JP3157485B2 - 無段変速機搭載車の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機搭載車の変速制御装置

Info

Publication number
JP3157485B2
JP3157485B2 JP17379597A JP17379597A JP3157485B2 JP 3157485 B2 JP3157485 B2 JP 3157485B2 JP 17379597 A JP17379597 A JP 17379597A JP 17379597 A JP17379597 A JP 17379597A JP 3157485 B2 JP3157485 B2 JP 3157485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
speed
continuously variable
variable transmission
time constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17379597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1120513A (ja
Inventor
辰夫 落合
博文 岡原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP17379597A priority Critical patent/JP3157485B2/ja
Publication of JPH1120513A publication Critical patent/JPH1120513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3157485B2 publication Critical patent/JP3157485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機搭載車
の変速制御装置、特に、運転者のマニュアル操作で段階
的な変速比の変化を生ずる無段変速機のアップシフト変
速時に、トルクコンバータ内におけるロックアップクラ
ッチの締結容量が不足するのを補償するようにした変速
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機や、トロイダル型
無段変速機に代表される無段変速機は、エンジン要求負
荷および車速などの走行条件から目標変速比を求め、実
変速比がこの目標変速比になるよう変速制御する。従っ
て、運転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン要求
負荷を増すような加速時は、目標変速比が大きくなる
(低速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は
当該大きくされた目標変速比に向けて無段階にダウンシ
フト変速され、逆に運転者がアクセルペダルを戻してエ
ンジン要求負荷を低下させるような低負荷運転時は、目
標変速比が小さくなる(高速側の変速比になる)よう変
更され、無段変速機は当該小さくされた目標変速比に向
けて無段階にアップシフト変速される。
【0003】ところでかかる無段変速機にあっても、運
転者は手動変速機のような変速操作感を望むことがあ
り、この要求に鑑み、無段変速機と雖もこれに段階的な
変速比を設定して、例えば第1速〜第6速のような変速
段を定め、運転者のマニュアル操作でかかる変速段への
変速を行うことができるようにしたマニュアルレンジ
(Mレンジ)付きの無段変速機が提案されている。なお
無段変速機は、上記したようなマニュアルレンジでの手
動変速に限らず、当該マニュアルレンジと自動変速レン
ジ(Dレンジ)との間でレンジ切換えする時にも段階的
な変速比の変化を生ずることがあるし、またマニュアル
レンジ付きでなくても、運転者が自動変速レンジ(Dレ
ンジ)からスポーツ走行レンジ(DS レンジ)に切り換
える時にも段階的な変速比の変化を生ずることがある。
かように、運転者のマニュアル操作で段階的な変速比の
変化を生ずる変速を本明細書においては、マニュアルレ
ンジでの手動変速も含めてスイッチ変速と称することと
する。
【0004】かかるスイッチ変速は、変速の前後におけ
る変速比段差でエンジン回転数の急変を生じさせること
となり、回転イナーシャの変化に伴うトルク、つまりイ
ナーシャトルクが発生する。スイッチ変速が高速側変速
比へのアップシフト変速である場合、上記のイナーシャ
トルクがエンジン出力トルクに加算されて無段変速機に
入力され、この時の大きな入力トルクに耐え得るよう無
段変速機は造る必要がある。そして無段変速機の場合、
スイッチ変速を含めかなり広い範囲の運転領域で、無段
変速機とエンジンとの間におけるトルクコンバータを入
出力要素間がロックアップクラッチにより直結されたロ
ックアップ状態にすることから、該ロックアップクラッ
チの締結容量も当然、本来なら上記の大きな入力トルク
を勘案して決定する必要がある。
【0005】しかして、この条件が満足されるようロッ
クアップクラッチの締結容量を確保しようとすると、当
該ロックアップクラッチが相当な大径になること必至で
あり、トルクコンバータが収納スペース上問題となるほ
ど大型化してしまい、車載時のスペースを考慮するとほ
とんど実現困難である。
