JPH1172206A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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Publication number
JPH1172206A
JPH1172206A JP23433797A JP23433797A JPH1172206A JP H1172206 A JPH1172206 A JP H1172206A JP 23433797 A JP23433797 A JP 23433797A JP 23433797 A JP23433797 A JP 23433797A JP H1172206 A JPH1172206 A JP H1172206A
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JP
Japan
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fuel
vaporization
vaporizing
vaporized
combustion
Prior art date
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Application number
JP23433797A
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English (en)
Inventor
Takehiko Shigeoka
武彦 重岡
Koji Tsujimoto
幸司 辻本
Yoshiyuki Kuroda
悦幸 黒田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体燃料を気化させこの気化ガスをノズルか
ら噴出させて燃焼させる燃焼装置に関するもので、ター
ル生成による目詰まりを抑制するとともに、気化不良を
防止して長期にわたって良好な燃焼ができるようにする
ことである。 【解決手段】 気化室16には、気化エレメント19
と、ノズル13の反対側の燃料を供給する給油口側には
発泡セラミック多孔体の気化ユニット21Aを配設して
あり、気化室16内に入った燃料は気化ユニット21A
で拡散し、気化促進され、膜沸騰は防止でき安定した気
化が得られ燃焼は安定するようになるとともに、気化エ
レメント19の寿命も、気化ユニット21Aで気化促進
されるので、不良灯油も気化促進され気化不十分の気化
ガスも低減されタール成分の生成が抑制されて、さらに
長寿命化が図れるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体燃料を気化させ
この気化ガスをノズルから噴出させて燃焼させる燃焼装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の燃焼装置は種々のものが提
案されていて、灯油等を気化させた液体燃料ガスを燃焼
させるものがある。以下この液体燃料ガスを燃焼させる
燃焼装置を例にして説明すると、このような燃焼装置は
図4に示すように構成されている。
【0003】すなわち、まずタンク27にカートリッジ
タンク28から燃料が供給され、同タンク27の燃料は
ポンプ29によって高温に保持された気化部内30に供
給される。そして供給された燃料は、気化部30内に設
けられたセラミック多孔体や金網等の気化促進材(図示
せず)で気化されて気化ガスとなって気化部30内で高
圧となり、ノズル31より水平方向に噴出される。この
ノズル31から噴出された燃料は、エジェクタ効果によ
り一次空気を吸引しながらノズル31の下流側に離れて
設けた混合管32内に噴出されここで混合されて、混合
管32と一体のライン形状のバーナ部33に供給され、
そこで燃焼される。生じた燃焼ガスは、バーナ部33の
周囲を覆うように配設された燃焼筒34で上方へ導か
れ、燃焼筒34を覆ったダクト35で送風機36からの
室内空気流と混合され、温風として排出されて暖房に利
用される。そして、この燃焼装置はポンプ29の駆動周
波数や印加電圧を変えて燃料供給量を調節すると、一次
空気量もそれにつれて増減し、燃料と空気の比が一定に
保たれたまま燃焼量を変えることができるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成の燃焼装置は、長期間保存され酸化した変質油
や、異種成分を混入した異種油などの不良灯油を燃料と
