JP3457995B2 - 自転車用フロントディレーラ - Google Patents

自転車用フロントディレーラ

Info

Publication number
JP3457995B2
JP3457995B2 JP08421794A JP8421794A JP3457995B2 JP 3457995 B2 JP3457995 B2 JP 3457995B2 JP 08421794 A JP08421794 A JP 08421794A JP 8421794 A JP8421794 A JP 8421794A JP 3457995 B2 JP3457995 B2 JP 3457995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
link
swing
chain guide
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08421794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07179191A (ja
Inventor
覚 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP08421794A priority Critical patent/JP3457995B2/ja
Priority to DE9422411U priority patent/DE9422411U1/de
Priority to EP94117621A priority patent/EP0653347B1/en
Priority to DE69423175T priority patent/DE69423175T2/de
Priority to CN94119343A priority patent/CN1053625C/zh
Priority to US08/337,861 priority patent/US5496222A/en
Publication of JPH07179191A publication Critical patent/JPH07179191A/ja
Priority to US08/564,402 priority patent/US5620384A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3457995B2 publication Critical patent/JP3457995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体フレームに連結さ
れる固定部材、チェン掛け換え用の変速用プレートを備
えるチェンガイド、このチェンガイドと前記前記固定部
材とを連結する一対の揺動リンク、前記揺動リンクを揺
動付勢することによって前記チェンガイドを小径スプロ
ケット側に付勢するリターンスプリングを備える自転車
用フロントディレーラに関する。
【0002】
【従来の技術】上記自転車用フロントディレーラにおい
て、従来、たとえば特開昭61−287891号公報に
示されるようになっていた。すなわち、固定部材とチェ
ンガイドおよび一対の揺動リンクが形成する平行四連リ
ンク機構を揺動操作し、揺動リンクが固定部材から垂下
する姿勢、すなわち鉛直方向に位置すると、チェンガイ
ドが低速位置になってチェンが小径スプロケットに掛か
り、揺動リンクがさらに大径スプロケット側に所定角揺
動して、固定部材による枢支軸芯から大径スプロケット
側に傾斜した姿勢になると、チェンガイドが中速位置に
なってチェンが中径スプロケットに掛かる。この状態か
ら揺動リンクがさらに大径スプロケット側に所定角揺動
し、固定部材による枢支軸芯から大径スプロケット側に
さらに傾斜した姿勢になると、チェンガイドが高速位置
になってチェンが大径スプロケットに掛かるようになっ
ていた。つまり、図18に示す如く揺動リンク5が鉛直
方向に位置するときの鉛直線Hに対して大径スプロケッ
ト側に位置する揺動範囲Wのみで作動して変速するよう
になっていた。このため、揺動リンク5の固定部材によ
る枢支軸芯5aからチェンガイドとの連結点5bまでの
長さを比較的長くするか、あるいは、揺動リンク5が揺
動作動する角度を大にして揺動リンクとチェンガイドと
の連結点5bが車体横方向に所望のストロークを移動す
るようにすることで、チェンガイドが所定のストローク
を移動してチェンの掛け換えが所望どおりできるように
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】揺動リンクの固定部材
によって枢支される軸芯からチェンガイドに連結する点
までの長さが長くなると、変速操作を行う際にチェンの
掛け換わり抵抗やリターンスプリングのために作用する
操作反力がリンク比の関係から大になる。また、揺動リ
ンクがリターンスプリングに抗して揺動作動する角度が
大になると、揺動リンクの揺動に伴ってリターンスプリ
ングが弾性変形するストロークが大になってリターンス
プリングの弾性復元力が大になり、リターンスプリング
による操作反力が増大する。このため、従来、揺動リン
クの長さを長くしても、揺動角度を大にしても、変速操
作が比較的重くなっていた。本発明の目的は、操作力の
面からも操作感覚の面からも変速操作が有利にできる自
転車用フロントディレーラを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による自転車用
フロントディレーラにあっては、目的達成のために、車
体フレームに連結される固定部材、左右一対の変速用プ
レートを備えるチェンガイド、このチェンガイドと前記
前記固定部材とを連結する一対の揺動リンクを備えると
ともに、前記固定部材と前記チェンガイドおよび前記一
対の揺動リンクによって四連リンク機構を形成し、前記
一対の変速用プレートによってチェンを大径スプロケッ
トと中径スプロケットおよび小径スプロケットに掛け換
え操作すべく構成されるとともに、前記チェンガイドが
前記一対の揺動リンクのうちの一方に作用するリターン
スプリングによって小径スプロケット側に揺動付勢され
ている自転車用フロントディレーラにおいて、前記一対
の変速用プレートの一方と他方とでの中間箇所が自転車
用車体フレームのシートチューブ軸芯から39mmの距
離に位置して、チェンが前記小径スプロケットに掛かる
低速位置になり、かつ、前記中間箇所が前記シートチュ
ーブ軸芯から53mmの距離に位置して、チェンが前記
大径スプロケットに掛かる高速位置になるように前記車
体フレームに組み付けた際、前記リターンスプリングが
作用する揺動リンクが鉛直方向に位置しているときの鉛
直線に対して一方側に揺動することによって、チェンが
前記大径スプロケットに掛かる高速位置になり、前記リ
ターンスプリングが作用する揺動リンクが前記鉛直線に
対して他方側に揺動することによって、チェンが前記小
径スプロケットに掛かる低速位置になり、固定部材はク
ランク軸装置取り付け用の締め付けねじにより車体フレ
ームのボトムブラケット部に固定される構成であり、該