【0006】そこで従来、アクセルペダルを踏み込んだ
パワーオン走行中に段階的な変速比の変化を伴ったアッ
プシフト変速が行われる場合、エンジンの出力トルクを
低下させるトルクダウン制御により無段変速機への入力
トルクを減じ、これにより小型のトルクコンバータでも
ロックアップクラッチの締結容量が当該アップシフト変
速時の変速機入力トルクに耐え得るようになした対策が
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のトルクダウンは
点火タイミングの遅延などにより行うが、これが常時可
能である訳ではなく、エンジンの暖機運転中のように冷
却水温が低い間や、断線などのフェール時における対策
がなされている場合、トルクダウンを禁止するのが常套
である。かようにトルクダウンが許可されていない状態
のもとで前記従来技術では当然、上記した所定のトルク
ダウンによる作用効果を奏し得られないこととなり、ロ
ックアップクラッチの締結容量がパワーオン走行中の段
階的な変速比の変化を伴ったアップシフト変速時の変速
機入力トルクに耐えることができなくなる。この場合、
ロックアップクラッチが激しくスリップしてその耐久性
が著しく損われるといった問題を生ずる。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、アップシフ
トスイッチ変速時にトルクダウンが許可されていない時
でも、ロックアップクラッチの締結容量不足が補償され
るような無段変速機の変速速度制御を提案することを目
的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、アップシフ
トスイッチ変速の種類ごとに上記第1発明の作用効果が
適切に達成されるようにすることを目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、エンジンが
低負荷状態であればトルクダウンが許可されていなくて
も、問題となるようなロックアップクラッチの締結容量
不足を生じないことから、エンジンの負荷状態にもとづ
き無駄に、ロックアップクラッチの締結容量不足を補償
するための変速速度制御がなされるのを防止することを
目的とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、走行条件に
応じた最終目標変速比から過渡目標変速比を求める時の
時定数を操作して変速速度の制御を行うようにすること
を目的とする。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、第4発明に
おける時定数の操作を、アップシフト側へのスイッチ変
速の種類ごとに好適なものとして、上記第4発明の作用
効果が当該スイッチ変速の種類ごとに適切に達成される
ようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による無段変速機搭載車の変速制御装置は、
運転者のマニュアル操作で段階的な変速比の変化を生ず
る無段変速機のアップシフト変速時に、前段におけるエ
ンジンの出力トルクを低下させて、これらエンジンおよ
び無段変速機間におけるトルクコンバータのロックアッ
プクラッチ容量不足を補償するようにした無段変速機搭
載車のパワートレーンにおいて、エンジンの出力トルク
を低下させる前記トルクダウンが許可されていない間
は、前記アップシフト変速の変速速度を低下させて前記
ロックアップクラッチ容量不足の補償を行うよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0014】第2発明による無段変速機搭載車の変速制
御装置は、第1発明において、前記アップシフト変速の
種類ごとに前記変速速度の低下度合を定めるよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0015】第3発明による無段変速機搭載車の変速制
御装置は、第1発明または第2発明において、前記エン
ジンの負荷状態が設定値以上である間のみ、前記アップ
シフト変速速度の低下を行わせるよう構成したことを特
徴とするものである。
【0016】第4発明による無段変速機搭載車の変速制
御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
走行条件に応じて定めた最終目標変速比と所定の時定数
とで過渡目標変速比を求め、実変速比がこの過渡目標変
速比に一致するよう変速制御される無段変速機の場合、
前記時定数を操作して前記アップシフト変速速度の低下
を行わせるよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】第5発明による無段変速機搭載車の変速制
御装置は、第4発明において、基本時定数に前記アップ
シフト変速の種類ごとのシフト係数を掛けて前記時定数
を求めるようにすることで前記時定数の操作を行い、前
記アップシフト変速の種類ごとに変速速度の低下度合を
定めるよう構成したことを特徴するものである。
【0018】
【発明の効果】運転者のマニュアル操作で段階的な変速
比の変化を生ずる無段変速機のアップシフト変速時は、
当該変速にともなうエンジン回転数の変化がイナーシャ
トルクを発生させ、その分、変速機入力トルクが大きく
なってトルクコンバータのロックアップクラッチが締結
容量不足となる。かかるロックアップクラッチの締結容
量不足を補償するために通常は、上記の変速時にエンジ
ンの出力トルクを低下させ、これにより当該変速時と雖
も、ロックアップクラッチがスリップすることのないよ
うにし、もってロックアップクラッチの耐久性が低下す
るのを防止する。
【0019】ところでエンジンの出力トルクを低下させ
る上記トルクダウンが許可されていない間、第1発明に
おいては、上記アップシフト変速の変速速度を低下させ
て前記ロックアップクラッチの締結容量不足を補償す
る。よって第1発明においては、上記トルクダウンが禁
止されてこれによるロックアップクラッチの締結容量不
足の補償が叶わない場合、変速速度の低下により当該補
償を可能にすることとなり、この場合も、ロックアップ
クラッチがスリップしてその耐久性が低下されるといっ
た問題を生ずることがない。
【0020】第2発明においては、上記変速速度の低下
の度合を上記アップシフト変速の種類ごとに決定するこ
とから、当該アップシフト変速の種類にかかわらず、上
記第1発明の作用効果を適切に達成することができる。
【0021】第3発明においては、エンジンの負荷状態
が設定値以上である間のみ、上記アップシフト変速速度
の低下を行わせることから、トルクダウンが許可されて
いなくても問題となるようなロックアップクラッチの締
結容量不足を生じないエンジンの低負荷状態で無駄に、
ロックアップクラッチの締結容量不足を補償するための
変速速度低下制御がなされるのを防止することができ
る。
【0022】第4発明において無段変速機は、走行条件
に応じて定めた最終目標変速比と所定の時定数とで過渡
目標変速比を求め、実変速比がこの過渡目標変速比に一
致するよう変速制御される。ここでロックアップクラッ
チの締結容量不足を補償するために変速速度を低下させ
るに際しては、上記所定の時定数を操作して当該アップ
シフト変速速度の低下を行わせる。この場合、最も簡単
な操作で、ロックアップクラッチの締結容量不足を補償
するための変速速度低下制御を実行することができる。
【0023】第5発明においては、基本時定数に前記ア
ップシフト変速の種類ごとのシフト係数を掛けて上記の
時定数を求めることで当該時定数の上記操作を行い、前
記アップシフト変速の種類ごとに変速速度の低下度合を
定めることから、第4発明における時定数の操作を、当
該アップシフト変速の種類ごとに好適なものとして、上
記第4発明の作用効果を当該変速の種類ごとに確実に達
成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる無段変速機搭載車の変速制御装置10を機能別
ブロック図により示すもので、この変速制御装置10
は、図示しなかったが入力側プーリであるプライマリプ
ーリと、出力側プーリであるセカンダリプーリとの間に
Vベルトを掛け渡し、両プーリのV溝幅を変化させてこ
れらプーリに対するVベルトの巻き掛け円弧径を変更す
ることにより変速比を無段階に変化させ得るVベルト式
無段変速機のために構成した変速制御装置とする。
【0025】この変速制御装置10には、上記プライマ
リプーリの回転数Npri を検出するプライマリプーリ回
転センサ11からの信号と、上記セカンダリプーリの回
転数Nsec を検出するセカンダリプーリ回転センサ12
からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ13か
らの信号と、無段変速機の前段におけるエンジンのスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ14
からの信号と、無段変速機の選択レンジ(駐車レンジ
P、後進走行レンジR、前進通常走行レンジD、前進ス
ポーツ走行レンジDS )を検出するインヒビタスイッチ
15からの信号と、無段変速機のマニュアル走行レンジ
Mを検出するMレンジスイッチ16からの信号と、当該
Mレンジでの選択変速段(第1速M1〜第6速M6)を
検出するMレンジ変速段検出センサ18からの信号と、
図示せざるエンジンのトルクダウン許可判定器18から
のトルクダウン許可信号T/Dとを入力する。ここでト
ルクダウン許可信号T/Dは前記したように、段階的な
変速比の変化を伴うスイッチ変速がアップシフト変速で
ある場合において、当該変速時のロックアップクラッチ
容量不足を補償するためのエンジンのトルクダウンが許
可されている時に発せられる信号である。
【0026】本実施の形態においては変速制御装置10
を特に以下の構成とする。目標プライマリ回転数演算部
21は、センサ13および14で検出した車速VSPお
よびスロットル開度TVO、インヒビタスイッチ15お
よびMレンジスイッチ16で検出した選択レンジ位置、
更には、Mレンジ変速団検出センサ17で検出したMレ
ンジ変速段から、図2(a)のDレンジ用の変速線図に
対応した変速マップ、同図(b)のDS レンジ用の変速
線図に対応した変速マップ、および同図(c)のMレン
ジ用の変速線図に対応した変速マップをもとに、目標プ
ライマリ回転数Npri * を検索し、最終目標変速比演算
部22は、上記の目標プライマリ回転数Npri * をセカ
ンダリプーリの回転数Nsec で除算することにより、最
終(定常)目標変速比iP0(=Npri * /Nsec )を算
出する。変速比リミッター23は、上記の最終目標変速
比iP0の上限値および下限値をハードウエア限界値に制
限して過渡目標変速比演算部24に出力するもので、以
下において最終目標変速比iP0と称するは全て、かよう
に制限された後における最終目標変速比を意味するもの
とする。
【0027】実変速比演算部25は、センサ11で検出
したプライマリプーリの回転数Npr i を、センサ12で
検出したセカンダリプーリの回転数Nsec により除算す
ることで、実変速比iP (=Npri /Nsec )を算出
し、目標変速比偏差演算部26は、変速比リミッター2
3からの最終目標変速比i P0と、詳しくは後述するが過
渡目標変速比演算部24で求めた過渡目標変速比i PT
の間における目標変速比偏差eiP(=iP0−iPT)を算
出する。
【0028】時定数演算部27は、センサ13および1
4で検出した車速VSPおよびスロットル開度TVO、
インヒビタスイッチ15からの選択レンジ(駐車レンジ
P、後進走行レンジR、前進通常走行レンジD、前進ス
ポーツ走行レンジDS )に関する信号、Mレンジスイッ
チ16からのマニュアル走行レンジ(M)に関する信
号、Mレンジ変速段検出センサ17からの選択変速段
(第1速M1〜第6速M6)に関する信号、およびトル
クダウン許可判定器18からのトルクダウン許可信号T
/Dと、上記の目標変速比偏差eiPをぞれぞれ入力さ
れ、これら入力情報をもとに、以下のごとくに変速制御
の時定数Tを決定する。ここで時定数Tは、最終目標変
速比iP0に対する過渡目標変速比iPTの応答性を決定し
て変速速度を定めるためのもので、過渡目標変速比演算
部24が最終目標変速比iP0から過渡目標変速比iPT
算出する時に用いるものである。
【0029】時定数演算部27の処理内容を図3のパワ
ーオン走行時におけるフローチャートにより以下に説明
するに、先ずステップ41において、基本時定数T0
スロットル係数K1 、車速係数K2 を検索する。基本時
定数T0 は、図4に対応するマップをもとに上記の目標
変速比偏差eiPから検索し、例えば、最終目標変速比i
P0への変速がリニアに進行するような値を予め求めてマ
ップ化しておくものとする。またスロットル係数K1
よび車速係数K2 はそれぞれ、基本時定数T0 に乗じて
これらスロットル開度TVOおよび車速VSPに応じて
要求される変速速度となるような時定数Tにするための
係数で、スロットル開度TVOおよび車速VSPから検
索により求めるものとする。
【0030】次のステップ42では、インヒビタスイッ
チ15、Mレンジスイッチ16、Mレンジ変速段検出セ
ンサ18からの信号をもとに、運転者のマニュアル操作
で段階的な変速比の変化を生ずるスイッチ変速があった
か否かを、つまり、詳しくは前進通常走行レンジDと前
進スポーツ走行レンジDS との間でのレンジ切換え、ま
たは、前進通常走行レンジDとマニュアルレンジMとの
間でのレンジ切換え、若しくは、マニュアルレンジ(M
レンジ)での手動変速があったか否かを判定する。
【0031】ステップ42において、スイッチ変速では
なく、無段変速であると判定する時は、ステップ43に
おいて時定数TをT=T0 ×K1 ×K2 により求め、こ
の時定数Tで決まる変速速度を、変速ショックなどの要
件が満足される周知の常識的なものとし、ステップ44
でこの時定数Tを出力する。
【0032】ステップ42において、段階的な変速比の
変化を生ずるスイッチ変速であると判定する場合は、ス
テップ45において、当該スイッチ変速が高速側変速比
へのアップシフト変速か否かを判定する。アップシフト
変速でないと判定する時は、つまりダウンシフト変速で
あれば、ステップ46において、図5のマップをもとに
シフト係数K0 にダウンシフト変速用のシフト係数K0D
をセットする。ここでダウンシフト変速用のシフト係数
0Dは、スイッチ変速の種類ごとに、つまり前進通常走
行レンジDと前進スポーツ走行レンジDS との間でのレ
ンジ切換えに伴うD−DS 変速か、前進通常走行レンジ
DとマニュアルレンジMとの間でのレンジ切換えに伴う
D−M変速か、マニュアルレンジMでの手動変速(第1
速および第2速間でのM1−M2変速、第2速および第
3速間でのM2−M3変速、第3速および第4速間での
M3−M4変速、第4速および第5速間でのM4−M5
変速、第5速および第6速間でのM5−M6変速)ごと
に、時定数Tを変速ショックなどの要件が満足された最
適な変速速度となるような値にする、図5のごとき係数
として予め設定する。
【0033】次いでステップ47において、かように定
めたシフト係数K0 をも考慮し、時定数TをT=T0 ×
0 ×K1 ×K2 により求め、ステップ44でこの時定
数Tを出力する。
【0034】ステップ45において、スイッチ変速が高
速側変速比へのアップシフト変速であると判定する場
合、ステップ48において、当該変速時のロックアップ
クラッチ容量不足を補償するための前記したエンジンの
トルクダウンが許可されているか否かを、図1の判定器
18からトルクダウン許可信号T/Dが発せられている
か否かで判定する。トルクダウン許可信号T/Dが発せ
られていれば、また、発せられていなくてもステップ4
9で、エンジン負荷を代表するスロットル開度TVO
が、高速側変速比へのスイッチ変速時にエンジンのトル
クダウンが行われなくても上記ロックアップクラッチ容
量不足を生ずることのない設定スロットル開度TVOS
未満であると判定する時は、ステップ50において、図
5のマップをもとにシフト係数K0 にロックアップクラ
ッチ容量不足補償不要時のアップシフト変速用シフト係
数K0Uをセットする。ここでロックアップクラッチ容量
不足補償不要時のアップシフト変速用シフト係数K
