JP3454127B2 - トロイダル型無段変速機の潤滑機構 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の潤滑機構

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JP3454127B2 JP34804097A JP34804097A JP3454127B2 JP 3454127 B2 JP3454127 B2 JP 3454127B2 JP 34804097 A JP34804097 A JP 34804097A JP 34804097 A JP34804097 A JP 34804097A JP 3454127 B2 JP3454127 B2 JP 3454127B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0434Features relating to lubrication or cooling or heating relating to lubrication supply, e.g. pumps ; Pressure control

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に用いられ
るトロイダル型無段変速機の潤滑機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両などに搭載されるトロイダル型無段
変速機としては、例えば、特開平7−174201号公
報等に示すものが知られている。
【0003】これについて説明すると、トロイド状の溝
を対向面に形成した一対の入出力ディスクに狭持、押圧
される一対のパワーローラは、入出力ディスクの回転軸
を挟んで配設された一対のトラニオンに軸支され、図5
に示すように、トラニオン3は上下の端部側に回転軸3
zと同軸の回転軸部3a、3bを形成する一方、これら
回転軸部3a、3bの間には、パワーローラ1を収装す
べく入出力ディスクの外周方向に張り出したオフセット
部3cから形成される。
【0004】入出力ディスクに狭持されるパワーローラ
1は所定量だけ偏心したピボットシャフト2に軸支され
ており、このピボットシャフト2は基端をトラニオン3
のオフセット部3cで支持されるとともに、パワーロー
ラ1とオフセット部3cの間にはボールベアリング16
及び外輪9が介装されて、パワーローラ1に加わるスラ
スト力がトラニオン3で支持される。
【0005】そして、トラニオン3はケーシング10側
で、回転軸3zの軸方向及び軸回りへ変位可能に支持さ
れる。
【0006】トラニオン3の下端にはロッド6bが連結
されて、このロッド6bに連結した油圧シリンダ6のピ
ストン6aが、トラニオン3を軸(3z)方向へ駆動す
ることで、パワーローラ1は回転軸3z回りに回動(以
下、傾転という)し、パワーローラ1と入力ディスク、
出力ディスクの接触半径が変化することで変速比が連続
的に変更される。
【0007】そして対向配置されたトラニオン3、3
は、その上端側の回転軸部3a同士が球面軸受7、ニー
ドルベアリング8を介してアッパーリンク4と連結さ
れ、このアッパーリンク4が中央部をケーシング10側
のリンク支持部材12で揺動自在に支持されるため、ト
ラニオン3、3とアッパーリンク4は揺動可能に連結さ
れる。同様に、下端側の回転軸部3b同士が球面軸受
7、ニードルベアリング8を介してロアリンク5と揺動
可能に連結されており、このロアリンク5が中央部をケ
ーシング10側のリンク支持部材13で揺動自在に支持
されるため、トラニオン3、3とロアリンク5は揺動可
能に連結される。トラニオン3、3は上下の両端部近傍
をアッパーリンク4及びロアリンク5によって連結さ
れ、パワーローラ1に加わるスラスト力(図5の左右方
向へ向かう力)に抗して、アッパーリンク4はトラニオ
ン3、3の回転軸3z、3z間の距離を一定に保持す
る。
【0008】トラニオン3のオフセット部3c内周には
鉛直方向に貫通形成されたトラニオン潤滑油路11が設
けられ、このトラニオン潤滑油路11はオフセット部3
cの上下両端面で開口して、途中で連通した油路15か
ら供給される圧油をアッパーリンク4及びロアリンク5
の球面軸受7、ニードルベアリング8へそれぞれ供給す
る。
【0009】一方、パワーローラ1を軸支するピボット
シャフト2の内周には、基端側でトラニオン潤滑油路1
