JP3322051B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3322051B2
JP3322051B2 JP01706095A JP1706095A JP3322051B2 JP 3322051 B2 JP3322051 B2 JP 3322051B2 JP 01706095 A JP01706095 A JP 01706095A JP 1706095 A JP1706095 A JP 1706095A JP 3322051 B2 JP3322051 B2 JP 3322051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型、軽量化を目的として一方向クラッ
チを廃止する替わりに、一方の摩擦係合装置(クラッチ
またはブレーキ)の油圧を解放すると同時に他方の摩擦
係合装置(クラッチまたはブレーキ)の油圧を昇圧させ
ることにより所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換える
クラッチツウクラッチ変速が実行される形式の車両用自
動変速機がある。このような車両用自動変速機では、ク
ラッチツウクラッチ変速期間では一方と他方の摩擦係合
装置に係合トルクを持たせた期間を発生させるように、
一方の摩擦係合装置の解放圧(ドレーン圧)を調圧し、
或いは他方の摩擦係合装置に供給される係合圧を調圧す
ることが行われている。このとき、一方と他方の摩擦係
合装置に係合トルクの低下および上昇のタイミングが旨
く噛み合わないとき、すなわち一方の摩擦係合装置の係
合トルクの低下が速すぎる場合或いは他方の摩擦係合装
置の係合トルクの立ち上がりが遅すぎる場合には、たと
えばエンジン回転速度の一時的なオーバシュートが発生
し、また、一方の摩擦係合装置の係合トルクの低下が遅
すぎる場合或いは他方の摩擦係合装置の係合トルクの立
ち上がりが速すぎる場合には、所謂タイアップと称され
る自動変速機の出力トルクの一時的な急低下が発生す
る。
【0003】このため、上記車両用自動変速機の変速制
御装置には、一方と他方の摩擦係合装置に係合トルクの
低下および上昇を適切なタイミングで実行させるための
油圧制御回路が用いられる。この油圧制御回路では、た
とえば、解放側の摩擦係合装置のドレン油路を開閉する
ことによりそのドレン圧を調圧する調圧ドレン弁が設け
られ、この調圧ドレン弁は係合側の摩擦係合装置の係合
圧に応じて開かれるとともに、その解放側の摩擦係合装
置の係合圧と対向させる制御圧を自動変速機への入力ト
ルクに基づいてリニヤソレノイド弁から出力させること
により、クラッチツウクラッチ変速期間において他方の
摩擦係合装置の係合圧の上昇に応じて一方の摩擦係合装
置の解放圧が逆比例的に低下させられる。
【0004】ところで、摩擦係合装置の摩擦係数や油圧
制御回路を構成している弁の作動特性やオリフィスなど
には、作動油の性質や粘性に関連して温度的或いは経時
的な変化が発生するため、たとえ電気的な制御が正確で
あっても、上記係合側および解放側の摩擦係合装置の係
合トルクの減少および増加制御が所期の通りに得られ
ず、クラッチツウクラッチ変速において一時的なオーバ
シュートやタイアップが発生することが考えられる。こ
れに対し、たとえば、特開平5−296323号公報に
記載された変速制御装置のように、クラッチツウクラッ
チ変速期間におけるエンジン回転速度のオーバシュート
量が所定の範囲内となるように、すなわちクラッチツウ
クラッチ変速期間のエンジン回転速度のオーバシュート
量が過大とならないように前記係合側の摩擦係合装置の
ドレン圧を補正する油圧補正手段が設けられる。これに
よれば、摩擦係合装置の摩擦係数の変化や、油圧制御回
路を構成している弁やオリフィスなどの特性の変化の影
響が解消され、クラッチツウクラッチ変速が精度良く実
行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両には、
エンジン回転速度がその過回転領域に入らないようにす
るために、エンジン回転速度が予め設定された値以上と
なると、たとえばエンジンに供給される燃料を遮断する
ことにより、エンジンの過回転を防止するエンジン過回
転防止手段が設けられる場合がある。しかしながら、前
記クラッチツウクラッチ変速を実行させる変速線のうち
のスロットル弁開度最大値に対応する部分は、エンジン
出力を最大限利用して加速性を高めるために、エンジン
回転速度が上記過回転領域へ入る所定値前の値に対応す
る車速に設定され、エンジン回転速度が上記過回転領域
へ入る直前の車速に到達するとシフトアップが行われる
ようにするのが普通である。このため、スロットル弁開
度が最大値付近とされない通常走行であれば問題はない
が、スロットル弁開度が最大値付近とされる高負荷走行
においてはエンジン回転速度が非常に高い状態でクラッ
チツウクラッチ変速が実行されることから、前記の油圧
補正手段による油圧補正がうまく行かなくて仮にエンジ
ン回転速度のオーバシュート量が大きくなると、エンジ
ン回転速度が上記過回転領域まで上昇する可能性があ
る。このとき、前記エンジン過回転防止手段によってエ
ンジン回転速度の上昇がフューエルカット等により制限
されると、エンジンの出力が急速に減少させられて車両
の減速感が発生し、走行感が損なわれるという可能性が
あった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、急加速走行にお
けるクラッチツウクラッチ変速の実行時において車両の
走行感が損なわれない車両用自動変速機の変速制御装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、一方の摩擦
係合装置の油圧を解放すると同時に他方の摩擦係合装置
の油圧を昇圧させることにより所定のギヤ段から他のギ
ヤ段へ切り換えるクラッチツウクラッチ変速が実行され
る車両用自動変速機において、エンジン回転速度が予め
設定された値以上となることを防止するエンジン過回転
防止手段と、クラッチツウクラッチ変速期間のエンジン
のオーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチ
ツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を制御
する油圧制御手段と、オーバシュート量が所定範囲を外
れた場合にその油圧制御手段により制御される油圧を補
正するオーバシュート制御手段とを備えた変速制御装置
であって、(a) 前記クラッチツウクラッチ変速時のエン
ジンの作動状態を検出するエンジン作動状態検出手段
と、(b) 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウ
クラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段により
過回転が防止される作動領域に入り得ると判断された場
合は、前記オーバシュート量が所定範囲内となるように
前記クラッチツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置
の油圧を制御することを禁止する禁止手段とを、含むこ
とにある。
【0008】
【作用】このようにすれば、エンジン作動状態検出手段
により検出されるエンジンの作動状態が、前記クラッチ
ツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段に
より過回転が防止される作動領域に入り得ると判断され
た場合は、オーバシュート量が所定範囲内となるように
クラッチツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油
圧を補正する前記クラッチ制御手段の作動が禁止され
る。
【0009】
【第1発明の効果】上記のように、エンジンの作動状態
が、前記クラッチツウクラッチ変速期間に前記エンジン
過回転防止手段により過回転が防止される作動領域に入
り得るようなエンジン高回転高負荷走行の場合には、オ
ーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチツウ
クラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を補正する
ことが禁止されることから、オーバシュート制御手段が
うまく機能しないでエンジン回転速度のオーバシュート
量が大きくなることによりエンジン回転速度が過回転領
域内へ入ることが解消されるので、クラッチツウクラッ
チ変速時においてエンジン過回転防止手段によりエンジ
ンの回転速度がフューエルカットなどにより制限される
ことがなく、走行感が損なわれることがない。
【0010】上記オーバシュート制御手段は、オーバシ
ュート学習制御手段およびオーバシュートリアルタイム
制御手段の一方或いは両方から構成される。オーバシュ
ート学習制御手段は、自動変速機のクラッチツウクラッ
チ変速期間のエンジンのオーバシュート量を検出し、そ
のオーバシュート量が所定範囲内となるように油圧制御
手段により制御される油圧値を学習補正する。たとえ
ば、イナーシャ相が開始されたときにそれまでのオーバ
シュート量を小さくする方向の学習補正値を決定し、次
回のクラッチツウクラッチ変速期間においてその変速に
関与する摩擦係合装置の油圧値を補正する。また、上記
オーバシュートリアルタイム制御手段は、自動変速機の
クラッチツウクラッチ変速期間においてエンジンのオー
バシュート量を逐次検出し、そのオーバシュート量が所
定範囲内となるように油圧制御手段により制御される油
圧値を、トルク相検出からイナーシャ相検出までの間に
おいて逐次補正する。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るための第2の発明の要旨とするところは、一方の摩擦
係合装置の油圧を解放すると同時に他方の摩擦係合装置
の油圧を昇圧させることにより所定のギヤ段から他のギ
ヤ段へ切り換えるクラッチツウクラッチ変速が実行され
る車両用自動変速機において、エンジン回転速度が予め
設定された値以上となることを防止するエンジン過回転
防止手段と、クラッチツウクラッチ変速期間のエンジン
のオーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチ
ツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を制御
する油圧制御手段と、オーバシュート量が所定範囲を外
れた場合にその油圧制御手段により制御される油圧を学
習補正するオーバシュート学習制御手段とを備えた変速
制御装置であって、(a) 前記クラッチツウクラッチ変速
時のエンジンの作動状態を検出するエンジン作動状態検
出手段と、(b) 前記エンジンの作動状態が、前記クラッ
チツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段
により過回転が防止される作動領域に入り得ると判断さ
れた場合は、前記オーバシュート学習制御手段による油
圧の学習制御を禁止する禁止手段とを、含むことにあ
る。
【0012】
【作用】このようにすれば、エンジン作動状態検出手段
により検出されるエンジンの作動状態が、前記クラッチ
ツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段に
より過回転が防止される作動領域に入り得ると判断され
た場合は、オーバシュート量が所定範囲内となるように
クラッチツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油
圧を学習補正するオーバシュート学習制御手段の作動が
禁止される。
【0013】
【第2発明の効果】上記のように、エンジンの作動状態
が、前記クラッチツウクラッチ変速期間に前記エンジン
過回転防止手段により過回転が防止される作動領域に入
り得るようなエンジン高回転高負荷走行の場合には、オ
ーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチツウ
クラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を補正する
オーバシュート学習制御手段の作動が禁止されることか
ら、オーバシュート学習制御手段がうまく機能しないで
エンジン回転速度のオーバシュート量が大きくなること
によりエンジン回転速度が過回転領域内へ入ることが解
消されるので、クラッチツウクラッチ変速時においてエ
ンジン過回転防止手段によりエンジンの回転速度がフュ
ーエルカットなどにより制限されることがなく、走行感
が損なわれることがない。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】前記目的を達成す
るための第3の発明の要旨とするところは、前記第1発
明或いは第2発明の構成に加えて、前記クラッチツウク
ラッチ変速時にタイアップになるようにそのクラッチツ
ウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を制御す
るタイアップ制御手段がさらに含まれ、前記禁止手段に
よって前記オーバシュート量が所定範囲となるように前
記クラッチツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の
油圧を制御することが禁止された場合には、上記のタイ
アップ制御手段により前記摩擦係合装置の油圧の制御が
実行させられる。
【0015】
【作用および第3発明の効果】このようにすれば、前記
第1発明或いは第2発明の効果に加えて、以下の効果が
得られる。すなわち、上記の禁止手段は、オーバシュー
ト制御手段による補正を禁止したときには、タイアップ
制御手段により前記摩擦係合装置の油圧値の学習補正を
実行させることから、エンジン高回転高負荷走行の場合
には、タイアップ制御手段によりタイアップ量が所定の
範囲内となるように油圧補正される結果、摩擦係合装置
の係合圧はタイアップ側の値となるので、クラッチツウ
クラッチ変速時においてエンジン回転速度が過回転領域
内へ入ることが解消されるので、一層走行感が損なわれ
ることがない。
【0016】
【課題を解決するための第4の手段】前記目的を達成す
るための第4の発明の要旨とするところは、一方の摩擦
係合装置の油圧を解放すると同時に他方の摩擦係合装置
の油圧を昇圧させることにより所定のギヤ段から他のギ
ヤ段へ切り換えるクラッチツウクラッチ変速が実行され
る車両用自動変速機において、エンジン回転速度が予め
設定された値以上となることを防止するエンジン過回転
防止手段と、クラッチツウクラッチ変速期間のエンジン
のオーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチ
ツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を学習
に基づいて補正するオーバシュート学習制御手段とを備
えた変速制御装置であって、(a) 前記クラッチツウクラ
ッチ変速時のエンジンの作動状態を検出するエンジン作
動状態検出手段と、(b) 前記エンジンの作動状態が、前
記クラッチツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転
防止手段により過回転が防止される作動領域に入り得る
と判断された場合は、その作動領域内においてオーバシ
ュート量による学習補正を禁止すると共に、前記作動領
域に入らないときにオーバシュート量が所定範囲を外れ
た場合に前記オーバーシュート学習制御手段が学習した
補正値に基づいてクラッチツウクラッチ変速に関与する
摩擦係合装置の油圧を補正する油圧補正禁止手段とを、
含むことにある。
【0017】
【作用】このようにすれば、エンジン作動状態検出手段
により検出されるエンジンの作動状態が、前記クラッチ
ツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段に
より過回転が防止される作動領域に入り得ると判断され
た場合は、その作動領域内においてオーバシュート量に
よる学習が禁止され、前記作動領域に入らないときにオ
ーバシュート量が所定範囲を外れた場合にオーバシュー
ト学習制御手段が学習した補正値に基づいてクラッチツ
ウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧値が補正
される。
【0018】
【第4発明の効果】上記のように、エンジンの作動状態
が、前記クラッチツウクラッチ変速期間に前記エンジン
過回転防止手段により過回転が防止される作動領域に入
り得る場合には、その作動領域内においてオーバシュー
ト量による学習が禁止されるとともに、前記作動領域に
入らないときにオーバシュート学習制御手段が学習した
補正値に基づいてクラッチツウクラッチ変速に関与する
摩擦係合装置の油圧値が補正されることから、そのオー
バシュート学習制御手段がうまく機能しないでエンジン
回転速度のオーバシュートが大きくなることによりエン
ジン回転速度が過回転領域内へ入ることが解消されるの
で、クラッチツウクラッチ変速時においてエンジン過回
転防止手段によりエンジンの回転速度がフューエルカッ
トなどにより制限されることがなく、走行感が損なわれ
ることがない。
【0019】
【課題を解決するための第5の手段】前記目的を達成す
るための第5発明の要旨とするところは、一方の摩擦係
合装置の油圧を解放すると同時に他方の摩擦係合装置の
油圧を昇圧させることにより所定のギヤ段から他のギヤ
段へ切り換えるクラッチツウクラッチ変速が実行される
車両用自動変速機において、エンジン回転速度が予め設
定された値以上となることを防止するエンジン過回転防
止手段と、クラッチツウクラッチ変速期間のエンジンの
オーバシュート量が所定範囲内となるようにクラッチツ
ウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を補正す
るオーバシュート量油圧補正手段とを備えた変速制御装
置であって、(a) 前記クラッチツウクラッチ変速時のエ
ンジンの作動状態を検出するエンジン作動状態検出手段
と、(b) 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウ
クラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段により
過回転が防止される作動領域に入り得ると判断された場
合は、前記エンジン過回転防止手段によるエンジン過回
転の防止作動を中止するエンジン過回転防止中止手段と
を、含むことにある。
【0020】
【作用】このようにすれば、エンジン作動状態検出手段
により検出されるエンジンの作動状態が、前記クラッチ
ツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止手段に
より過回転が防止される作動領域に入り得ると判断され
た場合は、エンジン過回転防止中止手段により、前記エ
ンジン過回転防止手段によるエンジン過回転の防止作動
が中止される。
【0021】
【第5発明の効果】したがって、上記のように、エンジ
ンの作動状態が、前記クラッチツウクラッチ変速期間に
前記エンジン過回転防止手段により過回転が防止される
作動領域に入り得る場合には、エンジン過回転防止中止
手段により、前記エンジン過回転防止手段によるエンジ
ン過回転の防止作動が中止されることから、クラッチツ
ウクラッチ変速時においてエンジン過回転防止手段によ
りエンジンの回転速度がフューエルカットなどにより制
限されることがなく、走行感が損なわれることがない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0024】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0025】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0026】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0027】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0028】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0029】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換
える変速に際して係合させられるとともに、第2速ギヤ
段から第3速ギヤ段へ切り換える変速に際して解放され
るものであり、ブレーキB2は、第2速ギヤ段から第3
速ギヤ段へ切り換える変速に際して係合させられるもの
である。第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速に際し
ては、ブレーキB3の解放期間とブレーキB2の係合期
間とがオーバラップして行われる、所謂クラッチツウク
ラッチ変速が行われるが、それ以外の変速では1つのク
ラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行わ
れるようになっている。
【0030】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52とスロットルアクチュエータ54
によって操作される第2スロットル弁56とが設けられ
ている。また、エンジン10の回転速度NE を検出する
エンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸入空気
量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気の温度
A を検出する吸入空気温度センサ62、上記第1スロ
ットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセンサ6
4、出力軸42の回転速度NOUT から車速Vを検出する
車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW を検出
する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出するブ
レーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位置PSH
を検出する操作位置センサ74などが設けられており、
それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸入空気
量Q、吸入空気温度TA 、第1スロットル弁の開度
θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作動
状態BK、シフトレバー72の操作位置PSHを表す信号
がエンジン用電子制御装置76および変速用電子制御装
置78に供給されるようになっている。また、油圧制御
回路84の作動油温度T OIL を検出する油温センサ75
から作動油温度TOIL を表す信号が変速用電子制御装置
78に供給される。
【0031】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0032】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、アイドルスピート制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54により第2スロットル弁56を制御
し、エンジン回転速度NE が予め設定された過回転領域
(たとえばレッドゾーン)に入ると燃料噴射弁80を遮
断してそれ以上のエンジン回転速度NE の上昇を抑制す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方に
必要な信号が他方から適宜送信されるようになってい
る。
【0033】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
るためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制
御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップ
クラッチ24の係合、解放、スリップ量およびクラッチ
ツウクラッチのシフトを制御するためにリニヤソレノイ
ド弁SLU をそれぞれ駆動する。また、変速用電子制御装
置78は、予め記憶された変速線図から実際のスロット
ル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14の
ギヤ段やロックアップクラッチ24の係合状態を決定
し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られるよ
うに電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレー
キを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。上記変速
線図には、各変速段に対応する変速線が含まれており、
図11はそれら変速線のうちの2→3変速線を示してい
る。
【0034】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図の1−2シフト弁88および2
−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力圧に基づ
いて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速時および
第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時においてそれ
ぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位置を示す
数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD は、シフ
トレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、L)へ操
作されているときに図示しないマニアル弁から発生され
る圧であり、図示しないレギュレータ弁によりスロット
ル弁開度に応じて高く調圧されるライン圧PL を元圧と
している。
【0035】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3およびB3アキュムレータ94へ供給され
る。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換える
変速出力が出された時には、前進レンジ圧PD は、2−
3シフト弁90、油路L03を経て、ブレーキB2およ
びB2アキュムレータ100へ供給されると同時に、ブ
レーキB3およびB3アキュムレータ94内の作動油
は、油路L02、B3コントロール弁92、油路L0
1、2−3シフト弁90、戻り油路L04、2−3タイ
ミング弁98を経て調圧ドレンされるとともに、戻り油
路L04から分岐する分岐油路L05およびB2オリフ
ィスコントロール弁96を経て急速ドレンされるように
なっている。
【0036】上記B3アキュムレータ94およびB2ア
キュムレータ100の背圧室94Bおよび100B
は、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT とリニヤソ
レノイド弁SLN の出力圧PSLN に基づいてアキュム背圧
ACC を発生させる図示しないアキュム背圧制御弁から
のアキュム背圧PACC が、各変速に際して供給される。
【0037】前記B3コントロール弁92は、油路L0
1と油路L02との間を開閉するスプール弁子104
と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と同
心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径の
プランジャ108と、スプリング106を収容し、前記
2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときに
それから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介
して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸端
に設けられてリニヤソレノイド弁SLU の出力圧P SLU
受け入れる油室112とを備えている。このため、B3
コントロール弁92は、第2速ギヤ段の成立過程では、
リニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプー
ル弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置させて
ファーストフィルをその初期に行うとともに、その後は
油路L01からの作動油を油路L02に供給したり或い
は油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出させる
ことによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを
数式1から上記出力圧PSLUに基づいて調圧する。ま
た、B3コントロール弁92は、第3速ギヤ段以上のギ
ヤ段では、2−3シフト弁90から油室110に供給さ
れる前進レンジ圧PD に従ってスプール弁子104を中
心線の左側に示す開位置にロックさせる。これは、B3
コントロール弁92の油室112と2−3タイミング弁
98の油室138とが接続されていることから、第2→
3変速状態では、B3コントロール弁92の油室112
の容積変化を阻止して、2−3タイミング弁98による
調圧作動に影響を与えないようにするためである。な
お、数式1において、S1 およびS2はプランジャ10
8およびスプール弁子104の断面積である。
【0038】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0039】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0040】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段への変速に関与し、ブレーキB3から
の解放圧をリニヤソレノイド弁SLU から出力圧PSLU
従って調圧する調圧弁として機能する。すなわち、2−
3タイミング弁98は、2→3変速が出力されたときに
2−3シフト弁90から出力された前進レンジ圧PD
3−4シフト弁118およびソレノイドリレー弁122
