JP2000161611A - フィルターの製造法とそれを用いた燃焼装置 - Google Patents

フィルターの製造法とそれを用いた燃焼装置

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JP2000161611A
JP2000161611A JP10335413A JP33541398A JP2000161611A JP 2000161611 A JP2000161611 A JP 2000161611A JP 10335413 A JP10335413 A JP 10335413A JP 33541398 A JP33541398 A JP 33541398A JP 2000161611 A JP2000161611 A JP 2000161611A
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JP
Japan
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filter
vaporization
vaporizing
nozzle
fuel
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Application number
JP10335413A
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English (en)
Inventor
Takehiko Shigeoka
武彦 重岡
Kazutada Momoda
和忠 桃田
Toru Ueno
徹 上野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でフィルターを形成し、このフィ
ルターを燃焼器に用いてタール生成による目詰まりを抑
制するとともに、気化不良を防止して良好な燃焼ができ
るようにする。 【解決手段】 燃料を供給する燃料供給手段14と、供
給された燃料を気化させる気化部21と、この気化部2
1を加熱するヒータ29と、気化部21で気化したガス
を噴出させるノズル23と、ノズル23から噴出したガ
スを燃焼させるバーナ部31を備え、気化部21に円筒
形状の気化室26を配設するとともに、気化室26には
金属線を波状に波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定
の形状に圧縮して形成した気化フィルター27を配設し
た構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料の濾過や燃焼器
の排ガスの濾過などに用いるフィルターの製造法と、こ
のフィルターを用いて液体燃料を気化させノズルから噴
出して燃焼させる燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来フィルターは燃料の濾過や燃焼器の
排ガスの濾過などの様々なところに使用されていて、材
料はセラミック多孔体や金網等種々の種類があり、また
このフィルターを燃料の気化促進剤と生じた気化ガスに
含まれるタール分の捕集を兼ね燃焼装置の気化部に配設
して、灯油等を気化させた液体燃料ガスを燃焼させるも
のがある。以下この液体燃料ガスを燃焼させる燃焼装置
を例にして説明すると、このような燃焼装置は図6に示
すように構成されている。
【0003】すなわち、まずタンク1にカートリッジタ
ンク2から燃料が供給され、同タンク1の燃料はポンプ
3によって高温に保持された気化部4内に供給される。
そして供給された燃料は、気化部4内に設けられたセラ
ミック多孔体や金網等の気化フィルター(図示せず)で
気化されて気化ガスとなって気化部4内で高圧となり、
ノズル5より水平方向に噴出される。このノズル5から
噴出された燃料は、エジェクタ効果により一次空気を吸
引しながら気化部4の下流側に離れて設けた混合管6内
に噴出されここで混合して、混合管6と一体のライン形
状のバーナ部7に供給され、そこで燃焼が行われる。生
じた燃焼排ガスは、バーナ部7の周囲を覆うように配設
された燃焼筒8で上方へ導かれ、上記燃焼筒8を覆った
ダクト9で送風機10からの室内空気流と混合が行わ
れ、温風として排出して暖房に利用される。そして、こ
の燃焼装置はポンプ3の駆動周波数や印加電圧を変えて
燃料供給口量を調節すると、一次空気量もそれにつれて
増減し、燃料と空気の比が一定に保たれたまま燃焼量を
変えることができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成の燃焼装置は、長期間保存され酸化した変質油
や、異種成分を混入した異種油などの不良灯油を燃料と
して使用すると、気化部4の燃料を気化する気化フィル
ターの多孔部にタール生成して目詰まりして気化不良を
起こし、その気化不良によって燃焼不良を生じてしまう
問題があった。
【0005】たとえば目詰まりを生じて気化不良が進む
と、気化部4に燃料が入りにくくなり気化量が減り、気
化部4内圧があまり高くならずにノズル5からの気化ガ
スの噴出が弱くなるとともに、液体のまま燃料がノズル
5より噴出したりして、噴出によるエジェクタ効果が弱
まって一次空気の吸引量が少なくなりバーナ部7の燃焼
状態が悪くなってしまい、脈燃焼や臭気、スス、一酸化
炭素を生じたりついには失火したりする。
【0006】またさらに気化フィルターの目詰まりが進
むと、特に気化部4の燃料入り口近傍の気化フィルター
の目詰まりは、気化部4に燃料が入ってくるのを阻害し
て、ポンプ3からの供給力に対して気化部4に入る燃料
つまり気化量が減少してしまい、ついには微弱燃焼とな
って燃焼限界を超えて燃焼バランスが崩れ、臭気を発生
したり失火したりする。
【0007】そして燃焼装置は、上述のような気化不良
や目詰まりによる燃焼不良が生じて発生する臭気や失火
する現象の前に燃焼センサーなどで異常を検知して機器
の運転を停止するようになっていて、気化フィルターの
タール生成による目詰まりで起こる気化不良は機器の寿
命を左右するという課題があった。
【0008】ここで、最終的な不良状態を生じる原因の
目詰まりや気化不良の生じ易さは、気化フィルターに与
えられる温度分布などの温度条件と、気化フィルターの
気孔径や気孔率等の密度に大きく左右され、気化フィル
ターの温度が高いと気化は促進されるが、微弱燃焼など
の気化量が少ない場合、燃料の入り口部でのみ気化され
局所的に目詰まりを生じやすい。そのため、気化フィル
ターの温度を低くすると、最大強燃焼などの気化量が多
くなる場合、熱量不足による気化不十分となって、ター
ル生成しやすくなったり、液体のまま燃料がノズル5よ
り噴出したりして、気化不良を生じ、特に、最大強燃焼
などの気化量が多くなり気化潜熱によって気化フィルタ
ーの温度を奪われやすい場合や、微弱燃焼などの燃焼部
の受熱量が少ない場合などは、気化フィルターの温度を
高く保つことは難しい。つまり、気化フィルターの温度
は気化に必要な熱量に応じて燃料の入り口は低く出口側
は高くなるように設定した方がよく、また、熱を与えら
れる壁と気化フィルターの中心部の温度は近い方が望ま
しい。
【0009】また、気化フィルターの気孔径を小さく気
孔率を小となるよう密度を高くすると、供給された燃料
は気孔間の毛細管現象で気化フィルター全体に拡散され
気化促進されるが、タールが生成した場合にタールの溜
まる部分が少なく、タールが生成するとすぐに目詰まり
を生じてしまう。そのため、気化フィルターの気孔径を
大きく気孔率を大となるよう密度を低くすると、特に最
大強燃焼などの気化量が多くなる場合、供給された燃料
は通過抵抗の不足により気化不十分のままで通過され易
くなり、液体のまま燃料がノズル5より噴出したりし
て、気化不良を生じる。つまり、気孔率あるいは密度
は、気化フィルターの材質・形状や周囲から与えられる
温度の分布に応じた最適な設定が必要となる。
【0010】そのため様々な改良がなされていて、たと
えば、気化フィルターを金属製のネットを丸めたものと
すると、全体的に密度を高くしようとしてもネットの中
心部やネットとネットの重なりあわせが疎となりやす
く、ネットの目を粗くするとネットの目が大きくなって
疎となり、またネットの素線が太くなり厚さが厚くなっ
てネットの中心部が疎となる。そして、ネットの目を小
さくするとネットの素線が細くなり厚さが薄くなってさ
らにネットとネットの重なりあわせが疎となりやすく、
均質に密度を高くすることが難しい。そのため、気化部
4に入ってきた燃料は気化不十分のままノズル5から噴
出されたり、気化フィルターの疎密の大きい部分に局部
的にタールが生成して目詰まりを起こし、気化不良によ
る燃焼不良を生じてしまう可能性があった。つまり、気
化フィルターを金属製のネットを丸めたものとすると、
気化フィルターの温度は熱伝導性が良いため気化フィル
ターの温度は中心部まで高く保てるが、全体的に密度を
均質に保つことは難しく特に密度を密にすることは難し
い。
【0011】また気化フィルターをより均質なものとす
るため、セラミックの粒子を焼結したり発泡させて形成
したセラミック多孔体のようなものとすると、密度はセ
ラミックの粒子の大きさや発泡の大きさによって均質に
保てるようになるが、セラミック自身が熱伝導性の良い
ものでないために、気化フィルターの中心部の温度が低
くその部分を流れる燃料の気化が不十分となり、気化不
良や目詰まりを起こし易くなる。つまり、セラッミクの
粒子を焼結したり発泡させて形成したセラミック多孔体
のようなものとすると、密度は均質に保つことは簡単に
できるが、気化フィルターの温度、特に中心部の温度を
高く保つことは難しい。
【0012】さらに発泡ウレタンに金属を蒸着やメッキ
して製造した発泡金属のようなものにしても、その骨格
を作る壁の厚さが数ミクロンから数十ミクロンで薄く、
熱伝導面積が少なく熱容量としても小さいために、同様
に、密度は均質に保つことは簡単にできるが、気化フィ
ルターの温度、特に中心部の温度を高く保つことは難し
い。
【0013】さらにまた、金属製のネットの成形には編
み機が、セラミック多孔体の成形には、焼成炉が、そし
て発泡金属の成形には蒸着設備が必要となり、これら大
がかりな設備をを要するので、コストも高くなりやすい
欠点がある。
【0014】本発明は上記課題を解決するもので、燃料
の濾過や燃焼器の排ガスの濾過などの様々なところに使
用されるフィルターを均質で温度分布が均一となりやす
いもので安価に製造する方法と、そのフィルターを気化
フィルターを用いて燃焼装置のタール生成による目詰ま
りを抑制するとともに、気化不良を防止して良好な燃焼
ができるようにすることを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、燃料を供給する燃料供給手段と、供給された燃料を
気化させる気化部と、この気化部を加熱するヒータと、
気化部で気化したガスを噴出させるノズルと、ノズルか
ら噴出したガスを燃焼させるバーナ部を備え、上記気化
部に燃料を気化する円筒形状の気化室を配設するととも
に、上記気化室には金属線を波状に波付けした素線を棒
状に巻き重ねし所定の形状に圧縮して形成した気化フィ
ルターを配設した構成としてある。
【0016】上記発明によれば、気化フィルターとし
て、金属線を波状に波付けした素線を棒状に巻き重ね
し、所定の形状に圧縮して形成してあるので、熱伝導性
がよく周囲から与えられる温度が気化フィルターの中心
部まで到達するとともに、組織は均質で、その密度は気
化フィルターを形成する波状に波付けした素線の径や波
付けの大きさそして所定の形状に圧縮するときの圧縮率
によって自由に調整でき、最適の設定ができるようにな
る。そしてこの気化フィルターによって、気化室に入っ
た燃料は気化フィルターの毛細管現象で全体に拡散さ
れ、周囲から与えられた熱によって中心部まで均一に高
温となった気化フィルターの素線に触れて気化してノズ
ルより噴出されるようになる。そのため不良燃料が混入
されても、中心部まで十分に高温となっている気化フィ
ルターにその毛細管現象で全体に拡散されて、気化が促
進されるので、ほとんど気化されるようになり、また、
何らかの理由でさらに気化されにくい不良成分が混入し
たとしても、気化フィルターの気孔が均質であるので、
気化フィルターの気孔部分で捕集されそのまま通過して
ノズルから噴出されることはなく、タールが生成したと
しても、気化フィルター全体に広がって蓄積されるの
で、局部的なタールの目詰まりを生じないので、その寿
命も長くなる。
【0017】このように、ノズルに到達する気化ガス
は、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノズル
から噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定
するようになるとともに、長寿命化が図れるようにな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】請求項1の発明は、フィルターを
金属線を波状に波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定
の形状に圧縮して形成した構成としてある。
【0019】そして、フィルターは金属線を波状に波付
けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮して形
成してフィルターとしてあるので、熱伝導性がよく周囲
から与えられる温度が気化フィルターの中心部まで到達
するとともに、その組織は均質にでき、その密度は気化
フィルターを形成する波状に波付けした素線の径や波付
けの大きさそして所定の形状に圧縮するときの圧縮率に
よって均質に自由に調整でき、最適の設定ができるよう
になる。また、金属線の波状に波付けする加工は、金属
線を咬み合う歯車の間に通過させることによって連続的
に簡単に形成でき、この歯車の歯の形状やピッチなどに
よって金属線の波付け形状を自由に設定でき、この波付
けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮するこ
とでフィルターを均質に形成でき、密度や形状の自由度
の高いものが簡単に安価に得られるようになる。
【0020】請求項2の発明は、燃料を供給する燃料供
給手段と、供給された燃料を気化させる気化部と、この
気化部を加熱するヒータと、気化部で気化したガスを噴
出させるノズルと、ノズルから噴出したガスを燃焼させ
るバーナ部を備え、上記気化部に燃料を気化する円筒形
状の気化室を配設するとともに、上記気化室には金属線
を波状に波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状
に圧縮して形成した気化フィルターを配設した構成とし
てある。
【0021】そして、気化フィルターとして、金属線を
波状に波付けした素線を棒状に巻き重ねし、所定の形状
に圧縮して形成してあるので、熱伝導性がよく周囲から
与えられる温度が気化フィルターの中心部まで到達する
とともに、その組織は均質で、密度も気化フィルターを
形成する波状に波付けした素線の径や波付けの大きさそ
して所定の形状に圧縮するときの圧縮率によって自由に
調整でき、最適の設定ができるようになる。そしてこの
気化フィルターによって、気化室に入った燃料は気化フ
ィルターの毛細管現象で全体に拡散され、周囲から与え
られた熱によって中心部まで均一に高温となった気化フ
ィルターの素線に触れて気化してノズルより噴出される
ようになる。そのため不良燃料が混入されても、中心部
まで十分に高温となっている気化フィルターにその毛細
管現象で全体に拡散されて、気化が促進されるので、ほ
とんど気化されるようになり、また、何らかの理由でさ
らに気化されにくい不良成分が混入したとしても、気化
フィルターの気孔が均質であるので、気化フィルターの
気孔部分で捕集されそのまま通過してノズルから噴出さ
れることはなく、タールが生成したとしても、気化フィ
ルター全体に広がって蓄積されるので、局部的なタール
の目詰まりを生じないので、その寿命も長くなる。
【0022】このように、ノズルに到達する気化ガス
は、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノズル
から噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定
するようになるとともに、長寿命化が図れるようにな
る。
【0023】また請求項3の発明は、燃料を供給する燃
料供給手段と、供給された燃料を気化させる気化部と、
この気化部を加熱するヒータと、気化部で気化したガス
を噴出させるノズルと、ノズルから噴出したガスを燃焼
させるバーナ部を備え、上記気化部に燃料を気化する円
筒形状の気化室を配設するとともに、気化室に気化フィ
ルターを分割して配設するとともに、ノズル側と燃料供
給口側の気化フィルター間にスペーサを配設し、ノズル
側の気化フィルターと燃料供給口側の気化フィルターの
間に空間を設けた構成としてある。
【0024】そして、気化室に気化フィルターを分割し
て配設するとともに、ノズル側と燃料供給口側の気化フ
ィルター間にスペーサを配設し、ノズル側の気化フィル
ターと燃料供給口側の気化フィルターの間に空間を設け
てあるので、燃料供給口側の気化フィルターを1次気化
部として、またノズル側の気化フィルターを2次気化部
として機構的に分けることができ、1次気化部は主とし
て気化促進部、2次気化部は気化ガスをさらに完全に気
化させるとともに気化しない高沸点成分などのタール捕
集部として、機能を分担させることによって気化を安定
させ燃焼の安定化を図ることができるようになる。ま
た、気化フィルターを分割してあるので、ノズル側の気
化フィルターと燃料供給口側の気化フィルターの材質な
どを変えることができ、気化促進部、タール捕集部とし
て機能にあった設定ができるようになる。さらに、気化
フィルター間の空間には、燃料供給口側の気化フィルタ
ーで気化できずに生成したタール分の粒子の大きいもの
の一部がたまり、ノズル側の気化フィルターにタール分
が送られる量を減少できるので、ノズル側の気化フィル
ターの目詰まりを低減できる。
【0025】また請求項4の発明は、燃料を供給する燃
料供給手段と、供給された燃料を気化させる気化部と、
この気化部を加熱するヒータと、気化部で気化したガス
を噴出させるノズルと、ノズルから噴出したガスを燃焼
させるバーナ部を備え、上記気化部に燃料を気化する円
筒形状の気化室を配設するとともに、気化室はノズル側
を小径、燃料供給口側を大径とした2段円筒形状にする
とともに、ノズル側に小径の気化フィルターを、燃料供
給口側に大径の気化フィルターを分割して配設し、ノズ
ル側の気化フィルターと燃料供給口側の気化フィルター
の間に空間を設けた構成としてある。
【0026】そして気化室を2段円筒形状としてノズル
側の気化フィルターと燃料供給口側の気化フィルターの
間に空間を設けてあるので、請求項3の発明と同様に燃
料供給口側の気化フィルターを1次気化部として、また
ノズル側の気化フィルターを2次気化部として機構的に
分けることができ、1次気化部は主として気化促進部、
2次気化部は気化ガスをさらに完全に気化させるととも
に気化しない高沸点成分などのタール捕集部として、機
能を分担させることによって気化を安定させ燃焼の安定
化を図ることができるようになる。また、気化フィルタ
ーを分割してあるので、ノズル側の気化フィルターと燃
料供給口側の気化フィルターの材質などを変えることが
でき、気化促進部、タール捕集部として機能にあった設
定ができるようになる。さらに、気化フィルター間の空
間には、燃料供給口側の気化フィルターで気化できずに
生成したタール分の粒子の大きいものの一部がたまり、
ノズル側の気化フィルターにタール分が送られる量を減
少できるので、ノズル側の気化フィルターの目詰まりを
低減できる。
【0027】さらに気化室を2段円筒形状としてあるの
で、ノズル側に小径の気化フィルターと、燃料供給口側
に大径の気化フィルターを分割して配設するときのスペ
ーサを不要とすることができ構成が簡単となる。また、
ノズル側の気化フィルターの断面積はノズル側が他の部
分より小さくなり、燃料の気化ガスが通過する際の抵抗
が大きくなって、供給された燃料が気化不十分のままで
通過されにくくなる。そのため不良燃料のタール生成が
燃料供給口側で行われ易くなり、ノズルに到達する気化
ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノ
ズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は
安定するようになる。さらに、気化室のノズル側を小径
としてあるので、他の部分より伝熱面積が広く、また気
化フィルターの中心部までの距離も短くなるので、気化
フィルター中心部の温度が高くなり、2次気化部として
タール捕集しやすくなる。
【0028】また請求項5の発明は、上記ノズル側の気
化フィルターを真鍮製に、燃料供給口側の気化フィルタ
ーをステンレス製とした構成としてある。
【0029】そして、燃料供給口側の気化フィルターを
ステンレス製としてあるので、気化室に入ってきた燃料
は気化フィルターにその毛細管現象で全体に拡散され気
化するための熱量を気化フィルターから奪って気化フィ
ルターの温度を低下させようとするが、気化フィルター
は熱容量が大きく熱伝導性の悪いステンレス性の金属線
で形成してあるので、真鍮などの他の材質に比べ、一時
的に燃料が変化しても気化フィルターの温度変化が徐々
に変化して、その間燃焼熱の受熱によるフィードバック
で気化室の温度が補正されるので、気化性能が安定化す
るようになる。また、ノズル側の気化フィルターを真鍮
製にしてあるので、熱伝導度はよく中心部まで温度は高
くなり、1次気化した気化ガスをさらに高温とすること
ができ、タール捕集しながら2次気化を促進するととも
に、気化ガス温度を高くすることができるので、ノズル
から噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は安定
するようになる。
【0030】また請求項6の発明は、上記気化部の材質
を真鍮製とするとともに、気化フィルターを真鍮製とし
た構成としてある。
【0031】そして、気化部の材質と気化フィルターの
材質が同じ真鍮製であるので、なじみが良く熱伝導も良
いため気化フィルターの中心部の温度が高くなりやす
く、また熱膨張収縮による気化フィルターの変形などの
心配もなくなる。
【0032】
【実施例】(実施例1)以下本発明の実施例1について
図面に基づいて説明する。
【0033】まず、図1を用いて燃焼装置16の構成を
説明する。21は真鍮製の気化部で、その上部に円形の
バーナ受け座22を設け、前記バーナ受け座22のほぼ
中央に位置するようにノズル23を配置し、前記バーナ
受け座22とノズル23の間に燃焼用空気を供給する一
次空気取り入れ用の開口24を設け、そして、ノズル2
3に連通する連通口25を介して円筒状の気化室26を
外周方向に伸ばして一体形成してある。
【0034】気化室26には、真鍮製の金属線を波状に
波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮し
て形成した気化フィルター27を配設してあり、また、
ノズル23の反対側の下部端に燃料を供給する燃料供給
口28を配設してある。また気化部21の気化室26の
反対側のバーナ受け座22の下面側に沿うようにヒータ
29を配設してある。
【0035】30はノズル23の上方に位置する如くバ
ーナ受け座22に載置した無底筒状の混合管で、ノズル
23と対向しており、ノズル23から噴出された燃料ガ
スとその燃料ガスの噴出によるエジェクター効果で吸引
する一次空気とを混合させるようになっている。
【0036】31は混合管30を覆う如く上開口部側か
らバーナ受け座22に重ねて覆着した有天筒状のバーナ
部で、下部周壁に多数の炎孔31aを形成してある。
【0037】32は炎孔31aの外周部を囲む如くバー
ナ受け座22に取り付けた上向きテーパー状のバーナリ
ング、33はバーナ受け座22に形成した受熱部であ
る。
【0038】図2は前記燃焼装置を用いた温風暖房機器
の構成図である。11は本体ケースで、その下方側部に
液体燃料を保有するタンク12とそのタンク12上部に
着脱自在なカートリッジタンク13が配設してある。1
4はタンク12の上面に取付けたポンプで、その上端か
ら送油パイプ15を導出して燃焼装置16に燃料を供給
するようになっている。
【0039】17は燃焼装置16からの燃焼排ガスを上
方へ導く燃焼筒で、その背部に室内空気流を取入れ送出
する送風機18が配設してある。19は上記燃焼筒17
からの燃焼排ガスと室内空気流を混合して温風にするダ
クトである。20は前記燃焼装置16の燃焼や送風機1
8を制御する制御部で、操作部から入力される運転条件
信号に基づいてポンプ14や送風機18などを予め決め
られたシーケンスで制御するようになっている。
【0040】前記構成において、カートリッジタンク1
3から一定油面を保つようにタンク12に供給されてい
る液体燃料は、ポンプ14によってタンク12から吸い
上げられ、送油パイプ15、燃料供給口28を介して燃
焼装置16の気化室26に送られる。送られた燃料はヒ
ータ29で所定温度以上に保たれた気化室26内で気化
し高圧の燃料ガスとなってノズル23から噴出され、そ
の際エジェクタ効果により一次空気を吸引しながら気化
室26の下流側に設けた混合管30内で混合されてバー
ナ部31内に供給され、炎孔31aから噴出して燃焼さ
れる。そして生じた燃焼排ガスは燃焼筒17の上方へ流
れてゆき、ダクト19内で送風機18からの室内空気流
と混合され、温風として排出されて暖房に利用される。
そして、制御部20は操作部で設定された条件に基づい
て、ヒータ29、ポンプ14、送風機18などを予め決
められたシーケンスで制御して、運転の開始、停止、ま
た燃焼量の可変等の運転制御をする。
【0041】次に、燃焼装置16での燃焼について説明
する。ノズル23より噴出された燃料ガスは、エジェク
タ効果により一次空気を吸引しながら気化室26の下流
側に設けた混合管30内で流れ込んでここで混合され、
混合管30の上開口部からバーナ部31内に放出されて
混合管30外周を折り返し流れて、バーナ部31の下方
の周壁に設けた多数の炎孔31aから噴出し、燃焼す
る。
【0042】このとき混合ガスはバーナ部31に折り返
して混合管30の周囲を流れ、この部分で拡散混合及び
圧力の均一化が促進されて炎孔31aから均一に噴出
し、均一な火炎を形成する。そしてこの火炎はその外周
に位置するように設けたバーナリング32によって上方
向きになるようその火炎形成方向を制御され、リフトの
ない安定した燃焼を行うようになる。また、受熱フラン
ジ33はバーナ部31の炎孔31aに形成される火炎で
加熱され、この火炎からの熱回収作用によって、気化室
26の温度を一定温度以上に保つようになり、ヒータ2
9への通電の一部或いは全部を軽減することが可能とな
る。
【0043】ここで、図3のフィルターの製造方法につ
いて説明する。気化フィルター27は、金属線を波状に
波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮し
て形成してフィルターとしてあるので、熱伝導性がよく
周囲から与えられる温度が気化フィルター27の中心部
まで到達するとともに、その組織は均質にでき、密度は
気化フィルター27を形成する波状に波付けした素線の
径や波付けの大きさそして所定の形状に圧縮するときの
圧縮率によって均質に自由に調整でき、最適の設定がで
きるようになる。また、金属線の波状に波付けする加工
は、金属線を咬み合う歯車の間に通過させることによっ
て連続的に簡単に形成でき、この歯車の歯の形状やピッ
チなどによって金属線の波付け形状を自由に設定でき、
この波付けした素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧
縮することでフィルターを形成でき、密度や形状の自由
度の高いものが簡単に安価に得られるようになる。
【0044】そして、気化部21の材質と気化フィルタ
ー27の材質が同じ真鍮製であるので、なじみが良く熱
伝導も良いため気化フィルター27の中心部の温度が高
くなりやすく、また熱膨張収縮による気化フィルター2
7の変形などの心配もなくなる。
【0045】また前記のように気化室26には、気化フ
ィルター27として、金属線を波状に波付けした素線を
棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮して形成してあるの
で、気化室26に入った燃料は気化フィルター27の毛
細管現象で全体に拡散され、周囲から与えられた熱によ
って中心部まで均一に高温となった気化フィルター27
の素線に触れて気化してノズル23より噴出されるよう
になる。そのため不良燃料が混入されても、中心部まで
十分に高温となっている気化フィルター27にその毛細
管現象で全体に拡散されて、気化が促進されるので、ほ
とんど気化されるようになり、また、何らかの理由でさ
らに気化されにくい不良成分が混入したとしても、気化
フィルター27の気孔が均質であるので、気化フィルタ
ー27の気孔部分で捕集されそのまま通過してノズル2
3から噴出されることはなく、タールが生成したとして
も、気化フィルター27全体に広がって蓄積されるの
で、局部的なタールの目詰まりを生じないので、その寿
命も長くなる。
【0046】このように、ノズル23に到達する気化ガ
スは、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノズ
ル23から噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼
は安定するようになるとともに、長寿命化が図れるよう
になる。
【0047】(実施例2)図4は実施例2の燃焼装置の
構成を示すものである。実施例1で説明した部分と同じ
部分は同一番号を付記して説明を省略し、異なる部分の
みを説明する。気化室26に気化フィルター34を分割
して配設するとともに、ノズル23側の気化フィルター
34aと燃料供給口28側の気化フィルター34b間に
スペーサ35を配設し、ノズル23側の気化フィルター
34aと燃料供給口28側の気化フィルター34bの間
に空間を設けた構成としてある。
【0048】前記構成において、気化室26に気化フィ
ルター34を分割して配設するとともに、ノズル23側
の気化フィルター34aと燃料供給口28側の気化フィ
ルター34b間にスペーサ35を配設し、ノズル23側
の気化フィルター34aと燃料供給口28側の気化フィ
ルター27の間に空間を設けてあるので、燃料供給口2
8側の気化フィルター34bを1次気化部として、また
ノズル23側の気化フィルター34aを2次気化部とし
て機構的に分けることができ、1次気化部は主として気
化促進部、2次気化部は気化ガスをさらに完全に気化さ
せるとともに気化しない高沸点成分などのタール捕集部
として、機能を分担させることによって気化を安定させ
燃焼の安定化を図ることができるようになる。また、気
化フィルター34を分割してあるので、ノズル23側の
気化フィルター34aと燃料供給口28側の気化フィル
ター34bの材質などを変えることができ、気化促進
部、タール捕集部として機能にあった設定ができるよう
になる。さらに、気化フィルター34a、34b間の空
間には、燃料供給口28側の気化フィルター34bで気
化できずに生成したタール分の粒子の大きいものの一部
がたまり、ノズル23側の気化フィルター34aにター
ル分が送られる量を減少できるので、ノズル23側の気
化フィルター34aの目詰まりを低減できる。
【0049】(実施例3)図5は実施例3の燃焼装置の
構成を示すものである。実施例1で説明した部分と同じ
部分は同一番号を付記して説明を省略し、異なる部分の
みを説明する。気化室26はノズル23側を小径、燃料
供給口28側を大径とした2段円筒形状にするととも
に、ノズル23側に真鍮製の小径の気化フィルター36
Aを、燃料供給口28側に大径のステンレス製の気化フ
ィルター36Bを分割して配設し、ノズル23側の気化
フィルター36Aの長さを気化室26の小径の部分より
短くして燃料供給口28側の気化フィルター36Bとの
間に空間を設けた構成としてある。
【0050】前記構成において、気化室26を2段円筒
形状としてノズル23側の気化フィルター36Aと燃料
供給口28側の気化フィルター36Bの間に空間を設け
てあるので、実施例2の発明と同様に燃料供給口28側
の気化フィルター36Bを1次気化部として、またノズ
ル23側の気化フィルター36Aを2次気化部として機
構的に分けることができ、1次気化部は主として気化促
進部、2次気化部は気化ガスをさらに完全に気化させる
とともに気化しない高沸点成分などのタール捕集部とし
て、機能を分担させることによって気化を安定させ燃焼
の安定化を図ることができるようになる。また、気化フ
ィルター36を分割してあるので、ノズル23側の気化
フィルター36Aと燃料供給口28側の気化フィルター
36Bの材質などを変えることができ、気化促進部、タ
ール捕集部として機能にあった設定ができるようにな
る。さらに、気化フィルター36A、36B間の空間に
は、燃料供給口28側の気化フィルター36Aで気化で
きずに生成したタール分の粒子の大きいものの一部がた
まり、ノズル23側の気化フィルター36Aにタール分
が送られる量を減少できるので、ノズル23側の気化フ
ィルター36Aの目詰まりを低減できる。
【0051】さらに気化室26を2段円筒形状としてあ
るので、ノズル23側に小径の気化フィルター36A
と、燃料供給口28側に大径の気化フィルター36Bを
分割して配設するときのスペーサを不要とすることがで
き構成が簡単となる。また、ノズル23側の気化フィル
ター36Aの断面積は他の部分より小さくなり、燃料の
気化ガスが通過する際の抵抗が大きくなって、供給され
た燃料が気化不十分のままで通過されにくくなる。その
ため不良燃料のタール生成が燃料供給口28側の気化フ
ィルター36Bで行われ易くなり、ノズル23に到達す
る気化ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを含まないた
め、ノズル23から噴出される気化ガスは安定して噴出
され燃焼は安定するようになる。さらに、気化室26の
ノズル23側を小径としてあるので、他の部分より伝熱
面積が広く、また気化フィルター27の中心部までの距
離も短くなるので、気化フィルター36Aの中心部温度
が高くなり、2次気化部としてタール捕集しやすくな
る。
【0052】そして、燃料供給口28側の気化フィルタ
ー36Bをステンレス製としてあるので、気化室26に
入ってきた燃料は気化フィルター36Bにその毛細管現
象で全体に拡散され気化するための熱量を気化フィルタ
ー36Bから奪って気化フィルター36Bの温度を低下
させようとするが、気化フィルター36Bは熱容量が大
きく熱伝導性の悪いステンレス性の金属線で形成してあ
るので、真鍮などの他の材質に比べ、一時的に燃料が変
化しても気化フィルター36Bの温度変化が徐々に変化
して、その間燃焼熱の受熱によるフィードバックで気化
室26の温度が補正されてるので、気化性能が安定化す
るようになる。また、ノズル23側の気化フィルター3
6Aを真鍮製にしてあるので、熱伝導度はよく中心部ま
で温度は高くなり、1次気化した気化ガスをさらに高温
とすることができ、タール捕集しながら2次気化を促進
するとともに、気化ガス温度を高くすることができるの
で、ノズル23から噴出される気化ガスは安定して噴出
され燃焼は安定するようになる。
【0053】なお、本発明では、フィルターを気化フィ
ルター27として説明したが、これは燃料の濾過や燃焼
器の排ガスの濾過など他の目的のフィルターとして使用
してもよく、また、気化室26のノズル23側を小径、
燃料供給口28側を大径とした2段円筒形状にするとと
もに、ノズル23側に小径の気化フィルター36Aを、
燃料供給口28側に大径の気化フィルター36Bを分割
して配設し、ノズル23側の気化フィルター36Aと燃
料供給口28側の気化フィルター36Bの間に空間を設
けた構成と、ノズル23側の気化フィルター36Aを真
鍮製に、燃料供給口28側の気化フィルター36Bをス
テンレス製とした構成を同時に説明したが、これは個別
に構成してもよく、その他各部の構成も本発明の目的を
達成する範囲であれば、その構成はどのようなものであ
ってよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、フィルターは金属線を波状に波付けした素線を棒
状に巻き重ねし所定の形状に圧縮して形成してフィルタ
ーとしてあるので、熱伝導性がよく周囲から与えられる
温度が気化フィルターの中心部まで到達するとともに、
その組織は均質にでき、その密度は気化フィルターを形
成する波状に波付けした素線の径や波付けの大きさそし
て所定の形状に圧縮するときの圧縮率によって均質に自
由に調整でき、最適の設定ができるようになる。また、
金属線の波状に波付けする加工、金属線を咬み合う歯車
の間に通過させることによって連続的に簡単に形成で
き、この歯車の歯の形状やピッチなどによって金属線の
波付け形状を自由に設定でき、この波付けした素線を棒
状に巻き重ねし所定の形状に圧縮することでフィルター
を均質に形成でき、密度や形状の自由度の高いものが簡
単に安価に得られるようになる。
【0055】請求項2の発明によれば、気化フィルター
として、金属線を波状に波付けした素線を棒状に巻き重
ねし、所定の形状に圧縮して形成してあるので、熱伝導
性がよく周囲から与えられる温度が気化フィルターの中
心部まで到達するとともに、その組織は均質で、密度も
気化フィルターを形成する波状に波付けした素線の径や
波付けの大きさそして所定の形状に圧縮するときの圧縮
率によって自由に調整でき、最適の設定ができるように
なる。そしてこの気化フィルターによって、気化室に入
った燃料は気化フィルターの毛細管現象で全体に拡散さ
れ、周囲から与えられた熱によって中心部まで均一に高
温となった気化フィルターの素線に触れて気化してノズ
ルより噴出されるようになる。そのため不良燃料が混入
されても、中心部まで十分に高温となっている気化フィ
ルターにその毛細管現象で全体に拡散されて、気化が促
進されるので、ほとんど気化されるようになり、また、
何らかの理由でさらに気化されにくい不良成分が混入し
たとしても、気化フィルターの気孔が均質であるので、
気化フィルターの気孔部分で捕集されそのまま通過して
ノズルから噴出されることはなく、タールが生成したと
しても、気化フィルター全体に広がって蓄積されるの
で、局部的なタールの目詰まりを生じないので、その寿
命も長くなる。
【0056】また請求項3の発明によれば、気化室に気
化フィルターを分割して配設するとともに、ノズル側と
燃料供給口側の気化フィルター間にスペーサを配設し、
ノズル側の気化フィルターと燃料供給口側の気化フィル
ターの間に空間を設けてあるので、燃料供給口側の気化
フィルターを1次気化部として、またノズル側の気化フ
ィルターを2次気化部として機構的に分けることがで
き、1次気化部は主として気化促進部、2次気化部は気
化ガスをさらに完全に気化させるとともに気化しない高
沸点成分などのタール捕集部として、機能を分担させる
ことによって気化を安定させ燃焼の安定化を図ることが
できるようになる。また、気化フィルターを分割してあ
るので、ノズル側の気化フィルターと燃料供給口側の気
化フィルターの材質などを変えることができ、気化促進
部、タール捕集部として機能にあった設定ができるよう
になる。さらに、気化フィルター間の空間には、燃料供
給口側の気化フィルターで気化できずに生成したタール
分の粒子の大きいものの一部がたまり、ノズル側の気化
フィルターにタール分が送られる量を減少できるので、
ノズル側の気化フィルターの目詰まりを低減できる。
【0057】また請求項4の発明によれば、気化室を2
段円筒形状としてノズル側の気化フィルターと燃料供給
口側の気化フィルターの間に空間を設けてあるので、請
求項3の発明と同様に燃料供給口側の気化フィルターを
1次気化部として、またノズル側の気化フィルターを2
次気化部として機構的に分けることができ、1次気化部
は主として気化促進部、2次気化部は気化ガスをさらに
完全に気化させるとともに気化しない高沸点成分などの
タール捕集部として、機能を分担させることによって気
化を安定させ燃焼の安定化を図ることができるようにな
る。また、気化フィルターを分割してあるので、ノズル
側の気化フィルターと燃料供給口側の気化フィルターの
材質などを変えることができ、気化促進部、タール捕集
部として機能にあった設定ができるようになる。さら
に、気化フィルター間の空間には、燃料供給口側の気化
フィルターで気化できずに生成したタール分の粒子の大
きいものの一部がたまり、ノズル側の気化フィルターに
タール分が送られる量を減少できるので、ノズル側の気
化フィルターの目詰まりを低減できる。
【0058】さらに気化室を2段円筒形状としてあるの
で、ノズル側に小径の気化フィルターと、燃料供給口側
に大径の気化フィルターを分割して配設するときのスペ
ーサを不要とすることができ構成が簡単となる。また、
ノズル側の気化フィルターの断面積はノズル側が他の部
分より小さくなり、燃料の気化ガスが通過する際の抵抗
が大きくなって、供給された燃料が気化不十分のままで
通過されにくくなる。そのため不良燃料のタール生成が
燃料供給口側で行われ易くなり、ノズルに到達する気化
ガスは、気化不十分の燃料気化ガスを含まないため、ノ
ズルから噴出される気化ガスは安定して噴出され燃焼は
安定するようになる。さらに、気化室のノズル側を小径
としてあるので、他の部分より伝熱面積が広く、また気
化フィルターの中心部までの距離も短くなるので、気化
フィルター中心部の温度が高くなり、2次気化部として
タール捕集しやすくなる。
【0059】また請求項5の発明によれば、燃料供給口
側の気化フィルターをステンレス製としてあるので、気
化室に入ってきた燃料は気化フィルターにその毛細管現
象で全体に拡散され気化するための熱量を気化フィルタ
ーから奪って気化フィルターの温度を低下させようとす
るが、気化フィルターは熱容量が大きく熱伝導性の悪い
ステンレス性の金属線で形成してあるので、真鍮などの
他の材質に比べ、一時的に燃料が変化しても気化フィル
ターの温度変化が徐々に変化して、その間燃焼熱の受熱
によるフィードバックで気化室の温度が補正されるの
で、気化性能が安定化するようになる。また、ノズル側
の気化フィルターを真鍮製にしてあるので、熱伝導度は
よく中心部まで温度は高くなり、1次気化した気化ガス
をさらに高温とすることができ、タール捕集しながら2
次気化を促進するとともに、気化ガス温度を高くするこ
とができるので、ノズルから噴出される気化ガスは安定
して噴出され燃焼は安定するようになる。
【0060】また請求項6の発明によれば、気化部の材
質と気化フィルターの材質が同じ真鍮製であるので、な
じみが良く熱伝導も良いため気化フィルターの中心部の
温度が高くなりやすく、また熱膨張収縮による気化フィ
ルターの変形などの心配もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における燃焼装置の構成図
【図2】同燃焼装置を用いた温風暖房機の構成図
【図3】同燃焼装置に用いる気化フィルターの製造方法
を示す図
【図4】本発明の実施例2における燃焼装置の構成図
【図5】本発明の実施例3における燃焼装置の構成図
【図6】従来の燃焼装置の構成図
【符号の説明】
14 燃料供給手段 21 気化部 23 ノズル 26 気化室 29 ヒータ 31 バーナ部 27、34A、34B、36A、36B 気化フィルタ
ー 35 スペーサ
フロントページの続き (72)発明者 上野 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K052 AA05 AA07 AB06 AB08 AB11 AB14 CA03 CA04 CA08 CA12 CA16 CA26 4D019 AA03 BA02 BB13 BB18 BD06 CB04 CB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属線を波状に波付けした素線を棒状に巻
    き重ねし所定の形状に圧縮して形成したフィルターの製
    造法。
  2. 【請求項2】燃料を供給する燃料供給手段と、供給され
    た燃料を気化させる気化部と、この気化部を加熱するヒ
    ータと、気化部で気化したガスを噴出させるノズルと、
    ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部を備え、
    前記気化部に燃料を気化する円筒形状の気化室を配設す
    るとともに、前記気化室には金属線を波状に波付けした
    素線を棒状に巻き重ねし所定の形状に圧縮して形成した
    気化フィルターを配設してなる燃焼装置。
  3. 【請求項3】燃料を供給する燃料供給手段と、供給され
    た燃料を気化させる気化部と、この気化部を加熱するヒ
    ータと、気化部で気化したガスを噴出させるノズルと、
    ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部を備え、
    前記気化部に燃料を気化する円筒形状の気化室を配設す
    るとともに、前記気化室は気化フィルターを分割して配
    設するとともに、ノズル側と燃料供給口側の気化フィル
    ター間にスペーサを配設し、前記ノズル側の気化フィル
    ターと前記燃料供給口側の気化フィルターの間に空間を
    設けてなる燃焼装置。
  4. 【請求項4】燃料を供給する燃料供給手段と、供給され
    た燃料を気化させる気化部と、この気化部を加熱するヒ
    ータと、気化部で気化したガスを噴出させるノズルと、
    ノズルから噴出したガスを燃焼させるバーナ部を備え、
    前記気化部に燃料を気化する円筒形状の気化室を配設す
    るとともに、前記気化室は前記ノズル側を小径、燃料供
    給口側を大径とした2段円筒形状にするとともに、前記
    ノズル側に小径の気化フィルターを、前記燃料供給口側
    に大径の気化フィルターを分割して配設し、前記ノズル
    側の気化フィルターと前記燃料供給口側の気化フィルタ
    ーの間に空間を設けてなる請求項2記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】ノズル側の気化フィルターを真鍮製に、燃
    料供給口側の気化フィルターをステンレス製としてなる
    請求項3または4記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】気化部の材質は真鍮製とするとともに、気
    化フィルターを真鍮製としてなる請求項3または4記載
    の燃焼装置。
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