固定部材はクランプを有して該クランプがシートチュー
ブ部に係合することにより固定部材の車体フレームに対
するクランク軸芯まわりの姿勢決めと回り止めとを行う
構成であることを特徴とする。
【0005】請求項5による自転車用フロントディレー
ラにあっては、目的達成のために、車体フレームに連結
される固定部材、チェン掛け換え用の変速用プレートを
備えるチェンガイド、このチェンガイドと前記前記固定
部材とを連結する一対の揺動リンク、前記揺動リンクを
揺動付勢することによって前記チェンガイドを小径スプ
ロケット側に付勢するリターンスプリングを備える自転
車用フロントディレーラであって、前記一対の揺動リン
クの一方の前記固定部材による枢支軸芯が前記チェンガ
イドとの連結軸芯より高配置レベルに位置し、前記一対
の揺動リンクの他方の前記固定部材による枢支軸芯が前
記チェンガイドとの連結軸芯より低配置レベルに位置
し、前記一対の揺動リンクのうちの前記リターンスプリ
ングの作用している揺動リンクが鉛直方向に位置してい
るときの鉛直線に対して一方側に揺動することによって
チェンが大径側スプロケットに掛かり、 前記一対の揺
動リンクのうちの前記リターンスプリングの作用してい
る揺動リンクが前記鉛直線に対して他方側に揺動するこ
とによってチェンが小径側スプロケットに掛かることを
特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1によるディレーラの場合、前記中間箇
所とシートチューブ軸芯との距離が前記値の距離になっ
て低速や高速になるようにして使用すると、揺動リンク
が前記鉛直線に対して一方側に揺動することによって高
速位置になり、他方側に揺動することによって低速位置
になる。すなわち、前記鉛直線が従来の如く揺動範囲の
低速側端に位置するのではなく、揺動範囲の内側に位置
する状態で揺動リンクが作動する。これにより、揺動リ
ンクの固定部材による枢支軸芯からチェンガイドへの連
結点までの長さを従来より短くしながら、あるいは、揺
動リンクが揺動作動する角度を従来より小にしながら、
さらには、両方を採用しながらチェンガイドが変速に必
要な車体横方向の移動ストロークを移動してチェン掛け
換えが所望どおり行われるようにできる。しかも、クラ
ンプがシートチューブ部と係合することにより、固定部
材の車体フレームに対するクランク軸芯まわりの姿勢決
めと回り止めとが行われ、これにより、チェンガイドと
スプロケットとのスプロケット回動軸芯まわりでの位置
関係が変速に適切な位置関係になり、かつ、この位置関
係が変速にかかわらず変化しなくなる。
【0007】請求項5によるディレーラの場合、一対の
揺動リンクの一方においては、固定部材による枢支軸芯
がチェンガイドとの連結軸芯より高配置レベルに位置
し、他方においては、固定部材による枢支軸芯がチェン
ガイドとの連結軸芯より低配置レベルに位置し、リター
ンスプリングの作用している揺動リンクが前記鉛直線に
対して一方側と他方側とに揺動することによってチェン
が掛け換わることにより、前記鉛直線が従来の如く揺動
範囲の低速側端に位置するのではなく、揺動範囲の内側
に位置する状態で揺動リンクが作動する。これにより、
揺動リンクの固定部材による枢支軸芯からチェンガイド
への連結点までの長さを従来より短くしながら、あるい
は、揺動リンクが揺動作動する角度を従来より小にしな
がら、らには、両方を採用しながらチェンガイドが変速
に必要な車体横方向の移動ストロークを移動してチェン
掛け換えが所望どおり行われるようにできる。
【0008】また、前記鉛直線が揺動範囲の内側に位置
する本発明と、前記鉛直線が揺動範囲の低速側端に位置
する比較例とについてみると、図8および図9の如くな
る。すなわち、比較例の場合、図9に示すように、揺動
リンク5が低速位置になると、揺動リンク5にリターン
スプリングによる回動操作力XLが作用し、揺動リンク
5を低速位置からリターンスプリングに抗して移動操作
するには操作力YLが必要になる。揺動リンク5が低速
位置から角度A揺動して中間位置になると、揺動リンク
5にリターンスプリングによる回動操作力Xが作用し、
揺動リンク5を中間位置からリターンスプリングに抗し
て移動操作するには操作力Yが必要になる。揺動リンク
5が中間位置から角度B揺動して高速位置になると、揺
動リンク5にリターンスプリングによる回動操作力XT
が作用し、揺動リンク5を高速位置にリターンスプリン
グに抗して移動操作するには操作力XTが必要になる。
仮に、回動操作力XLとXおよびXTが等しいとして
も、中間位置での角度Cと高速位置での角度Dとが異な
ることから操作力YがXLより大で、操作力YTがYよ
り大になる。ところが、実際には、揺動リンク5が揺動
するに伴ってリターンスプリングの弾性変形量が変化す
ることに起因して、回動操作力XがXLより大になり、
回動操作力XTがXより大になる。このために、操作力
YがYLより大で、操作力YTがYより大なる。殊に高
速位置での操作力YTと低速位置での操作力YLとの差
が極めて大になる。これに対し、本発明の場合、図8に
示すように、揺動リンク5が低速位置になると、揺動リ
ンク5にリターンスプリングによる回動操作力PLが作
用し、揺動リンクを低速位置からリターンスプリングに
抗して移動操作するには操作力FLが必要になる。揺動
リンク5が高速側に角度A揺動して鉛直向きの中間位置
になると、揺動リンク5にリターンスプリングによる回
動操作力Pが作用し、揺動リンク5を中間位置からリタ
ーンスプリングに抗して移動操作するには操作力Fが必
要になる。揺動リンク5が中間位置から角度B揺動して
高速位置になると、揺動リンク5にリターンスプリング
による回動操作力PTが作用し、揺動リンクを高速位置
にリターンスプリングに抗して移動操作するには操作力
FTが必要であるとする。すると、本発明の高速位置で
の回動操作力PTと、比較例の高速位置での回転操作力
XTとが等しいとしても、鉛直向きの位置と高速位置と
の位置関係の相違により、本発明の高速位置での回動操
作力PTが比較例の高速位置での回動操作力XTより小
になる。さらに、本発明の場合、揺動リンク5が揺動す
るに伴ってリターンスプリングの弾性変形量が変化する
ことに起因して、中間位置での回動操作力Pが低速位置
での回動操作力PLより大で、高速位置での回動操作力
PTが中間位置での回動操作力Pより大になるが、この
ことを考慮して、さらには、 FL=PL/cosE、FT=PT/cosGであるこ
とを考慮して、揺動角度AとBを設定することにより、
操作力FLとFおよびFTの差をなくしたり、小にする
ことができる。
【0009】
【発明の効果】請求項1によるディレーラと請求項5に
よるディレーラのいずれにおいても、揺動リンクの長さ
が短くできることにより、変速操作の際にチェンの掛け
換わり抵抗やリターンスプリングのために作用する操作
反力を従来より小にでき、揺動リンクの揺動角が小にで
きることにより、揺動リンクが揺動するに伴ってリター
ンスプリングが弾性変形するストロークを従来より小に
抑制し、リターンスプリングの弾性変形に起因する操作
抵抗の増大を抑制できる。さらには、リターンスプリン
グに抗して高速位置にする操作力が比較的軽くできるこ
とにより、全体として比較的軽く変速操作することが可
能にできた。さらには、変速操作に必要な力が変化しな
いとか、変化しても変化が比較的少ない状態で変速操作
できることにより、変速に必要な力が大幅に変化して変
速レバーを動かし過ぎるとか、動かし足りないなどの操
作ミスが防止しやすいようになった。
【0010】
【実施例】図1〜図3に示す如く自転車用車体フレーム
1のボトムブラケット部1aにクランク軸装置取り付け
用の締め付けねじ2を利用して連結するように構成した
取り付けブラケット3aと、この取り付けブラケット3
aの上端部に取り付けねじ4によって連結した支持部材
3bとによって固定部材3を構成し、この固定部材3に
一対の揺動リンク5,6により、左右一対の変速用プレ
ート7a,7bを備えるチェンガイド7を連結するとと
もに、一対の揺動リンク5,6のうちの一方のリンク5
の基端部に内装したリターンスプリング8が前記支持部
材3bを反力部材として揺動リンク5を揺動付勢するこ
とによって、チェンガイド7を固定部材3の方に揺動付
勢するように構成して、自転車用のトリプル用フロント
ディレーラを構成してある。
【0011】すなわち、固定部材3とチェンガイド7を
揺動リンク5,6によって連結するに、図6に示す如く
前記支持部材3bにプレス成形によって一体成形してあ
る一対のリンク支持部3c,3dのうちの一方の支持部
材3cに、揺動リンク5の基端側を車体前後方向の枢支
軸芯5aまわりで揺動するように枢着し、この揺動リン
ク5の遊端側を、チェンガイド7が備える図4の如き一
対の連結部7c,7dの一方の連結部7cに前記枢支軸
芯5aに平行またはほぼ平行な連結軸芯5bまわりで相
対揺動可能に連結してある。そして、前記一対のリンク
支持部3c,3dのうちの他方の支持部3dに、揺動リ
ンク6の基端側を車体前後方向の枢支軸芯6aまわりで
揺動するように枢着し、この揺動リンク6の遊端側を、
前記一対の連結部7c,7dのうちの他方の連結部7d
に前記枢支軸芯6aに平行またはほぼ平行な連結軸芯6
bまわりで相対揺動可能に連結してある。前記揺動リン
ク5の固定部材3による枢支軸芯5aからチェンガイド
7への連結軸芯5bまでの距離と、揺動リンク6の固定
部材3による枢支軸芯6aからチェンガイド7への連結
軸芯6bまでの距離とを等しいかまたはほぼ等しいよう
に形成し、前記枢支軸芯5aと6aの間隔と、前記連結
軸芯5bと6bの間隔とを等しいかまたはほぼ等しいよ
うに形成してある。揺動リンク5および6それぞれの固
定部材3による枢支軸芯5aまたは6aをチェンガイド
7との連結軸芯5bまたは6bより低レベルに配置して
ある。すなわち、固定部材3とチェンガイド7および一
対の揺動リンク5,6によってほぼ平行な四連リンク機
構を形成するとともに、固定部材3が下方側で固定のリ
ンクになり、チェンガイド7が上方側で可動のリンクに
なり、揺動リンク5,6が固定部材3に対して揺動する
ことによって、チェンガイド7がスプロケットG1〜G
3やチェン9に対する姿勢を一定またはほぼ一定に維持
しながら車体フレーム1に対してその横方向に移動す
る。
【0012】取り付けブラケット3aをボトムブラケッ
ト部1aに締め付け固定することによって固定部材3を
車体フレーム1に固定するが、この時、図5および図6
に示す如く前記支持部材3bが備える二又形フォーク部
3eにC字形の樹脂製クランプ10を装着し、このクラ
ンプ10を車体フレーム1のシートチューブ部1bに係
合させる。すると、クランプ10がシートチューブ部1
bとの係合により、固定部材3の車体フレーム1に対す
るクランク軸芯まわりでの姿勢決めと回り止めとを行
う。これにより、チェンガイド7とスプロケットG1〜
G3とのスプロケット回動軸芯まわりでの位置関係が変
速に適切な位置関係になり、かつ、この位置関係が変速
にかかわらず変化しなくなる。
【0013】前記揺動リンク5の図1の如きワイヤ連結
ねじ11を有するワイヤ連結部に、変速レバー装置(図
示せず)からの変速ワイヤのインナーワイヤ12aを連
結する。この時、取り付けブラケット3aの下端部から
ボトムブラケット部1aの下側に向かって延出してある
図1および図6の如きガイド支持部3fにワイヤガイド
13を取り付け、このワイヤガイド13によってインナ
ーワイヤ12aを支持させるとともに揺動リンク5の方
に案内させる。すると、ワイヤガイド13がインナーワ
イヤ12aを容易に滑り動くように支持することによ
り、かつ、ワイヤガイド13と揺動リンク5とが同一部
材の固定部材3で支持されていてワイヤガイド13から
揺動リンク5までのワイヤ経路をインナーワイヤ12a
がスムーズに移動しやすい経路に精度よく形成できるこ
とにより、インナーワイヤ12aを軽く操作して変速操
作力を揺動リンク5に効率よく伝達できる。そして、揺
動リンク5に連結したインナーワイヤ12aの引っ張り
操作をすると、この操作力のために揺動リンク5,6が
固定部材3に対して車体外側に揺動してチェンガイド7
が車体外側に移動し、一対の変速用プレート7a,7b
のうちの車体内側に位置する方のプレート7aがチェン
9をスプロケットG1〜G3のうちの大径側に押圧操作
して小径スプロケットG1から中径スプロケットG2に
掛け換えたり、中径スプロケットG2から大径スプロケ
ットG3に掛け換える。そして、インナーワイヤ12a
の緩め操作をすると、リターンスプリング8の弾性復元
による操作力のために揺動リンク5,6が固定部材3に
対して車体内側に揺動してチェンガイド7が車体内側に
移動し、一対の変速用プレート7a,7bのうちの車体
外側に位置する方のプレート7bがチェン9をスプロケ
ットG1〜G3のうちの小径側に押圧操作して大径スプ
ロケットG3から中径スプロケットG2に掛け換えた
り、中径スプロケットG2から小径スプロケットG1に
掛け換える。
【0014】図1に示すように、変速用プレート7aと
7bの中間箇所CPが車体フレーム1のシートチューブ
軸芯Zから39mmの距離L1に位置すると、チェンガ
イド7が低速位置になってチェン9が小径スプロケット
G1に掛かり、図2に示すように、前記中間箇所CPが
シートチューブ軸芯Zから53mmの距離L2に位置す
ると、チェンガイド7が高速位置になってチェン9が大
径スプロケットG3に掛かるようにして車体フレーム1
に組み付けた際には、揺動リンク5が図7の如く作動し
て変速操作するように構成してある。すなわち、揺動リ
ンク5の固定部材3による枢支軸芯5aとチェンガイド
7への連結軸芯5bとを通る仮想直線が鉛直線になる
と、揺動リンク5が鉛直方向に位置したとする。そし
て、この時の前記仮想直線を鉛直線Hと称する。揺動リ
ンク5が前記鉛直線Hに対して一方側すなわち車体外側
に傾斜角Bを揺動した大径側傾斜姿勢になると、チェン
ガイド7が高速位置になる。揺動リンク5が前記鉛直線
Hに対して他方側すなわち車体内側に、前記大径側傾斜
角Bよりも大角度の傾斜角Aを揺動した小径側傾斜姿勢
になると、チェンガイド7が低速位置になる。つまり、
小径スプロケットG1および大径スプロケットG3のシ
