JP3480566B2 - 魚病に有効な天然生理活性物質およびそれを含有する魚類用飼料 - Google Patents

魚病に有効な天然生理活性物質およびそれを含有する魚類用飼料

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、魚類寄生虫症に対し効果を有する天然生理
活性物質およびそれを含有する魚類用飼料に関する。よ
り詳細には本発明は、炭素数6ないし12の脂肪酸を含
有する魚類寄生虫症に対し効果を有する天然生理活性物
質およびそれを含有する魚類用飼料に関する。
背景技術 養殖において、魚類は安定生産の妨げとなるため、非
常に大きな問題となっている。現場における細菌症に対
する対策法、抗生物質による投薬である。この方法の場
合、使用した抗生物質に対する耐性菌が出現してしま
い、魚の安定生産を困難としたり、また、環境問題にま
で発展している。
また、主要養殖魚において、近年、ウイルス性の疾病
が多発するようになり、産業的に大変問題になってい
る。現在、ウイルス性疾病に対する有効な化学療法剤は
なく、また、ワクチンの開発も遅れている。
さらにまた、寄生虫症は、トラフグではヘテロボツリ
ウム感染症、ブリでははだむし症が問題とされている。
現場でのヘテロボツリウムに対する対策は、魚を定期的
に800ppm前後のホルマリンで1時間程度薬浴する
ことぐらいしかない。しかし、この処理では幼虫を80
%程度しか駆除できず、さらに親虫に至っては駆除する
ことができない。また、ホルマリンは発ガン性の物質で
あり、環境汚染等の点から問題が生じている。はだむし
については予防法がなく、魚を5分程度の淡水浴か、市
販の過酸化水素を主成分とする駆虫薬によって完全に駆
虫することができる。定期的に網替えをすることも、付
着した卵を除去する効果がある。一斉に駆虫しないと漁
場内の感染レベルを下げることは難しい。また駆虫して
も網地などに付着した卵は生残するため、実際には駆虫
を繰り返す必要がある。1990年代に入って中国や香
港から輸入したカンパチ稚魚とともに日本に持ち込まれ
た近縁種は、宿主特異性が低く、カンパチだけでなく国
内のブリその他多くの海産養殖にも寄生が拡大してい
る。
これらのことから、魚病に対し経口で効果があるよう
な、天然物質の開発は必須であり、その適確な対策が要
望されている。
発明の開示 本発明は、魚類寄生虫症に対し経口で効果を有する天
然生理活性物質、および本物質を含有する魚類用飼料の
提供を目的としている。
本発明者らは、経口で魚病に対し効果を有する天然物
質を開発するために、種々の天然物質のスクリーニング
を進めていき、炭素数6ないし12の脂肪酸が魚病の原
因となる細菌、ウイルス、寄生虫のいずれにも効果を有
すること、ならびに本物質を経口投与することで、魚病
を治療し、その発生を防げることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
中鎖の脂肪酸が抗菌活性、抗ウイルス活性を有するこ
と自体は既知であるが、それらの活性は試験管レベルで
細菌やウイルスと直接接触させた試験で示されているの
みであり、in vivoでの経口投与での効果は報告されて
おらず唯一、日本特許第2831835号に、口経投与
でウナギのバラコロ病(細菌症)に有効であったことが
記載されている。寄生虫については、in vitroで犬の寄
生虫についての報告があるだけで魚類の寄生虫に対する
作用は報告がなく、飼料に添加し、寄生虫発生を防ぐ、
もしくは治療した報告は皆無である。Lett. Appl. Micr
obiol, 27(6)362-368(1998)にはラウリン酸のグラム陽
性菌〔単球症リステリア(Listeria monocytogenes)〕に
対する殺菌作用について記載されている。Antimicrob.
Agents Chemother. 40(2)302-306(1996)には中鎖脂肪酸
のHelicobacter pylori菌に対する作用が記載されてい
る。US 400275には脂肪酸の抗菌作用について記載され
ている。Arch. Virol. 66(4)301-307(1980)には不飽和
脂肪酸の動物のenveloped virusesに対するin vitroに
おける作用が記載されている。EP 465423には脂肪酸の
細菌、ウイルスに対する作用が記載されている。Pesti
c. Sci. 30,295-202(1990)には脂肪酸の植物(ささげ)
の害虫に対する作用が記載されている。Pesticide Bioc
hem. Physiol. 50, 229-239(1994)には脂肪酸の植物の
線虫に対する作用が記載されている。EP 279523には脂
肪酸の殺虫作用(しらみ)について記載されている。An
timicrob. Agents Chemother. 31(1)27-31(1987)には中
鎖脂肪酸のenveloped virusesに対する作用が記載され
ている。Chem. Pharm. Bull. 35(7)2880-2886(1987)に
はイヌの寄生虫に対する脂肪酸の作用が記載されてい
る。Fish Pathology, 32(1)15-20(1997)にはトラフグの
ヘテロボツリウム症について記載されている。Fish Pat
hology, 33(4)221-227(1998)には養殖魚の細菌性疾患に
ついて記載されている。Fish Pathology, 33(4)303-309
(1998)には養殖魚の寄生虫症について記載されている。
Gyobyo Kenkyu, 27(2)97-102(1992)にはトラフグの口白
症について記載されている。
細菌、ウイルス、寄生虫いずれによる魚病に対しても
有効であり、経口投与することで、魚病を治療しその発
生を防げるという結果は新たな発見であり、当該発見に
基づき鋭意研究し本発明は完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素数6ないし12の脂肪酸、
必要によりさらにビタミンC活性を有する物質を含有す
る魚病に対し効果を有する、特に寄生虫症に対し効果を
有する天然生理活性物質を要旨としている。
魚病が寄生虫症、細菌感染症およびウイルス感染症で
あり、その場合、本発明は、炭素数6ないし12の脂肪
酸、必要によりさらにビタミンC活性を含有する寄生虫
