JP2547860B2 - 自動車用乗員保護装置 - Google Patents

自動車用乗員保護装置

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JP2547860B2 JP1246933A JP24693389A JP2547860B2 JP 2547860 B2 JP2547860 B2 JP 2547860B2 JP 1246933 A JP1246933 A JP 1246933A JP 24693389 A JP24693389 A JP 24693389A JP 2547860 B2 JP2547860 B2 JP 2547860B2
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    • B60R22/1953Transmission of tensioning power by cable; Return motion locking means therefor the cable being pulled by mechanical means, e.g. pre-stressed springs, bumper displacement during crash
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はシートベルトによる自動車用乗員保護装置に
関する。
従来の技術 従来の自動車用乗員保護装置としては、例えば第10図
に示すようなものがある(実開平1−89256号公報参
照)。
すなわち、図は助手席側のシートベルト装置を車両前
方斜視方向から見た状態を示したもので、シート11に着
座している乗員を車両緊急時に拘束する3点式シートベ
ルト装置12と脚部を拘束するレッグベルト装置31とを備
えている。そして、3点式シートベルト装置12のシート
ベルト13はショルダベルト13a及びラップベルト13bを有
し、ショルダベルト13aの端部はセンターピラー9に固
定されたアンカプレート7に係止され、ラップベルト13
bの端部はシート11の側方に装備されたリトラクタ32に
巻き取られている。シートベルト13にはショルダベルト
13aとラップベルト13bとを分けるように図示しないタン
グを有するスルーリング33が挿通されており、このタン
グが図示しない車体側のバックルに着脱可能に係合され
ている。
レッグベルト装置31はレッグベルト34を有し、レッグ
ベルト34の一端は、前記リトラクタ32に巻き取られてお
り、他端は前記スルーリング33に係止され、シート11の
両側部に立設された2つのレッグサポート35を経由し
て、図示しない前記車体側のバックルに着脱可能に係合
されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来のシートベルト装置に
あっては、装着時に乗員によってレッグベルト34をレッ
グベルトサポート35に経由させなければならないため乗
員にとって繁雑であり、しかもレッグベルト34によって
略膝から足着を拘束する場合には、運転席側には使用で
きないという問題点があった。
またレッグベルト34によって、略大腿部を拘束する場
合には、衝突時に第11図に示すように乗員Pが前方へ移
動すると、ラップベルト13bには張力T1が発生するが、
レッグベルト34には張力T2が発生しないため、乗員Pの
腰部重心Gに働く回転モーメントMは、腰部に働くシー
ト反力をF、腰部重心Gからラップベルト13bまでの距
離をl1、腰部下方表面までの距離をl3とすると、 M=T1・l1−F・l3>0 となり回転モーメントMは正となる。
このため、車両衝突時に前方回転(第11図中時計方向
回転)するため、腰骨P1に掛かっていたラップベルト13
bがずれ上がって腰骨P1から外れてしまうという問題点
があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされ
たものでその目的とするところは、運転席側にも使用可
能であり、しかも衝突時に張力を発生するレッグベルト
を有するシートベルト装置を、提供しようとするもので
ある。
課題を解決するための手段 このため本発明は、シートに着座した乗員の腰部を拘
束するラップベルトを備えた自動車用乗員保護装置にお
いて、乗員の大腿部を拘束するレッグベルトと、車両衝
突時に該レッグベルトに張力を発生させる手段とを設
け、車両衝突時にレッグベルトに張力を発生させ大腿部
を下方へ押し付けることにより、腰部重心まわりの回転
運動を抑制するようにした。
作用 車両衝突時に乗員の大腿部を拘束するレッグベルトに
張力を発生させ大腿部を下方へ押し付ける。
このため、ラップベルト張力による腰部重心まわりの
回転モーメントと逆向きの回転モーメントがレッグベル
ト張力によって発生するので、腰部重心まわりの全回転
モーメントの方向は乗員の左方から見た場合負(第4図
において反時計方向)となり、乗員の腰部が上がり腰部
が前方回転するのを抑える。
実施例 以下、本発明を図面に基づいて説明する。第1図〜3
図は本発明の一実施例を示す図である。
まず構成を説明する。第1図は運転席側のシートベル
ト装置を車幅方向内側斜め上方から見た斜視図、第2図
及び第3図は各々左側及び右側から見たシートベルト装
置装着状態を示した図である。
シートベルト装置1はシートベルト2、インナアンカ
プレート3、バックル4、アウタアンカプレート5、ロ
ーラ6、ショルダアンカプレート7、リトラクタ8、か
ら構成されている。
シートベルト2の一端はインナアンカプレート3、ア
ウタアンカプレート5を挿通し、ローラ6を介して再び
アウタアンカプレート5を挿通してインナアンカプレー
ト3に係止されている。シートベルト2の他端はセンタ
ーピラー9の上方部に取り付けたショルダアンカプレー
ト7を挿通しセンターピラー9に設けられた図示しない
開口部からセンターピラー9の内部に入り、センターピ
ラー9内部に取り付けられたリトラクタ8に巻き取られ
ている。
シートベルト2はインナアンカプレート3及びアウタ
アンカプレート5によりショルダベルト2a、ラップベル
ト2b、レッダベルト2cに分けられ、ショルダベルト2aが
乗員Pの肩部から斜めに装着され、ラップベルト2bが乗
員の腰部に装着され、レッグベルト2cが乗員の大腿部に
装着されて乗員を拘束するようになっている。
インナアンカプレート3は、図示しないタングを有し
ており、シート11の左側面部に回転自在に取り付けられ
たバックル4に係止され着脱可能に装入固定されてい
る。アウタアンカプレート5はシート11の右側面部に回
転自在に取り付けられている。またローラ6は車体側サ
イドシル10に取り付けられている。
次に作用を説明する。第2図及び第3図には各々左側
及び右側から見た乗員Pの正常な着座状態を示す。
今例えば車両衝突等によって乗員Pが下肢方向へ移動
すると腰部の移動に伴い第2図に図示したインナアンカ
プレート3はシート11に回転自在に取り付けられたバッ
クル4を中心に反時計方向に回転し第4図に図示するよ
うになる。同時に第3図に図示したアウタアンカプレー
ト5もシート11に回転自在に取り付けられているので、
図中時計方向に回転する。
第4図に示すように乗員Pの移動によるシートベルト
2の繰り出しに伴うリトラクタ8の繰出しロックにより
シートベルト2に張力がかかると、ショルダベルト2a、
ラップベルト2b、レッグベルト2cは1本のベルトで構成
されベルト張力伝達可能な構造となっているため、ラッ
プベルト2bとレッグベルト2cとには各々張力T1及びT2
働く。
いま、第4図に示すように乗員Pの腰部に働く乗員P
の前方移動に対するシート反力をF、腰部重心Gからラ
ップベルト2bまでの距離をl1、レッグベルト2cまでの距
離をl2、腰部下方表面までの距離をl3とすると、腰部重
心Gに働く回転モーメントMはl1<l2,T1≒T2であるか
らモーメントは、 M=T1・l1−T2・l2−F・l3<0 の如く負になる。
従って、腰部の前方回転(第4図中時計方向回転)が
押さえられ、ラップベルト2bがずれ上がって腰骨P1から
ラップベルト2bが外れるのを防止することができる。
なお、本実施例はラップベルト2bに発生する張力をレ
ッグベルト2cに伝達する構成としたので、レッグベルト
2cに張力を発生させるのに大規模な装置は不要である。
また1本のシートベルト2によりショルダベルト2a、ラ
ップベルト2b、レッグベルト2cを構成したので、同時に
乗員Pを前記3本のベルトで拘束できる。
第5図乃至第8図には本発明の他の実施例を示す。こ
の実施例はシートベルト装置1を3点式シートベルト装
置12とレッグベルト装置17とで構成し、レッグベルト18
に働く張力を車体前部の変形を利用して発生させるよう
にしたものである。
第5図及び第6図には各々乗員Pを左側及び右側から
見た、本実施例に係るシートベルト装置を装着した正常
な着座状態を示す。
3点式シートベルト装置12はシートベルト13とインナ
アンカプレート14、バックル15、アウタアンカプレート
16、ショルダアンカプレート7、リトラクタ8から構成
されている。
3点式シートベルト装置12のシートベルト13の一端は
図示しないタングを有するインナアンカプレート14を挿
通してサイドシル10にアウタアンカプレート16により係
止されている。シートベルト12の他端はセンターピラー
9の上方部に取り付けたショルダアンカプレート7を挿
通して、センターピラー9の図示しない開口からセンタ
ーピラー9の内部に入りセンターピラー9の内部に取り
付けられたリトラクタ8に巻き取られている。
そして、シートベルト12は前記インナアンカプレート
14のタングによって車体側のバックル15に着脱自在に係
合され、インナアンカプレート14により分けられショル
ダベルト13aが乗員Pの肩部から斜めに装着され、ラッ
プベルト13bが乗員Pの腰部に装着され乗員を拘束して
いる。
レッグベルト装置17はレッグベルト18、リトラクタ1
9、インナアンカプレート20、移動バックル21、サポー
ト22、樹脂ピン23、ローラ24、ワイヤ25から成り、更に
側面を示した第7図及び平面を示した第8図に図示した
如く衝突による車体前部の変形を伝えるために、伝達部
材26、リンク27、支持ピン28が設けられている。
レッグベルト18の一端は図示しないタングを有するイ
ンナアンカプレート20に係止され、該タングが移動バッ
クル21に着脱自在に係合されている。
レッグベルト18の他端はサイドシル10の内部に取り付
けられたリトラクタ20に巻き取られている。そして前記
移動バックル21はフロア29に設置されたサポート22に樹
脂ピン23によって係止されている。
フロントサイドメンバ30には前記した伝達部材26が設
けられている。該伝達部材は支持ピン28で揺動自在に車
体に支持されたリンク27の一端に固定され、該リンク27
の他端にはワイヤ25が接続されている。そしてワイヤ25
の他端側はローラ24を介して移動バックル21の下端に接
続している。
次に作用を説明する。第9図に示すように、車両衝突
によって車体31の前部が潰されると、伝達部材26が車体
前後方向へ移動してリンク27を揺動させ、該リンク27の
揺動によりワイヤ25が引張られる。ワイヤ25が引張られ
ると移動バックル21とサポート22とを接続する樹脂ピン
23が切断され、移動バックル21はサポート22にガイドさ
れて下方へ移動する。このときリトラクタ19での繰出し
ロックによりレッグベルト18に張力が働き乗員Pの大腿
部を下方へ押し付ける。
この結果3点式シートベルト装置13のラップベルト12
bによる拘束と合わせ前記実施例同様の効果が得られ
る。
なお、本実施例によれば、車体前部の潰れによって、
レッグベルト18に張力を発生させる機構となっているの
で、ラップベルト12bの張力発生時間よりも早い時期か
らレッグベルト18に張力を発生させることができるの
で、腰部に働く回転モーメントを確実に負(第5図にお
いて反時計方向)にすることができる。
従って腰部の前方回転を抑制してラップベルト12bの
腰骨P1からの外れを防止することができる。
発明の効果 本発明は以上説明してきたように構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。
衝突時に、レッグベルトに張力を発生させ大腿部を下
方へ押しつけるので、ラップベルト張力による乗員の腰
部重心まわりの回転モーメントの方向と逆向きの回転モ
ーメントをレッグベルトによって与えることができ、ラ
ップベルトの腹部へのずれ上がり現象を助長する腰部回
転運動を抑制し、ラップベルトの腹がかりを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明の一実施例を示す図で、第1
図は運転席側のシートベルト装置を車幅方向内側斜め上
方から見た斜視図、第2図は乗員の左側から見た本発明
に係るシートベルト装置装着状態を示した図、第3図は
乗員の右側から見た本発明に係るシートベルト装置装着
状態を示した図、第4図は作用を説明する説明図、第5
図乃至第8図は本発明の他の実施例を示す図で、第5図
は乗員の左側から見た本発明に係るシートベルト装置装
着状態を示した図、第6図は乗員の右側から見た本発明
に係るシートベルト装置装着状態を示した図、第7図は
シートベルト装置を車両側面から見た側面図、第8図は
シートベルト装置を車両上面から見た平面図、第9図は
作用を説明する説明図、第10図は助手席側シートベルト
装置の従来例を示す斜視図、第11図は従来例の作用を示
す説明図である。 1……シートベルト装置、2……シートベルト、2a……
ショルダベルト、2b……ラップベルト、2c……レッグベ
ルト、3……インナアンカプレート、4……バックル、
5……アウタアンカプレート、6……ローラ、7……シ
ョルダアンカプレート、8……リトラクタ、9……セン
ターピラー、10……サイドシル、11……シート、12……
3点式シートベルト装置、13……3点式シートベルト、
13a……ショルダベルト、13b……ラップベルト、14……
インナアンカプレート、15……バックル、16……アウタ
アンカプレート、17……レッグベルト装置、18……レッ
グベルト、19……リトラクタ、20……インナアンカプレ
ート、21……移動バックル、22……サポート、23……樹
脂ピン、24……ローラ、25……ワイヤ、26……伝達部
材、27……リンク、28……支持ピン、29……フロア、30
……フロントサイドメンバ、31……車体、P……乗員、
F……シート反力、G……腰部重心、T1……ラップベル
ト張力、T2……レッグベルト張力。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートに着座した乗員の腰部を拘束するラ
    ップベルトを備えた自動車用乗員保護装置において、乗
    員の大腿部を拘束するレッグベルトと、車両衝突時に前
    記レッグベルトに張力を発生させる手段とを設け、車両
    衝突時に大腿部を下方へ押し付けることにより、ラップ
    ベルト張力による腰部重心まわりの回転モーメントと逆
    向きの回転モーメントをレッグベルトにより発生させる
    ことを特徴とする自動車用乗員保護装置。
JP1246933A 1989-09-22 1989-09-22 自動車用乗員保護装置 Expired - Lifetime JP2547860B2 (ja)

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