JP3471972B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3471972B2 JP13774495A JP13774495A JP3471972B2 JP 3471972 B2 JP3471972 B2 JP 3471972B2 JP 13774495 A JP13774495 A JP 13774495A JP 13774495 A JP13774495 A JP 13774495A JP 3471972 B2 JP3471972 B2 JP 3471972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置、特に最高変速段及びこれより1段下の変速段間の
変速(通常はオーバードライブ:OD及び第3速間の変
速)を、自動変速機の作動油温度に応じて制御する装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、走行状態に対応する複数
の変速段のうちの1つの変速段を自動的に選択(自動変
速)して、この変速段における動力伝達を行うように構
成されている。しかしながら、この自動変速を無制限に
行うのでは、構成部品を損傷させて車両が走行不能とな
る場合がある。たとえば、自動変速機の作動油温度が所
定値よりも低い状態で、最高変速段における動力伝達を
許容した場合には、高速回転するギア部品の作動油によ
る潤滑が十分に行われず、ギアの焼きつきを発生して、
車両が走行不能となることがある。このような不具合を
解決するための従来の自動変速機の変速制御装置として
は、特開昭58−203255公報に示されるように、
所定以下の作動油温度においては、高速側の変速段の選
択を禁止するように構成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の自動変速機の変速制御装置には、高速側の
変速段の選択が禁止される機会が多い分だけ、燃費が悪
くなるだけでなく、大きい騒音を発生する領域で走行す
る機会が多くなるという問題点がある。低温における部
材の潤滑状態を改善するために、オイルポンプの容量を
大きくしたり、ライン圧を一般のものよりも高くしたり
して、潤滑油量を増大させることが考えられるが、いず
れの場合においても、オイルポンプの負荷が増大するた
め、かえって燃費を悪化させる可能性がある。最近の自
動変速機は、燃費低減対策及び騒音低減対策の関係で、
最高変速段に設定できる範囲を拡大しようとする傾向に
あり、できるだけ広い使用条件範囲で最高変速段におけ
る走行を可能にすることが要求されている。本発明は、
このような課題を解決することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動変速機の
実際の作動油温度が所定の低温範囲内にある場合には、
必要な潤滑油量を確保できる程度に、実際の作動油温度
の高低に応じて最低限のライン圧上昇をさせるようにす
ることにより、上記課題を解決する。すなわち、本発明
の請求項1記載の自動変速機の変速制御装置は、走行条
件に対応する複数の変速段のうちの1つを自動的に選択
して、動力の伝達を行うように構成されており、自動変
速機の実際の作動油温度が、あらかじめ決定した所定値
よりも低い間は、上記複数の変速段のうち、少なくとも
最高速側の変速段を選択することを禁止する手段を設け
た自動変速機の変速制御装置において、上記手段は、実
際の作動油温度が、上記所定値よりも高い場合には、最
高速側の変速段の選択を許容する従来の許可領域と、実
際の作動油温度が、上記所定値よりも低い場合には、実
際の作動油温度の高低に応じて、最高速側の変速段の選
択を禁止したままとする禁止領域と、ライン圧を実際の
作動油温度に応じて、通常制御時の値よりも増圧制御す
るとともに、最高速側の変速段の選択を許容する条件付
許可領域と、に分けて変速を制御するように構成されて
いること、を特徴としている。また、請求項2記載のも
のは、自動変速機の変速を制御するA/Tコントロール
ユニット(10)と、自動変速機内の実際の作動油温度
を検知する油温センサ(14)と、自動変速機に油圧を
供給するオイルポンプ(22)と、供給された油圧をラ
イン圧(PL )として調整するライン圧ソレノイド(2
0)と、を有しており、A/Tコントロールユニット
(10)は、油温センサ(14)からの実際の作動油温
度(T)に基づいて、自動変速機の実際の作動油温度
が、あらかじめ決定した所定値よりも低い場合には、最
高変速段を選択する走行条件のもとでも、最高変速段が
選択されるのを禁止するように構成された自動変速機の