して使用すると、気化部30の燃料を気化する気化促進
材の多孔部にタール生成して目詰まりを起こし、気化不
良をによる燃焼不良を生じてしまい、さらに目詰まりが
進むと目詰まり自身によって燃焼不良を生じてしまう問
題があった。
【0005】たとえば目詰まりを生じて気化不良が進む
と、気化部30内圧があまり高くならずにノズル31か
らの気化ガスの噴出が弱くなるとともに、液体のまま燃
料がノズル31より噴出したりして、噴出によるエジェ
クタ効果が弱まって一次空気の吸引量が少なくなりバー
ナ部33の燃焼状態が悪くなってしまい、脈燃焼や臭
気、スス、一酸化炭素を生じたりついには失火したりす
る。
【0006】また、特に気化部30の燃料入り口近傍の
気化促進材の目詰まりは、気化部30に燃料が入ってく
るのを阻害して、ポンプ29からの供給力に対して気化
部30に入る燃料つまり気化量が減少してしまい、気化
部30内圧は高くなっても燃焼量が減少して、ついには
微弱燃焼となって燃焼限界を超えて臭気を発生したり失
火したりする。
【0007】ここで、最終的な不良状態を生じる原因
は、気化不良によるものかあるいは目詰まりによるもの
かは、気化促進材に与えられる温度分布等の温度条件そ
して気化促進材の気孔径や気孔率等の条件に大きく左右
され、一般に気化促進材の温度が低いと前者の気化不良
により、温度が高いと後者の目詰まりにより、また気化
促進材の気孔径が大きく気孔率が大きくて粗であると前
者の気化不良により、気化促進材の気孔径(気化促進材
で仕切られる空間の大きさ)が小さく気孔率(気化促進
材の空間率)が小さたく密である後者の目詰まりにより
やすい。
【0008】そして燃焼装置は、上述のような気化不良
や目詰まりによる燃焼不良が生じて発生する臭気や失火
する現象の前に燃焼センサーなどで異常を検知して機器
の運転を停止するようになっていて、気化促進材のター
ル生成による目詰まりによる気化不良は機器の寿命を左
右するという課題があった。
【0009】本発明は、気化促進材のタール生成による
目詰まりを抑制するとともに、気化不良を防止して良好
な燃焼が得られるようにするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、燃料を供給する燃料供給手段と、供給された燃料を
気化させる気化室を配設した気化部と、この気化部を加
熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴出させるノ
ズルと、ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部
を備え、気化室には複数本の軸線の間に多数の植毛線を
挟み込み前記軸線をねじって形成した円筒ブラシ形状の
気化エレメントと多孔体の気化ユニットを配設した構成
としてある。
【0011】そして、気化室に入った燃料は高温に保持
された気化室の内壁や気化エレメント、気化ユニットに
触れて気化してノズルより噴出される。また、そのとき
に不良燃料が混入されると、まず入り口側から入った燃
料はノズルまで到達される過程で徐々に気化していき、
その際、正常な燃料の気化ガスといっしょに燃料の不良
成分は気化不十分の燃料気化ガスとして気化室の入り口
からノズル側にまっすぐ流れ、その途中で、気化エレメ
ントの多数の植毛線に触れてタール成分として捕集され
る。したがって、ノズルに到達する気化ガスは、気化不
十分の燃料気化ガスを含まないため、ノズルから噴出さ
れる気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定する。
【0012】そしてまた、植毛線にタール成分が溜まっ
て、燃料気化ガスの直進する流れが阻害されるようにな
ると、気化ガスの流れは軸線と軸線で植毛線を挟んでね
じってできる植毛線のない螺旋状の空間部分を通過する
ようになる。そして、不良灯油の気化不十分の燃料気化
ガスは、タール成分が付着した植毛線の壁でできる長い
螺旋状の通り道を通る過程で、植毛線に付着したタール
成分が核となって、気化不十分の燃料気化ガスを捕集す
るようになる。したがって、植毛線の壁でできる螺旋状
の空間がタール成分で塞がるまで、気化ガスは、気化不
十分の燃料気化ガスを含まないでノズルに到達するた
め、ノズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され
燃焼は安定する。
【0013】そして、気化エレメントの寿命は、前者の
気化ガスがまっすぐ流れ、タール性分が気化エレメント