1から分岐した油路11aと連通する一方、ボールベア
リング16の内周側と対向するピボットシャフト2の側
面に供給口21を形成したベアリング潤滑油路20が形
成され、トラニオン潤滑油路11を介して圧送された圧
油がベアリング潤滑油路20を介してボールベアリング
16に供給されてパワーローラ1の潤滑及び冷却を行
う。
【0010】さらに、パワーローラ1及びボールベアリ
ング16を潤滑したオイルは、パワーローラ1の回転に
応じて入力ディスク18及び出力ディスクの外周側に供
給され、パワーローラ1と入出力ディスクが摩擦係合す
る転動面よりも外周側の入出力ディスクを冷却する。
【0011】また、アッパーリンク4を支持するリンク
支持部材12の図中下部には、パワーローラ1と入出力
ディスクの転動面へ向けてオイルを供給するノズル23
が複数配設され、これらノズル23はリンク支持部材1
2の内部に形成された転動面潤滑油路22を介して圧油
の供給を受けている。
【0012】このような、トロイダル型無段変速機の潤
滑機構は、図6に示すように、油圧ポンプ30から供給
された圧油のうち、クーラ31を通過したものがトラニ
オン潤滑油路11と転動面潤滑油路22へ供給されて、
パワーローラ1やトラニオン3及びパワーローラ1と入
出力ディスクの転動面の潤滑、冷却を行った後にタンク
(オイルパン)40へ回収される。一方、クーラ31の
上流から分岐した潤滑油路32を介して、トロイダル変
速機構以外の図示しない前後進切換装置のギア等の潤滑
を行っている。
【0013】また、上記の他に、大きな圧力が加わるパ
ワーローラ1と入出力ディスクの転動面を潤滑するもの
としては、特開昭62−283256号公報などがあ
り、これは、トラニオンに設けたオイル供給口からパワ
ーローラ1と入出力ディスクの転動面へ向けてオイルを
供給し、パワーローラ1と入出力ディスクの転動面の潤
滑と冷却を行うものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
トロイダル型無段変速機においては、パワーローラ1と
入出力ディスクの転動面を主とする変速機構の潤滑性能
と冷却性能を満足させるため、図6に示したように、ト
ラニオン潤滑油路11と転動面潤滑油路22はクーラ3
1を介して油圧ポンプ30に接続して冷却したオイルを
供給し、変速機構以外の潤滑はクーラ31の上流から分
岐した潤滑油路32されて相対的に高温のオイルによっ
て潤滑が行われ、トロイダル型無段変速機では低温の潤
滑系統と、高温の潤滑系統の2つの潤滑系統が配設され
る。
【0015】しかしながら、上記のように変速機構を潤
滑するオイルのすべてをクーラ31に通過させるもので
は、クーラ31を通過する際には圧力損失が発生するた
め、この油圧損失を補うためには油圧ポンプ30の容量
を増大する必要があるが、油圧ポンプ30の吐出量を増
大すると、エンジンの駆動抵抗が増大して燃料消費率等
が悪化するという問題があった。
【0016】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、オイルポンプの容量を増大することなく、
変速機構の潤滑を効率よく行うことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、入出力デ
ィスクに狭持されるパワーローラを傾転自在に支持する
トラニオンを備えたトロイダル型無段変速機と、前記入
出力ディスクとパワーローラが摩擦係合する転動面の潤
滑を行う第1潤滑回路と、前記トラニオン及びパワーロ
ーラの潤滑を行う第2潤滑回路とを備えたトロイダル型
無段変速機の潤滑機構において、前記第1潤滑回路には
油圧源からの圧油を直接供給する一方、前記第2潤滑回
路には、前記第1潤滑回路の圧油に比して低温の圧油を
供給する。
【0018】また、第2の発明は、入出力ディスクに狭
持されるパワーローラを傾転自在に支持するトラニオン
を備えたトロイダル型無段変速機と、前記入出力ディス
クとパワーローラが摩擦係合する転動面の潤滑を行う第
1潤滑回路と、前記トラニオン及びパワーローラの潤滑
を行う第2潤滑回路とを備えたトロイダル型無段変速機
の潤滑機構において、前記第2潤滑回路は、油圧源から
クーラを介して圧油の供給を受ける一方、前記第1潤滑
回路は、油圧源から直接圧油の供給を受ける。
【0019】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記第2潤滑回路は、トラニオン内部に形成した
油路からトラニオン自身及びパワーローラの軸受部材の
潤滑を行う。
【0020】また、第4の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記第2潤滑回路は、入出力ディスクの背面へ圧
油を供給するディスク背面冷却回路を備える。
【0021】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、第1潤滑回
路は油圧源からの高温のオイルによって転動面を潤滑す
るため、パワーローラと入出力ディスク間の油膜は、前
記従来例のようにクーラで冷却した低温のオイルによっ
て転動面を潤滑する場合に比して、せん断応力τが増大
して、トラクション能力を向上させることが可能とな
り、さらに、第2潤滑回路は、第1潤滑回路の圧油に比
して低温のオイルの全量をトラニオン及びパワーローラ
の潤滑に使用することができ、前記従来例に比して耐久
性を向上させることができる。
【0022】また、第2の発明は、第1潤滑回路は油圧
源から直接供給された高温のオイルによって転動面を潤
滑するため、パワーローラと入出力ディスク間の油膜
は、前記従来例のようにクーラで冷却した低温のオイル
によって転動面を潤滑する場合に比して、せん断応力τ
が増大して、トラクション能力を向上させることが可能
となり、さらに、第2潤滑回路は、クーラを通過した低
温のオイルの全量をトラニオン及びパワーローラの潤滑
に使用することができ、前記従来例に比して耐久性を向
上させることができ、さらに、前記従来例のように、ク
ーラで変速機構に供給するオイルの全量を冷却する必要
がなくなるため、クーラの小型化を図ることで圧力損失
を大幅に低減でき、油圧源の小型化によってエンジンの
駆動抵抗を低減して、燃料消費率とトラクション能力を
同時に向上させるとともに、無段変速機の小型化も推進
することが可能となる。
【0023】また、第3の発明は、第2潤滑回路はクー
ラを通過した低温のオイルによってトラニオン内部の油
路からパワーローラの軸受部やトラニオンの揺動部など
の冷却と潤滑を効率よく行って、トラニオン及びパワー
ローラの耐久性の向上とトラクション力の向上を両立さ
せることができる。
【0024】また、第4の発明は、入出力ディスクの背
面へクーラを通過した低温のオイルを供給して入出力デ
ィスクの冷却を背面側から行うことが可能となり、パワ
ーローラと入出力ディスク間の油膜の厚さが薄くなるこ
とで、パワーローラと入出力ディスク間に巻き込まれた
オイルのうち、実際にせん断力を発生する油膜中心部の
温度は、入出力ディスクの温度の影響を受けて、背面を
冷却された入出力ディスクの温度に近づき、中心部の油
膜の温度も低下して、オイルの粘度が高くなるため、さ
らに高いせん断力τを発生することでトラクション能力
のさらなる向上を図ることが可能となり、さらに、入出
力ディスクは転動面を高温のオイルで潤滑されるが、背
面を低温のオイルで冷却されるため、過大な温度上昇を
防いで耐久性を確保することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、前記従来例の図5に示したトロイ
ダル型無段変速機に本発明を適用した一例を示してお
り、同一のものに同一の図番を付して重複説明を省略す
る。
【0027】トロイダル型無段変速機の変速機構は、前
記従来例の図5と同様に、トラニオン3の内周に形成さ
れたトラニオン潤滑油路11(第2潤滑回路)から供給
されるオイルによって、パワーローラ1のボールベアリ
ング16や転動面外周の入出力ディスク及びトラニオン
3とアッパーリンク4、ロアリンク5の潤滑及び冷却が
行われ、アッパーリンク4の中央部を揺動可能に支持す
るリンク支持部材12に形成されたノズル23は、転動
面潤滑油路22(第1潤滑回路)から圧送されたオイル
を、パワーローラ1と入出力ディスクの転動面へ向けて
噴射して潤滑を行う。
【0028】ここで、トラニオン潤滑油路11には、前
記従来例の図6と同様に、油圧ポンプ30から圧送され
たオイルがクーラ31を介して供給され、冷却されたオ
イルによって上記各部の潤滑及び冷却を行う。
【0029】一方、転動面潤滑油路22は、クーラ31
の上流で油圧ポンプ30と連通して、クーラ31を通過
していないオイルがそのまま供給され、トラニオン潤滑
油路11に比して高温のオイルによってパワーローラ1
と入出力ディスクの転動面の潤滑を行うもので、変速機
構の潤滑経路は、クーラ31を通過した低温のオイルが
供給されるトラニオン潤滑油路11と、油圧ポンプ30
から直接高温のオイルが供給される転動面潤滑油路22
の2系統で構成される。
【0030】なお、変速機構以外の歯車や軸受等の潤滑
を行う潤滑油路32は、前記従来例と同様に、クーラ3
1の上流で油圧ポンプ30と連通する。
【0031】次に、相対的に高温のオイルによって潤滑
が行われるパワーローラ1と入出力ディスクの転動面の
トラクション能力、すなわち、トルク伝達能力について
説明する。
【0032】いま、図2において、入力ディスク18を
転動体A、パワーローラ1を転動体Bとし、転動体Aの
周速度をU1、転動体Bの周速度をU2、転動体A、B
間の油膜の厚さをhとすると、EHL(Elasto Hydrody
namic Lubrication=弾性流体潤滑)理論で考えた場
合、油膜厚さhは油膜入り口(図中左側)の油温で決ま
り、油温が低ければ粘度ηが上がり油膜厚さhLは図2
(b)のように厚くなる一方、油温が高ければ粘度ηが
下がり油膜厚さhHは薄くなる。ただし、油膜厚さhL
Hはそれぞれ低油温時、高油温時を示し、hL>hH
なる。
【0033】ここで、転動体A、Bの周速度差ΔU=U
1−U2とすると、オイルのせん断率γは、 γ=ΔU/h で求められる。
【0034】したがって、図2(a)、(b)で転動体
A、B間の周速差ΔUが一定と考えると、図2(b)の
ように油膜厚さh=hLが厚い低油温時には、せん断率
γ=γLが低くなる一方、図2(a)のように油膜厚さ
h=hHが薄い高油温時には、せん断率γ=γHが高くな
ることを意味する。
【0035】そして、転動体A、B間に働くせん断応力
τは、 τ=η(粘度)×γ(せん断率) で表されることから、潤滑油粘度ηが同じであれば、せ
ん断率γが高い方が発生するせん断力は大きく、転動体
A、B間のトラクション能力は向上する。
【0036】また、転動体A、B間に巻き込まれたオイ
ルで、実際にせん断力を発生する油膜中心部の温度は、
転動体A、Bの温度の影響を受けるため、転動体A、B
の温度に近づく。
【0037】すなわち、転動体自体は、より低い温度で
ある方が実際にトラクションを発生する中心部の油膜の
温度が低下して、オイルの粘度ηが高くなる。また、同
じせん断率γであれば、粘度ηが高い方がより高いせん
断力τを発生し、トラクション能力は向上する。
【0038】したがって、転動面潤滑油路22にはクー
ラ31を通過させずに油圧ポンプ30から直接転動面に
オイルを噴射することで、パワーローラ1と入出力ディ
スク間の油膜hは、前記従来例のようにクーラ31で冷
却したオイルによって転動面を潤滑する場合に比して、
上記したようにせん断応力τが増大して、トラクション
能力を向上させることが可能となり、圧力損失を伴うク
ーラ31は、トラニオン潤滑油路11の流量に応じた容
量を備えていればよいので、前記従来例のように、クー
ラ31で変速機構に供給するオイルの全量を冷却する必
要がなくなるため、クーラ31の小型化を図ることで圧
力損失を大幅に低減でき、油圧ポンプ30の小型化によ
ってエンジンの駆動抵抗を低減して、燃料消費率とトラ
クション能力を同時に向上させるとともに、無段変速機
の小型化も推進することが可能となって、トロイダル型
無段変速機の潤滑を効率よく行うことができるのであ
る。
【0039】さらに、クーラ31を小型化しない場合に
は、クーラ31から供給されるオイルの全量をトラニオ
ン3及びパワーローラ1の潤滑に使用することができ、
転動体であるパワーローラ1の温度を低下させることが
でき、トラクション能力の向上と耐久性の向上を両立さ
せることができるのである。
【0040】図3、図4は、第2の実施形態を示し、前
記第1実施形態の潤滑機構に、入出力ディスクの背面を
冷却するディスク背面冷却油路33を配設したもので、
その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0041】ディスク背面冷却油路33は、クーラ31
の下流に接続され、冷却されたオイルは、入出力ディス
ク18、19の背面に向けて配設されたノズル34、3
4から噴射され、入出力ディスク18、19は、背面側
をクーラ31から供給された低温のオイルで冷却される
一方、パワーローラ1と摩擦係合する入出力ディスク1
8、19の転動面には、アッパーリンク4を支持するリ
ンク支持部材12に設けたノズル23、23から、油圧
ポンプ30から直接圧送された高温のオイルが供給され
て潤滑を行うことになる。
【0042】この場合、入出力ディスク18、19の転
動面側では転動面潤滑油路22からの高温のオイルが供
給されることで、前記第1実施形態と同様に、パワーロ
ーラ1と入出力ディスク18、19間の油膜の厚さが薄
くなることでり、せん断応力τを向上させることができ
るのに加え、ディスク背面冷却油路33からのクーラ3
1を通過したオイルによって入出力ディスク18、19
は背面側から冷却されるため、上記したように、転動体
間に巻き込まれたオイルのうち、実際にせん断力を発生
する油膜中心部の温度は、転動体間の温度の影響を受け
るため、転動体の温度に近づき、すなわち、転動面間の
オイルは冷却された入出力ディスク18、19によって
低下するため中心部の油膜の温度も低下して、オイルの
粘度ηが高くなるため、さらに高いせん断力τを発生す
ることができ、トラクション能力のさらなる向上を図る
ことが可能となるのである。
【0043】さらに、入出力ディスク18、19はクー
ラ31を通過した低温のオイルで冷却されるため、過大
な温度上昇を防いで耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、トロイダル型無段
変速機の潤滑機構の概略回路図。
【図2】同じく転動面間の油膜を示す説明図で、(a)
は高油温時を、(b)は低油温時を示す。
【図3】第2の実施形態を示し、トロイダル型無段変速
機の潤滑機構の概略回路図。
【図4】同じく、トロイダル型無段変速機の潤滑機構の
要部を示す平面図。
【図5】従来例を示す、第3の実施形態を示すトロイダ
ル型無段変速機の断面図。
【図6】同じく、従来のトロイダル型無段変速機の潤滑
機構の概略回路図。
【符号の説明】
1 パワーローラ 3 トラニオン 11 トラニオン潤滑油路 11a 油路 12、13 リンク支持部材 15 油路 16 ボールベアリング 18 入力ディスク 19 出力ディスク 20 ベアリング潤滑油路 21 供給口 22 転動面潤滑油路 23 ノズル 30 油圧ポンプ 31 クーラ 32 潤滑油路 33 ディスク背面冷却油路 34 ノズル 40 タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38 F16H 57/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入出力ディスクに狭持されるパワーローラ
    を傾転自在に支持するトラニオンを備えたトロイダル型
    無段変速機と、 前記入出力ディスクとパワーローラが摩擦係合する転動
    面の潤滑を行う第1潤滑回路と、 前記トラニオン及びパワーローラの潤滑を行う第2潤滑
    回路とを備えたトロイダル型無段変速機の潤滑機構にお
    いて、 前記第1潤滑回路には油圧源からの圧油を直接供給する
    一方、前記第2潤滑回路には、前記第1潤滑回路の圧油
    に比して低温の圧油を供給することを特徴とするトロイ
    ダル型無段変速機の潤滑機構。
  2. 【請求項2】 入出力ディスクに狭持されるパワーロー
    ラを傾転自在に支持するトラニオンを備えたトロイダル
    型無段変速機と、 前記入出力ディスクとパワーローラが摩擦係合する転動
    面の潤滑を行う第1潤滑回路と、 前記トラニオン及びパワーローラの潤滑を行う第2潤滑
    回路とを備えたトロイダル型無段変速機の潤滑機構にお
    いて、 前記第2潤滑回路は、油圧源からクーラを介して圧油の
    供給を受ける一方、前記第1潤滑回路は、油圧源から直
    接圧油の供給を受けることを特徴とするトロイダル型無
    段変速機の潤滑機構。
  3. 【請求項3】 前記第2潤滑回路は、トラニオン内部に
    形成した油路からトラニオン自身及びパワーローラの軸
    受部材の潤滑を行うことを特徴とする請求項2に記載の
    トロイダル型無段変速機の潤滑機構。
  4. 【請求項4】 前記第2潤滑回路は、入出力ディスクの
    背面へ圧油を供給するディスク背面冷却回路を備えたこ
    とを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速
    機の潤滑機構。
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