JP2870416B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液体燃料を気化させこの
気化ガスをノズル部から噴出させて燃焼させる燃焼装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の燃焼装置は図４に示すよう
に、タンク２８にカートリッジタンク２９から燃料が供
給され、同タンク２８の燃料はポンプ３０によって気化
部３１に供給される。そしてこの気化部３１で気化され
て燃料ガスとなり、ノズル部３２より水平方向に噴出さ
れる。このノズル部３２から噴出された燃料は、エジェ
クタ効果により一次空気を吸引しながら気化部３１の下
流側に離れて設けた混合管３３内に噴出されここで混合
して、混合管３３と一体のライン形状のバーナ部３４に
供給され、そこで燃焼される。生じた燃焼ガスは、バー
ナ部３４の周囲を覆うように配設された燃焼筒３５で上
方へ導かれ、燃焼筒３５を覆ったダクト３６で送風機３
７からの室内空気流と混合され、温風として排出されて
暖房に利用される。そして、この燃焼装置はポンプ３０
の駆動周波数や印加電圧を変えて燃料供給量を調節する
と、一次空気量もそれにつれて増減し、燃料と空気の比
が一定に保たれたまま燃焼量を変えることができるよう
になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成の燃焼装置は、バーナ部３４が横長のライン形状
となっているため、火炎が左右均一になり難く、どうし
ても両端の燃焼が乱れやすい傾向があり、そして燃焼炎
が真上に吹き出されるため、流れを抑えることが難し
く、リフト燃焼を生じやすいという課題があった。ま
た、経年的にも、ライン形状であるため温度の不均一に
よって、バーナ部３４が変形しやすいという課題もあっ
た。さらに、気化部３１と離れて、混合管３３、バーナ
部３４を配設するため、バーナ部３４の熱を気化部３１
に回収するようにする構成が取り難い問題や、バーナ部
３４が横長であるため、機器の寸法も横長になるという
課題もあった。

【０００４】従来このような課題を解決するために、図
５に示すような燃焼装置が提案されている。すなわちこ
の燃焼装置は、タンク３８の上面にポンプ３９が取りつ
けられ、ポンプ３９には送油パイプ４０の一端が接続さ
れている。この送油パイプ４０の他端は円形の気化部４
１に接続され、前記ポンプ３９によってタンク３８から
送られた油は気化部４１内に形成した気化室４２に送り
込まれる。

【０００５】前記気化室４２はその中央に混合管４３を
配設して、該混合管４３を取り囲むようドーナツ形状に
構成していて、そしてその周壁にヒータ４４が埋設して
あり、かつ気化室４２の送油パイプ４０入口に対し混合
管４３とは反対側にノズル部４５へ連なる連通路４６が
設けてある。

【０００６】上記ノズル部４５には戻りパイプ４７が取
りつけられており、この戻りパイプ４７の他端には電磁
ソレノイド４８が接続されている。また電磁ソレノイド
４８の戻りパイプ４７とは反対側は前記タンク３８に連
通させてあり、電磁ソレノイド４８にはノズル部４５の
ノズル部穴５０の開閉を行うニードル４９が設けてあ
る。

【０００７】そして前記混合管４３の出口を覆うように
気化部４１の上部に載置したバーナ筒５１が設けてあ
り、バーナ筒５１の周壁に形成した炎孔５２に形成され
る燃焼炎によって気化部４１上部のフランジ５３が加熱
されるように構成してある。

【０００８】上記構成において、気化室４２はヒータ４
４によって所定温度まで加熱され、送油パイプ４０入口
から入った油を連通路４６に至る過程で気化させる。気
化されたガスは気化室４２下部にある前記連通路４６を
通って下方に流れノズル部４５に達する。

【０００９】ここで気化部４１が所定温度に達すると前
記ニードル４９が開き、気化されたガスがノズル部穴５
０より噴出する。気化ガスは前記気化部の中央に設けら
れた混合管４３に向け勢いよく流れ、それに応じて前記
混合管４３下端とノズル部４５の間より一次空気を巻き
込み混合管４３出口からバーナ筒５１内にかけて混合
し、バーナ筒５１の外周にて着火され燃焼炎を生成して
燃焼を行なう。