変速制御装置において、上記A/Tコントロールユニッ
ト(10)は、あらかじめ決定した低温側下限油温(t
1 )、及び低温側上限油温(t2 )をそれぞれ記憶して
いるとともに、これらの設定油温(t1 、t2 )と上記
実際の作動油温度(T)とを比較し、T<t1 の条件の
場合には、ODスイッチのONを禁止する一方、t1 <
T<t2 の条件の場合には、ライン圧ソレノイド(2
0)のON・OFFを制御することにより、実際の作動
油温度(T)と低温側上限油温(t2 )との差の値に応
じて、ライン圧(PL )を通常制御時の値よりも増圧制
御するとともに、ODスイッチのONを許可し、T>t
2 の条件の場合には、ライン圧ソレノイド(20)のO
N・OFFを通常制御に切り換えてライン圧(PL )を
通常制御時の値とするとともに、ODスイッチのONを
許可するようにしたこと、を特徴としている。さらに、
請求項3記載のものは、上記低温側下限油温(t1 )
は、所定の潤滑油量を確保できる作動油温度から決定さ
れること、を特徴としている。なお、かっこ内の符号
は、実施例の対応する部材を示す。
【0005】
【作用】請求項1記載のものにおいては、自動変速機の
実際の作動油温度が、あらかじめ決定した所定値よりも
高い場合には、最高速側の変速段の選択を許容する従来
の許可領域で変速を制御する。また、実際の作動油温度
が、上記所定値よりも低い場合には、実際の作動油温度
の高低に応じて、最高速側の変速段の選択を禁止したま
まとする禁止領域と、ライン圧を実際の作動油温度に応
じて、通常時制御の値よりも増圧制御するとともに、最
高速側の変速段の選択を許容する条件付許可領域と、の
2つに分けて変速を制御する。これにより、従来よりも
最高速側の変速段を選択できる温度領域を広くすること
ができる。請求項2記載のものにおいては、A/Tコン
トロールユニット(10)は、あらかじめ記憶してある
低温側下限油温(t1 )、及び低温側上限油温(t2 )
を、油温センサ(14)によって測定した実際の作動油
温度(T)と比較し、T<t1 の条件の場合には、OD
スイッチのONを禁止するが、実際の作動油温度(T)
が上昇してt1 <T<t2 の条件を満足するようになる
と、ODスイッチのONが許可される。この場合、実際
の作動油温度(T)が低温側下限油温(t1)よりも上
昇するにつれて、潤滑油流量が必要流量に見合うだけの
流量になるように、オイルポンプ(22)から吐出され
たライン圧(PL )をライン圧ソレノイド(20)のO
N・OFFを制御することにより調整する。さらに、T
>t2の条件になると、ライン圧(PL )が所定の通常
制御時の値になるように、ライン圧ソレノイド(20)
の制御が切り換えられる。この請求項2のものにおいて
は、従来のものに、特別に追加部材を設けるような必要
はなく、A/Tコントロールユニット(10)の制御プ
ログラムを変更するだけで済み、安価な費用で、従来よ
りも最高速側の変速段を選択できる温度領域を広くする
ことができる。請求項3記載のものにおいては、上記低
温側下限油温(t1 )は、所定の潤滑油量を確保できる
作動油温度から決定されるので、必要以上にライン圧
(PL )を上げるようなことがなく、よりいっそう燃費
をむだにしないで済む。
【0006】
【実施例】図1に本発明の実施例を示す。自動変速機
(A/T)のコントロールユニット10には、スロット
ルセンサ12からのスロットル開度Th、油温センサ1
4からの作動油温度T、車速センサ16からの車速V、
及びインヒビタースイッチ18からの信号Iがそれぞれ
入力されている。A/Tコントロールユニット10は、
これらの入力に基づいて、ライン圧特性パターンに基づ
く制御、通常時制御、ロックアップ時制御、変速時制
御、及び低温時制御を行うように構成されている。本発
明においては、A/Tコントロールユニット10は、こ
れらの制御のうちの変速時制御、及び低温時制御とし
て、油温センサ14から入力された実際の作動油温度T
に基づいて、OD(最高変速段)スイッチのONを許す
か否かを判断するとともに、ライン圧ソレノイド20の
ON・OFFをデューティ制御することにより、ライン
圧を制御するようにしている。ライン圧ソレノイド20
は、OFF時間の割合が多いときほどオイルポンプ22
から吐出された作動油のタンクへのドレーン量を少なく
して、ライン圧を高く制御し、ON時間の割合が多いと
きほどドレーン量を多くして、ライン圧を低く制御する
ように構成されている。なお、オイルポンプ22とライ
ン圧ソレノイド20とを接続する油路30には、パイロ
ットバルブ24、及びストレーナ26が設けられてい
る。A/Tコントロールユニット10には、あらかじめ
設定した低温側下限油温t1 、及び低温側上限油温t2
が記憶されている。A/Tコントロールユニット10
は、油温センサ14から入力された実際の作動油温度T
と、設定された低温側下限油温t1 (たとえばー10
℃)、及び低温側上限油温t2 (たとえば10℃)とを
比較して、T<t1 の条件(禁止領域)の場合には、O
DスイッチのONを禁止して、第3速(最高変速段より
も1段下の変速段)を自動選択するが、T>t1 の条件
の場合には、ODスイッチのONを許すようにしてい
る。また、T>t1 を満足する条件のうちで、図2及び
3に示すように、t1 <T<t2 の条件(条件付許可領
域)の場合には、作動油温度の低いときほどライン圧が
高くなるようにライン圧ソレノイド20のON・OFF
を制御する一方、T>t2 の条件の場合には、ライン圧
を通常時制御に切り換えて、所定の最低ライン圧に設定
するようにしている。図4に示すように、ラインを流れ
る潤滑油流量は、ライン圧が低いときほど少なく、ま
た、高いときほど多くなる傾向があるので、ライン圧の
大きさを作動油温度と反比例させて制御することによ
り、作動油温度が低いときほど潤滑油流量を多くするこ
とができ、高速回転の条件においても、ギア部品の潤滑
を十分に行うことができる。低温側下限油温t1 は、所
定の潤滑油量を確保できる作動油温度であり、コントロ
ールバルブのレギュレータの設定、オイルポンプ22の
容量などに基づいて決定される。このようにして決定さ
れた低温側下限油温t1 に基づいて上記のように禁止領
域と、条件付許可領域とを設定することにより、禁止領
域では、潤滑油量の増減にかかわらず、OD許可を禁止
するため、不用意にライン圧を上げる必要もなく、ライ
ン圧を通常制御時の値に復帰させることが可能となり、
燃費をむだにするようなことがなくて済む。
【0007】次に、この実施例の作用を説明する。エン
ジンをスタートさせると、油温センサ14からの実際の
作動油温度TがA/Tコントロールユニット10に取り
込まれる。A/Tコントロールユニット10は、あらか
じめ記憶してある低温側下限油温t1 、及び低温側上限
油温t2 を、油温センサ14によって測定した実際の作
動油温度Tと比較し、T<t1 の条件の場合には、OD
スイッチのONを禁止するとともに、オイルポンプ22
から吐出されたライン圧PL があらかじめ設定した最大
値(PL max の線上で、Tに対応する値)になるよう
に、ライン圧ソレノイド20のON・OFFをデューテ
ィ制御する。これにより、車両は第3速以下の車速で走
行することが許されることになる(図4中、A点よりも
左側の領域)。十分な暖機が行われて、実際の作動油温
度Tが上昇してt1 <T<t2 の条件を満足するように
なると、ODスイッチのONが許可され、車両は第4速
で走行できることになる。この場合、実際の作動油温度
Tが低温側下限油温t1 よりも上昇するにつれて、潤滑
油流量が必要流量に見合うだけの流量になるように、ラ
イン圧PL が低下させられていくことになる(図4中潤
滑油流量と作動油温度の線図がPL max の線図から次第
に離れてPL min の線図に近づくことになる。図4中、
B領域)。さらに、T>t2 の条件になると、ライン圧
は通常制御のPL に切り換えられる(図4中、C点より
も右側の領域)。このように、潤滑油の必要流量を確保
できる範囲が従来よりも低温側に移動したことになるの
で、最高変速段で走行できる作動油温度範囲を、低温側
に広げることができる。
【0008】なお、上記実施例の説明においては、4段
変速の自動変速機に本発明を適用するものとしたが、5
段変速の自動変速機に本発明を適用することもできる。
【0009】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
と、最高変速段で走行できる作動油温度範囲を低温側に
広げることができる。低温時にライン圧を上昇させる場
合も、必要な潤滑油流量が確保できるだけの昇圧にとど
めてあるので、それほど燃費を悪化させないで済み、最
高変速段で走行できる範囲が広がったことと合わせて、
燃費を改善することができる。また、騒音の低い領域で
走行する機会を多くすることができる。請求項2のよう
に構成した場合には、従来のものに、特別に追加部材を
設けるような必要はなく、制御プログラムを変更するだ
けで済み、安価な費用で、従来よりも最高速側の変速段
を選択できる作動油温度領域を広くすることができる。
請求項3のように構成した場合には、必要以上にライン
圧を上げるようなことがなく、よりいっそう燃費をむだ
にしないで済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す装置構成図である。
【図2】オーバードライブが可能な場合のライン圧の制
御を説明する図である。
【図3】作動油温度に対するライン圧制御の傾向を説明
する図である。
【図4】作動油温度に対する潤滑油流量の傾向を示す図
である。
【符号の説明】
10 A/Tコントロールユニット 14 油温センサ 20 ライン圧ソレノイド 22 オイルポンプ PL ライン圧 T 実際の作動油温度 t1 低温側下限油温 t2 低温側上限油温
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−203255(JP,A) 特開 昭63−176850(JP,A) 特開 平1−307552(JP,A) 特開 平5−332446(JP,A) 特開 平4−254065(JP,A) 実開 昭61−133150(JP,U) 実開 平2−96068(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行条件に対応する複数の変速段のうち
    の1つを自動的に選択して、動力の伝達を行うように構
    成されており、自動変速機の実際の作動油温度が、あら
    かじめ決定した所定値よりも低い間は、上記複数の変速
    段のうち、少なくとも最高速側の変速段を選択すること
    を禁止する手段を設けた自動変速機の変速制御装置にお
    いて、 上記手段は、実際の作動油温度が、上記所定値よりも高
    い場合には、最高速側の変速段の選択を許容する従来の
    許可領域と、 実際の作動油温度が、上記所定値よりも低い場合には、
    実際の作動油温度の高低に応じて、 最高速側の変速段の選択を禁止したままとする禁止領域
    と、 ライン圧を実際の作動油温度に応じて、通常制御時の値
    よりも増圧制御するとともに、最高速側の変速段の選択
    を許容する条件付許可領域と、 に分けて変速を制御するように構成されていること、 を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 自動変速機の変速を制御するA/Tコン
    トロールユニット(10)と、 自動変速機内の実際の作動油温度を検知する油温センサ
    (14)と、 自動変速機に油圧を供給するオイルポンプ(22)と、 供給された油圧をライン圧(PL )として調整するライ
    ン圧ソレノイド(20)と、 を有しており、 A/Tコントロールユニット(10)は、油温センサ
    (14)からの実際の作動油温度(T)に基づいて、自
    動変速機の実際の作動油温度が、あらかじめ決定した所
    定値よりも低い場合には、最高変速段を選択する走行条
    件のもとでも、最高変速段が選択されるのを禁止するよ
    うに構成された自動変速機の変速制御装置において、 上記A/Tコントロールユニット(10)は、あらかじ
    め決定した低温側下限油温(t1 )、及び低温側上限油
    温(t2 )をそれぞれ記憶しているとともに、これらの
    設定油温(t1 、t2 )と上記実際の作動油温度(T)
    とを比較し、 T<t1 の条件の場合には、ODスイッチのONを禁止
    する一方、 t1 <T<t2 の条件の場合には、ライン圧ソレノイド
    (20)のON・OFFを制御することにより、実際の
    作動油温度(T)と低温側上限油温(t2 )との差の値
    に応じて、ライン圧(PL )を通常制御時の値よりも増
    圧制御するとともに、ODスイッチのONを許可し、 T>t2 の条件の場合には、ライン圧ソレノイド(2
    0)のON・OFFを通常制御に切り換えてライン圧
    (PL )を通常制御時の値とするとともに、ODスイッ
    チのONを許可するようにしたこと、 を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 上記低温側下限油温(t1 )は、所定の
    潤滑油量を確保できる作動油温度から決定されること、 を特徴とする請求項2記載の自動変速機の変速制御装
    置。
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KR101724750B1 (ko) * 2011-12-09 2017-04-10 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 전동식오일펌프 제어방법
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