の多数の植毛線に触れて捕集されるまでと、植毛線の壁
でできる螺旋状の空間がタール成分で塞がるまでの2段
階となりしかもタール成分が溜まる空間が広いため、長
寿命化が図れる。
【0014】さらに、気化室の内壁が鏡面に近い表面状
態で高温の場合や、気化エレメントが気化室に対して片
寄ってその植毛線が気化室の内壁に接触していなかった
り、接触しすぎて植毛線で壁を作ったりするなど、燃料
を気化しにくく高温状態になると、気化室内に入った燃
料は膜沸騰を生じて、気化が不規則となり圧力変動を生
じて、脈動燃焼を発生する心配があったが、例えば気化
室の燃料入り口に多孔体の気化ユニットを配設してあれ
ば、気化室内に入った燃料は気化ユニットに吸い込まれ
て拡散し、気化促進されるので、膜沸騰は防止でき安定
した気化と燃焼が得られる。
【0015】そして、気化エレメントの寿命も、気化ユ
ニットで不良灯油も気化促進され気化不十分の気化ガス
も低減されてタール成分の生成が抑制されて、さらに長
寿命化が図れるようになる。
【0016】また、多量の不良燃料が混入するなど何ら
かの理由で不良燃料の気化不十分の燃料気化ガスが気化
エレメントを通過したとしても、例えば気化室の燃料出
口に多孔体の気化ユニットを配設してあれば、粒子の小
さい気化ガスは気化ユニットを通過していくが、粒子の
大きい気化不十分の気化ガスは高温となっている気化ユ
ニットの多孔部で捕集され、気化されるようになる。し
たがって、ノズルに到達する気化ガスは、気化不十分の
燃料気化ガスを含まないため、ノズルから噴出される気
化ガスは安定して噴出され燃焼は安定するようになる。
【0017】そしてまた、何らかの理由で気化室の入り
口側で膜沸騰を生じて圧力変動を生じても、気化室の燃
料出口に配設した多孔体の気化ユニットが抵抗となっ
て、ノズルに到達する気化ガスの圧力変動は緩和され、
ノズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼
は安定するようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】燃料を供給する燃料供給手段と、
供給された燃料を気化させる気化室を配設した気化部
と、この気化部を加熱するヒータと、気化部で気化した
ガスを噴出させるノズルと、ノズルから噴出したガスを
燃焼させるバーナ部を備え、気化室には複数本の軸線の
間に多数の植毛線を挟み込み前記軸線をねじって形成し
た円筒ブラシ形状の気化エレメントと多孔体の気化ユニ
ットを配設した構成としてある。
【0019】そして、気化室に入った燃料は高温に保持
された気化室の内壁や気化エレメント、気化ユニットに
触れて気化してノズルより噴出される。また、そのとき
に不良燃料が混入されると、まず入り口側から入った燃
料はノズルまで到達される過程で徐々に気化していき、
その際、正常な燃料の気化ガスといっしょに燃料の不良
成分は気化不十分の燃料気化ガスとして気化室の入り口
からノズル側にまっすぐ流れ、その途中で、気化エレメ
ントの多数の植毛線に触れてタール成分として捕集され
る。したがって、ノズルに到達する気化ガスは、気化不
十分の燃料気化ガスを含まないため、ノズルから噴出さ
れる気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定する。
【0020】そしてまた、植毛線にタール成分が溜まっ
て、燃料気化ガスの直進する流れが阻害されるようにな
ると、気化ガスの流れは軸線と軸線で植毛線を挟んでね
じってできる植毛線のない螺旋状の空間部分を通過する
ようになる。そして、不良灯油の気化不十分の燃料気化
ガスは、タール成分が付着した植毛線の壁でできる長い
螺旋状の通り道を通る過程で、植毛線に付着したタール
成分が核となって、気化不十分の燃料気化ガスを捕集す
るようになる。したがって、植毛線の壁でできる螺旋状
の空間がタール成分で塞がるまで、気化ガスは、気化不
十分の燃料気化ガスを含まないでノズルに到達するた
め、ノズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され
燃焼は安定する。
【0021】そして、気化エレメントの寿命は、前者の
気化ガスがまっすぐ流れ、タール性分が気化エレメント
の多数の植毛線に触れて捕集されるまでと、植毛線の壁
でできる螺旋状の空間がタール成分で塞がるまでの2段
階となりしかもタール成分が溜まる空間が広いため、長
寿命化が図れる。
【0022】さらに、気化室の内壁が鏡面に近い表面状
態で高温の場合や、気化エレメントが気化室に対して片
寄ってその植毛線が気化室の内壁に接触していなかった
り、接触しすぎて植毛線で壁を作ったりするなど、燃料
を気化しにくく高温状態になると、気化室内に入った燃
料は膜沸騰を生じて、気化が不規則となり圧力変動を生
じて、脈動燃焼を発生する心配があったが、例えば気化
室の燃料入り口に多孔体の気化ユニットを配設してあれ
ば、気化室内に入った燃料は気化ユニットに吸い込まれ
て拡散し、気化促進されるので、膜沸騰は防止でき安定
した気化と燃焼が得られる。
【0023】そして、気化エレメントの寿命も、気化ユ
ニットで不良灯油も気化促進され気化不十分の気化ガス
も低減されてタール成分の生成が抑制されて、さらに長
寿命化が図れるようになる。
【0024】また、多量の不良燃料が混入するなど何ら
かの理由で不良燃料の気化不十分の燃料気化ガスが気化
エレメントを通過したとしても、例えば気化室の燃料出
口に多孔体の気化ユニットを配設してあれば、粒子の小
さい気化ガスは気化ユニットを通過していくが、粒子の
大きい気化不十分の気化ガスは高温となっている気化ユ
ニットの多孔部で捕集され、気化されるようになる。し
たがって、ノズルに到達する気化ガスは、気化不十分の
燃料気化ガスを含まないため、ノズルから噴出される気
化ガスは安定して噴出され燃焼は安定するようになる。
【0025】そしてまた、何らかの理由で気化室の入り
口側で膜沸騰を生じて圧力変動を生じても、気化室の燃
料出口に配設した多孔体の気化ユニットが抵抗となっ
て、ノズルに到達する気化ガスの圧力変動は緩和され、
ノズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼
は安定するようになる。
【0026】また、気化室の燃料の入り口にセラミック
等の熱伝導の悪い無機多孔体の気化ユニットを配設した
構成としてある。
【0027】そして、気化室に入ってきた燃料は気化ユ
ニットに吸い込まれ気化ユニットを冷却しようとする
が、気化ユニットは熱容量が大きく熱伝導性の悪いセラ
ミック等の無機多孔体で形成してあるので、発泡金属な
どの他の材質に比べ、一時的に燃料が変化しても気化ユ
ニットの温度変化が徐々に変化して、その間燃焼熱の受
熱によるフィードバックで気化室の温度が補正されてる
ので、気化性能が安定化するようになる。
【0028】また、気化室の燃料の出口に発泡金属等の
熱伝導のよい金属製多孔体の気化ユニットを配設した構
成としてある。
【0029】そして、高沸点成分の不良燃料がさらに多
量に混入するなど何らかの理由で不良燃料の気化不十分
の気化ガスがさらに多量に気化エレメントを通過したと
しても、気化室の燃料出口に発泡金属などの熱伝導性の
よい金属製多孔体の気化ユニットを配設してあるので、
粒子の小さい気化ガスは気化ユニットを通過していく
が、粒子の大きい気化不十分の気化ガスは、気化ユニッ
トの多孔部で捕集され、熱伝導性の悪いセラミック等の
無機多孔体に比べ高温となっている気化ユニットで気化
されるようになる。したがって、ノズルに到達する気化
ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノ
ズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は
安定するようになる。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。
【0031】(実施例1)まず、図2を用いて本発明の
燃焼装置を用いた温風暖房機器の構成を説明する。1は
本体ケースで、その下方側部に液体燃料を保有するタン
ク2とそのタンク2上部に着脱自在なカートリッジタン
ク3が配設してある。4はタンク2の上面に取付けたし
たポンプで、その上端から送油パイプ5を導出して燃焼
装置6に燃料を供給するようになっている。
【0032】7は燃焼装置6からの燃焼ガスを上方へ導
く燃焼筒で、その背部に室内空気流を取入れ送出する送
風機8が配設してある。9は上記燃焼筒7からの燃焼ガ
スと室内空気流を混合して温風にするダクトである。1
0は前記燃焼装置6の燃焼や送風機8を制御する制御部
で、操作部から入力される運転条件信号に基づいてポン
プ4や送風機8などを予め決められたシーケンスで制御
するようになっている。
【0033】次に上記燃焼装置6の構成を図1を用いて
説明すると、11は気化部で、その上部に円形のバーナ
受け座12を設け、前記バーナ受け座12のほぼ中央に
位置するようにノズル13を配置し、前記バーナ受け座
12とノズル13の間に燃焼用空気を供給する一次空気
取り入れ用の開口14を設け、前記ノズルに連通する連
通口15を介して円筒状の気化室16を外周方向に伸ば
して一体形成してある。
【0034】この気化室16は送油パイプ5を接続した
気化キャップ20を気化部11にロー付等で固定して形
成してある。
【0035】気化室16には、複数本の軸線17の間に
多数の植毛線18を挟み込み前記軸線17をねじって形
成した円筒ブラシ形状の気化エレメント19と、ノズル
13の反対側の燃料を供給する送油パイプ5側には発泡
セラミック多孔体の気化ユニット21Aを配設してあ
る。また、気化部11の気化室16の反対側のバーナ受
け座12の下面側に沿うようにヒータ22を配設してあ
る。
【0036】23は上記ノズル13の上方に位置する如
くバーナ受け座12に載置した無底筒状の混合管で、前
記ノズル13と対向しており、ノズル13から噴出され
た燃料ガスとその燃料ガスの噴出によるエジェクター効
果で吸引する一次空気とを混合させるようになってい
る。
【0037】24は前記混合管23を覆う如くバーナ受
け座12に重ねて覆着した有天筒状のバーナ部で、下部
周壁に多数の炎孔24Aを形成してある。
【0038】25は炎孔24Aの外周部を囲む如くバー
ナ受け座12に取り付けた上向きテーパー状のバーナリ
ング、26はバーナ受け座12に形成した受熱部であ
る。
【0039】上記構成において、カートリッジタンク3
から一定油面を保つようにタンク2に供給されている液
体燃料は、ポンプ4によってタンク2から吸い上げら
れ、送油パイプ5を介して燃焼装置6の気化室16に送
られる。送られた燃料はヒータ22で所定温度以上に保
たれた気化室16内で気化し高圧の燃料ガスとなってノ
ズル13から噴出され、その際エジェクタ効果により一
次空気を吸引しながら気化室16の下流側に設けた混合
管23内で混合されてバーナ部24内に供給され、炎孔
24Aから噴出して燃焼される。そして生じた燃焼ガス
は燃焼筒7の上方へ流れてゆき、ダクト9内で送風機8
からの室内空気流と混合され、温風として排出されて暖
房に利用される。そして、制御部10は操作部で設定さ
れた条件に基づいて、ヒータ22、ポンプ4、送風機8
などを予め決められたシーケンスで制御して、運転の開
始、停止、また燃焼量の可変等の運転制御をする。
【0040】また、バーナ部24での燃焼について説明
すると、ノズル13より噴出された燃料ガスは、エジェ
クタ効果により一次空気を吸引しながら気化室16の下
流側に設けた混合管23内で流れ込んでここで混合さ
れ、混合管23の上開口部からバーナ部24内に放出さ
れて混合管23外周を折り返し流れて、バーナ部24の
下方の周壁に設けた多数の炎孔24Aから噴出し、燃焼
する。
【0041】このとき混合ガスはバーナ部24に折り返
して混合管23の周囲を流れ、この部分で拡散混合及び
圧力の均一化が促進されて炎孔24Aから均一に噴出
し、均一な火炎を形成する。そしてこの火炎はその外周
に位置するように設けたバーナリング25によって上方
向きになるようその火炎形成方向を制御され、リフトの
ない安定した燃焼を行うようになる。また、受熱フラン
ジ26はバーナ部24の炎孔24Aに形成される火炎で
加熱され、この火炎からの熱回収作用によって、気化室
16の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ2
2への通電の一部或いは全部を軽減することが可能とな
る。
【0042】そして、バーナ部24へ供給する燃料の気
化について説明すると、気化室16には円筒ブラシ形状
の気化エレメント19が配設してあり、その気化室16
の入り口側には熱伝導性が悪く熱容量の大きい発泡セラ
ミック多孔体の気化ユニット21Aが配設してある。気
化室16に入った燃料は、高温に保持された気化室16
の内壁や気化ユニット21A、気化エレメント19に触
れて気化して、ノズル13より噴出される。また、その
ときに不良燃料が混入されると、まず送油パイプ5から
入った燃料はノズル13まで到達される過程で徐々に気
化していき、その際、正常な燃料の気化ガスといっしょ
に燃料の不良成分は気化不十分の燃料気化ガスとして気
化室16の入り口からノズル13側にまっすぐ流れ、そ
の途中で、気化エレメント19の多数の植毛線18に触
れてタール成分として捕集される。したがって、ノズル
13に到達する気化ガスは、気化不十分の燃料気化ガス
を含まないため、ノズル13から噴出される気化ガスは
安定して噴出され燃焼は安定するようになる。
【0043】また、植毛線18にタール成分が溜まっ
て、燃料気化ガスの直進する流れが阻害されるようにな
ると、気化ガスの流れは軸線17と、軸線17で植毛線
18を挟んでねじってできる植毛線18のない螺旋状の
空間部分を通過するようになる。そして、不良灯油の気
化不十分の燃料気化ガスは、タール成分が付着した植毛
線18の壁でできる長い螺旋状の通り道を通る過程で、
植毛線18に付着したタール成分が核となって、気化不
十分の燃料気化ガスを捕集するようになる。したがっ
て、植毛線18の壁でできる螺旋状の空間がタール成分
で塞がるまで、気化ガスは、気化不十分の燃料気化ガス
を含まないでノズル13に到達するため、ノズル13か
ら噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定す
るようになる。
【0044】そして、気化エレメント19の寿命は、前
者の気化ガスがまっすぐ流れ、タール性分が気化エレメ
ント19の多数の植毛線18に触れて捕集される間と、
植毛線18の壁でできる螺旋状の空間がタール成分で塞
がるまで間となり、2段階でしかもタール成分が溜まる
空間が広いため、長寿命化が図れるようになる。
【0045】さらに、気化室16の内壁が鏡面に近い表
面状態で高温の場合や、気化エレメント19が気化室1
6に対して片寄ってその植毛線18が気化室16内壁に
接触していなかったり、接触しすぎて植毛線18も壁と
なり油だまりをつくるなどの、燃料の気化がしにくい状
態で高温になると、気化室16内に入った燃料は膜沸騰
を生じて、脈動燃焼を発生する心配があったが、気化ユ
ニット21Aを配設してあるので、気化室16内に入っ
た燃料は気化ユニット21Aで拡散し、気化促進されて
膜沸騰は防止でき安定した気化と燃焼が得られる。
【0046】つまり、入ってきた燃料は気化するまでは
液体で気化室16の下部に溜り、気化過程で膜沸騰する
と燃料の油滴が周囲にはじけ飛んで、高温の気化室16
の内壁や気化エレメント19に接触して気化し、気化が
不規則となり圧力変動を生じて、脈動燃焼を発生するよ
うになる。ここで気化ユニット21Aがある場合は、入
ってきた液体の燃料は気化ユニット21Aの毛細管現象
で、気化室16の底面に溜まらず、気化ユニット21A
全体に拡散され、気化室16の内壁の周壁に広がり気化
面積は大幅に広がり気化促進され、膜沸騰も防止できる
ようになる。
【0047】そしてまた、気化エレメント19の寿命
も、気化ユニット21Aで気化促進されるので、不良灯
油も気化促進され気化不十分の気化ガスも低減されター
ル成分の生成が抑制されて、さらに長寿命化が図れるよ
うになる。
【0048】また、気化ユニット21Aは、発泡セラミ
ックの無機多孔体で形成してあるので、気化室16に入
ってきた燃料は気化ユニット21Aに吸い込まれ気化ユ
ニット21Aを冷却しようとするが、気化ユニット21
Aは熱容量が大きく熱伝導性の悪いので、発泡金属等な
どの金属多孔体などの他の材質に比べ、一時的に燃料が
変化しても気化ユニット21Aの温度変化が徐々に変化
して、その間燃焼熱の受熱によるフィードバックで気化
室16の温度が補正されてるので、気化性能が安定化す
るようになる。
【0049】(実施例2)図3は本発明の燃焼装置の要
部断面図である。
【0050】図3において、気化室16には、複数本の
軸線17の間に多数の植毛線18を挟み込み前記軸線1
7をねじって形成した円筒ブラシ形状の気化エレメント
19と、気化室16の燃料出口に発泡金属多孔体の気化
ユニット21Bを設けてある。
【0051】そして、高沸点成分の不良燃料がさらに多
量に混入するなど何らかの理由で不良燃料の気化不十分
の気化ガスがさらに多量に気化エレメント19を通過し
たとしても、気化室16の燃料出口に発泡金属などの熱
伝導性のよい金属製多孔体の気化ユニット21Bを配設
してあるので、粒子の小さい気化ガスは気化ユニット2
1Bを通過していくが、粒子の大きい気化不十分の気化
ガスは、気化ユニット21Bの多孔部で捕集され、熱伝
導性の悪いセラミック等の無機多孔体に比べ高温となっ
ている気化ユニット21Bで気化されるようになる。し
たがって、ノズル13に到達する気化ガスは、気化不十
分の燃料気化ガスを含まないため、ノズル13から噴出
される気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定するよう
になる。
【0052】なお、本発明では、気化ユニット21A.
21Bを気化室16の入り口側、あるいは出口側にどち
らか一方に配設したが、これは気化室16の入り口、出
口の両方に配設してもよく、また入り口に配設する気化
ユニット21Aは発泡セラミック等の無機多孔体、そし
て気化室16の出口側に配設する気化ユニット21Bは
発泡金属等の金属多孔体としたが他の材料でもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の燃焼装置
は、気化室には複数本の軸線の間に多数の植毛線を挟み
込み前記軸線をねじって形成した円筒ブラシ形状の気化
エレメントを配設してあるので、タール性分を初期には
気化ガスがまっすぐ流れ、タール性分が気化エレメント
の多数の植毛線に触れて捕集される間と、後期の植毛線
の壁でできる螺旋状の空間を気化ガスが流れる過程でタ
ール性分が捕集され、その螺旋状の空間がタール成分で
塞がるまで間となり、2段階でしかもタール成分が溜ま
る空間が広いため、長寿命化が図れるようになる。
【0054】さらに、気化室の入口側に気化ユニットを
配設したものにおいては、燃料の気化がしにくく膜沸騰
を生じて脈動燃焼を発生しやすい状態であっても、気化
室内に入った燃料は気化ユニットで拡散し、気化促進さ
れ、膜沸騰は防止でき安定した気化と燃焼が得られると
ともに、気化エレメントの寿命も、気化ユニットで気化
促進されるので、不良灯油も気化促進されかつ気化不十
分の気化ガスも低減されてタール生成が抑制されること
により、さらに長寿命化が図れるようになる。
【0055】また、気化ユニットは、発泡セラミックの
無機多孔体で形成してあるので、気化室に入ってきた燃
料の油温や量によって気化ユニットの温度が変動しよう
とするが、気化ユニットは熱容量が大きく熱伝導性の悪
いので、一時的に燃料が変化しても気化ユニットの温度
変化が徐々に変化して、その間燃焼熱の受熱によるフィ
ードバックで気化室の温度が補正されてるので、気化性
能が安定化するようになる。
【0056】そして、気化室の出口側に気化ユニットを
配設したものにおいては、何らかの理由で不良燃料の気
化不十分の気化ガスがさらに多量に気化エレメントを通
過したとしても、粒子の小さい気化ガスは気化ユニット
を通過していくが、粒子の大きい気化不十分の気化ガス
は、気化ユニットの多孔部で捕集され、熱伝導性の悪い
セラミック等の無機多孔体に比べ高温となっている気化
ユニットで気化されるようになる。したがって、ノズル
に到達する気化ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを含
まないため、ノズルから噴出される気化ガスは安定して
噴出され燃焼は安定するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における燃焼装置の構成図
【図2】同燃焼装置を用いた温風暖房機の構成図
【図3】本発明の実施例2における燃焼装置の要部断面
【図4】従来の燃焼装置の構成図
【符号の説明】
11 気化部 13 ノズル 16 気化室 17 軸線 18 植毛線 19 気化エレメント 21A,21B 気化ユニット 22 ヒータ 24 バーナ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を供給する燃料供給手段と、供給され
    た燃料を気化させる気化室を配設した気化部と、この気
    化部を加熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴出
    させるノズルと、ノズルから噴出したガスを燃焼させる
    バーナ部を備え、気化室には複数本の軸線の間に多数の
    植毛線を挟み込み前記軸線をねじって形成した円筒ブラ
    シ形状の気化エレメントおよび多孔体の気化ユニットを
    配設してなる燃焼装置。
  2. 【請求項2】気化室の燃料の入口側に発泡セラミック等
    の熱伝導の悪い無機多孔体の気化ユニットを配設してな
    る請求項1記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】気化室の燃料の出口側に発泡金属等の熱伝
    導のよい金属製多孔体の気化ユニットを配設してなる請
    求項1記載の燃焼装置。
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