JP3469882B2 - エッチング穿孔性に優れたフラットマスク用高強度合金条 - Google Patents

エッチング穿孔性に優れたフラットマスク用高強度合金条

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスクの
電子線透過部分の形状を完全フラット(ここで完全フラ
ットとは、ブラウン管に組み立てた場合にその前面ガラ
スがフラットな場合を言い、マスクが非常に大きな曲率
半径を持っている場合や、一方向にのみ曲率を持ってい
る場合も含む。)にし、かつ高輝度化で電子線の強度を
高くしたとしても、ドーミングが生じない低熱膨張性を
有する合金に関するもので、その製造工程であるエッチ
ングにおいて、優れたエッチング穿孔性を有する合金に
関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管では、電子銃から打ち
出した電子線をガラスパネルの内側の蛍光体に当てるこ
とで画面を表示する。電子線の方向を磁力により制御す
るのが偏向ヨークで、ガラスパネルの手前には、電子線
を所定の蛍光体に当たるように画素単位に区切る機構が
設けられており、マスクあるいは色選別機構と呼ばれて
いる。カラーブラウン管用のマスクは、マスク素材をド
ット状若しくはスロット状にエッチング加工した後プレ
ス成形するシャドウマスク方式と、すだれ状にエッチン
グ後、枠材に上下に強い引張り力をかけて張り渡して架
張するアパーチャグリル方式に大別される。それぞれの
方式は一長一短があり、どちらの方式も市場で用いられ
ている。
【0003】これまでのブラウン管の画面は、ある曲率
を持った球面構造をしているのが主流であったが、斜め
から見た時の画面の歪みや蛍光燈等の照明の反射が少な
いフラットな画面を持ったブラウン管が要求されるよう
になってきた。このような状況の中、架張のための枠材
(フレーム)が不要であるという大きな利点があるプレ
ス成形型のシャドウマスクにおいては、架張のための枠
材で強度を持たせることができないために、自己保形力
を高めるために高強度化元素を添加して強度を向上させ
ることが行われてきており、曲率半径を非常に大きくし
たフラット管用マスクが実用化されるようになってき
た。
【0004】しかしながら、高強度化元素であるNbを添
加すると、エッチング穿孔時に電子線を透過する孔の形
状が歪になったり、エッチングされた壁面に大きな凹凸
が生じるなどのエッチング不良の発生頻度が高くなる場
合が出てきた。
【0005】シャドウマスクのエッチング穿孔性では、
従来からムラ品位の改善を対象にしたものが見受けられ
る。例えば、特開昭61-190023では、ニッケル−鉄合金
においてその炭素含有量を規定することによって、エッ
チング穿孔性に有害となる炭化物を少なくすることを可
能にするとの提案がある。これは炭化物を少なくすると
エッチング面が滑らかになり、粒界の凹凸がなくなると
いうものである。しかしながら、高強度化元素としてNb
を添加したものでは、エッチング不良の状態はムラ品位
が悪いといったレベルではなく、スポット的なエッチン
グ不良のため、このような炭素等の微細析出物形成元素
を減らしたとしても、エッチング穿孔性の改善の程度は
十分に満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プレス型シャドウマス
クの曲率半径を大きくする、言いかえれば平面にするに
は、材料強度を大きくすることが必要であり、そのため
に、Nbを添加することは必要不可欠と言える。しかしな
がら、Nbを添加していないものよりもエッチング穿孔時
に電子線透過孔がいびつになることが多く、その部分を
調べるとほとんどの不良部分にNbとOとからなるニオブ
酸化物が存在することが判明した。上述したように、高
強度化にはNb添加が欠かせないことから、如何にしてニ
オブ酸化物を無害化するかが、エッチング穿孔性に優れ
たフラットマスク用合金を提供する際の課題になる。
【0007】本発明者は、強度等の特性を損なわずに、
ニオブ酸化物を無害化する方法を鋭意研究した。その
際、0.0020%以下の極酸素含有量にすることでもニオブ
酸化物を無害化できると考えたが、この程度の酸素量で
も大きなニオブ酸化物が残存した。そこで、介在物組成
をニオブ酸化物と他の酸化物との複合介在物とし1個当
たりの介在物の大きさを小さくできないかを検討した。
溶解原料中に不可避的に混入する酸化物形成元素の効果
を調べたところ、複合させる酸化物が、少なくともAl、
Si、のうちの1種以上を含む酸化物の場合に、エッチン
グ穿孔性が優れることを見出した。アルミナとニオブ酸
化物との複合介在物、および、シリカとニオブ酸化物と
の複合酸化物は、いずれもニオブ酸化物単体よりもはる
かに小さく、これによってエッチング穿孔性が改善でき
たと推定している。
【0008】かくして、本発明は、 (1)質量百分率(%)に基づいて、Co:4.0%〜6.0%、Ni+
Co:36.0%〜38.0%、残部Feおよび不可避的不純物からな
るFe-Ni-Co系合金において、さらにNbを0.05%〜0.40%含
み、かつ、不可避的不純物のOが0.0050%以下、エッチン
グ穿孔前の圧延平行断面に存在する長さ10μm以上の介
在物組成が、ニオブ酸化物と、少なくともAl、Si、のう
ちの1種以上を含む酸化物との複合酸化物であることを
特徴とするエッチング穿孔性に優れたフラットマスク用
高強度合金条。 (2)質量百分率(%)に基づいて、Ni:35.0%〜37.0%、
残部Feおよび不可避的不純物からなるFe-Ni系合金にお
いて、さらにNbを0.05%〜0.40%含み、かつ、不可避的不
純物のOが0.0050%以下、エッチング穿孔前の圧延平行断
面に存在する長さ10μm以上の介在物組成が、ニオブ酸
化物と、少なくともAl、Si、のうちの1種以上を含む酸
化物との複合酸化物であることを特徴とするエッチング
穿孔性に優れたフラットマスク用高強度合金条。 (3)Si:0.01%〜0.05%を含む上記(1)または
(2)記載のフラットマスク用高強度合金条。 (4)Al:0.01%〜0.03%を含む上記(1)から(3)記
載ののフラットマスク用高強度合金条。 である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基本は、ニオブ酸化物を
複合酸化物にすることによってエッチング穿孔性を改善
するものである。以下、本発明に関与する介在物組成、
成分元素の限定理由を述べる。
【0010】介在物組成:介在物組成がニオブ酸化物単
体であればエッチング穿孔時に電子線透過孔が歪となる
不良が発生しやすい。これは、ニオブ酸化物が溶解から
凝固直前までに大きく成長しやすいためである。従っ
て、介在物を複合酸化物とし、複合させる酸化物は、少
なくともAl、Siのうちの1種を含む酸化物でなければ効
果が見られなかったことから、介在物組成は、ニオブ酸
化物と、少なくともAl、Si、のうちの1種以上を含む酸
化物との複合酸化物であることとした。Nb:Nbは強度を
向上させる元素として添加される。0.05%未満では、そ
の効果が小さく、0.40%を超えるとニオブ酸化物を形成
しやすく、また、熱膨張係数が急激に大きくなる。従っ
て、Nb含有量は0.05〜0.40%の範囲とする。
【0011】O:Oは、多いと介在物総量が増え、介在物
も大きく成長しやすくなることから、少なければ少ない
程良い。しかしながら、ニオブ酸化物単体の場合は、O
を少なくしても大きな介在物を減らすことにはあまり効
果がない。従って、工業的に低酸素化のコストが増大し
ない酸素量である0.0050%を上限とした。
【0012】Co、Ni:Coは熱膨張係数を低下させると同
