JP3483334B2 - 洗米装置 - Google Patents

洗米装置

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JP3483334B2
JP3483334B2 JP04545595A JP4545595A JP3483334B2 JP 3483334 B2 JP3483334 B2 JP 3483334B2 JP 04545595 A JP04545595 A JP 04545595A JP 4545595 A JP4545595 A JP 4545595A JP 3483334 B2 JP3483334 B2 JP 3483334B2
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rice washing
opening
washing container
water
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光 近藤
浩 佐野
小笠原  正昭
純一 櫻田
一也 樋口
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コニカテクノプロダクト株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗米装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、ホテル、レストラン、食堂、そ
の他の厨房においては、多量の米を安定した品質で効率
よく炊飯処理するために自動洗米装置が使用されてい
る。この自動洗米装置としては、例えば特開昭53−1
15866号公報に開示されているような、米の洗浄、
研ぎ、汚水の分離、炊飯用水の計量、洗米および計量さ
れた炊飯用水の炊飯器内釜などの炊飯用容器への投入、
その他の工程を、一連のプログラムに従って自動的に実
行するものが知られている。
【0003】而して、実際の炊飯処理に際しては、米を
単に洗浄するのみでなく浸漬用水に浸漬して米に吸水さ
せる浸漬処理が通常必要とされている。そして、この浸
漬処理のための時間は、炊飯に供される米の種類、例え
ばもち米、うるち米、新米、古米、国産米、外国産米な
どの他、目的とする炊飯状態によっても異なり、例えば
20分間程度から長い場合には1時間以上とされる。
【0004】而して、このような浸漬処理を炊飯用容
器、例えば炊飯器の内釜において実行すると、当然のこ
とながら、当該浸漬処理の間は当該内釜を炊飯処理に供
することができず、しかも、浸漬処理の時間の間、当該
内釜を置くためのスペースが必要となる。
【0005】このような観点から、米の浸漬処理のため
に洗米装置の洗米容器を利用することが行われている。
このような方法によれば、先行する炊飯処理のために内
釜が使用されている間を利用して、洗米容器において次
に炊飯処理されるべき米の浸漬処理を行うことができる
ので、時間的および空間的に、効率のよい炊飯処理を実
行することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗米容
器を利用して浸漬処理を行う場合には、次のような問題
点があることが判明した。すなわち、洗米装置における
洗米容器の一例として、円錐状の下部を有し、底部に排
出口が形成された筒状の洗米容器が知られているが、こ
のような洗米容器内において、所要量の炊飯用水によっ
て浸漬処理を行った後、排出口を開放して米を炊飯用水
と共に排出させると、洗米容器の内周壁に米が付着した
まま残留して残米が発生するようになる。これは、浸漬
処理により米が吸水する結果、米の表皮が水によって膨
潤して付着性が増大するからであり、浸漬処理時間を長
くすると、それに伴って残米の量も多くなるのが通常で
ある。そして、このような残米が生ずると、排出口の開
閉弁の閉止状態が不完全となり易くて漏水の原因とな
り、また残米が腐敗した場合には衛生上の問題も生ず
る。
【0007】以上のような問題に対しては、浸漬処理さ
れた米が排出された後、洗米容器内に残米流去用水を供
給して米を流し落とす方法が有効であるが、この方法に
おいては、十分な量の残米流去用水を供給すると、当該
残米流去用水が炊飯用容器内に投入されて炊飯用水に加
えられるため、結局、炊飯用水の量が所定量から大きく
増加したものとなる。一方、残米流去用水の量が少量で
は、残米を十分完全に流し落とすことはできず、目的を
十分に達成することができない。
【0008】本発明は以上のような事情に基づいてなさ
れたものであって、その目的は、例えば1時間以上もの
比較的長い時間にわたって浸漬処理を行う場合において
も、残米を生ずることなく、浸漬処理された米の全部
を、所要量の炊飯用水と共に、排出口から容器内に排出
させることのできる洗米装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、浸漬処理された後に
排出された米が、炊飯用容器内においてそのまま炊飯処
理に供することができるような好適な状態の堆積体を形
成することのできる洗米装置を提供することにある。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明の洗米装置は、円
錐状の下部を有し、底部に排出口が形成された筒状の洗
米容器と、この洗米容器に設けられた噴射給水手段と、
前記洗米容器内に設けられた回動する攪拌手段と、前記
洗米容器の排出口を開閉する排出口開閉手段と、前記噴
射給水手段、攪拌手段および排出口開閉手段を制御する
制御手段とを備えてなり、前記制御手段において、洗米
容器内において浸漬用水中に浸漬された米を排出するた
めに前記排出口開閉手段を作動させて排出口を開く排出
口開放時点が、噴射給水手段により供給される所要量の
炊飯用水のうちの50%以上が残っている時点以前の時
期に設定されていることを特徴とする。