【００１０】このような構成の燃焼装置では、混合管４
３の外周を混合ガスが折り返し流れて、バーナ部の下方
周壁に設けた多数の炎孔５２から混合ガスを均一に噴出
させて燃焼させるため、火炎が均一になり、かつ燃焼炎
が外周方向に噴出されるがこれは燃焼炎の外周にバーナ
リング５４を設けて燃焼炎が上方に流れるようにすると
いった簡単な構成でリフト炎を抑えることができるよう
になる。そして、気化部４１はその上部フランジ５３が
バーナ筒５１の周壁に形成した炎孔５２に形成される燃
焼炎によって加熱されるとともに、バーナ筒５１からの
熱伝導によって気化部４１が加熱され、その熱回収作用
によってヒータ４４へ通電しなくても気化を継続し、燃
焼を継続すなわち自燃焼するようになり、省電力が図ら
れる。

【００１１】しかしながら上記従来の構成では次のよう
な課題があった。すなわち、混合管４３の外周にこれを
とり囲むようにして気化部４１を形成しているため気化
部４１自体が大型化し、気化部４１のコンパクト化が困
難であると共に、気化部４１の熱容量が増えて運転開始
時気化部４１を所定温度まで加熱するのに時間がかか
る、すなわち着火までの時間が長くなるという課題があ
った。

【００１２】更に、混合管４３をとり囲んだ気化部４１
はドーナツ状の円盤となるため、例えば燃料の円滑な気
化を行わせタールの生成を押さえるための気化素子を気
化室４２内に充填することが困難となり、気化素子選択
が限定される。また、気化室４２内の温度勾配を設ける
ことができず、気化室４２内の送油パイプ４０入口近傍
とノズル部４５側の温度がほぼ同じとなるため、燃焼を
安定させようとして気化ガスの温度を高くすると気化室
４２の送油パイプ４０入口近傍で気化をして、その部分
でタール生成をして気化室４２に燃料が入るのを阻害す
る。特に気化潜熱の少ない微弱燃焼の場合は、ポンプ３
９の燃料供給力も小さいため、いっそう気化室４２内の
送油パイプ４０入口近傍にたまりやすく、相乗的に、タ
ール特性が悪くなる。またそのため、気化温度を低くし
ようとすると、気化ガスの温度も低くなり、気化潜熱を
多く必要とする強燃焼ではいっそう気化状態が不十分に
なり燃焼が不安定になるため、さほど低くできずタール
性能の向上を十分に図ることができないという課題があ
った。

【００１３】また、ノズル部４５が気化部４１の下面側
に回り込んで離れているために、気化部４１とノズル部
４５とが熱的に大きく離れたようなかたちとなり、ノズ
ル部４５の温度が低下するとともに、気化室４２よりも
ノズル部４５が下方に位置することから高温となった気
化ガスは気化室４２上部に留まって、低温の気化しきっ
ていないガスや油が下部の連通路４６を介してノズル部
４５に流れるようなかたちとなり、気化ガスが流れにく
く、かつ低温のガスやノズル部４５が低温のために気化
ガスが連通路４６からノズル部４５にかけてタール化し
やすかったり、燃焼が安定しないという課題があった。

【００１４】本発明は上記課題を解決したもので、燃焼
装置のコンパクト化を図りつつ良好な燃焼ができるよう
にすることを第１の目的とし、熱回収による省電力とい
う利点を生かしながら着火時間を短縮することを第２の
目的とし、更に気化ガスのタール化を抑制することを第
３の目的としたものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、燃料を気化させる気化部と、この気化部を加
熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴出させるノ
ズル部と、ノズル部から噴出したガスを燃焼させるバー
ナ部を備え、前記気化部は前記バーナ部を載置し保持す
る円形のバーナ受け座を設け、前記バーナ受け座のほぼ
中央に位置するようにノズル部を配置し、前記バーナ受
け座とノズル部の間にバーナ部に空気を供給する開口を
設け、前記ノズル部に連通する連通口を介してその先端
部分がバーナ受け座近傍に位置させた円筒状の燃料を気
化する気化室を外周方向に伸ばして一体形成して配設す
るとともに、前記ノズル部の反対側の気化室の端部に燃
料を供給する給油口を配設し、かつ前記気化室の反対側
のバーナ受け座の下面側のおよそ半周に沿うようにＵ字
型のヒータを配設して該ヒータ部分が気化室から離して
構成してある。

【００１６】また、上記バーナ部に空気を供給する開口
はバーナ載置部からノズル部装着部まで延びる温度を検
知する温度検出手段を配設したリブ部を残してくり抜い
てあり、該リブ部とノズル部と連通口と気化室が一直線
上に並べて構成してある。

【００１７】そしてまた、燃料を気化させる気化部と、
この気化部を加熱するヒータと、気化部で気化したガス
を噴出させるノズル部と、ノズル部から噴出したガスを
燃焼させるバーナ部と、バーナ部を覆いバーナ部で生じ
た燃焼排ガスを上方へ導く燃焼筒と、燃焼筒を覆い前記
燃焼排ガスと送風機からの室内空気流と混合し温風とす
るダクトとを備え、前記気化部は前記バーナ部を載置し
保持する円形のバーナ受け座を設け、前記バーナ受け座
のほぼ中央に位置するようにノズル部を配置し、前記バ
ーナ受け座とノズル部の間にバーナ部に空気を供給する
開口を設け、前記ノズル部に連通する連通口を介してそ
の先端部分がバーナ受け座近傍に位置させた円筒状の燃
料を気化する気化室を外周方向に伸ばして配設するとと
もに、前記ノズル部の反対側の気化室の端部に燃料を供
給する給油口を配設し、かつ、対流用送風機からの空気
流で前記気化室の給油口側から冷却するよう構成してあ
る。

【００１８】

【作用】本発明は、上記の如く気化部に、バーナ受け
座、ノズル部装着部、一次空気取入れ用開口および気化
室を一体形成しているので、気化部はコンパクトな形に
設計することができ、またバーナ受け座からバーナ部の
熱を伝達して熱回収による省電力という利点を生かしな
がらコスト、着火時間の短縮が可能となる。

【００１９】また、気化室の反対側のバーナ受け座の下
面側のおよそ半周に沿うようにＵ字型のヒータを配設し
て該ヒータ部分が気化室から離して構成してあり、バー
ナ部の燃焼熱はバーナ受け座を介して気化室に伝わって
いくため、そのため伝導熱の経路によって生じる温度勾
配で、気化室の入り口側の温度を低く、そして出口側の
温度を高くでき、タール性の向上ができる。

【００２０】そしてまた、ノズル部が気化部よりも上方
に位置するようにしてあり、気化ガスが気化室より上方
にあるノズル部に向かってスムーズに流れ、しかもその
気化ガスは完全に気化した高温の気化ガスがノズル部に
向かって流れていくので、気化ガスがノズル部でタール
化することはほとんどなくなり、タール性能の向上でき
る。

【００２１】更にバーナ部に空気を供給する開口はバー
ナ受け座からノズル部装着部まで延びる温度を検知する
温度検出手段を配設したリブ部を残してくり抜き、該リ
ブ部とノズル部と連通口と気化室が一直線上に並べて構
成したものにあっては、いっそうリブ部の伝導熱で出口
側の温度を高くしやすくなり、またその温度をリブ部に
設けた温度検出手段で管理でき、更に一次空気取り入れ
用の開口が均等になりバーナ部への空気の流れも均一と
なり、いっそう燃焼の安定性も保てるようになる。

【００２２】また更に上記構成に加え、対流用送風機か
らの空気流で前記気化室の給油口から冷却する構成のも
のにあっては、対流送風機から気化室の給油口を直接冷
却するので、その冷却によって生じる温度勾配で、気化
室の入り口側の温度を低く、そして出口側の温度を高く
することができ、いっそうのタール性の向上ができる。

【００２３】

【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。

【００２４】まず、図１、図２、図３を用いて本発明の
燃焼装置を用いた温風暖房機器の構成を説明すると、１
は本体ケースで、その下方側部に液体燃料を保有するタ
ンク２とそのタンク２の上部に着脱自在なカートリッジ
タンク３が配設してある。４はタンク２の上面に取付け
たしたポンプで、その上端から送油パイプ５を介して燃
焼装置６に燃料を供給するようになっている。

【００２５】７は燃焼装置６からの燃焼ガスを上方へ導
く燃焼筒で、その背部に室内空気流を取入れ送出する送
風機８が配設してある。９は上記燃焼筒７からの燃焼ガ
スと室内空気流を混合して温風にするダクトである。１
０は前記燃焼装置６の燃焼や送風機８を制御する制御部
で、操作部から入力される運転条件信号に基づいてポン
プ４や送風機８などを予め決められたシーケンスで制御
するようになっている。

【００２６】次に上記燃焼装置６の構成を説明すると、
１１は気化部で、その上部に円形のバーナ受け座１２を
設け、前記バーナ受け座１２のほぼ中央に位置するよう
にノズル部１３を配置し、前記バーナ受け座１２とノズ
ル部１３の間に燃焼用空気を供給する一次空気取り入れ
用の開口１４を設け、そして、前記ノズル部に連通する
連通口１５を介してその先端部分がバーナ受け座１２近
傍に位置させた円筒状の気化室１６を外周方向に伸ばし
て一体形成してある。上記気化室１６には、燃料の気化
効率を上げるための気化素子１７が設けてあり、ノズル
部１３の反対側の端部に燃料を供給する給油口１８を配
設してある。また上記気化部１１の気化室１６の反対側
のバーナ受け座１２の下面側のおよそ半周に沿うように
Ｕ字型のヒータ１９を配設して該ヒータ１９部分が気化
室１６から離して構成してある。また、上記一次空気取
り入れ用の開口はバーナ載置部からノズル部装着部まで
延びる温度を検知する温度検出手段を配設したリブ部２
１を残してくり抜いてあり、該リブ部２１とノズル部１
３と連通口１５と気化室１６が一直線上に並べて構成し
てある。

【００２７】そして上記気化部１１は、対流用送風機８
からの空気流で上記気化室１６の給油口１８側から冷却
するよう構成してある。

【００２８】２２は上記ノズル部１３の上方に位置する
如くバーナ受け座１２に載置した無底筒状の混合管で、
上部が若干大径になる上向きテーパー状に形成してあ
る。この混合管２２は入口部がスロート形状に形成され
ていて、前記ノズル部１３と対向しており、ノズル部１
３から噴出された燃料ガスとその燃料ガスの噴出による
エジェクター効果で吸引する一次空気とを混合させるよ
うになっている。

【００２９】２３は前記混合管２２を覆う如く上開口部
側からバーナ受け座１２に重ねて覆着した有天筒状のバ
ーナ筒で、下部周壁に設けた多数の炎孔２４に燃焼部２
５が形成される。２６は炎孔２４の外周部を囲む如くバ
ーナ受け座１２に取り付けた上向きテーパー状のバーナ
リング、２７はバーナ受け座１２に形成した受熱フラン
ジである。

【００３０】上記構成において、カートリッジタンク３
から一定油面を保つようにタンク２に供給されている液
体燃料は、ポンプ４によってタンク２から吸い上げら
れ、送油パイプ５、給油口を介して燃焼装置６の気化室
１６に送られる。送られた燃料はヒータ１９で所定温度
以上に保たれた気化室１６内で気化し高圧の燃料ガスと
なってノズル部１３から噴出され、その際エジェクタ効
果により一次空気を吸引しながら気化室１６の下流側に
設けた混合管２２内で混合されてバーナ筒２３内に供給
され、炎孔２４から噴出して燃焼部２５で燃焼される。
そして生じた燃焼ガスは燃焼筒７の上方へ流れてゆき、
ダクト９内で送風機８からの室内空気流と混合され、温
風として排出されて暖房に利用される。そして、制御部
１０は操作部で設定された条件に基づいて、ヒータ１
９、ポンプ４、送風機８などを予め決められたシーケン
スで制御して、運転の開始、停止、また燃焼量の可変等
の運転制御をする。

【００３１】ここで、上記バーナ筒２３での燃焼につい
てもう少し説明すると、ノズル部１３より噴出された燃
料ガスは、エジェクタ効果により一次空気を吸引しなが
ら気化室１６の下流側に設けた混合管２２内へ流れ込ん
でここで混合され、混合管２２の上開口部からバーナ筒
２３内に放出されて混合管２２外周を折り返し流れて、
バーナ筒２３の下方の燃焼部２５に設けた多数の炎孔２
４から噴出し、燃焼する。

【００３２】このとき上記混合ガスはバーナ筒２３に折
り返され混合管２２の周囲を流れて、この部分で拡散混
合及び圧力の均一化が促進されて炎孔２４から均一に噴
出し、均一な火炎を形成する。そしてこの火炎はその外
周に位置するように設けたバーナリング２６によって上
方向きになるようその火炎形成方向を制御され、リフト
のない安定した燃焼を行うようになる。また、受熱フラ
ンジ２７はバーナ筒２３の燃焼部２５に形成される火炎
で加熱され、この火炎からの熱回収作用によって、気化
室１６の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ
１９への通電の一部或いは全部を軽減することが可能と
なる。

【００３３】そして、この気化部１１に、バーナ受け座
１２、ノズル部１３装着部、一次空気取入れ用開口１４
および気化室１６を一体形成しているので、気化部１１
はコンパクトな形に設計することができ、またバーナ受
け座からバーナ部の熱を伝達して熱回収による省電力と
いう利点を生かしながらコスト、着火時間の短縮が可能
となる。

【００３４】また、気化室１６の反対側のバーナ受け座
１２の下面側のおよそ半周に沿うようにＵ字型のヒータ
１９を配設して該ヒータ１９部分が気化室１６から離し
て構成してあり、燃焼部２５の燃焼熱はバーナ受け座１
２を介して気化室１６に伝わっていくため、そのため伝
導熱の経路によって生じる温度勾配で、気化室１６の入
り口（給油口１８）側の温度を低く、そして出口（ノズ
ル部１３）側の温度を高くできる。つまり、気化室１６
の出口側の温度を上げることにより気化素子１７にたま
るタールの抑制ができ、そして気化室１６の給油口１８
近傍の温度を低くすることにより気化室１６の給油口１
８近傍で気化しないようにしてタール生成させず、気化
室１６に燃料が入る抵抗となるタール生成を防止でき、
トータル的にタール性を向上することができる。

【００３５】そしてまた、ノズル部１３が気化室１６よ
りも上方に位置するようにしてあり、気化ガスが気化室
より上方にあるノズル部１３に向かってスムーズに流
れ、しかもその気化ガスは完全に気化した高温の気化ガ
スとなってノズル部に向かって流れていくので、気化ガ
スがノズル部１３でタール化することはほとんどなくな
り、ノズル部１３のタール性能の向上できる。

【００３６】更に一次空気取り入れ用の開口１４はバー
ナ受け座１２からノズル部１３まで延びる温度を検知す
る温度検出手段２０を配設したリブ部２１を残してくり
抜いて構成してあり、該リブ部２１とノズル部１３と連
通口１５と気化室１６が一直線上に並べてあるので、い
っそうリブ部２１の伝導熱で気化室１６の出口側の温度
を高くすることができ、またその温度をリブ部２１に設
けた温度検出手段２０で管理でき、また一次空気取り入
れ用の開口１４が均等になり混合管２２への空気の流れ
も均一となり、燃焼の安定性も保てるようになる。

【００３７】また更に気化部１１が、対流用送風機８か
らの空気流で上記気化室１６の給油口１８側から気化室
１６を直接冷却するので、その冷却によって生じる温度
勾配で、気化室１６の入り口側の温度を低く、そして出
口側の温度を高くできるようになり、上述の場合と同様
にタール性の向上ができるようになる。

【００３８】なお、上記実施例では一次空気取り入れ用
の開口１４はバーナ受け座からノズル部１３まで延びる
温度検出手段２０を配設したリブ部２１を残してくり抜
き、該リブ部２１とノズル部１３と連通口１５と気化室
１６が一直線上に並べる方式の燃焼装置で説明したが、
これはリブ部２１を複数本設けてそのリブ部２１の内の
１本に温度検出手段２０を配設してもよく、また、対流
用送風機８からの空気流で上記気化室１６の給油口１８
から冷却する構成を同時に説明したが、これは個別に構
成してもよく、その他各部の構成も本発明の目的を達成
する範囲であればその構成はどのようなものであっても
よい。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の燃焼装置
は、気化部に、バーナ受け座、ノズル部装着部、一次空
気取入れ用開口および気化室を一体形成しているので、
気化部はコンパクトな形に設計することができ、コンパ
クト化を図りつつ良好な燃焼ができるようになり、また
バーナ受け座からバーナ部の熱を伝達して熱回収による
省電力という利点を生かしながら着火時間を短縮するこ
とができる。そして更に、伝導熱の経路によって生じる
温度勾配で、気化素子のタール生成の抑制と気化室に入
る燃料の抵抗となるタール生成を防止でき、トータル的
にタール性を向上することができる。

【００４０】更に温度検出手段を配設したリブ部とノズ
ル部と連通口と気化室が一直線上に並べて構成してある
ので、いっそうリブ部からの伝導熱で気化室の出口側お
よびノズル部の温度を高することができ、またその温度
をリブ部に設けた温度検出手段で管理でき、気化ガスが
気化室より上方にあるノズル部に向かってスムーズに流
れ、しかもその気化ガスは完全に気化した高温の気化ガ
スがノズル部に向かって流れていくので、気化ガスがノ
ズル部でタール化することはほとんどなくなり、タール
性能の向上と燃焼の安定性も保てるようになる。

【００４１】また更に上記構成に加え、対流用送風機か
らの空気流で上記気化室の給油口から冷却する構成のも
のにあっては、対流送風機から気化室の給油口を直接冷
却するので、その冷却によって生じる温度勾配で、気化
室の入り口側の温度を低く、そして出口側の温度を高く
することができるようになり、タール性の向上ができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における燃焼装置の断面図

【図２】同燃焼装置のバーナ受け座の平面図

【図３】同燃焼装置を用いた温風暖房機の断面図

【図４】従来の燃焼装置を用いた温風暖房機の断面図

【図５】従来の他の燃焼装置の断面図

【符号の説明】

８ 送風機 １１ 気化部 １２ バーナ受け座 １３ ノズル部 １４ 一次空気取り入れ用の開口 １５ 連通口 １６ 気化室 １７ 気化素子 １８ 給油口 １９ ヒータ ２０ 温度検出手段 ２１ リブ部 ２３ バーナ筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 俊郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−272713（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−83512（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−62218（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F23D 11/02 F23D 11/44

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料を気化させる気化部と、この気化部を
   加熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴出させる
   ノズル部と、ノズル部から噴出したガスを燃焼させるバ
   ーナ部を備え、前記気化部は前記バーナ部を載置し保持
   する円形のバーナ受け座を設け、前記バーナ受け座のほ
   ぼ中央に位置するようにノズル部を配置し、前記バーナ
   受け座とノズル部の間にバーナ部に空気を供給する開口
   を設け、前記ノズル部に連通する連通口を介してその先
   端部分がバーナ受け座近傍に位置させた円筒状の燃料を
   気化する気化室を外周方向にバーナ受け座より伸ばして
   一体形成して配設するとともに、前記ノズル部の反対側
   の気化室の端部に燃料を供給する給油口を配設し、か
   つ、前記気化室の反対側のバーナ受け座の下面側のおよ
   そ半周に沿うようにＵ字型のヒータを配設して、該ヒー
   タ部分を気化室から離して構成した燃焼装置。
2. 【請求項２】前記ノズル部と連通口と気化室が一直線上
   になるよう配設してなる請求項１記載の燃焼装置。
3. 【請求項３】前記バーナ部に空気を供給する開口はバー
   ナ受け座からノズル部装着部まで延びるリブ部を１本あ
   るいは複数本残して形成した請求項１記載の燃焼装置。
4. 【請求項４】前記リブ部に温度を検知する温度検出手段
   を配設した請求項３記載の燃焼装置。
5. 【請求項５】前記リブ部を１本として、該リブ部とノズ
   ル部と連通口と気化室が一直線上になるよう配設してな
   る請求項３記載の燃焼装置。
6. 【請求項６】燃料を気化させる気化部と、この気化部を
   加熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴出させる
   ノズル部と、ノズル部から噴出したガスを燃焼させるバ
   ーナ部と、バーナ部を覆いバーナ部で生じた燃焼排ガス
   を上方へ導く燃焼筒と、燃焼筒を覆い前記燃焼排ガスと
   送風機からの室内空気流と混合し温風とするダクトとを
   備え、前記気化部は前記バーナ部を載置し保持する円形
   のバーナ受け座を設け、前記バーナ受け座のほぼ中央に
   位置するようにノズル部を配置し、前記バーナ受け座と
   ノズル部の間にバーナ部に空気を供給する開口を設け、
   前記ノズル部に連通する連通口を介してその先端部分が
   バーナ受け座近傍に位置させた円筒状の燃料を気化する
   気化室を外周方向に伸ばして一体形成して配設するとと
   もに、前記ノズル部の反対側の気化室の端部に燃料を供
   給する給油口を配設し、かつ、対流用送風機からの空気
   流で前記気化室の給油口側から冷却するよう構成した燃
   焼装置。