JP2976956B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

Info

Publication number
JP2976956B2
JP2976956B2 JP10005788A JP578898A JP2976956B2 JP 2976956 B2 JP2976956 B2 JP 2976956B2 JP 10005788 A JP10005788 A JP 10005788A JP 578898 A JP578898 A JP 578898A JP 2976956 B2 JP2976956 B2 JP 2976956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engagement
orifice
hydraulic
automatic transmission
downshift
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10005788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11198682A (ja
Inventor
幹雄 森
徳行 高橋
良司 羽渕
竜哉 尾関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP10005788A priority Critical patent/JP2976956B2/ja
Publication of JPH11198682A publication Critical patent/JPH11198682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2976956B2 publication Critical patent/JP2976956B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の自動変速
機の変速段を切り換える複数の油圧式摩擦係合装置のう
ちダウン変速時に摩擦係合させられる係合側油圧式摩擦
係合装置に供給される作動油の流量を、オリフィスの切
換制御によって変更する形式の車両用自動変速機の油圧
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所定のギヤ段からそれよりも低速側のギ
ヤ段へのダウン変速のために係合側油圧式摩擦係合装置
を係合させる車両用の自動変速機において、パワーオン
走行時においてそのダウン変速が滑らかに行なわれるた
めには、上記係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期
と、タービン回転数すなわち車両用自動変速機の入力軸
回転数と車両用自動変速機の出力軸回転数との比が上記
車両用自動変速機の変速後のギヤ比に等しくなる時期す
なわち回転数同期時期とが略一致することが望まれる。
これらの時期を一致させるため、たとえば、特開平2−
296063号公報に記載されたオリフィス切換装置を
油圧回路内に設け、車両が所定車速以上のパワーオン走
行中にその所定のギヤ段からそれよりも低車速側のギヤ
段へのダウン変速が行なわれる場合に、上記係合側油圧
式摩擦係合装置へ供給される作動油の流量を、ダウン変
速指令から係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始直前ま
での間は小オリフィスを用いて抑制し、その後はその小
オリフィスよりも流通抵抗の小さい大オリフィスを通し
て流量を増大させることにより、係合側油圧式摩擦係合
装置の係合開始時期を制御して、エンジン負荷状態に拘
わらずパワーオンダウン変速が滑らかに行われるように
することが考えられる。
【0003】上記のようなオリフィス切換制御を用いれ
ば、特に、複数の油圧式摩擦係合装置のうちの解放側油
圧式摩擦係合装置の解放と係合側油圧式摩擦係合装置の
係合とが行われることにより実現される所謂クラッチツ
ウクラッチダウン変速については、上記解放側油圧式摩
擦係合装置の解放圧や係合側油圧式摩擦係合装置の係合
圧をたとえばリニヤソレノイド弁を用いて所定の変化曲
線となるように直接的に制御してダウン変速を滑らかに
実行させる直接圧制御に比較して、油圧の微妙な制御が
不要となって作動油中の異物に影響され難くなると共に
油圧回路の構成が簡単となる利点がある。
【0004】ところで、上記の小オリフィスから大オリ
フィスへの切換制御は、変速指令時においてたとえばス
ロットル開度の変化率、および車速或いはタービン回転
数に基づいて小オリフィス期間を決定し、変速指令から
の経過時間がその小オリフィス期間を超えたところで実
行されたり、或いは変速指令時においてタービン回転数
が予め設定された値に到達したところで実行されるよう
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
低速走行時には、ダウン変速時においてタービン回転数
の上昇幅が極めて少ないために自動変速機の回転数同期
時期、すなわち入力軸回転数と出力軸回転数に変速比を
掛けた値とが一致する時期或いはダウン変速時に係合さ
せられる油圧式摩擦係合装置における入力側回転部材と
出力側回転部材との回転数が一致する時期がダウン変速
指令直後の早期に到来するため、上記従来のオリフィス
制御によるオリフィス切り換えでは、上記自動変速機の
回転数同期時期に間に合わず、タービン回転数の一時的
吹き上がりや変速ショックが発生するという不都合があ
った。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、ダウン変速時に
係合側油圧式摩擦係合装置に作動油を供給する油路のオ
リフィスが切り換えられる車両用自動変速機の油圧制御
装置において、ダウン変速時の自動変速機の回転数同期
時期と係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期とを一
層近づけることにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、車両用自動
変速機の変速段を切り換えるための複数の油圧式摩擦係
合装置と、その複数の油圧式摩擦係合装置のうち車両用
自動変速機のダウン変速のために摩擦係合させられる係
合側油圧式摩擦係合装置に作動油を供給する供給路に設
けられたオリフィスをそのダウン変速指令から所定期間
経過後に小オリフィスから大オリフィスへ切り換えるこ
とにより作動油流量を変更する作動油流量変更手段とを
備え、その作動油流量変更手段により、その係合側油圧
式摩擦係合装置の係合時期を調節する形式の車両用自動
変速機の油圧制御装置であって、(a) 前記ダウン変速期
間において、前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合が
前記自動変速機の入力軸回転数と出力軸回転数との比が
前記ダウン変速後のギヤ比に等しくなる回転同期点より
も遅れることを、車両の走行状態に基づいて判定する係
合遅れ判定手段と、(b) 前記作動油流量変更手段により
前記オリフィスが小オリフィスに切り換えられ、そし
て、その係合遅れ判定手段により前記ダウン変速におい
て前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合がその回転同期
点よりも遅れることが判定された場合には、前記ダウン
変速期間において前記車両のエンジンの出力を一時的に
低下させることにより、前記自動変速機の回転数同期時
期と前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期とを
近づけるエンジン出力低下手段とを、含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、作動油流量変更
手段により前記オリフィスが小オリフィスに切り換えら
れ、そして、係合遅れ判定手段により前記ダウン変速に
おいて前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合がその回転
同期点よりも遅れることが判定された場合には、エンジ
ン出力低下手段により、前記ダウン変速期間において前
記車両のエンジンの出力が一時的に低下させられること
により、自動変速機の回転数同期時期と係合側油圧式摩
擦係合装置の係合開始時期とが近づけられるので、前記
係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期が自動変速機
の回転数同期時期に間に合わないことに起因するタービ
ン回転数の一時的吹き上がりや変速ショックの発生が好
適に抑制される。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、車両用
自動変速機の変速段を切り換えるための複数の油圧式摩
擦係合装置と、その複数の油圧式摩擦係合装置のうち車
両用自動変速機のダウン変速のために摩擦係合させられ
る係合側油圧式摩擦係合装置に作動油を供給する供給路
に設けられたオリフィスをそのダウン変速指令から所定
期間経過後に小オリフィスから大オリフィスへ切り換え
ることにより作動油流量を変更する作動油流量変更手段
とを備え、その作動油流量変更手段により、その係合側
油圧式摩擦係合装置の係合時期を調節する形式の車両用
自動変速機の油圧制御装置であって、(a) 前記作動油流
量変更手段により前記オリフィスを小オリフィスから大
オリフィスへ切り換えることにより作動油流量が変更さ
れるのと略同時に、前記車両のエンジンの出力を一時的
に低下させることにより、前記自動変速機の入力軸回転
数と出力軸回転数との比が前記ダウン変速後のギヤ比に
等しくなる回転数同期時期と前記係合側油圧式摩擦係合
装置の係合開始時期とを近づけるエンジン出力低下手段
を、含むことにある。
【0010】
【第2発明の効果】このようにすれば、エンジン出力低
下手段により、前記作動油流量変更手段により前記オリ
フィスが小オリフィスから大オリフィスへ切り換えられ
ることにより前記係合側油圧式摩擦係合装置に供給され
る作動油流量が変更されるのと略同時に、前記車両のエ
ンジンの出力が一時的に低下させられることにより、自
動変速機の回転数同期時期と係合側油圧式摩擦係合装置
の係合開始時期とが近づけられるので、変速期間中の車
速変化やアクセルペダル操作量の変化等、何らかの原因
で前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期が自動
変速機の回転数同期時期に間に合わないことに起因する
タービン回転数の一時的吹き上がりや変速ショックの発
生が好適に抑制される。
【0011】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための第3発明の要旨とするところは、車両用
自動変速機の変速段を切り換えるための複数の油圧式摩
擦係合装置と、その複数の油圧式摩擦係合装置のうち車
両用自動変速機のダウン変速のために摩擦係合させられ
る係合側油圧式摩擦係合装置に作動油を供給する供給路
に設けられたオリフィスをそのダウン変速指令から所定
期間経過後に小オリフィスから大オリフィスへ切り換え
ることにより作動油流量を変更する作動油流量変更手段
とを備え、その作動油流量変更手段により、その係合側
油圧式摩擦係合装置の係合時期を調節する形式の車両用
自動変速機の油圧制御装置であって、(a) 前記ダウン変
速中における前記自動変速機の入力軸回転数の変化率が
予め設定された判断基準範囲を超えたか否かを判定する
入力軸回転数変化率変化判定手段と、(b) 前記作動油流
量変更手段により前記オリフィスが小オリフィスに切り
換えられ、そして、その入力軸回転数変化率変化判定手
段によりダウン変速中における前記自動変速機の入力軸
回転数の変化率が予め設定された判断基準範囲を超えた
と判定された場合には、前記ダウン変速期間内の少なく
とも前記オリフィス切換時点を含む期間において前記車
両のエンジンの出力を一時的に低下させることにより、
前記自動変速機の入力軸回転数と出力軸回転数との比が
前記ダウン変速後のギヤ比に等しくなる回転数同期時期
と前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期とを近
づけるエンジン出力低下手段とを、含むことにある。
【0012】
【第3発明の効果】このようにすれば、作動油流量変更
手段により前記オリフィスが小オリフィスに切り換えら
れ、そして、入力軸回転数変化率変化判定手段によりダ
ウン変速中における前記自動変速機の入力軸回転数の変
化率が予め設定された範囲を超えたと判定された場合に
は、エンジン出力低下手段により、前記ダウン変速期間
内の少なくとも前記オリフィス切換時点を含む期間にお
いて前記車両のエンジンの出力が一時的に低下させられ
ことにより、前記自動変速機の回転数同期時期と前記
係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期とが近づけら
れるので、変速期間内のアクセルペダル操作量の変化
等、何らかの原因でタービン回転数が急上昇して前記係
合側油圧式摩擦係合装置の係合開始時期が自動変速機の
同期時期に間に合わないことに起因するタービン回転数
の一時的吹き上がりや変速ショックの発生が好適に抑制
される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0014】図1には、車両のエンジン10に連結され
るトルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装
置16、上記自動変速機14の変速段を制御する油圧制
御装置すなわち油圧制御回路18、その油圧制御回路1
8を制御する変速用電子制御装置20等が示されてい
る。このエンジン10は、ガソリンを含む混合気が点火
装置(イグナイタ)11により点火されることにより作
動させられる。上記エンジン10から出力された動力
は、上記トルクコンバータ12、上記自動変速機14、
上記作動歯車装置16、左右の車軸22および24等を
経て図示しない駆動輪へ伝達される。
【0015】上記トルクコンバータ12は、上記エンジ
ン10のクランク軸26に連結されたポンプ翼車28
と、上記自動変速機14の入力軸30に連結され且つ流
体を介してポンプ翼車28から動力が伝達されるタービ
ン翼車32と、一方向クラッチ34を介して位置固定の
ハウジング36に固定された固定翼車38と、ポンプ翼
車28およびタービン翼車32を図示しないダンパを介
して直結するロックアップクラッチ40とを備えてい
る。
【0016】上記自動変速機14は、前進4速、後進1
速のギヤ段が達成される多段変速機であり、上記入力軸
30と、一組のラビニヨ式遊星歯車装置44と、そのラ
ビニヨ式遊星歯車装置44のリングギヤ46とともに回
転するリングギヤ48と、前記差動歯車装置16との間
で動力を伝達する出力軸すなわちカウンタ軸50とを備
えている。
【0017】上記ラビニヨ式遊星歯車装置44は、1組
のシングルピニオン遊星歯車装置52と1組のダブルピ
ニオン遊星歯車装置54とが、キャリヤ56と上記リン
グギヤ46とを共用して成るものである。上記シングル
ピニオン遊星歯車装置52は、サンギヤ58と上記キャ
リヤ56に取り付けられたプラネタリギヤ60と上記リ
ングギヤ46とにより構成されている。また、上記ダブ
ルピニオン遊星歯車54は、サンギヤ62と、上記キャ
リヤ56に回転可能な状態で取り付けられた第1ピニオ
ンギヤ64および第2ピニオンギヤ66とにより構成さ
れている。
【0018】上記シングルピニオン遊星歯車装置52お
よび上記ダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の
一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つのク
ラッチC1,C2,C3によって互いに選択的に連結さ
れている。また、上記シングルピニオン遊星歯車装置5
2および上記ダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要
素の一部は、3つのブレーキB1,B2,B3によって
前記ハウジング36に選択的に連結され、さらに、それ
らの構成要素の一部は2つの一方向クラッチF1,F2
によってその回転方向により上記ハウジング36と係合
させられる。なお、前記トルクコンバータ12および前
記自動変速機14の上記カウンタ軸50以外の部分は、
上記入力軸30等の軸心に対して対称的に構成されてい
るため、図1においてはその軸心の下側を省略して示し
てある。
【0019】油圧式摩擦係合装置である上記クラッチC
1,C2,C3、ブレーキB1,B2,B3は、例えば
多板式のクラッチや1本または巻付け方向が反対の2本
のバンドを備えたバンドブレーキ等にて構成され、前記
変速用電子制御装置20からの指令に従って作動する前
記油圧制御回路18によりそれ等の摩擦係合および係合
解除がそれぞれ制御されることにより、図2の係合表に
示すように変速比γ(=入力軸30の回転数/カウンタ
軸50の回転数)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段
の変速段が得られる。図2において、「1ST」,「2N
D」,「3RD」,「4TH」は、それぞれ前進側の第1速
ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ段,第4速ギヤ段を
表しており、上記変速比は第1速ギヤ段から第4速ギヤ
段に向かうに従って順次小さくなる。また、図2から明
らかなように、第4速ギヤ段から第3速ギア段への4−
3ダウン変速は、解放側の油圧式摩擦係合装置(ブレー
キB1)の解放と係合側油圧式摩擦係合装置(クラッチ
C1)の係合とが変速期間内において行われることによ
り実行される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0020】上記油圧制御回路18は、上記自動変速機
14のギヤ段の制御等に使用される四つのソレノイド弁
SV1ないしSV4、後述のスロットル開度センサ76
により検出されたスロットル開度TAに対応した大きさ
の制御油圧PS を発生するリニアソレノイド弁SLT、
たとえば後述のアキュムレータ背圧として利用される制
御油圧PSLN を発生するリニヤソレノイド弁SLN、前
記ロックアップクラッチ40の摩擦係合、その摩擦係合
の解除およびそのスリップ量等の制御のための油圧を発
生するリニヤソレノイド弁SLU等を備えている。
【0021】前記変速用電子制御装置20は、CPU7
0、RAM72、ROM74、図示しない入出力インタ
ーフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであっ
て、CPU70はRAM72の記憶機能を利用しつつ予
めROM74に記憶されたプログラムに従って入力信号
を処理し、油圧制御回路18に設けられたソレノイド弁
SV1ないしSV4やリニヤソレノイド弁SLT、SL
N、SLUなどを制御するとともに、ダウン変速期間中
にエンジン10出力を一時的に低下させるために、点火
装置11内の点火時期遅角装置を制御して点火時期を所
定量遅角させる。
【0022】上記変速用電子制御装置20には、前記エ
ンジン10の図示しない吸気配管に設けられたスロット
ル弁の開度TAを検出するスロットル開度センサ76、
上記エンジン10の回転数NE (r.p.m.)を検出するエ
ンジン回転センサ78、前記入力軸30の回転速度すな
わちタービン回転数NT (r.p.m.)を検出する入力軸回
転センサ80、前記カウンタ軸50の回転数(出力軸回
転数)No すなわち車速Vを検出する車速センサ82、
シフトレバー84の操作位置すなわちL、S、D、N、
R、Pレンジのいずれかを検出する操作位置センサ86
から、スロットル開度TAを表す信号、エンジン回転数
E を表す信号、入力軸回転数NINを表す信号、出力軸
回転数No すなわち車速Vを表す信号、変速レバー操作
位置PSTを表す信号がそれぞれ供給される。
【0023】図3および図4は、前記油圧制御回路18
の要部を示している。図3には、前記クラッチC1や前
記ブレーキB1等に供給される作動油の元圧であるライ
ン油圧PL を調圧する調圧弁90および上記リニアソレ
ノイド弁SLTと、上記ライン油圧PL を一定圧PSOL
に減圧し、その一定圧PSOL を上記リニアソレノイド弁
SLTに供給する減圧弁92と、作動油の油圧の発生源
であるポンプ94と、ストレーナ124とが示されてい
る。
【0024】上記減圧弁92は、入力ポートaと出力ポ
ートbとの間を開閉するスプール弁子96と、そのスプ
ール弁子96を開弁方向に付勢するスプリング98とを
備え、その入力ポートaに供給される上記ライン油圧P
L を、上記一定圧PSOL に減圧してその出力ポートbに
発生させる。上記減圧弁92の入力ポートcには、上記
出力ポートbの油圧がフィードバック油圧として供給さ
れている。上記一定圧PSOL は、上記スプール弁子96
の上記入力ポートcに連通する受圧面積をAMO D 、上記
スプリング98の付勢力をWMOD とすれば、次式で表さ
れる一定圧となる。
【0025】
【数1】PSOL =WMOD /AMOD ・・・(1)
【0026】前記リニアソレノイド弁SLTは、その入
力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁
子100と、そのスプール弁子100を開弁方向に付勢
するスプリング102とを備えている。上記入力ポート
aには、上記一定圧PSOL が供給され、その一定圧P
SOL がリニアソレノイドSSLT の励磁電流に対応して調
圧された油圧として前記制御油圧PS が出力ポートbに
おいて発生させられる。上記リニアソレノイドSSLT
励磁電流に応じて上記スプール弁子100を上記出力ポ
ートbの閉弁方向へ付勢する付勢力をFI 、上記スプリ
ング102の付勢力をWSLT 、スプール弁子100のラ
ンド104の環状の受圧面の面積をASLTとすれば、上
記制御油圧PS は次式で表される。なお、上記ランド1
04とランド106との間の空間108と上記出力ポー
トbとは、上記ランド104を貫通して形成された連通
穴110によって連通させられているので、上記環状の
受圧面に作用する油圧は上記制御油圧PS になってい
る。
【0027】
【数2】PS SLT /A SLT −F I /A SLT
【0028】前記調圧弁90は、入力ポートbと出力ポ
ートdとの間を開閉するスプール弁子112と、そのス
プール弁子112を係合板114を介して閉弁方向に付
勢するスプリング116とを備えており、その入力ポー
トbに供給される前記ポンプ94からの作動油の油圧
を、その入力ポートaに供給される上記制御油圧PS
対応させて前記ライン油圧PL に調圧する。上記調圧弁