【0012】本発明の洗米装置は、円錐状の下部を有
し、底部に排出口が形成された筒状の洗米容器と、この
洗米容器に設けられた噴射給水手段と、前記洗米容器内
に設けられた回動する攪拌手段と、前記洗米容器の排出
口を開閉する排出口開閉手段と、前記噴射給水手段、攪
拌手段および排出口開閉手段を制御する制御手段と、排
出口開放タイミング設定手段とを備えてなり、前記排出
口開放タイミング設定手段は、前記制御手段において、
洗米容器内において浸漬用水中に浸漬された米を排出す
るために前記排出口開閉手段を作動させて排出口を開く
排出口開放時点を、噴射給水手段により供給される所要
量の炊飯用水のうちの50%以上が残っている時点以前
の時期において設定するものであることを特徴とする。
【0013】排出口開放タイミング設定手段は、排出口
開放時点を、噴射給水手段により所要量の炊飯用水の供
給が開始される炊飯用水供給開始時点を基準として、そ
れより遅い時期、同時および早い時期のうちのいずれか
一の態様に選択して設定するものであることが好まし
い。
【0014】本発明においては、攪拌手段が、排出口開
閉手段の開放動作と並行して駆動されることが好まし
い。
【0015】本発明の洗米装置は、円錐状の下部を有
し、底部に排出口が形成された筒状の洗米容器と、この
洗米容器に設けられた給水手段と、前記洗米容器内に設
けられた回動する攪拌手段と、前記洗米容器の排出口を
開閉する排出口開閉手段とを備えてなり、前記排出口開
閉手段は上下動自在な円錐状の開閉弁を備えてなり、当
該開閉弁は、その外周縁から円錐斜面の延長方向に下方
外方に伸びる排米誘導部材を有するものとすることがで
きる。
【0016】本発明の洗米装置は、円錐状の下部を有
し、底部に排出口が形成された筒状の洗米容器と、この
洗米容器に設けられた給水手段と、前記洗米容器内に設
けられた回動する攪拌手段と、前記洗米容器の排出口を
開閉する排出口開閉手段と、前記排出口の下方に配設さ
れた、下方外方に向かって円錐状に拡開する誘導斜面を
有する排米誘導体とを備えてなることを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】 本発明の洗米装置によれば、制御手段におい
て、洗米容器内において浸漬処理された洗米を排出する
ために排出口開閉手段を作動させて排出口を開く排出口
開放時点が、噴射給水手段により供給される所要量の炊
飯用水のうちの50%以上が残っている時点以前の時期
において設定されているため、所要量の炊飯用水のうち
の50%以上が噴射給水手段から洗米容器の内周壁に供
給されることとなり、浸漬処理に供された米であって
、当該炊飯用水が残米流去用水として作用するので、
洗米容器の内周壁に付着した米を流し落とすことができ
て残米の発生を確実に防止することができる。
【0020】本発明に係る排出口開放タイミング設定手
段を備える洗米装置によれば、制御手段において、洗米
容器内において浸漬処理された洗米を排出するために排
出口開閉手段を作動させて排出口を開く排出口開放時点
を、噴射給水手段により供給される所要量の炊飯用水の
うちの50%以上が残っている時点以前の時期において
任意に設定することができるため、米の種類や状態およ
び量、その他の条件に応じて経験的に定められる最適な
態様によるタイミングで排出口を開放させることができ
る。従って、米の種類や状態および量などの如何によら
ずに、また浸漬処理に供された米であっても、洗米容器
の内周壁に付着した米を流し落とすことができて残米の
発生を確実に防止することができる。
【0021】本発明において、排出口開閉手段の開放動
作と並行して攪拌手段が駆動される構成によれば、洗米
が炊飯用水を伴わずに排出される場合にも、洗米がブリ
ッジを形成することがなく、円滑に洗米の排出が行われ
る。
【0022】本発明の洗米装置において、排出口開閉手
段を構成する円錐状の開閉弁が、その外周縁から円錐斜
面の延長方向下方外方に伸びる排米誘導部材を有する構
成であることにより、当該排米誘導部材により洗米が誘
導されるため、炊飯用容器内における洗米の堆積状態が
好適なものとなる。
【0023】本発明の洗米装置において、洗米容器の排
出口の下方に、円錐状に拡開する誘導斜面を有する排米
誘導体が配設された構成とする場合には、当該排米誘導
体によって洗米が誘導されるため、炊飯用容器内におけ
る洗米の堆積状態が好適なものとなる。
【0024】
【0025】
【実施例】 以下、本発明の一実施例について具体的に説
明する。図1は本発明の一実施例に係る自動洗米装置の
全体を示す正面外観図、図2は同じく説明用の側面外観
図、図3および図4は、それぞれ洗米容器を中心とする
要部の説明である。
【0026】この実施例に係る自動洗米装置は、図3お
よび図4に最も詳細に示されているように、上端が天板
1で密閉され、下部2が、仰角が例えば約50度の倒立
円錐台状に形成され、底部を開口して排水用ジャケット
3が連設された円筒状の洗米容器4が設けられている。
ジャケット3内には環状の排水空間14を介して、洗米
容器4の排出口Aの周囲を包囲するよう、多数の通水孔
を有する倒立円錐台状の多孔板からなる排水金網5が着
脱自在に設けられている。
【0027】洗米容器4の中心部には、天板1に回動自
在に支承された中空の回転軸6が配置されており、この
回転軸6の外周面には、それぞれ枠状であって、洗米容
器4の内周面に向かって半径方向に伸びる部分と、軸方
向に伸びる部分と、洗米容器4の下部2の傾斜面に沿っ
て伸びる部分とを有してなる合計4つの主攪拌部材6
A、6B、6C、6Dが、回転軸6の外周面に各両端が
固定されて設けられていると共に、回転軸6の下端部に
は、排水空間14内に突出するよう伸びる副攪拌部材6
Eが設けられており(図3参照)、更に回転軸6の上端
には、これを回転駆動する攪拌用駆動モータ7が設けら
れ、これにより攪拌手段8が構成されている。
【0028】中空の回転軸6の内部空間内には、上端に
設けられたピン(図示せず)を介して、排出モータ10
によって駆動されるカム機構により上下動する軸棒11
が配置されており、この軸棒11の下端には、円錐状の
開閉弁9が固定され、これにより排出手段12が構成さ
れている。なお、図4においては、開閉弁9は、その上
昇した閉位置にある状態が、降下した開位置にある状態
と同時に示されている。これは、図8および図12にお
いても同様である。
【0029】ジャケット3に包囲された排水空間14
は、開閉弁9が環状パッキング13に対接された状態で
水密に密閉され、ジャケット3の側壁には排水口15が
形成されてこれに下部排水管16が接続されており、こ
の下部排水管16を開閉する排水弁17が設けられてい
る。58は、この排水弁17を開くための排水ソレノイ
ドである。
【0030】洗米容器4の上部空間内に開口するよう設
けられたオーバーフローパイプ18は、上部排水箱19
を介して上部排水管21に連通し、この上部排水管21
の下端は、下部排水箱23に設けられたピンポン玉状の
気密手段20に接続されており、下部排水箱23の底部
には下部排水口22が形成されている。
【0031】また、図2に示されているように、上下方
向に伸びる給米管24が、その上端が天板1に開口する
よう設けられている。これと共に、当該洗米容器4の上
部空間に連通するよう、、オーバーフローパイプ18、
上部排水箱19の内部空間、上部排水箱19に開口する
吸引口60および適宜の吸気管を介して、減圧ブロワー
25(図1参照)が設けられている。
【0032】そして、洗米容器4の天板1の下面には、
噴射ノズル29A、29Bおよび29Cが配置されてお
り、これらに上水を供給して噴射させるための給水管2
7が設けられると共にこの給水管27には電磁弁26お
よび流量センサー28が介挿されており、これにより給
水手段が構成されている。
【0033】洗米容器4の下方には、貯米庫31がアジ
ャストボール31Aなどを介して床F上に設置されてお
り、洗米容器4を支持する上下方向に伸びる中空の支柱
30が背面に保持固定されている。この貯米庫31の上
面は、開閉自在の貯米庫上蓋32により構成され、その
上に炊飯用容器である炊飯器35(図2参照)またはそ
の内釜などの炊飯用容器を直接載置して洗米を受け、あ
るいは当該貯米庫上蓋32の上方に、前方に滑動自在な
載置台34が設けられており、これにより、炊飯器35
を置いて洗米を受けてそのまま炊飯処理することができ
る構成とされている。
【0034】図2に示されているように、貯米庫31の
内部には、例えば最大90kgの米を貯留可能なホッパ
ー36が設けられており、このホッパー36の最下端の
開口には計量部37を介してその下方に米を受ける原料
シュート39が配置され、その最深部に、支柱30の内
部空間内を伸びるよう設けられた給米管24の下端が米
の通る間隙を介して開口されている。
【0035】また、図3に示されているように、洗米容
器4の上部の前面側には制御部40が設けられると共
に、この制御部40、排出モータ10、駆動モータ7な
どを包囲する駆動部カバー41が設けられ、この駆動部
カバー41の前面には、操作パネル42(図4参照)が
配置されている。制御部40は、予め設定された制御プ
ログラムに従って、給水管27に係る電磁弁26、排出
モータ10を含む排出手段12、並びに他の各部の動作
を制御する機能を有する。
【0036】そして、操作パネル42においては、各部
の動作モードを所望の炊飯条件に従って設定する手段
と、更に、後述するように、制御部40における制御プ
ログラムの条件を、排出モータ10の動作および電磁弁
26の動作について、開閉弁9が開放される時点と、所
要量の炊飯用水のうちの50%以上が残っている時点と
の先後、および時間差の長さを、両者が同時である態様
を含めて、設定する手段が設けられている。
【0037】本発明においては、以上のような構成を有
する自動洗米装置を用いて、次のようにして洗米および
その排出が行われる。ホッパー36には予め予定の炊飯
の量と頻度に応じた量の米を投入しておき、操作パネル
42において炊飯条件を設定しておくと、この炊飯条件
に従って、所定の時刻に、計量部37により自動的に計
量された所定量の米、すなわち計量米38が、減圧ブロ
ワー25によって作用される負圧により、給米管24を
介して洗米容器4内に送り込まれ、その上で、給水、攪
拌、排水などの洗米作業が行われる。
【0038】洗米工程においては、比重の大きい異物
は、洗米によって生じた汚水を排水するときにジャケッ
ト3に形成された排水口15を介して排出され、一方、
比重の小さい異物は、洗米工程においてオーバーフロー
パイプ18より溢流するオーバーフロー水と共に排出さ
れる。
【0039】所定の洗米工程が終了した後、浸漬処理工
程が行われる。この浸漬処理においては、開閉弁9によ
り排出口Aが閉じられて洗米容器4が密閉された状態
で、給水管27および噴射ノズル29A、29Bおよび
29Cにより洗米容器4内に所定量の浸漬用水が供給さ
れ、洗浄された米がこの浸漬用水内に浸漬される。この
浸漬処理の時間は、適宜の長さに設定することができる
が、例えば20分間、あるいは1時間またはそれ以上で
ある。
【0040】この浸漬処理が終了した後、排水弁17が
開かれて下部排水管16を介して浸漬用水が下部排水口
22へ排水され、その結果、洗米容器4内の米は、いわ
ば水切りした状態の洗米となる。
【0041】その後、洗米の排出と、炊飯用水の供給が
行われる。洗米の排出は、開閉弁9が降下されて排出口
Aが開放されることによって重力によって達成される。
炊飯用水の供給は、給水手段が作動されることにより、
具体的には給水管27の電磁弁26が一定の時間開かれ
て噴射ノズル29A、29Bおよび29Cから一定量の
炊飯用水が洗米容器4内に供給されることによって、行
われる。
【0042】洗米容器4内の洗米の排出は、図5に示す
ように、排出モータ10によって開閉弁9を開放する排
