JPH0979372A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH0979372A
JPH0979372A JP7234831A JP23483195A JPH0979372A JP H0979372 A JPH0979372 A JP H0979372A JP 7234831 A JP7234831 A JP 7234831A JP 23483195 A JP23483195 A JP 23483195A JP H0979372 A JPH0979372 A JP H0979372A
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JP
Japan
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shift
gear
vehicle
manual
automatic
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Application number
JP7234831A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Yasuo Hojo
康夫 北條
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動変速操作が複数回行われたとき、そのと
きの運転者の意志或いは運転状態に応じて、円滑な減速
或いは速やかな変速が得られる車両用自動変速機の変速
制御装置を提供する。 【解決手段】 多重操作判定手段162によりダウンシ
フトスイッチ77が連続的に複数回操作されたことが判
定されると、車両状態判定手段164により、それに判
定された車両状態に従って、ギヤ段を1段毎にシフトさ
せる変速様式と、ギヤ段をダウンシフトスイッチ77の
操作回数に応じた複数段だけ一挙にシフトさせる変速様
式とのいずれかが、手動変速制御手段160に実行させ
られる。したがって、ダウンシフトスイッチ77による
手動変速操作が複数回行われたとき、運転者の操作意志
に応じて、円滑な減速や速やかな多段変速が得られる利
点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のギヤ段のうちの所望のギヤ段が選
択される自動変速機と、予め設定された変速線図から実
際の車両の走行状態に基づいてギヤ段を自動的に切り換
える変速制御手段とを備えた車両用自動変速機の変速制
御装置が知られている。そして、そのような自動変速機
の変速制御装置の一種に、手動変速操作装置の手動変速
操作に応答して自動変速機のギヤ段を所望のギヤ段へア
ップシフト或いはダウンシフトさせてそれを保持するよ
うにしたものがある。たとえば、特開平2−8545号
公報に記載された変速制御装置がそれである。
【0003】ところで、手動変速操作が短時間内に複数
回操作される多重操作が行われる場合がある。このよう
な場合には、上記変速制御装置では、手動変速操作回数
だけギヤ段をアップシフト或いはダウンシフトさせるこ
とになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、手動変速操作回数だけギヤ段をアップシフト或
いはダウンシフトさせると、運転者に違和感のある変速
となる場合があった。手動変速操作が複数回操作される
場合には、たとえば、シフトダウンによって円滑な減速
感を得たいときには1回のみならず複数回手動変速操作
が行われる一方、駆動力を高めるなどのために速やかに
多段変速を実行したい場合にも、複数回手動変速操作が
行われるので、一律に手動変速操作回数に対応する複数
のギヤ段を一挙にダウンシフトさせると、複数段のダウ
ンシフトによって比較的大きなエンジンブレーキが作用
し、減速走行が円滑に開始されないという不都合が発生
する可能性があった。また、これに対して、手動変速操
作が複数回行われると、その操作回数に対応する複数の
ギヤ段を1つずつシフトさせることにより円滑な減速を
実行させることが考えられるが、このような場合には、
速やかな多段変速を期待して操作されたときには複数段
のダウンシフトが速やかに得られないという不都合が発
生する可能性があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、手動変速操作が
複数回行われたとき、そのときの運転者の意志或いは運
転状態に応じて、円滑な減速或いは速やかな変速が得ら
れる車両用自動変速機の変速制御装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、所望のギヤ段を達成
するために手動操作される手動変速操作装置を有する自
動変速機において、手動変速操作装置が操作されたこと
に応答して自動変速機のギヤ段をアップシフト或いはダ
ウンシフトさせて保持する手動変速制御手段を備えた車
両用自動変速機の変速制御装置であって、(a) 前記手動
変速操作装置が連続的に複数回操作されたことを判定す
る多重操作判定手段と、(b) その多重操作判定手段によ
り前記手動変速操作装置が連続的に複数回操作されたと
判定されたときの車両状態に基づいて、ギヤ段を1段毎
にシフトさせる変速様式と、ギヤ段を前記手動変速操作
装置の操作回数に応じた複数段だけ一挙にシフトさせる
変速様式とのいずれか一方を前記手動変速制御手段に実
行させる車両状態判定手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、多重操作判定手段に
より前記手動変速操作装置が連続的に複数回操作された
ことが判定されると、車両状態判定手段により、ギヤ段
を1段毎にシフトさせる変速様式と、ギヤ段を前記手動
変速操作装置の操作回数に応じた複数段だけ一挙にシフ
トさせる変速様式とのいずれかが、車両状態に基づいて
手動変速制御手段により実行される。したがって、手動
変速操作が複数回行われたとき、運転者の意志に応じ
て、円滑な減速や速やかな多段変速が得られる。たとえ
ば、シフトダウンによって円滑な減速感を得ることを目
的としてダウンシフトの手動変速操作が複数回行われた
ときには、ギヤ段を1段毎にシフトダウンさせる変速様
式が選択されるので、多段変速によって比較的大きなエ
ンジンブレーキが作用することがなく滑らかな減速感が
得られる。また、速やかなダウン変速を目的としてダウ
ンシフト操作が複数回行われたときには、ギヤ段を操作
回数に応じた複数段だけ一挙にシフトダウンさせる変速
様式が選択されるので、速やかな変速が得られるのであ
る。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記自動変速機
を手動操作により変速させるための手動変速操作装置と
してダウンシフト操作装置のみを備えたステアリングホ
イールが備えられる。これによれば、車両のステアリン
グホイールには変速操作のための他の操作装置が設けら
れていないので、ステアリングホイールの回転操作中の
操作性がよくなる。
【0009】また、好適には、前記多重操作判定手段
は、手動変速操作装置の初回の操作からその操作に基づ
いて前記手動変速制御手段による変速が実質的に開始さ
れるか或いは終了するまでに、前記手動変速操作装置が
2回以上操作されたか否かを判定する。このようにすれ
ば、手動変速操作装置の初回の操作時点からその操作に
応答して手動変速制御手段による変速が実質的に開始或
いは終了するまでの期間内における手動変速操作装置の
多重的操作が判定されると、車両状態に基づいて、ギヤ
段を1段だけ前記手動変速制御手段によりシフトさせる
変速様式と、ギヤ段を前記手動変速操作装置の操作回数
に応じた複数段だけ前記手動変速制御手段によりシフト
させる変速様式とのいずれかが、手動変速制御手段によ
り採用されて実行されることになる。
【0010】また、好適には、前記車両状態判定手段
は、アクセルペダル操作量、スロットル弁開度などのエ
ンジン負荷により表される車両状態に基づいて、すなわ
ち運転者の加速意志の有無に基づいて、前記手動変速操
作装置が連続的に複数回操作されたと判定されたときの
操作意志を判定する。たとえば、エンジン負荷(アクセ
ルペダル操作量或いはスロットル弁開度)が所定の判断
基準値(例えば零に近い比較的小さな値)よりも小さい
場合には滑らかな減速走行を選択する意志であると判定
し、エンジン負荷が所定の判断基準値より大きい場合に
は速やかな多段ダウンシフト変速を選択する意志である
と判定する。
【0011】また、好適には、前記車両状態判定手段
は、ブレーキスイッチなどにより検出されるブレーキの
操作(制動操作)の有無に基づいて、すなわち車両の制
動走行の有無に基づいて、前記手動変速操作装置が連続
的に複数回操作されたと判定されたときの操作意志を判
定する。たとえば、アイドルスイッチがオン状態である
惰行走行であっても制動操作が行われない場合には滑ら
かな減速走行を選択する意志であると判定し、制動操作
が行われている場合には、比較的大きなエンジンブレー
キ或いは再加速を目的とした速やかな多段ダウンシフト
変速を選択する意志であると判定する。
【0012】また、好適には、前記自動変速機のギヤ段
を予め設定された変速線図から実際の車両の走行状態に
基づいて自動的に切り換える変速制御手段と、車両状態
が予め設定された復帰条件を満足したときには、前記手
動変速制御手段によるギヤ段の保持を解除して上記変速
制御手段によりギヤ段が自動的に切り換えられる自動変
速状態へ自動的に復帰させる自動復帰手段と、手動変速
操作によって自動変速機のギヤ段がそれまでのギヤ段よ
りも所定段下或いは上へ変速させられた後、上記自動復
帰手段の復帰条件を切り換える復帰条件切換手段とが設
けられる。この復帰条件切換手段は、たとえば、車両の
スロットル弁開度が所定値を超えた車両の加速走行状態
すなわち車両の駆動走行状態であるか否か、或いは車両
のスロットル弁開度が所定値以下の車両の減速走行状態
すなわち車両の非駆動走行状態であるか否か、登坂制御
中であるか否か、降坂制御中であるか否かを判定し、判
定結果に基づいて復帰条件を切り換える。このようにす
れば、スロットル弁開度、車両の駆動或いは非駆動状
態、登坂制御中、降坂制御中などの車両状態に応じて復
帰条件が切り換えられるので、自動変速状態へ自動的に
復帰させられたときの違和感が防止される。
【0013】また、好適には、上記自動復帰手段は、車
両を減速走行させるために、前記手動変速制御手段によ
りたとえば1段下のギヤ段に変速され且つ保持された場
合や、或いは上記手動変速制御手段により2段下のギヤ
段に変速させるに際してギヤ段を1段毎に前記手動変速
制御手段によりシフトさせる変速様式が選択された場合
には、そのときの減速走行が終了したときに、前記変速
制御手段による自動変速状態へ自動的に復帰させる。こ
のようにすれば、減速走行途中において自動変速状態へ
復帰させられることが防止される。前記復帰条件切換手
段は、ギヤ段を1段毎にシフトさせる変速様式が選択さ
れたときには、上記のような条件を含む復帰条件Iを選
択するのである。
【0014】また、好適には、上記自動復帰手段は、車
両を加速走行させるために、前記手動変速制御手段によ
りたとえば1段下のギヤ段に変速され且つ保持された場
合や、或いは上記手動変速制御手段により2段下のギヤ
段に変速させるためにギヤ段を前記手動変速操作装置の
操作回数に応じた複数段だけ前記手動変速制御手段によ
り一挙にシフトさせる変速様式が選択された場合には、
そのときの加速走行が終了したときに、前記自動変速制
御手段による自動変速状態へ自動的に復帰させる。この
ようにすれば、加速走行途中において自動変速状態へ復
帰させられることが防止される。前記復帰条件切換手段
は、ギヤ段を前記手動変速操作装置の操作回数に応じた
複数段だけ一挙にシフトさせる変速様式が選択されたと
きには、上記のような条件を含む復帰条件IIを選択する
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0017】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0018】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0019】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0020】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0021】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0022】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。
【0023】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50およびスロットルア
クチュエータ54によって操作されるスロットル弁56
が設けられている。また、エンジン10の回転速度NE
を検出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10
の吸入空気量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入
空気の温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上
記スロットル弁56の開度θTHを検出するアイドルスイ
ッチ付スロットルセンサ64、出力軸42の回転速度N
OUT すなわち車速Vを検出する車速センサ66、エンジ
ン10の冷却水温度TW を検出する冷却水温センサ6
8、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ70、
シフトレバー72の操作位置PSHを検出する操作位置セ
ンサ74、入力軸20の回転速度NINすなわちクラッチ
C0の回転速度NC0(=タービン回転速度NT または入
力軸回転速度NIN)を検出する入力軸回転センサ73、
油圧制御回路84の作動油温度TOIL を検出する油温セ
ンサ75、ダウンシフトを優先的に実行させるために手
動操作されるダウンシフトスイッチ77などが設けられ
ており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE
吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁56の
開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの
作動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、入力
軸回転速度NC0、作動油温度TOIL 、ダウンシフト操作
を表す信号がエンジン用電子制御装置76或いは変速用
電子制御装置78に供給されるようになっている。
【0024】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジの間が車両の左右方向に
操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0025】図3のエンジン用電子制御装置76は、C
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備え
た所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAM
の一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプ
ログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制
御を実行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料
噴射弁80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ
82を制御し、アイドルスピード制御のために図示しな
いバイパス弁を制御し、トラクション制御或いはクルー
ズコントロール制御のためにスロットルアクチュエータ
54によりスロットル弁56を制御する。上記クルーズ
コントロール制御が選択されている場合には、予め設定
された目標車速VT と実際の車速Vとが一致するように
スロットル弁56の開度が制御されるとともに、スロッ
トル弁56の開度が制御されても車両の駆動力が不足す
る期間はダウンシフトを実行させる。本実施例では、エ
ンジン用電子制御装置76は、クルーズコントロール装
置としても機能しているのである。
【0026】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、スロットル弁56の開度θ
THに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるた
め或いはアキュム背圧を制御するための指令値DSLT
をリニヤソレノイド弁SLT に供給し、その指令値DSL
Tに対応した制御圧PSLT を出力させる。また、ロック
アップクラッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレー
キB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を
制御するための指令値DSLUをリニヤソレノイド弁SL
U に供給し、その指令値DSLUに対応した制御圧P
SLU を出力させる。この変速用電子制御装置78は、エ
ンジン用電子制御装置76と相互に通信可能に接続され
ており、一方に必要な信号が他方から適宜送信されるよ
うになっている。
【0027】また、変速用電子制御装置78は、予め記
憶された変速線図から実際のスロットル弁開度θTHおよ
び車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段すなわち変
速を判断し、この判断されたギヤ段すなわち変速が得ら
れるようにする変速出力を行って電磁弁S1、S2、S
3を駆動し、またエンジンブレーキを発生させる際には
電磁弁S4を駆動する。さらに、変速用電子制御装置7
8は、車両の走行路が所定以上の勾配の登坂路であるか
否かを、実際のギヤ段、スロットル弁開度θTH、および
車速Vの関数である基準加速度と実際の加速度とを比較
することにより判定し、登坂路を判定した場合には、自
動変速機14のギヤ段のうち比較的駆動力の小さい第5
速を禁止し且つ第4速を保持してビジーシフトを防止す
る登坂制御と、車両の走行路が所定以上の負勾配の降坂
路であるか否かを、実際のギヤ段および車速Vの関数で
ある基準加速度と実際の加速度とを比較することにより
判定し、降坂路と判定した場合には、自動変速機14の
ギヤ段を比較的エンジンブレーキ力の小さい第5速を禁
止し且つ第4速以下のギヤ段で変速させてブレーキ操作
を低減させる降坂制御とを実行する。
【0028】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図において、1−2シフト弁88
および2−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力
圧に基づいて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速
時および第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時にお
いてそれぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位
置を示す数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD
は、シフトレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、
L)へ操作されているときに図示しないマニュアル弁か
ら発生される圧であり、ライン油圧PL を元圧としてい
る。
【0029】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3へ供給される。なお、94は緩衝を行うダン
パである。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り
換える変速出力が出された時には、前進レンジ圧P
D は、2−3シフト弁90、油路L03を経て、ブレー
キB2およびB2アキュムレータ100へ供給されると
同時に、ブレーキB3内の作動油は、油路L02、B3
コントロール弁92、油路L01、2−3シフト弁9
0、戻り油路L04、2−3タイミング弁98を経て調
圧ドレンされるとともに、戻り油路L04から分岐する
分岐油路L05およびB2オリフィスコントロール弁9
6を経てドレンされるようになっている。
【0030】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の制御圧P
SLT が、各変速に際して供給される。特にクラッチツウ
クラッチ変速である2→3変速に際しては、上記背圧室
100B に供給される制御圧PSLTは、クラッチツウク
ラッチ変速期間においてイナーシャ相の初期から変速終
了時の値に向かって変化するタービン回転速度NT (=
IN)の減少率が所定の目標範囲内となるように学習補
正される。
【0031】前記B3コントロール弁92は、油路L0
1と油路L02との間を開閉するスプール弁子104
と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と同
心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径の
プランジャ108と、スプリング106を収容し、前記
2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときに
それから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介
して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸端
に設けられてリニヤソレノイド弁SLU の制御圧P SLU
受け入れる油室112とを備えている。このため、B3
コントロール弁92は、第2速ギヤ段の成立過程では、
リニヤソレノイド弁SLU の制御圧PSLU に従ってスプー
ル弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置させて
ファーストフィルをその初期に行うとともに、その後は
油路L01からの作動油を油路L02に供給したり或い
は油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出させる
ことによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを
数式1から上記制御圧PSLUに基づき、アキュムレータ
による緩衝作用の如くに直接的に調圧する。
【0032】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0033】また、B3コントロール弁92は、第3速
ギヤ段以上のギヤ段では、2−3シフト弁90から油室
110に供給される前進レンジ圧PD に従ってスプール
弁子104を中心線の左側に示す開位置にロックさせ
る。これは、B3コントロール弁92の油室112と2
−3タイミング弁98の油室138とが接続されている
ことから、第2→3変速状態では、B3コントロール弁
92の油室112の容積変化を阻止して、2−3タイミ
ング弁98による調圧作動に影響を与えないようにする
ためである。なお、数式1において、S1 およびS2
プランジャ108およびスプール弁子104の断面積で
ある。
【0034】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の制御圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその制御圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその制御圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0035】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速に関与
し、ブレーキB3からの解放圧をリニヤソレノイド弁SL
U から制御圧PSLU に従って調圧する調圧弁として機能
する。すなわち、2−3タイミング弁98は、2→3変
速が出力されたときに2−3シフト弁90から出力され
た前進レンジ圧PD が3−4シフト弁118およびソレ
ノイドリレー弁122を通して供給される供給ポート1
24と、ドレンポート126と、油路L04をその供給
ポート124またはドレンポート126に連通させるこ
とによりブレーキB3のドレン期間の圧力PB3を調圧す
るスプール弁子128と、スプリング130を介してス
プール弁子128と同心に設けられ且つそのスプール弁
子128と同径の第1プランジャ132と、スプール弁
子128と同心に且つその一端に当接可能に設けられ且
つそのスプール弁子128よりも大径の第2プランジャ
134と、スプリング130を収容し、前記2−3シフ
ト弁90が第2速側へ切り替えられたときにそれから出
力される前進レンジ圧PD を油路L08を介して受け入
れる油室136と、第1プランジャ132の軸端に設け
られ、リニヤソレノイド弁SLU からの制御圧PSLU を受
け入れる油室138と、第2プランジャ134の軸端に
設けられ、ブレーキB2内の油圧PB2を受け入れる油室
140と、フィードバック圧を受け入れるフィードバッ
ク油室142とを備えている。
【0036】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の制御圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0037】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0038】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0039】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン油
圧PL を、第2速および第5速時以外のときにクラッチ
C0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0040】図7および図8は、前記ダウンシフトスイ
ッチ77の配置例をそれぞれ示している。図7では、ス
テアリングホイール156の左側位置および右側位置に
一対のダウンシフトスイッチ77が配設されている。ま
た、図8では、ステアリングホイール156の中央位置
に1個のダウンシフトスイッチ77が配設されている。
図7および図8のいずれの例においても、手動操作によ
る変速のための他のスイッチが設けられておらず、手動
により専らダウンシフト操作を行うためのダウンシフト
スイッチ77が単独で配置されているので、ステアリン
グホイール156の回転角度位置がどの状態であって
も、操作性がよいのである。
【0041】図9は、変速用電子制御装置78による制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図に
おいて、変速制御手段158は、自動変速のために予め
記憶された変速線図から車両の走行状態、たとえば実際
のエンジン負荷(スロットル弁開度θTH)および車速V
に基づいて変速判断を行い、その判断された変速を達成
するための変速出力を実行する。図10および図11
は、5→4シフトダウン線を1点鎖線にて例示した変速
線図および4→5シフトアップ線を実線にて例示した変
速線図である。図10において、車速Vおよびスロット
ル弁開度θTHにより表される車両状態がA点からB点へ
変化した場合にはダウンシフトが判断されて5→4変速
の変速出力が行われる。図11において、車両状態がC
点からD点へ変化した場合にはアップシフトが判断され
て4→5変速の出力が行われる。
【0042】ダウンシフトスイッチ77は、自動変速機
14のギヤ段からさらにダウン変速させるために手動操
作される手動変速操作装置として機能する。手動変速制
御手段160は、ダウンシフトスイッチ77が操作され
たことに応答して、上記変速制御手段158により切り
換えられた自動変速機14のギヤ段をそれよりも1段下
或いは2段下などのギヤ段へ優先的に変速させ且つその
1段下のギヤ段或いは2段下などのギヤ段を保持する。
たとえば、第5速ギヤ段にて走行中にダウンシフトスイ
ッチ77が1回操作されると、5→4変速が実行される
とともにその第4速ギヤ段が保持される。この手動変速
制御手段160は、上記1段下のギヤ段が達成されたと
きの値に向かってエンジン回転速度NE を上昇させた後
に、変速制御手段158により切り換えられた自動変速
機14のギヤ段からその1段下のギヤ段への変速を実行
させることにより滑らかにエンジンブレーキを作用させ
る制御も実行する。このようにすれば、上記1段下など
のギヤ段への変速によるエンジン回転速度NE の急変が
ないので、手動変速機における等速シフトと同様の滑ら
かなエンジンブレーキ作用が得られる。
【0043】多重操作判定手段162は、ダウンシフト
スイッチ77が連続的に複数回操作されたことを判定す
る。たとえば、ダウンシフトスイッチ77の初回の操作
に基づいて上記手動変速制御手段160によるダウン変
速が実質的に開始されるまで、たとえば変速のイナーシ
ャ相が開始されるまでに、ダウンシフトスイッチ77が
2回以上操作されたか否かを判定する。車両状態判定手
段164は、上記多重操作判定手段162によりダウン
シフトスイッチ77が連続的に複数回操作されたと判定
されたときの、車両状態センサ(スロットルセンサ6
4、ブレーキスイッチ70)により検出された車両状態
に基づいて、ギヤ段を1段毎にシフトさせる変速様式
と、ギヤ段をダウンシフトスイッチ77の操作回数に応
じた複数段だけ一挙にシフトさせる変速様式のいずれか
一方を、手動変速制御手段160に実行させる。
【0044】すなわち、上記車両状態判定手段164
は、アクセルペダル50の操作量、スロットル弁開度θ
THなどのエンジン負荷により表される車両状態に基づい
て、すなわち運転者の加速意志の有無に基づいて、ダウ
ンシフトスイッチ77が連続的に複数回操作されたと判
定されたときの運転者の操作意志を判定する。たとえ
ば、エンジン負荷(アクセルペダル操作量或いはスロッ
トル弁開度)が所定の判断基準値(例えば零に近い比較
的小さな値)よりも小さい場合には滑らかな減速走行を
選択する意志であると判定し、エンジン負荷が所定の判
断基準値より大きい場合には速やかな多段ダウンシフト
変速を選択する意志であると判定する。また、上記車両
状態判定手段164は、ブレーキスイッチなどにより検
出されるブレーキの操作(制動操作)の有無に基づい
て、すなわち車両の制動走行の有無に基づいて、前記手
動変速操作装置が連続的に複数回操作されたと判定され
たときの操作意志を判定する。たとえば、アイドルスイ
ッチがオン状態である惰行走行であっても制動操作が行
われない場合には滑らかな減速走行を選択する意志であ
ると判定し、制動操作が行われている場合には、比較的
大きなエンジンブレーキ或いは再加速を目的とした速や
かな多段ダウンシフト変速を選択する意志であると判定
する。
【0045】そして、車両状態判定手段164は、さら
に、車両状態に基づいて判定した操作意志に従って、ギ
ヤ段を1段毎にダウンシフトさせる変速様式と、ギヤ段
をダウンシフトスイッチ77の操作回数に応じた複数段
だけ一挙にダウンシフトさせる変速様式とのいずれかを
選択し、前記手動変速制御手段160に実行させる。こ
れにより、ダウンシフトスイッチ77の初回の操作時点
からその操作に応答して手動変速制御手段160による
変速が実質的に開始されるまでの期間内におけるダウン
シフトスイッチ77の多重的操作が判定されると、運転
者の操作意志が滑らかな減速を意図したものであるとき
はギヤ段を1段毎にダウンシフトさせる変速を手動変速
制御手段160に実行させるが、運転者の操作意志が速
やかなダウン変速を意図したものであるときはギヤ段を
ダウンシフトスイッチ77の操作回数に応じた複数段だ
け一挙にシフトさせる変速を手動変速制御手段160に
実行させる。
【0046】自動復帰手段172は、車両状態が予め設
定された復帰条件を満足したときには、手動変速制御手
段160によるギヤ段の保持を解除し、変速制御手段1
58によりギヤ段が自動的に切り換えられる自動変速状
態へ自動的に復帰させる。この自動復帰手段172は、
手動変速された1段下或いは2段下のギヤ段と同じギヤ
段への変速が変速制御手段158による自動変速状態で
判断される車両状態となったときに、その変速制御手段
158による自動変速状態へ自動的に復帰させる。
【0047】復帰条件切換手段174は、ダウンシフト
スイッチ77が操作されたことにより自動変速機14の
ギヤ段がそれよりも1段下或いは2段下のギヤ段へ変速
させられた後、自動復帰手段172の復帰条件を車両状
態に応じて切り換える。この復帰条件切換手段174
は、たとえば、車両のスロットル弁開度θTHが所定値を
超えている加速走行状態すなわち車両の駆動走行状態で
あるか否か、或いは車両のスロットル弁開度θTHが所定
値以下の減速走行状態すなわち車両の非駆動(惰行)走
行状態であるか否か、登坂制御中であるか否か、降坂制
御中であるか否か、1段毎にダウンシフトさせる変速様
式であるか2段を一挙にダウンシフトさせる変速様式で
あるか否かに基づいて復帰条件を切り換える。
【0048】前記自動復帰手段172は、車両を減速走
行させるために、手動変速制御手段160により上記1
段下のギヤ段へダウン変速され且つその1段下のギヤ段
が保持された場合や、或いは2段下のギヤ段へ変速する
に際しギヤ段を1段毎に手動変速制御手段160により
シフトさせる変速様式が選択された場合には、そのとき
の減速走行が終了したときに、変速制御手段158によ
る自動変速状態へ自動的に復帰させる。復帰条件切換手
段174は、ギヤ段を1段毎にシフトさせる変速様式が
選択されたとき、上記のような条件を含む復帰条件Iを
選択するのである。
【0049】また、上記自動復帰手段172は、車両を
加速走行させるために、手動変速制御手段160により
前記1段下のギヤ段へダウン変速され且つその1段下の
ギヤ段が保持された場合や、或いは2段下のギヤ段へ変
速するに際しギヤ段をダウンシフトスイッチ77の操作
回数に応じた複数段だけ手動変速制御手段160により
一挙にシフトさせる変速様式が選択された場合には、そ
のときの加速走行が終了したときに、変速制御手段15
8による自動変速状態へ自動的に復帰させる。復帰条件
切換手段174は、ギヤ段を前記ダウンシフトスイッチ
77の操作回数に応じた複数段だけダウシフトさせる変
速様式が選択されたとき、上記のような条件を含む復帰
条件IIを選択するのである。
【0050】登坂制御手段176は、車両の走行路が所
定以上の勾配の登坂路であるか否かを、実際のギヤ段、
スロットル弁開度θTH、および車速Vの関数である基準
加速度と実際の加速度とを比較することにより判定し、
登坂路であると判定された場合には、自動変速機14の
ギヤ段を比較的駆動力の小さい第5速ギヤ段を禁止して
第4速ギヤ段に保持させる。また、降坂制御手段178
は、車両の走行路が所定以上の負勾配の降坂路であるか
否かを、実際のギヤ段および車速Vの関数である基準加
速度と実際の加速度とを比較することにより判定し、降
坂路と判定された場合には、自動変速機14のギヤ段を
比較的エンジンブレーキ力の小さい第5速ギヤ段を禁止
し且つ第4速ギヤ段以下で変速させる。
【0051】上記登坂制御手段176により登坂制御が
実行されている場合には、手動変速制御手段160は、
ダウンシフトスイッチ77が操作されたことに応答し
て、自動変速機14のギヤ段を上記の登坂制御により保
持されているギヤ段よりも1段下のギヤ段へ変速させ且
つそのギヤ段を保持する。また、上記降坂制御手段17
8により降坂制御が実行されている場合には、手動変速
制御手段160は、ダウンシフトスイッチ77が操作さ
れたことに応答して、自動変速機14のギヤ段を上記降
坂制御により保持されているギヤ段よりも1段下のギヤ
段へ変速させ且つそのギヤ段を保持する。
【0052】図12は、変速用電子制御装置78による
制御作動の要部すなわち手動ダウン変速制御を説明する
フローチャートである。図において、入力信号を読込む
などの入力信号処理がSA1において実行された後、S
A2において、ダウンシフトスイッチ77がオン側へ操
作されたか否かが判断される。このSA2の判断が否定
された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定され
た場合は、SA3において、シフトレバー72がDレン
ジ、4レンジ、3レンジの何れかに操作されているか否
かが判断される。このSA3は、手動操作によるダウン
シフトの余地があるか否かを判断するためのものであ
る。
【0053】上記SA3の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SA4
以下が実行されることにより、手動操作によるダウンシ
フトの実行後の復帰条件が切り換えられる。すなわち、
SA4においては登坂制御中であるか否かが判断され、
そのSA4の判断が否定された場合はSA5において降
坂制御中であるか否かが判断され、そのSA5の判断が
否定された場合はSA6においてダウンシフトスイッチ
77が2度操作されたか否かが判断され、そのSA6の
判断が否定された場合はSA7においてアイドルスイッ
チがオン状態(スロットル弁開度θTH=0)であるか否
かが判断され、そのSA7の判断が否定された場合はS
A8においてスロットル弁開度θTHが予め設定された判
断基準値θ1 を超えたか否かが判断される。この判断基
準値θ1 は車両が駆動走行状態であるか或いは非駆動走
行状態であるかを判断するために設定された値であり、
たとえば7%程度の値が採用される。
【0054】上記SA7の判断が肯定され或いはSA8
の判断が否定された場合には、車両の減速走行すなわち
車両の非駆動走行状態であるので、このような減速走行
で更にエンジンブレーキを期待してダウンシフトスイッ
チ77が操作されたと考えられる。このため、前記手動
変速制御手段160に対応するSA9において、予めス
ロットル弁開度θTHが増加させられてエンジン回転速度
E が自動変速機14の実際のギヤ段よりも1段下のギ
ヤ段が成立したときの値に向かって増加させられた後、
自動変速機14の実際のギヤ段からそれより1段下のギ
ヤ段へのダウンシフトの変速たとえば5→4変速が実行
され、且つその1段下のギヤ段が保持される。同時に、
エンジンブレーキを作用させるための電磁弁S4が作動
させられる。
【0055】次いで、復帰条件切換手段174に対応す
るSA10において図13の自動復帰ルーチンにおける
自動復帰条件Iが採用された後、本ルーチンが終了させ
られる。これにより、図13の自動復帰ルーチンでは、
その自動復帰条件Iが満足されたか否かが判断され、満
足されたと判断された場合には、変速制御手段158に
よる自動変速状態へ自動的に復帰させられる。この自動
復帰ルーチンは、時分割などにより、図12の手動ダウ
ン変速制御ルーチンと並列的或いは直列的に実行され、
実質的に同時に実行される。
【0056】図13において、SR1では、前記SA9
などによるダウンシフトが完了したか否かが判断され
る。このSR1の判断が否定された場合は本ルーチンが
終了させられるが、肯定された場合は、SR2およびS
R3において前記自動復帰条件Iが満足されたか否かが
判断される。すなわち、SR2において、変速制御手段
158による自動変速状態で決定されるギヤ段GA が、
上記SA9によりダウンシフトされ且つ保持された実際
のギヤ段GD と同等若しくは低速側のギヤ段であるか否
かが判断される。このSR2の判断が否定された場合
は、SR3において減速走行が終了したか否かが判断さ
れる。この減速走行の終了は、たとえば、アクセルペダ
ル50の再踏み込みによってスロットル弁開度θTHが所
定値を超えて増加したか否か、或いは、車両の実際の加
速度(NOUT の変化率から求められる)が、車速Vおよ
び実際のギヤ段GD の関数である基準加速度以下となっ
たか否かに基づいて判断される。
【0057】上記SR2およびSR3の判断が共に否定
された場合は、上記自動復帰条件Iが満足されない状態
であるので本ルーチンが終了させられるが、少なくとも
一方が肯定された場合は、上記自動復帰条件Iが満足さ
れた状態であるので、前記自動復帰手段172に対応す
るSR4において、上記実際のギヤ段GD の保持が解除
され、変速制御手段158による自動変速状態へ復帰さ
せられる。
【0058】しかし、前記図12において、SA8の判
断が肯定された場合は、車両の加速走行すなわち車両の
駆動走行状態であるので、このような加速走行で更に駆
動力(加速力)を期待してダウンシフトスイッチ77が
操作されたと考えられる。このため、前記手動変速制御
手段160に対応するSA11において、SA9と同様
にして自動変速機14の実際のギヤ段からそれより1段
下のギヤ段へのダウンシフトの変速が実行され、且つそ
の1段下のギヤ段が保持された後、復帰条件切換手段1
74に対応するSA12において、SA10とは異なる
自動復帰条件IIが採用される。図14は、この自動復帰
条件IIが採用されたときの自動復帰制御ルーチンを示し
ている。
【0059】図14において、SR1においてダウンシ
フトが完了したと判断されたときに実行されるSR2お
よびSR3では、上記自動復帰条件IIが満足されたか否
かが判断される。すなわち、SR2では、変速制御手段
158による自動変速状態で決定されるギヤ段GA が、
上記SA11などによりダウンシフトされ且つ保持され
た実際のギヤ段GD と同等若しくは低速側のギヤ段であ
るか否かが判断される。しかし、上記SR2の判断が否
定されたときには、SR3において、加速走行が終了し
たか否かが判断される。この判断は、アクセルペダル5
0の踏み込みを解除することによってスロットル弁開度
θTHが所定値を下回って減少したか否か、或いは、車両
の実際の加速度(NOUT の変化率から求められる)が、
車速Vおよび実際のギヤ段GD の関数である基準加速度
以上となったか否かに基づいて判断される。上記SR2
およびSR3の判断が共に否定された場合は本ルーチン
が終了させられるが、少なくとも一方が肯定された場合
は、前記自動復帰手段172に対応するSR4におい
て、上記実際のギヤ段GD の保持が解除され、変速制御
手段158による自動変速状態へ復帰させられる。
【0060】また、前記図12のSA5において降坂制
御中であると判断された場合は、SA13において、前
記SA9と同様のダウンシフトが実行されたあと、復帰
条件切換手段174に対応するSA14において降坂路
用復帰条件が採用される。この降坂路用復帰条件は、ア
イドルスイッチのオン状態においては、車両の実際の加
速度が前記基準加速度以下である状態が所定時間以上継
続したときに自動変速状態へ復帰させる一方、アイドル
スイッチのオフ状態においては、車両の実際の加速度が
前記基準加速度に余裕値αを加えた値以下である状態が
所定時間以上継続したときに自動変速状態へ復帰させる
ものである。上記降坂路用復帰条件が採用された場合
は、たとえば図13に示す自動復帰制御ルーチンのSR
2およびSR3において上記降坂路用復帰条件が満足さ
れたか否かが判断され、満足された場合は、SR4によ
り自動変速状態へ復帰させられる。
【0061】また、前記図12のSA4において登坂制
御中であると判断された場合は、SA15において、前
記SA9と同様のダウンシフトが実行されたあと、復帰
条件切換手段174に対応するSA16において登坂路
用復帰条件が採用される。この登坂路用復帰制御は、車
両の実際の加速度が前記基準加速度から余裕値βを差し
引いた値以上である状態が所定時間以上継続し且つブレ
ーキの非操作状態であるときに自動変速状態へ復帰させ
るものである。上記登坂路用復帰条件が採用された場合
は、たとえば図14に示す自動復帰制御ルーチンのSR
2およびSR3において上記登坂路用復帰条件が満足さ
れたか否かが判断され、満足された場合は、SR4によ
り自動変速状態へ復帰させられる。
【0062】前記SA6は、前記多重操作判定手段16
2に対応するものであって、ダウンシフトスイッチ77
が操作されたことに応答して実行されるダウンシフト変
速が終了するまでの間にさらにダウンシフトスイッチ7
7が操作されたか否かを判定する。このSA6の判断が
肯定された場合は、図15に示すSA17以下が実行さ
れる。SA17乃至SA19は、ダウンシフトスイッチ
77が多重的にすなわち連続的に複数回操作されたと判
定されたときの操作者の操作意志、たとえば滑らかな減
速走行を意図したものか或いは速やかなシフトダウンを
意図したものかを、車両状態に基づいて判定する車両状
態判定手段164に対応している。
【0063】SA17では、アイドルスイッチがオン状
態であるか否かが判断される。このSA17の判断が否
定された場合は、SA18においてスロットル弁開度θ
THが予め設定された判断基準値θ1 よりも大きいか否か
が判断される。上記SA17の判断が肯定された場合或
いはこのSA18の判断が否定された場合は、SA19
においてブレーキが操作されているか否かが判断され
る。
【0064】上記SA19の判断が否定された場合、す
なわちアイドルスイッチがオン状態であるか或いはスロ
ットル弁開度θTHが判断基準値θ1 よりも小さい状態で
ある車両の惰行走行であるときには、ダウンシフトスイ
ッチ77が多重的に操作されたことの操作意志は滑らか
な減速を意図したものであると考えられるので、SA2
0以下が実行される。すなわち、前記手動変速制御手段
160に対応するSA20およびSA21において1段
毎の変速様式が採用されることによって1段毎のダウン
シフトがそれぞれ実行された後、前記復帰条件切換手段
174に対応するSA22において、前述のSA10と
同様に自動復帰条件Iが採用される。
【0065】しかし、上記SA18の判断或いはそのS
A19の判断が肯定された場合は、スロットル弁開度θ
THが判断基準値θ1 よりも大きい状態である車両の加速
走行であるか、或いは制動操作状態であることから、ダ
ウンシフトスイッチ77が多重的に操作されたことの操
作意志は急速な再加速或いは急速な制動を前提とする速
やかなダウン変速を意図したものであると考えられるの
で、SA23以下が実行される。すなわち、前記手動変
速制御手段160に対応するSA23において2つのギ
ヤ段を一挙にダウンシフトさせる変速様式が選択される
ことによってその2つのギヤ段を一挙にダウンシフトさ
せる変速が実行された後、前記復帰条件切換手段174
に対応するSA24において、前述のSA12と同様に
自動復帰条件IIが採用される。
【0066】上述のように、本実施例によれば、ダウン
シフトスイッチ77が操作されると、それに応答して、
手動変速制御手段160に対応するSA9、SA11、
SA13、SA15により、変速制御手段158により
切り換えられた自動変速機14のギヤ段がそれよりも1
段或いは2段下のギヤ段GD へ優先的に変速させられ且
つその1段或いは2段下のギヤ段GD が保持されるが、
車両状態が予め設定された復帰条件を満足したときに
は、自動復帰手段172に対応するSR4により、上記
手動変速制御手段160によるギヤ段の保持が解除され
て変速制御手段158によりギヤ段が自動的に切り換え
られる自動変速状態へ自動的に復帰させられるので、手
動ダウン変速に先立って自動変速モードから手動変速モ
ードへ切り換えるための操作や、手動ダウン変速の後に
手動変速モードから自動変速モードへ切り換えるための
操作が不要となり、手動ダウン変速毎に必要とされる操
作が簡単となり、簡易な運転(イージードライブ)感覚
が得られるのである。
【0067】また、本実施例によれば、多重操作判定手
段162に対応するSA6によりダウンシフトスイッチ
77が連続的に複数回操作されたことが判定されると、
車両状態判定手段164に対応するSA17乃至SA1
9により判定された車両状態に従って、ギヤ段を1段毎
にシフトさせる変速様式と、ギヤ段をダウンシフトスイ
ッチ77の操作回数に応じた複数段だけ一挙にシフトさ
せる変速様式とのいずれかが、手動変速制御手段160
に対応するSA20およびSA21、またはSA23に
おいて実行される。したがって、ダウンシフトスイッチ
77による手動変速操作が複数回行われたとき、運転者
の操作意志に応じて、円滑な減速や速やかな多段変速が
得られる利点がある。たとえば、シフトダウンによって
円滑な減速感を得ることを目的としてダウンシフトスイ
ッチ77の手動変速操作が複数回行われたときには、ギ
ヤ段を1段毎にシフトダウンさせる変速様式が選択され
るので、多段変速によって比較的大きなエンジンブレー
キが作用することがなく滑らかな減速感が得られる。ま
た、速やかなダウン変速を目的としてダウンシフトスイ
ッチ77の操作が複数回行われたときには、ギヤ段を操
作回数に応じた複数段だけ一挙にシフトダウンさせる変
速様式が選択されるので、速やかな変速が得られるので
ある。
【0068】また、本実施例によれば、手動変速制御手
段160では、自動変速機14のギヤ段を1段或いは2
段下のギヤ段に変速させるに際して、その1段或いは2
段下のギヤ段の成立後の値に向かってエンジン回転速度
を上昇させた後に自動変速機14のギヤ段をその1段下
のギヤ段へ切り換える制御が実行されるので、手動変速
機における等速シフトと同様に、滑らかなエンジンブレ
ーキ作用が得られる利点がある。
【0069】また、本実施例によれば、図13或いは図
14の自動復帰制御ルーチンのSR2では、自動変速機
14のギヤ段より1段下のギヤ段と同じギヤ段への変速
が変速制御手段158による自動変速状態で判断される
車両状態となったときに、その変速制御手段158によ
る自動変速状態へ自動的に復帰させるものであるので、
上記1段下のギヤ段を保持する状態から自動変速状態へ
自動的に復帰させられることに起因して、自動変速機1
4の不要なアップシフト変速の発生が解消される。
【0070】また、本実施例によれば、ダウンシフトス
イッチ77が操作されたことにより自動変速機14のギ
ヤ段がそれよりも1段或いは2段下のギヤ段へ変速させ
られた後、自動復帰条件を車両状態に応じて切り換える
復帰条件切換手段174(SA10、SA12、SA1
4、SA16、SA22、SA24)が設けられる。こ
の復帰条件切換手段174は、たとえば、車両のスロッ
トル弁開度θTHが所定値を超えた車両の加速走行状態す
なわち車両の駆動走行状態であるか否か、或いは車両の
スロットル弁開度θTHが所定値以下の車両の減速走行状
態すなわち車両の非駆動走行状態であるか否か、登坂制
御中であるか否か、降坂制御中であるか否か、変速様式
が2段を一挙にシフトダウンさせるものであるかに基づ
いて復帰条件を切り換える。このように、スロットル弁
開度θTH、車両の駆動或いは非駆動状態、登坂制御中、
降坂制御中などの車両状態に応じて復帰条件が切り換え
られるので、自動変速状態へ自動的に復帰させられたと
きの違和感が防止される。
【0071】また、本実施例によれば、図13の自動復
帰制御ルーチンのSR3は、車両を減速走行させるため
に、手動変速制御手段160により自動変速機14のギ
ヤ段がそれより1段下のギヤ段へダウン変速され且つそ
の1段下のギヤ段が保持された場合や、或いは2段下の
ギヤ段へ1段毎にシフトダウンさせる変速様式が選択さ
れた場合には、その減速走行が終了したときに、変速制
御手段158による自動変速状態へ自動的に復帰させる
ので、上記1段或いは2段下のギヤ段のエンジンブレー
キによる減速走行途中で自動変速状態への復帰が行われ
ることが防止される利点がある。
【0072】また、本実施例によれば、図14の自動復
帰制御ルーチンのSR3は、車両を加速走行させるため
に、手動変速制御手段160により自動変速機14のギ
ヤ段がそれより1段下のギヤ段へダウン変速され且つそ
の1段下のギヤ段が保持された場合や、或いは2段下の
ギヤ段へ一挙にシフトダウンさせる変速様式が選択され
た場合には、その加速走行が終了したときに、前記変速
制御手段158による自動変速状態へ自動的に復帰させ
るものであるので、上記1段或いは2段下のギヤ段によ
る加速走行途中で自動変速状態への復帰が行われること
が防止される利点がある。
【0073】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】図9の破線に示す機能ブロックは、本発明
の他の実施例の変速用電子制御装置78の制御機能の要
部を説明するものである。この図9において、手動変速
制御手段160により自動変速機14のギヤ段が保持さ
れたときには、車速Vを予め設定された目標車速VM
一致させるように自動変速機14のギヤ段およびスロッ
トル弁開度θTHを調節するクルーズコントロール装置
(エンジン用電子制御装置76)の車速制御作動を中止
させるクルーズコントロール中止手段180と、前記自
動復帰手段172により、手動変速制御手段160によ
るギヤ段の保持が解除されて変速制御手段158により
ギヤ段が自動的に切り換えられる自動変速状態へ自動的
に復帰させられたときには、上記クルーズコントロール
装置の車速制御作動の中止を継続させる中止継続手段1
82とが設けられる。このクルーズコントロール装置
は、車速制御モードを開始させるよく知られた通常の制
御開始操作が行われることにより、車速制御が再開され
る。
【0075】図16は、変速用電子制御装置78の手動
ダウン変速制御の他の実施例を示すフローチャートであ
る。図において、SB1においてSA1と同様の入力信
号処理が実行された後、SB2では、フラグFs の内容
が「1」であるか否かが判断される。このフラグFs
は、その内容が「1」であるときにダウンシフトスイッ
チ77の操作によるダウンシフトが実行された後に自動
復帰が未だ行われない状態を示すものである。
【0076】当初は上記SB2の判断が否定されるの
で、続くSB3においてクルーズコントロール装置の作
動中であるか否かがエンジン用電子制御装置76からの
信号に基づいて判断される。このSB3の判断が否定さ
れた場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された
場合には、SB4においてダウンシフトスイッチ77が
オン側へ操作されたか否かが判断される。このSB4の
判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられる
が、肯定された場合には、前記手動変速制御手段160
に対応するSB5においてたとえば図12および図15
に示すルーチンと同様の制御が実行されることにより、
自動変速機14のギヤ段をそれよりも1段或いは2段下
のギヤ段へ切り換えるダウンシフトが実行されるととも
に、その1段或いは2段下のギヤ段に保持される。そし
て、前記クルーズコントロール中止手段180に対応す
るSB6では、上記SB5により自動変速機14のギヤ
段が保持された状態において、車速Vを予め設定された
目標車速VM に一致させるように自動変速機14のギヤ
段およびスロットル弁開度θTHを調節するクルーズコン
トロール装置(エンジン用電子制御装置76)の車速制
御作動を中止させる。
【0077】次いで、SB7において自動復帰条件が成
立したか否かが判断される。この自動復帰条件とは、た
とえば図13或いは図14のSR2およびSR3と同様
のものである。当初は上記SB7の判断が否定されるの
で、SB8においてフラグFs の内容が「1」にセット
される。このため、次回以後の制御サイクルでは、SB
2の判断が肯定されるので、SB7以下が繰り返し実行
される。
【0078】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、上記SB7の判断が肯定されると、前記自動復帰手
段172に対応するSB9において前記変速制御手段1
58による自動変速状態へ復帰させられた後、SB10
においてフラグFs の内容が「0」にリセットされる。
そして、前記中止継続手段182に対応するSB11に
おいて、クルーズコントロール(車速制御)作動の中止
が継続される。
【0079】上述のように、本実施例によれば、前述の
実施例と同様の効果が得られるに加えて、ダウンシフト
スイッチ77の操作により自動変速機14のギヤ段がそ
