JP3464852B2 - 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents

高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JP3464852B2 JP20078495A JP20078495A JP3464852B2 JP 3464852 B2 JP3464852 B2 JP 3464852B2 JP 20078495 A JP20078495 A JP 20078495A JP 20078495 A JP20078495 A JP 20078495A JP 3464852 B2 JP3464852 B2 JP 3464852B2
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一弘 椚原
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、感熱孔版印刷原紙
用ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本
発明は、特定のポリエステルに特定の粒子を組み合わせ
て配合することにより、フィルムの巻き特性、穿孔感度
および耐カール性に優れ、印刷時の画像の解像度、濃度
に優れた高感度感熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られており、かかる用途に用いられるフィルムに
は、以下のような特性が要求される。 【0003】(1)フィルム製造時および原紙作成時の
取扱い性および生産性にも優れていることが求められ
る。具体的には、フィルム製造時にロールとして巻いた
時の巻姿も重要な要素である。ロールとして巻き取る際
にフィルムとフィルムとの間に空気が巻き込まれる。フ
ィルムの巻き取り速度が速くなるとフィルムに随伴する
空気の量が多くなるのでフィルムの間にできる空気層が
厚くなる。フィルム巻き取り時にこの空気層を素早く減
少させてフィルム面が接触するようにしないと空気が逃
げ出す時にフィルムが空気層に乗った状態で右や左に流
れ、巻き上げロールのフィルム端面が不揃いになる。従
ってフィルム巻き上げ時に空気の逃げやすいフィルムで
あることが必要である。また原紙作成時においても、フ
ィルムの巻出しや、工程内でのフィルム走行等でのトラ
ブルが発生しないことが必要である。 【0004】(2)熱穿孔感度が良いことが求められ
る。すなわち、少量の熱量で溶融し、かつ、印刷時の画
像が鮮明になるような適度な大きさの穿孔が得られるよ
う、十分な熱収縮特性を有することが求められる。 (3)多数回製版時においても熱穿孔感度が低下しない
ことが求められる。すなわち、離形層の界面活性剤やシ
リコンオイル、フィルムの溶融カス等が感熱ヘッドの汚
れとして付着しないことや、付着した場合は、付着した
ヘッドの汚れをクリーニングする効果などが必要であ
る。 (4)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を有することが求められ
る。また、かかる作業において、加熱工程があっても、
その影響で原紙の著しいカール等の問題が生じないこと
が求められる。 【0005】(5)熱穿孔の階調性が良いことが求めら
れる。すなわち、原紙として使用する際、穿孔されるべ
き部分以外が周囲の穿孔の影響で溶融してしまうと、印
刷画像の階調性が劣るようになり、好ましくない。穿孔
される部分と穿孔されない部分とがはっきり区別できる
ような熱穿孔特性を有することが求められる。従来、か
かる用途に用いるフィルムとして熱可塑性樹脂を対象と
した二軸延伸フィルムであって、その熱的特性を規定す
ることにより印刷特性を改善したフィルム(特開昭62
−149496号公報)、表面の粗度および突起個数を
規定したフィルム(特開昭63−227634号公
報)、あるいは熱収縮特性を規定したフィルム(特開昭
62−282983号公報、特開昭63−160895
号公報、特開昭63−312192号公報、特開平3−
30996号公報)等が提案されているが、上記した課
題をすべて解決できるものではなかった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み、鋭意検討した結果、特定のポリエステル混合物
に、特定の2種以上の粒子を含有する二軸配向フィルム
が、高感度感熱孔版印刷原紙用として好適であることを
見いだし、本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレ
フタレート単位を70モル%以上含むポリエステル
(a)と、ブチレンテレフタレート単位を70モル%以
上含むポリエステル(b)とから得られる、エステル交
換率が2〜20%のポリエステル(c)に、粒度分布値
(r)が1.5以下で平均粒子径が0.1〜3.0μm
の架橋高分子有機粒子を0.1〜3.0重量%と、モー
ス硬度が7以上で平均粒子径が0.1〜0.9μmの粒
子を0.01〜1.0重量%含有し、かつ下記式を満
足する、フィルム厚みが0.5〜5μmの高感度感熱孔
版印刷原紙用二軸配向ポリエステルフィルム。 【0008】 【数2】 【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルの二官能性酸成分は、芳香族ジカルボ
ン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主とするもの
であり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフ
タル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テ
レフタル酸ジメチルが好ましい。またグリコール成分と
しては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1.4
−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これら
の中でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好
ましい。 【0010】かかるポリエステルは、1種の芳香族ジカ
ルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種の
アルキレングリコールとを出発原料とするポリエステル
でもよいが、2種以上の成分を含む共重体であることが
好ましい。共重合する成分として、上記のほかに例え
ば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピ
ン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカ
ルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが
挙げられる。またそれぞれ単一成分で構成されるホモポ
リマーどうし、ホモポリマーと2種以上の成分を含む共
重合体および当該共重合体同士のブレンドポリエステル
が好ましく、その中でもポリブチレンテレフタレートと
ポリエチレンテレフタレートまたはイソフタル酸を共重
合成分としたポリエチレンテレフタレート共重合体との
ブレンドポリエステルがさらに好ましい。 【0011】本発明のポリエステルフィルムの融点は、
通常150〜240℃、好ましくは160〜230℃の
範囲である。融点が240℃より高い場合には、本発明
の目的とする高度な穿孔感度が得られなくなることがあ
り、150℃未満では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪
化して原紙を製造する工程や、原紙の保存中にカールが
発生したり、印刷画像の階調性が劣るようになる恐れが
ある。また、本発明においては、フィルムの最も高い融
点(Tm2)と最も低い融点(Tm1)との差が通常50℃
未満、好ましくは30℃未満であるが、Tm1 とTm2
が同一であってもよい。当該融点差が50℃以上では、
短時間で均一な穿孔が起こらず印刷画像の階調性が劣る
ようになる傾向がある。 【0012】本発明で用いるポリエステル(a)とは、
テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレン
グリコールを主たる出発原料としエチレンテレフタレー
ト単位を70モル%以上含むポリエステルであり、ポリ
エステル(b)とは、テレフタル酸もしくはテレフタル
酸ジメチルとブチレングリコールを主たる出発原料とし
てブチレンテレフタレート単位を70モル%以上含むポ
リエステルである。 【0013】エチレンテレフタレート単位およびブチレ
ンテレフタレート単位が70モル%未満では、フィルム
の耐熱寸法安定性が悪化して、原紙を製造する工程や原
紙の保存中にカールが発生したり、印画画像の階調性が
劣るようになるので好ましくない。また、上記範囲内で
あれば、以下の第3成分をそれぞれ含有していてもよ
い。 【0014】第3成分としては、芳香族ジカルボン酸も
しくはそのエステル形成性誘導体を主とするものであ
り、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタル
酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
などが挙げられる。また、グリコール成分としてはエチ
レングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、1.4−シクロヘキ
サンジメタノールなどが挙げられる。 【0015】本発明の目的は前述のとおり、フィルムの
製造時に、巻取性、スリット性が良好で、巻取時にシワ
が入ったり、巻きずれを起こさず、良好なロール外観を
持ち、感熱孔版印刷原紙用フィルムとした時の耐熱寸法
安定性と少量の熱量でも高度な穿孔感度が得られ、多数
回製版時においても熱穿孔感度が低下しないこと、すな
わち離形層の界面活性剤やシリコンオイル、フィルムの
溶融カス等が感熱ヘッドの汚れとして付着しないこと
や、付着した場合は付着した感熱ヘッドの汚れをクリー
ニングする効果と同時に、感熱ヘッドの磨耗を最小限に
抑える効果などを有し、経済的にも有利な感熱孔版印刷
原紙用ベースフィルムを提供することにある。 【0016】本発明の特徴の一つは、ポリエステル
(a)とポリエステル(b)とを溶融混練することによ
り得られるポリエステル(a)とポリエステル(b)と
の共重合体(本願発明では、当該共重合体の割合をエス
テル交換率とする)を2〜20%含むポリエステル
(c)を出発原料とするところにある。本発明で言うエ
ステル交換率は、13C−NMRによりテレフタル酸の4
級炭素の定量を行い、テレフタル酸の4級炭素のピーク
が両隣の効果により4本に分離するのを利用して求める
ことができる。 【0017】エステル交換率が2%未満では、フィルム
とした際、少量の熱エネルギーで溶融せず、十分な大き
さの穿孔が得られなくなるので好ましくない。エステル
交換率が20%を超えると、フィルムとした際の耐熱寸
法安定性が悪化して、原紙を製造する工程や、原紙の保
存中にカールが発生したり、印刷画像の階調性が劣るよ
うになるので好ましくない。エステル交換率が2〜20
%のポリエステル(c)を得る具体的な方法は、ポリエ
ステル(a)とポリエステル(b)とを押出機を用いて
溶融練り込みして得る方法がある。 【0018】本発明においては周知の押出機を用いるこ
とができるが、ポリエステルの乾燥工程を省略するため
にはベント付き押出機が有効であり、ランダム化を進
め、エステル交換率を高くするためには、単軸よりも2
軸押出機がより有効である。ポリエステル(c)のエス
テル交換率は押し出し機の押し出し温度の影響が大き
く、押出温度を高くするとランダム化が促進され、エス
テル交換率が高くなる傾向がある。いずれにしても本発
明の要旨を満たすものであれば、押出機を限定するもの
ではない。 【0019】さらに、本発明は、ポリエステル(a)と
ポリエステル(b)との組成からなる、一般に再生品と
呼ばれる、フィルム製造時に発生する耳部などのスクラ
ップを用いる方法もある。この方法は再生品の再利用で
あり、経済的に有利な方法である。本発明の要旨を満た
すものであれば、再生品を配合してもなんら問題はな
く、製造コストを下げるには有効な方法である。再生品
を得る方法としては、ポリエステルの製膜工程で発生す
るスクラップをフレーク化した後、乾燥して押出機にて
溶融しペレット化する方法と、エレマ社製押出機を用い
てスクラップをそのままペレット化する方法などがあ
る。 【0020】本発明においてポリエステル(c)を得る
ためのポリエステル(a)とポリエステル(b)との配
合量は、ポリエステル(a)が30〜70重量%、ポリ
エステル(b)が70〜30重量%、さらにはポリエス
テル(a)が40〜60重量%、ポリエステル(b)が
60〜40重量%とすることが好ましい。ポリエステル
(a)の配合量が30重量%未満またはポリエステル
(b)の配合量が70重量%を超えると、熱安定性が劣
る傾向があり、最終的に得られるフィルムの耐熱寸法安
定性性が悪化して、原紙を製造する行程や、原紙の保存
中にカールが発生したり、印刷画像の階調性が劣るよう
になる恐れがある。またポリエステル(a)の配合量が
70重量%を超えたりポリエステル(b)の配合量が3
0重量%未満では、穿孔時に必要な熱エネルギーが高く
なるために最終的に得られるフィルムの印刷時の解像度
や印刷品位性が劣るようになる恐れがある。本発明のも
う一つの特徴は、ポリエステルに特性の異なる2つ以上
の粒子を含有させることである。有機架橋粒子とモース
硬度が7以上の粒子、この特性の異なる粒子を併用する
ことにより本願の目的が達成できる。粒子の一つは架橋
高分子粒子であり、もう一つの粒子は、モース硬度が7
以上の粒子である。 【0021】本発明で用いる架橋高分子粒子の平均粒径
は0.1〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.0μ
m、粒度分布値(r)は1.5以下、好ましくは1.4
以下である。平均粒径が0.1μm未満では、フィルム
巻き特性が劣り、フィルムをロールに巻いた時にシワが
入ったりして好ましくない。また平均粒径が3.0μm
を超えたり、粒度分布値(r)が1.5を超える場合
は、フィルム表面の平面性が損なわれて熱伝達にムラが
生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品
位性を損なったりするため好ましくない。 【0022】さらに架橋高分子粒子の添加量は0.1〜
3.0重量%であり、ポリエステルレジン1g中の粒子
数が5.9×107 〜1.8×1012個、さらには添加
量が0.2〜2.0重量%でかつ粒子数が1.2×10
8 〜1.2×1012個の範囲が好ましい。架橋高分子粒
子の添加量が0.1重量%未満では、フィルム巻き特性
が劣るので好ましくない。また架橋高分子粒子の添加量
が3重量%を超えると、フィルム表面の粗面化の度合い
が大き過ぎて熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一とな
り、解像度が劣ったり、印字品位性を損なったりするた
め好ましくない。本発明で用いる架橋高分子粒子は、例
えば、分子中に唯1個の脂肪族の不飽和結合を有するモ
ノビニル化合物(A)の一種以上と、架橋剤として分子
中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物
(B)の一種以上とを乳化重合法で共重合させることに
より得ることができる。なお、ここで言う乳化重合法と
は、ソープフリー乳化重合、シード乳化重合等の概念も
包括した広義の乳化重合を指す。 【0023】架橋高分子粒子の原料として用いることの
できる化合物(A)としては、アクリル酸、メタクリル
酸およびこれらのアルキルまたはグリシジルエステル、
無水マレイン酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリ
シジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アルキル置換
スチレン等を挙げることができる。また化合物(B)と
してはジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジ
アクリレート等を挙げることができる。化合物(A)お
よび(B)は各々一種類以上用いるが、窒素原子を有す
る化合物やエチレンを共重合させてもよい。 【0024】また重合開始剤としては、過酸化水素、過
硫酸カリウム、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム等
を用いることができる。また架橋高分子粒子重合時の分
散助剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エ
ステル塩等の陰イオン性界面活性剤やポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエ
チレン−オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界
面活性剤やアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等
の陽イオン界面活性剤およびアルキルベタイン、アミン
オキサイド等の両性界面活性剤である。その中でも特に
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩で代表され
る陰イオン性界面活性剤が好適に用いられる。 【0025】いずれにしても、これらの共重合体は架橋
構造を有し、ポリエステルの製造あるいは成型時の高温
においても実質的に不溶、不融で耐熱性を有するものが
好ましい。具体的には窒素ガス流通下300℃で30分
間加熱処理した後の重量減少率が30重量%以下、さら
には20重量%以下である架橋高分子粒子が望ましい。
また架橋高分子粒子は多孔質であってもそうでなくても
よいが、多孔質の方がポリエステルとの親和性により優
れているので好ましい。有機架橋高分子粒子に併用する
粒子はモース硬度が7以上である。モース硬度が7未満
では、多数回製版時の感熱ヘッドに汚れが付着し、穿孔
感度が低下するので好ましくない。 【0026】モース硬度が高い粒子が感熱ヘッド汚れに
良好な結果をもたらす作用機構は明確になっていない
が、感熱ヘッドと同等以上の硬度を有する粒子に顕著な
効果があることから、フィルム表面突起を形成する粒子
が感熱ヘッドに付着した汚れとともにヘッドを研磨する
ことでクリーニング効果が得られるものと考えられ、モ
ース硬度が7以上の粒子をポリエステルに配合すること
により印刷時の画像の解像度、濃度に優れ、多数回製版
時においても熱穿孔感度が低下しない高感度感熱孔版印
刷原紙用フィルムを得ることができる。 【0027】モース硬度が7以上の粒子の平均粒子径は
0.1〜0.9μm、好ましくは0.2〜0.6μm、
添加量は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05
〜0.6重量%である。平均粒子径が0.1μm以下の
場合や添加量が0.01重量%未満の場合、感熱ヘッド
に付着した汚れをクリーニングする効果が得られず、結
果的に、多数回製版時おいて熱穿孔感度が低下し、高解
像度の印刷ができなくなる。また、平均粒子径が0.9
μmを超えたり、粒子添加量が1.0重量%を超えてし
まうと、フィルム表面の平面性が損なわれて熱伝達にム
ラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印
字品位性を損なったりするため好ましくない。また感熱
ヘッドを必要以上に研磨してしまい感熱ヘッドの寿命が
短くなってしまう。 【0028】本発明で用いるモース硬度7以上の不活性
粒子の例としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニ
ア、酸化アルミニウム粒子等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。これらの中でも酸化
アルミニウム粒子が好ましく、当該粒子の製造法として
は、例えば熱分解法、すなわち無水塩化アルミニウムを
原料として火焔加水分解させる方法、あるいはアンモニ
ウム明ばん熱分解法、すなわち水酸化アルミニウムを原
料として硫酸と反応させて硫酸アルミニウムとした後硫
酸アンモニウムと反応させてアンモニウム明ばんとして
焼成する方法等を挙げることができる。酸化アルミニウ
ムの結晶型はγ型、θ型もしくはδ型が好ましく、さら
に好ましくはα型である。 【0029】さらに本発明において、有機架橋高分子粒
子とモース硬度7以上の粒子の平均粒径の比は、下記式
を満足する必要がある。 【0030】 【数3】 【0031】この粒径比が0.2未満では、クリーニン
グ効果を出すために配合しているモース硬度7以上の粒
子が、架橋高分子有機粒子の突起に埋もれてしまい、感
熱ヘッドに付着した汚れをクリーニングする効果が得ら
れず、結果的に多数回製版時おいて熱穿孔感度が低下
し、高解像度の印刷ができなくなる。また、粒径比が2
を超えてしまうと、フィルム表面の平面性が損なわれて
熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣
ったり、印字品位性を損なったりするため好ましくな
い。またモース硬度7以上の粒子の粒子径が0.9μm
を超えたときと同様に、粒径比が2を超えてしまうと、
感熱ヘッドを必要以上に研磨してしまい感熱ヘッドの寿
命が短くなってしまう。 【0032】本発明のフィルム厚みは通常0.5〜5μ
m、好ましくは0.8〜3μmである。フィルム厚みが
薄くなれば熱伝導距離が短縮され、穿孔時に必要な熱エ
ネルギーも減少するため穿孔性が向上し、印刷時の解像
度や印字品位性が向上するが、厚み0.5μ未満では、
印字が不鮮明で濃淡むらが生じやすくなる傾向があり、
耐刷性も低下することがある。また厚みが5μmを超え
ると、穿孔性が悪化する傾向があり、印刷時にむらが生
じるようになることがある。本発明のポリエステルフィ
ルムの融点は、150〜240℃の範囲であることが好
ましく、さらに好ましくは160〜230℃の範囲であ
る。融点が240℃より高い場合には、高度な穿孔感度
が得られなくなり恐れがあり、150℃未満では、フィ
ルムの耐熱寸法安定性が悪化して原紙を製造する工程
や、原紙の保存中にカールが発生したり、印刷画像の階
調性が劣るようになることがある。 【0033】また、本発明においては、100℃でのフ
ィルムの加熱収縮応力の縦方向または横方向の少なくと
も一方向が500〜1500g/mm2 、さらには50
0〜1300g/mm2 の範囲が好ましい。加熱収縮応
力が500g/mm2 未満では、穿孔時に穴が広がる力
が不足する傾向があり、印刷時に鮮明な画像が得られる
ほどの十分な大きさを有する穿孔が得られなくなる恐れ
がある。また加熱収縮応力が1500g/mm2 を超え
ると、太さむら、濃淡むらあるいは寸法変化が生じるこ
とがある。 【0034】これらの特性に加え、本発明においてはフ
ィルムの100℃で3分処理後の収縮率が20%以上で
あることが好ましく、さらに好ましくは30〜80%で
ある。20%未満では、穿孔感度が不足して印刷的の画
像濃度が低下する恐れがある。また80%を超えると、
穿孔むらが生じやすくなる傾向がある。本発明で用いる
粒子含有ポリエステルを得る方法としては、特に限定さ
れないが、例えば上記の二種類以上の粒子を、ポリエス
テルの重合工程に添加する方法またはフィルム化前に溶
融混練りする方法が好ましく用いられる。 【0035】本発明においては上記したような方法によ
り表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や
印刷時の解像度、印字品位性をさらに高度に満足させる
ためには、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が
0.01〜0.20μmであることが好ましく、さらに
好ましくは0.02〜0.15μmの範囲である。Ra
が0.01μm未満では、フィルムの巻き取りが困難と
なることがあり、シワが入り製品となり得ない場合があ
る。またRaが0.20μmを超えると、フィルム表面
の平面性が損なわれて熱伝達にムラが生ずる傾向があ
り、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品位
性を損なったりすることがある。本発明のフィルムは、
通常極めて薄いフィルムであるので、フィルムの長手方
向と幅方向の引張弾性率をともに通常300kg/mm
2 以上、好ましくは350kg/mm2 以上とすること
により、取り扱い作業性や耐刷性がより良好となる。 【0036】 【発明の実施の形態】次に本発明のポリエステルフィル
ムの製造方法について説明する。本発明においては、ポ
リマーをエクストルーダーに代表される周知の溶融押出
装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し
溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダ
イから押し出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以
下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の
未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上
させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高め
ることが好ましく、本発明においては静電印加密着法お
よび/または液体塗布密着法が好ましく採用される。 【0037】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することにより
シートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる
方法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラ
ム表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触す
る部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラ
ムとシートとの密着性を向上させる方法である。本発明
においては必要に応じ両者を併用してもよい。 【0038】本発明においてはこのようにして得られた
シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは20〜100℃、さらに好ましくは25〜80℃の
温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方式
の延伸機により3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍
に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは2
0〜100℃、さらに好ましくは25〜90℃の温度範
囲で3.0〜7倍、好ましくは3.5〜7倍、さらに好
ましくは4.0〜7倍に延伸を行い、2軸に配向したフ
ィルムを得る。 【0039】なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍
率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未
延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時
二軸延伸することも可能である。かくして得られたフィ
ルムを熱処理してもよく、また必要に応じ熱処理を行う
前または後に再度縦および/または横方向に延伸しても
よい。本発明において、前記した熱収縮特性を有するフ
ィルムを得るためには、延伸倍率を面積倍率として15
倍以上、延伸後の熱処理を実質的に行わないか、行った
としても110℃以下、さらには90℃以下とし、熱処
理時間は1秒〜5分間でフィルムを30%以内の伸長ま
たは定長下で行うことが好ましい。 【0040】なお、本発明においては、製膜に供するポ
リエステル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリ
マー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。
また、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯
電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。か
くして得られた本発明のポリエステルフィルムは、常法
に従って所定の多孔性薄葉紙を公知の接着剤を用いてラ
ミネートすることにより、優れた熱穿孔性を有し、か
つ、印刷時の解像度および階調性に優れた感熱孔版印刷
用原紙とすることができる。 【0041】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)エステル交換率 日本電子製GSX−400型を用いてHFIP/CDC
3 =3/7混合溶液にフィルムを溶解し測定温度25
℃で13C−NMRを測定し、次式にてエステル交換率を
求めた。 【0042】 【数4】エステル交換率(%)=(A/B)×100 (上記式中、Aはエステル交換されたケミカルシフト
(133.4ppm)のピーク、BはPBTのケミカル
シフト(134.1ppm)のピークを表す) 【0043】(2)粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。なお粒度分布値(r)は下記
式から算出した。 【0044】 【数5】粒度分布値(r)=d25/d75 (上記式中、d25、d75は粒子群の積算体積を大粒子側
から計測し、それぞれの総体積 の25%、75%に相
当する粒径(μm)を示す) 【0045】(3)縦横平均熱収縮率 試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、3分
間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて
熱収縮率を算出した。 【0046】 【数6】フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。 【0047】(4)加熱収縮応力 フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重
検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセット
し、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない
状態で、フィルムを100℃のオイルバス中に浸漬し、
浸漬開始から5秒後の応力値を測定した。浸漬前のフィ
ルム断面積から加熱収縮応力(g/mm 2 )を算出し
た。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値
を求めた。 【0048】(5)常温カール 所定厚みのポリエステルフィルムに支持体としてマニラ
麻の繊維からなる和紙を用い、接着剤としてビニル系樹
脂をトルエンに溶解したものを用い、フィルムと和紙を
ラミネートし、50℃のエアーオーブンで10秒間乾燥
し、感熱孔版原紙を得た。得られた原紙をB4サイズに
切り、これをフラットな台上にフィルム面を上に置き2
5℃で24時間後のカール径を測定した。 【0049】(6)50℃カール 常温カール測定時と同様の方法で感熱孔版原紙を作成
し、得られた原紙をB4サイズに切り、これをフラット
な台上にフィルム面を上に置き50℃−湿度90%の恒
温恒湿中で1週間処理した後のカール径を測定した。 【0050】(7)巻き特性 直径15cmの紙管にラインスピード約170m/分で
製造されるフィルムを6000m巻き取り端面の状態を
観察し、次の3ランクに分けた。 ◎ … 端面がすべて揃っている 〇 … 端面がほぼ揃い、実用可能 △ … 端面の一部が不揃いである × … 端面の下なりの部分が不揃いである 【0051】(8)融点 セイコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DS
C20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のと
おりである。すなわち、試料フィルム10mgをDSC
装置にセットし、10℃/分の速度で昇温し、0℃〜3
00℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピークの頂点と
して測定した。 【0052】(9)感熱孔版印刷原紙実用特性 フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られ
た原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.0
9mJおよび0.12mJにて文字画像および16段階
の階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側か
ら顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目
について評価した。 【0053】(i)感度 ◎ … 所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十
分であり非常に良好 ○ … 所定の穿孔がほぼ確実に行われ、穿孔の大きさ
も十分であり良好 △ … 稀に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大き
さが不十分な部分がある × … 所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿
孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある。 また、製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラ
フAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた
文字、画像について、下記の特性を目視で判定した。 【0054】(ii)印字品位性 ◎ … 濃度のムラ、にじみが全くなく、鮮明に印字で
き、非常に良好 ○ … 濃度のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、
良好 △ … わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや
鮮明さに欠ける × … 濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっき
り出ている 実施例で用いた原料ポリエステルの製造方法を以下に示
す。 【0055】『ポリエステル(a)−1の製造』テレフ
タル酸ジメチル80重量部、イソフタル酸ジメチル20
重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、
触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を
反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノー
ルの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後
に230℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応
の終了したこの反応混合物にエチルアシッドフォスフェ
ート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加え
て、4時間重縮合反応を行った。すなわち温度を230
℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧
より徐々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応
開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下
ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘
度は0.75であった。 【0056】『ポリエステル(b)−1の製造』テレフ
タル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール
56重量部、およびテトラブチルチタネート0.005
重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、
メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、
3時間後に210℃とした。4時間後実質的にエステル
交換反応の終了したこの反応混合物に重合触媒としてテ
トラブチルチタネート0.005重量部を加え常法によ
り重縮合反応を行った。すなわち温度を210℃から徐
々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々
に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、
4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマー
を吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.
90であった。 【0057】『ポリエステル(c)−1の製造』ポリエ
ステル(a)−1 50重量部とポリエステル(b)−
1 50重量部を均一にブレンドし、平均粒径0.70
μm、粒度分布値(r)1.2の球状有機架橋粒子を
0.4重量部とモース硬度9、平均粒径0.35μmの
α型アルミナを0.2重量部配合して、ベント付き2軸
押出機で温度285℃−滞留時間4分の条件下でポリエ
ステル(c)−1を製造した。得られたポリエステル
(c)−1の極限粘度は0.75、エステル交換率は
4.5%であった。 【0058】『ポリエステル(c)−2の製造』ポリエ
ステル(b)−1の製造においてテレフタル酸ジメチル
100重量部の替りにテレフタル酸ジメチル80重量部
とイソフタル酸ジメチル20重量部、1,4−ブタンジ
オール56重量部の替わりに1,4−ブタンジオール2
8重量部、エチレングリコール30重量部、さらにエス
テル交換反応終了後に平均粒径が0.70μm、粒度分
布値(r)が1.2の球状有機粒子を0.4重量部を含
有するエチレングリコールスラリー5重量部とモース高
度が9で平均粒子径が0.35μmのアルミナ粒子を
0.2重量部含有するエチレングリコールスラリー5重
量部を添加する以外はポリエステル(b)−1の製造と
同様の方法でポリエステル(c)−2を得た。得られた
ポリエステルの極限粘度は0.76、エステル交換率は
98.1%であった。 【0059】『ポリエステル(c)−3の製造』ポリエ
ステル(c)−1を265℃にて押出機よりシート状に
押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで
静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み13.5
μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシート
を縦方向に65℃で2.5倍、さらに75℃で1.2倍
延伸し、次いで横方向に80℃で3.0倍に延伸した
後、90℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μmの二
軸配向フィルムを製造した際に発生したスクラップおよ
び耳部を破砕し、ベント付き二軸押出機で温度285℃
−滞留時間4分の条件下で再生チップ(ポリエステル
(c)−3を製造した。該ポリエステルのエステル交換
率は5.2%であった。 【0060】『ポリエステル(c)−4の製造』ポリエ
ステル(c)−1の製造において、球状有機架橋粒子を
粒子径が1.2μmで粒度分布値(r)が1.2の球状
有機架橋粒子に変えた以外はポリエステル(c)−1の
製造と同様の方法でポリエステル(c)−4を得た。得
られたポリエステルの極限粘度は0.75であった。ま
た同様の方法で各種の粒子を配合した、ポリエステル
(c)−5〜ポリエステル−20を製造し、その添加し
た粒子を下記表1に示す。 【0061】 【表1】【0062】 【表2】【0063】 【表3】【0064】 【表4】【0065】実施例1 ポリエステル(c)−1を265℃にて押出機よりシー
ト状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ド
ラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み1
3.5μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られた
シートを縦方向に65℃で2.5倍、さらに75℃で
1.2倍延伸し、次いで横方向に80℃で3.0倍に延
伸した後、90℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μ
mの二軸配向フィルムを製造した。次いで得られたフィ
ルムを常法に従い、多孔性薄葉紙に貼り合わせ感熱孔版
印刷用原紙を作成し、謄写印刷を行った。 【0066】実施例2〜実施例4、比較例1〜比較例1
7 実施例1において、ポリエステル(c)−1を表2のポ
リエステル(c)−4に変えた以外は実施例1の製造と
同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成し、謄写印刷を
行った。また同様の方法で実施例1〜実施例4、比較例
1〜比較例17のフィルムを製造した。それぞれのポリ
エステル(c)の配合量比を下記表3に示す。 【0067】 【表5】【0068】得られたポリエステルフィルムおよび感熱
孔版印刷用原紙の物性および原紙実用特性を下記表4、
表5および表6に示す。 【0069】 【表6】【0070】 【表7】【0071】 【表8】【0072】 【表9】【0073】 【表10】 【0074】 【発明の効果】本発明のフィルムによれば、穿孔感度、
印字解像度および対カール性に優れた高感度感熱孔版印
刷原紙用フィルムが提供でき、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 102

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を70モル
    %以上含むポリエステル(a)と、ブチレンテレフタレ
    ート単位を70モル%以上含むポリエステル(b)とか
    ら得られる、エステル交換率が2〜20%のポリエステ
    ル(c)に、粒度分布値(r)が1.5以下で平均粒子
    径が0.1〜3.0μmの架橋高分子有機粒子を0.1
    〜3.0重量%と、モース硬度が7以上で平均粒子径が
    0.1〜0.9μmの粒子を0.01〜1.0重量%含
    有し、かつ下記式を満足する、フィルム厚みが0.5
    〜5μmの高感度感熱孔版印刷原紙用二軸配向ポリエス
    テルフィルム。 【数1】
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