0Uも、スイッチ変速の種類ごとに、つまりD−DS
速、D−M変速、M1−M2変速、M2−M3変速、M
3−M4変速、M4−M5変速、M5−M6変速ごと
に、時定数Tを最適な変速速度となるような値にする図
5のごとき係数として予め設定しておく。
【0035】次いでステップ47において、かように定
めたシフト係数K0 をも考慮し、時定数TをT=T0 ×
0 ×K1 ×K2 により求め、ステップ44でこの時定
数Tを出力する。
【0036】ところで、ステップ48において図1の判
定器18からトルクダウン許可信号T/Dが発せられて
いないと判定し、且つ、ステップ49においてスロット
ル開度TVOが、高速側変速比へのスイッチ変速時にト
ルクダウンが行われないとロックアップクラッチ容量不
足を生ずるような設定スロットル開度TVOS 以上であ
ると判定する時は、ステップ51において、図5のマッ
プをもとにシフト係数K0 にトルクダウン不能時のアッ
プシフト変速用シフト係数K0Fをセットする。ここでト
ルクダウン不能時のアップシフト変速用シフト係数K0F
は、スイッチ変速の種類ごとに、つまりD−DS 変速、
D−M変速、M1−M2変速、M2−M3変速、M3−
M4変速、M4−M5変速、M5−M6変速ごとに、時
定数Tを、ロックアップクラッチ容量の不足を補償し得
るような変速速度の低下を生起させるごとき、図5に例
示した相対的に大きな係数として予め設定する。なお、
上記トルクダウン不能時のアップシフト変速用シフト係
数K0Fを図5では、便宜上スイッチ変速の種類に関係な
く同じ値(4.0)として示したが、これらは上記の要
求に鑑み、スイッチ変速の種類ごとに異なる値になるこ
とが多いのは勿論である。
【0037】次いでステップ47において、かように定
めたシフト係数K0 をも考慮し、時定数TをT=T0 ×
0 ×K1 ×K2 により求め、ステップ44でこの時定
数Tを出力する。
【0038】図1における時定数演算部27が上記のよ
うにして求めた時定数Tは、下限リミッター28および
変化速度上限リミッター29により下限値および変化速
度の上限を制限されて過渡目標変速比演算部24に入力
される。なお、以下において時定数Tと称するは全て、
これら下限リミッター28および変化速度上限リミッタ
ー29により下限値および変化速度の上限を制限された
後の時定数を意味するものとする。過渡目標変速比演算
部24は、前記した変速比リミッター23からの最終目
標変速比iP0と、時定数Tおよびラプラス演算子Sとを
用いて過渡目標変速比iPTを、iPT=〔1/(1+
T)〕iP0なる演算により求め、これをモータ駆動信号
演算部30に出力する。
【0039】モータ駆動信号演算部30は、過渡目標変
速比iPTと実変速比iP との偏差に応じ、実変速比iP
を過渡目標変速比iPTに一致させるためのモータ駆動信
号を演算し、これを無段変速機の変速制御用ステップモ
ータ31に出力する。ステップモータ31は当該駆動信
号に応動して図示せざる変速制御弁をストロークさせ、
これからの変速制御油圧により無段変速機を上記の過渡
目標変速比i PTとなるよう変速させる。
【0040】ところで、図3のステップ45においてス
イッチ変速と判定する時は、ダウンシフト変速ならステ
ップ46、アップシフト変速ならステップ50で設定し
たシフト係数K0 を、ステップ47での時定数Tの演算
に用いて当該時定数Tを、ステップ43で求める無段変
速時の時定数Tよりも大きくしたから、当該スイッチ変
速時は、図1の演算部24で算出する過渡目標変速比i
PTが最終目標変速比iP0に対して、より大きな1次遅れ
を持ったものとなり、無段変速時よりも変速速度を低下
されてスイッチ変速時の変速ショックを軽減することが
できる。
【0041】そして本実施の形態においては特に、図3
のステップ48においてトルクダウン許可信号T/Dが
発せられていないと判定し、且つ、ステップ49におい
てスロットル開度TVOが、高速側変速比へのスイッチ
変速時にエンジンのトルクダウンが行われないとロック
アップクラッチ容量不足を生ずるような設定スロットル
開度TVOS 以上であると判定する時は、ステップ51
において、図5のマップをもとにシフト係数K0 にトル
クダウン不能時の大きなアップシフト変速用シフト係数
0Fをセットし、これをステップ47での時定数Tの演
算に用いて当該時定数Tを、同じアップシフト変速時で
もステップ50,47のループで求める時定数Tよりも
大きくしたから、図1の演算部24で算出する過渡目標
変速比iPTが最終目標変速比iP0に対して更に大きな1
次遅れを持ったものとなり、エンジンのトルクダウン不
能が原因で生ずるロックアップクラッチ容量不足を補償
することができる。
【0042】なお本実施の形態のように、図3のステッ
プ48においてトルクダウン許可信号T/Dが発せられ
ていないと判定した場合でも、ステップ49においてス
ロットル開度TVOが、高速側変速比へのスイッチ変速
時にエンジンのトルクダウンが行われないくても、ロッ
クアップクラッチ容量不足を生ずるようなことのない設
定スロットル開度TVOS 未満であると判定する時は、
ステップ51を選択せず、ステップ50を選択させて、
変速速度を低下させないようにすれば、ロックアップク
ラッチ容量不足の補償が不要であるにもかかわらず変速
速度が大きく低下されて、変速フィーリングが悪化する
といった弊害が生ずるのを防止することができる。
【0043】また上記実施の形態においては、アップシ
フト側スイッチ変速時にトルクダウンが許可されない場
合、過渡目標変速比の算出に当たって用いる時定数Tを
大きくして変速速度を低下させるようにしたが、変速速
度の低下操作はこれに限られるものではなく、他の周知
の様々な方法で変速速度の低下を行うことができること
は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる無段変速機搭載車
の変速制御装置を示す機能別ブロック線図である。
【図2】同無段変速機の目標プライマリプーリ回転数を
示す変速制御パターン図を示し、(a)は、Dレンジ用
の変速パターン図、(b)は、DS レンジ用の変速パタ
ーン図、(c)は、Mレンジ用の変速パターン図であ
る。
【図3】図1における時定数演算部が行うべき時定数演
算作業を示すフローチャートである。
【図4】同時定数演算部が求める基本時定数の変化特性
を示す線図である。
【図5】同時定数演算部が時定数演算処理に際して用い
るシフト係数を、スイッチ変速の種類ごとに示すマップ
図である。
【符号の説明】
10 変速制御装置 11 プライマリプーリ回転センサ 12 セカンダリプーリ回転センサ 13 車速センサ 14 スロットル開度センサ 15 インヒビタスイッチ 16 Mレンジスイッチ 17 Mレンジ変速段検出センサ 18 トルクダウン許可判定器 21 目標プライマリ回転数演算部 22 最終目標変速比演算部 23 変速比リミッター 24 過渡目標変速比演算部 25 実変速比演算部 26 目標変速比偏差演算部 27 時定数演算部 28 時定数下限リミッター 29 時定数変化速度上限リミッター 30 モータ駆動信号演算部 31 変速制御用ステップモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 61/02 F16H 61/02 (56)参考文献 特開 平7−279701(JP,A) 特開 平8−178054(JP,A) 特開 昭64−56240(JP,A) 特開 昭62−166119(JP,A) 特開 昭58−189713(JP,A) 特開 平8−338515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 B60K 41/12 - 41/18 F02D 29/00 F16H 9/00,61/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のマニュアル操作で段階的な変速
    比の変化を生ずる無段変速機のアップシフト変速時に、
    前段におけるエンジンの出力トルクを低下させて、これ
    らエンジンおよび無段変速機間におけるトルクコンバー
    タのロックアップクラッチ容量不足を補償するようにし
    た無段変速機搭載車のパワートレーンにおいて、 エンジンの出力トルクを低下させる前記トルクダウンが
    許可されていない間は、前記アップシフト変速の変速速
    度を低下させて前記ロックアップクラッチ容量不足の補
    償を行うよう構成したことを特徴とする無段変速機搭載
    車の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アップシフト変
    速の種類ごとに前記変速速度の低下度合を定めるよう構
    成したことを特徴とする無段変速機搭載車の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記エンジ
    ンの負荷状態が設定値以上である間のみ、前記アップシ
    フト変速速度の低下を行わせるよう構成したことを特徴
    とする無段変速機搭載車の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、走行条件に応じて定めた最終目標変速比と所定の時
    定数とで過渡目標変速比を求め、実変速比がこの過渡目
    標変速比に一致するよう変速制御される無段変速機の場
    合、 前記時定数を操作して前記アップシフト変速速度の低下
    を行わせるよう構成したことを特徴とする無段変速機搭
    載車の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、基本時定数に前記ア
    ップシフト変速の種類ごとのシフト係数を掛けて前記時
    定数を求めるようにすることで前記時定数の操作を行
    い、前記アップシフト変速の種類ごとに変速速度の低下
    度合を定めるよう構成したことを特徴とする無段変速機
    搭載車の変速制御装置。
JP17379597A 1997-06-30 1997-06-30 無段変速機搭載車の変速制御装置 Expired - Fee Related JP3157485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17379597A JP3157485B2 (ja) 1997-06-30 1997-06-30 無段変速機搭載車の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17379597A JP3157485B2 (ja) 1997-06-30 1997-06-30 無段変速機搭載車の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1120513A JPH1120513A (ja) 1999-01-26
JP3157485B2 true JP3157485B2 (ja) 2001-04-16

Family

ID=15967307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17379597A Expired - Fee Related JP3157485B2 (ja) 1997-06-30 1997-06-30 無段変速機搭載車の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3157485B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004124965A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Jatco Ltd ベルト式無段変速機の制御装置
JP2005188635A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Toyota Motor Corp 無段変速機の制御装置
JP2009228763A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP5405984B2 (ja) * 2009-11-19 2014-02-05 富士重工業株式会社 無段変速機の制御装置
JP5373023B2 (ja) 2011-09-27 2013-12-18 富士重工業株式会社 車両用制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1120513A (ja) 1999-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6181020B1 (en) Integrated driving torque control system for automotive vehicles with continuously variable automatic transmission
US6421596B2 (en) Shift control method for automatic transmission
US7780571B2 (en) Automatic transmission control apparatus
US7900533B2 (en) Control device for automatic transmission
JP3656548B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
US8738253B2 (en) Automatic transmission control apparatus, control method, program for realizing that method, and recording medium on which that program is recorded
JP3800741B2 (ja) 無段変速機の足放しアップシフト変速制御装置
US5157991A (en) Automatic transmission control system for vehicle
JP3797096B2 (ja) 駆動力制御装置
JP3527391B2 (ja) 車両用無段変速機の変速制御方法
JP2001349423A (ja) 機械式自動変速システムのシフト制御方法および制御装置
JPH07239021A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2002243031A (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR100534797B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 변속 제어방법
JP3157485B2 (ja) 無段変速機搭載車の変速制御装置
JP3423840B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP3453242B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3492843B2 (ja) 車両の自動変速装置
JP3317197B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH1113873A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2006022913A (ja) 無段変速機によるエンジンブレーキ制御装置
JPH09195808A (ja) エンジンおよび自動変速機の制御装置
JPH0548395B2 (ja)
KR100384006B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 변속 제어 방법
JP4419967B2 (ja) 無段変速機の足放しアップシフト変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090209

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees