JP3468331B2 - 建設機械の干渉防止装置 - Google Patents

建設機械の干渉防止装置

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JP3468331B2
JP3468331B2 JP06468796A JP6468796A JP3468331B2 JP 3468331 B2 JP3468331 B2 JP 3468331B2 JP 06468796 A JP06468796 A JP 06468796A JP 6468796 A JP6468796 A JP 6468796A JP 3468331 B2 JP3468331 B2 JP 3468331B2
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/2025Particular purposes of control systems not otherwise provided for
    • E02F9/2033Limiting the movement of frames or implements, e.g. to avoid collision between implements and the cabin

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多関節型のフロント
装置を備えた建設機械の干渉防止装置に係わり、特に、
アーム、ブーム、バケット、オフセット等のフロント装
置を備えた油圧ショベルにおいて、フロント装置とキャ
ブ(運転室)等の干渉を防止する干渉防止装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルではオペレータがブームな
どのフロント部材をそれぞれの手動操作レバーによって
操作しているが、掘削範囲を広くとるためオフセットを
備えたフロント装置では姿勢によってはフロント装置が
キャブに干渉する恐れがある。
【0003】そこで、このような干渉を防止するための
干渉防止装置が特開平3−217523号公報や、特公
平6−104985号公報に記載されている。
【0004】特開平3−217523号公報の提案によ
れば、フロント装置の先端が、キャブの前面側、上方側
および側面側に設定された面よりもキャブ側に移動した
ときに、フロント装置の作動を停止することにより、フ
ロント装置とキャブの干渉が防止できる。
【0005】また、特公平6−104985号公報の提
案によれば、フロント装置の先端が、キャブの前面側、
上方側および側面側に設定された面よりもキャブ側に移
動したときに、フロント装置がキャブから離れるように
(戻るように)アクチュエータを制御することにより、
フロント装置とキャブの干渉が防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。特開平3−2175
23公報に記載の従来技術では、干渉防止のための設定
面内ですべてのアクチュエータが停止してしまうため
に、キャブの付近では連続した掘削動作ができず、作業
能率が著しく低下してしまう。
【0007】また、特公平6−104985号公報に記
載の従来技術では、フロント装置が設定面に到達したこ
とを検出し、戻るように制御するフィードバック制御で
あるため、フロント装置が設定面内にある程度侵入する
ことは避けられない。このため、その侵入量を見込んで
設定面をキャブから大きく離して設定する必要があり、
作業範囲が狭くなる。また、フロント装置が設定面の外
に戻った後、再びキャブ方向に移動するというような動
作が繰り返され、フロント装置の動きがぎくしゃくす
る。
【0008】また、上記従来技術では、フロント装置の
動作特性に影響を与える状態量の変化、例えば、油圧回
路の油温の変化を考慮することなく、フロント装置の動
作制御を行っている。このため、上記状態量の変化によ
り、フロント装置の動作停止指令に対してフロント装置
の実際の動作停止に遅れが生じ、停止位置を超えて干渉
防止領域内にフロント装置が侵入してしまう可能性があ
る。
【0009】本発明の第1の目的は、フロント装置と
転室又は運転室以外の車体部分との干渉を防止しながら
フロント装置を連続的に動かすことができるとともに、
広い作業範囲を確保できる建設機械の干渉防止装置を提
供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、フロント装置の動
作特性に影響を与える状態量が変化しても、フロント装
置の干渉領域内への侵入を確実に回避可能な建設機械の
干渉防止装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1及び第2
の目的を達成するために、本発明は、上下・左右方向に
回動可能な第1及び第2フロント部材を含む複数のフロ
ント部材により構成されるフロント装置と、前記複数の
フロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータと、
前記複数のフロント部材の動作を指示する複数の操作手
段と、これら複数の操作手段のそれぞれの操作信号に応
じて対応する油圧アクチュエータに供給される圧油の流
量を制御する複数の流量制御弁とを有する建設機械に備
えられ、前記フロント装置の位置と姿勢を計算し、この
位置と姿勢に基づき前記フロント装置が運転室又は運転
室以外の車体部分の周囲に予め設定された干渉防止領域
に侵入しないよう制御する干渉防止装置において、
(a)前記フロント装置の位置と姿勢に基づきフロント
装置から前記干渉防止領域までの距離を計算し、その距
離が予め設定した制御開始距離以下になると、前記第1
フロント部材を減速するよう前記第1フロント部材の操
作手段の操作信号を補正し、かつこの補正された操作信
号の指令値と前記フロント装置から干渉防止領域までの
距離に応じて前記第2フロント部材を干渉回避方向に増
速するよう前記第2フロント部材の操作手段の操作信号
を補正する第1補正手段と、(b)前記フロント装置の
動作特性に影響を与える状態量を検出する検出手段と、
(c)この検出手段で検出された状態量に応じて当該状
態量の変化による前記フロント装置の干渉防止領域への
侵入を回避するよう前記第1補正手段の制御開始距離を
補正する第2補正手段とを備えるものとする。
【0012】以上のように第1補正手段を設け、フロン
ト装置から干渉防止領域までの距離が予め設定した制御
開始距離よりも小さくなると、第1フロント部材を減速
するよう第1フロント部材の操作手段の操作信号を補正
し、かつこの補正された操作信号の指令値とフロント装
置から干渉防止領域までの距離に応じて第2フロント部
材を干渉回避方向に増速するよう第2フロント部材の操
作手段の操作信号を補正することにより、フロント装置
は干渉防止領域に近づくと徐々に減速しながら、干渉防
止領域の境界付近に沿って動くようになり、フロント装
置と運転室又は運転室以外の車体部分との干渉を防止し
ながらフロント装置を連続的に動かすことができる。
【0013】また、補正された操作信号の指令値とフロ
ント装置から干渉防止領域までの距離に応じて第2フロ
ント部材を干渉防止領域の干渉回避方向に増速させるこ
とにより、第1フロント部材の動作からフロント装置の
動きを予測しフロント装置が干渉防止領域に侵入する前
に干渉回避動作をさせるという予測制御での干渉回避動
作が可能となり、これにより干渉防止領域への侵入量を
0又は最小にできるので干渉防止領域を狭くでき、広い
作業範囲を確保できる。
【0014】また、油圧ショベル等の油圧建設機械にあ
っては、油温等の状態量が変化するとフロント装置の動
作特性が変化し、上記減速・干渉回避動作時にフロント
装置が減速又は停止、あるいは増速し難くなり、干渉防
止領域に入り込む可能性がある。
【0015】本発明では、上記のようにフロント装置の
動作特性に影響を与える状態量を検出し、第2補正手段
によりその状態量に応じて、状態量の変化によるフロン
ト装置の干渉防止領域への侵入を回避するよう第1補正
手段の制御開始距離を補正する。これにより油温等の状
態量が変化しても、フロント装置の干渉領域内への侵入
を確実に回避できる。
【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記第2補正手段は前記状態量に応じて前記制御開始距
離の補正値を計算する手段と、前記第1補正手段で計算
されたフロント装置から干渉防止領域までの距離から前
記補正値を減算する手段とを有する。
【0017】(3)また、上記(1)において、例え
ば、前記状態量は油温であり、前記第2補正手段は前記
油温が低くなるに従って前記第1補正手段の制御開始距
離が長くなるよう補正する。
【0018】(4)また、上記(1)において、例え
ば、前記状態量は前記油圧ポンプを駆動する原動機の回
転数であり、前記第2補正手段は前記回転数が高くなる
に従って前記第1補正手段の制御開始距離が長くなるよ
う補正する。
【0019】(5)更に、上記(1)において、例え
ば、前記状態量は前記第1フロント部材の油圧アクチュ
エータの負荷圧力であり、前記第2補正手段は前記負荷
圧力が高くなるに従って前記第1補正手段の制御開始距
離が長くなるよう補正する。
【0020】(6)また、上記(1)において、好まし
くは、前記第1補正手段は、(a1)前記フロント装置
から干渉防止領域までの距離が前記制御開始距離よりも
大きいときは最大値を保ち、当該距離が制御開始距離以
下になると、距離が小さくなるに従って小さくなり、距
離が負のある値以下になると0となる前記第1フロント
部材の操作信号の第1制限値を計算する第1演算手段
と、(a2)前記フロント装置から干渉防止領域までの
距離が前記制御開始距離よりも大きいときは最大値を保
ち、当該距離が制御開始距離以下になると、距離が小さ
くなるに従って小さくなり、距離が0になると0にな
り、距離が負の値になるとその負の値に応じて小さくな
る前記第2フロント部材の操作信号の第2制限値を計算
する第2演算手段と、(a3)前記フロント装置から干
渉防止領域までの距離が前記制御開始距離よりも大きい
ときは0を保ち、当該距離が制御開始距離以下になる
と、距離が小さくなるに従って大きくなり、距離が0以
下になると最大値になる前記第2フロント部材の増速の
制御ゲインを計算する第3演算手段と、(a4)前記第
1制限値を越えないよう前記第1フロント部材の操作手
段の操作信号を補正する第1信号補正手段と、(a5)
この第1信号補正手段で補正された補正操作信号と前記
第3演算手段で計算された制御ゲインとに基づき、前記
第2フロント部材の前記干渉防止領域に対する干渉回避
方向の増速指令値を計算する第4演算手段と、(a6)
前記第2演算手段で計算された第2制限値と前記第4演
算手段で計算された干渉回避方向の増速指令値とを用い
て前記第2フロント部材の操作手段の操作信号を補正す
る第2信号補正手段とを有する。
【0021】第1演算手段で上記のように距離が負のあ
る値以下になると0となるよう第1制限値を計算し、第
1信号補正手段でこの第1制限値を越えないよう第1フ
ロント部材の操作手段の操作信号を補正することによ
り、フロント装置が干渉防止領域に到達しても第1フロ
ント部材を停止させずに第1フロント部材を減速するよ
うになり、これによりフロント装置を干渉防止領域の境
界に最も接近させた状態で上記減速・干渉回避動作が行
える。
【0022】第2演算手段で上記のように距離が負の値
になるとその負の値に応じて小さくなるよう第2制限値
を計算し、第2信号補正手段でこの第2制限値を用いて
第2フロント部材の操作手段の操作信号を補正するする
ことにより、第2フロント部材を操作したときに、フロ
ント装置が干渉防止領域に近づくにつれて第2フロント
部材が徐々に減速され、干渉防止領域の境界で停止する
とともに、万が一フロント装置が干渉防止領域に侵入し
た場合には、第2フロント部材が戻るよう制御され、フ
ロント装置を干渉防止領域より退避させるので、安全に
第2フロント部材の操作ができる。
【0023】第4演算手段で、第1信号補正手段で補正
された補正操作信号と第3演算手段で計算された制御ゲ
インとに基づき、第2フロント部材の干渉回避方向の増
速指令値を計算し、第2信号補正手段でこの増速指令値
とを用いて第2フロント部材の操作手段の操作信号を補
正することにより、フロント装置が干渉防止領域に侵入
しないよう第1フロント部材の動作に応じて第2フロン
ト部材が干渉回避方向に増速するようになる。
【0024】(7)上記(6)において、好ましくは、
前記第4演算手段は、前記第1信号補正手段で補正され
た補正操作信号と前記第3演算手段で計算された制御ゲ
インとを乗算する手段であり、この乗算値を前記干渉回
避方向の増速指令値とする(8)また、上記(6)にお
いて、好ましくは、前記第2信号補正手段は、前記第2
制限値から前記干渉回避方向の増速指令値を減算し、そ
の減算した値を越えないよう前記第2フロント部材の操
作手段の操作信号を補正する。
【0025】(9)更に、上記(6)において、例え
ば、前記複数の操作手段は前記操作信号として電気信号
を出力する電気レバー方式であり、前記第1信号補正手
段は、前記第1フロント部材の操作手段の操作信号と前
記第1制限値の小さい方を選択し、その選択した値を指
令信号として前記第1フロント部材の流量制御弁に出力
し、前記第2信号補正手段は前記第2フロント部材の操
作手段の操作信号と前記干渉回避方向の増速指令値との
小さい方を選択し、その選択した値を指令信号として前
記第2フロント部材の流量制御弁に出力する。
【0026】(10)上記(9)において、好ましく
は、前記第4演算手段は前記第1フロント部材の流量制
御弁に出力される指令信号を前記補正操作信号として用
い、前記干渉回避方向の増速指令値を計算する。
【0027】(11)また、上記(6)において、前記
複数の操作手段は前記操作信号としてパイロット圧を出
力する油圧パイロット方式であってもよく、この場合、
前記第1信号補正手段は、前記第1フロント部材の操作
手段のパイロット圧を第1フロント部材の流量制御弁に
導く経路に配置され、前記第1制限値に応じて前記パイ
ロット圧を減圧する比例電磁減圧弁を含み、前記第2信
号補正手段は、前記干渉回避方向の増速指令値に応じた
パイロット圧を出力する比例電磁減圧弁と、前記第2フ
ロント部材の操作手段のパイロット圧を第2フロント部
材の流量制御弁に導く経路に配置され、前記比例電磁減
圧弁のパイロット圧と前記第2フロント部材の操作手段
のパイロット圧の高い方を選択するシャトル弁とを含
む。
【0028】(12)上記(11)において、好ましく
は、前記第1フロント部材の操作手段のパイロット圧を
検出する手段を更に備え、前記第4演算手段は、前記パ
イロット圧の検出値と前記第1制限値の小さい方を選択
し、この選択した値を前記補正操作信号として用い前記
干渉回避方向の増速指令値を計算する。
【0029】(13)また、上記(1)〜(12)にお
いて、例えば、前記第1フロント部材が油圧ショベルの
ブームであり、前記第2フロント部材が油圧ショベルの
アームであり、前記信号補正手段が補正する第1フロン
ト部材の操作信号は前記ブームの上げ方向の操作信号で
あり、前記第2フロント部材の操作信号は前記アームの
ダンプ方向の操作信号である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図1〜図7により説明する。図1において、本発明が適
用される油圧ショベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポ
ンプ2からの圧油により駆動されるブームシリンダ3
a、アームシリンンダ3b、バケットシリンダ3c、オ
フセットシリンダ3d、旋回モータ3e及び左右の走行
モータ3f、3gを含む複数のアクチュエータと、これ
ら油圧アクチュエータ3a〜3gのそれぞれに対応して
設けられた操作レバー装置4a〜4gと、油圧ポンプ2
と複数の油圧アクチュエータ3a〜3g間に接続され、
操作レバー装置4a〜4gの操作信号によって制御さ
れ、油圧アクチュエータ3a〜3gに供給される圧油の
流量を制御する複数の流量制御弁5a〜5gとを有する
油圧駆動装置を備えている。
【0031】また、油圧ショベルは、図2及び図3に示
すように、垂直方向にそれぞれ回動するブーム1a、ア
ーム1b、バケット1c及びオフセット1dからなる多
関節型のフロント装置1Aと、上部旋回体1e及び下部
走行体1fからなる車体1Bとで構成され、フロント装
置1Aのブーム1aの基端は上部旋回体1eの前部に支
持されている。ブーム1a、アーム1b、バケット1
c、オフセット1d、上部旋回体1e及び下部走行体1
fはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、オフセットシリンダ3d、
旋回モータ3e及び左右の走行モータ3f、3gにより
それぞれ駆動され、それらの動作は上記操作レバー装置
4a〜4gにより指示される。
【0032】また、上部旋回体1eは作業者が操作する
運転席としてキャブ3hを有している。
【0033】図1に戻り、操作レバー装置4a〜4gは
操作量により対応する流量制御弁5a〜5gを駆動する
電気レバー方式であり、それぞれがオペレータにより操
作される操作レバー4a〜4gの操作量と操作方向に応
じた電流を、対応する流量制御弁の電磁駆動部20a〜
26bに供給する。
【0034】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる干渉防止装置が設けられている。この干渉防止装置
は、ブーム1a、アーム1b、オフセット1dのそれぞ
れの回動支点に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿
勢に関する状態量としてそれぞれの回動角を検出する角
度検出器6a、6b、6cと、角度検出器6a、6b、
6c及び操作レバー装置4a〜4gの信号を入力し、干
渉防止制御を行うための電気信号を出力する制御ユニッ
ト7とで構成されている。
【0035】また、本実施形態の干渉防止装置は、フロ
ント装置の動作特性、特に本発明の制御に係わるフロン
ト装置の減速・干渉回避動作(後述)をさせるときの動
作特性に影響を与える状態量として、油圧回路の油温を
検出する油温センサ15を有し、この油温センサ15の
信号も制御ユニット7に入力される。
【0036】制御ユニット7の制御機能を図4に示す。
制御ユニット7は、フロント姿勢演算部7a、入力の制
限値の演算部7b〜7d、入力の制限を行う最大・最小
値の選択部7e〜7g、制御ゲインの演算部7h、乗算
部7i、加算部7j、検出ライン7m、各アクチュエー
タの伸び側・縮み側に対応する流量制御弁への指令値の
演算部30a〜36b、制御開始距離補正値の演算部7
n、加算部7pの各機能を有している。
【0037】フロント姿勢演算部7aでは、角度検出器
6a〜6cで検出したブーム、アーム、オフセットの回
動角を入力し、これら回動角に基づき、座標変換によ
り、フロント装置1Aの先端位置(モニターポイント)
を計算し、その先端位置から干渉防止領域までの距離r
を演算する。このとき、干渉防止領域は図5及び図6に
示すように、キャブ3hの周りに安全な距離、例えば3
0cmを置いて設定されている。また、フロント装置の
1Aの先端位置としては、バケット1cの回動支点Ov
を中心にしたバケット1cの先端Pまでの半径rvの仮
想円X上の干渉防止領域の境界に最も近い点の位置を計
算し、この点から干渉防止領域までの距離rを計算す
る。
【0038】制御開始距離補正値の演算部7nは、油温
センサ15で検出した油温Toを入力し、入力した油温
Toに応じて演算部7b〜7d,7hにおける制御開始
距離r0の補正値rofを演算する。このとき、演算部7
nでは、油温が所定温度Ta、例えば50℃以上であれ
ば、補正値rofは0であり、油温が所定温度Ta以下に
なると、油温が低くなるに従って補正値rofが一定値、
例えば20cmに向かって徐々に増加するように設定さ
れている。
【0039】加算部7pでは、フロント姿勢演算部7a
で計算した距離rから、制御開始距離補正値の演算部7
nで計算された補正値rofを減算し、補正後の距離rを
演算する。このように距離rを補正することにより、図
7に示すように、演算部7b〜7d及び7hにおいて、
油温Toが低くなるに従って制御開始距離r0が長くなる
よう補正される。
【0040】入力の制限値の演算部7b〜7dでは、上
記のようにして求められた距離rと予め設定された減速
制御の計算式とに基づき、入力の制限値uを演算する。
【0041】ここで、オフセット1dの演算部7dで
は、距離rが制御開始距離r0よりも大きいときは制限
値uが最大値を保ち、距離rが制御開始距離r0以下に
なると、距離rが小さくなるに従って制限値uが小さく
なり、距離rが0以下になると制限値uも0になるよう
距離rと制限値uとの関係が設定され、これにより干渉
防止領域の境界上における制限値uを0としてオフセッ
ト1dを停止させる。
【0042】一方、ブーム1aの演算部7bでは、距離
rが制御開始距離r0よりも大きいときは制限値uが最
大値を保ち、距離rが制御開始距離r0以下になると、
距離rが小さくなるに従って制限値uが小さくなり、距
離rが負の値rn以下になると制限値uが0となるよう
距離rと制限値uとの関係が設定され、これにより干渉
防止領域の境界上における制限値uを0より大きく設定
しブーム1aを動作可能としている。
【0043】また、アーム1bの演算部7cでは、距離
rが制御開始距離r0よりも大きいときは制限値uが最
大値を保ち、距離rが制御開始距離r0以下になると、
距離rが小さくなるに従って制限値uが小さくなり、距
離rが0になると制限値uも0になり、距離rが負の値
になるとその負の値に応じて制限値uも小さくなるよう
距離rと制限値uとの関係が設定され、これにより干渉
防止領域の境界上において制限値uを0とし、それより
アーム1bが干渉防止領域に入り込むと制限値uを
(−)とし、逆方向(アームダンプ方向)へ動くように
している。
【0044】なお、上記演算部7b〜7dにおいて、制
限値uの最大値は操作レバー装置4a,4b,4dの操
作信号の最大値にほぼ一致する値とされる。
【0045】最大・最小値の選択部7e〜7gでは、操
作レバー装置4a、4b、4dによる入力信号と入力の
制限値uを比較し、入力信号が制限値uを越えないよう
に信号の選択を行う。
【0046】各アクチュエータの伸び側・縮み側に対応
する減圧弁への指令値の演算部30a〜36bでは、入
力の符号が正の場合には伸び側の電磁駆動部20a〜2
6aに、入力の符号が負の場合には縮み側の電磁駆動部
20b〜26bを励磁するように指令値を演算する。こ
こで、最小値選択部7e〜7gにおいて演算部7b〜7
dで計算された制限値uが選択された場合、演算部30
a,31a,33bで演算される指令値は減速指令値と
なる。
【0047】制御ゲインの演算部7hでは、干渉防止領
域までの距離rと予め設定された計算式に基づき制御ゲ
インKを演算する。ここで、演算部7hには、距離rが
制御開始距離r0よりも大きいときは制御ゲインKが0
を保ち、距離rが制御開始距離r0以下になると、距離
rが小さくなるに従って制御ゲインKが大きくなり、距
離rが0以下になると制御ゲインKが最大値となるよう
に距離rと制御ゲインKとの関係が設定されている。
【0048】検出ライン7mでは、指令値演算部30a
で演算されたブーム上げ側の指令値を取り出し、乗算部
7iに供給する。
【0049】乗算部7iでは、制御ゲインKと検出ライ
ン7mにより取り出されたブーム上げ側の指令値との積
を求める。なお、ここで求めた値は後述するように干渉
回避方向の増速指令値(干渉回避目標速度)となる。
【0050】加算部7jでは、アームの入力の制限値
と、制御ゲインKとブーム上げ側の指令値の積との差を
求める。
【0051】以上において、操作レバー装置4a、4
b、4c、4dは複数のフロント部材であるブーム、ア
ーム、バケット、オフセットの動作を指示する複数の操
作手段を構成し、ブーム1a及びアーム1bをそれぞれ
第1及び第2フロント部材とするとき、角度検出器6a
〜6c、演算部7a〜7c、選択部7e,7f、演算部
7h、乗算部7i、加算部7j、演算部30a〜31
b、電磁駆動部20a〜21bは、フロント装置1Aの
位置と姿勢に基づきフロント装置から干渉防止領域まで
の距離rを計算し、その距離rが予め設定した制御開始
距離r0よりも小さくなると、第1フロント部材1aを
減速しかつこの第1フロント部材1aの動作に応じて第
2フロント部材1bを干渉回避方向に増速するよう第1
及び第2フロント部材1a,1bの操作手段4a,4b
の操作信号を補正する第1補正手段を構成し、温度セン
サ15はフロント装置1Aの動作特性に影響を与える状
態量を検出する検出手段を構成し、演算部7n及び加算
部7pは、前記検出手段で検出された状態量に応じて当
該状態量の変化によるフロント装置1Aの干渉防止領域
への侵入を回避するよう前記第1補正手段の制御開始距
離r0を補正する第2補正手段を構成する。
【0052】以上のように構成した本実施形態の動作を
説明する。作業例として、(a)フロント装置1Aをキ
ャブ3hの前方から近づけるように、アーム1bを手前
(後方)に操作した場合と、(b)ブーム1aを上方に
操作した場合と、(c)ブーム1aを上方に操作しなが
らアーム1bを手前(後方)に操作した場合と、(d)
オフセット1dを左方に操作した場合について説明す
る。
【0053】(a)まず、アーム1bを手前(後方、す
なわちアームクラウド方向)に操作した場合には、フロ
ント装置1Aの先端が干渉防止領域に近づき、距離rが
制御開始距離r0より小さくなると、制限値演算部7c
により計算される制限値uに応じてアームシリンダ3b
の伸び側の指令値が制限され、アーム1bの減速指令が
出される。これによりアーム1bは徐々に減速され、干
渉防止領域の境界Lで停止する。
【0054】また、万が一フロント装置先端が干渉防止
領域に侵入した場合には、制限値演算部7cの制限値u
が(−)となってアームシリンダ3bの縮み側の指令値
が強制的に増加されることでアーム1bが前方(アーム
ダンプ方向)に増速され、フロント装置先端を干渉防止
領域より退避させる。したがって、オペレータはフロン
ト装置1Aとキャブ3hとの干渉を気にすることなく安
全にアーム1bの操作ができる。
【0055】(b)また、ブーム1aを上方に操作した
場合には、フロント装置1Aの先端が干渉防止領域に近
づき、距離rが制御開始距離r0より小さくなると、制
限値演算部7bにより計算される制限値uに応じてブー
ムシリンダ3aの伸び側の指令値が制限され、ブーム1
aの減速指令が出され、これによりブーム1aは徐々に
減速される。これと同時に、検出ライン7m、制御ゲイ
ン演算部7h、乗算部7iによりブームシリンダ3aの
伸び側指令値に比例したアームダンプ方向の指令値が干
渉回避方向の増速指令値として計算され、この干渉回避
方向の増速指令値が制限値演算部7cで計算された制限
値uよりも大きくり、加算部7jにおいて当該制限値u
から干渉回避方向の増速指令値を減算した値が(−)に
なると、干渉回避方向の増速指令値がアームシリンダ3
bの縮み側に出力され、アーム1bは干渉回避方向に増
速され干渉防止領域に対して干渉回避動作をする。この
ようなブーム1aの減速とアーム1bの干渉回避方向の
動作により、フロント装置1Aの先端は、図5で矢印M
で示すように、干渉防止領域の境界Lの近傍で境界Lに
沿った動作を行う。したがって、フロント装置1Aとキ
ャブ3hとの干渉を気にすることなく安全に連続したブ
ーム1aの操作ができる。
【0056】(c)ブーム1aを上方に操作しながらア
ーム1bを手前(後方)に操作した場合には、距離rが
制御開始距離r0より小さくなると、上記(b)のよう
にブームシリンダ3aの伸び側の指令値が制限され、ブ
ーム1aは徐々に減速される。また、これと同時に乗算
部7iによりブームシリンダ3aの伸び側指令値に比例
したアームダンプ方向の指令値(干渉回避方向の増速指
令値)が計算される。一方、制限値演算部7cにおいて
計算された制限値uから干渉回避方向の増速指令値を減
算した値が(+)の時はその値に応じてアームシリンダ
3bの伸び側の指令値が制限され、その値が(−)にな
ると、その値がアームシリンダ3bの縮み側に指令値と
して出力され、アーム1bが干渉回避方向に増速され、
アーム1bは干渉防止領域に対して干渉回避動作をす
る。このような動作の複合の結果として、この場合も、
フロント装置1Aの先端は、図5で矢印Mで示すよう
に、干渉防止領域の境界Lの近傍で境界Lに沿った動作
を行い、フロント装置1Aとキャブ3hとの干渉を気に
することなく安全に連続したブーム1aの操作ができ
る。
【0057】(d)オフセット1dを左方に操作した場
合には、フロント装置1Aの先端が干渉防止領域に近づ
き、距離rが制御開始距離r0より小さくなると、制限
値演算部7dにより計算される制限値uに応じてオフセ
ットシリンダ3dの縮み側の指令値が制限され、オフセ
ット1dの減速指令が出される。これによりオフセット
1dは徐々に減速され、干渉防止領域の境界Lで停止す
る。したがって、フロント装置1Aとキャブ3hとの干
渉を気にすることなく安全にオフセット1dの操作がで
きる。
【0058】ここで、油圧ショベル等の油圧建設機械に
用いられる油圧駆動装置は、油温の変化により特性が変
化する。すなわち、油温が低くなれば圧油の粘性が大き
くなり、油圧機器の応答が遅くなって制御システム全体
の応答が悪くなる。
【0059】本発明の制御では、油温が低くなると油圧
機器の応答に遅れを生じることにより、フロント装置1
Aの動作特性が変化し、上記減速・干渉回避動作時又は
減速・停止動作時にフロント装置が減速又は停止、ある
いは増速し難くなり、干渉防止領域に入り込む可能性が
ある。
【0060】つまり、上記(b)のブーム1aを上方に
操作した場合には、フロント装置1Aの先端から干渉防
止領域までの距離rに対してブーム1aの減速指令を出
しても実際に油圧機器が応答して減速するまでに遅れが
生じることと、アーム1bに対して前方(ダンプ方向)
に動くように指令を出しても実際に油圧機器が応答して
アーム1bが前方に動くまでに遅れが生じることで、フ
ロント装置1Aの先端が干渉防止領域に入り込む可能性
がある。
【0061】また、上記(a)のアーム1bを手前に操
作した場合は、油圧機器の応答遅れにより演算部7cに
よる減速制御に遅れを生じ、フロント装置1Aの先端が
干渉防止領域内に入り込む可能性がある。
【0062】上記(c)のブーム1aを上方に操作しな
がらアーム1bを手前(後方)に操作した場合には、上
記(b)の場合と同様に、フロント装置1Aの先端が干
渉防止領域に入り込む可能性がある。
【0063】更に、上記(d)のオフセット1dを左方
に操作した場合には、油圧機器の応答遅れにより演算部
7dによる減速制御に遅れを生じ、フロント装置1Aの
先端が干渉防止領域内に入り込む可能性がある。
【0064】そこで、本実施形態では、温度センサ15
により油温を検出し、制御開始距離補正値演算部7nと
加算部7pで、油温が所定温度Taより低くなるに従っ
て演算部7b〜7d及び7hにおける制御開始距離r0
が長くなるように距離rを補正する。これにより、上記
(b)のブーム1aを上方に操作した場合は、油温が所
定温度Taより低くなると、演算部7b,7cにおいて
距離rに対して早めに制限値uを小さくし、ブーム1a
及びアーム1bの減速指令を出すと同時に、同様に演算
部7hにおいて距離rに対して早めに制御ゲインKを立
ち上がらせ、アーム1bの前方への動作指令を出すよう
にする。このように距離rが遠いところからブーム及び
アームの減速指令とアームの前方への動作指令を出すよ
うにすることにより、フロント装置1Aの先端が干渉防
止領域に入り込むことが防止される。
【0065】上記(c)の場合も同様である。
【0066】また、上記(a)のアーム1bを手前に操
作した場合は、油温が所定温度Taより低くなると、演
算部7cにおいて距離rに対して早めに制限値uを小さ
くし、アーム1bの減速指令を出すようにする。これに
より、フロント装置1Aの先端が干渉防止領域に入り込
むことが防止できる。
【0067】更に、上記(d)のオフセット1dを左方
に操作した場合も、油温が所定温度Taより低くなる
と、演算部7dにおいて距離rに対して早めに制限値u
を小さくし、オフセット1dの減速指令を出すようにす
る。これにより、フロント装置1Aの先端が干渉防止領
域に入り込むことが防止できる。
【0068】以上のように本実施形態によれば、ブーム
1aを上方に操作した場合、又はブーム1aを上方に操
作しながらアーム1bを手前(後方)に操作した場合に
は、フロント装置1Aは干渉防止領域に近づくと徐々に
減速し、干渉防止領域に到達すると干渉防止領域の境界
付近に沿って動くようになり、フロント装置とキャブと
の干渉を防止しながらフロント装置を連続的に動かすこ
とができる。したがって、キャブ3hの近くでも、停止
させずに連続した土砂の持ち上げなどができる。
【0069】また、ブーム1aの動作からフロント装置
1Aの動きを予測しフロント装置が干渉防止領域に侵入
する前に干渉回避動作をさせるので、干渉防止領域への
侵入量を0又は最小にでき、干渉防止領域を狭くできる
ため、広い作業範囲を確保できる。
【0070】また、アーム1bを手前(後方)に操作し
た場合は、フロント装置先端が干渉防止領域に近づくに
つれてアームが徐々に減速され、干渉防止領域の境界L
で停止するとともに、万が一フロント装置先端が干渉防
止領域に侵入した場合には、アームが前方に増速され、
フロント先端を干渉防止領域より退避させるので、安全
にアームの操作ができる。
【0071】更に、オフセット1dを左方に操作した場
合は、フロント装置先端が干渉防止領域に近づくにつれ
てオフセットが徐々に減速され、干渉防止領域の境界L
で停止するので、同様に安全にオフセットの操作ができ
る。
【0072】また、本実施形態によれば、冬季や寒冷地
での作業で油温が低い場合でも、上記のブーム及びアー
ムの減速・干渉回避動作時やオフセットの減速・停止動
作時にフロント装置1Aの先端が干渉防止領域に入り込
むことが防止できる。
【0073】本発明の第2の実施形態を図8及び図9に
より説明する。本実施形態は、操作レバー装置として油
圧パイロット方式を用いた油圧ショベルに適用したもの
である。図中、前掲図面に示す部材及び部分と同等のも
のには同じ符号を付している。
【0074】図8において、本実施形態が適用される油
圧ショベルは、電気方式の操作レバー装置4a〜4gの
代わりに油圧パイロット方式の操作レバー装置9a〜9
gを備えている。操作レバー装置9a〜9gは、パイロ
ットポンプ8で生成されるパイロット圧に基づいて、そ
れぞれオペレータにより操作される操作レバー装置9a
〜9gの操作量と操作方向に応じたパイロット圧を、パ
イロットライン40a〜46bを介して、対応する流量
制御弁の油圧駆動部50a〜56bに供給し、そのパイ
ロット圧により対応する流量制御弁10a〜10gを駆
動する。
【0075】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる干渉防止装置が設けられている。この干渉防止装置
は、第1の実施形態で備えられていたものの他に、ブー
ム用の操作レバー装置9aのパイロットライン40aに
設けられ、操作レバー9aの操作量としてパイロット圧
を検出する圧力検出器13と、電気信号により駆動され
る比例電磁減圧弁11a〜11dと、シャトル弁12が
設けられている。比例電磁減圧弁11a,11b,11
dはそれぞれパイロットライン40a,41a,43b
に設置され、電気信号に応じてパイロット圧を減圧し
て、流量制御弁10a,10b,10dの油圧駆動部5
0a,51a,53bに出力する。比例電磁減圧弁11
cはパイロットポンプ8に接続された専用のパイロット
ライン41cに設置され、シャトル弁12はパイロット
ライン41b内のパイロット圧と比例電磁減圧弁11c
から出力される制御圧の高圧側を選択し、流量制御弁1
0bの油圧駆動部51bに導く。
【0076】図9を用いて、第1の実施形態との制御機
能の違いを説明する。
【0077】干渉防止装置のない元々の油圧パイロット
方式の油圧ショベルにおいては、操作レバー装置9a〜
9gで調整されたパイロット圧によって流量制御弁10
a〜10gが直接駆動されたるために、伸び側、縮み側
に対応する減圧弁への指令値の演算部としてアームに関
するもの以外が必要なくなる。
【0078】また、比例電磁減圧弁11a〜11dとシ
ャトル弁12の特性により、入力の制限を行う最大・最
小値の選択部が必要なくなり、その代わり、パイロット
ライン40aにおけるパイロット圧から、ブーム上げ
(伸び)側の油圧駆動部50aに作用するパイロット圧
を推定するために、操作レバー9aの操作量としてのパ
イロット圧を検出する圧力検出器13の出力と制限値演
算部7bの出力の小さい方を選択する選択部7kを追加
する。なお、比例電磁減圧弁11aの出側に圧力検出器
13を設けて、その検出値を直接用いても良いが、応答
性の点で比例電磁減圧弁11aの入側で検出した方が優
れている。
【0079】以上において、第1の実施形態と同様、ブ
ーム1a及びアーム1bをそれぞれ第1及び第2フロン
ト部材とするとき、角度検出器6a〜6c、圧力検出器
13、演算部7a〜7c、選択部7k、演算部7h、乗
算部7i、加算部7j、演算部31a,31b、比例電
磁弁圧弁11a〜11cは、フロント装置1Aの位置と
姿勢に基づきフロント装置から干渉防止領域までの距離
rを計算し、その距離rが予め設定した制御開始距離r
0よりも小さくなると、第1フロント部材1aを減速し
かつこの第1フロント部材の動作に応じて第2フロント
部材1bを干渉回避方向に増速するよう第1及び第2フ
ロント部材1a,1bの操作手段4a,4bの操作信号
を補正する第1補正手段を構成し、温度センサ15はフ
ロント装置1Aの動作特性に影響を与える状態量を検出
する検出手段を構成し、演算部7n及び加算部7pは、
前記検出手段で検出された状態量に応じて当該状態量の
変化によるフロント装置1aの干渉防止領域への侵入を
回避するよう前記第1補正手段の制御開始距離r0を補
正する第2補正手段を構成する。
【0080】以上のように構成した本実施形態の動作を
説明する。
【0081】(a)アーム1bを手前(後方、すなわち
アームクラウド方向)に操作した場合には、フロント装
置1Aの先端が干渉防止領域に近づき、距離rが制御開
始距離r0より小さくなると、制限値演算部7cにより
計算される制限値uに応じて比例電磁減圧弁11bによ
りアームシリンダ3bの伸び側のパイロット圧が制限さ
れ、アーム1bの減速指令が出される。これによりアー
ム1bは徐々に減速され、干渉防止領域の境界Lで停止
する。
【0082】また、万が一フロント装置先端が干渉防止
領域に侵入した場合には、制限値演算部7cの制限値u
が(−)となって比例電磁減圧弁11cが作動し、アー
ムシリンダ3bの縮み側のパイロット圧が強制的に増加
されることでアーム1bが前方(アームダンプ方向)に
増速され、フロント装置1Aの先端を干渉防止領域より
退避させる。したがって、オペレータはフロント装置1
Aとキャブ3hとの干渉を気にすることなく安全にアー
ム1bの操作ができる。
【0083】(b)また、ブーム1aを上方に操作した
場合には、フロント装置1Aの先端が干渉防止領域に近
づき、距離rが制御開始距離r0より小さくなると、制
限値演算部7bにより計算される制限値uに応じて比例
電磁減圧弁11aによりブームシリンダ3aの伸び側の
パイロット圧が制限され、ブーム1aの減速指令が出さ
れ、これによりブーム1aは徐々に減速される。これと
同時に、検出ライン7m、制御ゲイン演算部7h、乗算
部7iによりブームシリンダ3aの伸び側のパイロット
圧に比例した干渉回避方向の増速指令値が計算され、こ
の干渉回避方向の増速指令値が制限値演算部7cで計算
された制限値uよりも大きくり、加算部7jにおいて当
該制限値uから干渉回避方向の増速指令値を減算した値
が(−)になると、干渉回避方向の増速指令値がアーム
シリンダ3bの縮み側にも出力され、アーム1bは干渉
回避方向に増速され干渉防止領域に対して干渉回避動作
をする。このようなブーム1aの減速とアーム1bの干
渉回避方向の動作により、フロント装置1Aの先端は、
図5で矢印Mで示すように、干渉防止領域の境界Lの近
傍で境界Lに沿った動作を行う。したがって、フロント
装置1Aとキャブ3hとの干渉を気にすることなく安全
に連続したブーム1aの操作ができる。
【0084】(c)ブーム1aを上方に操作しながらア
ーム1bを手前(後方)に操作した場合には、距離rが
制御開始距離r0より小さくなると、上記(b)のよう
に比例電磁減圧弁11aによりブームシリンダ3aの伸
び側のパイロット圧が制限され、ブーム1aは徐々に減
速される。また、これと同時に乗算部7iによりブーム
シリンダ3aの伸び側指令値に比例したアームダンプ方
向の指令値(干渉回避方向の増速指令値)が計算され
る。一方、制限値演算部7cにおいて計算された制限値
uから干渉回避方向の増速指令値を減算した値が(+)
の時はその値に応じて比例電磁減圧弁11bによりアー
ムシリンダ3bの伸び側の指令値が制限され、その値が
(−)になると、比例電磁減圧弁11cが作動してアー
ムシリンダ3bの縮み側のパイロット圧が強制的に増加
し、アーム1bが干渉回避方向に増速され干渉防止領域
に対して干渉回避動作をする。このような動作の複合の
結果として、この場合も、フロント装置1Aの先端は、
図5で矢印Mで示すように、干渉防止領域の境界Lの近
傍で境界Lに沿った動作を行い、フロント装置1Aとキ
ャブ3hとの干渉を気にすることなく安全に連続したブ
ーム1aの操作ができる。
【0085】(d)オフセット1dを左方に操作した場
合には、フロント装置1Aの先端が干渉防止領域に近づ
き、距離rが制御開始距離r0より小さくなると、制限
値演算部7dにより計算される制限値uに応じて電磁比
例減圧弁11dによりオフセットシリンダ3dの縮み側
のパイロット圧が制限され、オフセット1dの減速指令
が出される。これによりオフセット1dは徐々に減速さ
れ、干渉防止領域の境界Lで停止する。したがって、フ
ロント装置1Aとキャブ3hとの干渉を気にすることな
く安全にオフセット1dの操作ができる。
【0086】また、以上の操作に際して、温度センサ1
5により油温を検出し、制御開始距離補正値演算部7n
と加算部7pで、油温が低くなるに従って演算部7b〜
7c及び7hにおける制御開始距離r0が長くなるよう
に距離rを補正する。これにより、第1の実施形態で説
明したように、上記(a)〜(d)のブーム及びアーム
の減速・干渉回避動作時やオフセットの減速・停止動作
時に油温が変化してもフロント装置1Aの先端が干渉防
止領域に入り込むことが防止できる。
【0087】以上のように本実施形態によっても、油圧
パイロット方式の操作レバー装置を用いた油圧ショベル
において第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0088】本発明の第3の実施形態を図10及び図1
1により説明する。上記実施形態では、フロント装置1
Aの動作特性に影響を与える状態量として油温を検出し
たが、本実施形態は油圧ポンプを駆動する原動機の回転
数を検出するものである。図中、図1及び図4に示すも
のと同等の部材及び機能には同じ符号を付している。
【0089】図10において、油圧ポンプ2はエンジン
16に連結され、このエンジン16により回転駆動され
る。エンジン16にはエンジン16の回転数を検出する
回転数センサ17が配置され、この回転数センサ17の
信号は制御ユニット7(図1参照)の制御開始距離補正
値の演算部7qに入力される。演算部7qは、入力した
エンジン回転数Neに応じて演算部7b〜7d,7hに
おける制御開始距離r0の補正値rofを演算する。この
とき、演算部7qでは、エンジン回転数Neが低速の所
定回転数Ni、例えばアイドル回転数700rpm以下
であれば、補正値rofは0であり、エンジン回転数Ne
が所定回転数Ni以上になると、エンジン回転数Neが高
くなるに従って補正値rofが一定値、例えば20cmに
向かって徐々に増加し、エンジン回転数Neが高速の所
定回転数Np、例えば2000rpmに達すると、それ
以上では補正値rofが当該一定値を保つように設定され
ている。
【0090】加算部7pでは、フロント姿勢演算部7a
で計算した距離rから、制御開始距離補正値の演算部7
qで計算された補正値rofを減算し、補正後の距離rを
演算する。このように距離rを補正することにより、図
7に示す第1の実施形態の場合と同様に、演算部7b〜
7d及び7hにおいて、エンジン回転数Neが高くなる
に従って制御開始距離r0が長くなるよう補正される。
【0091】ここで、油圧ショベル等の油圧建設機械に
用いられる油圧駆動装置は、エンジン17の回転数の変
化によっても特性が変化する。すなわち、エンジン17
の回転数の変化により油圧ポンプ2の最大吐出流量が変
化することから、使用できる圧油の最大流量が変化し、
特に、エンジン回転数が高くなると、圧油の流量が増大
することで、フロント装置全体の動作速度が大きくな
る。このようにフロント装置の動作速度が大きくなる
と、上記(a)〜(d)の減速・干渉回避動作時又は減
速・停止動作時にフロント装置が減速又は停止、あるい
は増速し難くなり、油温が高くなる場合と同様に、フロ
ント装置1Aの先端が干渉防止領域に入り込む可能性が
ある。
【0092】そこで、本実施形態では、回転数センサ1
7によりエンジン16の回転数を検出し、制御開始距離
補正値演算部7qと加算部7pで、エンジン回転数が所
定回転数Niより高くなるに従って演算部7b〜7d及
び7hにおける制御開始距離r0が長くなるように距離
rを補正する。これにより、上記(b)のブーム1aを
上方に操作した場合は、エンジン回転数Neが所定回転
数Niより高くなると、演算部7b,7cにおいて距離
rに対して早めに制限値uを小さくし、ブーム1a及び
アーム1bの減速指令を出すと同時に、同様に演算部7
hにおいて距離rに対して早めに制御ゲインKを立ち上
がらせ、アーム1bの前方への動作指令を出すようにす
る。このように距離rが遠いところからブーム及びアー
ムの減速指令とアームの前方への動作指令を出すように
することにより、フロント装置1Aの先端が干渉防止領
域に入り込むことが防止できる。
【0093】上記(c)の場合も同様である。
【0094】また、上記(a)のアーム1bを手前に操
作した場合も、エンジン回転数Neが所定回転数Niより
高くなると、演算部7cにおいて距離rに対して早めに
制限値uを小さくし、アーム1bの減速指令を出すよう
にする。これにより、フロント装置1Aの先端が干渉防
止領域に入り込むことが防止できる。
【0095】更に、上記(c)のオフセット1dを左方
に操作した場合も、エンジン回転数Neが所定回転数Ni
より高くなると、演算部7dにおいて距離rに対して早
めに制限値uを小さくし、オフセット1dの減速指令を
出すようにする。これにより、フロント装置1Aの先端
が干渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【0096】なお、図10に示す演算部7qでは、図示
の特性に代え、図11に示すようにエンジン回転数Ne
と補正値rofとの関係を設定しても良い。すなわち、図
11では、エンジン回転数Neが低速の所定回転数Ni、
例えばアイドル回転数700rpm以下であれば、補正
値rofは負の一定値、例えば−20cmであり、エンジ
ン回転数Neが所定回転数Ni以上になると、エンジン回
転数Neが高くなるに従って補正値rofが0に向かって
徐々に増加し、エンジン回転数Neが高速の所定回転数
Np、例えば2000rpmに達すると、それ以上では
補正値rofが0を保つように設定されている。一方、こ
の時、演算部7b〜7d及び7hでの制御開始距離の初
期値r0は、エンジン回転数が高いときの特性に合わ
せ、上記実施形態より長い、例えば50cmに設定され
る。このように演算部7q及び演算部7b〜7d及び7
hを設定しても、減速開始距離の補正結果は図10に示
す場合と同じであり、同様の効果が得られる。
【0097】以上のように本実施形態によれば、第1の
実施形態と同様のブーム及びアームの減速・干渉回避動
作やオフセットの減速・停止動作が行えると共に、油圧
ポンプを駆動するエンジンの回転数が変化しても、ブー
ム及びアームの減速・干渉回避動作時やオフセットの減
速・停止動作時にフロント装置1Aの先端が干渉防止領
域に入り込むことが防止できる。
【0098】本発明の第4の実施形態を図12により説
明する。本実施形態は、フロント装置1Aの動作特性に
影響を与える状態量としてブームシリンダ3aのブーム
上げの負荷圧を検出するものである。図中、図1及び図
4に示すものと同等の部材及び機能には同じ符号を付し
ている。
【0099】図12において、ブームシリンダ3aのボ
トム側につながるアクチュエータ管路にはブームシリン
ダ3aのブーム上げの負荷圧力Paを検出する圧力検出
器18が設けられ、この圧力検出器18の信号は制御ユ
ニット7(図1参照)の制御開始距離補正値の演算部7
rに入力される。演算部7rは、入力したブーム上げの
負荷圧力Paに応じて演算部7b〜7d,7hにおける
制御開始距離r0の補正値rofを演算する。このとき、
演算部7rでは、ブーム上げの負荷圧力Paが低圧の所
定圧力Po以下であれば、補正値rofは0であり、ブー
ム上げの負荷圧力Paが所定圧力Po以上になると、負荷
圧力Paが高くなるに従って補正値rofが一定値、例え
ば20cmに向かって徐々に増加し、負荷圧力Paが高
圧の所定圧力Ppに達すると、それ以上では補正値rof
が当該一定値を保つように設定されている。
【0100】加算部7pでは、フロント姿勢演算部7a
で計算した距離rから、制御開始距離補正値の演算部7
rで計算された補正値rofを減算し、補正後の距離rを
演算部7b〜7d,7hに出力する。このように距離r
を補正することにより、図7に示す第1の実施形態の場
合と同様に、演算部7b〜7d,7hにおいて、ブーム
上げの負荷圧力Paが高くなるに従って制御開始距離r0
が長くなるよう補正される。
【0101】ここで、フロント装置1Aに掛かる荷重が
大きくなると、フロント装置の慣性が大きくなり、上記
(a)〜(d)の減速・干渉回避動作時にフロント装置
が減速又は停止、あるいは増速し難くなり、フロント装
置1Aの先端が干渉防止領域に入り込む可能性がある。
【0102】一方、フロント装置1Aに掛かる荷重が大
きくなるとブームシリンダ3aのブーム上げ側の負荷圧
力が高くなるので、ブーム上げの負荷圧力Paを検出す
ればフロント装置1Aに掛かる荷重を検出できる。
【0103】そこで、本実施形態では、圧力検出器18
によりブーム上げの負荷圧力Paを検出し、制御開始距
離補正値演算部7qと加算部7pで、ブーム上げの負荷
圧力Paが所定圧力Poより高くなるに従って演算部7b
〜7d及び7hにおける制御開始距離r0が長くなるよ
うに距離rを補正する。これにより、上記(b)のブー
ム1aを上方に操作した場合は、ブーム上げの負荷圧力
Paが所定圧力Poより高くなると、演算部7b,7cに
おいて距離rに対して早めに制限値uを小さくし、ブー
ム1a及びアーム1bの減速指令を出すと同時に、同様
に演算部7hにおいて距離rに対して早めに制御ゲイン
Kを立ち上がらせ、アーム1bの前方への動作指令を出
すようにする。このように距離rが遠いところからブー
ム及びアームの減速指令とアームの前方への動作指令を
出すようにすることにより、フロント装置1Aの先端が
干渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【0104】上記(c)の場合も同様である。
【0105】また、上記(a)のアーム1bを手前に操
作した場合も、ブーム上げの負荷圧力Paが所定圧力Po
より高くなると、演算部7cにおいて距離rに対して早
めに制限値uを小さくし、アーム1bの減速指令を出す
ようにする。これにより、フロント装置1Aの先端が干
渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【0106】更に、上記(c)のオフセット1dを左方
に操作した場合も、ブーム上げの負荷圧力Paが所定圧
力Poより高くなると、演算部7dにおいて距離rに対
して早めに制限値uを小さくし、オフセット1dの減速
指令を出すようにする。これにより、フロント装置1A
の先端が干渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【0107】以上のように本実施形態によれば、第1の
実施形態と同様のブーム及びアームの減速・干渉回避動
作やオフセットの減速・停止動作が行えると共に、フロ
ント装置にかかる荷重が変化しても、ブーム及びアーム
の減速・干渉回避動作時にフロント装置1Aの先端が干
渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【0108】なお、本発明の干渉防止装置は上述の実施
形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0109】例えば、上述の実施形態では、フロント装
置1Aの位置と姿勢に関する状態量を検出する手段とし
て回動角を検出する角度計を用いたが、シリンダのスト
ロークを検出してもよい。また、フロント装置とキャブ
の干渉を防止する場合について説明したが、フロント装
置とキャブ以外の部分との干渉を防止する場合も同様に
本発明を適用できる。
【0110】また、上述の実施形態では第1フロント部
材がブーム、第2フロント部材がアームで、フロント装
置先端がキャブ前方から干渉防止領域に向かって動く場
合の干渉回避動作に本発明を適用したが、第1フロント
部材がフロント装置の先端を干渉防止領域付近で連続的
に動かすのに連続したアクチュエータ動作が要求される
フロント部材であり、第2フロント部材がフロント装置
の先端を干渉防止領域付近で連続的に動かすのに連続し
たアクチュエータ動作が要求されないフロント部材であ
れば、他のフロント部材でも良く、例えば第1フロント
部材がオフセット、第2フロント部材がアームで、フロ
ント装置側面がキャブ横方向から干渉防止領域に向かっ
て動く場合の干渉回避動作に本発明を適用しても良い。
【0111】また、上述の実施形態では、フロント装置
にオフセットを備える油圧ショベルに本発明を適用した
が、フロント装置にモノブームを備える通常の油圧ショ
ベルやフロント装置にツーピースブームを備える油圧シ
ョベルにも同様に本発明を適用し、同様の効果が得られ
る。
【0112】更に、上記実施形態では、フロント装置の
動作特性に影響を与える状態量として、油温、エンジン
回転数、フロント荷重(ブーム上げの負荷圧力)を考慮
したが、フロント装置の動作特性に影響を与える状態量
であればそれ以外のものを検出し、本発明を適用しても
良い。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、フロント装置と運転室
又は運転室以外の車体部分との干渉を防止しながらフロ
ント装置を連続的に動かすことができ、干渉防止領域の
近くでも停止させずに連続した土砂の持ち上げなどがで
きるとともに、広い作業範囲を確保することができる。
【0114】また、本発明によれば、フロント部材の動
作特性に影響を与える状態量が変化しても、第1及び第
2フロント部材の減速・干渉回避動作時にフロント装置
の先端が干渉防止領域に入り込むことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による油圧ショベルの
干渉防止装置をその油圧回路とともに示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観を側面
から示す図である。
【図3】本発明が適用される油圧ショベルの外観を上方
から示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の干渉防止制御で用いる領域を示す
図である。
【図6】本実施形態の干渉防止制御で用いる領域を示す
図である。
【図7】距離を補正することによる制御開始距離の変化
を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による油圧ショベルの
干渉防止装置をその油圧回路とともに示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の制御ユニットの制御
機能を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の制御ユニットの制
御機能を示す機能ブロック図である。
【図11】第3の実施形態の制御開始距離補正値演算部
の変形例を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態の制御ユニットの制
御機能を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 1d オフセット 1e 上部旋回体 1f 下部走行体 2,8 ポンプ 3a〜3g 油圧アクチュエータ 4a〜4g 操作レバー装置(電気式) 5a〜5g 流量制御弁(電磁駆動式) 6a〜6c 角度検出器 7 制御ユニット 7n,7q,7r 制御開始距離補正値演算部 7p 加算部 9 操作レバー装置(油圧式) 10a〜10g 流量制御弁(油圧駆動式) 11a〜11d 比例電磁減圧弁 12 シャトル弁 13 圧力検出器 15 温度センサ 16 エンジン 17 回転数センサ 18 圧力検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江川 栄治 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 細野 純一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 西田 利明 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (56)参考文献 特開 平6−294150(JP,A) 特開 平6−146326(JP,A) 特開 平7−71051(JP,A) 特開 平7−3846(JP,A) 特開 平7−35105(JP,A) 特開 平5−321290(JP,A) 特開 平3−217523(JP,A) 特公 平6−104985(JP,B2) 国際公開95/030059(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 3/43 E02F 9/24

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下・左右方向に回動可能な第1及び第2
    フロント部材を含む複数のフロント部材により構成され
    るフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動する
    複数の油圧アクチュエータと、前記複数のフロント部材
    の動作を指示する複数の操作手段と、これら複数の操作
    手段のそれぞれの操作信号に応じて対応する油圧アクチ
    ュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の流量
    制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フロント装
    置の位置と姿勢を計算し、この位置と姿勢に基づき前記
    フロント装置が運転室又は運転室以外の車体部分の周囲
    予め設定された干渉防止領域に侵入しないよう制御す
    る干渉防止装置において、 (a)前記フロント装置の位置と姿勢に基づきフロント
    装置から前記干渉防止領域までの距離を計算し、その距
    離が予め設定した制御開始距離以下になると、前記第1
    フロント部材を減速するよう前記第1フロント部材の操
    作手段の操作信号を補正し、かつこの補正された操作信
    号の指令値と前記フロント装置から干渉防止領域までの
    距離に応じて前記第2フロント部材を干渉回避方向に増
    速するよう前記第2フロント部材の操作手段の操作信号
    を補正する第1補正手段と、 (b)前記フロント装置の動作特性に影響を与える状態
    量を検出する検出手段と、 (c)この検出手段で検出された状態量に応じて当該状
    態量の変化による前記フロント装置の干渉防止領域への
    侵入を回避するよう前記第1補正手段の制御開始距離を
    補正する第2補正手段とを備えることを特徴とする建設
    機械の干渉防止装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記第2補正手段は前記状態量に応じて前記制
    御開始距離の補正値を計算する手段と、前記第1補正手
    段で計算されたフロント装置から干渉防止領域までの距
    離から前記補正値を減算する手段とを有することを特徴
    とする建設機械の干渉防止装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記状態量は油温であり、前記第2補正手段は
    前記油温が低くなるに従って前記第1補正手段の制御開
    始距離が長くなるよう補正することを特徴とする建設機
    械の干渉防止装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記状態量は前記油圧ポンプを駆動する原動機
    の回転数であり、前記第2補正手段は前記回転数が高く
    なるに従って前記第1補正手段の制御開始距離が長くな
    るよう補正することを特徴とする建設機械の干渉防止装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記状態量は前記第1フロント部材の油圧アク
    チュエータの負荷圧力であり、前記第2補正手段は前記
    負荷圧力が高くなるに従って前記第1補正手段の制御開
    始距離が長くなるよう補正することを特徴とする建設機
    械の干渉防止装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、 前記第1補正手段は、 (a1)前記フロント装置から干渉防止領域までの距離
    が前記制御開始距離よりも大きいときは最大値を保ち、
    当該距離が制御開始距離以下になると、距離が小さくな
    るに従って小さくなり、距離が負のある値以下になると
    0となる前記第1フロント部材の操作信号の第1制限値
    を計算する第1演算手段と、 (a2)前記フロント装置から干渉防止領域までの距離
    が前記制御開始距離よりも大きいときは最大値を保ち、
    当該距離が制御開始距離以下になると、距離が小さくな
    るに従って小さくなり、距離が0になると0になり、距
    離が負の値になるとその負の値に応じて小さくなる前記
    第2フロント部材の操作信号の第2制限値を計算する第
    2演算手段と、 (a3)前記フロント装置から干渉防止領域までの距離
    が前記制御開始距離よりも大きいときは0を保ち、当該
    距離が制御開始距離以下になると、距離が小さくなるに
    従って大きくなり、距離が0以下になると最大値になる
    前記第2フロント部材の増速の制御ゲインを計算する第
    3演算手段と、 (a4)前記第1制限値を越えないよう前記第1フロン
    ト部材の操作手段の操作信号を補正する第1信号補正手
    段と、 (a5)この第1信号補正手段で補正された補正操作信
    号と前記第3演算手段で計算された制御ゲインとに基づ
    き、前記第2フロント部材の前記干渉防止領域に対する
    干渉回避方向の増速指令値を計算する第4演算手段と、 (a6)前記第2演算手段で計算された第2制限値と前
    記第4演算手段で計算された干渉回避方向の増速指令値
    とを用いて前記第2フロント部材の操作手段の操作信号
    を補正する第2信号補正手段とを有することを特徴とす
    る建設機械の干渉防止装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記第4演算手段は、前記第1信号補正手段で
    補正された補正操作信号と前記第3演算手段で計算され
    た制御ゲインとを乗算する手段であり、この乗算値を前
    記干渉回避方向の増速指令値とすることを特徴とする建
    設機械の干渉防止装置。
  8. 【請求項8】請求項6記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記第2信号補正手段は、前記第2制限値から
    前記干渉回避方向の増速指令値を減算し、その減算した
    値を越えないよう前記第2フロント部材の操作手段の操
    作信号を補正することを特徴とする建設機械の干渉防止
    装置。
  9. 【請求項9】請求項6記載の建設機械の干渉防止装置に
    おいて、前記複数の操作手段は前記操作信号として電気
    信号を出力する電気レバー方式であり、前記第1信号補
    正手段は、前記第1フロント部材の操作手段の操作信号
    と前記第1制限値の小さい方を選択し、その選択した値
    を指令信号として前記第1フロント部材の流量制御弁に
    出力し、前記第2信号補正手段は前記第2フロント部材
    の操作手段の操作信号と前記干渉回避方向の増速指令値
    との小さい方を選択し、その選択した値を指令信号とし
    て前記第2フロント部材の流量制御弁に出力することを
    特徴とする建設機械の干渉防止装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の建設機械の干渉防止装置
    において、前記第4演算手段は前記第1フロント部材の
    流量制御弁に出力される指令信号を前記補正操作信号と
    して用い、前記干渉回避方向の増速指令値を計算するこ
    とを特徴とする建設機械の干渉防止装置。
  11. 【請求項11】請求項6記載の建設機械の干渉防止装置
    において、前記複数の操作手段は前記操作信号としてパ
    イロット圧を出力する油圧パイロット方式であり、前記
    第1信号補正手段は、前記第1フロント部材の操作手段
    のパイロット圧を第1フロント部材の流量制御弁に導く
    経路に配置され、前記第1制限値に応じて前記パイロッ
    ト圧を減圧する比例電磁減圧弁を含み、前記第2信号補
    正手段は、前記干渉回避方向の増速指令値に応じたパイ
    ロット圧を出力する比例電磁減圧弁と、前記第2フロン
    ト部材の操作手段のパイロット圧を第2フロント部材の
    流量制御弁に導く経路に配置され、前記比例電磁減圧弁
    のパイロット圧と前記第2フロント部材の操作手段のパ
    イロット圧の高い方を選択するシャトル弁とを含むこと
    を特徴とする建設機械の干渉防止装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の建設機械の干渉防止装
    置において、前記第1フロント部材の操作手段のパイロ
    ット圧を検出する手段を更に備え、前記第4演算手段
    は、前記パイロット圧の検出値と前記第1制限値の小さ
    い方を選択し、この選択した値を前記補正操作信号とし
    て用い前記干渉回避方向の増速指令値を計算することを
    特徴とする建設機械の干渉防止装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜12記載の建設機械の干渉防
    止装置において、前記第1フロント部材が油圧ショベル
    のブームであり、前記第2フロント部材が油圧ショベル
    のアームであり、前記信号補正手段が補正する第1フロ
    ント部材の操作信号は前記ブームの上げ方向の操作信号
    であり、前記第2フロント部材の操作信号は前記アーム
    のダンプ方向の操作信号であることを特徴とする建設機
    械の干渉防止装置。
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