JP2005003126A - フルトロイダル型無段変速機 - Google Patents

フルトロイダル型無段変速機 Download PDF

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泰治 美佐田
Yoshihiro Ono
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    • F16H57/00General details of gearing
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    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings
    • F16H57/049Friction gearings of the toroid type

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  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

【課題】ローラ径を小さくしたときでも、変速機の能力及び寿命を低下させることなくローラなどの温度上昇を抑制することができ、コンパクト化を図ることができるフルトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】入力ディスク3と出力ディスク12との間のトルク伝達を行うローラ14と、このローラ14に一体的に設けられた回転軸15との各内部に、上記ローラ14と両ディスク3,12の接触部に供給される潤滑油(冷却媒体)を順次流すための経路21,22を設ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の変速装置として用いられるフルトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用の変速装置として、従来のオートマティックトランスミッションに代わるトロイダル型無段変速機が注目されており、かかる無段変速機は、入出力ディスクとローラとの接触点を結んだ線が当該ローラの傾動中心を通過しないハーフトロイダル型と、その線が当該ローラの傾動中心を通過するフルトロイダル型とに大別される。
このうち、フルトロイダル型無段変速機の主要部であるバリエータは、凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクを、軌道面同士が互いに対向するように配置し、両ディスク間に複数のローラを配置して成るものである。各ディスクの軸方向には油圧による端末負荷が付与され、これにより、ローラは各ディスクの軌道面に油膜を介して圧接する。入力ディスクはエンジンで駆動される入力軸に連結され、この入力軸の回転によって、入力ディスクからローラを介して出力ディスクにトルクが伝達される。また、変速動作は、必要なトルクに応じて、ローラを支持するキャリッジ(支持部材)を油圧シリンダで押し引きしてローラの傾動角度を調整することにより、無段階で行われる。
【0003】
また、上記のようなフルトロイダル型無段変速機では、ハーフトロイダル型のものと異なり、そのローラの傾動範囲が理論上制限されないものであり、ローラのスピン量が大きいものであるため、当該ローラ及び両ディスクが高温になり易かった。
そこで、従来のフルトロイダル型無段変速機には、上記支持部材に、ローラと両ディスク軌道面との接触部に潤滑剤(潤滑油)を吹き付ける潤滑剤吹付部を設けて、上記油膜を形成する潤滑油を供給する供給手段を当該支持部材に組み込むことを提案したものがある。そして、この従来変速機では、ローラとともに傾動する上記吹付部を固定的な供給手段の代わりに用いることにより、変速動作に応じたローラの傾動動作による影響を抑えて上記の接触部に潤滑剤を確実に供給し、かつ当該接触部を冷却しようとしていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−132047号公報(第5〜6頁、第3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フルトロイダル型無段変速機では、そのコンパクト化が強く望まれており、このためローラの直径をさらに小さくすることが求められている。