ートチューブ軸芯Zからの距離が製作などの都合によ
り、39mm以外や53mm以外になっている場合に
は、前記揺動リンク6に取り付けてある図1の如き一対
の調節ねじ14,15を回動調節し、この調節ねじ1
4,15が揺動リンク6の当たり部6cまたは6dに当
接することによって設定する揺動リンク6のチェンガイ
ド7に対する揺動限界を変更調節することにより、チェ
ンガイド7の移動ストロークエンドをスプロケットとシ
ートチューブ軸芯Zとの間隔に応じたものに調節し、前
記中間箇所CPがシートチューブ軸芯Zから39mm以
外の距離に位置してチェンガイド7が低速位置になると
か、53mm以外の距離に位置してチェンガイド7が高
速位置になるようにして組み付けて使用する。この場
合、スプロケットG1,G3のシートチューブ軸芯Zか
らの距離によって、前記大径側傾斜角Bと前記小径側傾
斜角Aとが等しくなるとか、大径側傾斜角Bが前記小径
側傾斜角Aより大になることがある。ところが、大、
中、小径3種のスプロケットG1〜G3を備える自転車
の場合には、一般にシートチューブ軸芯Zから小径スプ
ロケットG1の中心までの距離が39mmで、シートチ
ューブ軸芯Zから大径スプロケットG3の中心までの距
離が53mmになることから、揺動リンク5が前記大径
側傾斜姿勢と小径側傾斜姿勢との間の揺動範囲Wで作動
して変速作動する。前記揺動範囲Wはこれの内部に前記
鉛直線Hが位置するものであることから、鉛直線Hが揺
動範囲Wの端に位置する場合に比し、揺動リンク5の前
記枢支軸芯5aから前記連結軸芯5bまでの長さMを短
くしたり、揺動リンク5の揺動作動角を小にしながら、
チェンガイド7が3段変速に必要な車体横方向の移動ス
トロークを移動するようにできる。さらに、図8に示す
ように、リターンスプリング8によって作用する操作反
力の変化を比較的少なくしながら変速操作できる。
【0015】すなわち、前記鉛直線Hが揺動リンク5の
揺動範囲の一端に位置する場合には、図9に示すよう
に、揺動リンク5が低速位置になると、揺動リンク5に
リターンスプリング8による回動操作力XLが作用し、
揺動リンク5を低速位置からリターンスプリングに抗し
て揺動操作するには操作力YLが必要になる。揺動リン
ク5が低速位置から角度A揺動して中間位置になると、
揺動リンク5にリターンスプリング8による回動操作力
Xが作用し、揺動リンク5を中間位置からリターンスプ
リング8に抗して移動操作するには操作力Yが必要にな
る。揺動リンク5が中間位置から角度B揺動して高速位
置になると、揺動リンク5にリターンスプリング8によ
る回動操作力XTが作用し、揺動リンク5を高速位置に
リターンスプリング8に抗して移動操作するには操作力
YTが必要になる。仮に、回動操作力XLとXおよびX
Tが等しいとしても、中間位置での角度Cと高速位置で
の角度Dとが相違することから操作力YがXLより大
で、操作力YTがYより大になる。ところが、実際に
は、揺動リンク5が揺動するに伴ってリターンスプリン
グ8の弾性変形量が変化することから、回動操作力Xが
XLより大になり、回動操作力XTがXより大になる。
このために、操作力YがYLより大で、操作力YTがY
より大なる。殊に高速位置での操作力YTと低速位置で
の操作力YLとの差が極めて大になる。これに対し、鉛
直線Hが揺動リンク5の揺動範囲の内部に位置する場
合、図8に示すように、揺動リンク5が低速位置になる
と、揺動リンク5にリターンスプリング8による回動操
作力PLが作用し、揺動リンク5を低速位置からリター
ンスプリング8に抗して移動操作するには操作力FLが
必要になる。揺動リンク5が高速側に大径側傾斜角度A
揺動して鉛直向きの中間位置になると、揺動リンク5に
リターンスプリング8による回動操作力Pが作用し、揺
動リンク5を中間位置からリターンスプリング8に抗し
て移動操作するには操作力Fが必要になる。揺動リンク
5が中間位置から小径側傾斜角度B揺動して高速位置に
なると、揺動リンク5にリターンスプリング8による回
動操作力PTが作用し、揺動リンク5を高速位置にリタ
ーンスプリング8に抗して移動操作するには操作力FT
が必要であるとする。すると、図8の場合の高速位置で
の回動操作力PTと、図9の場合の高速位置での回転操
作力XTとが等しいとしても、鉛直向きの位置と高速位
置との位置関係の相違により、図8の場合の高速位置で
の回動操作力PTが図9の場合の高速位置での回動操作
力XTより小になる。さらに、図8の場合、揺動リンク
5が揺動するに伴ってリターンスプリング8の弾性変形
量が変化することのために、中間位置での回動操作力P
が低速位置での回動操作力PLより大で、高速位置での
回動操作力PTが中間位置での回動操作力Pより大にな
るが、このことを考慮して、さらには、 FL=PL/cosE、 FT=PT/cosGである
ことを考慮して、大径側傾斜角Bと小径側傾斜角Aを設
定することにより、操作力FLとFおよびFTの差をな
くしたり、小にすることができる。
【0016】本実施構造の場合、揺動リンク5の前記枢
支軸芯5aまたは6aから前記連結軸芯5bまたは6b
までの長さMを約14mmに設定してある。そして、前
記中間箇所CPがシートチューブ軸芯Zから39mmの
距離L1に位置してチェンガイド7が低速位置になり、
前記中間箇所CPがシートチューブ軸芯Zから53mm
の距離L2に位置してチェンガイド7が高速位置になる
ようにして組み付けた際には、前記大径側傾斜角Bが約
32度24分で、前記小径側傾斜角Aが約37度23分
になるように構成してある。前記長さMを14mmにす
る他、16mmに設定したり、16mmより小の各種長
さに設定して実施してもよい。16mm以下に設定する
ことにより、リンク比の関係による操作力軽減が効果的
にできる。そして、この場合、前記長さMと、チェンガ
イド7を変速のために移動させる必要があるストローク
との関係から前記大径側傾斜角Bと小径側傾斜角Aとを
所定角度に設定する。
【0017】つぎに図10に示すディレーラについて説
明する。自転車用車体フレーム1のシートチューブ部1
bに締め付け固定するように構成したバンド式の固定部
材20に一対の揺動リンク21,22により、左右一対
の変速用プレート23a,23bを備えるチェンガイド
23を連結するとともに、一対の揺動リンク21,22
のうちの車体内側に位置する方のリンク21の基端部に
配置したリターンスプリング24が前記固定部材20を
反力部材として揺動リンク21を揺動付勢することによ
って、チェンガイド23を固定部材20の方に揺動付勢
するように構成して、自転車用のトリプル用フロントデ
ィレーラを構成してある。
【0018】すなわち、固定部材20とチェンガイド2
3を揺動リンク21,22によって連結するに、前記固
定部材20の第1リンク支持部20aに、車体内側に位
置する方の揺動リンク21の基端側を車体前後方向の枢
支軸芯21aまわりで揺動するように枢着し、この揺動
リンク21の遊端側を、チェンガイド23の本体から車
体内側に延出するアーム部23cの延出端部に前記枢支
軸芯21aに平行またはほぼ平行な連結軸芯21bまわ
りで相対揺動可能に連結してある。そして、前記固定部
材20の第2リンク支持部20bに、揺動リンク21と
変速用プレート23aとの間に位置する揺動リンク22
の基端側を車体前後方向の枢支軸芯22aまわりで揺動
するように枢着し、この揺動リンク22の遊端側を、チ
ェンガイド23の前記アーム部23cの基端側に前記枢
支軸芯22aに平行またはほぼ平行な連結軸芯22bま
わりで相対揺動可能に連結してある。つまり、揺動リン
ク21および22が固定部材20に対して揺動すること
により、チェンガイド23が車体フレーム1に対してそ
の横方向に移動する。
【0019】前記揺動リンク21の遊端部に、変速レバ
ー装置(図示せず)からの変速ワイヤのインナーワイヤ
12aをワイヤ連結ねじ25によって連結し、インナー
ワイヤ12aの引っ張り操作をすると、この操作力のた
めに揺動リンク21,22が固定部材20に対して車体
外側に揺動してチェンガイド23が車体外側に移動し、
一対の変速用プレート23a,23bのうちの車体内側
に位置する方のプレート23aがチェン9をスプロケッ
トG1〜G3のうちの大径側に押圧操作して小径スプロ
ケットG1から中径スプロケットG2に掛け換えたり、
中径スプロケットG2から大径スプロケットG3に掛け
換える。そして、インナーワイヤ12aの緩め操作をす
ると、リターンスプリング24の弾性復元による操作力
のために揺動リンク21,22が固定部材20に対して
車体内側に揺動してチェンガイド23が車体内側に移動
し、一対の変速用プレート23a,23bのうちの車体
外側に位置する方のプレート23bがチェン9をスプロ
ケットG1〜G3のうちの小径側に押圧操作して大径ス
プロケットG3から中径スプロケットG2に掛け換えた
り、中径スプロケットG2から小径スプロケットG1に
掛け換える。
【0020】揺動リンク21の固定部材20による枢支
軸芯21aをチェンガイド23との連結軸芯21bより
低レベルに配置し、揺動リンク22の固定部材20によ
る枢支軸芯22aをチェンガイド23との連結軸芯22
bより高レベルに配置し、揺動リンク21が図12の如
く作動して変速操作するように構成してある。すなわ
ち、揺動リンク21の固定部材20による枢支軸芯21
aと、チェンガイド23への連結軸芯21bとを通る仮
想直線が鉛直線になると、揺動リンク21が鉛直方向に
位置したとする。そして、この時の前記仮想直線を鉛直
線Hと称する。揺動リンク21が前記鉛直線Hに対して
一方側すなわち車体外側に傾斜角Bを揺動した大径側傾
斜姿勢になると、チェンガイド23が高速位置になって
チェン9が大径スプロケットG3に掛かる。揺動リンク
21が前記鉛直線Hに対して他方側すなわち車体内側
に、前記大径側傾斜角Bよりも大角度の傾斜角Aを揺動
した小径側傾斜姿勢になると、チェンガイド23が低速
位置になり、チェン9が小径スプロケットG1に掛か
る。そして、揺動リンク21の前記枢支軸芯21aから
連結軸芯21bまでの長さN1、揺動リンク22の前記
枢支軸芯22aから連結軸芯22bまでの長さN2、小
径側傾斜角A、大径側傾斜角Bは必要に応じた値に設定
して実施するとよいのであるが、チェンガイド23が1
4mmの移動ストロークSを作動するようにするため
に、N1=約16mm、N2=約20mm、小径側傾斜
角A=約51度29分、大径側傾斜角B=約12度16
分に設定してある。
【0021】つまり、図13に示すように、揺動リンク
21が低速位置になると、揺動リンク21にリターンス
プリング24による回動操作力RLが作用し、揺動リン
ク21を低速位置からリターンスプリング24に抗して
移動操作するには操作力QLが必要になる。揺動リンク
21が高速側に大径側傾斜角度A揺動して鉛直向きの中
間位置になると、揺動リンク21にリターンスプリング
24による回動操作力Rが作用し、揺動リンク21を中
間位置からリターンスプリング24に抗して移動操作す
るには操作力Qが必要になる。揺動リンク21が中間位
置から小径側傾斜角度B揺動して高速位置になると、揺
動リンク21にリターンスプリング24による回動操作
力RTが作用し、揺動リンク21を高速位置にリターン
スプリング24に抗して移動操作するには操作力QTが
必要であるとする。すると、揺動リンク21および22
の前記長さ設定、小径側傾斜角A、大径側傾斜角Bの前
記設定により、前記操作力QLとQおよびQTがほぼ等
しくなる。
【0022】〔別実施例〕図14および図15は、別実
施構造を備えるトリプル用フロントディレーラを示し、
図1および図2に示すトリプル用フロントディレーラと
は変速ワイヤのインナーワイヤ12aを連結するための
構成においてのみ異なり、その他の構成においては同様
に構成してある。
【0023】すなわち、固定部材3とチェンガイド7と
を連結している一対の揺動リンク5,6のうちのリター
ンスプリング8を取り付けるとともにインナーワイヤ1
2aを連結する方の揺動リンク5として、図1および図
2の揺動リンク5に替えて図16に示す如き上引き操作
用の揺動リンクを装着してある。この揺動リンク5は、
第1ピン孔51、第2ピン孔52、ばね収納室53、ね
じ孔54を備えたリンク部材でなり、第1ピン孔51に
よって前記支持部材3のリンク支持部3cに前記枢支軸
芯5aのまわりで揺動自在に枢着し、第2ピン孔52に
よってチェンガイド7の連結部7cに前記連結軸芯5b
まわりで相対揺動可能に連結し、ばね収納室53にリタ
ーンスプリング8を収納し、ねじ孔54によってワイヤ
連結ねじ11を取り付けるようにしてある。揺動リンク
5がチェンガイド7と、固定部材3の支持部材3bに連
結し、かつ、チェンガイド7が低速位置にある状態で、
ねじ孔54を備えているワイヤ連結部が枢支軸芯5aに
対してガイドプレート7a,7bとは反対側に位置する
ように、前記ワイヤ連結部と第1ピン孔51および第2
ピン孔52を配置設定してある。つまり、変速ワイヤの
インナーワイヤ12aを車体フレーム1に沿わせてフロ
ントディレーラにその上方から導入して揺動リンク5に
ワイヤ連結ねじ11によって固定する。そして、インナ
ーワイヤ12aを引っ張り操作して、揺動リンク5のワ
イヤ連結部が位置する方のアーム部分を枢支軸芯5aの
まわりで引き上げ操作することにより、揺動リンク5の
連結軸芯5bが位置する方のアーム部分と、揺動リンク
6が固定部材3に対して車体外側に揺動してチェンガイ
ド7が車体外側に移動し、一対の変速用プレート7a,
7bのうちの車体内側に位置する方のプレート7aがチ
ェン9をスプロケットG1〜G3のうちの大径側に押圧
操作して小径スプロケットG1から中径スプロケットG
2に掛け換えたり、中径スプロケットG2から大径スプ
ロケットG3に掛け換える。そして、インナーワイヤ1
2aを緩め操作すると、リターンスプリング8の弾性復
元による操作力のために、揺動リンク5の連結軸芯5b
が位置する方のアーム部分と、揺動リンク6が固定部材
3に対して車体内側に揺動してチェンガイド7が車体内
側に移動し、一対の変速用プレート7a,7bのうちの
車体外側に位置する方のプレート7bがチェン9をスプ
ロケットG1〜G3のうちの小径側に押圧操作して大径
スプロケットG3から中径スプロケットG2に掛け換え
たり、中径スプロケットG2から小径スプロケットG1
に掛け換える。
【0024】この上引き操作用の揺動リンク5の枢支軸
芯5aと連結軸芯5bの間隔および配置関係は、図1お
よび図2の揺動リンク5の軸芯5aと5bの間隔および
配置関係と同様に設定してある。これにより、変速用プ
レート7aと7bの中間箇所CPが車体フレーム1のシ
ートチューブ軸芯Zから39mmの距離L1に位置する
と、チェンガイド7が低速位置になってチェン9が小径
スプロケットG1に掛かり、前記中間箇所CPがシート
チューブ軸芯Zから53mmの距離L2に位置すると、
チェンガイド7が高速位置になってチェン9が大径スプ
ロケットG3に掛かるようにして車体フレーム1に組み
付けた際には、上引き操作用の揺動リンク5も図1の揺
動リンク5と同様につぎの如く作動して変速操作する。
すなわち、揺動リンク5の固定部材3による枢支軸芯5
aとチェンガイド7への連結軸芯5bとを通る仮想直線
が鉛直線になると、揺動リンク5が鉛直方向に位置した
とする。そして、この時の前記仮想直線を鉛直線Hと称
する。揺動リンク5が前記鉛直線Hに対して一方側すな
わち車体外側に傾斜角Bを揺動した大径側傾斜姿勢にな
ると、チェンガイド7が高速位置になる。揺動リンク5
が前記鉛直線Hに対して他方側すなわち車体内側に、前
記大径側傾斜角Bよりも大角度の傾斜角Aを揺動した小
径側傾斜姿勢になると、チェンガイド7が低速位置にな
る。そして、揺動リンク5の前記枢支軸芯5aから前記
連結軸芯5bまでの長さMを約14mmに設定してあ
る。そして、前記中間箇所CPがシートチューブ軸芯Z
から39mmの距離L1に位置してチェンガイド7が低
速位置になり、前記中間箇所CPがシートチューブ軸芯
Zから53mmの距離L2に位置してチェンガイド7が
高速位置になるようにして組み付けた際には、前記大径
側傾斜角Bが約32度24分で、前記小径側傾斜角Aが
約37度23分になる。この上引き操作用の揺動リンク
5においても、前記長さMを14mmにする他、16m
mに設定したり、16mmより小の各種長さに設定して
実施してもよい。16mm以下に設定することにより、
リンク比の関係による操作力軽減が効果的にできる。そ
して、この場合、前記長さMと、チェンガイド7を変速
のために移動させる必要があるストロークとの関係から
前記大径側傾斜角Bと小径側傾斜角Aとを所定角度に設
定する。
【0025】〔別実施例〕図17は、さらに別の実施構
造を備える自転車用フロントディレーラを示し、図1お
よび図14に示すトリプル用フロントディレーラとはイ
ンナーワイヤ12aを連結するための構成においてのみ
異なり、その他の構成においては同様に構成してある。
すなわち、固定部材3とチェンガイド7とを連結してい
る一対の揺動リンク5,6のうちのリターンスプリング
8を取り付けるとともにインナーワイヤ12aを連結す
る方の揺動リンク5として、一対のワイヤ連結ねじ11
a,11bを備える揺動リンクを備えている。つまり、
インナーワイヤ12aをボトムブラケット部1aの下方
からディレーラに導入すると、一対の連結ねじ11a,
11bのうちの11aの方を使用することによって揺動
リンク5にディレーラ操作が可能なように連結でき、イ
ンナーワイヤ12aを車体フレーム1に沿わせてディレ
ーラの上方から導入すると、一対の連結ねじ11a,1
1bのうちの11bの方を使用することによって揺動リ
ンク5にディレーラ操作が可能なように連結できるので
あり、インナーワイヤ12aを車体上方側から引っ張り
操作して変速操作する上引き操作形態と、インナーワイ
ヤ12aを車体下方側から引っ張り操作して変速操作す
る下引き操作形態とのいずれをも採用できるのである。
この上引き下引き兼用型の揺動リンク5においても、枢
支軸芯5aと連結軸芯5bの間隔および配置関係は、図
1および図2の揺動リンク5の軸芯5aと5bの間隔お
よび配置関係と同様に設定してある。これにより、変速
用プレート7aと7bの中間箇所CPが車体フレーム1
のシートチューブ軸芯Zから39mmの距離L1に位置
すると、チェンガイド7が低速位置になってチェン9が
小径スプロケットG1に掛かり、前記中間箇所CPがシ
ートチューブ軸芯Zから53mmの距離L2に位置する
と、チェンガイド7が高速位置になってチェン9が大径
スプロケットG3に掛かるようにして車体フレーム1に
組み付けた際には、上引き操作用の揺動リンク5も図1
の揺動リンク5と同様につぎの如く作動して変速操作す
る。すなわち、揺動リンク5の固定部材3による枢支軸
芯5aとチェンガイド7への連結軸芯5bとを通る仮想
直線が鉛直線になると、揺動リンク5が鉛直方向に位置
したとする。そして、この時の前記仮想直線を鉛直線H
と称する。揺動リンク5が前記鉛直線Hに対して一方側
すなわち車体外側に傾斜角Bを揺動した大径側傾斜姿勢
になると、チェンガイド7が高速位置になる。揺動リン
ク5が前記鉛直線Hに対して他方側すなわち車体内側
に、前記大径側傾斜角Bよりも大角度の傾斜角Aを揺動
した小径側傾斜姿勢になると、チェンガイド7が低速位
置になる。そして、揺動リンク5の前記枢支軸芯5aか
ら前記連結軸芯5bまでの長さを約14mmに設定して
ある。そして、前記中間箇所CPがシートチューブ軸芯
Zから39mmの距離L1に位置してチェンガイド7が
低速位置になり、前記中間箇所CPがシートチューブ軸
芯Zから53mmの距離L2に位置してチェンガイド7
が高速位置になるようにして組み付けた際には、前記大
径側傾斜角Bが約32度24分で、前記小径側傾斜角A
が約37度23分になる。この上引き下引き兼用型リン
ク5においても、前記枢支軸芯5aから前記連結軸芯5
bまでの長さを14mmにする他、16mmに設定した
り、16mmより小の各種長さに設定して実施してもよ
い。16mm以下に設定することにより、リンク比の関
係による操作力軽減が効果的にできる。そして、この場
合、前記枢支軸芯5aから前記連結軸芯5bまでの長さ
と、チェンガイド7を変速のために移動させる必要があ
るストロークとの関係から前記大径側傾斜角Bと小径側
傾斜角Aとを所定角度に設定する。
【0026】〔別実施例〕図1、図14および図17の
ディレーラの如く、四連リンク機構を下方が固定リンク
であるように構成すると、スプロケットG1〜G3の横
外側から見た場合、固定部材3がチェンガイド7やスプ
ロケットG1〜G3の内側に隠れて外観面で好ましいも
のになって有利であるが、上方が固定リンクになるよう
に構成するディレーラの場合にも本発明は適用できる。
また、固定部材をボトムブラケット部に取り付けるよう
に構成する他、シートチューブ部に締め付け固定するバ
ンド形式に構成するディレーラの場合にも本発明は適用
できる。
【0027】小径側傾斜角Aを大径側傾斜角Bより大に
して実施すると、変速操作力の一定化がより確実にでき
て有利であるが、小径側傾斜角Aが大径側傾斜角Bより
小にしたり、小径側傾斜角Aと大径側傾斜角Bを等しく
して実施してもよい。
【0028】請求項5による発明は、2段変速用のディ
レーラの場合にも適用できる。したがって、大径スプロ
ットG3を大径側スプロケットG3と称し、小径スプロ
ケットG1を小径側スプロケットG1と称する。
【0029】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントディレーラの使用状態での後面図
【図2】フロントディレーラの使用状態での後面図
【図3】フロントディレーラの使用状態での側面図
【図4】チェンガイドの平面図
【図5】クランプの作用状態を示す平面図
【図6】固定部材の分解状態を示す斜視図
【図7】揺動リンクの作用を示す説明図
【図8】操作力の説明図
【図9】比較構造の操作力の説明図
【図10】フロントディレーラの使用状態での後面図
【図11】フロントディレーラの使用状態での後面図
【図12】揺動リンクの作用を示す説明図
【図13】操作力の説明図
【図14】別実施フロントディレーラの使用状態での後
面図
【図15】別実施フロントディレーラの使用状態での後
面図
【図16】別実施フロントディレーラの揺動リンクの斜
視図
【図17】別実施フロントディレーラの使用状態での後
面図
【図18】従来ディレーラの揺動リンクの作動範囲を示
す説明図
【符号の説明】
1 車体フレーム 3,20 固定部材 5,6,21,22 揺動リンク 5a,6a,21a,22a 枢支軸芯 5b,6b,21b,22b 連結軸芯 7,23 チェンガイド 7a,7b,23a,23b 変速用プレート 8,24 リターンスプリング 9 チェン A 小径側傾斜角 B 大径側傾斜角 CP 中間箇所 H 鉛直線 L1,L2 距離 M 距離 Z シートチューブ軸芯

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレーム(1)に連結される固定部
    材(3)、左右一対の変速用プレート(7a,7b)を
    備えるチェンガイド(7)、このチェンガイド(7)と
    前記固定部材(3)とを連結する一対の揺動リンク
    (5),(6)を備えるとともに、前記固定部材(3)
    と前記チェンガイド(7)および前記一対の揺動リンク
    (5),(6)によって四連リンク機構を形成し、前記
    一対の変速用プレート(7a,7b)によってチェン
    (9)を大径スプロケット(G3)と中径スプロケット
    (G2)および小径スプロケット(G1)に掛け換え操
    作すべく構成されるとともに、前記チェンガイド(7)
    が前記一対の揺動リンク(5),(6)のうちの一方に
    作用するリターンスプリング(8)によって小径スプロ
    ケット(G1)側に揺動付勢されている自転車用フロン
    トディレーラにおいて、前記一対の変速用プレート(7
    a,7b)の一方と他方とでの中間箇所(CP)が車体
    フレーム(1)のシートチューブ軸芯(Z)から39m
    mの距離(L1)に位置して、チェン(9)が前記小径
    スプロケット(G1)に掛かる低速位置になり、かつ、
    前記中間箇所(CP)が前記シートチューブ軸芯(Z)
    から53mmの距離(L2)に位置して、チェン(9)
    が前記大径スプロケット(G3)に掛かる高速位置にな
    るように前記車体フレーム(1)に組み付けた際、前記
    リターンスプリング(8)が作用する揺動リンク(5)
    が鉛直方向に位置しているときの鉛直線(H)に対して
    一方側に揺動することによって、チェン(9)が前記大
    径スプロケット(G3)に掛かる高速位置になり、前記
    リターンスプリング(8)が作用する揺動リンク(5)
    が前記鉛直線(H)に対して他方側に揺動することによ
    って、チェン(9)が前記小径スプロケット(G1)に
    掛かる低速位置になり、固定部材(3)はクランク軸装
    置取り付け用の締め付けねじ(2)により車体フレーム
    (1)のボトムブラケット部(1a)に固定される構成
    であり、該固定部材(3)はクランプ(10)を有して
    該クランプ(10)がシートチューブ部(1b)に係合
    することにより固定部材(3)の車体フレーム(1)に
    対するクランク軸芯まわりの姿勢決めと回り止めとを行
    う構成である自転車用フロントディレーラ。
  2. 【請求項2】 前記一対の揺動リンク(5),(6)そ
    れぞれの前記固定部材(3)による枢支軸芯(5aまた
    は6a)と、前記チェンガイド(7)への連結軸芯(5
    bまたは6b)との距離(M)が16ミリメートル以下
    である請求項1記載の自転車用フロントディレーラ。
  3. 【請求項3】 前記一対の変速用プレート(7a,7
    b)の一方と他方とでの中間箇所(CP)が車体フレー
    ム(1)のシートチューブ軸芯(Z)から39mmの距
    離(L1)に位置して、チェン(9)が前記小径スプロ
    ケット(G1)に掛かる低速位置になり、かつ、前記中
    間箇所(CP)が前記シートチューブ軸芯(Z)から5
    3mmの距離(L2)に位置して、チェン(9)が前記
    大径スプロケット(G3)に掛かる高速位置になるよう
    に前記車体フレーム(1)に組み付けた際、前記チェン
    ガイド(7)が前記高速位置にあるときの前記揺動リン
    ク(5)の前記鉛直線(H)に対する大径側傾斜角
    (B)よりも、前記チェンガイド(7)が前記低速位置
    にあるときの前記揺動リンク(5)の前記鉛直線(H)
    に対する小径側傾斜角(A)の方が大になる請求項2記
    載の自転車用フロントディレーラ。
  4. 【請求項4】 前記四連リンク機構がほぼ平行な四連リ
    ンク機構であり、下方が固定リンク、上方が可動リンク
    に構成され、上方の可動リンクに前記変速用プレート
    (7a,7b)が取り付けられている請求項3記載の自
    転車用フロントディレーラ。
  5. 【請求項5】 車体フレーム(1)に連結される固定部
    材(20)、チェン掛け換え用の変速用プレート(23
    a,23b)を備えるチェンガイド(23)、このチェ
    ンガイド(23)と前記前記固定部材(20)とを連結
    する一対の揺動リンク(21),(22)、前記揺動リ
    ンク(21)を揺動付勢することによって前記チェンガ
    イド(23)を小径スプロケット側に付勢するリターン
    スプリング(24)を備える自転車用フロントディレー
    ラであって、 前記一対の揺動リンク(21),(22)の一方(2
    2)の前記固定部材(20)による枢支軸芯(22a)
    が前記チェンガイド(23)との連結軸芯(22b)よ
    り高配置レベルに位置し、前記一対の揺動リンク(2
    1),(22)の他方(21)の前記固定部材(20)
    による枢支軸芯(21a)が前記チェンガイド(23)
    との連結軸芯(21b)より低配置レベルに位置し、 前記一対の揺動リンク(21),(22)のうちの前記
    リターンスプリング(24)の作用している揺動リンク
    (21)が鉛直方向に位置しているときの鉛直線(H)
    に対して一方側に揺動することによってチェン(9)が
    大径側スプロケット(G3)に掛かり、前記一対の揺動
    リンク(21),(22)のうちの前記リターンスプリ
    ング(24)の作用している揺動リンク(21)が前記
    鉛直線(H)に対して他方側に揺動することによってチ
    ェン(9)が小径側スプロケット(G1)に掛かる自転
    車用フロントディレーラ。
  6. 【請求項6】 チェン(9)が前記大径側スプロケット
    (G3)に掛かるときの前記揺動リンク(21)の前記
    鉛直線(H)に対する大径側傾斜角(B)よりも、チェ
    ン(9)が前記小径側スプロケット(G1)に掛かると
    きの前記揺動リンク(21)の前記鉛直線(H)に対す
    る小径側傾斜角(A)の方が大になる請求項5記載の自
    転車用フロントディレーラ。
  7. 【請求項7】 前記一対の揺動リンク(21),(2
    2)のうち、前記固定部材(20)による枢支軸芯(2
    2a)がチェンガイド(23)との連結軸芯(22b)
    より高配置レベルに位置する揺動リンク(22)が、前
    記一対の揺動リンク(21),(22)のうちの他方の
    揺動リンク(21)と前記変速用プレート(23a,2
    3b)との間に位置する請求項6記載の自転車用フロン
    トディレーラ。
  8. 【請求項8】 前記フロントディレーラが、大径スプロ
    ケット(G3)と中径スプロケット(G2)および小径
    スプロケット(G1)にチェン掛け換えをするトリプル
    用である請求項7記載の自転車用フロントディレーラ。
JP08421794A 1993-11-12 1994-04-22 自転車用フロントディレーラ Expired - Fee Related JP3457995B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08421794A JP3457995B2 (ja) 1993-11-12 1994-04-22 自転車用フロントディレーラ
EP94117621A EP0653347B1 (en) 1993-11-12 1994-11-08 Front gear for a bicycle
DE69423175T DE69423175T2 (de) 1993-11-12 1994-11-08 Vorderer Umwerfer für ein Fahrrad
DE9422411U DE9422411U1 (de) 1993-11-12 1994-11-08 Vordere Kettenschaltung für ein Fahrrad
CN94119343A CN1053625C (zh) 1993-11-12 1994-11-11 自行车的前拨链器
US08/337,861 US5496222A (en) 1993-11-12 1994-11-14 Front derailleur for a bicycle
US08/564,402 US5620384A (en) 1993-11-12 1995-11-29 Front derailleur for a bicycle

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28335893 1993-11-12
JP5-283358 1993-11-12
JP08421794A JP3457995B2 (ja) 1993-11-12 1994-04-22 自転車用フロントディレーラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07179191A JPH07179191A (ja) 1995-07-18
JP3457995B2 true JP3457995B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=29404501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08421794A Expired - Fee Related JP3457995B2 (ja) 1993-11-12 1994-04-22 自転車用フロントディレーラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3457995B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8932162B2 (en) * 2013-05-21 2015-01-13 Shimano Inc. Bicycle front derailleur
US11981398B2 (en) * 2020-09-11 2024-05-14 Shimano Inc. Bicycle derailleur

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07179191A (ja) 1995-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5496222A (en) Front derailleur for a bicycle
JP3458016B2 (ja) 自転車用フロントディレーラ
JP2607328Y2 (ja) 自転車用リヤディレーラ
US7841255B2 (en) Electrical bicycle shift control device
US4594909A (en) Tiltable steering mechanism
JPH07149279A (ja) 自転車用ディレーラ
JPH06227476A (ja) 自転車用リヤディレーラ
JP3457995B2 (ja) 自転車用フロントディレーラ
US5749268A (en) Simulating multi-stage speed change shift lever operating device
JP3679822B2 (ja) 自転車用ブレーキ装置
IT201700021438A1 (it) Deragliatore per bicicletta
JPH0581784B2 (ja)
JPH0725378A (ja) 自転車用ディレーラ
JPH0232559Y2 (ja)
JPH08169386A (ja) 自転車用変速操作装置
JP3457996B2 (ja) 自転車用フロントディレーラ
JP2908955B2 (ja) 車両用変速装置
JP2569831Y2 (ja) 作業用走行車における変速レバーの連結構造
JPH02113166A (ja) 変速機のシフト操作装置
JPS6231659B2 (ja)
JPH0732897A (ja) 作業車の変速ペダル支持構造
JP4170434B2 (ja) 変速機のセレクトリターン機構
JPH0121375Y2 (ja)
JPH0322072Y2 (ja)
JPH063885Y2 (ja) バックホウ装置の左右揺動及び旋回作動切換装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees