JPH0228125Y2

JPH0228125Y2 -

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Publication number: JPH0228125Y2
Application number: JP1982144423U
Authority: JP
Priority date: 1982-09-24
Filing date: 1982-09-24
Publication date: 1990-07-27
Also published as: EP0104621B1; JPS5947558U; DE3368560D1; EP0104621A3; EP0104621A2; US4552408A

Description

【考案の詳細な説明】本考案は車両用シートベルトに使用されるアン
カー取付装置に関する。

シートベルトを装着する乗員はその体格が千差
万別であり、安全性の上からウエビングの長さと
ともに、ウエビングを支持するアンカープレート
（特に肩ウエビング用のアンカープレート）の取
付位置が調節出来ることがより好ましい。という
のも、肩ウエビング用アンカープレートの位置が
上方過ぎるとウエビングが乗員の顔面又は首部を
通過し、又下方過ぎると肩部を外れ腕部を通過す
る為何れの場合も緊急時には乗員を有効に保護し
得ない虞が出てくるからである。

かかる問題点に着目し種々の調節可能なアンカ
ー取付装置が提案されている。それらの多くはア
ンカープレートと一体にロツク部材を取付け、該
アンカープレートを押したり引いたりして移動さ
せ、ロツク部材を最適の取付穴と係合させるタイ
プのものである。しかしながらこの種の取付装置
にあつては、位置調節がワンタツチでスムーズに
行えない為操作性が悪かつたり、車両衝突・転覆
等の緊急時のウエビングからアンカープレートに
引張力が作用すると力の方向によつては一体のロ
ツク部材には必ずしも取付孔との係合を維持する
方向へのみ力が作用せず取付穴との係合が外れて
しまう虞があるといつたような問題点を有してい
る。

本考案は上述した問題点を考慮し、操作性が良
好で、緊急時にアンカープレートに引張力が何れ
の方向から作用しても、更には引張力が大きくて
もアンカープレートの取付位置を所定の位置に確
実に維持できるアンカー取付装置を提供すること
を目的とする。

かかる目的を達成するために、本考案のアンカ
ー取付装置は、対になつた複数の係合部を有する
アジヤストベースと、該アジヤストベースに沿つ
て案内され、アンカープレートが取り付けられる
前面部と該前面部からのびた一対の側壁と該側壁
からのびた一対の背面部とを有し、前記アジヤス
トベースを取り囲むように形成されているアジヤ
ストアンカーと、前記係合部との係合位置と非係
合位置とをとりうる如く該アジヤストアンカーに
移動可能に取り付けられ、前記アジヤストアンカ
ーの前面部に形成された取付孔および背面部に形
成された案内部に収容される一対の脚状部と該脚
状部どうしを連結する連結部とを有するラツチピ
ースと、該ラツチピースを係合位置方向に付勢し
ている付勢手段と、操作されたときにラツチピー
スを非係合位置へ導く為の解除手段とを有し、前
記ラツチピースが係合位置をとるときに、一対の
脚状部は前記係合部を間に挟んでアジヤストアン
カーの前面部および背面部にてそれぞれ支持され
ることを特徴とする。

上記構成により、車両緊急時にウエビングから
アンカープレートに作用する引張力は、アジヤス
トアンカー、ラツチピース、アジヤストベースへ
と順次伝達される。このとき、ラツチピースはア
ジヤストアンカーとは別体とされているので、ア
ンカープレートに作用する引張力は直接ラツチピ
ースには作用しない。従つてラツチピースはアン
カープレートに作用する引張力の方向の影響をう
けることなく、係合位置に保持される。又、ラツ
チピースには剪断力のみが作用するようになり、
高荷重にも耐えられる。

以下添付図面に従い本考案の好適な実施例につ
いて説明する。

第１図は、本考案装置がセンターピラーに取付
けられたシートベルトの概略図である。一端がセ
ンターピラー１の下方に固設された巻取装置２に
収納される連続ウエビング３は、アンカープレー
ト１７を挿通して折返されタング４まで伸びた肩
ウエビング５と、タング４から折返され他端がシ
ート６のアウター側に固設されたアンカープレー
ト７に縫着される腰ウエビング８とから構成され
る。シート６のインナー側には、タング４と係合
離脱自在なバツクル装置９が可撓性支持体１０を
介して設けられている。

本考案に係るアンカー取付装置は、かかるシー
トベルトに使用されるアンカープレート１７の位
置を調節可能に支持するものであり、第２図は斜
視分解図、第３図は組立てられた状態を第１図Ａ
方向から見た側面図（但し大部分が破断されてい
る）第４図は第３図のＢ−Ｂ線断面図である。ア
ンカー取付装置は主として、センターピラー１に
取付けられるアジヤストベース１２、該アジヤス
トベースに案内されて上下方向に摺動可能なアジ
ヤストアンカー１３、該アジヤストアンカー上に
摺動可能に支持されたラツチピース１４、該ラツ
チピースを付勢するラツチスプリング１５、前記
アジヤストアンカー１３上に支持された解条手段
としての解除レバー１６とから構成される。

アジヤストベース１２は、上下両端に取付孔１
８，１９が穿設され、ボルトによつてセンターピ
ラー１上方に固設される。両取付孔１８，１９の
間には、係合部たる複数の切欠き２０が形成され
ている。

上記アジヤストベース１２を取囲むようにして
アジヤストアンカー１３が取付けられる。該アジ
ヤストアンカー１３は、アンカープレート１７が
取付けられる前面部２１と、該前面部からのびた
一対の側壁３８，３８と、該側壁から互いに近接
する方向にのびた背面部２６，２６とを有し、断
面がほぼリツプみぞ形に成形されている。アジヤ
ストアンカー１３の前面部２１には、上方から順
に解除レバー１６を操作するときの補助としての
補助取手部２２、解除レバー１６を支持する為の
支持部２３，２３、ラツチピース１４を取付ける
為の取付孔２４，２４、及びアンカープレート１
７を取付ける為の膨出部２５が形成され、背面部
２６にはラツチピースを案内する為の案内部２
７，２７が夫々形成されている。

ラツチピース１４はアジヤストアンカー前面部
２１の取付孔２４に遊挿される側部２８，２８、
背面部２６の案内部２７に収容される脚部２９，
２９、及び両部をつなぐ接続部３０，３０から成
る互いに対向する一対の脚状部４０，４０と、こ
れら脚状部を連結する連結部４２とを有する。尚
第４図から明らかな如く、ラツチピース１４の側
部２８がアジヤストベース１２の切欠き２０と係
合する。該ラツチピース１４は、カバー３１（第
３図参照）に取付けられたラツチスプリング１５
により常時第３図で右方向に付勢されている。

解除レバー１６は前述したアジヤストアンカー
１３の支持部２３，２３に夫々嵌合する突出部３
２，３２と、ラツチピース１４の連結部４２と当
接する押上げ部３３、及び指などで操作される取
手部３４とを有する。該解除レバーは、ラツチピ
ース１４を介して作用するラツチスプリング１５
により、第３図で反時計方向、即ち押上げ部３３
がアジヤストアンカー１３の前面部２１に押付け
られる方向に付勢力を受けている。尚、該解除レ
バー１６の回動支点から取手部３４の操作される
部分までの距離は、該支点からラツチピース１４
の連結部４２と当接する部分までの距離よりも長
くされているのが好ましい。

更に前記アジヤストアンカー１３の下方の膨出
部２５には、アンカープレート１７がピン３５に
より該ピンのまわりに回動自在に取付けられてい
る。

次に本実施例を使用する場合について説明す
る。乗員がシートに着座し、第１図に示す如くタ
ング４をバツクル９に挿入し、連続ウエビング３
を装着した時に肩ウエビング５が乗員の肩部を通
過する場合は良好な拘束状態であり何らアンカー
プレート１７の位置を調節する必要はない。

しかし、肩ウエビング５が乗員の顔面および首
部を通過するような場合はアンカープレート１７
を下方に、逆に乗員の腕部を通過するような場合
は上方に調節する必要がある。この場合、第３図
の状態から解除レバー１６の取手部３４を矢印Ｃ
方向に押してやれば、ラツチスプリング１５の付
勢力に抗して解除レバー１６は時計方向に回転
し、該解除レバーの押上げ部３３と当接している
ラツチピース１４は、左方に揺動する。この為ラ
ツチピース１４は、アジヤストベース１２と非係
合な状態となる。

その状態が断面図として第５図に示されてい
る。従つてこの状態を維持しつつスライダー１３
を上方若しくは下方に移動させ、肩ウエビング５
が丁度肩部を通過する位置にて取付部３４への押
圧力を取り去れば、ラツチピース１４はラツチス
プリング１５の付勢力によつてアジヤストアンカ
ー１３に入り込む方向に摺動させられ最寄の切欠
き２０と係合する。以上の操作は解除レバー１６
の取付部３４を押しつつアジヤストアンカー１３
を移動させるので、ワンタツチ操作が可能で且つ
調節操作もスピーデイに行なうことができる。
又、ラツチピース１４はアジヤストベース１２に
対してほぼ垂直な方向に摺動されるので、該アジ
ヤストベースの切欠２０との係合・解除がスムー
ズに行なえるようになつている。

緊急時にあつては、巻取装置２に内蔵された緊
急ロツク機構が作動して公知の方法により連続ウ
エビング３の引出しは阻止される。このとき、慣
性力によつて移動しようとする乗員を保護する為
ウエビング３には多大の張力が発生し、アンカー
プレート１７を介して該ウエビング３を支持して
いるアンカー取付装置にも荷重が加わる。しかし
本実施例ではラツチピース１４が、アジヤストベ
ース１２の切欠き２０を間に挟むような四点、即
ちアジヤストアンカー１３の前面部２１に形成さ
れた取付孔２４，２４及び背面部２６に形成され
た案内部２７，２７で支持されて剪断力のみが作
用する構造とされ、この剪断力を４面（アジヤス
トアンカー前面部２１とアジヤストベース１２の
間の２面及びアジヤストベース１２とアジヤスト
アンカー背面部２６の間の２面）で受けるため、
高荷重に対してもアンカープレート１７の取付位
置を確実に維持できるようになつている。

尚ラツチピース１４はアジヤストベース１２の
切欠き２０を貫通しているので、例えば車両が転
覆して第３図で上方にアンカープレート１７が強
く引張られる様な状態になつても係合が外れる様
なことはない。

以上の実施例はあくまでも例示的なものであ
り、例えばアジヤストベースの係合部として切欠
きに替えて貫通孔とすること、ラツチピースを棒
状のものとすること、解除手段としてラツチピー
スと係合するテーパ面を有する操作部材を使用
し、該操作部材をラツチピースの摺動方向と直交
する方向に移動させて該ラツチピースを操作する
こと、等々種々の変更が可能である。

又、以上の説明に於ては、肩ウエビングの中間
部をアンカープレートに挿通して支持するタイプ
のシートベルトについて述べたが、肩ウエビング
の端末がアンカープレートに係止されるタイプの
シートベルトにも同様のアンカー取付装置を使用
し得ることは勿論である。

以上の説明により明らかな如く本考案に係るア
ンカー取付装置は、車両緊急時にアンカープレー
トに作用する引張力の方向に影響をうけることな
く、又引張力が大きいときにもアンカープレート
の取付位置を確実に維持できるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置が取付られたシートベルト
の概略図、第２図は本考案装置の斜視分解図、第
３図は第１図Ａ方向から見た側面図、第４図は第
３図のＢ−Ｂ線断面図、第５図は作動状態を示す
第４図と同様な図である。２０……切欠き、１２……アジヤストベース、
１３……アジヤストアンカー、１４……ラツチピ
ース、１５……ラツチスプリング、１６……解除
レバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

対になつた複数の係合部を有するアジヤストベ
ースと、該アジヤストベースに沿つて案内され、
アンカープレートが取り付けられる前面部と該前
面部からのびた一対の側壁と該側壁からのびた一
対の背面部とを有し、前記アジヤストベースを取
り囲むように形成されているアジヤストアンカー
と、前記係合部との係合位置と非係合位置とをと
りうる如く該アジヤストアンカーに移動可能に取
り付けられ、前記アジヤストアンカーの前面部に
形成された取付孔および背面部に形成された案内
部に収容される一対の脚状部と該脚状部どうしを
連結する連結部とを有するラツチピースと、該ラ
ツチピースを係合位置方向に付勢している付勢手
段と、操作されたときにラツチピースを非係合位
置へ導く為の解除手段とを有し、前記ラツチピー
スが係合位置をとるときに、一対の脚状部は前記
係合部を間に挟んでアジヤストアンカーの前面部
および背面部にてそれぞれ支持されることを特徴
とするアンカー取付装置。