出口開放時点aを、炊飯用水供給開始時点bを基準とす
る、次の3つの態様のいずれかによって実行される。
【0043】態様1 排出口開放時点aが、炊飯用水供
給開始時点bより遅い態様。 この態様1によれば、開閉弁9の開放は、炊飯用水の供
給が開始されてから後の時期において行われるが、排出
口開放時点aは、洗米容器4内に実際に供給された炊飯
用水の量が所要量の炊飯用水のうちの50%に達するま
での時点であることが必要である。従って、排出口開放
時点a以降において、炊飯用水の50%以上が洗米容器
4内に供給されることとなる。炊飯用水供給開始時点b
から排出口開放時点aまでの時間t1の具体的な長さ
は、2秒間〜10秒間程度であり、例えば図示の例では
5秒間である。
【0044】態様2 排出口開放時点aと炊飯用水供給
開始時点bとが同時である態様。 この態様2によれば、開閉弁9の開放は、炊飯用水の供
給の開始と同時に行われる。従って、排出口開放時点a
以降において、炊飯用水の100%が洗米容器4内に供
給されることとなる。
【0045】態様3 排出口開放時点aが、炊飯用水供
給開始時点bより早い態様。 この態様3によれば、開閉弁9の開放は、炊飯用水の供
給の開始に先行して行われる。従って、排出口開放時点
a以降において、炊飯用水の100%が洗米容器4内に
供給されることとなる。排出口開放時点aから炊飯用水
供給開始時点bまでの時間t2の具体的な長さは特に制
限されるものではないが、例えば10秒間程度である。
【0046】以上において、「炊飯用水」とは、洗米と
共に炊飯のために例えば炊飯用容器に入れられる水をい
う。そして、図5に示されているように、開閉弁9の開
放と同時に攪拌手段8の駆動を開始して両者の作動が並
行して行われることが好ましい。ここに、駆動モータ7
の回転速度は、後述するように、洗米工程における通常
の回転速度よりも低い速度とされることが好ましい。
【0047】上記の態様1によれば、排出口開放時点に
おいて、攪拌手段を同時に作動させる場合にその初期負
荷が小さいものとなり、この点で好ましい。この態様1
による洗米排出工程の所要時間は、炊飯用水の供給に要
する全時間と一致する。態様2によれば、攪拌手段を並
行して作動させる場合にその初期負荷が中間的な大きさ
となり、洗米排出工程の所要時間は、炊飯用水の供給に
要する全時間と一致することとなる。
【0048】態様3によれば、攪拌手段を並行して作動
させる場合にその初期負荷が大きいものとなり、洗米排
出工程は、炊飯用水の供給に要する全時間より若干長い
時間となる。しかしながら、すべての炊飯用水が確実に
残米流去用水として使用されるので、確実に残米の発生
を防止することができる。
【0049】また、この態様3において、洗米容器4内
の洗米に炊飯用水が加えられていない状態のまま開閉弁
9が開放されるのみでは、一部の洗米は落下排出される
が、殆どの場合に洗米がブリッジを形成して排出されな
い状態となる。しかし、攪拌手段8が並行して作動され
ることにより、洗米の大部分、例えば約90%以上が短
時間のうちに排出口Aから排出される(以下、このよう
な炊飯用を伴わない洗米の排出を「洗米の無水排出」と
いう。)が、この洗米の無水排出のために必要な時間
は、通常約数秒間ないし10秒間程度である。ここに、
洗米の無水排出の間であってもよいし、その後であって
もよい。
【0050】上記の態様3による洗米の無水排出におい
て、効率よく洗米の排出を行うためには、開閉弁9の降
下による排出口Aの開放の程度、すなわち排出口Aに対
する開閉弁9の離間間隔の大きさが重要な条件である。
具体的に説明すると、開放時の開閉弁9の降下距離は約
35mm以上であることが好ましく、40mm以上であ
ることが更に好ましい。この距離の大きさを60mmを
超えるものとする場合には、大きな空間が必要となるの
で好ましくない。
【0051】洗米容器4は、洗米の無水排出を有効に行
うために、円錐状の下部2を有することが必要である。
そうでない場合には、排出口を大きくしなければなら
ず、これに伴って種々の問題が生ずる。
【0052】更に、洗米容器4の下部2の円錐状斜面の
水平面となす仰角の大きさも、洗米の無水排出に大きな
関連がある。すなわち、この下部2の仰角は45°以上
(鉛直方向とのなす角度が45°以下)であればよい
が、実用上、確実な排出を達成するためには下部2の仰
角が50°以上(鉛直方向とのなす角度が40°以下)
であることが好ましい。しかし、仰角を70°以上とし
ても、効果の向上はあまり見られず、むしろスペース上
の問題となることが多いので、好ましくない。
【0053】炊飯用水の供給は、噴射給水手段を構成す
る噴射ノズル29A、29Bおよび29Cから、洗米容
器4の内周壁に向かって噴射されることにより、行われ
る。この洗米容器4に噴射供給される炊飯用水により、
洗米容器4の内周壁に付着していた米が流し落とされ
る。
【0054】そして、上記のいずれの態様による場合に
も、排出口開放時点以降において、所要量の炊飯用水の
うちの50%以上がこの残米流去用水として作用するた
め、洗米容器4の内周壁に残米を生ずることなしに、す
べての洗米を排出口Aから排出させることができる。
【0055】ここに、炊飯用水の供給は、制御部40か
らの制御信号によって、米の量に応じた水の所定量に対
応する長さの時間だけ、給水管27の電磁弁26が開か
れることによって行われる。本発明においては、浸漬用
水を全部排水せず、その一部を炊飯用水として洗米と共
に炊飯用容器に排出させることも可能である。但し、こ
の場合においても、炊飯用水として必要な量の50%の
水は、排出口開放時点以降において、噴射ノズル29
A、29Bおよび29Cから供給されることが必要であ
る。
【0056】以上の態様1〜態様3の選択においては、
用いられる米の種類、目的とする飯の状態を考慮して、
炊飯用水の量などをも勘案し、経験的に残米が生ずるこ
