JPH07268557A - 黒化処理性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金及びその製造方法 - Google Patents
黒化処理性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金及びその製造方法Info
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Abstract
化膜を得ることのできる、高ヤング率かつ低熱膨張のシ
ャドウマスク用Fe-Ni 系合金を提供する。 【構成】 C:0.003 〜0.02wt%、Si:0.01〜2.0 wt
%、Mn:0.01〜3.0 wt%、Cr:1.0 wt%以下、Ni:25〜
45wt%、Nb:0.01〜1.0 wt%、Al:0.005 〜0.5 wt%以
下、N:0.01wt%以下、0:0.0060wt%以下、S:0.01
wt%以下及びP:0.005 wt%以下を、(C+N)≦−0.
008 Nb+0.023 の下に含有し、残部Fe及び不可避的不純
物の組成になり、結晶粒度がASTM No.9 以上としたシャ
ドウマスク用Fe−Ni系合金。
Description
などに用いられるシャドウマスクの材料、特に黒化処理
性に優れたFe−Ni系合金及びその製造方法に関する。
マスクには、低炭素リムド冷延鋼板や低炭素アルミキル
ド冷延鋼板が使用されてきたが、近年、これらの材料に
比べて低熱膨張特性に優れたFe−Ni系アンバー合金の使
用が提案され、現在、工業的規模での採用が増えつつあ
る。
シャドウマスクの開孔を通過する電子ビームは全体の1/
3 以下であり、残りの電子ビームはシャドウマスクに射
突するため、シャドウマスクは80℃もの高温度に加熱さ
れる場合がある。このとき、熱膨張による色純度の低下
が生じるわけであるが、Fe−Ni系アンバー合金を使用す
ると、この熱膨張は軽減される。
酸化し難いため、従来の低炭素系のシャドウマスク材に
比べて、プレス成形性及び黒化処理性に劣るという大き
な問題を抱えていた。このうち、プレス成形性は種々の
方策により、解決がはかられている。
射突する電子を吸収させて散乱電子の発生を抑えること
によって、画面の色純度の低下を防止するために、水蒸
気中または大気中で600 〜1000℃に保持して表面に酸化
膜を形成してシャドウマスクの表面を黒化させる処理に
おいて、その酸化膜の均一性、黒色度および密着性など
を指す。この黒化処理性は、酸化膜の放射率(ε)で評
価され、この放射率(ε)が高いと、シャドウマスクの
熱放散を促進して温度上昇を抑えることができる。一般
に、この放射率εは 0.7以上が適切であると言われてい
る。
ー合金で劣る原因は、Fe-Ni 系アンバー合金中に含まれ
た酸化し難いNiによるものと考えられている。すなわ
ち、このNiがFeの酸化を阻害することによって、黒化処
理性の指標となる放射率(黒色度)が低下するものとさ
れているのである。
Mnの含有量を抑えることが、特開昭63−190147号公報
に、また、結晶方位を制御すること({111 }結晶面の
集合度を20%以上にすること)によって、Fe-Ni 系アン
バー合金の黒化処理性を向上することが、特開平4−34
1543号公報に、それぞれ開示されている。
系アンバー合金によるシャドウマスクも、黒化処理性に
問題点があった。すなわち、シャドウマスクに射突する
電子の反射、散乱が多いと、画面上において色純度が低
下するため、シャドウマスクの表面を黒化させて、散乱
電子の発生を抑えているわけであるが、Fe−Ni系アンバ
ー合金は、従来のリムド鋼やAlキルド鋼に比べて黒化膜
が非常に形成されにくいのである。
の組み立て時やその後に振動により折れたり、またスピ
ーカーからの振動によりマスクが振動しドーミング現象
が生じる等の問題もあり、低熱膨張性に加えて、高強
度、高ヤング率であることも大切であり、例えばNbの含
有によって、Fe−Ni系合金のヤング率を高めることがで
きる。
(輻射率)を上げ、シャドウマスクの熱放射を促進し、
温度上昇を抑えるために施されるものであるが、特にNb
を含有した高ヤング率のFe−Ni系アンバー合金では、Nb
が優先酸化するため黒化による膜(以下、「黒化膜」と
いう)が従来のものより薄く、また高輝度化のため、温
度上昇が予想より高くなり、合金の低熱膨張特性が減殺
されるという不利があった。従って、シャドウマスクに
は、緻密かつ均質で密着性の高い黒化膜を形成すること
が肝要である。
るために、緻密かつ均質で密着性の高い黒化膜を容易に
形成することのできる、シャドウマスク用Fe−Ni系アン
バー合金を提供することにある。本発明の他の目的は、
良好な黒化処理性に加えて、さらに高ヤング率(11000kg
f/mm2 以上), 低耐力 (34kgf/mm2 以下)で低熱膨張を
示すシャドウマスク用Fe−Ni系アンバー合金を提供する
ことにある。
たFe−Ni系アンバー合金の黒化処理性の改善技術の問題
点を克服し、全く異なる見地から、Fe−Ni系アンバー合
金の黒化処理性を改善しようとするものである。すなわ
ち、Fe−Ni系アンバー合金の黒化処理が板材における結
晶粒度によって大きな影響を受けるという新たな知見に
基づいて、結晶粒の微細化を図ることによって、黒化処
理性を向上させる方法を提案する。
ものである。 (1) C:0.003 〜0.02wt%、 Si:0.01〜2.0 wt%、M
n:0.01〜3.0 wt%、 Cr:1.0 wt%以下、Ni:25〜4
5wt%、 Nb:0.01〜1.0 wt%、Al:0.005 〜0.5
wt%、 N:0.01wt%以下、0:0.0060wt%以下、
S:0.01wt%以下および P:0.005 wt%以下を、
(C+N)≦−0.008 Nb+0.023 の下に含有し、残部Fe
および不可避的不純物の組成になり、結晶粒度がASTM N
o.9 以上であることを特徴とする黒化処理性に優れたシ
ャドウマスク用Fe−Ni系合金。 (2) 上記の成分組成の合金に対し、さらに、 V:1.0 wt%以下、 Zr:0.5 wt%以下、Ti:1.0 wt
%以下、 Ta:1.0 wt%以下、Hf:1.0 wt%以下およ
びBe:0.5 wt%以下から選ばれる1種または2種以上の
元素を合計で0.001 〜1.0 wt%の範囲内で含有させ、残
部Feおよび不可避的不純物の組成になり、結晶粒度がAS
TM No.9 以上であることを特徴とする黒化処理性に優れ
たシャドウマスク用Fe−Ni系合金。 (3) 上記の(1) および(2) に記載したシャドウマスク用
Fe−Ni系合金の成分組成は、さらに下記のような範囲内
のものがより好適である。 C:0.003 〜0.010 wt%、Si:0.01〜0.20wt%、Mn:0.
01〜0.50wt%、 Cr:0.3 wt%以下、Ni:30〜40wt
%、 Nb:0.10〜0.70wt%、Al:0.005 〜0.20wt
%、 N:0.005 wt%以下、O:0.005 wt%以下、
S:0.005 wt%以下 (4) 上記(2) に記載の合金において、選択的に添加され
る任意元素( V, Zr, Ti, Ta, HfおよびBe) を2種類以
上組合わせて添加するときの好適な組合わせは、次のも
のが推奨される。 (イ) V−(Zr, Ti, Ta, HfおよびBeのうちの1種または
2種以上) (ロ) Zr−(Ti, Ta, HfおよびBeのうちの1種または2種
以上) (ハ) Ti−(Ta, HfおよびBeのうちの1種または2種以
上) (ニ) Ta−(HfまたはBe) (ホ) Hf−Be
〜(4) になる合金スラブを、1100〜1300℃に加熱後、熱
間圧延を施し、圧下率が40%以上の冷間圧延と露点が−
20℃以下の雰囲気で750 〜1150℃に加熱後空冷する焼鈍
処理とをそれぞれ2回以上行うことにより、結晶粒度を
ASTM No.9 以上に調整することを特徴とする黒化処理生
に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金を製造する方法
である。
て、詳しく述べる。 C:0.003 〜0.02wt% Cは、固溶及び加工硬化による材質の強化に寄与する成
分であり、所定の硬さを確保するには、0.003 wt%以上
を必要とし、一方0.02wt%を超えると、炭化物が多く析
出してエッチング性、プレス成形性及び黒化処理性を悪
化するため、0.003 〜0.02wt%に限定する。好ましく
は、0.003 〜0.010 wt%とする。
で含有させるが、2.0wt%を超える含有は熱間加工性及
び黒化処理性の劣化をまねいて、エッチング穿孔性に悪
影響を及ぼすため、0.01〜2.0 wt%に限定した。好まし
くは、0.01〜0.20wt%とする。
て、脱酸剤として0.01wt%以上は含有させるが、その効
果は3.0 wt%を超えると飽和し、しかも製造時の熱間加
工性が本質的に低くなるため、0.01〜3.0 wt%に限定し
た。好ましくは、0.01〜0.50wt%とする。
成分であり、0.01wt%以上含有させることが好ましい。
しかしながら、その含有量が1.0 wt%を超えると、熱膨
張係数が高くなり0.2 %耐力の低下が限度を超える上、
比較的活性な元素であるため、多量に含まれると、表面
での優先酸化が生じて黒化処理性が劣化するため、1.0
wt%以下とする。好ましくは、0.3 wt%以下とする。
トが生成し、磁性特性、熱膨張及び強度などの諸特性が
損われ、一方45wt%を超えると、靱性が劣化し、また飽
和磁束密度及び電気抵抗が減少し、原価的にも不利にな
るため、25〜45wt%の範囲とした。好ましくは、30〜40
wt%とする。
細化することによって靱性、エッチング性及びプレス成
形性を向上させるともに、黒化処理性をも向上させる成
分であり、少なくとも0.01wt%、より好ましくは0.10wt
%以上の含有が必要である。一方、1.0 wt%を超える
と、靱性、プレス成形性及び黒化処理性が劣化するた
め、上限は1.0 wt%とした。好ましくは、0.10〜0.70wt
%とする。
板表面での優先酸化を生じて黒化処理性を阻害する。さ
らに、Al系酸化物を増加してエッチング性を阻害するた
め、0.5 wt%以下とした。しかし、Alは強力な脱酸成分
であり、後述するOによる悪影響を回避するために有効
な成分であるため、0.005 wt%以上の含有が必要であ
る。好ましくは 0.005〜0.20wt%とする。
易に結合してNbN化合物を形成する。すなわち、合金中
にNが多量に含まれていると、熱間加工時にNbNを析出
し、一度析出したこのNb窒化物は析出温度が高いため
に、その後の工程では消失させることが難しくなる。し
かも、このNb窒化物が多く析出すると、エッチング性、
プレス成形性及び黒化処理性を阻害するため、0.01wt%
以下に抑制する。好ましくは 0.005wt%以下とする。
の含有量を、次式 (C+N)≦−0.008 Nb+0.023 を満足する範囲に、さらに規制する必要がある。すなわ
ち、Nbの含有量に応じてC及びNの含有量を調整し、エ
ッチング性に悪影響を及ぼす炭窒化物の生成を制御する
ことが肝要である。
穿孔不良が生じる上、黒化処理性を劣化するため、0.00
60wt%以下、好ましくは、0.0050wt%以下とする。より
好ましくは0.0030wt%以下に抑制する。 S:0.01wt%以下 Sは、0.01wt%を超えると熱間加工性が阻害されるた
め、0.01wt%以下に抑制した。好ましくは、0.005 wt%
以下とする。 P:0.005 wt%以下 Pは、過剰に含有されると、エッチングむらと穿孔不良
の原因となるため、0.005 wt%以下に抑制した。
発明では、結晶粒度をASTM No.9 以上とする必要があ
る。本発明者らの研究によると、黒化処理した材料の放
射率は、その材料の結晶粒度に大きく依存し、とくに結
晶粒が小さく(結晶粒度が大きい)なるにつれて、その
材料の黒化処理後の放射率が高くなることが判った。す
なわち、優れた黒化処理性、具体的には0.70以上の放射
率を得るには、結晶粒度をASTM No. 9 以上に調整する
ことが必要である。
V:1.0 wt%以下、Zr:0.5 wt%以下、Ti:1.0 wt%以
下、Ta:1.0 wt%以下、Hf:1.0 wt%以下及びBe:0.5
wt%以下から選ばれる1種または2種以上を合計で0.00
1 〜1.0 wt%の範囲にて含有させることが可能である。
すなわち、V、Zr、Ti、Ta、Hf及びBeは、いずれもヤン
グ率を増大させ、また結晶粒を著しく微細化する作用、
すなわちNbと同様の作用効果を有し、しかもその作用効
果は、各々上記した上限の下に、これらの1種または2
種以上を合計で0.001 〜1.0 wt%の範囲で含有すること
によって発揮される。その他、これらの元素は、プレス
成形性と黒化処理性とを一層向上させる上でも有効であ
る。
て、詳述する。まず、上記した成分組成に成る合金から
溶製したスラブを、1100〜1300℃に加熱後、熱間圧延を
施し、表面および内部がともに良好な品質の熱延板とす
る。加熱温度が1100℃未満では、耳割れが生じて歩留り
が低下し、一方1300℃を超えると、表面酸化による面割
れが発生し、良好な表面性状が得られない。
露点が−20℃以下、より好ましくは−30℃以下の雰囲気
で750 〜1150℃に加熱後空冷する焼鈍処理とをそれぞれ
2回以上行うことによって、結晶粒度をASTM No.9 以上
の整った微細粒に調整する。この結晶粒の微細化によっ
て、製品の靱性及び強度を向上するとともに、優れた黒
化処理性、すなわち0.7 以上の放射率が得られる。な
お、これらの処理は、冷間圧延、焼鈍処理、冷間圧延、
焼鈍処理と交互に行う。それは、冷間圧延によって焼鈍
処理時に再結晶を起こさせるためである。また、最初の
冷間圧延の前に、 900〜1200℃の熱処理を施すこともで
きる。この熱処理は、熱延板の結晶粒度を調整し、その
後の圧延、焼鈍処理での結晶粒微細化を効果的に行うた
めのものである。
と焼鈍処理が1回だと、所定の結晶粒度が確保されずに
優れた黒化処理性を得ることができない。さらに、焼鈍
温度が750 ℃未満では十分な再結晶が行われず、一方11
50℃を超えると所定の結晶粒度が得られない。また、焼
鈍処理の加熱雰囲気における露点を−20℃以下としたの
は、Nbの酸化を含め、表面酸化を防止するためである。
また、本発明にあっては、冷間圧延と焼鈍処理をそれぞ
れ2回以上行ったのちに、ダル圧延, 歪取り焼鈍を行っ
てもよい。ダル圧延, 歪取り焼鈍は、結晶粒度に大きな
影響を与えないからである。
導炉で溶製してインゴットを作製し、このインゴットに
1100〜1200℃の熱間鍛造加工を施したのち、圧下率が70
%の冷間圧延と、露点が−40℃の雰囲気で950 ℃に加熱
後に空冷する焼鈍処理とをそれぞれ2回繰り返した。
性、エッチング性、熱間加工性及び黒化処理性について
調査した結果を、表3に示す。なお、この実施例におい
て、プレス成形性については、特には試験しなかった
が、この特性については、11000 kgf/mm2 以上に高める
こと、および耐力を34kgf/mm2 以下とすることで良好に
することが可能となるので省略した。
は、常温から300 ℃までの範囲で測定し、その30〜100
℃の平均値を求めて示し、0.2 %耐力はJIS 引張試験に
よって測定し、ヤング率は一端固定撓曲法にて測定し
た。
を用いてフォトエッチングを行い、エッチングされたリ
ンクの断面を走査顕微鏡の2次電子像で観察し、断面が
明確な場合を良好(○)、断面が乱れている場合は不良
(×)として、表中に示した。なお、Nbの化合物がある
場合はエッチングされたリンクが真円にならず、かつリ
ンクのエッチング断面に残留するため、エッチング性が
悪く、これ以外はエッチング性は良好になる。
長さ65mmの試験片を作製し、1100℃で引張り試験を行
い、その断面の絞り値で評価した。その基準は90%と
し、絞り値が90%以上であれば熱間加工性は良好と言え
る。
で700 ℃10分間の黒化処理を施した製品の室温放射率に
て評価した。また、表4には、本発明合金組織材料につ
いて種々の結晶粒度に調整した製品における、上記室温
放射率を示す。
金は、必要十分なヤング率(11000kgf/mm2 以上) 及び熱
膨張係数が得られ、また耐力は34kgf/mm2 以下であり、
さらにエッチング性、熱間加工性、そして黒化処理性に
優れるものであった。また、表4から明らかなように、
優れた黒化処理性を維持するには、結晶粒度をASTM No.