れよりも1段下のギヤ段へダウンシフトされると、クル
ーズコントロール中止手段180に対応するSB6によ
りクルーズコントロール作動が中止させられるととも
に、自動復帰手段172に対応するSB9によって自動
変速状態へ自動復帰させられた後は、中止継続手段18
2に対応するSB11によってクルーズコントロール作
動の中止が継続されるので、そのクルーズコントロール
作動は、運転者による通常のクルーズコントロール作動
開始操作が行われることによってのみ再開される利点が
ある。
【0080】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0081】たとえば、前述の実施例では、ダウンシフ
トスイッチ77の操作に応答して手動変速制御手段16
0によりそれまでのギヤ段が1段或いは2段下のギヤ段
へダウンシフトされる場合について説明されていたが、
3段以上下のギヤ段へダウンシフトされるようにしても
よいし、手動変速操作装置としてアップシフトスイッチ
が設けられる場合には、そのアップシフトスイッチの操
作に応答して手動変速制御手段160によりそれまでの
ギヤ段が1段或いは2段上のギヤ段へアップシフトされ
てもよい。
【0082】また、前述の実施例では、ステアリングホ
イール156に設けられたダウンシフトスイッチ77が
操作されることによりギヤ段が手動操作により切り換え
られる場合について説明されていたが、たとえば、シフ
トレバー72が予め設定された手動変速のためのダウン
シフト位置或いはアップシフト位置へ操作されることに
よりギヤ段が切り換えられるようにしてもよいのであ
る。
【0083】また、前述の多重操作判定手段162にお
いては、ダウンシフトスイッチ77が最初に操作されて
からそれに応答して手動変速制御手段160により開始
される変速が実質的に開始されるまでの期間内におい
て、ダウンシフトスイッチ77の複数回の操作が行われ
たか否かが判定されていたが、変速が終了するまでの期
間内においてダウンシフトスイッチ77の複数回の操作
が行われたか否かが判定されてもよい。
【0084】また、前述の実施例の車両状態判定手段1
64では、スロットル弁開度θTHおよびブレーキスイッ
チ70に基づいてダウンシフトスイッチ77が操作され
たときの車両状態が判定されていたが、たとえば、自動
変速機14の出力軸回転加速度に反映される車両の動力
伝達経路の駆動トルクの正負、燃料噴射量、吸気管負圧
などに基づいて車両状態が判定されてもよい。
【0085】また、前述の実施例の車両状態判定手段1
64により、ダウンシフトスイッチ77の操作回数に対
応する複数のギヤ段を一挙にダウンシフトさせる変速様
式が実行させられる場合には、手動変速制御手段160
は、その複数のギヤ段を同時にダウンシフトさせるだけ
でなく、第1回目のダウンシフトが終了する前に第2回
目のダウンシフトが開始されるような場合であってもよ
い。要するに、実質的に同時のダウンシフトが行われれ
ばよいのである。
【0086】また、前述の実施例の図12、図16など
の実施例において、所期の目的が達成される作動が得ら
れる範囲において、フローチャートが変形されたり或い
はステップの順序が入れ替えられても差支えない。図1
2のフローチャートでは、SA4、SA5、SA7、S
A11乃至SA16などが除去されても、本発明の一応
の効果が得られるのである。また、図12のSA9、S
A11、SA13、SA15に替えて、ダウンシフトを
実行する単一のステップをSA3とSA4との間に設け
てもよいのである。
【0087】手動によりダウンシフトを行ったときにク
ルーズコントロール装置の制御作動の中止を行ってそれ
以後その中止を継続することを特徴とする前述の図16
の実施例を、図12の実施例に合体させることもでき
る。たとえば、図16の実施例の特徴的ステップである
SB6とSB11とを、ダウンシフトを実行するSA9
の直後と自動復帰をさせるSA10の直後とにそれぞれ
介挿することができる。
【0088】また、前述の実施例において、自動復帰条
件を構成する複数種類の条件のいずれかが成立すること
によって自動復帰が実行されていたが、それら複数種類
の条件がすべて成立することによって自動復帰が実行さ
れるようにしてもよい。たとえば、図13においてSR
2の判断とSR3の判断とが共に肯定されたときにSR
4が実行され、それらの判断の少なくとも一方が否定さ
れたときにルーチンが終了されるようにしてもよい。
【0089】また、前述の実施例において、ダウンシフ
トスイッチ77がステアリングホイール156上に設け
られていたが、ステアリングコラムなどの他の場所に設
けられてもよい。
【0090】また、前述の実施例において、たとえば図
13、図14に示す自動変速モードへの自動復帰の条件
として、車両のコーナリング中のときは自動復帰を禁止
する点、車両の停止或いはイグニションキー操作のとき
には優先的に自動復帰を行う点がそれぞれ加えられても
よい。
【0091】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によってギヤ
段が制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子
図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図7】図3のダウンシフトスイッチのステアリングホ
イール上の配置例を示す図である。
【図8】図3のダウンシフトスイッチのステアリングホ
イール上の他の配置例を示す図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図10】図9の変速制御手段において用いられるダウ
ンシフト用変速線図を示す図である。
【図11】図9の変速制御手段において用いられるアッ
プシフト用変速線図を示す図である。
【図12】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図13】図12の実施例において自動復帰条件Iが採
用されたときの自動復帰制御ルーチンを説明するフロー
チャートである。
【図14】図12の実施例において自動復帰条件IIが採
用されたときの自動復帰制御ルーチンを説明するフロー
チャートである。
【図15】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートを図12と共に示す図であ
る。
【図16】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
14:自動変速機 76:エンジン用電子制御装置(クルーズコントロール
装置) 77:ダウンシフトスイッチ(手動変速操作装置) 158:変速制御手段 160:手動変速制御手段 162:多重操作判定手段 164:車両状態判定手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望のギヤ段を達成するために手動操作
    される手動変速操作装置を有する自動変速機において、
    該手動変速操作装置が操作されたことに応答して自動変
    速機のギヤ段をアップシフト或いはダウンシフトさせて
    保持する手動変速制御手段を備えた車両用自動変速機の
    変速制御装置であって、 前記手動変速操作装置が連続的に複数回操作されたこと
    を判定する多重操作判定手段と、 該多重操作判定手段により前記手動変速操作装置が連続
    的に複数回操作されたと判定されたときの車両状態に基
    づいて、ギヤ段を1段毎にシフトさせる変速様式と、ギ
    ヤ段を前記手動変速操作装置の操作回数に応じた複数段
    だけ一挙にシフトさせる変速様式とのいずれか一方を前
    記手動変速制御手段に実行させる車両状態判定手段と、 を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御
    装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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