90の入力ポートcには、上記入力ポートbの油圧がフ
ィードバック油圧として供給されている。上記スプリン
グ116の付勢力をWREG 、上記スプール弁子112の
ランド118の環状の受圧面の面積をAREG1、上記スプ
ール弁子112を出力ポートdの閉弁方向に付勢する付
勢部材122の受圧面の面積をAREG2とすれば、上記ラ
イン油圧P L は次式で表される。
【0029】
【数3】 PL =(AREG2/AREG1)・PS +WREG /AREG1 ・・・(3)
【0030】(3)式は、上記ライン油圧PL が上記制
御油圧PS に比例して発生させられることを示してい
る。上記ライン油圧PL が(3)式により算出される油
圧よりも大きくなった場合は、上記調圧弁90の出力ポ
ートdから前記ストレーナ124に作動油が戻される。
【0031】図4は、前記油圧制御回路18のうち、前
記自動変速機14の第4速と第3速との切換えを行なう
ための部分を示している。図4には、常閉(ノーマルク
ローズ)構造の前記ソレノイド弁SV1およびSV2、
3−4シフト弁150、シフトタイミング弁152、オ
リフィス切換弁154、オリフィス156、そのオリフ
ィス156より内径が小さくされたオリフィス158、
クラッチ用アキュムレータ160、ブレーキ用アキュム
レータ162、アキュムレータ前オリフィス164等が
示されている。
【0032】上記ソレノイド弁SV1は、オリフィス1
68を通して前記一定圧PSOL が供給されるポートa
と、ドレンポートbとを備えており、そのポートaは上
記3−4シフト弁150の入力ポートaに接続されてい
る。このソレノイド弁SV1は、OFF状態すなわちソ
レノイドSSV1 の非励磁状態では上記二つのポート間で
の作動油の流れを遮断し、ON状態すなわち上記ソレノ
イドSSV1 の励磁状態では上記ポートaに供給された作
動油を上記ドレインポートbから大気圧に放出させるこ
とにより、ポートaに接続された上記3−4シフト弁1
50の入力ポートaの油圧を上記一定圧PSOL と大気圧
とのいずれかに切り換える。
【0033】前記ソレノイド弁SV2は、オリフィス1
70を通して前記一定圧PSOL が供給されるポートa
と、ドレンポートbとを備えており、そのポートaは前
記オリフィス切換弁154の入力ポートaに接続されて
いる。このソレノイド弁SV2は、OFF状態すなわち
ソレノイドSSV2 の非励磁状態では上記二つのポート間
での作動油の流れを遮断し、ON状態すなわち上記ソレ
ノイドSSV2 の励磁状態では上記ポートaに供給された
作動油を上記ドレインポートbから大気圧に放出させる
ことにより、ポートaに接続された上記オリフィス切換
弁154の入力ポートaの油圧を上記一定圧PSOL と大
気圧とのいずれかに切り換える。
【0034】前記3−4シフト弁150は、入力ポート
a、bおよびcと、入出力ポートdおよびeと、出力ポ
ートfと、ドレインポートgと、上記入出力ポートdを
上記入力ポートbおよび上記ドレインポートgのいずれ
か一方と択一的に連通させるとともに、上記入出力ポー
トeを上記入力ポートcおよび出力ポートfのいずれか
一方と択一的に連通させるスプール弁子172と、その
スプール弁子172を、上記入出力ポートdが上記ドレ
インポートgと連通し且つ上記入出力ポートeが上記入
力ポートcと連通する方向に付勢するスプリング174
とを備えている。上記入力ポートaは前述のように前記
ソレノイド弁SV1のポートaに接続されており、上記
入力ポートbおよびcには、油路176を通して前記ラ
イン油圧PL が供給されている。また、上記入出力ポー
トdは、油路177を通してブレーキB1に接続されて
いる。
【0035】上記スプリング174の付勢力WV1および
上記スプール弁子172の上記入力ポートaに連通する
ランド178の端面の面積AV1a は、AV1a ・PSOL
V1となるようにされている。したがって、上記ソレノ
イド弁SV1がOFF状態である場合には、上記入力ポ
ートaに前記一定圧PSOL の作動油が供給されるので、
上記スプール弁子172は上記スプリング174の付勢
力WV1に抗して図4の左側に示すように上記入力ポート
bおよび上記入出力ポートdが連通し且つ上記入出力ポ
ートeおよび上記出力ポートfが連通する向きに移動
し、上記ソレノイド弁SV1がON状態である場合に
は、上記入力ポートaの油圧は大気圧とされるので、上
記スプール弁子172は上記スプリング174の付勢力
V1によって図4の右側に示すように上記入力ポートc
および上記入出力ポートeが連通し且つ上記入出力ポー
トdおよび上記ドレインポートgが連通する向きに移動
する。
【0036】前記シフトタイミング弁152は、入力ポ
ートa、bおよびcと、ドレインポートdと、上記入力
ポートbと上記ドレインポートdとの間を開閉するスプ
ール弁子180と、そのスプール弁子180を開弁方向
に付勢するスプリング182とを備えている。上記入力
ポートaおよびcは、それぞれ油路183および油路1
85を通して、ブレーキB1および前記3−4シフト弁
150の出力ポートfに接続されている。また、上記入
力ポートbには、前記リニアソレノイド弁SLNにより
発生された制御油圧PSLN が供給されている。
【0037】上記制御油圧PSLN は、上記スプール弁子
180の上記入力ポートaに連通するランド184の環
状の受圧面の面積をAV2a 、上記スプール弁子180の
上記入力ポートbに連通するランド186の環状の受圧
面の面積をAV2b 、上記スプリング182の付勢力をW
V2とすれば、AV2a ・PL >AV2b ・PSLN +WV2とな
るようにされている。したがって、上記ソレノイド弁S
V1がOFFの状態では上記入力ポートaに上記ライン
油圧PL の作動油が供給されるので、上記スプール弁子
180は上記スプリング182の付勢力WV2に抗して図
4の右側に示すように上記入力ポートcおよび上記ドレ
インポートdが連通する向きに移動する。一方、上記ソ
レノイド弁SV1がONの状態では上記入力ポートaの
油圧は大気圧とされるので、上記スプール弁子180は
上記スプリング182の付勢力W V2によって図4の左側
に示すように上記入力ポートcおよび上記ドレインポー
トdが連通しない向きに移動する。
【0038】前記オリフィス切換弁154は、入力ポー
トa、bおよびcと、その入力ポートbと連通する出力
ポートdと、上記入力ポートcと上記出力ポートdとを
開閉するスプール弁子188と、そのスプール弁子18
8を開弁方向に付勢するスプリング190とを備えてい
る。上記入力ポートaは、前述のように前記ソレノイド
弁SV2のポートaに接続され、上記入力ポートbは油
路192により前記3−4シフト弁150の入出力ポー
トeに接続されている。その油路192の途中には、前
記オリフィス156が設けられており、そのオリフィス
156よりもオリフィス切換弁154側の位置には前記
オリフィス158が設けられている。上記入力ポートc
は上記油路192の上記オリフィス156と上記オリフ
ィス158との間の部分に接続されている。また、上記
ポートdは、油路194によってクラッチC1に接続さ
れている。
【0039】前記一定圧PSOL は、上記スプール弁子1
88の上記入力ポートaに連通するランド195の受圧
面の面積をAV3a 、上記スプリング190の付勢力をW
V3とすれば、AV3a ・PSOL >WV3となるようにされて
いる。上記ソレノイド弁SV2がOFF状態とされる
と、上記オリフィス切換弁154のポートaには、前記
一定圧PSOL が供給されるので、図4の左側に示すよう
に上記オリフィス切換弁154のポートcは、ランド1
95により遮断される。その結果、上記油路192およ
び油路194を通してクラッチC1へ作動油が供給され
る際には、供給される作動油は上記二つのオリフィス1
56および158を共に通ることになる。この流通抵抗
の大きい状態を小オリフィスと称する。一方、ソレノイ
ド弁SV2がON状態とされると、上記オリフィス切換
弁154のポートaの油圧は大気圧とされるので、図4
の右側に示すように上記オリフィス切換弁154のポー
トcおよびポートdは連通させられる。その結果、上記
油路192および油路194を通してクラッチC1へ作
動油が供給される際には、供給される作動油は上記オリ
フィス158よりも内径が大きい上記オリフィス156
を主として通ることになる。この流通抵抗の小さい状態
を大オリフィスと称する。上記小オリフィス状態と上記
大オリフィス状態との切換制御を、オリフィス切換制御
と称する。
【0040】上記油路192の上記オリフィス156よ
りも上記3−4シフト弁150の入出力ポートe側の部
分および上記油路194は、油路196により接続され
ている。また、その油路196には、上記油路194側
から上記油路192側へ向かう作動油の流れは許容する
が、その反対向きの流れは禁止する一方向弁198が設
けられている。この一方向弁198により、上記油路1
96を通してクラッチC1に作動油が供給されることは
禁止されている。
【0041】前記クラッチ用アキュムレータ160は、
ハウジング200と、そのハウジング200に設けられ
たポートaおよび入力ポートbと、上記ハウジング20
0内に摺動可能に収容された段付きの円筒状のピストン
202と、そのピストン202を上記ポートaに向かっ
て付勢するスプリング204とを備えている。上記ピス
トン202は、大径部206と小径部208とから成っ
ており、その大径部206の小径部208とは反対側の
端面210は上記ポートaに連通させられている。ま
た、上記大径部206と上記小径部208との境界に形
成された円環状の端面212は上記入力ポートbに連通
させられている。上記ポートaは油路214により前記
油路194に接続され、上記入力ポートbには、アキュ
ムレータ背圧として前記ライン油圧PL が供給される。
尚、上記背圧は、ライン油圧PL を減圧弁92と同様な
バルブで調圧する圧とする場合もある。
【0042】前記ソレノイド弁SV1がOFF状態であ
って上記クラッチ用アキュムレータ160のポートaの
油圧が大気圧であれば、上記ピストン202は図4の右
側に示すように上記スプリング204の付勢力によって
クラッチ用アキュムレータ160のポートaに向かって
移動し、クラッチ用アキュムレータ160の内部に収容
される作動油量は最少となる。一方、上記ソレノイド弁
SV1がON状態とされて上記クラッチ用アキュムレー
タ160のポートaおよび入力ポートbに前記ライン油
圧PL が供給されれば、上記ピストン202はそのライ
ン圧力PL の大きさに対応した移動距離で上記ハウジン
グ200内を移動させられる。上記ピストン202の端
面210の面積AA1a と上記円環状の端面212の面積
A1b との差(AA1a −AA1b )を面積差ΔAA1、環状
ピストン202の移動距離xにおける上記スプリング2
04による付勢力をWA1(x)とすれば、次式で表され
る関係が成り立つ。
【0043】上記スプリング204の付勢力WA1(x)
は、上記移動距離xがゼロの場合のスプリング204の
付勢力をWA1(0)=WA10 、スプリング204のばね
定数をk1 とすれば、次式(5)で表される。また、
(4)式および(5)式から上記付勢力WA1(x)を消
去すれば、上記ライン油圧PL と上記移動距離xとの関
係式(6)が得られる。
【0044】
【数4】 PL =WA1(x)/ΔAA1 ・・・(4) WA1(x)=WA10 +k1 ・x ・・・(5) x=(ΔAA1/k1 )・PL −(WA10 /k1 ) ・・・(6)