ところが、上記のような従来のフルトロイダル型無段変速機では、ローラ径を小さくしたときに、ローラや両ディスクなどでの温度上昇を抑えることができずに、変速機の寿命や能力の低下を招くという問題があった。詳細には、ローラ径を小さくすると、ローラの回転数が大きくなり、それに伴ってローラの発熱量が増加するため、ローラが高温になり、当該ローラに接する両ディスクでの温度も上昇し易くなった。この結果、上記油膜が適切に形成されずにローラによる両ディスク間のトルク伝達が不安定になったり、ローラなどの耐久性が低下したりして、不具合が変速機に早期に生じるおそれがあった。また、ローラの小径化に伴い、当該ローラと両ディスク軌道面との接触部での接触面積が低減することから、その接触部での接触面圧が高くなったり、ローラのスピン角速度が大きくなったりして、当該接触部での発熱が大きくなった。このため、ローラの回転数、つまり上記入力軸が受容できる回転数を小さくしたり、ローラの伝達可能なトルク(トラクション力)を低減したりする必要が発生して、変速機の能力低下を生じるおそれがあった。
【0006】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、ローラ径を小さくしたときでも、変速機の能力及び寿命を低下させることなくローラなどの温度上昇を抑制することができ、コンパクト化を図ることができるフルトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラとを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
前記ローラの内部に、冷却媒体を流すための経路を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラと、このローラに取り付けられた回転軸とを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
前記回転軸の内部に、冷却媒体を流すための経路を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラと、このローラに取り付けられた回転軸とを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
前記回転軸の内部及び前記ローラの内部に、冷却媒体を順次流すための経路を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記のように構成されたフルトロイダル型無段変速機では、冷却媒体を流すための経路がローラ、回転軸、または回転軸及びローラの各内部に設けられているので、ローラと両ディスクの各軌道面との接触部で発生した熱を、ローラ径に関わらずローラ内部から直接的にまたは回転軸内部を介在させて間接的に上記冷却媒体によって放熱させることができる。これにより、ローラ径を小さくしたときでも、当該ローラ及び両ディスクなどの温度上昇を抑制することができ、変速機の能力及び寿命の低下を招くことなく、そのコンパクト化を図ることができる。
【0011】
また、上記フルトロイダル型無段変速機において、前記冷却媒体には、前記ローラと前記両ディスクの各軌道面との接触部に供給される潤滑液を用いるとともに、前記ローラの前記接触部以外の表面に、前記経路に連通する開口部を設けてもよい。
また、上記フルトロイダル型無段変速機において、前記冷却媒体には、前記ローラと前記両ディスクの各軌道面との接触部に供給される潤滑液を用いるとともに、前記回転軸の表面に、前記経路に連通する開口部を設けてもよい。
これらの場合、上記潤滑液からなる冷却媒体が各開口部から接触部に逐次供給されることとなり、上記接触部での潤滑性を維持しつつ、当該接触部での発熱を抑えてローラなどの温度上昇をより確実に抑制することができる。
【0012】
また、上記フルトロイダル型無段変速機において、前記接触部側に向けて前記開口部を開口することが好ましい。
この場合、上記潤滑液からなる冷却媒体をより確実に接触部に供給することができ、当該接触部で発生する熱を効率よく冷却して、ローラなどでの温度上昇をさらに抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフルトロイダル型無段変速機の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるフルトロイダル型無段変速機の要部を示す概略断面図である。図に示すように、本実施形態のフルトロイダル型無段変速機のバリエータ1は、乗用車等の車両のエンジンEにより回転駆動される入力軸2を備えており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク3が支持されている。各入力ディスク3の一側面には、凹湾曲状の軌道面3bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン穴3aが形成されている。
【0014】
各入力ディスク3は、入力軸2に形成されたスプライン軸部2aをスプライン穴3aに挿通することにより、入力軸2と一体回転可能に組み付けられている。右側の入力ディスク3は、入力軸2に一体に設けられた係止つば部2bによって図示の状態から右方への移動が規制されている。また、左側の入力ディスク3の軌道面3bと反対側の背面には、当該背面全体を覆うケーシング4と、ケーシング4の内周に内接したバックアップ板5と、入力軸2に固定されかつ入力ディスク3及びバックアップ板5が軸方向の左方に移動することを規制する係止リング6及び止め輪7と、係止リング6の外周に装着されかつバックアップ板5に予圧を付与するワッシャ8が設けられている。
【0015】
バックアップ板5の外周にはOリング5aが装着されており、ケーシング4の内面と、入力ディスク3の背面と、バックアップ板5とによって囲まれた入力軸2の周りの空間に油室9aが形成されている。この油室9aは、入力軸2の軸線方向に延びる第一油路2cと、その右端部から径方向に延びる第二油路2dとに連通しており、第一油路2cには外部から油圧が供給される。このようにして、ケーシング4及びバックアップ板5を押圧シリンダ9とし、入力ディスク3をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
【0016】
入力軸2の軸方向中央部には、バリエータ1の出力部10が入力軸2に対して相対回転自在に支持されている。この出力部10は、出力部材11と、この出力部材11にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディスク12とを備えている。各出力ディスク12の、入力ディスク3の軌道面3bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面12bが形成されている。また、出力部材11の外周には、動力伝達用のチェーン13と噛み合うスプロケットギア11aが形成されている。
【0017】
入力ディスク3の軌道面3bとこれに対向する出力ディスク12の軌道面12bとの間はトロイド状隙間として構成されており、このトロイド状隙間には、各軌道面3b,12bと圧接して回転する円盤状のローラ14が円周等配に3個(図では、1個のみ図示)設けられている。従って、ローラ14は左右一対のトロイド状隙間に計6個配置されている。この各ローラ14は、キャリッジ(支持部材)16によって回転軸15周りに回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ16によって各軌道面3b,12bに対する相対的な接触位置を調整できるようになっている。
【0018】
上記キャリッジ16は、図2に示すように、同図の右端部側に当該キャリッジ16を押し引き駆動する油圧シリンダ17が接続された断面コ字状の本体16aを備えている。この本体16aの図の左端部には、上記回転軸15の上端部及び下端部がそれぞれ玉軸受20を介して取り付けられており、回転軸15及びローラ14を回転自在に支持している。
上記油圧シリンダ17には、バリエータ1のハウジング(図示せず)に取り付けられるシリンダ本体17aと、この本体17a内部に形成された油室18a,18bにそれぞれ供給される油圧P1,P2の差圧に応じて当該本体17a内で図の左右方向に移動可能に構成されたピストン17bとが設けられている。このピストン17bの略中央部分には、一端部側が上記キャリッジ本体16aに連結されたピストンロッド17cの他端部側が球面軸受19を介して取り付けられており、キャリッジ16及びローラ14が当該ロッド17cの軸心周りに回動自在となるように支持されている。これにより、ローラ14が、図1に二点鎖線にて示したように、両ディスク3,12の間で傾動するのが許容される。
【0019】
また、上記ローラ14及び回転軸15の内部には、図2及び図3を参照して、互いに接続された経路21,22が形成されており、バリエータ1の上記ハウジング外部に設けられたポンプ等を含んだ供給手段(図示せず)によって冷却媒体が油圧シリンダ17の内部及びキャリッジ16の内部を経て回転軸15の内部及びローラ14の内部を順次流されるようになっている。
また、この冷却媒体には、軌道面3b,12b上に供給され、各軌道面3b,12bとローラ14との接触部に油膜を形成して、当該接触部での直接的な金属接触を防ぐ潤滑油(トラクションオイル)が使用されている。尚、この潤滑油は、上記接触部に供給された後、ハウジング内に設けられた溝等に掻き集められる。そして、溝等からハウジング外部に排出された後、オイルパンなどの油溜め手段にて回収され、上記ポンプによってバリエータ1側に再度流入されるようになっている。
【0020】
詳細には、上記ピストンロッド17cの内部に形成された経路28は、一端側が上記供給手段に連結されており、他端側がキャリッジ本体16a内に設けられた経路27の一端側に接続されている。また、この経路27の他端側は、キャリッジ16の外部に配置されたフレキシブルなパイプ28の一端側に繋がれている。このパイプ28の他端側には、回転軸15の軸方向端面上に配置された円柱状のアダプター部材23内に形成されるとともに、一端側が上記経路22に繋がれた経路25の他端側が接続されている。このアダプター部材23は、内面側が密封されたすべり軸受24を介して回転軸端面上に取り付けられており、当該部材23及びパイプ28が上記軸受24にて回転軸15とともに回動するのを防がれた状態で、潤滑油を回転軸15内の経路22側に安定して流せるようになっている。
【0021】
上記回転軸15内に設けられた経路22には、図3(a)に示すように、上端側が経路25に繋がれるとともに、当該回転軸15の軸中心部分で軸方向に形成された鉛直部分22aと、上記ローラ14内の経路21の設置数に応じて形成されるとともに、鉛直部分22aの途中で当該部分22aから直角方向に分岐された水平部分22bとが設けられている。
また、上記経路22には、図に例示するように、上側の本体16aの左端部とローラ14の一方の側面14aとの間及び下側の本体16aの左端部と他方の側面14bとの間で、回転軸15の外周面を開口することによって形成されるとともに、上記鉛直部分22aに連通する二つの開口部22cが設けられている。また、各開口部22cは、上記各軌道面3b,12bとローラ14との接触部側に向けて潤滑油を流せるように形成されており、回転軸15の内部を流れた潤滑油が上記接触部に逐次供給されるようになっている。
【0022】
また、各開口部22cから流れ出た潤滑油の一部は、本体16aの左端部の対応する側の円環状の隙間を経て各玉軸受20の内外輪間の環状開口部内に流れ込むようになっている。これにより、上記潤滑油が各玉軸受20に逐次補給され、各玉軸受20での潤滑性が適正な状態で維持される。つまり、各玉軸受20では、上記油室18a,18b内の油圧P1,P2との差圧であるリアクション力などに起因するラジアル、スラスト荷重が付与されており、これらの荷重によりボールは高面圧な状態で内外輪上を転動している。このため、ボールの内外輪との接触部では熱が生じているが、開口部22cから潤滑油を玉軸受20の各部に浴びせることによって軸受各部での温度上昇を抑えることができ、当該軸受20での潤滑性を適正なものとすることができる。
【0023】
上記ローラ14の内部には、図3(b)に示すように、十字状に配置された四つの上記経路21が形成されている。これら各経路21は、例えばφ2mm程度の断面円形状の孔により構成されている。また、経路21の一端側は、上記回転軸15周りに90度間隔で形成された四つの上記水平部分22bにそれぞれ連結されている。また、各経路21の他端側に形成された開口部21aは、ローラ14と両ディスク3,12の各軌道面3b,12bとの接触部側に対向する楕円状開口を対応する側面14a,14bに設けたものであり、上記接触部側にローラ14の内部を流れた潤滑油を逐次供給するようになっている。また、これら経路21のうち、同図の上下方向及び左右方向の各々二つの経路21は、熱処理硬化前のローラ素材(例えば軸受用鋼)に対し、例えば側面14aから上記回転軸15が一体的に取り付けられる取付孔14cを突き抜けて側面14b側にドリルなどを挿通する孔明け加工を施すことにより、一体的に形成されたものである。
尚、上記の説明では、ローラ14側の経路21及び回転軸15側の水平部分22bの形成数を同一にした場合について説明したが、例えば回転軸15の外周面をその周方向に沿って環状に切り欠いた溝を形成することにより、一つの水平部分22bから複数の経路21に潤滑油を流す構成でもよい。このような環状溝を用いることにより、回転軸15にローラ14を装着したときでの経路21と水平部分22bとの連通作業を容易に行うことができる。
【0024】
上記のように構成された本実施形態のバリエータ1では、第一油路2cを介して油室9aに端末負荷としての油圧が付与されると、左側の入力ディスク3が右方に付勢され、ローラ14を介して左側の出力ディスク12が右方に付勢される。これにより、右側の出力ディスク12から出力部材11を介して、左側の出力ディスク12が右方に付勢される。さらに、右側の出力ディスク12からローラ14を介して右側の入力ディスク3が押圧されるが、この入力ディスク3は係止つば部2bにより止められているため、端末負荷がバリエータ1全体に付与され、左右の各ローラ14が両ディスク3,12間に所定の圧力で挟持された状態となる。そして、この状態で入力軸2に動力が付与されると、入力ディスク3から出力ディスク12に対して合計6個のローラ14を介してトルクが伝達されることになる。
【0025】
また、バリエータ1が上記のようにトルクを伝達しているときに、ローラ14に作用している反力と出力ディスク12を駆動するのに必要なトルクとの間に不均衡が生じると、ローラ14は自動的に角度を変えてこの不均衡を解消する。例えば、走行負荷の変動やアクセルペダルの加減により、油室18a,18bの油圧P1,P2に抗してローラ14が押し戻されるかまたは引き出されるような力が発生すると、ローラ14の角度が変化して(図1の二点鎖線参照)変速比のアップまたはダウンが行われ、走行負荷の変動やアクセルペダルの加減に対応して当該無段変速機から出力するトルクを変化させることができる。
【0026】
以上のように構成された本実施形態では、上記潤滑油が冷却媒体として回転軸15の内部に形成された経路22及びローラ14の内部に形成された経路21を順次流されるので、バリエータ1の動作時にローラ14と入出力ディスク3,12の各軌道面3b,12bとの接触部からローラ14側に伝えられた熱を上記冷却媒体によって逐次冷却することができる。この結果、ローラ14、ひいては入出力ディスク3,12での各温度上昇を抑制することができる。従って、潤滑油を逐次供給している点とも相まって、潤滑油が上記接触部で高温に加熱されるのを防いで、当該潤滑油の粘性などの特性劣化を防止することができ、所望膜厚の油膜を上記接触部に常時形成することができる。これにより、ローラ14及び入出力ディスク3,12、ひいては変速機の寿命が低下したり、トラクション係数の低下及びこれに伴うトルク伝達効率の低下が生じたりするのを防止することができる。また、ローラ径に関わらず当該ローラ自体を冷却媒体によって冷やすことができることから、上記従来例と異なり、ローラ径を小さくしたときでも、ローラ14及び入出力ディスク3,12などでの温度上昇を抑えて変速機の寿命や能力の低下を防ぐことができ、コンパクトなフルトロイダル型無段変速機を容易に構成することができる。特に、フルトロイダル型無段変速機のローラは、ハーフ型のものと異なり、一般に薄い円盤形状をしていることから、その小型化とも相まって熱容量が小さいものである。それ故、上記のローラ内部からの直接冷却によるローラ温度上昇の抑制は、非常に大きな効果を奏することができる。
【0027】
また、本願の発明者等による検証試験によれば、上記経路21,22を設けた本願発明品では、例えばφ120mmのローラ径の従来品に対して、φ80〜100mmのローラ14を使用して上記従来品と同一条件で運転させたときでも、上記接触部での発熱によるローラ14及び両ディスク3,12での温度上昇を上記従来品とほぼ同等なものとして、変速機の寿命及び能力低下を生じない。また、このように従来品に比べてローラ径を小さくすることができるので、本願発明品では車両エンジン側に直結される上記入力軸2の軸方向寸法を短くすることができ、車両への取付・配置が容易な変速機を構成できる。
【0028】
尚、上記の説明では、ローラ14及び回転軸15の各内部に経路21,22を設けた構成について説明したが、本発明はローラまたは回転軸のいずれかの内部に冷却媒体を流す経路を形成して、ローラと両ディスクの各軌道面との接触部で生じる熱を当該媒体によってローラまたは回転軸の内部から冷やすことができるものであればよく、ローラの内部または回転軸の内部に経路を設けたものでもよい。但し、ローラと回転軸との双方の内部に経路を形成する場合では、上記実施形態のように各内部の経路21,22を互いに接続して冷却媒体を順次流すことが好ましい。
【0029】
また、上記の説明では、開口部21a,22cを経路21,22に連通させた構成について説明したが、例えばローラの内部及び回転軸の内部に往路と復路とを有する経路を設けて、上記潤滑油よりも冷却効率に優れた媒体を各内部で循環させてもよい。但し、上記のように冷却媒体に潤滑油を用いた方が、この潤滑油を上記接触部に供給する供給手段を別途設ける場合に比べて、変速機構成を簡単化し、より軽量小型化し易い点で好ましい。
また、上記の説明では、ローラ側面に開口部21aを設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローラ14の上記接触部以外の表面に開口部を形成するものであればよい。具体的には、図4に示すように、ローラ14の外周面には、入出力ディスク3,12の軌道面3b,12b(図1)に接触する断面直線状の接触部14sと、この接触部14sの両端側に連続するとともに、上記軌道面3b,12bに接触しない断面R状の曲部14rとが設けられている。そして、この曲部14rを開口した開口部31aを有する経路31をローラ14の内部に設け、開口部31aから上記軌道面3b,12bとの接触部側に潤滑油を流すよう構成してもよい。
【0030】
また、上記の説明では、キャリッジ本体16a及びピストンロッド17cの内部に経路27,28を形成して回転軸15内の経路22に連結する構成について説明したが、例えば経路27の代わりに上記本体16aの外面上に取り付けられる配管等を経路22に繋げる構成でもよい。
また、上記の説明では、上記潤滑油を冷却媒体に用いた構成について説明したが、本発明の冷却媒体はこれに限定されるものではなく、例えば上記油圧シリンダ17内の油室18a,18bに供給される駆動油を使用することもできる。
また、上記実施例では、経路27の他端側をキャリッジ16の外部に配設したフレキシブルパイプ28を介して軸端より経路22に連結する例を示したが、キャリッジ16の内部の経路27を軸側に延長し軸の外周面に対向して他端部を設け、当該軸の外周面に開孔(もしくは円周方向溝)を設けて、この開孔(または溝)と上記延長した経路27の他端部とを相対回転可能に連結してもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、上記冷却媒体がローラ径に関わらずローラと両ディスクの各軌道面と接触部で生じた熱を冷却して、ローラなどの温度上昇を抑制することができるので、小さい直径のローラを使用したときでも、変速機の能力及び寿命の低下を招くことなく、軽量小型のフルトロイダル型無段変速機を容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるフルトロイダル型無段変速機の要部を示す概略断面図である。
【図2】図1に示したローラ、回転軸、及びキャリッジの内部構成例を示す拡大断面図である。
【図3】(a)は上記ローラ及び回転軸の内部構成例を両ディスク間側からみたときの拡大断面図であり、(b)はそのローラの平面図である。
【図4】別の実施形態のローラの要部構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
3 入力ディスク
3b 軌道面
12 出力ディスク
12b 軌道面
14 ローラ
15 回転軸
21 経路
21a 開口部
22 経路
22a 鉛直部分
22b 水平部分
22c 開口部
31 経路
31a 開口部

Claims (6)

  1. 相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラとを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
    前記ローラの内部に、冷却媒体を流すための経路を設けたことを特徴とするフルトロイダル型無段変速機。
  2. 相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラと、このローラに取り付けられた回転軸とを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
    前記回転軸の内部に、冷却媒体を流すための経路を設けたことを特徴とするフルトロイダル型無段変速機。
  3. 相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行うローラと、このローラに取り付けられた回転軸とを備えたフルトロイダル型無段変速機であって、
    前記回転軸の内部及び前記ローラの内部に、冷却媒体を順次流すための経路を設けたことを特徴とするフルトロイダル型無段変速機。
  4. 前記冷却媒体には、前記ローラと前記両ディスクの各軌道面との接触部に供給される潤滑液を用いるとともに、
    前記ローラの前記接触部以外の表面に、前記経路に連通する開口部を設けたことを特徴とする請求項1または3に記載のフルトロイダル型無段変速機。
  5. 前記冷却媒体には、前記ローラと前記両ディスクの各軌道面との接触部に供給される潤滑液を用いるとともに、
    前記回転軸の表面に、前記経路に連通する開口部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のフルトロイダル型無段変速機。
  6. 前記接触部側に向けて前記開口部を開口したことを特徴とする請求項4または5に記載のフルトロイダル型無段変速機。
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