ブランチパイプ11,12を、その長さを他のブランチ
パイプ10,13と略同じにして、前記各接続部18,
19,20,21のうち内燃機関1から遠い側の二つの
接続部18,21に接続した分だけ突出することになる
から、シリンダヘッド2の長手側面3から前記外側面1
1a,12aまでの突出寸法Lが増大して、吸気マニホ
ールド8がそれだけ大型化する。 【0019】これを、前記したように、前記各接続部1
8,19,20,21のうち内燃機関1に近い側の二つ
の接続部19,20に、前記各ブランチパイプ10,1
1,12,13のうち中央に位置する第2気筒A2及び
第3気筒A3からのブランチパイプ11,12を接続す
る一方、前記各接続部18,19,20,21のうち内
燃機関1から遠い側の二つの接続部18,21に、前記
各ブランチパイプ10,11,12,13のうち外側に
位置する第1気筒A1及び第4気筒A4からのブランチ
パイプ10,13を接続すると言う構成することによ
り、前記中央に位置する第2気筒A2及び第3気筒A3
からのブランチパイプ11,12における外側面11
a,12aは、当該ブランチパイプ11,12の長さを
他のブランチパイプ10,13と略同じにした状態のも
とで、サージタンク9に近づくことになって、シリンダ
ヘッド2の長手側面3から前記外側面11a,12aま
での突出寸法Lが増大することを回避できるから、吸気
マニホールド8をより小型化できるのである。 【0020】なお、前記実施の形態を、四気筒内燃機関
について適用した場合であったが、本発明はこれに限ら
ず、三気筒内燃機関(この場合、サージタンクの下面に
おける三つの接続部を、一つの辺をクランク軸の軸線1
aを平行にした正三角形の配列にする)、又は、六気筒
内燃機関(この場合、サージタンクの下面における六つ
の接続部を、一つの辺をクランク軸の軸線1aを平行に
した正六角形の配列にする)についても同様に適用で
き、また、前記吸気マニホールドの全体を合成樹脂製に
する場合にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態を示す平面図である。 【図2】図1のII−II視正面図である。 【図3】図1のIII −III 視側面図である。 【符号の説明】 1 内燃機関 A1,A2,A3,A4 気筒 2 シリンダヘッド 3 シリンダヘッドの長手
側面 4,5,6,7 吸気ポート 8 吸気マニホールド 9 サージタンク 10,11,12,13 ブランチパイプ 14 フランジ 16 吸気入口管 17 スロットルボデー 18,19,20,21 接続部
フロントページの続き (72)発明者 中島 三樹夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−267564(JP,A) 特開 平6−264837(JP,A) 特開 平5−65857(JP,A) 特開 平7−158456(JP,A) 特開 昭63−18178(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 35/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】スロットルボデーが取付く吸気入口管を備
    えたサージタンクと、このサージタンクから内燃機関に
    おける各気筒に向かって独立して延びてその一端を内燃
    機関におけるシリンダヘッドの長手側面に接続した複数
    本のブランチパイプとから成る吸気マニホールドにおい
    て、 前記サージタンクを、前記シリンダヘッドの長手側面に
    近接した部位に配設して、その下面に当該サージタンク
    に対する前記各ブランチパイプの各々の接続部を設ける
    一方、前記各ブランチパイプを、クランク軸の軸線方向
    から見て、シリンダヘッドの長手側面から前記サージタ
    ンクの上側を通って横向きに延ばしたのち前記サージタ
    ンクの外側で下向きに湾曲し更に前記サージタンクの下
    側で上向きに湾曲して、前記サージタンクの下面におけ
    る各接続部に接続し、更に、前記サージタンクの下面に
    おける各接続部を、前記シリンダヘッドの長手側面のう
    ちクランク軸の軸線方向の略中央部分に、平面視で多角
    形の配列にして設けて、この各接続部のうち内燃機関に
    近い側の接続部に、前記各ブランチパイプのうち中央に
    位置する気筒からのブランチパイプを、前記各接続部の
    うち内燃機関から遠い側の接続部に、前記各ブランチパ
    イプのうち外側に位置する気筒からのブランチパイプを
    各々接続したことを特徴とする多気筒内燃機関における
    慣性過給式吸気マニホールドの構造。
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