時に、耐力の向上にも役割を果たす。Niはマルテンサイ
ト等の有害な組織を発生させないことと低熱膨張を達成
するために必要である。ただし、Coを含有する場合と含
有しない場合とでそれぞれ最適範囲があり、それを外れ
ると熱膨張係数が大きくなる。よって、Coが4.0%〜6.0%
でNi+Coが36.0%〜38.0%、もしくは、Coを新たに添加
しない場合は、Niが35.0%〜37.0%とする。尚、Coに関
しては、請求項2に記載していないが、不可避的に含ま
れる。例えば表1のNo.6〜No.8、No.10等
に示した0.01〜0.02%のCo量の物は、請求項
2の権利範囲に含まれる。
【0013】Al:Alは溶解原料や副原料から不可避
的不純物として入るものと、溶解方法によっては、脱酸
元素として添加される場合がある。Alが0.01%未
満ではニオブ酸化物をアルミナとの複合酸化物とするの
に不足する場合があり、0.03%を超えるとAlが過剰
となってアルミナ単体の介在物が凝集し、冷間圧延ロー
ルを傷つけて最終的には材料表面にその傷が転写される
ことにつながる。従って、Alは好ましくは0.01%
〜0.03%とする。Si:Siは溶解原料や副原料か
ら不可避的不純物として入るものと、溶解方法によって
は、脱酸元素として添加される場合がある。Siが0.
01%未満ではニオブ酸化物をシリカとの複合酸化物と
するのに不足する場合があり、0.05%を超えるとS
iが過剰となってシリカ系の腐食生成物がエッチング穿
孔性を阻害する。従って、Siは好ましくは0.01%
〜005%とする。
【0014】上記で取り上げたもの以外の不可避的不純
物は、溶解原料や副原料および溶解炉材から不可避的不
純物として入るもので、C、S、P、N、Mn、Ti、Mg、Ca、
Cr、Cu等がある。シャドウマスク用として使用する場
合、エッチング性やプレス成形性等を考慮すると、Cは
0.01%以下、Sは0.005%以下、Pは0.005%以下、Nは0.005%
以下、Mnは0.01%〜0.40%、Tiは0.02%以下、Mgは0.005%
以下、Caは0.005%以下、Crは0.10%以下、Cuは0.10%以下
が好ましい。なお、これら不可避的不純物のうち、Sは
粒界または粒内にSまたはS化合物として偏析し、熱間加
工性を劣化させる。Mn含有量が0.10%未満の場合には、S
含有量は0.0015%以下が好ましい。
【0015】次に、製造方法について述べる。本発明合
金の溶解は、真空溶解でも、炉外精錬でも良い。ただ
し、ニオブ酸化物と他の酸化物との平衡を利用して、介
在物を複合化させる必要がある。また、Nbは酸素との親
和力が強いために脱酸で消費されることも考慮しなけれ
ばならない。これらのことから、原料の溶解および精錬
が終了して、所望の合金成分への調整と、SiまたはAlの
所定の成分範囲への調整が終了してからニオブ原料を添
加し、10分から1時間の沈静で介在物を複合化させる。
なお、S含有量を0.0015%以下にする場合は、真空溶解で
は極低S原料を使用する必要が生じることから、炉外精
錬で脱硫を行なうことがコスト的に好ましい。また、Al
で介在物の複合化を行なう場合は、アルミナ単体のクラ
スターが生じやすいため、Ca処理等でクラスター化を防
止することが好ましい。こうして、最終的に合金組成に
調整した後に鋳造するが、鋳造は下注ぎでも上注ぎでも
良い。さらに、このようにして得られた鋳塊を電極とし
て再溶解しても良い。
【0016】得られたインゴットは鍛造後、表面の酸化
スケールを除去し、熱間圧延および冷間圧延し、その後
は光輝焼鈍と冷間圧延とを繰り返し、最後に0.10〜0.30
mmの範囲で所定の厚みにまで最終冷間圧延が施される。
その後、必要に応じて形状矯正や歪み取り焼鈍を行い、
スリットして所定の板巾としてシャドウマスク素材を得
る。シャドウマスク素材は、脱脂後、フォトレジストを
両面に塗布してパターンを焼き付けて現像後、エッチン
グ穿孔加工され、個々に切断されシャドウマスク素材ユ
ニットとなる。シャドウマスク素材ユニットは、非酸化
性雰囲気、例えば還元性雰囲気中で焼鈍(例えば、N2-H
2混合ガス中、750℃〜950℃にて15〜30分間)されてプ
レス成形性を付与される。そして最後に、プレス成形さ
れた完全フラットマスクは、脱脂後、大気またはCO/CO2
ガス雰囲気中で黒化処理を施されて表面に黒色酸化膜を
形成する。
【0017】本発明でいうプレス成形型「完全フラット
マスク」は、例えば、外面曲率半径R:100、000mm以上
そして平面度:画面曲面部の最大高さ/有効画面対角寸
法0.1%以下のほぼ完全に近い平面形態を有するものであ
る。
【0018】
【実施例】表1に実施例および比較例として用いた合金
の組成を示す。
【表1】
【0019】これら組成の合金は、まず、鉄とニッケル
とコバルトとを電気炉で溶解し、LF取鍋でCaOとCaF2
を主成分とするスラグで精錬を行ない、真空脱炭および
脱酸を行なった。今回はAl脱酸またはSi脱酸で行った
が、両者を組み合わせても良い。Nb以外の成分が所定量
になった時点で、ニオブ原料を添加して、所定の組成の
溶湯にし、30分の沈静後に下注ぎで鋳造した。なお、Al
脱酸の場合は沈静直前にニッケルカルシウムを添加し
た。
【0020】得られた鋳塊の不可避的不純物は、Cが0.0
03%から0.007%、Sが0.0005%から0.0025%、Pが0.001%か
ら0.003%、Oは0.002%から0.004%、Nは0.002%から0.004
%、Mnは0.02%から0.3%、Tiは0.002%から0.005%、Mgは0.
002%以下、Caは0.002%以下、Crは0.01%から0.02%、Cuは
0.01%から0.02%であった。次に、鍛造し、酸化スケール
を機械的に除去した後に熱間圧延にて3mm厚にし、酸洗
を行ない冷間圧延前の素条を得た。その後、冷間圧延と
光輝焼鈍を繰り返し、約0.12mm厚の冷間圧延材とし、形
状矯正後にスリットして所定の板幅にすることでシャド
ウマスク素材を得た。
【0021】この素材のエッチング穿孔性は以下のよう
にして調べた。300mm×300mmのシートをアルカリ脱脂
し、スプレー水洗後にネガタイプのレジストを両面塗付
し、プリベークしてから、ピッチが400μmで、片面が10
0μm径、相対する裏面が200μm径のドット状のフォトマ
スクを乗せて露光した。ネガタイプのレジストを使用す
る場合は、露光された部分がその後の現像で溶解し素材
表面が露出する。ポジタイプのレジストを使用する場合
は、光の当たる部分が反対になったフォトマスクを使用
すれば良い。ハードベーク後、30℃の湯のスプレーで現
像し、硬膜後に水洗して、エッチング用シートとした。
次に、70℃、45ボーメの塩化第二鉄水溶液を、0.3MPa圧
力で、両面からエッチングして、貫通孔を形成させた。
エッチング終了後、アルカリ液でレジストを剥離した。
【0022】得られたエッチングマスク100枚を、透過
光および、反射光のもとで10倍の実体顕微鏡で孔形状に
異常のある部分をチェックし、その異常部に介在物が存
在していたマスク枚数で不良率を計算した。一方、素材
の断面50mm2をEPMAで観察し、存在する長さ10μm以上の
介在物の組成を分析した。
【0023】また、本発明は、フラットマスク用の素材
であることから強度と熱膨張係数も測定した。強度は、
シャドウマスクにプレスする前の焼鈍として、還元性雰
囲気中で焼鈍(825℃×15分、水素中)して軟化した後
の強度で評価した。実際には、引張試験を行い、0.2耐
力を測定すると共に、「JIS R 1605」に従う曲げ共振
法により室温でヤング率を測定した。この方法は、自由
な曲げ振動をなし得るように駆動器側および検出器側つ
りさげ糸によりつるした試験片にその上下面に発振器か
らの駆動力を加え、検出器を通して最大の振幅を生じ且
つ振動の節を測定して一次共鳴振動数を決定し、一次共
鳴振動数と試験片の質量および寸法から所定の式に基づ
いて動的弾性率を算出するものである。
【0024】本発明の合金No.1〜No.10は、表2に示す
ように介在物が原因のエッチング不良率が3%以下であ
り、良好なエッチング穿孔性を有している。
【0025】
【表2】 また、0.2%耐力が290MPa以上、ヤング率が135GPa以上を
充分に実現し、フラットマスク用合金として申し分のな
い強度を有していると言える。中でも、請求項3または
請求項4を満たすNo.3〜No.7の不良率は1%以下であり、
特に良好であった。これに対して、請求項1または2で規
定した介在物組成から外れるNo.11〜No.14は、介在物が
原因のエッチング不良が5%以上であった。また、請求項
1または請求項2で規定したNb含有量の範囲を超えるNo.1
5、No.17、は、長さ10μm以上のニオブ酸化物が存在す
るため不良率が5%を超えた。また、酸素が規定量を超え
るNo.16もニオブ酸化物が原因で不良率が9%となった。
なお、請求項1または請求項2で規定したNb含有量の範囲
を下回るNo.18、No.19、は、0.2%耐力が低いか、ヤング
率が低く、フラットマスク用としては不適切であるのは
言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上、Fe-Ni-Co系合金あるいはFe-Ni系
合金に、Nbを適量添加して強度を格段に向上させ、この
介在物組成を制御することで、フラットマスク用高強度
合金のエッチング穿孔性を改善することができた。こう
して、究極は完全フラットに近づくフラット管用に、エ
ッチング時の歩留まり低下を生じることなくマスクに加
工できる、Fe-Ni-Co系あるいはFe-Ni系高強度合金条が
得られた。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量百分率(%)に基づいて(以下、%と表
    記する)、Co:4.0%〜6.0%、Ni+Co:36.0%〜38.0%、残
    部Feおよび不可避的不純物からなるFe-Ni-Co系合金にお
    いて、さらにNbを0.05%〜0.40%含み、かつ、不可避的不
    純物のOが0.0050%以下、エッチング穿孔前の圧延平行断
    面に存在する長さ10μm以上の介在物組成が、ニオブ酸
    化物と、少なくともAl、Si、のうちの1種以上を含む酸
    化物との複合酸化物であることを特徴とするエッチング
    穿孔性に優れたフラットマスク用高強度合金条。
  2. 【請求項2】質量百分率(%)に基づいて、Ni:35.0%〜3
    7.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるFe-Ni系合
    金において、さらにNbを0.05%〜0.40%含み、かつ、不可
    避的不純物のOが0.0050%以下、エッチング穿孔前の圧延
    平行断面に存在する長さ10μm以上の介在物組成が、ニ
    オブ酸化物と、少なくともAl、Si、のうちの1種以上を
    含む酸化物との複合酸化物であることを特徴とするエッ
    チング穿孔性に優れたフラットマスク用高強度合金条。
  3. 【請求項3】Si:0.01%〜0.05%を含む請求項1または請
    求項2に記載のフラットマスク用高強度合金条。
  4. 【請求項4】Al:0.01%〜0.03%を含む請求項1から請求
    項3に記載のフラットマスク用高強度合金条。
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