症、細菌感染症およびウイルス感染症に対し効果を有す
る天然生理活性物質である。
炭素数6ないし12の脂肪酸としては、カプロン酸
(C6)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C
9)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)な
どが例示される。炭素数6ないし12の脂肪酸としてカ
プリン酸、カプリル酸またはペラルゴン酸が好ましく、
その場合、本発明は、カプリン酸、カプリル酸またはペ
ラルゴン酸を含有する魚病、より具体的には寄生虫症、
細菌感染症およびウイルス感染症に対し効果を有する天
然生理活性物質である。
また、本発明は、炭素数6ないし12の脂肪酸、より
具体的にはカプリン酸、カプリル酸またはペラルゴン酸
を含有する魚病、より具体的には寄生虫症、細菌感染症
およびウイルス感染症に対し効果を有する天然生理活性
物質を含有する魚類用飼料を要旨としている。当該天然
生理活性物質の含有量は寄生虫症に対し効果を有する
0.1〜1重量%であることが好ましい。
さらにまた、本発明は、炭素数6ないし12の脂肪
酸、より具体的にはカプリン酸、カプリル酸またはペラ
ルゴン酸を含有する魚病、より具体的には寄生虫症、細
菌感染症およびウイルス感染症に対し効果を有する天然
生理活性物質を含有する飼料添加物を要旨としている。
当該天然生理活性物質の含有量は寄生虫症に対し効果を
有する0.1〜1重量%であることが好ましい。
本発明の天然生理活性物質は、炭素数6ないし12の
脂肪酸を含有し、魚病に有効であり、かつ、魚類に害を
与える寄生虫、細菌、ウイルスなどの魚病原因体のみに
作用する物質である。数多く知られている魚類寄生虫
症、魚類細菌感染症および/または魚類ウイルス感染症
に対して有効であること、それぞれの魚類に適正な濃
度、必要により併用することができるビタミンC活性を
有する物質が上記の脂肪酸の効果を増強することなど
は、以下に示す実施例と同様にして確認することができ
る。
本発明は、養殖の対象となるいかなる種類の魚類をも
対象とする。フグ類(トラフグ)、タイ類(マダイ、ク
ロダイ)、ブリ類(ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナ
ガカンパチ)、サケ類(ニジマス、ギンザケ)、カレイ
類(ヒラメ、ホシカレイ)、コイ類(コイ、ソウギョ)
等が例示される。
魚類寄生虫症について説明する。魚類としてはトラフ
グ、その寄生虫症としてはヘテロボツリウム感染症、白
点虫感染症、マダイ、その寄生虫症としては、白点虫感
染症、ビバギナ感染症、ヒラメ、その寄生虫感染症とし
ては、白点虫感染症、ハマチ類、その寄生虫感染症とし
ては、血管内吸虫感染症、ヘテラキシネ感染症が例示さ
れる。
トラフグのヘテロボツリウム感染症の原因体の生活史
は、卵から付加した仔虫がまず鰓に寄生し、そこで幼虫
となり、5〜6mm程度に成長すると鰓を囲む組織に移
動して、把握器側を組織内に埋め親虫となり産卵する。
ブリのはだむし症の原因体は、単生類カプサラ科ベネデ
ニア亜科に属するBenedenia serilaeであり、ブリのほ
か、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチにも寄生す
る。養殖現場で使用できるこれらの魚病に有効な天然物
質は知られていない。
本発明者らは、人間の肝吸虫に対する寄生虫薬である
プラジカンテルが、魚類寄生虫であるヘテロボツリウム
に有効であることを明らかとして特許出願した(特願平
9−230316号)。また、ラクトフェリンは母乳中
の多機能性蛋白質として良く知られており、哺乳類にお
いてはリゾチームや分泌型IgAのように局所における
感染防御に関与していることが示唆され、魚類では哺乳
類由来のラクトフェリンの経口投与がニジマスの細菌感
染において免疫賦活作用を有することが報告されてい
る。寄生虫症に対しては、ラクトフェリンは、哺乳動物
と魚類に共通であり、ともに有効であることを明らかと
して、最近、我々は、ラクトフェリンをヘテロボツリウ
ムに対して効果を有する天然生理活性物質として含有す
る魚類用飼料を発明し特許出願した(特願平9−230
317号)。
魚類養殖に際して魚類外部寄生虫の適確な駆除の目的
のため低濃度で寄生虫に対して有効な薬剤、天然物質の
開発は必須である。特に、寄生虫症に対して、哺乳動物
と魚類に共通であり、ともに有効であることが明らかと
なったラクトフェリンのような天然物質の開発が強く求
められるところである。
魚類細菌感染症について説明する。養殖現場におけ
る、魚類細菌症に対する対策法として抗生物質による投
薬に頼ることなく、経口で効果を有する天然物質を開発
することは、魚の安定生産の上で、また、環境問題から
も強く求められるところである。本発明者らは、こうし
た要請に応えるべく、デカン酸を中心とした脂肪酸の魚
類細菌に対する抗菌活性を調べた「魚病原因菌に対する
in vitroの試験」において、中鎖の脂肪酸に抗菌活性を
認めた。これまで、in vivoでの効果は報告されておら
ず、当然、魚類において飼料に添加し、細菌症発生を防
ぐ、もしくは治療した報告はない。魚類の細菌性疾病を
引き起こす菌はビブリオ症菌、エドワジエラ症菌、腸球
菌症菌などが例示されるが、これらに限定されない。
魚類ウイルス症について説明する。炭素数6ないし1
2の脂肪酸を経口投与することで、ウイルス症の発生を
防げるという効果を魚体内でも有するという結果を得
た。魚類のウイルス性疾病を引き起こすウイルスはトラ
フグの口白症ウイルスなどが例示されるが、これらに限
定されない。
本発明で使用する脂肪酸は炭素数6ないし12の脂肪
酸である。これらの脂肪酸はフリーの脂肪酸が好ましい
が、それだけでなく、分子中に炭素数6ないし12の脂
肪酸残基を有する塩、グリセリド、エステル、アミドと
しても有効である。塩としてはナトリウム塩、グリセリ
ドとしてはモノグリセライド、ジギリセライド、トリグ
リセライド、エステルとしてはエチルエステル、メチル
エステル、アミドとしてはエチルアミド、メチルアミド
などが例示される。
ビタミンC活性を有する物質としては、アスコルビン
酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸エステ
ルなどが例示される。
代表されるオクタン酸は、ヤシ油、バター、ナッツ類
に含まれている食用天然物質であり、オクチル酸あるい
はカプリル酸(caprylic acid)と称され、分子式CH3
(CH26COOHで表され、分子量は144.21、
融点16.5℃、沸点237℃、水にはわずかに溶ける
炭素数8の飽和直鎖脂肪酸である。オクタン酸は、ヤシ
油やバターに含まれている食用天然物質であり、消化不
良の患者に投与する等にも利用されている。
また、代表されるデカン酸は、デシル酸あるいはカプ
リン酸(capric acid)と称され、分子式CH3(C
28COOHで表され、分子量は172.27、融点
31.4℃、沸点269℃、水にわずかに溶ける炭素数
10の飽和直鎖脂肪酸である。デカン酸は、ヤシ油に含
まれる天然物質である。また、毛髪脂に含まれている。
オクタン酸が成長に悪影響をもたらすか否かを、トラ
フグを用い試験を行った。試験区は、0.5%オクタン
酸添加飼料給餌区(餌1kgに対し、5gのオクタン酸
添加)と通常飼料区の計2区とした。試験条件は、1t
水槽に各区50尾を収容し、給餌は朝、夕2回飽食給餌
で行った。飼育試験期間は45日間とし、試験期間中の
水温は25±1℃であった。
開始時の平均体重は各区34gであり、終了時は各区
95gであった。体長、肥満度、摂餌料、飼料効率に関
しても同値であり、成長に対する悪影響は認められなか
った。また、ヘマトクリット値、肝臓重量値においても
差は認められなかった。これらの魚を継続して7ヵ月間
飼育したが、斃死の発生はまったく認められなかった。
さらに、可食部位である筋肉のオクタン酸含量を常法に
従い分析したところ、オクタン酸は検出されなかった。
人間において、中鎖脂肪酸の体内への吸収経路は、長鎖
脂肪酸と比べ単純であり、そのため速やかに吸収され、
即座にエネルギー源として利用されることが報告されて
いる。そのため、ほとんど蓄積されないことが報告され
ている。この性質を利用して、中鎖脂肪酸は、消化管疾
病患者のエネルギー源として使用されている。本結果
は、魚類においても人間同様、エネルギー源として利用
され、蓄積されにくいことを示唆している。仮に、蓄積
されていたとしても、その量は微量であり、人間が食べ
たとしても全く影響はない。
本発明の寄生虫症、細菌感染症、ウイルス感染症など
の魚類魚病に有効である天然生理活性物質の使用形態は
特に制限はなく、抗寄生虫作用、抗細菌作用および/ま
たは抗ウイルス作用を有する薬浴液としての使用、魚類
用飼料などとして使用される。本発明の魚類用飼料の組
成あるいは製法は特に限定されるものではなく、炭素数
6ないし12の脂肪酸を添加したものであればいずれの
飼料でもよい。
本発明で用いる天然生理活性物質は餌に添加すること
で、寄生虫症、細菌感染症、ウイルス感染症などの魚病
に対し効果が期待できる。本発明の魚類用飼料の組成あ
るいは製法は特に限定されるものではなく、炭素数6な
いし12の脂肪酸を添加したものであればいずれの飼料
でもよい。本発明において、炭素数6ないし12の脂肪
酸を、溶液、顆粒、錠剤などの任意の形態で添加する場
合、飼料中に0.125〜2重量%の濃度で含むのが好
ましい。
本添加飼料は、摂餌の低下、成長等に影響しない。炭
素数6ないし12の脂肪酸の導入は、飼料製造の技術的
に適当な段階で、最終製品において均一に分配されるよ
うに行われる。
本発明の浸漬液は、炭素数6ないし12の脂肪酸を添
加したものであればよい。本発明において、炭素素6な
いし12の脂肪酸を、溶液、顆粒、錠剤などの形態で溶
解し、浸漬溶液を作製する場合、80〜200ppm濃
度に調整することが好ましい。
図面の簡単な説明 第1図は、脂肪酸のヘテロボツリウム孵化仔虫と幼虫
に対する駆虫効果を示す図面である。第2図は、脂肪酸
の白点虫孵化仔虫に対する駆虫効果を示す図面である。
第3図は、トラフグのヘテロボツリウム試験における感
染魚の生残比較効果を示す図面である(n=6)。第4
図は、トラフグのヘテロボツリウム試験における正常魚
の生残比較効果を示す図面である(n=8)。第5図
は、トラフグのヘテロボツリウム試験における試験期間
中に死亡した感染魚の虫体寄生数の比較結果を示す図面
である。第6図は、トラフグのヘテロボツリウム試験に
おける終了時 (73日経過)に生残していた感染魚の
虫体寄生数の比較結果を示す図面である。第7図は、ト
ラフグのヘテロボツリウム試験における30日経過時の
正常魚の虫体寄生数比較結果を示す図面である(n=
4)。第8図は、トラフグのヘテロボツリウム試験にお
ける試験期間中に死亡した正常魚の虫体寄生数の比較結
果を示す図面である。第9図は、トラフグのヘテロボツ
リウム試験における終了時(73日経過)に生残してい
たオクタン酸添加飼料区の正常魚の虫体寄生数を示す図
面である。第10図は、マダイの白点虫試験における攻
撃3日経過時の白点虫寄生数の比較結果を示す図面であ
る(n=5)。第11図は、マダイの白点虫試験におけ
る生残比較結果を示す図面である。第12図は、カンパ
チのフィールド試験におけるヘテラキシネ寄生数の比較
結果を示す図面である(n=20)。第13図は、カン
パチのフィールド試験におけるベネデニア寄生数の比較
結果を示す図面である(n=20)。第14図は、カン
パチのフィールド試験における1鰓弁当りの血管内吸虫
卵数の比較結果を示す図面である(n=20)。第15
図は、トラフグのビタミンC増強試験におけるヘテロボ
ツリウム寄生数の比較結果を示す図面である。第16図
は、マダイのビタミンC増強試験における白点虫寄生数
の比較結果を示す図面である。第17図は、マダイのビ
タミンC増強試験における生残比較結果を示す図面であ
る。第18図は、マダイのオクタン酸、そのモノグリセ
ライド、トリグリセライドの効果比較試験における白点
虫寄生数の結果を示す図面である(各サンプリング時、
n=5)。第19図は、脂肪酸のビブリオ症菌に対する
抗菌活性を示す図面である。第20図は、脂肪酸のエド
ワジェラ症菌に対する抗菌活性を示す図面である。第2
1図は、脂肪酸の腸球菌症菌に対する抗菌活性を示す図
面である。第22図は、ホシガレイ飼育試験の給餌飼料
と死亡率の推移を示す図面である。第23図は、トラフ
グの口白症攻撃試験の死亡率の推移を示す図面である。
発明を実施するための最良の形態 本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれ
ら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1 〈目的〉 ヘテロボツリウムの幼虫をオクタン酸溶解海水に浸漬
したところ、構造的損傷(空胞化など)を惹起し虫体を
致死させる現象が観察された。オクタン酸は、ヤシ油、
バター、ナッツ類に含まれている食用天然物質であり、
消化不良の患者に投与するなどにも利用されている。
そこで、[試験1]でin vitroでの中鎖脂肪酸を中心と
した脂肪酸の寄生虫に対する駆除効果を調べた。対象と
した寄生虫は、トラフグに寄生する扁形動物に属するヘ
テロボツリウム、ならびに多くの魚類に感染し被害をも
たらしている原生動物に属する白点虫とした。[試験2]
では、変形動物に属するマダイのビバギナ、ハマチ類の
ヘテラキシネ、ハマチ類とヒラメで問題となつているベ
ネデニア、筋肉、心臓等に寄生し食品としての利用価値
を損ねる原生動物に属するクドア、サケ科魚類や多くの
他の海産魚に被害をもたらす筋足動物に属するカリグス
に関して、オクタン酸のin vitroでの効果を検討した。
さらに、[試験3]、[試験4]、[試験5]において、オク
タン酸を魚類飼料に添加し、投与することで寄生虫に対
する駆除効果を検討した。[試験3]ではトラフグを用
い、ヘテロボツリウムに対する効果を、[試験4]ではマ
ダイを用い白点虫に対する効果を、[試験5]としてカン
パチを用い、ヘテラキシネ、ベネデニア、血管内吸虫に
対する効果を、それぞれ検討した。また、オクタン酸添
加海水に魚を浸漬することで、寄生虫に対する効果があ
るか否かを検討するために、[試験6]としてオクタン酸
添加海水にトラフグを浸漬した時の魚に及ぼす影響を、
[試験7]として白点虫が感染しているトラフグをオクタ
ン酸海水溶液に浸漬した時の、白点虫に対する駆除効果
について調べた。さらに、オクタン酸添加飼料にビタミ
ンCを通常飼料に含まれる量以上に添加することによる
効果増強有無を、[試験6]ではトラフグを用いヘテロボ
ツリウムで、[試験7]でマダイを用い白点虫で検討し
た。[試験8]においては、オクタン酸のモノグリセライ
ド、トリグリセライドが前述のフリーのオクタン酸同様
に効果を有するか否かをマダイを用い、白点虫で調べ
た。
[試験1] 〈方法〉 炭素数C2、C4、C6〜10の脂肪酸を海水に1m
M濃度で溶解し、ヘテロボツリウムの孵化仔虫ならびに
鰓に寄生している状態の幼虫を浸漬した。浸漬して2時
間後に孵化仔虫については死亡数を、幼虫については鰓
からの脱落数を計測し、その効果の判定を行った。ま
た、各区とも30個体以上の寄生虫を供試した。
白点虫に関しては、炭素数C2、C4、C6〜10の
脂肪酸を海水に0.5mM濃度で溶解し、白点虫の孵化
仔虫を浸漬した。浸漬して1時間後に死亡数を計測し、
その効果の判定を行った。また、各区とも200個体以
上の寄生虫を供試した。
いずれの区も20℃条件下で行った。
〈結果と考察〉 ヘテロボツリウムの幼虫では、C6〜C10において
明らかに虫体が萎縮し、鰓から脱落する現象が観察され
た。効果の認められたC6〜C10の中でC8の脱落率
は最も高い値となった(第1図)。仔虫においても同様
にC6〜C10において、死亡する個体が観察された。
特にC8〜C10の死亡率は100%であり、その中で
もC8が最も早く死亡個体が出現した(第1図)。
白点虫に関しては、C6〜C10において死亡する個
体が出現した。ヘテロボツリウム同様、C8〜C10は
抗寄生虫効果が高く死亡率は100%であり、C8で最
も早く死亡個体が出現した(第2図)。
以上の結果より、C6〜C10の中鎖脂肪酸が寄生虫
に対し、殺虫効果を有していることが判明した。それら
の中鎖脂肪酸の中でもC8〜C10がその効果が高く、
C8すなわちオクタン酸がより高い効果を有しているこ
とが考えられた。また、C12に関しては、溶解度が低
く、同一条件での試験は行えなかったが、低濃度でも同
様の作用が認められた。
[試験2] 〈方法〉 オクタン酸を海水に800ppm量添加し、可能な限
り溶解させた。本溶液にマダイ鰓より採取したビバギナ
幼虫、カンパチ鰓より採取したヘテラキシネ幼虫、ハマ
チ体表より採取したベネデニア親虫、トラフグ心臓より
採取したクドア胞子、トラフグ体表より採取したカリグ
ス親虫を20℃条件下で浸漬し、観察を行った。また、
対照として海水で管理する区を設定した。各区とも30
個体以上の寄生虫を供試した。
〈結果と考察〉 オクタン酸添加区において、ビバギナ、ヘテラキシ
ネ、ベネデニアにおいて明らかな萎縮が観察された。い
ずれも萎縮は10分程度で惹起された。クドアにおいて
は、1時間程度で胞子のバースト像が観察された。カリ
グスにおいては、萎縮等は観察されなかったが、約1時
間後から遊泳の低下が認められた。一方、対照において
は、虫体に変化は認められなかった。
試験1、試験2の結果からオクタン酸は、扁形動物、
節足動物、原生動物と分類上大きく異なる寄生虫に対
し、駆除効果を有することが明らかとなった。よって、
その有効性は魚類寄生虫全般に渡ると考えられる。ま
た、試験1の結果よりオクタン酸以外の中鎖脂肪酸も同
様に幅広く寄生虫に対し、駆除効果を有することが考え
られた。
[試験3] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約133.6gのトラフグを試験
に用いた。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区と無添加飼料を給餌する対照区の計2区とした。ま
た、給餌量は、各区魚体重に対し1%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のトラ
フグ用ペレット1kgに対し、2.5gのオクタン酸を
噴霧することで行った。対照区は、市販のトラフグ用ペ
レットとした。
攻撃試験試験:ヘテロボツリウム感染などの疾病の認
められない群の魚12尾(正常魚)をそれぞれ100リ
ットル水槽に収容し、各試験飼料を給餌した。7日後に
あらかじめヘテロボツリウム約100個体を感染させた
魚6尾(感染魚)を各試験区に追加し、73日間試験飼
料にて継続飼育した。この時の感染魚のヘテロボツリウ
ム虫のステージは親虫であった。混養を開始して30日
経過時に、各区から正常魚4尾をサンプリングし、鰓に
寄生している本虫の数を測定した。試験期間中の水温
は、16.5〜20.9℃であった。試験期間中の換水
は20回転/日とした。
評価は、試験期間中の各区の死亡状況を比較するこ
と、および、治癒効果ならびに感染防止効果を調べるた
め各区感染魚の鰓を寄生数を測定し比較することで行っ
た。
〈結果と考察〉 試験終了時の感染魚の生残は、オクタン酸添加区が6
6.7%、対照区が生残率16.7%であり、オクタン
酸の効果が認められた(第3図)。試験終了時に生残し
ていたオクタン酸添加区の感染魚の本虫の寄生状況は、
対照区と比べ親虫、幼虫とも明らかに少ない結果となっ
た(第6図)。また、死亡魚に関しても同様な傾向であ
った(第5図)。試験開始時の感染魚には約100個体
寄生していた親虫が、試験終了時のオクタン酸添加区の
生残魚では、27個体程度まで減少している。この結果
は、オクタン酸は本虫の親虫に対し駆除効果、すなわち
本症に対し治癒効果を有することを示している。過酸化
水素、ホルマリンなどの薬剤は、親虫に対し駆除効果は
認められておらず、次世代の繁殖を防止できない。この
ため過酸化水素などの使用では繰り返し処理を行わなけ
れば完全に本虫の感染を断ち、治癒させることは不可能
である。
一方正常魚の生残は、添加区が75%、対照区が0%
であり、オクタン酸の効果が前述同様に認められた(第
4図)。30日経過時の添加区正常魚の本虫寄生数は、
対照区と比べて明らかに少なく、感染防止効果が認めら
れた(第7図)。試験終了時の生残魚、試験期間中の死
亡魚に関しても明らかに本虫の寄生数が少ない結果とな
った(第8図、第9図)。
以上の結果から、オクタン酸を餌に添加し、魚に経口
投与することにより、ヘテロボツリウム感染魚に対し、
治癒効果、感染防止効果が確認された。また、オクタン
酸だけではなく、C6〜C12の脂肪酸を餌に添加する
ことで、魚類寄生虫感染に対し駆除効果が期待できるこ
とが推測された。
[試験4] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約9.8gのマダイを試験に用い
た。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区と無添加飼料を給餌する対照区の計2区とした。ま
た、給餌量は、各区魚体重に対し3%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のマダ
イ用ペレット1kgに対し、5gのオクタン酸を噴霧す
ることで行った。対照区は、市販のマダイ用ペレットと
した。
攻撃試験:白点虫感染などの疾病の認められない群の
魚30尾をそれぞれ100リットル水槽に収容し、各試
験飼料を給餌した。5日後に各水槽に2000個体の白
点虫孵化仔虫を入れ、1時間止水の状態で感染させた。
15日間試験飼料にて継続飼育した。試験期間中の水温
は22.5〜23.2℃であった。試験期間中の換水は
20回転/日とした。
評価は、攻撃開始3日後に各区から5尾をサンプリン
グし、その鰓、体表に寄生している本虫の寄生数比較す
ること、ならびに試験期間中の各区の死亡状況を比較す
ることで行った。
〈結果と考察〉 攻撃後、3日経過時のサンプリング魚において、オク
タン酸添加区の本虫寄生は、まったく認められなかった
が、対照区では、その寄生が認められた(第10図)。
その後、対照区は7日経過時より斃死が起こり8日経過
時に全滅した(第11図)。それら死亡個体の本虫寄生
は鰓に約800個体、体表1cm2当り約20個体であ
り、明らかに本虫が増殖していた。それに対し、オクタ
ン酸添加区は、死亡個体が認められず、試験終了時にお
いてもその寄生は、認められなかった。
以上の結果から、オクタン酸を餌に添加し、魚に経口
投与することにより、白点虫の感染、増殖を阻止するこ
とが可能であることが明らかとなった。
[試験5] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約117gのカンパチを試験に用
いた。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区と無添加飼料を給餌する対照区の計2区とした。ま
た、給餌量は、各区魚体重に対し3%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のカン
パチ用ペレット1kgに対し、8gのオクタン酸を噴霧
することで行った。対照区は、市販のカンパチ用ペレッ
トとした。
試験:試験は、フィールドである海面で、10×10
×9mイケスを用い行った。各区15000尾の魚を、
市販の過酸化水素を主成分とする寄生虫駆除剤で処理
し、各イケスに収容した。この時、各区試験魚20尾を
調べ、鰓に寄生するヘテラキシネと体表に寄生するベネ
デニアが駆除できていることを確認した。同時に血管内
吸虫が寄生していることを、鰓の血管内の卵の有無を調
べることで行った。9日間試験飼料にて飼育した。試験
期間中の水温は18.5〜20.0℃であった。
評価は、9日間の飼育後、各区20尾の魚をサンプリ
ングし、その鰓のヘテラキシネ、体表のベネデニア寄生
数と、鰓弁内の血管内吸虫卵数を計測し、比較すること
で行った。
〈結果と考察〉 薬浴処理直後、ヘテラキシネ、ベネデニアの寄生は、
両区とも認められなかった。飼育終了時のサンプリング
魚のヘテラキシネ寄生数は、オクタン酸添加区において
対照区より明らかに少なく、その効果が認められた(第
12図)。それに対し、ベネデニアの寄生数の差は、両
区間に認められなかった(第13図)。一方血管内吸虫
卵は、両区とも試験開始時に観察され、魚体への本虫寄
生が認められた。飼育終了時のサンプリング魚におい
て、対照区で血管内吸虫卵が観察されたのに対し、オク
タン酸添加区では、その卵は全く観察されず、オクタン
酸が虫体に対し駆除効果を有していることが考えられた
(第14図)。
試験3、4、5の結果より、オクタン酸を餌に添加
し、魚に経口投与することにより、寄生虫感染に対し、
明らかな治癒効果、感染防止効果が確認された。その対
照魚種に関しては、トラフグ、マダイ、カンパチと分類
上異なる魚種で効果が認められたことから、魚類全般に
渡り、その有効性を発揮することが考えられた。人間に
おいて中鎖脂肪酸は、投与後速やかに吸収され、エネル
ギー源として利用される。その利用までの過程におい
て、血中に出現することが知られている。魚類において
も同様に、投与後速やかに吸収され、エネルギー源とし
て利用される過程で血中に出現することが推測される。
in vivoの試験で効果が認められたヘテロボツリウム、
白点虫、ヘテラキシネは、宿主の血液を栄養源とするこ
とが報告されている。血管内吸虫は宿主血管内に寄生す
ることから、常に宿主の血液と接してしる。これに対
し、効果が認められなかったベネデニアは、体表に寄生
しており、その栄養源は粘液であることが報告されてい
る。よって、in vivoにおける中鎖脂肪酸の抗寄生虫作
用は、投与された脂肪酸が血中に出現し、寄生虫がその
宿主血液を摂取する、もしくは血液に接することにより
発揮されるものと推測された。
[試験6] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約50.0gのトラフグを試験に
用いた。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区、このオクタン酸添加飼料にさらにビタミンCを増
強したオクタン酸添加ビタミンC増強区と無添加飼料を
給餌する対照区の計3区とした。また、給餌量は、各区
魚体重に対し2%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のトラ
フグ用ペレット1kgに対し、5gのオクタン酸を噴霧
することで行った。オクタン酸添加ビタミンC増強飼料
の作製は、前述のオクタン酸添加飼料1kgに対し、水
で溶解したビタミンC200mgを噴霧することで行っ
た。対照区は、市販のトラフグ用ペレットとした。
攻撃試験:寄生虫感染などの疾病の認められない群の
魚5尾をそれぞれ100リットル水槽に収容し、各試験飼料
を給餌した。7日後に各水槽に750個体のヘテロボツ
リウム孵化仔虫を入れ、1時間止水の状態で感染させ
た。感染は一日置きに同じ条件で計5回行った。最初の
感染から15日間飼料試験にて継続飼育した。試験期間
中の水温は25±1℃であった。試験期間中の換水は2
0回転/日とした。
評価は、最初の攻撃から15日後に各区の全供試魚を
サンプリングし、その鰓に寄生している本虫の寄生数比
較すること、ならびに試験期間中の各区の死亡状況を比
較することで行った。
〈結果と考察〉 オクタン酸添加区の本虫寄生は、対照区と比べ明らか
に少なく、オクタン酸添加効果が再現された(第15
図)。一方、オクタン酸添加ビタミンC増強区の本虫寄
生は、効果が認められたオクタン酸添加区と比べ、さら
に少ない結果となった。
以上の結果から、飼料へのオクタン酸添加とビタミン
C量を通常飼料以上に増強添加することを併用すること
で、さらに本虫に対する防除効果を高められることが明
らかとなった。
[試験7] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約15.8gのマダイを試験に用
いた。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区、このオクタン酸添加飼料にさらにビタミンCを増
強したオクタン酸添加ビタミンC増強区と無添加飼料を
給餌する対照区の計3区とした。また、給餌量は、各区
魚体重に対し3%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のマダ
イ用ペレット1kgに対し、2.5gのオクタン酸を噴
霧することで行った。オクタン酸添加ビタミンC増強飼
料の作製は、前述のオクタン酸添加飼料1kgに対し、
水で溶解したビタミンC200mgを噴霧することで行
った。対照区は、市販のマダイ用ペレットとした。
攻撃試験:白点虫感染などの疾病の認められない群の
魚30尾をそれぞれ100リットル水槽に収容し、各試
験飼料を給餌した。5日後に各水槽に2000個体の白
点虫孵化仔虫を入れ、1時間止水の状態で感染させた。
60日間試験飼料にて継続飼育した。試験期間中の水
温は24±1℃であった。試験期間中の換水は20回転
/日とした。
評価は、攻撃開始18、31日後に各区から5尾をサン
プリングし、その鰓に寄生している本虫の寄生数比較す
ること、ならびに試験期間中の各区の死亡状況を比較す
ることで行った。
〈結果と考察〉 攻撃後、18、31日経過時のサンプリング魚におい
て、オクタン酸添加区の本虫寄生は、対照区と比べ明ら
かに少なく、オクタン酸添加の効果が再現された(第1
6図)。オクタン酸添加区の生残は、対照区と同等で全
滅となったが、その斃死時期は、遅れて始まっており、
添加効果が認められた(第17図)。一方、オクタン酸
添加ビタミンC増強区の18、31日経過時における本
虫寄生は、オクタン酸添加区と同等であった。しかし、
試験終了時まで斃死は認められず、生残魚に関しても
鰓、体表に本虫寄生は認められなかった。また、水槽内
においても本虫のシストは認められず、オクタン酸添加
ビタミンC増強区魚に関しては、本虫が治癒したものと
考えられた。
以上の結果から、飼料へのオクタン酸添加とビタミン
C量を通常飼料以上に増強添加することを併用すること
で、さらに本虫に対する防除効果を高めることが明らか
となった。魚において、ビタミンCの免疫賦活作用は研
究されており、その効果が認められている。よって、オ
クタン酸と免疫賦活作用を持った物質との餌への添加併
用は、さらにオクタン酸の抗寄生虫活性効果を高めるこ
とが考えられた。また、後述する細菌、ウイルスに対し
ても同様に併用効果を有することが考えられる。
[試験8] 供試魚:平均魚体重約15.8gのマダイを試験に用
いた。
試験区:オクタン酸添加飼料を給餌するオクタン酸添
加区、オクタン酸添のモノグリセライド添加飼料を給餌
するモノグリセライド添加区、オクタン酸のトリグリセ
ライド添加飼料を給餌するトリグリセライド添加区と無
添加飼料を給餌する対照区の計4区とした。また、給餌
量は、各区魚体重に対し3%/日とした。
試験飼料:オクタン酸添加飼料の作製は、市販のマダ
イ用ペレット1kgに対し、2.5g(餌重量に対し、
17.5mM)のオクタン酸を噴霧することで行った。
オクタン酸のモノグリセライド、トリグリセライドはオ
クタン酸残基でオクタン酸飼料と同様に17.5mMと
なるようにし添加した。すなわち、市販のマダイ用ペレ
ット1kgに対し、モノグリセライドを3.8g、また
トリグリセライドを2.7gを噴霧することで、飼料を
作製した。対照区は、市販のマダイ用ペレットとした。
攻撃試験:白点虫感染などの疾病の認められない群の
魚10尾をそれぞれ100リットル水槽に収容し、各試
験飼料を給餌した。5日後に各水槽に2000個体の白
点虫孵化仔虫を入れ、1時間止水の状態で感染させた。
31日間試験飼料にて継続飼育した。試験期間中の水温
は24±1℃であった。試験期間中の換水は20回転/
日とした。
評価は、攻撃開始18、31日後に各区から5尾をサン
プリングし、その鰓に寄生している本虫の寄生数比較す
ることで行った。
〈結果と考察〉 攻撃後、18、31日経過時のサンプリング魚におい
て、オクタン酸添加区の本虫寄生は、対照区と比べ明ら
かに少なく、オクタン酸添加の効果が再現された(第1
8図)。一方、モノグリセライド、トリグリセライド添
加区の本虫寄生は、対照区と比べ明らかに少なく、同様
にその効果が認められた。
我々は、オクタン酸のトリグリセライドはin vitro
で、白点虫に対して抗寄生虫活性を示さないこと、一方
モノグリセライドはオクタン酸と比べ抗寄生虫活性は低
いが効果を有していること等を確認している。人間にお
いて、中鎖脂肪酸のトリグリセリドは、腸管でリパーゼ
の働きによりフリーの脂肪酸となり、門脈を経由して肝
臓へ運ばれる。その過程で、血液中にその脂肪酸が出現
する。魚類においても、同様な消化過程であれば、中鎖
のトリグリセライドが魚体内でフリーの脂肪酸となり抗
寄生虫活性を発揮するとしてもおかしくないと推測され
る。
以上の結果、現象から、中鎖脂肪酸のモノグリセライ
ド、トリグリセリドにおいても、魚体内での代謝を受け
ることにより、寄生虫、後述する細菌、ウイルスに対
し、効果を発揮することが考えられた。
[試験9] 〈方法〉 130gのトラフグを100ppm、200ppm、
400ppm量のオクタン酸を添加した海水2リットル
に浸漬し、観察を行った。
〈結果と考察〉 100ppm区においては、60分経過時においても
遊泳が若干不活発になる程度で、魚に異常は認められな
かった。再び海水に戻しても異常は認められなかった。
200ppm区では、30分経過時より遊泳が明らかに
不活発となり60分経過時には横臥状態となった。再び
海水に戻したところ30分程度で通常の状態まで回復し
た。440ppm区では、3分で横臥状態となり、9分
経過時には瀕死状態となった。この状態で海水に戻した
ところ60分程度で通常の状態まで回復した。海水に戻
したこれらの魚を7日間観察したが、異常は認められな
かった。以上の結果から、魚種により適正な濃度を把握
することで、魚を浸漬可能であると考えられた。
[試験10] 〈方法〉 白点虫が寄生している300gのトラフグを200p
pm量のオクタン酸を含む海水に2分間浸漬し、海水に
戻した。海水に戻してから3時間後に白点虫の寄生状況
と虫体を観察した。
〈結果と考察〉 体表に寄生した虫体は2平方センチメートル当たり2
61個体であったが、運動性を有し明らかに生きている
と考えられた虫体は9個体であった。鰓に寄生している
虫体は1鰓弓当たり356個体であったが、運動性を有
し明らかに生きていると考えられた虫体は193個体で
あった。処理前に調べたトラフグの虫体は、2平方セン
チメートル当たり193個体、1鰓弓当たり624個体
でありいずれの個体も運動性を有していた。以上の結果
より、魚を浸漬することにおいても、その寄生している
本虫に対し殺虫効果があることが考えられた。
実施例2 〈目的〉 中鎖の脂肪酸の抗菌活性は、知られているが、魚病細
菌に関する報告はない。そこで試験8でin vitroでのデ
カン酸を中心とした脂肪酸の魚病細菌に対する抗菌活性
を調べた。試験9でデカン酸をホシガレイの餌に添加
し、投与することで細菌症の治癒、ならびに感染防止効
果の有無を検討した。
[試験11] 〈方法〉 方法は、比濁法を用い行った。C2〜C10の脂肪酸
をBHI液体培地2mlに500ppm濃度で溶解し
た。調整した各培地に、魚類の細菌性疾病を引き起こす
代表的な菌(ビブリオ症菌、エドワジエラ症菌、腸球菌
症菌)を1×105個接種し、23℃、13時間培養し
た。培養後、600nmにおける濁度を測定し、菌の増
殖量とした。また、試験は2回行った。結果を第19図
(ビブリオ症菌)、第20図(エドワジエラ症菌)、第
21図(腸球菌症菌)に示した。
〈結果と考察〉 C6〜C10において、明らかにビブリオ菌、エドワ
ジエラ菌に対し抗菌活性が認められた。さらにC9、C
10においては、腸球菌症菌に対しても抗菌活性が認め
られた。
この結果より、C6〜C10の脂肪酸が魚病細菌に対
し、抗菌活性を有していることが明らかとなり、その中
でもC9、C10が多くの魚病細菌に対して抗菌活性を
有することが考えられた。また、C12に関しては、溶
解度が低く、同一条件での試験は行えなかったが、低濃
度でも同様の活性が認められた。
[試験12] 〈方法〉 供試魚として、平均魚体重約60gのホシガレイを用
いた。4×4×2.5mの海上イケスにホシガレイ27
0尾を搬入し、100日間飼育した。試験は、発生した
細菌症に対し、抗生物質であるオキシテトラサイクリン
(OTC)を飼料に混合し、0.5g10%薬剤/kg
魚体重/日で6日間投与する方法と、デカン酸0.5%
を含む飼料を継続投与する方法で行い、死魚数、魚の状
態を観察比較した。また、各投与は1日に朝、夕の2回
とした。飼育試験中の水温は14〜17℃であった。結
果を第22図に示した。
〈結果と考察〉 飼育開始20日に、ビブリオ症、滑走細菌症が発生
し、死亡魚が出現した。飼育開始22〜27日の6日間
OTC投与を行った。その後、死亡数は減少したものの
ビブリオ病の完治は認められず、依然だらだらと死亡が
続いた。試験開始61日から再びビブリオ症、滑走細菌
症による死亡が増加した。飼育開始64日からデカン酸
添加飼料を投与した。それ以降、明らかに死亡数が減少
し、飼育開始72日以降全く死亡が認められなくなっ
た。さらに、ビブリオ症や滑走細菌症による体表のス
レ、出血症状を呈する個体が観察されなくなった。ま
た、その良好な状態は、飼育終了時まで続いていた。
以上の結果から、デカン酸を餌に添加し、魚に経口投
与することにより、魚類細菌症に対し、治癒効果、感染
防止効果が確認された。また、デカン酸だけでなく、C
6〜C12の脂肪酸を餌に添加することで、魚類細菌感
染に対し、同様な効果が期待できることが推測された。
また、本効果は、in vivoにおける寄生虫での効果を支
持する結果であり、投与された中鎖脂肪酸が血中に出現
し、魚病細菌はその血液と接触することで悪影響を受け
ることが考えられた。以上のメカニズムを考えると、in
vivoでの投与効果は、魚類全般で、in vitroで効果が
認められる細菌症であれば、得られるものと考えられ
る。
実施例3 〈目的〉 中鎖の脂肪酸の抗ウイルス活性は、知られているが、
魚類ウイルス、経口投与に関する報告はない。そこで、
今回、我々はウイルス性疾病のうちで最も被害額の大き
なトラフグ口白症を対象疾病とした。本症は1981年
に報告されて以来、毎年の様に発症が報告され、甚大な
被害を出しているが、未だに有効な防疫ならびに治療法
がない。そこでC6〜C12の脂肪酸をトラフグの餌に添
加し、投与することで口白症の発病防止効果の有無を検
討した。
[試験13] 〈方法〉 供試魚:平均魚体重約27.7gのトラフグを用い
た。
試験区:は脂肪酸添加飼料を給餌する脂肪酸添加飼料
区と無添加飼料を給餌する対照区の2区とした。また、
給餌量は、各区魚体重に対し2%/日とした。
試験飼料:脂肪酸添加飼料の作製は、市販のトラフグ
用ペレット1kgに対し、10gのC6、C8、C1
0、C12を等量ずつ混合してある脂肪酸を噴霧するこ
とで行った。対照区は市販のトラフグ用ペレットとし
た。
攻撃試験:口白症感染などの疾病の認められない群の
魚20尾をそれぞれ100リットル水槽に収容し、各試
験飼料を給餌した。14日後に、原液より10のマイナ
ス8乗希釈したウイルス液を全魚に接種した。摂取量は
1尾あたり50μlとし、筋肉に接種した。攻撃を開始
してから16日間飼育し、各区の死亡状況を比較した。
試験期間中の水温は、25±1℃であり、換水を20回
転/日とした。
〈結果と考察〉 第23図に示すとおり、試験終了時の生残率は、脂肪
酸添加飼料区が60%、対照区が25%であり、脂肪酸
を経口投与することにより、口白症の発病を防げること
が確認された。
以上の結果から、C6〜C12の脂肪酸を餌に添加す
ることで、魚類ウイルス症に対し予防と治癒効果が期待
できることが考えられた。また、本効果は、in vivoに
おける寄生虫、細菌での効果を支持する結果であり、投
与された中鎖脂肪酸が血中に出現し、ウイルスはその血
液と接触することで悪影響を受けることが考えられた。
以上のメカニズムを考えると、in vivoでの投与効果
は、魚類全般で、in vitro効果が認められるウイルス症
であれば、得られるものと考えられる。
産業上の利用可能性 魚類寄生虫症、細菌感染症、ウイルス感染症などの魚
病に対し効果を有する天然生理活性物質を提供すること
ができる。魚病に対し効果を有する天然生理活性物質を
含有する魚類用飼料を提供することができる。
例えば天然生理活性物質を餌の成分とするだけで、あ
るいは抗寄生虫作用、抗細菌作用および/または抗ウイ
ルス作用を有する薬浴液としての使用するだけで、魚病
による斃死をさせることなく魚類を飼育することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/16 A61K 31/16 31/23 31/23 A61P 31/04 171 A61P 31/04 171 31/12 171 31/12 171 33/00 171 33/00 171 (72)発明者 三星 亨 大分県南海部郡鶴見町有明浦508−8 日本水産株式会社 大分海洋研究センタ ー内 (72)発明者 秦 和彦 大分県南海部郡鶴見町有明浦508−8 日本水産株式会社 大分海洋研究センタ ー内 (56)参考文献 特開 平4−158750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/19 A61K 31/20 A61K 31/32 A61K 31/16 A61K 31/375 A61K 45/00 A23K 1/16 A23K 1/18 A61P 31/04 A61P 31/12 A61P 33/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン
    酸、カプリン酸およびラウリン酸から選ばれる炭素数6
    ないし12の脂肪酸を含有する魚類寄生虫症の予防およ
    び/または治療に用いる天然生理活性組成物。
  2. 【請求項2】 上記の炭素数6ないし12の脂肪酸がカ
    プリン酸、カプリル酸およびペラルゴン酸から選ばれる
    請求項1の天然生理活性組成物。
  3. 【請求項3】 上記の炭素数6ないし12の脂肪酸を、
    炭素数6ないし12のフリーの脂肪酸、分子中に炭素数
    6ないし12の脂肪酸残基を有する塩、エステルおよび
    アミドから選ばれる少なくとも1種以上として含有する
    請求項1または2の天然生理活性組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、ビタミンC活性を有する物質を
    含有する請求項1、2または3の天然生理活性組成物。
  5. 【請求項5】 カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン
    酸、カプリン酸およびラウリン酸から選ばれる炭素数6
    ないし12の脂肪酸を含有する魚類寄生虫症の予防およ
    び/または治療に用いる天然生理活性組成物の、魚類寄
    生虫症の予防および/または治療に対し効果を有する至
    適濃度での魚類用飼料の成分としての使用。
  6. 【請求項6】 上記の炭素数6ないし12の脂肪酸がカ
    プリン酸、カプリル酸およびペラルゴン酸から選ばれる
    請求項5の魚類用飼料の成分としての使用。
  7. 【請求項7】 上記の炭素数6ないし12の脂肪酸を、
    炭素数6ないし12のフリーの脂肪酸、分子中に炭素数
    6ないし12の脂肪酸残基を有する塩、エステルおよび
    アミドから選ばれる少なくとも1種以上として含有する
    請求項5または6の魚類用飼料の成分としての使用。
  8. 【請求項8】 さらに、ビタミンC活性を有する物質を
    用いる請求項5、6または7の魚類用飼料の成分として
    の使用。
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