【0045】上記(6)式の右辺がゼロより大きくなら
なければ、すなわち上記ライン油圧PL が、所定のしき
い油圧PLA1TH =WA10 /ΔAA1より大きくならなけれ
ば、上記アキュムレータ160は作動油の収容を開始し
ない。このしきい油圧PLA1T H は、上記クラッチC1の
摩擦係合が開始される時点での上記ライン油圧PL より
もわずかに大きくされている。よって、上記クラッチ用
アキュムレータ160は、クラッチC1が摩擦係合を開
始した直後から作動油の収容を開始する。上記ライン油
圧PL が上記しきい油圧PLA1TH を越えて上昇すれば、
上記クラッチ用アキュムレータ160はその最大の容量
まで作動油を収容し続ける。したがって、アキュムレー
タ160が作動油を収容しない場合に比較してクラッチ
C1に供給される作動油が減少するので、クラッチC1
の係合圧PC1の上昇が緩やかとされ滑らかにその摩擦係
合が行なわれる。これがアキュムレータ160の圧力上
昇緩和作動であり、アキュム作動領域と称されている。
【0046】なお、たとえば上記ライン油圧PL が増圧
される場合には、クラッチC1の係合圧PC1が高い状態
で上記アキュムレータ160のアキュム作動が行われる
が、上記ライン油圧PL が減圧される場合には、クラッ
チC1の係合圧PC1が低い状態で上記アキュムレータ1
60のアキュム作動が行われる。
【0047】前記ブレーキ用アキュムレータ162は、
上記クラッチ用アキュムレータ160と同様のものであ
って、そのポートaは、油路216により前記油路17
7に接続され、入力ポートbには上記ライン油圧PL
供給されている。尚、上記背圧は、ライン油圧PL を減
圧弁92と同様なバルブで調圧する圧とする場合もあ
る。このブレーキ用アキュムレータ162は、ブレーキ
B1が摩擦係合させられる際に、上記クラッチ用アキュ
ムレータ160と同様に作動する。
【0048】作動油流出流量制限装置として機能する前
記アキュムレータ前オリフィス164は、上記油路21
6に設けられたオリフィス218と、そのオリフィス2
18をバイパスするバイパス通路220と、そのバイパ
ス通路220に設けられ、バイパス通路220内を上記
油路177側から上記ブレーキ用アキュムレータ162
側へ流れる作動油の流れは許容するがその反対向きの流
れは禁止する一方向弁222とを含んでいる。したがっ
て、上記アキュムレータ前オリフィス164は、上記油
路177から上記油路216を通して上記ブレーキ用ア
キュムレータ162内に収容される作動油の流量は抑制
しないが、上記ブレーキ用アキュムレータ162から上
記油路216を通して上記油路177へ向かう作動油の
流量は抑制する。その結果、ブレーキB1の油圧PB1
大気圧に減少させられる際には、ブレーキB1から油路
177を通して行なわれる作動油の流出を早めることが
できるので、ブレーキB1の摩擦係合の解除が一層迅速
に行なえるのである。
【0049】本実施例のクラッチC1は、たとえば図5
に示すような多板式とすることができる。図5におい
て、本実施例のクラッチC1は、前記入力軸30に一体
的に形成された環状のシリンダ部230と、そのシリン
ダ部230内に軸方向に摺動可能に収容された環状ピス
トン232と、それらシリンダ部230および環状ピス
トン232により形成される環状の油圧室234の容積
が減少する向きに上記環状ピストン232を付勢するリ
ターンスプリング236と、上記入力軸30と共に回転
する複数の摩擦プレート238と、一端部に前記ダブル
ピニオン遊星歯車装置54のサンギヤ62が備えられた
中間軸240の他端部に上記摩擦プレート238と交互
に重なり合う状態で設けられ、その中間軸240と共に
回転する複数の摩擦プレート242とを含んでいる。
【0050】上記油圧室234の内部の作動油の油圧が
大気圧である場合は、上記リターンスプリング236の
付勢力により、上記環状ピストン232は、図5に示し
た初期位置すなわち環状ピストン232と上記摩擦プレ
ート238との距離がDである位置とされる。この状態
から、上記入力軸30の内部に設けられた前記油路19
4を通して前記ライン油圧PL が上記油圧室234内に
供給されると、上記環状ピストン232は上記リターン
スプリング236の付勢力に抗して上記摩擦プレート2
38に向かって移動させられる。そして、その移動距離
が上記距離Dとなった時点で、上記環状ピストン232
と上記摩擦プレート238とが係合を開始し、さらにそ
の摩擦プレート238と上記摩擦プレート242とが摩
擦係合し始めることにより、クラッチC1が摩擦係合を
開始する。
【0051】上記環状ピストン232の移動距離が上記
距離Dに到達するまでの期間は、摩擦プレート238と
上記摩擦プレート242とが相互に密着するまで上記リ
ターンスプリング236が弾性収縮を継続する期間であ
り、この期間をリターンスプリング期間と称する。クラ
ッチC1の摩擦係合は、上記油路194を通して供給さ
れる作動油の油圧が高圧であるほど強固に行なわれる。
また、上記油路194を通して供給される作動油の油圧
の増加率が大きい場合は小さい場合に比較して急激に摩
擦係合が行なわれる。なお、本実施例においては、ブレ
ーキB1、クラッチC2等もクラッチC1と同様の構成
とされている。
【0052】図6は、前記変速用電子制御装置20の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。変速
制御手段300は、予め記憶された変速線図から実際の
車速Vおよびスロットル開度TAに基づいて変速判断を
行ない、その判断された変速段を実現するための変速指
令を出力して複数の油圧式摩擦係合装置を選択的に作動
させることにより、前記自動変速機14の変速段を切り
換える。たとえば、4→3ダウン変速が判断された場合
には、3−4シフト弁150にブレーキB1を解放し且
つクラッチC1を係合させるための変速指令を出力す
る。パワーオン4→3ダウン変速の場合には、エンジン
出力トルクTE が正であるから、ブレーキB1の解放に
伴ってエンジン回転数NE すなわち自動変速機14の入
力軸回転数であるタービン回転数NT が上昇させられ、
4→3ダウン変速が実質的に開始させられる。
【0053】ダウン変速判定手段302は、上記変速制
御手段300により非惰行走行すなわちパワーオン走行
中においてダウン変速指令たとえば4→3ダウン変速指
令が出力されたか否かを判定する。このダウン変速は、
エンジン10の出力トルクが正であるパワーオンダウン
変速であり、4→3ダウン変速の場合にはブレーキB1
の解放に関連してタービン回転数NT が上昇開始させら
れる。
【0054】オリフィス切換期間決定手段304は、ダ
ウン変速指令たとえば4→3ダウン変速指令が出力され
たときのスロットル開度変化率ΔTAおよび車速Vを求
め、予め記憶された関係からその実際のスロットル開度
変化率ΔTAおよび車速Vに基づいてオリフィス切換期
間T1を決定する。上記関係は、ダウン変速に際して係
合させられるクラッチC1の係合開始時期が、自動変速
機14の回転数同期時期すなわちタービン回転数NT
出力軸回転数NO に変速比γを掛けた値とが一致する時
期たとえば4−3ダウン変速では係合させられるクラッ
チC1の入力側回転部材と出力側回転部材との回転数が
一致する時期に一致するように上記オリフィス切換期間
T1を決定するためのものであり、予め実験的に求めら
れたものである。この関係では、上記スロットル開度変
化率ΔTAが大きくなるほどオリフィス切換期間T1が
長くなり、上記車速Vが高くなるほどオリフィス切換期
間T1が長くなるように決定されている。図7は、上記
予め記憶された関係に対応するデータマップを示してい
る。
【0055】ダウン変速終了判定手段306は、ダウン
変速たとえば4→3ダウン変速が終了したか否かを、た
とえばタービン回転数NT と出力軸回転数No ×変速比
γとが一致したか否かに基づいて判定する。
【0056】作動油流量変更手段308は、ダウン変速
判定手段302により車両のパワーオン走行中のダウン
変速の指令が出力されたと判断されてからオリフィス切
換期間T1が経過するまではオリフィス切換弁154の
ポートbをポートdのみと連通させることにより係合側
油圧式摩擦係合装置すなわちクラッチC1に作動油を供
給する油路192のオリフィスを流通抵抗の大きな小オ
リフィスに切替えるが、そのオリフィス切換期間T1が
経過するとオリフィス切換弁154のポートcとポート
dとを連通させることによりその油路192のオリフィ
スを小オリフィスからそれよりも流通抵抗の小さい大オ
リフィスに切換える。この作動油流量変更手段308
は、好適には、ダウン変速終了判定手段306によりダ
ウン変速の終了が判定されてから予め設定された余裕期
間T3経過後に、小オリフィスから大オリフィスへ切り
換える。
【0057】係合遅れ判定手段310は、ダウン変速期
間において係合側油圧式摩擦係合装置の係合が自動変速
機14の回転同期点よりも遅れることをダウン変速指令
時の車両の走行状態に基づいて判定する。たとえば、4
−3ダウン変速期間において、クラッチC1の係合開始
が自動変速機14の回転同期時期よりも相対的に遅れる
ことが、4−3ダウン変速指令時の車速Vおよびスロッ
トル開度変化率ΔTAに基づいて、たとえば車速Vが予
め設定された値Aよりも低く、スロットル開度TAが予
め設定された値Bより大きく、且つスロットル開度変化
率ΔTAが予め設定された値Cよりも小さいことに基づ
いて判断される。車速Vが低くなる程ダウン変速時にお
けるタービン回転数NT の上昇幅が小さくなって自動変
速機14の回転同期時期が早期となり、スロットル開度
TAが大きいほどタービン回転数NT の上昇速度が速く
なって自動変速機14の回転同期時期が早期となり、ス
ロットル開度変化率ΔTAが小さい程ダウン変速時にお
けるタービン回転数NT 上昇の応答が速やかとなって自
動変速機14の回転同期時期が早期となるので、たとえ
ば極めて低い車速における4−3ダウン変速期間では、
図7の関係から求められるオリフィス切換期間T1がた
とえ零であったとしてもクラッチC1の環状ピストン2
32の移動時間などに由来する応答遅れ時間の存在のた
め、クラッチC1の係合開始が自動変速機14の回転同
期時期に対して遅れる傾向となるのである。
【0058】エンジン出力低下手段312は、上記係合
遅れ判定手段310により上記パワーオンダウン変速に
おいて係合側油圧式摩擦係合装置の係合がその回転同期
点よりも遅れることが判定された場合には、そのダウン
変速期間内において車両のエンジン10の出力トルクを
所定の低下量だけ一時的に低下させる。この低下量は、
4−3ダウン変速ではクラッチC1の係合遅れに起因し
て発生するタービン回転数NT の吹き上がりを抑制する
ように予め実験的に求められられた値である。また、上
記エンジン10の出力トルクの低下期間は、変速期間或
いはタービン回転数NT の上昇期間全体であることが望
ましいが、そのタービン回転数NT の上昇期間の一部で
あっても一応の効果が得られる。上記エンジン出力低下
手段312は、エンジン10の点火装置11に設けられ
た点火時期遅角装置により所定量の遅角を実行すること
によりエンジン10の出力を一時的に低下させるもので
あり、変速指令から少なくとも変速終了が判定されるま
で継続される。
【0059】図8は、上記変速用電子制御装置20の制
御作動の要部、すなわちアクセルペダルが操作されてい
