JP3458103B2 - 腰部に配置されるエアバッグモジュールを有する輸送手段の乗員用拘束ベルト - Google Patents

腰部に配置されるエアバッグモジュールを有する輸送手段の乗員用拘束ベルト

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】本発明は、請求項１の特徴部の序文による
輸送手段の乗員用拘束ベルトに関する。
【０００２】アメリカ合衆国特許第３８６６９４０号、
ドイツ国特許公開公報第２３５８０７０号およびドイツ
国実用新案公報第９４１８７２１号は、自動車用３点式
拘束ベルトを開示しており、いずれのケースでもエアバ
ッグは腰ベルトに装着されている。これらのケースでは
腰ベルトは自動車の外側の取付部からベルトバックルに
延びている。腰ベルトはそこで向きを変え、肩ベルトと
して自動リトラクタまで続いている。
【０００３】これらの配置では、エアバッグが作動され
ると腰ベルトはエアバッグにより乗員から遠ざるように
移動するという欠点があり、結果としてベルトシステム
の拘束動作の効果がなくなってしまう。これは乗員の
“すり抜け”（潜り込み）をも引き起こしうる。同様の
欠点は従来の通常の標準腰ベルトを使用しても起こる。
【０００４】本発明の課題は、エアバッグを有する拘束
ベルトにおいてベルトの拘束動作を少なくとも維持する
ということである。
【０００５】本発明においては、この課題は請求項１の
特徴部分により達成される。
【０００６】乗員の腰部領域に配置されるエアバッグモ
ジュールを有する自動車の乗員用の拘束ベルトの場合、
この拘束ベルトは二重ベルトとして乗員の腰部を通るも
のであり、その第１部分は乗員の体を直接支持し、一方
第２部分は第１部分の乗員の体から離れる方向の側を少
なくとも部分的に支持し、前記ベルトは第１ベルト転向
点において第１部分から第２部分につながり、エアバッ
グモジュールがこの二重ベルトの第２部分に装着され
る。
【０００７】本発明の構成では、拘束ベルトの第２部分
は少なくとも部分的に第１部分の前方又は上方にある
が、それに装着されたエアバッグが展開する際にエアバ
ッグの反力により、実際に乗員から離れるように移動す
るという効果がある。しかしながら、第１部分は同時に
締め付けられる。従って、エアバッグの積極的な効果に
加え、この二重ベルトは拘束ベルトを締め付けるという
結果をもたらす。
【０００８】本発明に基づく拘束システムは、自動車、
トラック、バス及び飛行機のあらゆる座席で利用可能で
ある。従来、特に自動車の後部座席やバスの座席では拘
束システムがないかもしくは不適切な拘束システムしか
なかった。これは、ハンドルが非常に急勾配の角度で取
り付けられたバスやトラックの運転席にもまた当てはま
り、周知のエアバッグシステムでは適切に機能しないと
いう結果となっていた。
【０００９】一つの実施形態において、拘束ベルトは乗
員の大腿部の上を通り、第１部分と第２部分とは互いに
重なって位置するように配置されている。このことは、
エアバッグが胸部でほぼ垂直方向上方に展開されて、一
方ではこれは乗員に打撃を与えず、他方ではエアバッグ
は車両のサブアッセンブリによって展開を妨害されない
という効果を有する。
【００１０】一つの実施形態では、３点式のベルトが設
けられており、そこでは乗員に関して前記第１ベルト転
向点と反対側において第２ベルト転向点が、通常の場所
に配置されたベルトバックルの領域に設けられいて、前
記第２ベルト転向点でベルトの肩部分が腰ベルトの第１
部分につながっている。
【００１１】しかし、拘束ベルトは腰ベルトとして設計
されてもよい。この場合、第１部分から第２部分への第
１ベルト転向点はベルトバックルに設けられる。
【００１２】エアバッグモジュール２つの固定点間にお
いて第２部分に装着されたポケットにより腰ベルトの第
２部分に固定されること、すなわちエアバッグモジュー
ルが２つの固定点間に配置されていることが適切であ
る。さらなる改良においては、固定点がそれらの位置を
変位可能とされる。それによって、エアバッグモジュー
ルを横方向に変位させて、座高の異なる乗員に対してエ
アバッグモジュールの位置を適合させることができる。
【００１３】更に、ガス発生装置を拘束ベルトの一方の
側に装着し、ガス供給ラインを介してエアバッグに接続
することは適切である。ガス発生装置は、例えば、座席
の下、座席上、車体上、床上又はトランク内に設置して
もよい。
【００１４】本発明を図面を参照して実施形態により説
明をする。
【００１５】図１はシート２の着座位置で３点式ベルト
３により固定されている乗員１を図示している。３点式
ベルトは自動リトラクタ４から、Ｂピラー６又はＣピラ
ーに固定されているベルト転向点５を経由し、乗員１へ
延びている。３点式ベルトの肩部分７はこの場合周知の
方法で一方の肩から斜めに上半身を通りベルトバックル
８へ延びている。ベルトはそこでベルト転向点９におい
て転向し、腰部における二重ベルトの第１部分１０とし
て乗員の大腿部を越え、さらにベルト転向点１１まで延
びる。再度の転向後は、ベルトは第１部分１０の上側を
第２部分１２として延びてベルトバックル８に戻る。第
２部分の端部はそこで固定される。
【００１６】エアバッグモジュール１３は、第１部分１
０の上方にある第２部分１２に固定されている。このエ
アバッグモジュールは定位置に配置され又は変位可能な
２つの固定部１６，１７の間のポケットを有し、図示さ
れていないエアバッグがそのポケット内に設けられてい
る。エアバッグはガス供給ライン１４を介して、座席２
の領域に配置されたガス発生装置１５に接続されてい
る。
【００１７】ガス発生装置１５が点火された後、エアバ
ッグの展開の際のエアバッグの反力によって、エアバッ
グモジュールを有する二重ベルトの上側の第２部分１２
が乗員から遠ざけられる。上側の第２部分はベルト転向
点１１を介して下側の第１部分につながっているので、
下側の第１部分は締め付けられる。これにより、乗員が
腰ベルトの下を滑りぬけることが防止される。第１部分
１０はベルトバックル８上の転向点９で肩部分７につな
がっているので、この肩部分もまた締め付けられる。そ
の結果、乗員は着座位置にさらに固定される。
【００１８】図２の実施形態においては、自動車の乗員
は二重ベルトとして設計された腰ベルトのみで固定され
る。この二重ベルトは、自動リトラクタ４を起点とし
て、ベルトバックル８に設けられたベルト転向点１１で
第２部分１２につながる第１部分１０を同様に有してお
り、この第２部分１２は、第１部分１１の上側に位置し
ていてその端部は自動リトラクタ４の部位において自動
車に固定されている。図１の実施形態と同様、エアバッ
グモジュール１３は第２部分に固定されている。操作方
法は図１の実施形態の二重ベルトに対応している。 ［図面の簡単な説明］
【図１】３点式ベルトを装着した乗員の正面図である。
【図２】腰ベルトを装着した乗員の正面図である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 乗員の腰部に配置されるエアバッグモジ
    ュールを有する輸送手段の乗員用拘束ベルトであって、
    該拘束ベルトは二重ベルトとして乗員の腰部を通るもの
    であり、その第１部分（１０）は乗員（１）の体を直接
    支持し、一方第２部分は第１部分（１０）の乗員（１）
    の体から離れる方向の側を少なくとも部分的に支持し、
    前記ベルトは第１ベルト転向点（１１）において第１部
    分（１０）から第２部分（１２）につながり、エアバッ
    グモジュール（１３）がこの二重ベルトの第２部分（１
    ２）に装着されることを特徴とする拘束ベルト。
  2. 【請求項２】 前記二重ベルトが乗員（１）の大腿部の
    上を通り、第１部分（１０）と第２部分（１２）とが互
    いに重なって位置されることを特徴とする請求項１に記
    載の拘束ベルト。
  3. 【請求項３】 ３点式のベルト（３）が設けられてお
    り、そこでは乗員に関して前記第１ベルト転向点（１
    １）と反対側において第２ベルト転向点（９）が、通常
    の場所に配置されたベルトバックル（８）の領域に設け
    られいて、前記第２ベルト転向点でベルトの肩部分
    （７）が腰ベルトの第１部分（１０）につながることを
    特徴とする請求項１又は２に記載の拘束ベルト。
  4. 【請求項４】 腰ベルトが設けられていて、そこでは前
    記第１部分（１０）が前記第２部分（１２）に移行する
    ための前記第１ベルト転向点（１１）がベルトバックル
    に設けられていることを特徴とする請求項１又は２に記
    載の拘束ベルト。
  5. 【請求項５】 前記エアバッグモジュール（１３）が前
    記第２部分（１２）に装着されたポケットにより前記腰
    ベルトの前記第２部分（１２）に固定されることを特徴
    とする請求項１〜４の少なくとも一つに記載の拘束ベル
    ト。
  6. 【請求項６】 前記エアバッグモジュールが２つの固定
    点（１６，１７）の間に配置されていることを特徴とす
    る請求項１〜５の少なくとも１つに記載の拘束ベルト。
  7. 【請求項７】 前記固定点（１６，１７）が変位可能で
    あることを特徴とする請求項６に記載の拘束ベルト。
  8. 【請求項８】 ガス発生装置（１５）が当該拘束ベルト
    の一方の側に配置されていて、ガス供給ライン（１４）
    を介して前記エアバッグに接続されていることを特徴と
    する請求項１〜７の少なくともひとつに記載の拘束ベル
    ト。
  9. 【請求項９】 前記ガス発生装置（１５）が前記座席
    （２）の下又は上、車両本体上、床の上又はトランク内
    に配置されていることを特徴とする請求項１〜８の少な
    くとも一つに記載の拘束ベルト。
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