JP3039253B2 - 自動変速機の過熱対策装置 - Google Patents

自動変速機の過熱対策装置

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JP3039253B2
JP3039253B2 JP2252894A JP2252894A JP3039253B2 JP 3039253 B2 JP3039253 B2 JP 3039253B2 JP 2252894 A JP2252894 A JP 2252894A JP 2252894 A JP2252894 A JP 2252894A JP 3039253 B2 JP3039253 B2 JP 3039253B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の作動流体
温度が高くなる過熱時において、この過熱を防止するよ
う自動変速機を、発熱量が減少する制御状態にする、自
動変速機の過熱対策装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の過熱対策技術としては従
来、例えば特公平5−51489号公報に記載されてい
る如く、自動変速機の作動油温が高くなる過熱時は、自
動変速機の変速制御パターンを変速点が高車速側にずれ
た変速パターンに切り換え、この油温上昇防止モードの
変速パターンに基づき自動変速機を変速制御するように
したものが知られている。この過熱対策制御によれば、
自動変速機が低速段を選択し易くなって、無理のない伝
動状態となり、結果として自動変速機の発熱量が減じら
れ、その過熱状態を解消することができる。
【0003】その他の自動変速機用過熱対策装置として
は、例えば特開平4−151069号公報に記載のよう
に、トルクコンバータのトルク増大機能やトルク変動吸
収機能が不要なロックアップ車速以上の車速域で、トル
クコンバータをコンバータ状態から、入出力要素間が直
結されたロックアップ状態にするようにした自動変速機
を前提とし、自動変速機の作動油温が高くなり過ぎる
時、上記のロックアップ車速を低下させてトルクコンバ
ータをロックアップし易くすることにより、トルクコン
バータの作動油攪拌による発熱を抑制するようにした過
熱対策制御が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の過熱対策
装置は何れも、この対策が前者の対策のように変速線を
高車速側にずらすものであるにしろ、後者の対策のよう
にロックアップ車速を高車速側にずらすものであるにし
ろ、これらを兎に角、自動変速機の作動油温のみに基づ
いて実行するものであることから、以下の問題が生ずる
ことを確かめた。
【0005】即ち、車両を急勾配の長い登坂路で走行さ
せる場合のように、アクセルペダルを略一定のままに踏
み込んだ状態で長時間に亘って高負荷運転し続ける場合
以外は、通常程度の長さの登坂路走行も含めて、アクセ
ルペダル操作量を頻繁に変化させながら走行するため、
また登坂路が長時間続くことがないため、トルクコンバ
ータのスリップ量が長時間に亘って大きくされたままに
なることがない。従って、自動変速機が一旦過熱気味に
なることがあったとしても、一時的なもので、上記の対
策制御を行わなくても自動変速機の過熱状態は間もなく
のうちに解消される。それにもかかわらず、自動変速機
の作動油温のみに応じてこれが過熱を示す高温になると
直ちに過熱対策制御を実行するという従来装置では、上
記の通常走行において不必要な過熱対策制御が頻繁に行
われることとなり、その度にダウンシフト変速に伴う変
速ショックや、トルクコンバータのロックアップに伴う
ロックアップショックが発生して、車両の運転性が頗る
悪くなるのを免れない。
【0006】本発明は、自動変速機の上記例示のような
過熱対策制御が本当に必要なのは、車両を急勾配の長い
登坂路で走行させる場合のように、アクセルペダルを略
一定のままに踏み込んだ状態で長時間に亘り高負荷運転
し続け、トルクコンバータのスリップ量が長時間に亘っ
て大きくされたままに保たれる場合であるとの事実認識
に基づき、アクセルペダル操作に関する情報を過熱対策
制御の制御因子に付加することで、上述の運転性の悪化
に関する問題を解消し得た自動変速機の過熱対策装置を
提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、第1発
明による自動変速機の過熱対策装置は、図1に概念を示
す如く、過熱検知手段により、自動変速機の作動流体温
度が自動変速機の過熱を表す設定温度以上であることが
検知される間、自動変速機を、発熱量が減少する制御状
態にする自動変速機の過熱対策装置において、自動変速
機に動力を入力する原動機の負荷状態の変化程度が基準
よりも少ない原動機の安定負荷状態を検知する安定負荷
状態検知手段を設け、該手段により原動機の安定負荷状
態が検知される間のみ、前記過熱検知手段からの信号に
応答した前記過熱対策装置による自動変速機の過熱対策
制御がなされるよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0008】第2発明は、上記自動変速機の過熱対策制
御が、ダウンシフト変速線を高車速側にずらせて自動変
速機を低速段に投入され易くなるようにしたものである
ことを特徴とするものである。
【0009】第3発明は、上記第2発明に付加して、自
動変速機の変速制御がハンチングを生ずるのを検知する
ハンチング検知手段を付加し、該手段により変速制御の
ハンチングが検知される時アップシフト変速線も高車速
側にずらして変速制御のハンチングを防止するよう構成
したことを特徴とするものである。
【0010】第4発明は、第1発明における前記自動変
速機の過熱対策制御が、トルクコンバータのロックアッ
プ線を低車速側にずらせてトルクコンバータがロックア
ップされ易くなるようにしたものであることを特徴とす
るものである。
【0011】第5発明は、第1発明乃至第4発明のいず
れか1発明において、前記安定負荷状態検知手段が、前
記原動機の負荷を検知して該負荷の加重平均値が設定値
よりも小さい時を、原動機の安定負荷状態であるとする
ものであることを特徴とするものである。
【0012】第6発明は、第1発明乃至第5発明のいず
れか1発明に付加して、前記自動変速機の過熱対策制御
が自動変速機の変速を惹起するか否かを判定する変速判
定手段と、該手段により変速が発生すると判定される
時、前記自動変速機の過熱対策制御を禁止する指令を過
熱対策装置に発する過熱対策制御禁止手段とを設けたこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】第1発明において基本的には、自動変速機の作
動流体温度が自動変速機の過熱を表す設定温度以上であ
る時、この過熱を検知する過熱検知手段からの信号に応
答して過熱対策装置は自動変速機を、発熱量が減少する
制御状態にする。しかして、安定負荷状態検知手段が、
原動機の負荷状態の変化程度から原動機の安定負荷状態
を検知する時に限って、上記過熱対策装置による自動変
速機の過熱対策制御を実行させ、原動機の安定負荷状態
以外では、この制御を行わせない。
【0014】従って、車両を急勾配の長い登坂路で走行
させる場合のように、アクセルペダルを略一定のままに
踏み込んだ状態で長時間に亘り高負荷運転し続け、トル
クコンバータのスリップ量が長時間に亘って大きくされ
たままに保たれる場合に限り、つまり本当に自動変速機
の過熱が懸念される走行状態でのみ、自動変速機の上記
過熱対策制御が実行されることとなり、自動変速機の過
熱対策機能を有効に働かせることができる。
【0015】そして、原動機が安定負荷状態にされる以
外の通常の走行状態では、たとえ一時的に作動流体温度
が高温になることがあっても、自動変速機の上記過熱対
策制御を行わないことから、不要な過熱対策制御による
ショックが発生して運転性が悪化するといった従来装置
の前記問題を解消すことができる。
【0016】なお、上記自動変速機の過熱対策制御とし
ては、第2発明のように、ダウンシフト変速線を高車速
側にずらせて自動変速機を低速段に投入され易くなるよ
うにする制御が有用である。
【0017】この場合、ダウンシフト変速線がアップシ
フト変速線に接近して両者間のヒステリシスが小さくな
る結果、自動変速機の変速制御がハンチングを生じ易く
なるが、第3発明においては、自動変速機の変速制御が
ハンチングを生ずるのをハンチング検知手段により検知
する時、アップシフト変速線も高車速側にずらすよう構
成したから、上記変速制御のハンチングを生ずることも
ない。
【0018】なお、上記自動変速機の過熱対策制御とし
ては、第2発明に代え、第4発明のように、トルクコン
バータのロックアップ線を低車速側にずらせてトルクコ
ンバータがロックアップされ易くなるようにしたものも
有用である。
【0019】更に、前記安定負荷状態検知手段は第5発
明のように、前記原動機の負荷を検知して該負荷の加重
平均値が設定値よりも小さい時を、原動機の安定負荷状
態であるとするようなものとするのが有用である。
【0020】第6発明においては、新たに付加して設け
た変速判定手段および過熱対策制御禁止手段により以下
の作用が得られる。つまり、変速判定手段は前記自動変
速機の過熱対策制御を行うと自動変速機の変速を惹起す
るか否かを判定し、該手段により変速が発生すると判定
される時、過熱対策制御禁止手段は上記自動変速機の過
熱対策制御を禁止する指令を過熱対策装置に発する。よ
って、過熱対策制御によって変速が発生する場合は当該
制御が行われることがなく、過熱対策制御によるショッ
クと変速によるショックとが近接して発生する違和感を
なくすことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は、本発明一実施の態様になる自動変速
機の過熱対策装置を示し、この図において、1はエンジ
ン(原動機)、2は自動変速機である。自動変速機2は
トルクコンバータ3を経てエンジン1の動力を入力さ
れ、選択変速段に応じたギヤ比で入力回転を変速し、出
力軸4に伝達するものとする。
【0022】ここで自動変速機2は、コントロールバル
ブ5内におけるシフトソレノイド6,7のON,OFF
の組み合わせにより選択変速段を決定され、トルクコン
バータ3は、同じくコントロールバルブ5内におけるロ
ックアップソレノイド8のデューティ制御により、入出
力要素間を直結されないコンバータ状態または入出力要
素間を直結したロックアップ状態にされるものとする。
【0023】シフトソレノイド6,7のON,OFF、
およびロックアップソレノイド8の駆動デューティD
は、コントローラ9によりこれらを制御し、このコント
ローラ9には、エンジン1のスロットル開度TH(エン
ジン負荷状態)を検出するスロットル開度センサ10か
らの信号、変速機出力軸4の回転数から車速Vを検出す
る車速センサ11からの信号、および変速機作動油温C
を検出する油温センサ(作動流体温度検出手段)12か
らの信号を夫々入力する。
【0024】コントローラ9はこれら入力情報に基づ
き、図示しなかったが、周知の演算により以下の変速制
御およびロックアップ制御を行う。先ず変速制御を説明
するにコントローラ9は、センサ10で検出したスロッ
トル開度THと、センサ11で検出した車速Vとから、
現在の運転状態に最適な変速段を、例えば図6に実線
(アップシフト変速線)および破線(ダウンシフト変速
線)で示す変速線図に対応したテーブルデータからルッ
クアップ方式により求め、この最適変速段が選択される
よう、シフトソレノイド6,7をON,OFFさせて所
定の変速を行う。
【0025】次にロックアップ制御を説明するに、この
ロックアップ制御に当たってコントローラ9は、例えば
図6に1点鎖線で示すロックアップ車速線図(L/Uが
ロックアップ領域)に対応したテーブルデータからルッ
クアップ方式により、スロットル開度THと車速Vとを
基にロックアップ領域およびコンバータ領域のいずれの
走行状態であるかを判別し、判別結果に応じてロックア
ップソレノイド8のデューティ制御を介し、トルクコン
バータ3をロックアップさせたり、コンバータ状態にす
る。なお、トルクコンバータ3のロックアップは、ソレ
ノイド8の駆動デューティDを95%にしてこれを達成
し、トルクコンバータ3のコンバータ状態は、ソレノイ
ド8の駆動デューティDを5%にしてこれを達成するも
のとする。
【0026】なお、図6における2点鎖線のうち、3←
4ダウンシフト変速線に係わる2点鎖線は、自動変速機
の過熱状態で自動変速機を4→3ダウンシフト変速し易
くし、これにより自動変速機の発熱量を減じて過熱状態
を解消するための、3←4ダウンシフト変速線の高車速
側への移動位置を例示し、3→4アップシフト変速線に
係わる2点鎖線は、上記のように3←4ダウンシフト変
速線を移動させると、これと、実線で示す3→4アップ
シフト変速線との間隔(ヒステリシス)が小さくなる結
果、3速と4速との間で変速が繰り返される変速制御の
ハンチングを生ずるが、このハンチングを防止するため
の3→4アップシフト変速線の高車速側への移動位置を
例示したものである。
【0027】コントローラ9は更に図3乃至図5の制御
プログラムを、定時割り込みにより実行して、自動変速
機の過熱時において以下の過熱対策制御を行うものとす
る。図3では先ずステップ20において、センサ12で
検出した変速機作動油温Cを読み込み、次の過熱検知手
段に相当するステップ21では、この油温Cが自動変速
機2の過熱状態を表す設定温度Cs以上の高温領域か否
かを判定する。ここで、変速機作動油温Cが設定温度C
s以上であれば、自動変速機2が過熱状態であり、設定
温度Cs未満であれば、自動変速機2が過熱状態でなく
て、正常温度域であることになる。
【0028】変速機作動油温Cが自動変速機2の過熱状
態を表す高温領域である間、図3のステップ22を選択
し、ここで一定時間内におけるエンジンスロットル開度
THの加重平均値αが基準値αS 未満か否かにより、エ
ンジン1が安定負荷状態にある(負荷の変化程度、つま
りアクセルペダル操作量変化が小さい)か否かをチェッ
クする。従って、ステップ22は安定負荷状態検知手段
に相当する。なお、エンジン1が周知の定速走行装置
(ASCD)の作動により運転制御され、車両が一定速
度で走行している間も、これをエンジン1の安定負荷状
態であると見做すものとする。
【0029】ステップ22でエンジン1が安定負荷状態
にある(アクセルペダル操作量変化が小さい)と判別す
る場合、変速判定手段に相当するステップ23で、図6
の2点鎖線により示す高温時3←4ダウンシフト変速線
を適用して前記した変速制御を行うと変速が発生するか
否かを判定し、変速を発生しないと判定する時のみ、ス
テップ24の実行により当該高温時3←4ダウンシフト
変速線に基づき前記の変速制御を行うよう指令する。し
かして変速が発生する場合は、過熱対策制御禁止手段に
相当するステップ25において、高温時3←4ダウンシ
フト変速線への切り換えを禁止するフラグFをONし、
これに基づきステップ26を実行することにより、図6
に破線で示す通常時3←4ダウンシフト変速線に基づき
前記の変速制御を実行するよう指令して、事実上、図6
に破線で示す通常時3←4ダウンシフト変速線から2点
鎖線で示す高温時3←4ダウンシフト変速線への切り換
えを禁止する。
【0030】ステップ21で正常温度域であると判別す
る場合、またはステップ21で自動変速機が過熱状態で
あると判別しても、ステップ22でエンジン1が安定負
荷状態でないと判別する場合、ステップ27において、
図6の破線で示す通常時3←4ダウンシフト変速線を適
用して前記した変速制御を行うと変速が発生するか否か
を判定し、変速を発生しないと判定する時のみ、ステッ
プ26の実行により当該通常時3←4ダウンシフト変速
線に基づき前記の変速制御を行うよう指令する。しかし
て変速が発生する場合は、ステップ28において、通常
時3←4ダウンシフト変速線への切り換えを禁止するフ
ラグNをONし、これに基づきステップ24を実行する
ことにより、図6に2点鎖線で示す高温時3←4ダウン
シフト変速線に基づき前記の変速制御を実行するよう指
令して、事実上、図5に2点鎖線で示す高温時3←4ダ
ウンシフト変速線から破線で示す通常時3←4ダウンシ
フト変速線への切り換えを禁止する。
【0031】図4は、上記の各変速線切り換え禁止フラ
グF,Nをリセット(OFF)するための制御プログラ
ムを示し、ステップ30において変速線切り換え禁止フ
ラグF,Nの何れかがONであると判別する時、ステッ
プ31でスロットル開度THの前回読み込み値TH(O
LD)と今回読み込み値TH(NEW)とが同じ、つま
りアクセルペダル操作量を変化させていないと判別する
限りにおいて、ステップ32〜34をスキップすること
により、3←4ダウンシフト変速線の上記切り換えを図
3の制御にまかせると共に、フラグF,NのON状態を
保って3←4ダウンシフト変速線の上記切り換え禁止を
継続することとする。
【0032】ところで、ステップ31におけるスロット
ル開度THの前回読み込み値TH(OLD)と今回読み
込み値TH(NEW)との比較結果が、TH(NEW)
>TH(OLD)でアクセルペダルの踏み込みを検知す
る時は、ステップ32において、図6に2点鎖線で示す
高温時3←4ダウンシフト変速線に基づき変速制御を実
行するよう指令し、TH(NEW)<TH(OLD)で
アクセルペダルからの足離しを検知する時は、ステップ
33において、図6に破線で示す通常時3←4ダウンシ
フト変速線に基づき変速制御を行うよう指令する。そし
て、これらステップ32または33の実行後、ステップ
34でフラグF,NをOFFし、これにより3←4ダウ
ンシフト変速線の前記切り換え禁止を解除する。
【0033】図5は、図6において3←4ダウンシフト
変速線を上記の制御により破線位置から高車速側へ2点
鎖線位置に移動させた場合、この高温時3←4ダウンシ
フト変速線と、実線で示す3→4アップシフト変速線と
の間のヒステリシスが小さくなる結果、3速と4速との
間で変速が繰り返される変速制御のハンチングを生ずる
が、このハンチングを防止するために3→4アップシフ
ト変速線を高車速側へ、図6の2点鎖線で示す高温時3
→4アップシフト変速線まで移動させるための制御プロ
グラムである。これがため先ずステップ40において、
図6の2点鎖線で示す高温時3←4ダウンシフト変速線
に基づく変速制御を指令中か否かを判別し、当該高温時
3←4ダウンシフト変速線に基づく変速制御が指令され
ている間に、ハンチング検知手段に相当すステップ41
で上記のハンチングが発生するか否かをチェックする。
【0034】ここで、ハンチングの判定に当たっては、
一定時間内における3−4変速の発生回数を計数し、そ
の計数値が設定回数以上である時、これをもってハンチ
ングが発生していると判定したり、上記一定時間中のス
ロットル開度THを積分し、その積分値で上記3−4変
速発生回数の計数値を除算した値が設定値以上である
時、これをもってハンチングが発生していると判定する
ことができる。また上記スロットル開度THの積分に代
えて、一定時間中のスロットル開度THの変化量の絶対
値の合計を用いてもよい。
【0035】ステップ41で、ハンチングが発生してい
ると判別された場合、ステップ42において、図6に実
線で示す通常時3→4アップシフト変速線に代えて、同
図に2点鎖線で示す高温時3→4アップシフト変速線に
基づく変速制御を行うよう指令する。かくして、図6の
高車速側に移動された2点鎖線で示す高温時3←4ダウ
ンシフト変速線に基づく変速制御が指令されていても、
3→4アップシフト変速線が同図に2点鎖線で示すよう
に高車速側に移動されるため、3←4ダウンシフト変速
線および3→4アップシフト変速線間のヒステリシスが
大きくされることとなって、上記変速のハンチングを防
止することができる。
【0036】図3および図4につき上述した本例の制御
によれば、変速機作動油温Cが設定温度Cs以上となっ
て、ステップ21がこのことから自動変速機2の過熱状
態を検知しても、ステップ22でエンジン1が安定負荷
状態であると判別しない限り、ステップ24でのダウン
シフト変速線の切り換えによる自動変速機の過熱対策制
御を行わない。従って、車両を急勾配の長い登坂路で走
行させる場合のように、アクセルペダルを略一定のまま
に踏み込んだ状態で長時間に亘り高負荷運転し続け、ト
ルクコンバータのスリップ量が長時間に亘って大きくさ
れたままに保たれる場合に限り、つまり本当に自動変速
機の過熱が懸念される走行状態でのみ、自動変速機の上
記過熱対策制御が実行されることとなり、自動変速機の
過熱対策制御を有効に機能させることができる。
【0037】そして、エンジン1が安定負荷状態にされ
る以外の通常の走行状態では、たとえ変速機作動油温C
が設定温度Cs以上の高温になることがあっても、一時
的なもので、間もなくのうちに正常温度域に落ち着くた
め、かかる通常の走行状態では、自動変速機の上記過熱
対策制御を行わない。よって通常の走行状態で、不要な
上記の過熱対策制御によるショックが発生して運転性が
悪化するといった従来装置の前記問題を解消することが
できる。
【0038】なお、上記の過熱対策制御を、これによっ
て変速が発生する場合は、ステップ23の判別により禁
止することから、変速によるショックと、過熱対策制御
によるショックとが、合い前後して発生する違和感を回
避することができる。また、上記の過熱対策制御を終了
する場合も同様に、これによって変速が発生する場合
は、ステップ27の判別により過熱対策制御の終了を禁
止することから、変速によるショックと、過熱対策制御
の終了によるショックとが、合い前後して発生する違和
感も回避することができる。
【0039】また、図5につき前述した本例の制御によ
れば、図3のステップ24におけるダウンシフト変速線
の切り換えによる自動変速機の過熱対策制御で、変速の
ハンチングを生ずることとなった場合は、これをステッ
プ41が検知したのに呼応して、ステップ42でアップ
シフト変速線をも高車速側にずらすことから、変速のハ
ンチングを回避することができる。
【0040】なお、上述の例では過熱対策制御として、
自動変速機が低速段を選択し易くなるよう、変速線を高
車速側にずらす制御を例示したが、この代わりに、若し
くはこれと共に、図6に1点鎖線で示すロックアップ車
速線図を低車速側にずらして、トルクコンバータ3をロ
ックアップされ易くなるようにし、その結果トルクコン
バータのスリップに伴う発熱を減じて自動変速機の過熱
対策を図ることもできること、勿論である。
【0041】
【発明の効果】かくして第1発明の過熱対策装置は、請
求項1に記載の如く、自動変速機の作動流体温度が自動
変速機の過熱を表す設定温度以上であることの条件に加
えて、原動機の負荷状態が安定負荷状態であることを条
件とし、両者の条件が揃った時に初めて、自動変速機
を、発熱量が減少する制御状態にする構成としたから、
車両を急勾配の長い登坂路で走行させる場合のように、
アクセルペダルを略一定のままに踏み込んだ状態で長時
間に亘り高負荷運転し続ける場合に限り、つまり本当に
自動変速機の過熱が懸念される走行状態でのみ、自動変
速機の上記過熱対策制御が実行されることとなり、それ
以外の通常の走行状態では、たとえ一時的に作動流体温
度が高温になることがあっても、自動変速機の上記過熱
対策制御が不要に行われることがなく、不要な過熱対策
制御によるショックが発生して運転性が悪化するといっ
た従来装置の前記問題を解消すことができる。
【0042】なお、上記自動変速機の過熱対策制御とし
て、請求項2に記載した第2発明のように、ダウンシフ
ト変速線を高車速側にずらせて自動変速機を低速段に投
入され易くなるようにする制御を採用すれば、一層有用
である。
【0043】この場合、ダウンシフト変速線がアップシ
フト変速線に接近して両者間のヒステリシスが小さくな
る結果、自動変速機の変速制御がハンチングを生じ易く
なるが、第3発明においては請求項3に記載の如く、自
動変速機の変速制御がハンチングを生ずるのを検知する
時、アップシフト変速線も高車速側にずらすよう構成し
たから、上記変速制御のハンチングが生ずる問題を解消
することができる。
【0044】なお、上記自動変速機の過熱対策制御とし
ては、上記第2発明のものに代え、請求項4に記載した
第4発明のように、トルクコンバータのロックアップ線
を低車速側にずらせてトルクコンバータがロックアップ
され易くなるようにしたものも、大いに有用である。
【0045】更に、前記原動機の安定負荷状態は、請求
項5に記載した第5発明のように、原動機の負荷の加重
平均値が設定値よりも小さい時を、原動機の安定負荷状
態であるとするようなものとするのが有用である。
【0046】また第6発明は、請求項6に記載の如く、
前記自動変速機の過熱対策制御を行うと自動変速機の変
速を惹起する時、当該過熱対策制御を禁止するよう構成
したから、変速が発生する場合は当該過熱対策制御が行
われることがなく、過熱対策制御によるショックと変速
によるショックとが近接して発生する違和感をなくすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機の過熱対策装置を示す
概念図である。
【図2】本発明による自動変速機の過熱対策装置の一実
施例を示すシステム図である。
【図3】同例におけるコントローラが実行する、自動変
速機の過熱対策制御を示すフローチャートである。
【図4】同コントローラが行う、過熱対策制御禁止フラ
グの制御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】同コントローラが、過熱対策制御によって生ず
る変速のハンチングを防止するために行うアップシフト
変速線の制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】同例における通常時変速線および過熱時変速線
を、ロックアップ車速線と共に例示する自動変速機の変
速線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 5 コントロールバルブ 6 シフトソレノイド 7 シフトソレノイド 8 ロックアップソレノイド 9 コントローラ 10 スロットル開度センサ 11 車速センサ 12 油温センサ(作動流体温度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過熱検知手段により、自動変速機の作動
    流体温度が自動変速機の過熱を表す設定温度以上である
    ことが検知される間、自動変速機を、発熱量が減少する
    制御状態にする自動変速機の過熱対策装置において、 自動変速機に動力を入力する原動機の負荷状態の変化程
    度が基準よりも少ない原動機の安定負荷状態を検知する
    安定負荷状態検知手段を設け、 該手段により原動機の安定負荷状態が検知される間の
    み、前記過熱検知手段からの信号に応答した前記過熱対
    策装置による自動変速機の過熱対策制御がなされるよう
    構成したことを特徴とする自動変速機の過熱対策装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記自動変速機の過
    熱対策制御が、ダウンシフト変速線を高車速側にずらせ
    て自動変速機を低速段に投入され易くなるようにしたも
    のであることを特徴とする自動変速機の過熱対策装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、自動変速機の変速制
    御がハンチングを生ずるのを検知するハンチング検知手
    段を付加し、該手段により変速制御のハンチングが検知
    される時アップシフト変速線も高車速側にずらして変速
    制御のハンチングを防止するよう構成したことを特徴と
    する自動変速機の過熱対策装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記自動変速機の過
    熱対策制御が、トルクコンバータのロックアップ線を低
    車速側にずらせてトルクコンバータがロックアップされ
    易くなるようにしたものであることを特徴とする自動変
    速機の過熱対策装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記安定負荷状態検知手段は、前記原動機の負荷を
    検知して該負荷の加重平均値が設定値よりも小さい時
    を、原動機の安定負荷状態であるとするものであること
    を特徴とする自動変速機の過熱対策装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、前記自動変速機の過熱対策制御が自動変速機の変速
    を惹起するか否かを判定する変速判定手段と、該手段に
    より変速が発生すると判定される時、前記自動変速機の
    過熱対策制御を禁止する指令を過熱対策装置に発する過
    熱対策制御禁止手段とを付加したことを特徴とする自動
    変速機の過熱対策装置。
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