る走行中に上記自動変速機14の変速段が第4速ギヤ段
から第3速ギヤ段へダウン変速されるパワーオンダウン
変速の指令が判定された場合に実行される処理を示すメ
インルーチンの一部を示すフローチャートである。
【0060】図8において、前記ダウン変速判定手段3
02に対応する図示しないステップにおいて4−3ダウ
ン変速指令の出力の判断が否定されると次の制御が実行
されるが、その判断が肯定されると、パワーオンクラッ
チツウクラッチの4−3ダウン変速のためのオリフィス
切換制御ルーチンのSA1以下が開始される。図9のタ
イムチャートにおけるt1 時点はこの状態を示してい
る。この時点では未だ第4速ギヤ段の状態であるので、
ブレーキB1は係合させられた状態であり、クラッチC
1は解放された状態となっている。
【0061】SA1では、タイマーta 、tb などの内
容が「0」にクリアされることにより初期化されるとと
もに、これ以後は、車速V、スロットル開度TA、ター
ビン回転数NT 、アイドルスイッチの接点状態を表す信
号など、各センサからの入力信号が逐次読み込まれる。
【0062】次いで、SA2では、係合側摩擦係合装置
であるクラッチC1へ作動油を供給する油路192の流
通抵抗を高くするために、オリフィス切換弁154のポ
ートbがポートdのみと連通させられることにより小オ
リフィスへ切り換えられる。そして、係合遅れを発生さ
せることが推定される車両走行状態の有無を判定するた
めに前記係合遅れ判定手段310に対応するSA3乃至
SA5が実行される。SA3では、車速Vが予め設定さ
れた判断基準値A以下であるか否かが判断され、そのS
A3の判断が肯定された場合にはSA4においてスロッ
トル開度TAが予め設定された判断基準値B以上である
か否かが判断され、そのSA4の判断が肯定された場合
にはSA5においてスロットル開度変化率ΔTAが予め
設定された判断基準値C以下であるか否かが判断され
る。上記判断基準値A、B、Cは、前記図7の関係から
求められるオリフィス切換時間T1がたとえ零であった
としてもクラッチC1の環状ピストン232のストロー
クの移動時間に由来する応答遅れ時間の存在によってク
ラッチC1の係合が自動変速機14の同期時期よりも遅
れる車両走行状態を判定するために予め実験的に求めら
れた値である。
【0063】上記SA5の判断が肯定された場合すなわ
ち車速Vが判断基準値A以下であり、スロットル開度T
Aが判断基準値B以上であり、しかもスロットル開度変
化率ΔTAが判断基準値C以下である場合には、後述の
SA15と共に前記エンジン出力低下手段312に対応
するSA6において、図9の破線に示すように、直ちに
エンジン10の出力が所定量低下させられる。図9のt
1 時点はダウン変速指令時点を示すものであるが、変速
用電子制御装置20の演算速度は短時間であるので、そ
のt1 時点はエンジン10の出力の低下開始時点をも略
示している。しかし、上記SA3、SA4、SA5の判
断のうちのいずれか1つでも否定された場合には、上記
SA6が実行されることなくSA7以下が実行される。
【0064】次いで、前記オリフィス切換期間決定手段
304に対応するSA7では、ダウン変速指令後の経過
時間を計時するタイマーta の計時目標値であるオリフ
ィス切換タイマー値T1すなわち小オリフィス期間T1
が、予め記憶された図7の関係から、変速指令時の車速
Vおよびスロットル開度変化率ΔTAに基づいて算出さ
れる。続く、SA8では、タイマーta の内容が予め設
定された加算値「Δt a 」だけインクリメントされ、S
A9において、タイマーta の計時内容が上記タイマー
値T1よりも小さいか否か、すなわちタイマーta の計
時内容が上記タイマー値T1に未だ到達しないか否かが
判断される。当初は、このSA9の判断が肯定されるの
で、上記SA8以下が繰り返し実行される。この間で
は、エンジン10の出力が所定量低下させられているの
で、図9の破線に示すように、タービン回転数NT の上
昇速度は、エンジン10の出力トルク(N・m)が所定
量低下させられていない実線に示す場合に比較して相対
的に低くなっている。
【0065】上記タイマーta の計時内容が上記タイマ
ー値T1に到達してSA9の判断が否定されると、SA
10において、クラッチC1へ作動油を供給する油路1
92の流通抵抗を低くするために、オリフィス切換弁1
54のポートcとポートdとが連通させられることによ
り大オリフィスへ切り換えられる。図9のt2 時点はこ
の状態を示している。前記SA2および上記SA10は
前記作動油流量変更手段308に対応している。図9の
タイムチャートは、上記小オリフィス期間T1が極めて
小さい値であるときを示している。
【0066】次いで、SA11では、上記SA6のエン
ジン出力低下制御が実行されているか否かが、エンジン
出力低下制御を示すフラグ或いは電子制御装置20から
点火装置11内の点火時期遅角装置への出力信号に基づ
いて判断される。このSA11の判断が否定された場合
は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は前
記ダウン変速終了判定手段306に対応するSA12に
おいて、変速制御中の4→3ダウン変速が終了したか否
かが、たとえば、第3速のギヤ比γ3 が達成されたか否
かが(No ×γ3 −NT )が予め設定された判断基準値
Δnよりも小さいことに基づいて判断される。この判断
基準値Δnは、実際の入力軸回転数NTと出力軸回転数
o に第3速ギヤ段の変速比γ3 を掛けた値との差が零
に近いか否か、すなわち実際の入力軸回転数NT と出力
軸回転数No との比NT /No が第3速ギヤ段の変速比
γ3 に略到達したか否かを判定するために予め設定され
た零に近い値である。
【0067】当初は上記SA12の判断が否定されてそ
のSA12が繰り返し実行されるが、タービン回転数N
T が上昇して出力軸回転数No ×γに略到達し、4→3
ダウン変速が終了状態となると、上記SA12の判断が
肯定される。このため、続くSA13において、変速終
了以後において計時作動させられるタイマtb の内容が
予め設定された加算値「Δtb 」だけインクリメントさ
れる。図9のt3 時点はこの状態を示している。
【0068】次いで、SA14において、上記タイマt
b の内容が予め設定された判断基準値T3に到達してい
ないか否かが判断される。4−3変速の終了時において
エンジン出力トルクをそれまでの低下値から復帰させて
もよいが、4−3変速終了判定等のばらつきによる不都
合を回避するための余裕値として上記判断基準値T3が
設定されているのである。当初はこのSA14の判断が
肯定されるので、上記SA13以下が繰り返し実行され
る。このSA13以下が繰り返し実行されるうち、SA
14の判断が否定されると、SA15において、それま
で所定量遅角されていた点火時期が、エンジン回転数、
吸入空気量または吸気管負圧に基づいて基本的に決定さ
れる通常の点火時期へ戻されることにより、それまでの
変速期間中に低下させられていたエンジン10の出力ト
ルクが元の値へ徐々に復帰させられる。図9のt4 はこ
の状態を示している。
【0069】上述のように、本実施例によれば、係合遅
れ判定手段310(SA3、SA4、SA5)により4
−3ダウン変速においてクラッチC1の係合が自動変速
機14の回転同期点よりも遅れることが判定された場合
には、エンジン出力低下手段312(SA6)により、
その4−3ダウン変速期間内において車両のエンジン1
0の出力トルクが所定量低下させられるので、クラッチ
C1の係合開始が自動変速機14の回転数同期時期に間
に合わないことに起因するタービン回転数NTの一時的
吹き上がりや変速ショックの発生が好適に抑制される。
【0070】すなわち、ブレーキB1内の解放圧PB1
低下させられると同時にクラッチC1内の係合圧PC1
上昇させられる4−3ダウン変速において、エンジン出
力低下手段312(SA6)により4−3ダウン変速期
間内において車両のエンジン10の出力トルクが所定量
低下させられない従来の場合は、車両の低速低負荷走行
などにおいて自動変速機14の回転数同期点に遅れてク
ラッチC1の係合が開始されることから、図9の実線に
示すようにタービン回転数NT が上昇してその吹き上が
りFが発生するので、クラッチC1の係合によりそのタ
ービン回転数N T が同期回転数まで引き下げられて出力
軸トルクTO のピークPEとして現れる変速ショックが
発生する場合があったが、本実施例によれば、エンジン
出力低下手段312(SA6)により4−3ダウン変速
期間内において車両のエンジン10の出力トルクが所定
量低下させられることにより、図9の破線に示すよう
に、タービン回転数NT が従来よりも緩やかに上昇して
自動変速機14の回転数同期点とクラッチC1の係合開
始点とが近接させられるので、出力軸トルクTO のピー
クPEが解消されて変速ショックが好適に防止されるの
である。
【0071】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】図10は、他の実施例の油圧制御装置にお
ける変速用電子制御装置20の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図であり、図11は、その変速用電子
制御装置20の制御作動の要部を説明するフローチャー
トであり、図12は、その制御作動を説明するタイムチ
ャートである。
【0073】図10において、前述の実施例の図6と相
違する点は、係合遅れ判定手段310が除去されている
と共に、エンジン出力低下手段312に替えて、エンジ
ン出力低下手段314および係合遅れ判定手段315が
設けられていることである。この係合遅れ判定手段31
5は、4−3ダウン変速に際して回転数同期点に対する
クラッチC1の係合遅れの発生を、車速V、スロットル
開度変化率ΔTAに基づいて判定する。エンジン出力低
下手段314は、係合遅れ判定手段315によりクラッ
チC1の係合遅れが判定された場合には、作動油流量変
更手段308により4−3ダウン変速期間内において小
オリフィス状態から大オリフィス状態へ切り換えられて
クラッチC1へ供給される作動油流量が増量変更される
のと略同時に、車両のエンジン10の出力トルクを一時
的に所定幅だけ低下させる。このエンジン出力低下手段
314によるエンジン出力低下は、上記オリフィス切換
動作或いは作動油変更動作に完全に一致させる必要はな
く、タービン回転数NT の吹き上がり防止効果に寄与で
きる範囲で、それらの動作時点よりも少々早期に開始さ
れてもよいし、少々遅れた時期に開始されてもよい。ま
た、上記エンジン出力低下段314によるエンジン出力
低下期間は、少なくとも4−3ダウン変速の完了まで持
続されるが、それ以後であればいつでも終了させられて
もよい。また、上記エンジン出力低下手段314による
出力トルクの低下量すなわち低下幅は、オリフィス切換
時点以後においてタービン回転数NT の上昇を可及的に
抑制できる効果が生じるような値に予め実験的に設定さ
れている。
【0074】図11において、SB1では、前記SA1
と同様に、タイマーta 、tb などの内容が「0」にク
リアされることにより初期化されるとともに、これ以後
は、車速V、スロットル開度TA、タービン回転数
T 、アイドルスイッチの接点状態を表す信号など、各
センサからの入力信号が逐次読み込まれる。次いで、S
B2では、前記SA2と同様にして、クラッチC1へ作
動油を供給する油路192の流通抵抗を高くするために
