JP3465545B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP3465545B2
JP3465545B2 JP23433997A JP23433997A JP3465545B2 JP 3465545 B2 JP3465545 B2 JP 3465545B2 JP 23433997 A JP23433997 A JP 23433997A JP 23433997 A JP23433997 A JP 23433997A JP 3465545 B2 JP3465545 B2 JP 3465545B2
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fuel
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和忠 桃田
武彦 重岡
光春 冨岡
督郎 ▲かり▼田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体燃料を気化させ
この気化ガスをノズルから噴出させて燃焼させる燃焼装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の燃焼装置は種々のものが提
案されていて、灯油等を気化させた液体燃料ガスを燃焼
させるものがある。このような燃焼装置は図5に示すよ
うに構成されている。以下この液体燃料ガスを燃焼させ
る燃焼装置を例にして説明する。
【0003】図5において、まずタンク26の燃料はポ
ンプ27によって高温に保持された気化部28に供給さ
れる。そして供給された燃料は、気化部28内に設けら
れたセラミック多孔体や金網等の気化促進材(図示せ
ず)で気化されて気化ガスとなって気化部28内で高圧
となり、ノズル29より水平方向に噴出される。このノ
ズル29から噴出された燃料は、エジェクタ効果により
一次空気を吸引しながら気化部28の下流側に離れて設
けた混合管30内に噴出され、ここで混合されて混合管
30と一体のライン形状のバーナ部31に供給され燃焼
が行われる。この燃焼により生じた燃焼ガスは、バーナ
部31の周囲を覆うように配設された燃焼筒32で上方
へ導かれ、前記燃焼筒32を覆ったダクト33で送風機
34からの室内空気流と混合され、温風として室内に放
出されて暖房に利用される。そして、この燃焼装置はポ
ンプ27の駆動周波数や印加電圧を変えて燃料供給量を
調節すると、一次空気量もそれにつれて増減し、燃料と
空気の比が一定に保たれたまま燃焼量を変えることがで
きるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成の燃焼装置は、長期間保存され酸化した
変質油や、異種成分を混入した異種油などの不良灯油を
燃料として使用すると、気化部28の燃料を気化する気
化促進材の多孔部にタール生成して目詰まりを起こし、
気化不良による燃焼不良を生じてしまう。さらに気化促
進材の目詰まりが進むと目詰まり自身によって燃焼不良
を生じてしまうという問題があった。
【0005】例えば、目詰まりを生じて気化不良が進む
と、気化部28の内圧があまり高くならずにノズル34
からの気化ガスの噴出が弱くなるとともに、気化されな
い状態で燃料がノズル29より噴出したりして、噴出に
よるエジェクタ効果も弱まって一次空気の吸引量が少な
くなりバーナ部31の燃焼状態が悪くなってしまい、脈
燃焼を起こしたりして、ついには失火に至る。
【0006】また、気化促進材の目詰まりが進み、特に
気化部28の燃料入り口近傍の気化促進材の目詰まりが
発生すると、気化部28への燃料供給が阻害されるた
め、燃料の供給量が制限され気化量が減少し、気化部2
8の内圧は高くなっても燃焼量が減少する。このため燃
焼は徐々に微弱燃焼となって燃焼限界以下となり燃焼不
良を伴って、ついには失火状態に至る。
【0007】ここで、最終的な燃焼不良を生じる原因
は、気化不良によるものかあるいは目詰まりによるもの
かは、気化促進材に与えられる温度分布等の温度条件さ
らに、気化促進材の気孔径や気孔率等の条件に大きく左
右され、一般的に気化促進材の温度が低い場合は前者の
気化不良により、温度が高い場合は後者の目詰まりに起
因するものである。また、気化促進材の気孔径が大きく
気孔率が大きくて粗である場合は前者の気化不良によ
り、気化促進材の気孔径(気化促進材で仕切られる空間
の大きさ)が小さく気孔率(気化促進材の空間率)が小
さく密である場合は後者の目詰まりにより発生しやすい
ものである。
【0008】そして燃焼装置は、上述のような気化不良
や目詰まりなどで燃焼不良が生じ、臭気や失火現象が発
生する前に燃焼センサーなどで異常を検知して機器の運
転を停止するようになっている。このように、短時間で
頻繁に発生する気化促進材のタール生成による目詰まり
などで起こる気化不良は機器の使い勝手を著しく低下さ
せるという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するた
め、本発明は燃料を供給する燃料供給手段と、供給され
た燃料を気化させる気化部と、この気化部を加熱するヒ
ータと、気化部で気化したガスを噴出させるノズルと、
ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部とを備
え、前記気化室にはノズル部に連通し、送油パイプを連
接した気化キャップを一体化して燃料を気化する円筒状
の気化室を設け、前記気化室には複数本の軸線の間に多
数の植毛線を挟み込み前記軸線をねじって形成した円筒
ブラシ形状の気化エレメントを配設すると共に、前記気
化室の内周面の全域又は一部にネジ切り加工などで凹凸
形状を施し、前記気化室内周面の凹凸部に前記気化エレ
メントの植毛線を密着して装着した構成としてある。
【0010】そして、気化室に入った燃料は気化してノ
ズルより噴出され燃焼されるが、そのときに不良燃料が
混入されると、まず気化室16に入った燃料はノズルま
で到達される過程で徐々に気化していき、その際、正常
な燃料の気化ガスと一緒に燃料の不良成分は気化不十分
の燃料気化ガスとして気化室の入り口からノズル側にま
っすぐ流れ、その途中で、気化エレメントの多数の植毛
線に触れてタール成分として捕集される。
【0011】さらに、気化不十分の燃料気化ガスの一部
が気化エレメントで捕集されずにノズル側に流れていっ
たとしても、気化室の内周面の全域又は一部にねじ切り
加工などで凹凸形状を施した構成としてあるので、有効
気化面積が増大し気化不十分の燃料気化ガスは、正常な
燃料の気化ガスと混合が促進され、細粒化が進み、それ
と同時に高温となっているノズル側の気化室と密着して
高温となった気化エレメントの植毛線に触れて、気化不
十分の燃料気化ガスは気化が促進されるようになる。そ
して、ノズルに到達する気化ガスは、気化不十分の燃料
気化ガスを殆ど含まないようになり、含んでも細粒化さ
れているので、ノズルから噴出される気化ガスは安定し
て噴出され燃焼も安定するようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1の燃焼装置は、燃料を供
給する燃料供給手段と、供給された燃料を気化させる気
化部と、この気化部を加熱するヒータと、気化部で気化
したガスを噴出させるノズルと、ノズルから噴出したガ
スを燃焼させるバーナ部とを備え、前記気化室にはノズ
ル部に連通し、送油パイプを連接した気化キャップを一
体化して燃料を気化する円筒状の気化室を設け、前記気
化室には複数本の軸線の間に多数の植毛線を挟み込み前
記軸線をねじって形成した円筒ブラシ形状の気化エレメ
ントを配設すると共に、前記気化室の内周面を凹凸形状
とし、前記気化室内周面の凹凸部に前記気化エレメント
の植毛線を密着して装着した構成としてある。
【0013】そして、気化室の内周面を凹凸を有する形
状として、気化エレメントとの接触面積を増大させるこ
とで、気化エレメントへの熱伝導をよくし、気化エレメ
ントの温度を上昇させることができる。また、前記気化
室の内周面の凹凸部に前記気化エレメントの端部を密着
して装着することで気化ガスの通過経路を密に構成する
ことができると共に気化ガスの流れを乱し、不連続にす
ることができるため、タール成分がノズル側に通過する
のを防止することができる。つまり、気化室に入った燃
料は気化してノズルより噴出され燃焼されるが、そのと
き不良燃料が混入していると、まず入り口側から入った
燃料はノズルまで到達する過程で徐々に気化していき、
その際、正常な燃料の気化ガスと一緒に燃料の不良成分
は気化不十分の状態で気化室の入り口からノズル側にま
っすぐ流れ、その途中で、気化エレメントに触れてター
ル成分として捕集される。しかし、気化不十分の燃料気
化ガスの一部は気化エレメントで捕集されずにノズル側
に流れていく。このとき、気化室の内周面の全域又は一
部にねじ切り加工などで凹凸形状を有する構成としてあ
るので、有効気化面積が増大し気化不十分の燃料気化ガ
スは、正常な燃料の気化ガスと混合が促進され、細粒化
が進み、それと同時に高温となっているノズル側の気化
室と密着して高温となった気化エレメントに触れて、気
化不十分の燃料気化ガスは気化が促進されるようにな
る。そして、ノズルに到達する気化ガスは、気化不十分
の燃料気化ガスを殆ど含まないようになり、含んでも細
粒化されているので、ノズルから噴出される気化ガスは
安定して噴出され、燃焼も安定するようになる。
【0014】
【0015】そして、気化室の内周面に設けた凹凸部に
密着するように装着して、気化エレメントの植毛線への
熱伝導をよくし、温度を上げることにより気化エレメン
トを通過する燃料を効果的に気化すると共に気化室の内
周面と気化エレメント端部の当接部近傍の気化ガス流通
経路を密にして気化されない状態の燃料がノズル側に流
入するのを防止している。
【0016】また、請求項の燃焼装置は、気化室の内
周面にネジ切り加工部を備えたものである。
【0017】そして、比較的加工性の良い、ネジ切り加
工で気化室の内周面に凹凸を設けるようにして、タール
として捕集される気化室の容積を増大し、タール生成に
よる目詰まりを抑制して、長寿命化を図ると共に気化室
の内周面の表面状態或いは温度条件によって発生する燃
料の膜沸騰現象を気化室の内周面にネジ切り加工で凹凸
を設けることにより、燃料の流れを乱し不連続とするこ
とで防止し、脈燃焼等の異常燃焼を回避するようにして
いる。なお、ネジ切り加工部は気化室の内周面の全域ま
たは一部に備えてもよい。
【0018】また、請求項の燃焼装置は、気化室の内
周面に複数種のネジ切り加工部を備えたものである。
【0019】そして、気化室の内周面の凹凸状態を変化
させることにより、気化室の内周面に沿って流れる燃料
の乱流状態をさらに激しくして気化室の内周面で発生し
やすい燃料の膜沸騰現象を防止し、脈燃焼等の異常燃焼
を回避するようにしている。例えば、ノズル側の気化室
の内径が燃料入口側の気化室の内径よりも小とした場
合、ノズル側と燃料入口側のネジ種を個々に設定するこ
とによって、ノズル側と燃料入口側の気化室の内周面の
凹凸形状を変化させることができ、供給される燃料の通
過形態を乱し不連続にすることができるため、燃料が気
化室の内周面に衝突するときに発生する膜沸騰を気化室
を通過するまでに解消することができ、ノズル側に気化
されない状態の燃料が流入することがなくなる。また、
請求項の燃焼装置は、気化室の内周面に複数の異なる
内径部にネジ切り加工部を備えたものである。
【0020】そして、気化室内に複数の異なる内径部を
設け、それぞれにねじ切り加工を施し気化室の内周面に
凹凸形状を設けることにより、燃料の通過形態をさらに
乱すことができ、燃料が気化室の内周面に衝突するとき
に発生する膜沸騰を完全に解消することができる。ま
た、ノズル側の気化室の内径が燃料入口側の気化室の内
径よりも小とした場合はネジのピッチを同じにすること
で複数の下穴に一工程で簡単に加工することができる。
【0021】また、請求項の燃焼装置は、気化キャッ
プの内周面にネジ切り加工部を備えたものである。
【0022】そして、燃料の気化が燃料入口側で行われ
る中燃焼〜微弱燃焼時の耐タール性の向上、脈燃焼の防
止に効果を発揮するものである。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。
【0024】(実施例1)まず図2にて本発明の実施例