を通して供給される供給ポート124と、ドレンポート
126と、油路L04をその供給ポート124またはド
レンポート126に連通させることによりブレーキB3
のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール弁子128
と、スプリング130を介してスプール弁子128と同
心に設けられ且つそのスプール弁子128と同径の第1
プランジャ132と、スプール弁子128と同心に且つ
その一端に当接可能に設けられ且つそのスプール弁子1
28よりも大径の第2プランジャ134と、スプリング
130を収容し、前記2−3シフト弁90が第2速側へ
切り替えられたときにそれから出力される前進レンジ圧
D を油路L08を介して受け入れる油室136と、第
1プランジャ132の軸端に設けられ、リニヤソレノイ
ド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油室138
と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、ブレーキ
B2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、フィード
バック圧を受け入れるフィードバック油室142とを備
えている。
【0041】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0042】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0043】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0044】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0045】以上のように構成された変速制御装置にお
いて、2→3変速(クラッチツウクラッチ変速)判断が
行われて第3速ギア段への変速出力が出された場合に
は、2−3シフト弁90がその第2速側から第3速側へ
切り替えられる。これにより、前進レンジ圧PD が2−
3シフト弁90、油路L03を経てブレーキB2へ供給
される。同時に、2−3シフト弁90からの前進レンジ
圧PD がB3コントロール弁92の油室110に供給さ
れてそのスプール弁子104が開位置にロックされる一
方、これと同時に、2−3シフト弁90を介して油路L
01とL04との接続が行われるとともに、2−3タイ
ミング弁98の油室136内の作動油が油路L08およ
び2−3シフト弁90を通して排出され、ブレーキB3
の解放圧が2−3タイミング弁98によりPSLU に応じ
て調圧されつつ解放される。図7は、そのクラッチツウ
クラッチ変速におけるブレーキB3およびB2の油圧の
変化を例示している。
【0046】図8は、エンジン用電子制御装置76およ
び変速用電子制御装置78による制御機能の要部を説明
する機能ブロック線図である。図において、エンジン過
回転防止手段158は、エンジン回転速度NE が予め設
定された過回転判断基準値N EMAXを超えると、燃料噴射
弁80から吸気管内へ噴射される燃料を遮断する。この
過回転判断基準値NEMAXは、たとえば、所謂レッドゾー
ンと知られている回転領域の下限値に対応する値に設定
される。変速制御手段160は、予め記憶された変速線
図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づ
いて自動変速機14のギヤ段やロックアップクラッチ2
4の係合状態を決定し、この決定されたギヤ段および係
合状態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動
し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を
駆動する一方、シフトレバー72の操作位置に基づいて
複数のギヤ段のうちの変速範囲を決定する。また、変速
制御手段160は、シフトレバー72がその前進(D、
4、3、2、L)レンジのうち、Dレンジへ操作された
ときには走行状態に応じて第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ
段の範囲で自動的に変速を実行させ、4レンジへ操作さ
れたときには走行状態に応じて第1速ギヤ段乃至第4速
ギヤ段の範囲で自動的に変速を実行させる。さらに、変
速制御手段160は、シフトレバー72がそのエンジン
ブレーキ(3、2、L)レンジのうち、3レンジへ操作
されたときには走行状態に応じて第1速ギヤ段乃至第3
速ギヤ段の範囲で変速を実行させるとともに第3速ギヤ
段をエンジンブレーキモードとし、2レンジへ操作され
たときには走行状態に応じて第1速ギヤ段乃至第2速ギ
ヤ段の範囲で変速を実行させるとともに第2速ギヤ段だ
けをエンジンブレーキモードとし、Lレンジへ操作され
たときには第1速ギヤ段だけを達成してそれをエンジン
ブレーキモードとする。
【0047】油圧制御手段161は、たとえばB3コン
トロール弁92などを用い、クラッチツウクラッチ変速
期間においてクラッチツウクラッチ変速に関与する摩擦
係合装置(B2またはB3)の油圧を、それら摩擦係合
装置(B2またはB3)に一時的に所定量以上の係合ト
ルクを発生させるように、自動変速機14の入力トルク
などに基づいて、基本的に制御する。オーバシュート制
御手段162は、オーバシュート学習制御手段およびオ
ーバシュートリアルタイム制御手段の一方或いは両方か
ら構成される。オーバシュート学習制御手段は、自動変
速機14のクラッチツウクラッチ変速期間のエンジン1
0のオーバシュート量を検出し、そのオーバシュート量
が所定範囲内となるように油圧制御手段161により制
御される油圧値、たとえば2−3タイミング弁98によ
りリニヤソレノイド弁SLU から出力圧PSLU に従って調
圧されるブレーキB3の解放油圧値を、学習補正する。
さらに詳しくは、イナーシャ相が開始されたときにそれ
までのオーバシュート量を小さくする方向の学習補正値
を決定し、次回のクラッチツウクラッチ変速期間におい
てその変速に関与する摩擦係合装置の油圧値を補正す
る。また、オーバシュートリアルタイム制御手段は、自
動変速機14のクラッチツウクラッチ変速期間において
エンジン10のオーバシュート量を逐次検出し、そのオ
ーバシュート量が所定範囲内となるように油圧制御手段
161により制御される油圧値を、トルク相検出からイ
ナーシャ相検出までの間において逐次補正する。上記エ
ンジン回転速度NE のオーバシュート量は、図7の斜線
に示す領域で示すエンジン回転速度NE の変化幅であ
り、たとえば、出力軸回転速度NOUT とそのときのギヤ
段のギヤ比iとの積(NOUT ×i)と実際のタービン回
転速度NT (≒NE )との差により算出される。
【0048】タイアップ制御手段164は、たとえば、
上記クラッチツウクラッチ変速期間において変速特性が
タイアップ側となるように油圧特性を設定する。また、
さらに付加的に、タイアップ量を検出し、そのタイアッ
プ量を所定の範囲内とするための学習補正値を決定し、
次回のクラッチツウクラッチ変速期間においてその変速
に関与する摩擦係合装置の油圧値を補正してもよい。
【0049】エンジン作動状態検出手段166は、スロ
ットル弁開度θTHやエンジン回転速度NE などにより表
されるエンジン10の作動状態を検出するものであり、
前記スロットルセンサ64およびエンジン回転速度セン
サ58に対応している。第1の禁止手段170は、エン
ジン10の作動状態すなわちエンジン回転速度NE が、
クラッチツウクラッチ変速期間にエンジン過回転防止手
段158により過回転が防止される作動領域に入り得る
状態か否か、すなわち前記過回転判断基準値N EMAXを超
え得るか否かを判断し、エンジン回転速度NE がクラッ
チツウクラッチ変速期間に過回転が防止される作動領域
に入り得ると判断された場合は、前記オーバシュート量
が所定範囲内となるように前記クラッチツウクラッチ変
速に関与する摩擦係合装置(B2またはB3)の油圧を
制御することを禁止する。たとえば、上記オーバシュー
ト制御手段162による学習補正を禁止する。同時に、
上記第1の禁止手段170は、それの禁止に替えてタイ
アップ制御手段164による油圧制御を実行させる。こ
のタイアップ制御手段164は、たとえば、クラッチツ
ウクラッチ変速時に変速特性がタイアップ側となるよう
に前記油圧制御手段161により制御される油圧を制御
する。このタイアップ制御手段164によれば、大きさ
に係わらず少なくともタイアップが発生する状態とされ
ることから、結果的に、クラッチツウクラッチ変速がタ
イアップ側となるようにクラッチツウクラッチ変速に関
与する摩擦係合装置の油圧が制御されるのである。
【0050】自動変速判定手段172は、クラッチツウ
クラッチ変速すなわち2→3変速が予め記憶された変速
線から車両の走行状態に基づいて自動的に判断されたか
否かを判定する。この自動変速判定手段172により、
クラッチツウクラッチ変速が自動的に判断されたもので
あると判定された場合には、前記第1の禁止手段170
によりオーバシュート制御手段162の補正を禁止する
ことが許容される。また、解除手段174は、車両のエ
ンジン出力低減操作が検出されたときには第1の禁止手
段170による油圧補正の禁止を解除する。すなわち、
スロットル弁或いはアクセルペダルが戻されたことが検
出されたときには、オーバシュート制御自体を行うので
ある。
【0051】また、手動変速判定手段176は、クラッ
チツウクラッチ変速すなわち2→3変速が運転者のシフ
ト操作に関連して判断されたか否か、たとえばシフトレ
バー72がエンジンブレーキレンジである2レンジおよ
び3レンジの一方から他方へ操作されたことに関連して
クラッチツウクラッチ変速が判断されたか否かを判定す
る。第2の禁止手段178は、その手動変速判定手段1
76によりクラッチツウクラッチ変速が運転者の意志に
基づく手動操作によるものであると判定された場合に
は、クラッチツウクラッチ変速前のエンジン回転速度N
E が予め設定された判断基準値NEMAX以上であるとき
に、オーバシュート制御手段162の油圧補正を禁止す
る一方、それに替えて、タイアップ制御手段164によ
る油圧補正を実行させる。
【0052】図9は、エンジン用電子制御装置76によ
る制御作動の要部を説明するフローチャートである。図
において、ステップ(以下ステップを省略する)SG1
では、エンジン回転速度NE が予め設定された判断基準
値NEMAXを超えたか否かが判断される。この判断基準値
EMAXは、エンジン過回転領域の下限値付近に設定され
る。上記SG1の判断が否定された場合には続くSG2
がスキップされるが、肯定された場合は、そのSG2に
おいて燃料噴射弁80が閉じられることにより、エンジ
ン10に対する燃料供給が遮断される。すなわち、エン
ジン回転速度N E が判断基準値NEMAXを超えない状態で
は燃料供給が継続されるが、超えると燃料供給が遮断さ
れて過回転が防止されるのである。上記SG1およびS
G2は、前記エンジン過回転防止手段158に対応して
いる。
【0053】図10は、変速用電子制御装置78による
制御作動の要部を説明するフローチャートである。図に
おいて、SA1において種々の入力信号が読み込まれる
入力信号処理が行われた後、SA2において、シフトレ
バー72がDレンジまたは4レンジへ操作されているか
否かが判断される。このSA2の判断が肯定された場合
は、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間のクラッチツウ
クラッチ変速は自動的に判断されて行われる状態である
ので、前記自動変速判定手段172に対応するSA3で
は、たとえば図11に示す予め記憶された変速線からス
ロットル弁開度θTHおよび車速Vにより表される車両状
態に基づいて自動変速機14の2→3変速判断が行われ
たか否かが判断される。
【0054】上記SA3の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SA4
においてスロットル弁開度θTHが予め設定された判断基
準値θTH1 以上であるか否かが判断される。この判断基
準値θTH1 は、スロットル弁開度θTHが高い値を示す高
回転高負荷走行においてクラッチツウクラッチ変速すな
わち2→3変速が実行されたときすなわちスロットル弁
開度θTHおよび車速Vにより図11中の1点として表さ
れる車両状態が図11の変速線のうちの高スロットル弁
開度側を横切ったときに、クラッチツウクラッチ変速期
間のエンジン回転速度のオーバシュート量を所定の範囲
内とするためにB3ブレーキのドレーン圧の調圧値を補
正する制御が旨く機能しないため、エンジン回転速度N
E がその過回転領域内に入り得る状態であるか否かを判
断するための値であり、たとえば85%程度の値に設定
される。本実施例では、エンジン回転速度NE を検出す
るエンジン回転速度センサ58がエンジン作動状態検出
手段166に対応し、上記SA4が、そのエンジン回転
速度NE が、クラッチツウクラッチ変速期間に前記エン
ジン過回転防止手段158によりエンジン回転速度NE
が過回転が防止される作動領域に入り得ると判断される
と、オーバシュートリアルタイム制御およびオーバシュ
ート量による学習制御を禁止する前記第1の禁止手段1
70に対応している。
【0055】上記SA4の判断が否定された場合は、ク
ラッチツウクラッチ変速期間に前記エンジン過回転防止
手段158により過回転が防止される程の高回転高負荷
走行ではないので、前記オーバシュート制御手段162
に対応するSA6−1およびSA6−2においてオーバ
シュートリアルタイム制御およびオーバシュート量によ
る学習制御が実行される。このオーバシュート量による
学習制御では、クラッチツウクラッチ変速である2→3
変速期間において、イナーシャ相が開始される迄のエン
ジン回転速度のオーバシュート量ΔNEOV が検出され、
そのオーバシュート量ΔNEOV を所定の範囲内とするた
めに予め求められた関係からそのオーバシュート量ΔN
EOV に対応する学習補正値ΔDSLU が決定され、次回の
2→3変速のB3ブレーキのドレン調圧値を制御する制
御値DSLU にその学習補正値ΔD SLU が加算されること
により、B3ブレーキの解放圧が補正される。
【0056】しかし、前記SA4の判断が肯定された場
合は、車両のエンジン出力低減操作を検出する前記解除
手段174に対応するSA5において、スロットル弁開
度θ THの変化率dθTH/dtが負であるか否かすなわち
スロットル弁開度θTH或いはアクセルペダル操作量が減
少しつつあるか否かが判断される。このSA5の判断が
肯定された場合は、車両のエンジン出力低減操作が行わ
れた状態であるので、上記SA6−1のオーバシュート
リアルタイム制御およびSA6−2のオーバシュート量
による学習制御が実行され、SA7によるオーバシュー
ト量油圧補正作動禁止が解除される。
【0057】上記SA5の判断が否定された場合は、車
両のエンジン出力低減操作が行われていない状態である
ので、オーバシュートリアルタイム制御およびオーバシ
ュート量による学習制御が禁止され、それに替えて、前
記タイアップ制御手段164に対応するSA7において
変速特性がタイアップ側に切り換えられるとともにタイ
アップ量による学習制御が実行される。このタイアップ
量による学習制御では、イナーシャ相が開始される迄の
タイアップ量ΔNOAS が検出され、そのタイアップ量Δ
OAS を所定の範囲内とするために予め求められた関係
からそのタイアップ量ΔNOAS に対応する学習補正値Δ
SLU が決定され、次回の2→3変速のB3ブレーキの
ドレン調圧値を制御する制御値DSLU にその学習補正値
ΔDSLUが加算されることにより、B3ブレーキの解放
圧が補正される。上記タイアップ量ΔNOAS は、トルク
相開始時の出力軸42の回転加速度とイナーシャ相開始
時の出力軸42の回転加速度との差として求められ得る
が、2→3変速判断或いは2→3変速出力からイナーシ
ャ相開始迄の時間、イナーシャ相開始時のトルクの落ち
込み量などであってもよい。
【0058】前記SA2の判断が否定された場合は、シ
フトレバー72がエンジンブレーキレンジへ操作された
状態であるので、前記手動変速判定手段176に対応す
るSA8において、シフトレバー72の操作に関連した
2→3変速たとえば2レンジから3レンジへ操作される
ことにより発生する2→3変速であるか否かが判断され
る。このSA8の判断が否定された場合は、本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は、SA9におい
てパワーオン走行であるか否かが判断される。パワーオ
ン走行でなければ、クラッチツウクラッチ変速における
オーバシュート量やタイアップ量による学習制御が不要
であるからである。
【0059】上記SA9の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、第2の
禁止手段178に対応するSA10において、エンジン
回転速度NE が予め設定された判断基準値NE1以上であ
るか否かが判断される。すなわち、エンジン回転速度N
E により表されるエンジン作動状態が、クラッチツウク
ラッチ変速が実行されたときに、オーバシュート量によ
る学習制御が旨く機能しないためにエンジン回転速度N
E が過回転領域内に入り得る状態であるか否かが判断さ
れるのである。上記判断基準値NE1は、スロットル弁開
度θTHが高い値を示す高回転高負荷走行においてクラッ
チツウクラッチ変速が実行されたときに、オーバシュー
ト量による学習制御が旨く機能しないため、エンジン回
転速度N E がその過回転領域内に入り得る状態であるか
否かを判断するための値である。上記SA10の判断が
否定された場合は、エンジン回転速度NE が過回転領域
内に入る可能性がないので、前記オーバシュート制御手
段162に対応するSA11−1およびSA11−2に
おいてオーバシュートリアルタイム制御およびオーバシ
ュート量による学習制御が実行される。しかし、上記S
A10の判断が肯定された場合は、前記タイアップ制御
手段164に対応するSA12において変速特性がタイ
アップ側に切り換えられるとともにタイアップ量による
学習制御が実行される。
【0060】上述のように、本実施例によれば、エンジ
ン10の作動状態を示すスロットル弁開度θTHが判断基
準値θTH1 を超えたと判断された場合は、第1の禁止手
段170に対応するSA4により、オーバシュート制御
手段162のオーバシュート制御すなわちSA6−1お
よびSA6−2のオーバシュートリアルタイム制御およ
びオーバシュート量による学習制御が禁止される。この
ため、オーバシュート制御手段162がうまく機能しな
いでエンジン回転速度NE のオーバシュート量が大きく
なることによりエンジン回転速度NE が過回転領域内へ
入ることが解消されるので、クラッチツウクラッチ変速
時においてエンジン過回転防止手段158によりエンジ
ンの回転速度NE がフューエルカットなどにより制限さ
れることがなく、走行感が損なわれることがない。
【0061】また、本実施例によれば、第1の禁止手段
170は、オーバシュート制御手段162による補正を
禁止したときには、タイアップ制御手段164により前
記摩擦係合装置の油圧値の学習補正を実行させることか
ら、エンジン高回転高負荷走行の場合には、タイアップ
制御手段164によりタイアップ量が所定の範囲内とな
るように油圧補正される結果、摩擦係合装置の係合圧は
タイアップ側の値となるので、クラッチツウクラッチ変
速時においてエンジン回転速度が過回転領域内へ入るこ
とが解消されるので、一層走行感が損なわれることがな
い。
【0062】また、本実施例によれば、たとえ第1の禁
止手段170に対応するSA4の判断が肯定されても、
解除手段174によってエンジン出力低減操作が判定さ
れた場合には、SA6−2における比較的制御が容易で
精度の高いオーバシュート量による学習制御が継続され
てその割合が高められるので、全体としてクラッチツウ
クラッチ変速時のショックが好適に抑制される。
【0063】また、本実施例によれば、2→3変速が自
動的に判断されたことが自動変速判定手段172に対応
するSA3により判定されたときは、第1の禁止手段1
70に対応するSA4においてスロットル弁開度θTH
基づいてオーバシュート量による油圧補正の禁止が判断
される一方、2→3変速がシフトレバー72の操作に関
連して判断されたことが手動変速判定手段176により
判定された場合には、第2の禁止手段178に対応する
SA10においてエンジン回転速度NE に基づいてオー
バシュート量による油圧補正の禁止が判断される。この
ため、クラッチツウクラッチ変速が自動判断によるもの
か運転者による操作によるものかに応じて、オーバシュ
ート量による油圧補正の禁止が適切に判断される利点が
ある。
【0064】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の説明と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】図12は、本発明の他の実施例における変
速用電子制御装置78の制御機能を示す機能ブロック線
図であり、図13は、その変速用電子制御装置78によ
る制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【0066】図12の機能ブロック線図は、前述の図8
の機能ブロック線図と比較すると、ノミナル値油圧補正
手段184が設けられている点において主に相違する。
このノミナル値油圧補正手段184は、オーバシュート
制御手段162に含まれるオーバシュート量による学習
制御において高加速或いは高負荷走行でないときに決定
された学習補正値ΔDSLU に、オーバシュート減少側す
なわちオーバラップ(タイアップ)側とするようにB3
ブレーキのドレン調圧値を全体として高めとなる側へず
らすためのずれ補正値αを加算することにより、補正値
(ΔDSLU +α)を決定するオーバシュート量からの補
正制御手段と、タイアップ側でもなくオーバシュート側
でもない中央値を狙った初期値A(ブレーキB3のドレ
ーン調圧値に対応)を基本として、それに上記補正値
(ΔDSLU +α)を加算することにより、(A+ΔD
SLU +α)にてリニヤソレノイド弁SLU を駆動して、B
3のドレーン調圧値を制御するノミナル値油圧制御手段
とから構成されている。
【0067】したがって、第1の禁止手段170は、エ
ンジン10の作動状態すなわちエンジン回転速度N
E が、クラッチツウクラッチ変速期間にエンジン過回転
防止手段158により過回転が防止される作動領域に入
り得る状態か否か、すなわち前記過回転判断基準値N
EMAXを超えるか否かを判断し、エンジン回転速度NE
クラッチツウクラッチ変速期間に過回転が防止される作
動領域に入り得ると判断された場合は、オーバシュート
制御手段162による油圧補正を禁止すると同時に、そ
れに替えてノミナル値油圧補正手段184による油圧制
御を実行させる。また、第2の禁止手段178は、手動
変速判定手段176によりクラッチツウクラッチ変速が
運転者の意志に基づく手動操作によるものであると判定
された場合には、クラッチツウクラッチ変速前のエンジ
ン回転速度NE が予め設定された判断基準値NEMAX以上
であるときに、オーバシュート制御手段162の油圧補
正を禁止する一方、それに替えて、ノミナル値油圧補正
手段184による油圧制御を実行させる。
【0068】図13において、SB1乃至SB5は図1
0のSA1乃至SA5と同様であり、SB10乃至SB
12は図10のSA8乃至SA10と同様である。この
ため、図10の実施例と相違するSB6乃至SB9、お
よびSB13乃至SB16について以下に説明する。
【0069】第1の禁止手段170に対応するSB4の
判断が否定され或いは解除手段174に対応するSB5
の判断が肯定されたとき、または第2の禁止手段178
に対応するSB12の判断が否定された場合は、クラッ
チツウクラッチ変速時においてオーバシュートリアルタ
イム制御或いはオーバシュート量による油圧補正制御が
うまく機能しなくてもエンジン回転速度NE が過回転領
域に入ることがないので、前記オーバシュート制御手段
162に対応するSB6およびSB7或いはSB13お
よびSB14が実行される。SB6およびSB13で
は、自動変速機14のクラッチツウクラッチ変速期間の
エンジン10のオーバシュート量を検出し、そのオーバ
シュート量が所定範囲内となるようにクラッチツウクラ
ッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧値、すなわち本
実施例では2−3タイミング弁98によりリニヤソレノ
イド弁SLU から出力圧PSLU に従って調圧されるブレー
キB3の解放油圧値を、変速のために自動変速機14の
入力軸20に回転変化が生じる期間であるイナーシャ相
が開始される迄リアルタイムで逐次補正するオーバシュ
ートリアルタイム制御が実行される。また、SB7およ
びSB14では、イナーシャ相が開始されたときにそれ
までのオーバシュート量を小さくする方向の学習補正値
ΔDSLU を決定するとともにそれをたとえば図14に示
すデータマップのうちそのときの車両状態に対応する場
所に逐次記憶し、次回のクラッチツウクラッチ変速期間
においてその変速に関与する摩擦係合装置の油圧値を補
正し、補正後の値DSLU +ΔDSLU を出力させるオーバ
シュート量による学習制御が実行される。
【0070】また、SB5の判断が否定され或いはSB
12の判断が肯定された場合には、クラッチツウクラッ
チ変速時においてオーバシュートリアルタイム制御或い
はオーバシュート量による油圧補正制御がうまく機能し
ないことに起因してエンジン回転速度NE が過回転領域
に入る可能性があるので、前記ノミナル値油圧補正手段
184に対応するSB8およびSB9或いはSB15お
よびSB16が実行される。SB8およびSB15で
は、タイアップ側でもなくオーバシュート側でもない中
央値を狙った初期値A(ブレーキB3のドレーン調圧値
に対応)を図15に示す予め記憶されたデータマップか
ら車両状態に基づいて決定し、その基本となる初期値A
に対して、SB9或いはSB16で決定される補正値Δ
SLU を加算し、且つ全体をオーバラップ側とするため
に予め設定された図16に示す関係から実際のスロット
ル弁開度θTHに基づいて決定された補正値αを加算する
ことにより、(A+ΔDSLU +α)にてリニヤソレノイ
ド弁SLU を駆動して、B3のドレーン調圧値を制御する
ノミナル制御が実行される。また、SB9或いはSB1
6では、SB7或いはSB14のオーバシュート量によ
る学習制御において高加速或いは高負荷走行でないとき
に決定された学習補正値ΔDSLU を前記図14に示すデ
ータマップから実際の車両状態に基づいて読み出して、
オーバシュート減少側すなわちタイアップ(よりオーバ
ラップ)側とするようにB3ブレーキのドレン調圧値を
全体として高めとなる側へずらすためのずれ補正値αを
加算することにより、補正値(ΔDSLU +α)を決定す
るオーバシュート量からの補正制御が実行される。
【0071】図17のB3は、クラッチツウクラッチ変
速時においてドレン調圧されたB3ブレーキの係合圧の
変化を示しており、タイアップ側でもなくオーバシュー
ト側でもない中央値を狙った値A(実線)に対して学習
補正値ΔDSLU が加算されることにより、タイアップ側
へずらされた状態(破線)を示している。
【0072】本実施例によれば、スロットル弁開度θTH
或いはエンジン回転速度NE より表されるエンジン10
の作動状態が、クラッチツウクラッチ変速期間にエンジ
ン過回転防止手段158により過回転が防止される作動
領域に入り得ると判断された場合は、第1の禁止手段1
70により、オーバシュート制御手段162によるオー
バシュートリアルタイム制御やオーバシュート量による
学習制御の油圧補正作動が禁止されるとともに、その作
動領域に入らないときにオーバシュート量が所定範囲を
外れた場合に、オーバシュート制御手段162内のオー
バシュート量による学習制御手段が学習した補正値ΔD
SLU に基づいてB3ブレーキのドレン調圧値が補正され
ることから、そのオーバシュート制御手段162がうま
く機能しないでエンジン回転速度のオーバシュートが大
きくなることによりエンジン回転速度が過回転領域内へ
入ることが解消されるので、クラッチツウクラッチ変速
時においてエンジン過回転防止手段158によりエンジ
ンの回転速度がフューエルカットなどにより制限される
ことがなく、走行感が損なわれることがない。
【0073】また、本実施例においては、前述の実施例
と同様に、解除手段174、自動変速判定手段172、
手動変速判定手段176、第2の禁止手段178が設け
られているので、それらに関連する効果は同様に得られ
る。
【0074】図18は、本発明の他の実施例におけるエ
ンジン用電子制御装置76の制御機能の要部を説明する
機能ブロック線図であり、図19は、そのエンジン用電
子制御装置76の制御作動の要部を説明するフローチャ
ートであり、図20はその制御作動を説明するタイムチ
ャートである。
【0075】図18において、エンジン過回転防止手段
158は、実際のエンジン回転速度NE が予め設定され
た第1判断基準値NFC1 を超えると、燃料噴射弁80を
全閉としてエンジン10に供給される燃料を遮断するこ
とにより、エンジン回転速度NE がその過回転領域へ入
ることを防止する。上記第1判断基準値NFC1 は、上記
過回転領域の下限値より所定値小さい値に設定される。
エンジン過回転防止中止手段190は、クラッチツウク
ラッチ変速期間にエンジン回転速度NE のオーバシュー
トが発生したとき、オーバシュート制御手段162によ
る油圧制御がうまく機能しないことなどにより、エンジ
ン作動状態検出手段166により検出されるエンジンの
作動状態が、クラッチツウクラッチ変速期間にエンジン
過回転防止手段158により過回転が防止される作動領
域に入ると判断された場合は、そのエンジン過回転防止
手段158によるエンジン過回転の防止作動を中止す
る。
【0076】上記エンジン過回転防止中止手段190
は、エンジン回転速度NE が第1判断基準値NFC1 を超
え且つエンジン回転速度NE が過渡的に増加中か否かを
判定する第1判定手段192と、この第1判定手段19
2によってエンジン回転速度N E が第1判断基準値N
FC1 を超えて過回転防止領域に入り且つエンジン回転速
度NE が増加中であると判定された場合は、前記エンジ
ン過回転防止手段158の過回転防止作動を中止させる
中止手段194と、エンジン回転速度NE が第1判断基
準値NFC1 および第2判断基準値NFC2 の加算値(N
FC1 +NFC2 )を超えたか否かを判定する第2判定手段
196と、第2判定手段196によってエンジン回転速
度NE が上記加算値(NFC1 +NFC2 )を超えたと判定
されたときは、上記中止手段194によるエンジン過回
転防止手段158の過回転防止作動中止を解除する中止
解除手段198とを備えている。なお、上記第1判断基
準値NFC 1 は上記過回転領域の下限値より所定値小さい
値に設定されていることから、第1判定手段192によ
り、エンジン回転速度NE が第1判断基準値NFC1 を超
えて且つオーバシュートによりエンジン回転速度NE
増加中と判定されれば、実質的にエンジン回転速度NE
が過回転領域内に入り得る状態となるのである。
【0077】図19のSC1では、自動変速機14を自
動的に変速させる変速制御手段160においてクラッチ
ツウクラッチ変速である2→3変速が判断されたか否か
が判断される。このSC1の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SC
2においてオーバシュート量ΔNEOV が算出される。こ
のオーバシュート量ΔNEOV は、たとえば、図21或い
は図22に示すように、実際のエンジン回転速度NE
ら2→3変速直前の第2速ギヤ段で走行中のエンジン回
転速度NE2を差し引くことにより算出される。
【0078】次いで、SC3では、2→3変速直前の第
2速ギヤ段で走行中のエンジン回転速度NE2に上記オー
バシュート量ΔNEOV を加算した値NE1が、予め設定さ
れた第1判断基準値NFC1 を超えたか否かが判断され
る。この値NE1は、オーバシュート量ΔNEOV が予測値
でないときには実際のエンジン回転速度NE と一致す
る。上記SC3の判断が否定された場合は本ルーチンが
終了させられるが、肯定された場合は、前記第2判定手
段196に対応するSC4において、上記の値NE1から
第1判断基準値NFC1 を差し引いた値(NE1−NFC1
が予め設定された第2判断基準値NFC2 を下回ったか否
か、換言すれば、実際のエンジン回転速度N E が第1判
断基準値NFC1 と第2判断基準値NFC2 との加算値(N
FC1 +NFC2)よりも下回っているか否かが判断され
る。この第2判断基準値NFC2 は、エンジン回転速度の
第1判断基準値NFC1 を上まわった量がどの程度である
かを判定するための値である。図21および図22は上
記SC3の判断が肯定された状態を示している。
【0079】図22に示すように、エンジン回転速度N
E1が第1判断基準値NFC1 を超えるが第2判断基準値N
FC2 を超えない場合は、上記SC4の判断が肯定され
る。この場合は、前記第1判定手段192に対応するS
C5において、エンジン回転速度NE の変化速度(微分
値)dNE /dtが予め設定された判断基準値a以上で
あるか否かが判断される。この判断基準値aは、エンジ
ン回転速度NE が過渡的に増加中であるか否かを判断す
るために設定された正の値である。このSC5の判断が
肯定された場合には、エンジン回転速度NE がエンジン
過回転防止手段158により他のギヤ段では燃料遮断さ
れる第1判断基準値NFC1 を超えてはいるが過渡的に増
加中であるので、前記中止手段194に対応するSC6
においてエンジン過回転防止手段158による燃料遮断
が中止される。
【0080】しかし、図21に示すように、エンジン回
転速度NE1が第1判断基準値NFC1および第2判断基準
値NFC2 の加算値(NFC1 +NFC2 )を超えた場合は、
上記SC4の判断が否定される。この場合は、エンジン
回転速度NE が極めて高い状態であるので、前記中止解
除手段198に対応するSC7においてエンジン過回転
防止手段158による燃料遮断が許容され、エンジン1
0の過回転を防止するための燃料遮断が実行される。ま
た、前記SC5の判断が否定された場合は、エンジン回
転速度NE が第1判断基準値NFC1 を超えてはいるが、
エンジン回転速度NE の増加率がa以下であって比較的
安定しているか或いは減少中であるので、SC7におい
てエンジン過回転防止手段158による燃料遮断が許容
されることにより、他のギヤ段と同様に第1判断基準値
FC1 を超えた状態でエンジン10の過回転を防止する
ための燃料遮断が実行される。図20の破線はこの状態
を示している。
【0081】上述のように、本実施例によれば、エンジ
ン回転速度NE により表されるエンジンの作動状態が、
クラッチツウクラッチ変速期間にエンジン過回転防止手
段158により過回転が防止される作動領域に入り得る
と判断された場合は、エンジン過回転防止中止手段19
0により、エンジン過回転防止手段158によるエンジ
ン過回転の防止作動が中止されることから、クラッチツ
ウクラッチ変速時においてエンジン過回転防止手段によ
りエンジンの回転速度がフューエルカットなどにより制
限されることがなく、走行感が損なわれることがない。
【0082】また、本実施例では、第1判定手段192
に対応するSC5において、エンジン回転速度NE の変
化速度(微分値)dNE /dtが正の値である判断基準
値aを超えたことに基づいて燃料遮断の中止が実行され
ることから、たとえエンジン回転速度NE が第1判断基
準値NFC1 を超えていてもエンジン回転速度NE の変化
率がaより小さいか負であるような状態であれば、過回
転防止のための燃料遮断が実行される利点がある。
【0083】また、本実施例では、第2判定手段196
に対応するSC4において、エンジン回転速度NE が第
1判断基準値NFC1 と第2判断基準値NFC2 との加算値
(N FC1 +NFC2 )を超えると優先的に燃料遮断が許容
されるので、エンジン回転速度NE が過回転領域におい
てたとえエンジン回転速度NE の変化速度(微分値)d
E /dtが判断基準値aを超えても、燃料遮断が継続
される利点がある。
【0084】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0085】たとえば、第1の禁止手段170に対応す
る図10のSA4や図13のSB4では、クラッチツウ
クラッチ変速すなわち2→3変速が実行されたときにエ
ンジン回転速度のオーバシュート量を所定の範囲内とす
るためにB3ブレーキのドレーン圧の調圧値を補正する
制御が旨く機能しないためにエンジン回転速度NE がそ
の過回転領域内に入り得るような高回転高負荷走行であ
るか否かを判断するために、スロットル弁開度θTHがθ
TH1 よりも大きい値であるか否かが判定されていたが、
それに替えて、クラッチツウクラッチ変速前のエンジン
回転速度NE が予め設定された判断基準値NE1以上であ
るか否かが判定されてもよい。この判断基準値NE1は、
比較的高回転走行中にクラッチツウクラッチ変速が実行
されたときに、クラッチツウクラッチ変速期間のエンジ
ン回転速度のオーバシュート量を所定の範囲内とするた
めにB3ブレーキのドレーン圧の調圧値を補正する制御
が旨く機能しないため、エンジン回転速度NE がその過
回転領域内に入り得る状態であるか否かを判断するため
の値であり、予め実験的に求められる。
【0086】また、前述の実施例では、クラッチツウク
ラッチ変速を実行するために、B3ブレーキのドレン圧
が調圧されることによりB3およびB2の係合状態のオ
ーバラップ或いはアンダーラップが調節されるように構
成されていたが、B2ブレーキの供給圧が調圧される形
式であっても差支えない。この場合には、B2ブレーキ
の供給圧が高く補正されるとタイアップ側となり、低く
補正されるとオーバラップ側となるか或いはよりタイア
ップ量の少ない側となるので、前記図13の実施例の補
正値αによりB2ブレーキの供給圧が高く補正される。
図17のB2は、クラッチツウクラッチ変速時において
ドレン調圧されたB2ブレーキの係合圧の変化を示して
おり、タイアップ側でもなくオーバシュート側でもない
中央値を狙った値A(実線)に対して学習補正値ΔD
SLU が加算されることにより、タイアップ側へずらされ
た状態(破線)を示している。
【0087】また、前述の図10のSA6−1およびS
A11−1や図13のSB6およびSB13には、オー
バシュート量を所定の範囲内とするために逐次油圧補正
するオーバシュートリアルタイム制御が設けられていた
が、必ずしも設けられていなくてもよいのである。反対
に、図10のSA6−2およびSA11−2や図13の
SB7およびSB14にはオーバシュート学習制御が設
けられていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0088】また、前述の図19の実施例のSC2で
は、エンジン回転速度NE からクラッチツウクラッチ変
速直前の第2速ギヤ段でのエンジン回転速度NE2を差し
引くことによって算出されていたが、予め求められた関
係から、実際のエンジン回転速度NE のオーバシュート
開始時の変化速度dNE /dtに基づいて算出すなわち
予測するようにしてもよい。
【0089】また、図10の実施例において、第1の禁
止手段170はオーバシュート制御手段162による補
正を禁止したときは、タイアップ制御手段164の油圧
値の学習補正を実行させることにより、クラッチツウク
ラッチ変速の特性をタイアップ側としていたが、エンジ
ン10の出力トルクを点火時期の遅角などにより一時的
に低下させる手段を、そのタイアップ制御手段164に
替えて実行させてもよい。
【0090】また、前述の図19の実施例は、シフトレ
バー72によってDレンジが選択されているときだけ実
行されるようにしてもよい。
【0091】また、前述の実施利では、ブレーキB3の
解放とブレーキB2の係合とによって第2速ギヤ段から
第3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速が行われる
ように構成されていたが、他の摩擦係合装置がそのクラ
ッチツウクラッチ変速を実現するものであってもよい
し、他のギヤ段たとえば第3速ギヤ段と第4速ギヤ段と
の間でクラッチツウクラッチ変速が行われるように構成
されていてもよい。
【0092】また、前述の図10、図13、図19のフ
ローチャートは、同様の制御機能を達成する範囲でステ
ップが追加されたり、或いはステップ内容の変更が行わ
れても差支えない。
【0093】また、前述の実施例では、エンジン用電子
制御装置76と変速用電子制御装置78とは相互に独立
して構成されていたが、共通の演算制御装置によって構
成されていてもよい。
【0094】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子
図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図7】図5および図6に示す油圧制御回路により実行
されるクラッチツウクラッチ変速における1対の摩擦係
合装置の解放油圧および係合油圧の変化を示すタイムチ
ャートである。
【図8】図3の電子制御装置の制御機能を説明する機能
ブロック線図である。
【図9】図3のエンジン用電子制御装置の制御作動の要
部を説明するフローチャートである。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図11】図3の実施例においてクラッチツウクラッチ
変速判断に用いられる変速線を示す図である。
【図12】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能を説明する機能ブロック線図である。
【図13】図12の実施例の変速用電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。
【図14】図13のSB9、SB16において用いられ
る学習補正値が記憶されたマップを例示する図である。
【図15】図13のSB8、SB15において初期値A
を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図16】図13のSB9およびSB16において用い
られる補正値αを決定するための関係を示す図である。
【図17】クラッチツウクラッチ変速時におけるブレー
キB3とブレーキB2の油圧変化を示す図である。
【図18】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能を説明する機能ブロック線図である。
【図19】図18の実施例の変速用電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。
【図20】図18の実施例の作動を説明するタイムチャ
ートである。
【図21】図18の実施例におけるエンジン回転速度N
E のオーバシュートを示す図であって、図19のSC4
の判断が否定される状態を示している。
【図22】図18の実施例におけるエンジン回転速度N
E のオーバシュートを示す図であって、図19のSC4
の判断が肯定された状態を示している。
【符号の説明】
14:自動変速機 158:エンジン過回転防止手段 162:オーバシュート制御手段(オーバシュートリア
ルタイム制御手段、オーバシュート学習制御手段) 164:タイアップ制御手段 166:エンジン作動状態検出手段 170:第1の禁止手段 190:エンジン過回転防止中止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 61/06 F16H 61/06 // F16H 59:42 59:42 59:74 59:74 (56)参考文献 特開 平4−345539(JP,A) 特開 平6−341535(JP,A) 特開 平6−341540(JP,A) 特開 平5−16705(JP,A) 特開 平7−285360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F02D 29/00 - 29/06 B60K 41/00 - 41/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の摩擦係合装置の油圧を解放すると
    同時に他方の摩擦係合装置の油圧を昇圧させることによ
    り所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換えるクラッチツ
    ウクラッチ変速が実行される車両用自動変速機におい
    て、エンジン回転速度が予め設定された値以上となるこ
    とを防止するエンジン過回転防止手段と、クラッチツウ
    クラッチ変速期間のエンジンのオーバシュート量が所定
    範囲内となるようにクラッチツウクラッチ変速に関与す
    る摩擦係合装置の油圧を制御する油圧制御手段と、オー
    バシュート量が所定範囲を外れた場合に該油圧制御手段
    により制御される油圧を補正するオーバシュート制御手
    段とを備えた変速制御装置であって、 前記クラッチツウクラッチ変速時のエンジンの作動状態
    を検出するエンジン作動状態検出手段と、 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウクラッチ
    変速期間に前記エンジン過回転防止手段により過回転が
    防止される作動領域に入り得ると判断された場合は、前
    記オーバシュート量が所定範囲内となるように前記クラ
    ッチツウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を
    制御することを禁止する禁止手段とを、含むことを特徴
    とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 一方の摩擦係合装置の油圧を解放すると
    同時に他方の摩擦係合装置の油圧を昇圧させることによ
    り所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換えるクラッチツ
    ウクラッチ変速が実行される車両用自動変速機におい
    て、エンジン回転速度が予め設定された値以上となるこ
    とを防止するエンジン過回転防止手段と、クラッチツウ
    クラッチ変速期間のエンジンのオーバシュート量が所定
    範囲内となるようにクラッチツウクラッチ変速に関与す
    る摩擦係合装置の油圧を制御する油圧制御手段と、オー
    バシュート量が所定範囲を外れた場合に該油圧制御手段
    により制御される油圧を学習補正するオーバシュート学
    習制御手段とを備えた変速制御装置であって、 前記クラッチツウクラッチ変速時のエンジンの作動状態
    を検出するエンジン作動状態検出手段と、 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウクラッチ
    変速期間に前記エンジン過回転防止手段により過回転が
    防止される作動領域に入り得ると判断された場合は、前
    記オーバシュート学習制御手段による油圧の学習制御を
    禁止する禁止手段とを、含むことを特徴とする車両用自
    動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチツウクラッチ変速時にタイ
    アップになるように該クラッチツウクラッチ変速に関与
    する摩擦係合装置の油圧を制御するタイアップ制御手段
    がさらに含まれ、 前記禁止手段によって前記オーバシュート量が所定範囲
    となるように前記クラッチツウクラッチ変速に関与する
    摩擦係合装置の油圧を制御することが禁止された場合に
    は、該タイアップ制御手段により前記摩擦係合装置の油
    圧の制御を実行させる請求項1または2の車両用自動変
    速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 一方の摩擦係合装置の油圧を解放すると
    同時に他方の摩擦係合装置の油圧を昇圧させることによ
    り所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換えるクラッチツ
    ウクラッチ変速が実行される車両用自動変速機におい
    て、エンジン回転速度が予め設定された値以上となるこ
    とを防止するエンジン過回転防止手段と、クラッチツウ
    クラッチ変速期間のエンジンのオーバシュート量が所定
    範囲内となるようにクラッチツウクラッチ変速に関与す
    る摩擦係合装置の油圧を学習に基づいて補正するオーバ
    シュート学習制御手段とを備えた変速制御装置であっ
    て、 前記クラッチツウクラッチ変速時のエンジンの作動状態
    を検出するエンジン作動状態検出手段と、 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウクラッチ
    変速期間に前記エンジン過回転防止手段により過回転が
    防止される作動領域に入り得ると判断された場合は、そ
    の作動領域でのオーバシュート量による学習を禁止する
    と共に、前記作動領域に入らないときに該オーバシュー
    ト量が所定範囲を外れた場合に前記オーバーシュート学
    習制御手段が学習した補正値に基づいて前記クラッチツ
    ウクラッチ変速に関与する摩擦係合装置の油圧を補正す
    る油圧補正禁止手段とを、含むことを特徴とする車両用
    自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 一方の摩擦係合装置の油圧を解放すると
    同時に他方の摩擦係合装置の油圧を昇圧させることによ
    り所定のギヤ段から他のギヤ段へ切り換えるクラッチツ
    ウクラッチ変速が実行される車両用自動変速機におい
    て、エンジン回転速度が予め設定された値以上となるこ
    とを防止するエンジン過回転防止手段と、クラッチツウ
    クラッチ変速期間のエンジンのオーバシュート量が所定
    範囲内となるようにクラッチツウクラッチ変速に関与す
    る摩擦係合装置の油圧を補正するオーバシュート量油圧
    補正手段とを備えた変速制御装置であって、 前記クラッチツウクラッチ変速時のエンジンの作動状態
    を検出するエンジン作動状態検出手段と、 前記エンジンの作動状態が、前記クラッチツウクラッチ
    変速期間に前記エンジン過回転防止手段により過回転が
    防止される作動領域に入り得ると判断された場合は、前
    記エンジン過回転防止手段によるエンジン過回転の防止
    作動を中止するエンジン過回転防止中止手段とを、含む
    ことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
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