とがなく、また時間的に高い効率が得られるものを選択
すればよい。そして、制御部40に排出口開放タイミン
グ設定手段を設けると共に、操作パネル42に排出口の
開放タイミングを設定操作するための手段を設けてお
き、これにより、制御部40による排出口開放時点につ
いての制御が、態様1〜態様3のいずれかの態様に従う
制御プログラムによってなされるよう、任意に設定し得
る構成としておくことが好ましく、これにより、使用者
は、臨機応変に所望の態様を設定することが可能とな
る。
【0057】この場合において、選択し得る選択肢の数
およびその具体的な内容は、特に限定されるものではな
い。例えば、態様1〜態様3のすべてを選択肢とするこ
とは必ずしも必須のことではなく、いずれか2種の態様
から1の態様を選択する構成とすることもでき、更に上
記の時間t1およびt2の具体的な長さをも設定し得る
構成とすることができる。また、態様1または態様3に
おいて、上記の時間t1およびt2の具体的長さが異な
る場合を、それぞれ、選択肢とすることも可能である。
【0058】本発明においては、上記のように排出口開
放タイミング設定手段を設けることなく、制御部40に
おいて、予め設定された何れかの態様に従って排出口開
放時点が制御されるよう構成しておくこともできる。そ
して、例えば態様1または態様3に従って排出口開放時
点を制御するよう構成した場合において、時間t1また
は時間t2の具体的な長さについては、これを操作パネ
ル42において設定することができるように構成するこ
とも可能である。
【0059】上記の実施例においては、給水手段とし
て、3個の噴射ノズル29A、29Bおよび29Cが用
いられているが、これらのノズルはその噴射方向を適正
にすることが重要であり、例えば3個のノズルにより、
洗米容器4の内周面、攪拌手段8などの全面に炊飯用水
を噴射することができる。しかし、本発明がこれに限定
されるものでないことは勿論である。
【0060】図示の例の装置においては、オーバーフロ
ーパイプ18が設けられているが、このオーバーフロー
パイプ18の上端が洗米容器4の内周壁に開口している
と、噴射給水手段よりの水の一部がこの開口内に進入
し、当該オーバーフローパイプ18を介して排出される
ため、炊飯用水の一部が失われることとなる。そこで、
オーバーフローパイプ18の開口には、図3に示すよう
に、下向きの開口を有するエルボ43が着脱自在に接続
され、これにより、オーバーフローパイプ18に対する
遮蔽部材が構成されている。
【0061】このオーバーフローパイプ18に対する遮
蔽部材は、炊飯用水の流失を防止するものであれば、特
にエルボ43に限られるものではない。この遮蔽部材
は、それ自体およびオーバーフローパイプの内部の清掃
が容易で、他の動作に支障を生じないものであれば、い
ずれの構成とすることも可能である。
【0062】上記の態様3に従って、洗米の無水排出を
高い効率で行うためには、攪拌手段を構成する攪拌部材
の形状が重要である。上記の実施例においては、棒材が
屈曲されて形成された、それぞれ大きさの異なる枠状の
主攪拌部材6A、6B、6C、6Dが、その各端部が回
転軸6に固定されて洗米容器4の半径方向に沿って外方
に伸びる状態に設けられており、更に同様の棒材よりな
る副攪拌部材6Eが、その端部が回転軸6の下端近傍に
固定されて排水空間14内に進入し、円錐状の開閉弁9
の円錐状の傾斜面に向かって突出する構成とされてい
る。
【0063】実施例における主攪拌部材6A、6B、6
C、6Dは、各々その半径方向長さが異なる状態とされ
ており、これにより、洗米容器4内の各部分の米を均一
に攪拌することができる。主攪拌部材6Aは洗米容器4
の内周壁に最も接近するものであり、当該内周壁に沿っ
て、軸方向に伸びる直線部分および洗米容器4の下部2
に沿って伸びる傾斜部分を有してなり、これらの直線部
分および傾斜部分と、洗米容器4の内周壁との間の間隔
は5mm以下とされている。
【0064】副攪拌部材6Eは、その先端部分が、ジャ
ケット3の内部の排水空間14内において、排水金網5
の傾斜内周面および開閉弁9の上部傾斜面から、それぞ
れ約5mm程度以下の離間距離で回転する構成とされて
いる。
【0065】以上の主攪拌部材6Aおよび副攪拌部材6
Eにより、回転軸6が駆動モータ7によって回転される
ことにより、洗米の無水排出により排出口Aに形成され
る洗米のブリッジが確実に破壊されるため、洗米の排出
が促進される。
【0066】上記実施例における開閉弁9には、図6に
示すように、当該開閉弁9の外周縁部に、各々当該開閉
弁9の円錐状斜面の外周縁から延長方向下方外方に突出
して伸びる誘導部分44Aの複数が周に沿って離間した
状態に並んで設けられ、全体としてフォーク状を呈して
いる排米誘導部材44を着脱自在に装着することができ
る。
【0067】このような構成によれば、態様3による洗
米の無水排出においても、当該排米誘導部材44によっ
て、排出口Aから排出されて円錐状の開閉弁9の斜面上
を滑って炊飯用容器内に落下する米の一部が、誘導部分
44Aによって周辺部にまで誘導されるため、炊飯用容
器内に中央が高く山状に堆積することが防止され、排出
された米は上面が平坦化された状態となり、その結果、
そのまま炊飯処理に供することができるので、好まし
い。この排米誘導部材44は、着脱自在であることによ
り、例えば態様1または態様2に従って洗米の排出がな
される場合において、不要であれば取り外すことができ
る。
【0068】図7は、排米誘導部材44の他の例を示
し、この例では、各誘導部分44Aの幅が大きく、これ
によって周辺にまで誘導される米の割合が多くなる構成
のものである。排米誘導部材44は、これらの例に限ら
れるものではなく、種々の構成とすることができ、実際
の炊飯の条件に応じて、適宜選定して用いることができ
る。
【0069】図8は、上記の実施例において、排出口A
を開閉する円錐状の開閉弁9の下方に、下方に向かうに
従って外方に拡開する円錐状の誘導斜面46Aを有する
排米誘導体46が配設され、ジャケット3を構成する部
材に適宜の支持部材を介して支持されて設けられてい
る。
【0070】このような排米誘導体46によっても、上
記の排米誘導部材44と同様の作用によって、排出され
た米の堆積体の上面が平坦化された状態となる。この排
米誘導体46は、円錐状の開閉弁9が排米誘導部材44
を有する場合にも、勿論、使用することができる。この
排米誘導体46に、更に、既述の排米誘導部材44と同
様の排米誘導部材を設けることも可能である。
【0071】図9は、円錐状の開閉弁9の代わりに、水
平面に沿って配置され、水平面に沿って駆動される平板
シャッター47が設けられた他の実施例を示す。この例
において、平板シャッター47は、例えば図10にも示
すように、排出モータ48により、クランクを含むリン
ク機構を介して円弧状の通路に沿って往復運動し、これ
により排出口Aが開閉される。
【0072】このような平板シャッター47を用いる場
合には、平板シャッター47それ自体に残米が付着する
ことがないため、排出口Aとの間に米が挟まってしまう
可能性が殆どないこと、洗米容器4の中心部を貫通する
回転軸6が不要となること、装置の上部の駆動部カバー
41内の排出モータ10および図示しないカム機構など
が不要となって駆動部カバー41内の配置に余裕が生ず
ること、排出口Aおよびジャケット3の周辺の構造が簡
単となるので構成要素の配置が容易となることなどの利
点が得られる。
【0073】一方、平板シャッター47とジャケット底
蓋50との間の間隙を水密にするためのオーリング49
またはパッキングなどが磨耗または変形すると水漏れが
生ずるので、この点に関する配慮が必要となる。
【0074】図10は、平板シャッター47の一例の平
面図である。この例の平板シャッター47には、排出口
Aを開放する開口部62と、排出口Aを遮蔽する遮蔽部
63とが、排出モータ48に連結されたクランク65に
より回動される回動支軸66を中心とする円弧に沿って
形成されており、2段切替えのシャッター機構を構成す
るものである。
【0075】図11は、平板シャッター47の他の一例
の平面図である。この例に係る平板シャッター47に
は、排出口Aを開放する開口部62と、排出口Aを遮蔽
する遮蔽部63と、濾過部64が、図10の場合と同様
に、回動支軸66を中心とする円弧に沿って形成されて
おり、3段切替えのシャッター機構を構成するものであ
る。
【0076】このような3段切替えの平板シャッター4
7を用い、ジャケット底蓋50の代わりに、当該平板シ
ャッター47を下からジャケット3に押し付ける構造と
し、当該平板シャッター47と連動する排水パイプ56
を濾過部64に連通して直結する構成とすることができ
る。このような構成によれば、排水金網5、排水口1
5、下部排水管16、排水弁17などが不要となる。
【0077】以上のように平板シャッターを用いる場合
においても、図9に示したように、排出口Aの下方に、
排米誘導体46を例えば着脱自在に配置するのが好まし
く、これにより、洗米の無水排出の場合にも、排出され
た洗米の堆積体の上面が均された状態となる。
【0078】図12は、洗米容器4の下方に載置された
炊飯用容器である内釜33内に排出された洗米の堆積体
70の上面を平坦化するため、他の平坦化手段が設けら
れた例を示す。この例においては、排出口Aの周囲の位
置に、複数の平坦化噴水ノズル59Aおよび59Bが設
けられており、各平坦化噴水ノズル59Aおよび59B
からは洗米の堆積体70の頂部に向かって水を噴射する
構成とされている。Wは炊飯用水である。
【0079】この平坦化噴水ノズル59Aおよび59B
から噴射される水としては、炊飯用水の一部が用いられ
る。すなわち、炊飯用水の給水手段を構成する給水管2
7から分岐する分岐給水管(図示せず)を設け、炊飯用
水を分割してその一部を既述のような残米流去用水とし
て用い、炊飯用水の残部をこの平坦化噴水ノズル59A
および59Bに供給して堆積体平坦化用水として用いれ
ばよい。この堆積体平坦化用水としては、炊飯用水の例
えば25%程度以上を用いれば十分である。
【0080】排出された洗米の堆積体の上面を平坦化す
るためには、他の平坦化手段を用いることも勿論可能で
ある。例えば、排出された洗米が入れられた炊飯用容器
または内釜を、水平方向に揺動させる手段を載置台に設
けることができる。この場合における揺動手段として
は、カム、リンクその他の機械的な手段を利用すること
ができる。
【0081】洗米または研米を高い効率で実施するため
には、攪拌手段8の回転速度を大きくすることが有効で
ある。しかし、その回転速度が過大であると、米を破砕
したり、米の削り量が過大となるので好ましくない。
【0082】上記実施例の装置において、洗米または研
米工程における攪拌手段8の回転速度は、通常30〜5
0rpm程度が実用的な範囲である。然るに、水切りさ
れた状態の洗米に対しては、この大きさの回転速度は、
駆動モータ7に対する負荷が過大であるおそれがある。
このため、洗米の無水排出において攪拌手段が並行して
駆動される場合には、その回転速度は、10〜20rp
m程度とされることが好ましい。
【0083】攪拌手段8の回転速度の変更は、駆動モー
タ7の変速手段によって行うことができるが、この場合
に、回転方向が逆になってもよいことは勿論である。駆
動モータ7の変速手段としては、通常使用される機械的
な変速手段の他、変速モータに対する駆動電圧の変更、
インバーターなどによる周波数の変更などの手段を利用
することもできる。
【0084】洗米工程における攪拌手段8の回転速度が
小さくてもよい場合は、当該回転速度を10〜20rp
m程度としておき、これによって洗米工程と、洗米の無
水排出時に並行して行われる攪拌手段8の作動とを、同
じ回転速度で行うことも可能である。この場合には、洗
米工程に要する時間が多少長くなる場合がある。
【0085】以上のような本発明の自動洗米装置の作動
を制御する制御プログラムを変更するためには、予め各
種のモードを組み込んでおき、モードを適宜選択するこ
とによって切り換えればよい。あるいは別の制御プログ
ラムに変更することによっても、実行することができ
る。
【0086】実験例1 図1乃至図4に示されている基本的構成を有する全自動
洗米装置「sunmatic RM 201」を用い、
その洗米容器4内に国産うるち米7.5kgを入れて洗
米し、更に2時間にわたる浸漬処理を行った後、浸漬用
水を排水した。ここに、当該自動洗米装置の洗米容器
は、下部の円錐状部分の仰角が52°のものである。そ
して、態様3に従い、開閉弁9を40mm降下させて排
出口Aを開放すると共に攪拌手段8の駆動を10rpm
の回転速度で開始し、これにより、洗米の無水排出を行
ったところ、約5秒間のうちに、残米を残して約90%
の洗米が排出された。
【0087】次に、排出口開放時点から10秒間が経過
した時点において、給水管27の電磁弁26を開いて、
9.5kg(米の約1.27倍量)の水を炊飯用水とし
て噴射ノズル29A、29Bおよび29Cから、全量が
38秒間で供給される流量で供給した。その結果、すべ
ての洗米が炊飯用容器内に排出され、残米は生ずること
はなかった。そして、同様の実験を100回繰り返した
が、いずれも残米の発生は見られなかった。
【0088】実験例2 実験例1と同様の自動洗米装置を用い、同様の洗米およ
び浸漬処理を行い、浸漬用水を排水した。そして、態様
1に従い、炊飯用水の供給を開始した後、5秒間の時間
t1が経過した時点で開閉弁9を40mm降下させて排
出口Aを開放すると共に、攪拌手段8を10rpmの回
転速度で駆動し、その後33秒間にわたって炊飯用水の
供給を継続した。ここに、排出口開放時点以降に供給さ
れた炊飯用水の全量に対する割合は約87%である。そ
の結果、すべての洗米が炊飯用容器内に排出され、残米
は生ずることはなかった。また、同様の実験を100回
繰り返したが、いずれも残米の発生は見られなかった。
【0089】実験例3 実験例2において、炊飯用水の供給を開始した後、排出
口Aを開放するまでの時間t1を19秒間に変更した他
は、実験例2と全く同様にして洗米の排出を行った。こ
こに、排出口開放時点以降に供給された炊飯用水の全量
に対する割合は50%である。この実験においては、残
米の発生が見られず、繰り返し実験においても残米は発
生しなかった。
【0090】比較実験例 実験例2において、炊飯用水の供給を開始した後、排出
口Aを開放するまでの時間t1を21秒間に変更した他
は、実験例2と全く同様にして洗米の排出を行った。こ
こに、排出口開放時点以降に供給された炊飯用水の全量
に対する割合は約55%である。この実験においては残
米の発生が見られ、繰り返し実験においても量の変動は
あったが、いずれも残米が発生していた。
【0091】
【0092】
【発明の効果】 本発明の洗米装置によれば、制御手段に
おいて、洗米容器内において浸漬処理された洗米を排出
するために排出口開閉手段を作動させて排出口を開く排
出口開放時点が、噴射給水手段により供給される所要量
の炊飯用水のうちの50%以上が残っている時点以前の
時期において設定されているため、所要量の炊飯用水の
うちの50%以上が噴射給水手段から洗米容器の内周壁
に供給されることとなり、浸漬処理に供された米であっ
ても、当該炊飯用水が残米流去用水として作用するの
で、洗米容器の内周壁に付着した米を流し落とすことが
できて残米の発生を確実に防止することができる。
【0093】本発明に係る排出口開放タイミング設定手
段を備える洗米装置によれば、制御手段において、洗米
容器内において浸漬処理された洗米を排出するために排
出口開閉手段を作動させて排出口を開く排出口開放時点
を、噴射給水手段により供給される所要量の炊飯用水の
うちの50%以上が残っている時点以前の時期において
任意に設定することができるため、米の種類や状態およ
び量、その他の条件に応じて経験的に定められる最適な
態様によるタイミングで排出口を開放させることができ
る。従って、米の種類や状態および量などの如何によら
ずに、また浸漬処理に供された米であっても、洗米容器
の内周壁に付着した米を流し落とすことができて残米の
発生を確実に防止することができる。
【0094】本発明によれば、排出口開閉手段の開放動
作と並行して攪拌手段が駆動されることにより、洗米が
炊飯用水を伴わずに排出される場合にも、洗米がブリッ
ジを形成することがなく、円滑に洗米の排出が行われ
る。
【0095】本発明の洗米装置によれば、排出口開閉手
段を構成する円錐状の開閉弁が、その外周縁から円錐斜
面の延長方向下方外方に伸びる排米誘導部材を有する構
成であることにより、当該排米誘導部材により洗米が誘
導されるため、炊飯用容器内における洗米の堆積状態が
好適なものとなる。
【0096】本発明の洗米装置によれば、洗米容器の排
出口の下方に、円錐状に拡開する誘導斜面を有する排米
誘導体が配設された構成であることにより、当該排米誘
導体によって洗米が誘導されるため、炊飯用容器内にお
ける洗米の堆積状態が好適なものとなる。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る自動洗米装置の全体を
示す正面外観図である。
【図2】本発明の一実施例に係る自動洗米装置の全体を
示す説明用の側面外観図である。
【図3】本発明の一実施例に係る自動洗米装置における
洗米容器を中心とする要部の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例に係る自動洗米装置における
洗米容器を中心とする要部の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の洗米排出方法における洗米排出の態様
を示すタイミングチャートである。
【図6】排米誘導部材が装着された円錐状の開閉弁の説
明図である。
【図7】他の排米誘導部材が装着された円錐状の開閉弁
の説明図である。
【図8】排米誘導体が配置された構成例を示す説明図で
ある。
【図9】平板シャッターが用いられた構成例を示す説明
図である。
【図10】平板シャッターの具体例を示す平面図であ
る。
【図11】平板シャッターの他の具体例を示す平面図で
ある。
【図12】噴水ノズルよりなる平坦化手段が設けられた
構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 天板 2 下部 3 ジャケット 4 洗米容器 A 排出口 5 排水金網 6 回転軸 6A、6B、6
C、6D 主攪拌部材 6E 副攪拌部材 7 攪拌用駆動
モータ 8 攪拌手段 9 開閉弁 10 排出モータ 11 軸棒 12 排出手段 13 環状パッ
キング 14 排水空間 15 排水口 16 下部排水管 17 排水弁 18 オーバーフローパイプ 19 上部排水
箱 20 気密手段 21 上部排水
管 22 下部排水口 23 下部排水
箱 24 給米管 25 減圧ブロ
ワー 26 電磁弁 27 給水管 28 流量センサー 29A、29
B、29C 噴射ノズル 30 支柱 31 貯米庫 31A アジャストボール F 床 32 貯米庫上蓋 33 内釜 34 載置台 35 炊飯器 36 ホッパー 37 計量部 39 原料シュート 40 制御部 41 駆動部カバー 42 操作パネ
ル 43 エルボ 44 排米誘導
部材 44A 誘導部分 46 排米誘導
体 46A 誘導斜面 47 平板シャ
ッター 48 排出モータ 49 オーリン
グ 50 ジャケット底蓋 58 排水ソレ
ノイド 59A、59B 平坦化噴水ノズル 60 吸引口 62 開口部 63 遮蔽部 64 濾過部 65 クランク 66 回動支軸 70 洗米の堆
積体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻田 純一 東京都練馬区羽沢2丁目17番14号 株式 会社サン精機製作所内 (72)発明者 樋口 一也 東京都練馬区羽沢2丁目17番14号 株式 会社サン精機製作所内 (56)参考文献 特開 平2−279120(JP,A) 特開 平4−64316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02B 1/00 - 3/14 A47J 43/24 A47J 27/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円錐状の下部を有し、底部に排出口が形
    成された筒状の洗米容器と、この洗米容器に設けられた
    噴射給水手段と、前記洗米容器内に設けられた回動する
    攪拌手段と、前記洗米容器の排出口を開閉する排出口開
    閉手段と、前記噴射給水手段、攪拌手段および排出口開
    閉手段を制御する制御手段とを備えてなり、 前記制御手段において、洗米容器内において浸漬用水中
    に浸漬された米を排出するために前記排出口開閉手段を
    作動させて排出口を開く排出口開放時点が、噴射給水手
    段により供給される所要量の炊飯用水のうちの50%以
    上が残っている時点以前の時期に設定されていることを
    特徴とする洗米装置。
  2. 【請求項2】 円錐状の下部を有し、底部に排出口が形
    成された筒状の洗米容器と、この洗米容器に設けられた
    噴射給水手段と、前記洗米容器内に設けられた回動する
    攪拌手段と、前記洗米容器の排出口を開閉する排出口開
    閉手段と、前記噴射給水手段、攪拌手段および排出口開
    閉手段を制御する制御手段と、排出口開放タイミング設
    定手段とを備えてなり、 前記排出口開放タイミング設定手段は、前記制御手段に
    おいて、洗米容器内において浸漬用水中に浸漬された米
    を排出するために前記排出口開閉手段を作動させて排出
    口を開く排出口開放時点を、噴射給水手段により供給さ
    れる所要量の炊飯用水のうちの50%以上が残っている
    時点以前の時期において設定するものであることを特徴
    とする洗米装置。
  3. 【請求項3】 排出口開放タイミング設定手段は、排出
    口開放時点を、噴射給水手段により所要量の炊飯用水の
    供給が開始される炊飯用水供給開始時点を基準として、
    それより遅い時期、同時および早い時期のうちのいずれ
    か一の態様に選択して設定するものであることを特徴と
    する請求項1に記載の洗米装置。
  4. 【請求項4】 攪拌手段が、排出口開閉手段の開放動作
    と並行して駆動されることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の洗米装置。
  5. 【請求項5】 円錐状の下部を有し、底部に排出口が形
    成された筒状の洗米容器と、この洗米容器に設けられた
    給水手段と、前記洗米容器内に設けられた回動する攪拌
    手段と、前記洗米容器の排出口を開閉する排出口開閉手
    段とを備えて なり、 前記排出口開閉手段は上下動自在な円錐状の開閉弁を備
    えてなり、当該開閉弁は、その外周縁から円錐斜面の延
    長方向に下方外方に伸びる排米誘導部材を有することを
    特徴とする洗米装置。
  6. 【請求項6】 円錐状の下部を有し、底部に排出口が形
    成された筒状の洗米容器と、この洗米容器に設けられた
    給水手段と、前記洗米容器内に設けられた回動する攪拌
    手段と、前記洗米容器の排出口を開閉する排出口開閉手
    段と、前記排出口の下方に配設された、下方外方に向か
    って円錐状に拡開する誘導斜面を有する排米誘導体とを
    備えてなることを特徴とする洗米装置。
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