1の燃焼装置を用いた温風暖房機の構成を説明する。
【0025】図2において、1は本体ケースで、その下
方側部に液体燃料を保有するタンク2と、そのタンク2
上部に着脱自在なカートリッジタンク3が配設してあ
る。4はタンク2の上面に取付けたポンプで、その上端
から送油パイプ5を導出して燃焼装置6に燃料を供給す
るようになっている。7は燃焼装置6からの燃焼排ガス
を上方へ導く燃焼筒で、その背部に室内空気を取入れ送
出する送風機8が配設してある。9は上記燃焼筒7から
の燃焼排ガスと室内空気流を混合して温風にするダクト
である。10は前記燃焼装置6の燃焼や送風機8を制御
する制御部で、操作部から入力される運転条件信号に基
づいてポンプ4や送風機8などを予め決められたシーケ
ンスで制御するようになっている。
【0026】図1は本発明の実施例1の燃焼装置の構成
図である。上記燃焼装置の構成を図1を用いて説明す
る。11は気化部で、その上部に円形のバーナ受け座1
2を設け、前記バーナ受け座12のほぼ中央に位置する
ようにノズル13を配置し、前記バーナ受け座12とノ
ズル13の間に燃焼用空気を供給する一次空気取り入れ
用の開口14を設け、そして、前記ノズル13に連通す
る連通口15を介して円筒状の気化室16を外周方向に
伸ばして一体形成してある。
【0027】この気化室16は送油パイプ5を連接した
気化キャップ20を気化部11にロー付等で固定して形
成してある。
【0028】この気化室16には、複数本の軸線17の
間に多数の植毛線18を挟み込み前記軸線17をねじっ
て形成した円筒ブラシ形状の気化エレメント19を配設
してある。そして、16Aは気化室16の内周面の全域
又は一部に設けたねじ切り加工部である。また、ノズル
13の反対側の気化室16には燃料を供給する気化キャ
ップ20を配設してある。また上記気化部11の気化室
16の反対側のバーナ受け座12の下面側に沿うように
ヒータ21を配設してある。
【0029】22は上記ノズル13の上方に位置する如
くバーナ受け座12に載置した無底筒状の混合管で、前
記ノズル13と対向しており、ノズル13から噴出され
た燃料気化ガスとその燃料気化ガスの噴出によるエジェ
クタ効果で吸引する一次空気とを混合させるようになっ
ている。23は前記混合管22を覆う如く上開口部側か
らバーナ受け座12に重ねて覆着した有天筒状のバーナ
部で、下部周壁に多数の炎孔23Aを形成してある。2
4は炎孔23Aの外周部を囲む如くバーナ受け座12に
取り付けた上向きテーパー状のバーナリング、25はバ
ーナ受け座12に形成した受熱部である。
【0030】つぎに作用について説明すると、上記構成
において、カートリッジタンク3から一定油面を保つよ
うにタンク2に供給されている液体燃料は、ポンプ4に
よってタンク2から吸い上げられ、送油パイプ5、気化
キャップ20を介して気化室16に送られる。送られた
燃料はヒータ21で所定温度以上に保たれた気化室16
内で気化し高圧の燃料ガスとなってノズル13から噴出
され、その際エジェクタ効果により一次空気を吸引しな
がら気化室16の下流側に設けた混合管22内で混合さ
れてバーナ部23内に供給され、炎孔23Aから噴出し
て燃焼される。そして生じた燃焼排ガスは燃焼筒7の上
方へ流れ、ダクト9内で送風機8からの室内空気流と混
合され、温風として排出されて暖房に利用される。そし
て、制御部10は操作部で設定された条件に基づいて、
ヒータ21、ポンプ4、送風機8などを予め決められた
シーケンスで制御して、運転の開始、停止、また燃焼量
の可変等の運転制御をする。
【0031】次に上記バーナ部23の燃焼について説明
する。ノズル13より噴出された燃料気化ガスは、エジ
ェクタ効果により一次空気を吸引しながら気化室16の
下流側に設けた混合管22内で流れ込んでここで混合さ
れ、混合管22の上開口部からバーナ部23内に放出さ
れて混合管22外周を折り返し流れて、バーナ部23の
下方の周壁に設けた多数の炎孔23Aから噴出し、燃焼
する。
【0032】このとき上記混合ガスはバーナ部23に折
り返して混合管22の周囲を流れ、この部分で拡散混合
及び圧力の均一化が促進されて炎孔23Aから均一に噴
出し、均一な火炎を形成する。この火炎はその外周に位
置するように設けたバーナリング24によって上方向き
になるようその火炎形成方向を制御され、リフトのない
安定した燃焼を行うようになる。また、受熱フランジ2
5はバーナ部23の炎孔23Aに形成される火炎で加熱
され、この火炎からの熱回収作用によって、気化室16
の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ21へ
の通電の一部或いは全部を軽減することが可能となる。
【0033】ここで、上記の如く気化室16には円筒ブ
ラシ形状の気化エレメント19を配設してあるので、気
化室16に入った燃料は気化してノズル13より噴出さ
れ燃焼されるが、そのときに不良燃料が混入されると、
まず気化キャップ20に入った燃料はノズル13まで到
達される過程で徐々に気化し、その際正常な燃料の気化
ガスといっしょに燃料の不良成分は気化不十分の燃料気
化ガスとして気化室の入口からノズル13側にまっすぐ
流れ、その途中で気化エレメント19の多数の植毛線1
8に触れてタール成分として捕集される。
【0034】さらに、気化不十分の燃料気化ガスの一部
が気化エレメント19で捕集されずにノズル13側に流
れていったとしても、気化室の内周面の全域又は一部に
ねじ切り加工部16Aを施した構成としてあるので有効
気化面積が増大し気化不十分の燃料気化ガスは、正常な
燃料の気化ガスと混合が促進され細粒化が進み、それと
同時に高温となっているノズル13側の気化室と密着し
て高温となった気化エレメントの植毛線18に触れて、
気化不十分の燃料気化ガスは気化が促進されるようにな
る。そして、ノズル13に到達する気化ガスは、気化不
十分の燃料気化ガスを殆ど含まないようになり含んでも
細粒化されているので、ノズル13から噴出される気化
ガスは安定して噴出され燃焼は安定するようになる。
【0035】また、気化室の内周面の全域又は一部にね
じ切り加工部16Aを施した構成としてあるので、ター
ルとして捕集される気化室の容積が増大され、その分タ
ール生成による目詰まりを抑制でき、長寿命化が図れ
る。
【0036】さらに、気化室の内周面の表面状態或いは
温度条件によって、気化室16に入った燃料が膜沸騰を
起こし気化がスム−ズに行われず脈燃焼等の異常燃焼を
引き起こすという課題があったが、気化室の内周面の全
域又は一部にねじ切り加工部16Aを施した構成として
あるので、燃料の流れを乱し不連続とすることによっ
て、気化遅れによる膜沸騰を防止でき脈燃焼等の異常燃
焼を防止することができる。
【0037】(実施例2)図3は本発明の実施例2の燃
焼装置の構成図である。
【0038】図3において、気化室16の内周面の全域
又は一部に複数種のネジ切り加工部16A、16Bを施
して構成したものである。たとえばノズル13側の気化
室16の内径が燃料入口側の気化室16の内径よりも小
とした場合、ノズル13側と燃料入口側のネジ種を個々
に設定することによって、ノズル側と燃料入口側の気化
室16の内周面の凹凸形状を変化させることができ、供
給される燃料の通過形態を乱し不連続にすることができ
るため、燃料が気化室16の内周面に衝突するときに発
生する膜沸騰を気化室16を通過するまでに解消するこ
とができ、ノズル側に気化されない状態の燃料が流出す
ることがなくなる。また、様々な気化室16の形状に対
応することも可能となる。
【0039】また、気化室16内を異なる複数の径で構
成し、その内周面の全域又は一部にネジ切り加工部16
A、16Bを施して構成したものにおいては、気化室1
6内に挿入する気化エレメントと気化室16の内周面と
の当接部がさらに複雑な形状となりその部分を通過する
燃料の通過形態をさらに乱すことができ、燃料が気化室
16の内周面に衝突するときに発生する膜沸騰を完全に
解消することができ脈燃焼等の異常燃焼を回避すること
ができる。また、ノズル13側の気化室16の内径が燃
料入口側の気化室16の内径よりも小として構成した場
合はネジのピッチを同じにすることで複数の下穴に一工
程で簡単に加工することができる上述したように、気化
室16に入った燃料は気化してノズル13より噴出され
燃焼されるが、そのときに不良燃料が混入されると、ま
ず入り口側から入った燃料はノズル13まで到達される
過程で徐々に気化していき、その際、正常な燃料の気化
ガスといっしょに燃料の不良成分は気化不十分の燃料気
化ガスとして気化室16の入り口からノズル13側にま
っすぐ流れ、その途中で、気化エレメント19の多数の
植毛線18に触れてタール成分として捕集される。
【0040】さらに、気化不十分の燃料気化ガスの一部
が気化エレメント19で捕集されずにノズル13側に流
れていったとしても、気化室16の内周面の全域又は一
部にねじ切り加工部16A、16Bを施した構成として
あるので有効気化面積が増大し気化不十分の燃料気化ガ
スは、正常な燃料の気化ガスと混合が促進され、細粒化
が進み、それと同時に高温となっているノズル13側の
気化室16と密着して高温となった気化エレメント19
の植毛線18に触れて、気化不十分の燃料気化ガスは気
化が促進されるようになる。そして、ノズル13に到達
する気化ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを殆ど含ま
ないようになり、含んでも細粒化されているので、ノズ
ル13から噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼
も安定するようになる。
【0041】さらに、気化室の内周面の表面状態或いは
温度条件によって、気化室16に入った燃料が膜沸騰を
起こし気化がスム−ズに行われず脈燃焼等の異常燃焼を
引き起こすという課題も、気化室16の内周面の全域又
は一部にねじ切り加工を施した構成とすることで、燃料
の流れが乱れ不連続となることで、気化遅れによる膜沸
騰を防止でき脈燃焼等の異常燃焼を回避することができ
る。
【0042】(実施例3)図4は本発明の実施例3の燃
焼装置の構成図である。
【0043】図4は、気化室16を形成する気化キャッ
プ20の内周面にネジ切り加工部16Cを施して構成し
たものである。
【0044】気化室16に入った燃料は気化室16を通
過する過程で気化されノズル13より噴出され燃焼され
る訳であるが、燃焼量が少なくなるに従い、燃料の気化
するポイントは燃料の入り口側近傍となる。そのため、
入り口側近傍に配設されている気化キャップ20の内周
面にネジ切り加工部16Cを施して凹凸形状を設けるこ
とで燃焼量が少ないときに気化が行われる部分の有効気
化面積を増大し、気化促進を行うと共に気化エレメント
との当接部における燃料の通過形態を複雑にすることが
でき燃料が気化室の内周面に衝突するときに発生する膜
沸騰を解消することができ脈燃焼等の異常燃焼を回避す
ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1の燃焼装置によれ
ば、気化室の内周面に設けた凹凸部に密着するように装
着して、気化エレメントへの熱伝導をよくし、温度を上
げることにより気化エレメントを通過する燃料を効果的
に気化すると共に気化室の内周面と気化エレメント端部
の当接部近傍の気化ガス流通経路を密にして気化されな
い状態の燃料がノズル側に流入するのを防止するとがで
きる。
【0046】また、気化室の内周面を凹凸を有する形状
として、複数本の軸線の間に多数の植毛線を挟み込み前
記軸線をねじって形成した略円筒ブラシ形状の気化エレ
メントとの接触面積を増大させることで、気化エレメン
トへの熱伝導をよくし、気化エレメントの温度を上昇さ
せることができる。また、前記気化室の内周面の凹凸部
に前記気化エレメントのブラシ状に形成した端部を密着
して装着することで気化ガスの通過経路を密に構成する
ことができると共に、気化ガスの流れを乱し、不連続に
することができるため、タール成分がノズル側に通過す
るのを防止することができる。
【0047】また、請求項の燃焼装置によれば、比較
的加工性の良い、ネジ切り加工で気化室の内周面に凹凸
を設けるようにして、タールとして捕集される気化室容
積を増大し、タール生成による目詰まりを抑制して、長
寿命化を図ると共に気化室の内周面の表面状態或いは温
度条件によって発生する燃料の膜沸騰現象を気化室の内
周面にネジ切り加工で凹凸を設けることにより、燃料の
流れを乱し不連続とすることで防止し、脈動燃焼等の異
常燃焼を回避することができる。
【0048】また、請求項の燃焼装置によれば、気化
室の内周面の凹凸状態を変化させることにより、気化室
の内周面に沿って流れる燃料の乱流状態をさらに激しく
して気化室の内周面で発生しやすい燃料の膜沸騰現象を
防止し、脈動燃焼等の異常燃焼を回避することができ
る。
【0049】また、請求項の燃焼装置によれば、気化
室内通部に複数の異なる内径部を設け、それぞれにねじ
切り加工を施し、気化室の内周面に凹凸形状を設けるこ
とにより、燃料の通過形態をさらに乱すことができ、燃
料が気化室の内周面に衝突するときに発生する膜沸騰を
完全に解消することができる。また、ノズル側の気化室
の内径が燃料入口側の気化室の内径よりも小とした場合
はネジのピッチを同じにすることで複数の下穴に一工程
で簡単に加工することができる。
【0050】また、請求項5の燃焼装置によれば、燃料
の気化が燃料入口側で行われる中燃焼〜微弱燃焼時の耐
タール性の向上、脈動燃焼の防止に効果を発揮するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における燃焼装置の構成図
【図2】同燃焼装置を用いた温風暖房機の構成図
【図3】本発明の実施例2における燃焼装置の構成図
【図4】本発明の実施例3における燃焼装置の構成図
【図5】従来の燃焼装置を用いた温風暖房機の構成図
【符号の説明】
11 気化部 13 ノズル 16 気化室 16A,16B,16C ネジ切り加工部 17 軸線 18 植毛線 19 気化エレメント 20 気化キャップ 21 ヒータ 23 バーナ部
フロントページの続き (72)発明者 ▲かり▼田 督郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−170812(JP,A) 特開 昭49−23333(JP,A) 特開 平6−254570(JP,A) 特開 平8−327020(JP,A) 実開 平2−147619(JP,U) 実開 昭59−124827(JP,U) 実開 昭62−2631(JP,U) 実開 平6−19859(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/02 F23D 11/40 - 11/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を供給する燃料供給手段と、供給さ
    れた燃料を気化させる気化部と、この気化部を加熱する
    ヒータと、気化部で気化したガスを噴出させるノズル
    と、ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部とを
    備え、前記気化室にはノズル部に連通し、送油パイプを
    連接した気化キャップを一体化して燃料を気化する円筒
    状の気化室を設け、前記気化室には複数本の軸線の間に
    多数の植毛線を挟み込み前記軸線をねじって形成した円
    筒ブラシ形状の気化エレメントを配設すると共に、前記
    気化室の内周面を凹凸形状とし、前記気化室内周面の凹
    凸部に前記気化エレメントの植毛線を密着して装着した
    燃焼装置。
  2. 【請求項2】 気化室の内周面にネジ切り加工部を備え
    た請求項記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】 気化室の内周面に複数種のネジ切り加工
    部を備えた請求項記載の燃焼装置。
  4. 【請求項4】 気化室の内周面に複数の異なる内径部に
    ネジ切り加工部を備えた請求項記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】 気化キャップの内周面にネジ切り加工を
    施した請求項記載の燃焼装置。
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