9以上にすることが必要である。
が低くて防振性に劣り、同No.18 はNb化合物に関して、
(C+N)>−0.008 Nb+0.023 となるため、エッチン
グ性が劣化する。比較合金No.19 及び20は、Nbが1.0 wt
%を超えるため耐力が高く、黒化処理性が阻害される。
さらに、このNo.19 は、Nb化合物に関して、(C+N)
>−0.008 Nb+0.023 となるため、プレス成形性及びエ
ッチング性が悪化する。同様に、比較合金No.21 もNb化
合物を形成するため、エッチング性が悪化する。比較合
金No.22 は、Alが適正な範囲を超えるため、エッチング
性, 黒化処理性が悪化する。比較合金No.23 は、Nの含
有量が高いためNb窒化物を形成しやすく、それ故に、エ
ッチング性と黒化処理性が悪くなる。比較合金No.24
は、Alが適正な範囲を超えるため、黒化処理性, エッチ
ング性が阻害される。比較合金No.25 は、Tiが1.0 wt%
を超えるため熱膨張係数が高く、また耐力が高くて黒化
処理性及びプレス成形性が阻害され、またTiの化合物を
形成するためエッチング性も悪くなる。比較合金No.26
は、Zrが0.5 wt%を超えるため耐力が高くてプレス成形
性が阻害され、またZrの化合物を形成するため黒化処理
性及びエッチング性も悪くなる。比較合金No.27 は、Be
が0.5 wt%を超えるため耐力が高くてプレス成形性が阻
害され、またBeの化合物を形成するため黒化処理性及び
エッチング性も悪くなる。比較合金No.28 は、Al及びV
の含有量が適正量を超えて、その化合物を形成するた
め、黒化処理性及びエッチング性も悪くなる。比較合金
No.29 は、Ta及びHfの含有量が1.0 wt%を超えるため耐
力が高くてプレス成形性が阻害され、またTa及びHfの化
合物を形成するため黒化処理性及びエッチング性も悪く
なる。比較合金No.30 は、V及びBeの含有量が 1.0wt%
を超えるため、耐力が高く、エッチング性, 黒化処理性
が悪くなる。比較合金No.31 は、Crの含有量が1.0 wt%
を超えるため、熱膨張が高くなって、黒化処理性も悪く
なる。
確かめるために試験したので、その結果を示す。この試
験は、表1に示す本発明合金No.1〜5 について、冷間圧
延と焼鈍処理を本発明に適合するもの (本発明法No.1〜
5)と、適合しないもの (比較法No.6〜11) とを比較した
ものである。その結果を表5に示すが、本発明の有効性
が黒化処理性と結晶粒度No. とによく表れていることが
判る。
密かつ均質で密着性のない黒化膜を形成させるのに有効
で、しかも、たとえ従来の黒化処理法を適用しても、前
記黒化処理特性の劣化がなく、そして、低熱膨張でヤン
グ率の高い、シャドウマスク材として最適なFe−Ni系合
金を提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】C:0.003 〜0.02wt%、 Si:0.01〜2.0
wt%、 Mn:0.01〜3.0 wt%、 Cr:1.0 wt%以下、 Ni:25〜45wt%、 Nb:0.01〜1.0 wt%、 Al:0.005 〜0.5 wt%、 N:0.01wt%以下、 0:0.0060wt%以下、 S:0.01wt%以下および
P:0.005 wt%以下を、(C+N)≦−0.008 Nb+0.02
3 の下に含有し、残部Fe及び不可避的不純物の組成にな
り、結晶粒度がASTM No.9 以上であることを特徴とする
黒化処理性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金。 - 【請求項2】請求項1に記載の成分に、さらに V:1.0 wt%以下、 Zr:0.5 wt%以下、 Ti:1.0 wt%以下、 Ta:1.0 wt%以下、 Hf:1.0 wt%以下およびBe:0.5 wt%以下から選ばれる
1種または2種以上の元素を合計で0.001 〜1.0 wt%の
範囲で含有させたことを特徴とする黒化処理性に優れた
シャドウマスク用Fe−Ni系合金。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の成分組成になる
スラブを1100〜1300℃に加熱後、熱間圧延を施し、圧下
率が40%以上の冷間圧延と露点が−20℃以下の雰囲気で
750〜1150℃に加熱後空冷する焼鈍処理とをそれぞれ2
回以上行うことにより、結晶粒度をASTM No.9 以上に調
整することを特徴とする黒化処理性に優れたシャドウマ
スク用Fe−Ni系合金の製造方法。
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---|---|---|---|
JP5899594A JP2781336B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 黒化処理性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系合金及びその製造方法 |
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JPH07268557A true JPH07268557A (ja) | 1995-10-17 |
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JP (1) | JP2781336B2 (ja) |
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1994
- 1994-03-29 JP JP5899594A patent/JP2781336B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100375191B1 (ko) * | 1999-11-09 | 2003-03-08 | 닛코 킨조쿠 가부시키가이샤 | 세미텐션마스크용 Fe-Ni계 합금 및 합금판재와 이를 이용한 세미텐션마스크 및 컬러브라운관 |
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