JP3482162B2 - 焼結合金および軸受材料 - Google Patents

焼結合金および軸受材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸化性と高温で
の良好な摺動特性とを兼ね備え、例えば自動車エンジン
の排気ガス流量を制御するバルブの軸を保持する軸受の
ように、高温雰囲気で良好な摺動特性を求められる材料
(焼結合金および軸受材料)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高温雰囲気で使用される軸受
材料としては、ステンレス金属焼結材中にカーボンや酸
化鉛等の固体潤滑剤成分を分散させたり、Co−Mo−
Cr−Si系硬質粒子を分散させたりした焼結合金が使
用されている。
【0003】しかしながら、カーボンを添加した場合に
は、カーボンがステンレス基材中に固溶し、ステンレス
鋼が本来持つ耐熱性、耐食性を損ね、酸化膨張を生じる
ために、使用限界が雰囲気ガス温度で600℃程度の低
温となってしまう不都合がある。
【0004】また、酸化鉛については、環境への影響を
考慮して、近年、これを使用しないことが一般的になっ
てきている。
【0005】また、硬質粒子を添加した場合には、材料
の耐摩耗性は向上するものの、摩擦係数が高くなり、相
手材への攻撃性も問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて、ステンレス鋼が本来持つ耐熱性、耐食性を損ねる
ことなく、高温摺動特性を改善することができ、なおか
つ、環境への悪影響のない固体潤滑剤成分を添加した焼
結合金および軸受材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による焼結合金は、18Cr2M
o鋼粉末とジルコン酸ナトリウム粉末と銅粉末からなる
焼結合金であって、ジルコン酸ナトリウム粉末を2.5
〜10重量%含み、銅粉末を5〜15重量%含むことを
特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】 更にまた、本発明の請求項による軸受
材料は、上記した請求項に記載した焼結合金よりなる
ことを特徴とするものである。この請求項による軸受
材料は、請求項に記載した焼結合金の特定の性質を専
ら利用する点に特徴を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】上記した本発明の目的は、ステン
レス鋼粉末に、ジルコン酸ナトリウム(Na Zr
)粉末を2〜15重量%、より好ましくは5〜10
重量%添加し、なおかつ、銅(Cu)粉末を5〜30重
量%、より好ましくは10〜20重量%添加し、焼結す
ることによって得られる焼結合金によって、より良く達
成することが可能である。
【0017】ステンレス鋼粉末としては、SUS30
4、SUS310、SUS316のようなオーステナイ
ト系ステンレス鋼粉末や、SUS410、SUS43
0、18Cr2Mo鋼のようなフェライト系ステンレス
鋼粉末等を使用することが可能であるが、求められる価
格と耐熱性、耐食性とを考慮すれば、その他のステンレ
ス鋼粉末を使用することも可能である。一般的に、フェ
ライト系ステンレス鋼は酸化スケールの密着性が良く、
激しい温度変化が繰り返される場合でもスケール剥離が
少ないために、温度変化の大きな環境に曝される部材に
適用されることが多い。また、オーステナイト系ステン
レス鋼は高温での強度の低下がフェライト系ステンレス
鋼よりも小さいために、高温での強度が要求される場合
に使われることが多い。
【0018】これらのステンレス鋼だけを焼結して得ら
れる焼結合金では、高温摺動特性が満足できるものでは
なく、焼き付きを起こすので、本発明では、摺動特性を
改善するために、ジルコン酸ナトリウム粉末と銅粉末と
を添加する。この2粉末は何れか一方のみを添加しても
摺動特性を改善する効果を得られず、一定の範囲内で両
粉末を添加することにより、良好な高温摺動特性を示す
焼結合金が得られるものである。一般的に、銅は、焼結
金属の機械的強度を向上させたり、焼結後の処理(例え
ばメッキ等の表面処理や、旋盤等の機械加工)の処理性
を向上させるために添加されるが、本発明のように摺動
特性の改善に着目した例はこれまで皆無である。また、
ジルコン酸ナトリウムを固体潤滑剤として実用化した例
もない。
【0019】ジルコン酸ナトリウム粉末は、2重量%未
満では十分な効果が得られず、15重量%以上では著し
く成形性、焼結性が悪化し、得られる焼結合金も脆いも
のとなるために、その添加量は2〜15重量%とするの
が好適である。
【0020】また、銅粉末は、5重量%未満では十分な
効果が得られず、30重量%以上では得られる焼結合金
の高温強度が著しく低下するために、その添加量は5〜
30重量%とするのが好適である。尚、この銅の添加方
法としては、原料粉末中に粉末として添加することもで
きるが、焼結中または焼結後に必要量の銅を溶浸するこ
とによっても添加することができ、また、両者を併用す
ることもできる。このとき、実質的な効果に差異はな
い。
【0021】一般的な焼結合金の製造には、粉末の混
合、成形、焼結という工程があり、各種の装置および方
法が実用化されているが、本発明の焼結合金の製造に
も、これらの方法を常圧焼結法を含めて使用することが
できる。また、HP(Hot Press)法、HIP
(Hot Isostatic Press)法等の加
圧焼結法を用いることも可能である。
【0022】本発明の軸受材料は、自動車エンジンの排
気ガス流量を制御する機構、例えばEGRバルブ、排気
ブレーキバタフライ弁またはターボチャージャーウェイ
ストゲート等における作動軸を保持する軸受として使用
するのに好適である。また、雰囲気温度800℃程度の
高温に曝される機構の摺動部分にも使用することが可能
である。
【0023】
【実施例】図1の粉末配合表における試験片No.1〜
5のような粉末配合について、原料粉末をV型ブレンダ
ーを用いて30分間混合し、混合粉末を粉末成形機を用
いて成形圧力5t/cmで成形し、焼結温度1150
℃で60分間、高純度水素ガス雰囲気中で焼結した。次
いで、焼結体の寸法を所定の公差に入れるため、2t/
cmの圧力でサイジングを行なった。このようにして
できたφ28×6mmの焼結合金から、図2に示すよう
な5×5×17mmの角柱状の試験片1を切り出し、S
US304溶製材を相手材2として以下の条件で摺動試
験を行ない、評価を行なった。
【0024】 試験片温度:300、400、500、600℃ 摺動速度:10m/min 面圧:0.5MPa 摺動時間:10min
【0025】また、図1の配合表における試験片No.
6〜8のような比較材も同様の方法で作成し、同様の評
価を行なった。
【0026】評価結果は、図3の結果表に示すとおり、
以下のような内容となった。
【0027】すなわち先ず、18Cr2Mo鋼粉末だけ
を焼結して得た比較材No.6や、ジルコン酸ナトリウ
ム粉末または銅粉末のうち一方しか添加していない比較
材No.7、8は、何れも試験片温度600℃で焼き付
きを起こしたが、本発明品No.1〜5は何れも焼き付
きを全く起こさなかった。特に、本発明品No.2、
3、5は試験片温度600℃で、それ以下の場合よりも
明らかに低い摩擦係数を示しており、高温になるほど良
好な摺動状態を実現している。尚、本実施例では試験片
温度を測定しているが、実用化される場合には機器に取
り付けられた状態で使用され、機器の温度は本開発材が
曝される雰囲気ガスよりも遥かに低い温度となっている
ため、本開発材が600℃になるのは雰囲気ガスが80
0〜900℃に達したときである。つまり、800〜9
00℃という高温雰囲気に曝される機器に使用可能とい
うことである。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0029】 すなわち、請求項1,2ともに、ステン
レス鋼が本来持つ耐熱性、耐食性を損なうことなく、高
温摺動特性を改善することができ、なおかつ、環境に良
くない影響を及ぼすことのない固体潤滑剤成分を添加し
た焼結合金または軸受材料を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る焼結合金および比較例に
係る焼結合金の粉末配合比率を示す表図(粉末配合表)
【図2】同合金の評価試験方法を示す説明図
【図3】同合金の評価試験結果を示す表図(評価結果
表)
【符号の説明】
1 試験片 2 相手材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−268847(JP,A) 特開 平8−41607(JP,A) 特開 平10−226855(JP,A) 特開 平4−15294(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 33/02 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 18Cr2Mo鋼粉末とジルコン酸ナト
    リウム粉末と銅粉末からなる焼結合金であって、ジルコ
    ン酸ナトリウム粉末を2.5〜10重量%含み、銅粉末
    を5〜15重量%含むことを特徴とする焼結合金。
  2. 【請求項2】 請求項に記載した焼結合金よりなるこ
    とを特徴とする軸受材料。
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