小オリフィスへ切り換えられる。そして、前記オリフィ
ス切換期間決定手段304に対応するSB3では、前記
SA7と同様に、ダウン変速指令後の経過時間を計時す
るタイマーta の計時目標値であるオリフィス切換タイ
マー値T1すなわち小オリフィス期間T1が決定され
る。
【0075】続く、SB4では、タイマーta の内容が
予め設定された加算値「Δta 」だけインクリメントさ
れ、SB5において、タイマーta の計時内容が上記タ
イマー値T1よりも小さいか否かが判断される。当初
は、このSB5の判断が肯定されるので、上記SB4以
下が繰り返し実行される。このSB5の判断が否定され
ると、前記係合遅れ判定手段315に対応するSB6に
おいて、4−3ダウン変速時のクラッチC1の係合が回
転数同期点に対して遅れるか否かが、車速V、スロット
ル開度変化率ΔTAなどに基づいて判断される。この車
速Vやスロットル開度変化率ΔTAの大きさに対する判
断基準値は、予め実験的に求められたものである。
【0076】上記SB6の判断が否定された場合は、S
B7のエンジン出力トルク低減制御が行われることなく
SB8以下が実行される。しかし、上記SB6の判断が
肯定された場合は、前記エンジン出力低下手段314に
対応するSB7において、前記SA6と同様にしてエン
ジン10の出力トルクが所定量低減させられると同時
に、SB8において、クラッチC1へ作動油を供給する
油路192の流通抵抗を低くするために、オリフィス切
換弁154のポートcとポートdとが連通させられるこ
とにより大オリフィスへ切り換えられる。これにより、
エンジン出力トルクが低減させられた状態でクラッチC
1の係合が開始されるようになる。図12のt2 時点は
この状態を示している。前記SB2および上記SB8は
前記作動油流量変更手段308に対応している。
【0077】次いで、SB9において、上記SB7のエ
ンジン出力低下制御が実行されているか否かが、SA1
1と同様にして判断される。このSB9の判断が否定さ
れた場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された
場合は前記ダウン変速終了判定手段306に対応するS
B10において、変速制御中の4→3ダウン変速が終了
したか否かが、SA12と同様にして判断される。当初
は上記SB10の判断が否定されてその実行が繰り返さ
れるが、タービン回転数NT が上昇して回転数No ×γ
に略到達し、4→3ダウン変速が終了状態となると、上
記SB10の判断が肯定される。このため、続くSB1
1において、変速終了以後において計時作動させられる
タイマtb の内容が予め設定された加算値「Δtb 」だ
けインクリメントされる。図12のt3 時点はこの状態
を示している。
【0078】次いで、SB12において、上記タイマt
b の内容が予め設定された判断基準値T4に到達してい
ないか否かが判断される。この判断基準値T4は、前記
判断基準値T3と同様の理由により設けられた余裕値で
ある。当初はこのSB12の判断が肯定されるので、上
記SB11以下が繰り返し実行されるが、そのSB11
以下が繰り返し実行されるうち、SB12の判断が否定
されると、SB13において、SA15と同様にして、
それまでの変速期間中に低下させられていたエンジン1
0の出力トルクが元の値へ徐々に復帰させられる。図1
2のt4 はこの状態を示している。
【0079】上述のように、本実施例によれば、エンジ
ン出力低下手段314(SB7)により、作動油流量変
更手段308(SB8)によりクラッチC1に供給され
る作動油流量が増量変更されるのと略同時に、エンジン
10の出力が一時的に低下させられるので、変速期間中
の車速変化やアクセルペダル操作量の変化等、何らかの
原因でクラッチC1の係合開始が自動変速機14の回転
数同期時期に間に合わないことに起因するタービン回転
数NT の一時的吹き上がりや変速ショックの発生が好適
に抑制される。
【0080】すなわち、ブレーキB1内の解放圧PB1
低下させられると同時にクラッチC1内の係合圧PC1
上昇させられる4−3ダウン変速において、車両の低速
低負荷走行などにおいて自動変速機14の回転数同期点
に遅れてクラッチC1の係合が開始される傾向にあるこ
とから、図12の実線に示すようにタービン回転数N T
が上昇してその吹き上がりFが発生するので、クラッチ
C1の係合によりそのタービン回転数NT が同期回転数
まで引き下げられて出力軸トルクTO のピークPEとし
て現れる変速ショックが発生する場合があったが、本実
施例によれば、エンジン出力低下手段314(SB7)
により上記オリフィス切換と略同時にエンジン10の出
力トルクが所定量低下させられることにより、クラッチ
C1の係合時にはタービン回転数NT の上昇力が抑制さ
れ、図12の破線に示すように、タービン回転数NT
従来よりも緩やかに上昇させられるので、出力軸トルク
O のピークPEが抑制されて変速ショックが好適に緩
和されるのである。
【0081】図13は、他の実施例の油圧制御装置にお
ける変速用電子制御装置20の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図であり、図14および図15は、そ
の変速用電子制御装置20の制御作動の要部を説明する
フローチャートであり、図16は、その制御作動を説明
するタイムチャートである。
【0082】図13において、前述の実施例の図6と相
違する点は、係合遅れ判定手段310およびエンジン出
力低下手段312に替えて、入力軸回転数変化率変化判
定手段316およびエンジン出力低下手段318が設け
られていることである。
【0083】この入力軸回転数変化率変化判定手段31
6は、4−3ダウン変速中における自動変速機14の入
力軸回転数の変化率、すなわち上昇率或いは増加率が、
予め設定された判断基準範囲たとえば基準変化率Dを中
心とする所定幅を超えたか否かを判定する。その所定幅
は、たとえば、基準変化率Dから増加側へΔa2 且つ減
少側へΔa3 の幅、すなわち上限値をD+Δa2 とし且
つ下限値をD−Δa3とする範囲である。ここで、上記
入力軸回転数とは、入力軸30の回転数NINだけでな
く、それと技術的に同一視できる回転部材たとえばター
ビン翼車32、クラッチC1或いはC3のクラッチドラ
ム、クランク軸26、ポンプ翼車28の回転数を意味す
る。また、上記入力軸回転数の変化率とは、入力軸回転
数が一定のサンプリング周期で入力されることを前提と
れば、所定時間前の値に対する差分値、所定区間内の移
動平均値に対する差分値などである。また、上記基準変
化率Dは、問題となる変速ショックを生じさせるほどの
クラッチC1の係合タイミングのずれの原因となる入力
軸回転数変化率の変化を判定するためのものであり、た
とえば、ダウン変速指令前後或いは直後のタービン回転
数NT の変化率の差(ΔNT1−ΔNT2)が予め設定され
た値Δa1 を超えたときのタービン回転数変化率ΔNT
が用いられる。すなわち、ダウン変速指令時に折れ点を
示すタービン回転数NT のその折れ点の直後のタービン
回転数変化率ΔNT が用いられるのであり、その折れ点
の判定としては、たとえば、所定のサンプリング周期前
のタービン回転数NT の変化率ΔNT1と今回サンプリン
グされたタービン回転数NT の変化率ΔNT2との差が値
Δa1 を超えたことを以て行われるのである。上記予め
設定された値Δa1 は、ダウン変速開始時のタービン回
転数NT の上昇の折れ点を判定するために求められたも
のである。
【0084】エンジン出力低下手段318は、上記入力
軸回転数変化率変化判定手段316によりダウン変速中
における自動変速機14の入力軸回転数の変化率が予め
設定された判断基準範囲を増加側へ超えたと判定された
場合には、前記ダウン変速期間内の少なくとも前記オリ
フィス切換時点を含む期間において車両のエンジン10
の出力トルクを一時的に所定量だけ低下させる。このエ
ンジン出力低下手段318による出力トルク低下期間
は、ダウン変速期間内において入力軸回転数変化率変化
判定手段316により入力軸回転数変化率の変化が判定
されてから、少なくとも作動油流量変更手段308によ
るオリフィス切り換えが実行されるまで、好適には変速
の完了或いはそれ以後まで実行される。また、上記エン
ジン出力低下手段318による出力トルクの低下量すな
わち低下幅は、自動変速機14のダウン変速時の回転数
同期点とクラッチC1の係合開始点とが可及的に近接で
きる効果が生じるような値に予め実験的に設定されてい
る。
【0085】エンジン出力復帰手段320は、上記入力
軸回転数変化率変化判定手段316によりダウン変速中
における自動変速機14の入力軸回転数の変化率が予め
設定された判断基準範囲を下回る側へ外れたと判定され
た場合には、エンジン出力低下手段318によるエンジ
ン出力トルク低下制御を中止させ、エンジン出力トルク
を低下値からそれ以前の通常値に復帰させる。また、エ
ンジン出力低下復帰手段320は、ダウン変速終了判定
手段306により4−3ダウン変速の終了が判定された
場合には、予め設定された遅れ期間或いは余裕期間T3
の経過後にエンジン出力トルクを低下値からそれ以前の
通常値に復帰させる。
【0086】図14のSC1、SC2では、前記SB
1、SB2と同様に、タイマーta 、tb などの内容が
「0」にクリアされることにより初期化され、それ以後
は、車速V、スロットル開度TA、タービン回転数
T 、アイドルスイッチの接点状態を表す信号など、各
センサからの入力信号が逐次読み込まれ、クラッチC1
へ作動油を供給する油路192の流通抵抗を高くするた
めに小オリフィスへ切り換えられる。そして、前記オリ
フィス切換期間決定手段304に対応するSC3では、
前記SA7、SB3と同様に、ダウン変速指令後の経過
時間を計時するタイマーta の計時目標値であるオリフ
ィス切換タイマー値T1すなわち小オリフィス期間T1
が決定される。
【0087】続く、SC4では、タイマーta の内容が
「Δta 」だけインクリメントされる。SC5では、4
−3ダウン変速期間内におけるタービン回転数NT の変
化を判定するための基準変化率Dが、4−3ダウン変速
指令直後に立ち上がるタービン回転数NT の折れ点直後
の変化率ΔNT から決定される。次いで、SC6では、
所定のサンプリング周期で逐次求められるタービン回転
数NT から変速中のタービン回転数変化率ΔNT が逐次
算出される。そして、前記入力軸回転数変化率変化判定
手段316に対応するSC7では、ダウン変速指令以後
において、アクセルペダル操作量の変更操作などに起因
するタービン回転数の上昇率変化が発生したか否かが、
(ΔNT −D)>Δa2 が成立することに基づいて判定
される。
【0088】このSC7の判断が肯定された場合は、変
速期間内においてさらなるアクセルペダル操作などに起
因してタービン回転数ΔNT の増加率が大きく増加した
状態であるから、前記エンジン出力低下手段318に対
応するSC8においてエンジン出力トルクが前記SA6
やSB7と同様にして低下させられるとともに、その低
下量が一定に保持される。
【0089】次いで、前述の実施例のSA9乃至SA1
5と同様にSC9乃至SC15が実行される。先ず、S
C9において、タイマーta の計時内容が上記タイマー
値T1よりも小さいか否か、すなわちタイマーta の計
時内容が上記タイマー値T1に未だ到達しないか否かが
判断される。当初は、このSC9の判断が肯定されるの
で、上記SC4以下が繰り返し実行されるが、上記タイ
マーta の計時内容が上記タイマー値T1に到達してS
C9の判断が否定されると、SC10において、クラッ
チC1へ作動油を供給する油路192の流通抵抗を低く
するために、オリフィス切換弁154のポートcとポー
トdとが連通させられることにより大オリフィスへ切り
換えられる。図16のt2 時点はこの状態を示してい
る。上記SC2および上記SC10は前記作動油流量変
更手段308に対応している。
【0090】次いで、SC11では、上記SC8のエン
ジン出力低下制御が実行されているか否かが判断され
る。このSC11の判断が否定された場合は本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は前記ダウン変速
終了判定手段306に対応するSC12において、変速
制御中の4→3ダウン変速が終了したか否かが判断され
る。当初は上記SC12の判断が否定されてそのSC1
2が繰り返し実行されるが、タービン回転数NT が上昇
して出力軸回転数No ×γに略到達して4→3ダウン変
速が終了状態となると、上記SC12の判断が肯定され
るので、続くSC13において、変速終了以後において
計時作動させられるタイマtb の内容が予め設定された
加算値「Δtb 」だけインクリメントされる。図16の
3 時点はこの状態を示している。
【0091】次いで、SC14において、上記タイマt
b の内容が予め設定された判断基準値T3に到達してい
ないか否かが判断される。当初はこのSC14の判断が
肯定されるので、上記SC13以下が繰り返し実行され
るが、SC13以下が繰り返し実行されるうちにSC1
4の判断が否定されると、SC15において、それまで
所定量遅角されていた点火時期が、エンジン回転数、吸
入空気量または吸気管負圧に基づいて基本的に決定され
る通常の点火時期へ戻されることにより、それまでの変
速期間中に低下させられていたエンジン10の出力トル
クが元の値へ徐々に復帰させられる。図16のt4 はこ
の状態を示している。
【0092】前記SC7の判断が否定された場合には、
前記入力軸回転数変化率変化判定手段316に対応する
SC16において、タービン回転数NT の変化率ΔNT
が予め設定された判断基準範囲を下回ったか否かが、|
ΔNT −D|<Δa3 が成立するか否かに基づいて判断
され、且つエンジン出力トルク低減中であるか否かが判
断される。このSC16の判断が肯定された場合は前記
エンジン出力復帰手段320に対応するSC17におい
て、エンジン出力トルクの低下が直ちに中止される。す
なわち、4−3変速期間内においてタービン回転数NT
の変化率ΔNTの増加によりエンジン出力トルクが低下
させられた以後において、アクセルペダルの戻し操作な
どによってタービン回転数の変化率が減少させられた場
合には、エンジン出力低下制御が中止されるのである。
なお、上記SC16の判断が否定された場合は、上記S
C17が実行されることなく、前記SC9以下が実行さ
れる。
【0093】上述のように、本実施例によれば、入力軸
回転数変化率変化判定手段316(SC7)により4−
3ダウン変速中における自動変速機14のタービン回転
数の変化率ΔNT が予め設定された判断基準範囲を超え
たと判定された場合には、エンジン出力低下手段318
(SC8)により、4−3ダウン変速期間内の少なくと
もオリフィス切換時点を含む所定期間においてエンジン
10の出力トルクが一時的に低下させられるので、変速
期間内のアクセルペダル操作量の変化等、何らかの原因
でタービン回転数が急上昇してクラッチC1の係合開始
時期が自動変速機の同期時期に間に合わないことに起因
するタービン回転数の一時的吹き上がりや変速ショック
の発生が好適に抑制される。
【0094】すなわち、ブレーキB1内の解放圧PB1
低下させられると同時にクラッチC1内の係合圧PC1
上昇させられる4−3ダウン変速において、その4−3
ダウン変速期間内のタービン回転数NT の増加中に、ア
クセルペダルの踏み込みがさらに行われるなどによりそ
の変化率ΔNT が増大すると、図16の実線に示すよう
にタービン回転数NT が急に上昇してその吹き上がりF
が発生するので、クラッチC1の係合によりそのタービ
ン回転数NT が同期回転数まで引き下げられて出力軸ト
ルクTO のピークPEとして現れる変速ショックが発生
する場合があったが、本実施例によれば、入力軸回転数
変化率変化判定手段316(SC7)により上記変化率
ΔNT が増大が判定されると、エンジン出力低下手段3
14(SC8)によりエンジン10の出力トルクが所定
量低下させられるので、クラッチC1の係合時にはター
ビン回転数NT の上昇力が抑制され、図16の破線に示
すように、タービン回転数NT が従来よりも緩やかに上
昇させられるので、出力軸トルクTO のピークPEが抑
制されて変速ショックが好適に緩和されるのである。
【0095】また、本実施例によれば、4−3ダウン変
速期間内においてエンジン出力低下手段318(SC
8)によりエンジン10の出力トルクが一時的に低下さ
せられている状態で、タービン回転数NT の変化率ΔN
T が急減したことが入力軸回転数変化率変化判定手段3
16(SC16)により判定されると、エンジン出力復
帰手段320(SC17)によりエンジン出力トルク低
下制御が直ちに中止させられるので、エンジン出力トル
ク低下中においてタービン回転数NT の変化率ΔNT
急減したときでも自動変速機14の回転数の同期点とク
ラッチC1の係合開始点とが好適に近接させられる利点
がある。
【0096】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明は上記実施例とは別の態様において
も実施できる。
【0097】たとえば、前述の実施例のエンジン出力低
下手段312、314、318は、エンジン10の点火
時期を遅角させることにより、ダウン変速期間内の所定
の領域でエンジン10の出力トルクを一時的に低下させ
ていたが、エンジン10へ供給される燃料噴射量を所定
量減少させることによりエンジン出力トルクを低下させ
るものであってもよいし、スロットル弁がスロットルア
クチュエータにより駆動される形式の場合には、そのス
ロットル弁の開度を所定量減少させることによりエンジ
ン出力トルクを低下させるものであってもよい。
【0098】また、前述の実施例において用いられてい
るスロットル開度TAに換えて、アクセルペダル操作量
θACC 、燃料噴射量F、吸気管負圧PINなどのエンジン
負荷を表す量が用いられてもよいし、タービン回転数N
T に換えて、入力軸回転数N IN、クラッチC1回転数N
C1、出力軸回転数NOUT ×γ等が用いられてもよい。
【0099】また、前述の実施例においては、4−3ダ
ウン変速に際して、オリフィス切り換えによって係合側
油圧式摩擦係合装置であるクラッチC1の係合タイミン
グを調節する変速制御装置において、所定の車両状態の
場合にはエンジン出力トルクを低下させる制御を加える
ことにより、自動変速機14の回転数同期点とクラッチ
C1の係合開始点とを可及的に近接させるものであった
が、その精度を一層高めるために、上記クラッチC1や
ブレーキB1の係合圧の元圧であるライン圧を変化させ
る制御がさらに加えられても差し支えない。
【0100】また、前述の実施例におけるオリフィス切
換制御は、4−3ダウン変速指令からの経過時間がその
4−3ダウン変速指令時に決定されたオリフィス切換タ
イマー値T1に到達することにより行われる時間制御方
式であったが、たとえば、タービン回転数NT が4−3
ダウン変速指令時に決定された目標回転数に到達したこ
とによりオリフィス切り換えが実行される回転数制御方
式であっても差し支えない。
【0101】以上に説明したものはあくまでも本発明の
一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲に
おいて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の自動変速機の油圧制御装置
を備えた車両の構成図である。
【図2】図1の車両の自動変速機におけるギヤ段とそれ
を成立させるための摩擦係合装置の作動状態とを示す図
表である。
【図3】図1の油圧制御回路の一部であってライン油圧
を生成する部分の構成を示す油圧回路図である。
【図4】図1の油圧制御回路の一部であってクラッチC
1およびブレーキB1等に作動油を供給する部分の構成
を示す油圧回路図である。
【図5】クラッチC1の構成の一例を示す断面図であ
る。
【図6】図1の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図7】図6のオリフィス切換期間決定手段において用
いられる予め記憶された関係を説明する図である。
【図8】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部で
あって、図6の機能ブロック線図に基づいて行なわれる
メインルーチンの内容の一例を示すフローチャートであ
る。
【図9】図8の変速用電子制御装置の制御作動に関連し
て変化する4−3ダウン変速期間中の回転数、トルク、
油圧をそれぞれ示すタイムチャートである。
【図10】他の実施例における変速用電子制御装置の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図
6に相当する図である。
【図11】図10の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部であって、図10の機能ブロック線図
に基づいて行なわれるメインルーチンの内容の一例を示
すフローチャートであって、図8に相当する図である。
【図12】図10の変速用電子制御装置の制御作動に関
連して変化する4−3ダウン変速期間中の回転数、トル
ク、油圧をそれぞれ示すタイムチャートであって、図9
に相当する図である。
【図13】さらに他の実施例における変速用電子制御装
置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であっ
て、図6に相当する図である。
【図14】図13の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するメインルーチンの内容を示
すフローチャートの一部であって、図8に相当する図で
ある。
【図15】図13の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動の要部を説明するメインルーチンの内容を示
すフローチャートの一部であって、図8に相当する図で
ある。
【図16】図13の変速用電子制御装置の制御作動に関
連して変化する4−3ダウン変速期間中の回転数、トル
ク、油圧をそれぞれ示すタイムチャートであって、図9
に相当する図である。
【符号の説明】
14:車両用自動変速機 192:油路 308:作動油流量変更手段 310:係合遅れ判定手段 312:エンジン出力低下手段 314:エンジン出力低下手段 316:入力軸回転数変化率変化判定手段 318:エンジン出力低下手段 C1:クラッチ(係合側油圧式摩擦係合装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:44 59:68 59:74 63:12 (72)発明者 尾関 竜哉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−203067(JP,A) 特開 平2−92748(JP,A) 特開 平7−293682(JP,A) 特開 平5−1583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 41/06 F02D 29/00 F16H 61/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用自動変速機の変速段を切り換える
    ための複数の油圧式摩擦係合装置と、該複数の油圧式摩
    擦係合装置のうち該車両用自動変速機のダウン変速のた
    めに摩擦係合させられる係合側油圧式摩擦係合装置に作
    動油を供給する供給路に設けられたオリフィスを該ダウ
    ン変速指令から所定期間経過後に小オリフィスから大オ
    リフィスへ切り換えることにより作動油流量を変更する
    作動油流量変更手段とを備え、該作動油流量変更手段に
    より、該係合側油圧式摩擦係合装置の係合時期を調節す
    る形式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、 前記ダウン変速期間において、前記係合側油圧式摩擦係
    合装置の係合が、前記自動変速機の入力軸回転数と出力
    軸回転数との比が前記ダウン変速後のギヤ比に等しくな
    回転同期点よりも遅れることを、車両の走行状態に基
    づいて判定する係合遅れ判定手段と、前記作動油流量変更手段により前記オリフィスが小オリ
    フィスに切り換えられ、そして、 該係合遅れ判定手段に
    より前記ダウン変速において前記係合側油圧式摩擦係合
    装置の係合がその回転同期点よりも遅れることが判定さ
    れた場合には、前記ダウン変速期間において前記車両の
    エンジンの出力を一時的に低下させることにより、前記
    自動変速機の回転数同期時期と前記係合側油圧式摩擦係
    合装置の係合開始時期とを近づけるエンジン出力低下手
    段とを、含むことを特徴とする車両用自動変速機の油圧
    制御装置。
  2. 【請求項2】 車両用自動変速機の変速段を切り換える
    ための複数の油圧式摩擦係合装置と、該複数の油圧式摩
    擦係合装置のうち該車両用自動変速機のダウン変速のた
    めに摩擦係合させられる係合側油圧式摩擦係合装置に作
    動油を供給する供給路に設けられたオリフィスを該ダウ
    ン変速指令から所定期間経過後に小オリフィスから大オ
    リフィスへ切り換えることにより作動油流量を変更する
    作動油流量変更手段とを備え、該作動油流量変更手段に
    より、該係合側油圧式摩擦係合装置の係合時期を調節す
    る形式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、 前記作動油流量変更手段により前記オリフィスを小オリ
    フィスから大オリフィスへ切り換えることにより作動油
    流量が変更されるのと略同時に、前記車両のエンジンの
    出力を一時的に低下させることにより、前記自動変速機
    の入力軸回転数 と出力軸回転数との比が前記ダウン変速
    後のギヤ比に等しくなる回転数同期時期と前記係合側油
    圧式摩擦係合装置の係合開始時期とを近づけるエンジン
    出力低下手段を、含むことを特徴とする車両用自動変速
    機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 車両用自動変速機の変速段を切り換える
    ための複数の油圧式摩擦係合装置と、該複数の油圧式摩
    擦係合装置のうち該車両用自動変速機のダウン変速のた
    めに摩擦係合させられる係合側油圧式摩擦係合装置に作
    動油を供給する供給路に設けられたオリフィスを該ダウ
    ン変速指令から所定期間経過後に小オリフィスから大オ
    リフィスへ切り換えることにより作動油流量を変更する
    作動油流量変更手段とを備え、該作動油流量変更手段に
    より、該係合側油圧式摩擦係合装置の係合時期を調節す
    る形式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、 前記ダウン変速中における前記自動変速機の入力軸回転
    数の変化率が予め設定された判断基準範囲を超えたか否
    かを判定する入力軸回転数変化率変化判定手段と、前記作動油流量変更手段により前記オリフィスが小オリ
    フィスに切り換えられ、そして、 該入力軸回転数変化率
    変化判定手段によりダウン変速中における前記自動変速
    機の入力軸回転数の変化率が予め設定された判断基準範
    囲を超えたと判定された場合には、前記ダウン変速期間
    内の少なくとも前記オリフィス切換時点を含む期間にお
    いて前記車両のエンジンの出力を一時的に低下させる
    とにより、前記自動変速機の入力軸回転数と出力軸回転
    数との比が前記ダウン変速後のギヤ比に等しくなる回転
    数同期時期と前記係合側油圧式摩擦係合装置の係合開始
    時期とを近づけるエンジン出力低下手段とを、含むこと
    を特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
JP10005788A 1998-01-14 1998-01-14 車両用自動変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP2976956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10005788A JP2976956B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 車両用自動変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10005788A JP2976956B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 車両用自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11198682A JPH11198682A (ja) 1999-07-27
JP2976956B2 true JP2976956B2 (ja) 1999-11-10

Family

ID=11620845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10005788A Expired - Fee Related JP2976956B2 (ja) 1998-01-14 1998-01-14 車両用自動変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2976956B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2876063B1 (fr) * 2004-10-04 2008-02-15 Renault Sas Systeme de commande palliatif d'une boite de vitesses manuelle dite robotisee a rapports etages, pour vehicule automobile et procede correspondant.
JP4721910B2 (ja) * 2006-01-12 2011-07-13 日立オートモティブシステムズ株式会社 変速機の制御装置
CN108397544B (zh) * 2018-03-15 2019-05-28 安徽江淮汽车集团股份有限公司 变速箱转速同步方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11198682A (ja) 1999-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3536537B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP4655434B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP3041163B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH09280079A (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP2003182408A (ja) 自動変速機の制御装置
JP3536533B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2976956B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH0960723A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3293400B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH08291858A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2914116B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP3584555B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPS6218780B2 (ja)
JPH08244499A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2950311B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH0968267A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3449109B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3531513B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH0979372A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH0914421A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2748487B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH09112678A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH09144863A (ja) 車両用自動変速機およびエンジンの制御装置
JP3439567B2 (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
JPH0599306A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070910

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees