JP4702600B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、トロイダル型無段変速機に関する。
自動車等の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)として用いられるトロイダル型無段変速機には、入力円板と出力円板との間に形成されるトロイド状隙間に跨ってローラを配置するものがある(例えば、特許文献1〜5参照)。
ローラは、互いに反対方向に回転する入力用および出力用の同軸円板の対向する面に形成された一部トロイド状の対応する軌道面間に挟持されて、対応する入力円板および出力円板のそれぞれと動力の伝達を行う。
ローラと対応する入力円板および出力円板とは、直接に接触して動力の伝達を行うわけではなく、潤滑油の油膜を介して動力の伝達を行うようになっている。すなわち、潤滑油は、動力伝達の役目を果たしている。また、潤滑油は、ローラ、入力円板および出力円板のそれぞれの潤滑・冷却をしてその摩耗を防止するといった通常の役目も果たしている。
特開2002−213558号公報 特開平10−132047号公報 特表2000−507667号公報 特開2001−254795号公報 特開2005−3126号公報
ところで、トロイダル型変速機は更なる小型化が求められている。そこで、ローラをより小型にすることが考えられる。しかしながら、ローラを小型化すると、ローラの駆動時の回転数やスピン角速度等が、小型化しない場合と比べて高くなり、ローラが駆動時に高温になってしまう。ローラが高温になると、トロイダル型無段変速機の伝動効率の低下を招いてしまう。また、トロイダル型無段変速機の実用上の耐久性を向上する上で好ましくない。
すなわち、ローラ(トロイダル型変速機)の小型化のためには、ローラを十分に潤滑油で冷却できるようにする必要がある。しかしながら、特許文献1〜5では、ローラに供給された潤滑油は、ローラの自転による遠心力でローラから吹き飛ばされてしまう結果、ローラとの接触量が少なく、十分な冷却を行い難かった。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、ローラを冷却する性能の優れたトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、入力円板(3)と出力円板(12)との間に形成されるトロイド状隙間(T)に跨ってローラ(14;14A;14C)を配置し、ローラのトルク伝達領域(A1,A2)と対応する円板との間でトルクが伝達されるトロイダル型無段変速機(100)において、ローラを支持する支軸(16)およびキャリッジ(15;15B;15C)を備え、上記キャリッジはローラを覆うカバー(18)を含み、カバーは、ローラの周面(14c)のトルク伝達領域を除く領域に所定の隙間(B2)を設けて対向する周壁(25)と、トルク伝達領域の近傍を除くローラの側面(14a,14b)に所定の隙間(B1)を設けて対向する側壁(24)とを含み、カバーの周壁を介して上記トルク伝達領域に潤滑油が導かれ、上記カバーの内面とローラの表面との間へ潤滑油を供給するための潤滑油供給路(34;34C)が備えられ、上記潤滑油供給路の噴射口(42,43,46;49)は、上記ローラを支持する支軸の周囲を取り囲む環状をなし、且つ、上記ローラの側面のうち上記ローラの支軸の近傍に向けて潤滑油を噴射する噴射口を含むことを特徴とする。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、トルク伝達領域およびその近傍を除くローラの表面の大部分の領域がカバーにより覆われているので、ローラの表面に供給された潤滑油が外部に飛散することなくカバー内にとどまる。したがって、十分な量の潤滑油を効率的にローラと接触させることができ、その結果、ローラを冷却する性能を高くすることができる。また、ローラの自転による遠心力でローラの径方向外方に飛ばされた潤滑油は、カバーの周壁により受けられ、そのカバーの周壁を伝わってトルク伝達領域に導かれ、これにより、十分な量の潤滑油をトルク伝達領域に供給でき、その結果、トルク伝達領域の高温化を確実に防止することができる。したがって、小型のローラを用いてトロイダル型無段変速機の小型化を達成しつつ、その小型のローラの高温化を確実に防止することができる。
また、潤滑油供給路によって、ローラの表面に確実に潤滑油を供給することができる。
また、本発明において、上記潤滑油供給路の噴射口(42,43,46;49)は上記カバーに設けられている場合がある。この場合、ローラに近接しているカバーからローラに潤滑油を供給することができ、ローラに接触する潤滑油の量をより多くすることができる。
また、本発明において、上記潤滑油供給路はローラの内部に設けられている場合がある。この場合、ローラの内部からローラを冷却することができ、ローラを冷却する性能をより向上することができる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるフルトロイダル型無段変速機の要部を示す模式的な断面図である。図1を参照して、フルトロイダル型無段変速機100(以下、単に段変速機ともいう)のバリエータ1は、乗用車等の車両のエンジンやモータ等の回転動力源Eにより回転駆動される入力軸2を備えている。
なお、以下では、入力軸2の軸方向の一方を第1の軸方向S1といい、入力軸2の軸方向の他方を第2の軸方向S2という。
入力軸2の一対の端部には、それぞれ入力円板3が支持されている。各入力円板3の一側面には、凹湾曲状の軌道面3bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン孔3aが形成されている。
各入力円板3は、入力軸2に形成されたスプライン軸部2aをスプライン孔3aに挿通することにより、入力軸2と一体回転可能に組み付けられている。第1の軸方向S1側に配置された入力円板3は、入力軸2に一体に設けられた係止つば部2bによって入力軸2に対する第1の軸方向S1への移動が規制されている。
また、第2の軸方向S2側の入力円板3のうち、軌道面3bの背面3c側には、当該背面3cの全体を覆うケーシング4と、ケーシング4の内周に当接するとともに入力軸2を取り囲むバックアップ板5と、入力軸2に固定された係止リング6および止め輪7と、係止リング6の外周に装着されたワッシャ8とが設けられている。
係止リング6は、入力円板3およびバックアップ板5をそれぞれ、係止リング6よりも第2の軸方向S2側へ移動することを規制している。
ワッシャ8は、バックアップ板5に予圧を付与している。
バックアップ板5の外周にはOリング5aが装着されている。ケーシング4の内面と、入力円板3の背面3cと、バックアップ板5とによって囲まれた入力軸2の周りの空間に油室9aが形成されている。
この油室9aは、入力軸2の内部を貫通して形成された油路2cに連通している。油路2cには、外部から昇圧された作動油が供給されるようになっている。このようにして、ケーシング4およびバックアップ板5を押圧シリンダ9とし、入力円板3をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
入力軸2の軸方向中央部には、バリエータ1の出力部10が入力軸2に対して相対回転自在に支持されている。この出力部10は、出力部材11と、この出力部材11にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力円板12とを備えている。
各出力円板12の、対応する入力円板3の軌道面3bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面12bが形成されている。また、出力部材11の外周には、駆動輪(図示せず)へ動力を伝達するためのチェーン13と噛み合う歯部11aが形成されている。
なお、駆動輪に動力伝達可能に連なる歯車を設け、この歯車と歯部11aとを噛み合わせるようにしてもよい。
各入力円板3の軌道面3bと対応する出力円板12の軌道面12bとの間には、それぞれトロイド状隙間Tが区画されている。このトロイド状隙間Tには、各軌道面3b,12bに圧接されつつ回転する円板状のローラ14が円周等配に例えば3個(図1において、各トロイド状隙間Tに1個づつ図示)、跨って配置されている。
従って、ローラ14は第1の軸方向S1側のトロイド状隙間Tと第2の軸方向S2側のトロイド状隙間Tとに計6個配置されている。各ローラ14は、支持部材としてのキャリッジ15によって支持されている。各ローラ14は、対応するキャリッジ15によって、回転自在に支持されており、また、各軌道面3b,12bに対する相対的な接触位置を変更できるようになっている。
図2は、図1のキャリッジ15周辺の要部の側面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図2および図3を参照して、ローラ14は、一対の側面14a,14bと、転動面としての周面14cと、周面14cの一部の領域に設けられ、対応する入力円板3の軌道面3bおよび出力円板12の軌道面12bとそれぞれトルク(動力)の伝達を行うトルク伝達領域A1,A2とを含んでいる。
一対の側面14a,14bは、互いに平行な平坦面を含んでいる。周面14cは、入力円板3および出力円板12の軌道面3b,12bの形状に対応する湾曲状に形成されている。
トルク伝達領域A1は、ローラ14の周面14cのうち、入力円板3の軌道面3bと対向する領域であり、トルク伝達領域A2は、周面14cのうち、出力円板12の軌道面12bと対向する領域である。トルク伝達領域A1,A2は、対応する軌道面3b,12bのそれぞれと直接接触して動力を伝達するのではなく、潤滑油の油膜を介して動力の伝達を行うようになっている。つまり、ローラ14と入力円板3と出力円板12とは、トラクションドライブを構成している。
ローラ14には、支軸16が設けられている。ローラ14と支軸16とは、同心且つ一体回転可能である。
キャリッジ15は、ローラ14をその軸線回りに回転自在に支持しており、主体部17と、ローラ14を覆うカバー18とを含んでいる。
主体部17は、ローラ14の一対の側面14a,14bにそれぞれ対向する一対の細長の側板19,20と、ローラ14の周面14cに対向し、両側板19,20の基端部19a,20a同士を連結する連結板21とを有しており、全体として溝形形状をなしている。
一方の側板19は、当該一方の側板19に保持された軸受22を介して、支軸16の一端部を回転自在に支持している。他方の側板20は、当該他方の側板20に保持された軸受23を介して、支軸16の他端部を回転自在に支持している。連結板21は、ローラ14の周面14cのうち、トルク伝達領域A1,A2以外の領域の一部と対向している。
カバー18は、主体部17に固定されており、ローラ14の表面のうち、トルク伝達領域A1,A2およびその近傍を除く領域を覆っている。このカバー18は、ローラ14の一対の側面14a,14bを覆うための側壁24と、ローラ14の周面14cを覆うための周壁25とを有している。
側壁24は、ローラ14を挟んで互いに対向する一対の側壁24a,24bを有している。一対の側壁24a,24bは、円板の一部を切り欠いた形状に形成されている。一対の側壁24a,24bは、ローラ14の対応する側面14a,14bにそれぞれ所定の隙間B1を設けて略平行に対向している。詳細には、一対の側壁24a,24bはそれぞれ、ローラ14の対応する側面14a,14bのうち、トルク伝達領域A1,A2の近傍を除く領域に対向している。
一対の側壁24a,24bのそれぞれの中心には、支軸16が挿通される挿通孔24c,24dが形成されている。
周壁25は、例えば、一対の側壁24a,24bの外周縁の一部からそれぞれ延びるフランジを互いに嵌め合わせることにより形成されている。周壁25は、ローラ14の周面14cのうち、トルク伝達領域A1,A2を除く領域に所定の隙間B2を設けて対向している。
カバー18には、当該カバー18内の空間を、側壁24の径方向の外側に向けて開放する一対の開口26,27が形成されている。これら一対の開口26,27から、ローラ14の対応するトルク伝達領域A1,A2およびその近傍が露出している。
キャリッジ15は、油圧シリンダ28によって押し引き駆動可能とされている。具体的には、油圧シリンダ28は、バリエータ1のハウジング29に固定されるシリンダ本体30と、シリンダ本体30の内部に挿通され、シリンダ本体30に対して移動可能なピストン31と、シリンダ本体30内の空間をピストン31で区画することにより形成された一対の油室C1,C2とを含んでいる。
各油室C1,C2における作動油の油圧P1,P2に応じて、ピストン31はその軸方向に移動する。ピストン31には、球面継手32を介してロッド33の一端部が連結されている。ロッド33の他端部には、キャリッジ15の主体部17の連結板21が固定されている。
上記の構成により、キャリッジ15およびローラ14は、ロッド33の軸線周りに回動(傾動)自在であり、且つ、球面継手32を中心に揺動可能である。これにより、ローラ14は、対応する入力円板3および出力円板12の間で傾動することが許容される(図1において、傾動した状態のローラ14を二点鎖線で図示)。
再び図2および図3を参照して、カバー18の内面とローラ14の表面との間には、潤滑油が供給されるようになっている。具体的には、潤滑油供給路34が設けられており、ローラ14の一対の側面14a,14bおよび周面14cのそれぞれに、潤滑油供給路34から潤滑油が供給されるようになっている。
潤滑油供給路34は、第1の供給路35と、第2の供給路36とを含んでいる。
第1の供給路35は、可撓性を有し且つロッド33の内部を貫通するパイプ37によって区画されている。第1の供給路35の一端は、潤滑油供給用のポンプ38の吐出口に接続されている。
図4は、図3のIV−IV線に沿う要部の断面図である。図3および図4を参照して、第2の供給路36は、キャリッジ15の主体部17とカバー18との間に区画された溝によって区画されており、第1の領域39、第2の領域40および第3の領域41を有している。
第1の領域39は、一方の側板19と他方の側板20との間に延びている。第1の領域39の中間は、第1の供給路35の他端と接続されている。
第2の領域40は、一方の側板19の長手方向に沿って延びている。第2の領域40の一端と第1の領域39の一端とは接続されている。第2の領域40の他端は、支軸16を取り囲む環状をなしている。第2の領域40の他端に、軸受22が臨んでいる。
一方の側壁24aの挿通孔24cは、支軸16よりも大径に形成されて第2の領域40の他端に連なっており、この挿通孔24cによって、潤滑油供給路34の噴射口42が区画されている。この噴射口42から、潤滑油がローラ14の一方の側面14aの中心近傍に供給されるようになっている。
第3の領域41は、他方の側板20の長手方向に沿って延びている。第3の領域41の一端と第1の領域39の他端とは接続されている。第3の領域41の他端は、支軸16を取り囲む環状をなしている。第3の領域41の他端に、軸受23が臨んでいる。
他方の側壁24aの挿通孔24dは、支軸16よりも大径に形成されて第3の領域41の他端に連なっており、挿通孔24dによって、潤滑油供給路34の噴射口43が区画されている。この噴射口43から、潤滑油がローラ14の他方の側面14bの中心近傍に供給されるようになっている。
また、カバー18の周壁25のうち、主体部17の連結板21と対向する部分には、第1の領域39に連なる貫通孔45が形成されており、この貫通孔45によって、潤滑油供給路34の噴射口46が区画されている。この噴射口46から、潤滑油がローラ14の周面14cに供給されるようになっている。
図1を参照して、上記のように構成されたバリエータ1では、油路2cを介して油室9aに端末負荷としての油圧が付与されると、第2の軸方向S2側の入力円板3に、第1の軸方向S1に向けた付勢力が付与される。
この付勢力は、第2の軸方向S2側のトロイド状隙間T内のローラ14、第2の軸方向S2側の出力円板12、出力部材11、第1の軸方向S1側の出力円板12および第1の軸方向S1側のトロイド状隙間T内のローラ14を介して、第1の軸方向S1側の入力円板3に与えられる。
第1の軸方向S1側の入力円板3は、係止つば部2aに受けられているため、端末負荷がバリエータ1全体に付与され、各ローラ14が対応する入力円板3および出力円板12間に所定の圧力で挟持された状態となる。そして、この状態で入力軸2に動力が付与されると、入力円板3から出力円板12に対して合計6個のローラ14を介してトルクが伝達されることになる。
また、バリエータ1が上記のようにトルクを伝達しているときに、ローラ14に作用している反力と出力円板12を駆動するのに必要なトルクとの間に不均衡が生じると、ローラ14は自動的に動いてこの不均衡を解消する。
例えば、図1および図3を参照して、走行負荷の変動やアクセルペダル(図示せず)の加減により、油室C1,C2の油圧P1,P2に抗してローラ14が押し戻されるかまたは引き出されるような力が発生すると、ローラ14の角度が変化して(図1の二点鎖線参照)変速比のアップまたはダウンが行われる。
ローラ14が回転駆動して対応する入力円板3および出力円板12との間でトルクの伝達をしている間、ローラ14には、以下に示すようにして、潤滑油が供給されるようになっている。すなわち、図3を参照して、ポンプ38の駆動によってポンプ38の吐出口から吐出された潤滑油は、第1の供給路35を通り第2の供給路36の第1の領域39に到達する。
第1の領域39に到達した潤滑油の一部は、第2の領域40を通って支軸16の一端部に到達する。支軸16の一端部に到達した潤滑油の一部は、噴射口42からローラ14の一方の側面14aの中心近傍に供給される。また、支軸16の一端部に到達した潤滑油の一部は、軸受22に供給されて軸受22を冷却する。
同様に、第1の領域39に送られた潤滑油の一部は、第3の領域41を通って、支軸16の他端部に到達する。支軸16の他端部に到達した潤滑油の一部は、噴射口43からローラ14の他方の側面14bの中心近傍に供給される。また、支軸16の他端部に到達した潤滑油の一部は、軸受23に供給されて軸受23を冷却する。
また、第1の領域39に送られた潤滑油の一部は、噴射口46からローラ14の周面14cに供給される。
噴射口42,43からローラ14の対応する側面14a,14bに供給された潤滑油は、これらの側面14a,14bと対応する側壁24a,24bとの間の隙間B1を通ってローラ14と接触し、ローラ14を冷却する。
噴射口46からローラ14の周面14cに供給された潤滑油は、ローラ14と接触し、ローラ14を冷却する。
噴射口42,43,46から噴射された潤滑油は、ローラ14の自転に伴う遠心力により、ローラ14の径方向外方に飛ばされ、カバー18の周壁25に受けられる。
図2および図3を参照して、カバー18の周壁25に受けられた潤滑油は、この周壁25を伝って周壁25の周方向に移動し、トルク伝達領域A1,A2のそれぞれに到達する。すなわち、噴射口42,43,46からカバー18の内面に供給された潤滑油は、カバー18の周壁25を介してトルク伝達領域A1,A2に導かれる。
トルク伝達領域A1,A2のそれぞれに到達した潤滑油は、ローラ14の周面14cのトルク伝達領域A1,A2と入力円板3および出力円板12の対応する軌道面3b,12bとの間に介在して油膜を形成する。この油膜を介して、ローラ14のトルク伝達領域A1,A2と対応する入力円板3および出力円板12との間でトルクが伝達される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ローラ14のトルク伝達領域A1,A2およびその近傍を除くローラ14の表面の大部分の領域がカバー18により覆われているので、ローラ14の表面に供給された潤滑油が外部に飛散することなくカバー18内にとどまる。したがって、十分な量の潤滑油を効率的にローラ14と接触させることができ、その結果、ローラ14を冷却する性能を高くすることができる。
また、ローラ14の自転による遠心力でローラ14の径方向外方に飛ばされた潤滑油は、カバー18の周壁25により受けられ、そのカバー18の周壁25を伝わってトルク伝達領域A1,A2に導かれ、これにより、十分な量の潤滑油をトルク伝達領域A1,A2に供給でき、その結果、トルク伝達領域A1,A2の高温化を確実に防止することができる。
したがって、小型のローラ14を用いて無段変速機100の小型化を達成しつつ、その小型のローラ14の高温化を確実に防止することができる。しかも、ローラ14の高温化を防ぐことで潤滑油の高温化を防止してその粘度(せん断力)の低下を防止することができる。これにより、ローラ14と対応する円板3,12との間の駆動ロスを少なくでき、無段変速機100の伝動効率の低下を防止できる。また、ローラ14の高温化を防止することにより、ローラ14にかかる負担を低減してローラ14の耐久性を向上でき、その結果、無段変速機100の実用上の耐久性を向上することができる。
さらに、噴射口42,43,46からカバー18の内面とローラ14の表面との間へ潤滑油を供給することにより、ローラ14の表面に確実に潤滑油を供給することができる。
また、潤滑油供給路34の噴射口42,43,46をカバー18に設けていることにより、ローラ14に近接しているカバー18からローラ14に潤滑油を供給することができ、ローラ14に接触する潤滑油の量をより多くすることができる。
さらに、潤滑油供給路34の一部がキャリッジ15内に区画されていることにより、キャリッジ15の周辺に潤滑油供給用の部材を追加する必要がなく、装置の更なる小型化を達成することができる。
なお、本実施の形態において、第2の供給路36の第2の領域40または第3の領域41の何れか一方を廃止して、ローラ14の一対の側面14a,14bの一方にのみ潤滑油が噴射されるようにしてもよい。
また、ローラ14に代えて、図5に示すローラ14Aを用いてもよい。ローラ14Aがローラ14と異なるのは、ローラ14Aの一対の側面14a,14b(図において、一方の側面14aのみを図示)の少なくとも一方に、潤滑油を案内するための案内溝47が設けられている点にある。
案内溝47は、ローラ14Aの対応する側面14a,14bに1または複数(本実施の形態において、4つ)設けられている。ローラ14Aを側面からみて、案内溝47は、ローラ14Aの中心から円周等配に放射状に延びており、支軸16が挿通される貫通孔48とローラ14Aの周面14cとに跨っている。
この場合、案内溝47を設けることにより、ローラ14Aの表面積をより多くして、潤滑油とローラ14Aとの接触量をより多くすることができ、ローラ14Aの冷却性能をより向上することができる。また、案内溝47がローラ14Aの径方向に沿って延びていることにより、潤滑油を案内溝47によってトルク伝達領域A1,A2に送り出すことが可能となっている。これにより、トルク伝達領域A1,A2に供給される潤滑油をより多くして、トルク伝達領域A1,A2におけるローラ14Aの温度上昇をより確実に防止することができる。
図6は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。なお、本実施の形態では、図1〜図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図6を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、ローラ14の周面14cに向かって潤滑油を噴射する噴射口がカバー18に複数(本実施の形態において、2つ)設けられている点にある。具体的には、ローラ14の周面14cに向かって潤滑油を噴射する噴射口として、噴射口46に加えて噴射口49が設けられている。
キャリッジ15Bの主体部17Bの一対の側板19B,20Bの先端部はそれぞれ、カバー18の径方向の外方まで延びており、連結部材50によって互いに連結されている。一対の側板19B,20Bの先端部まで、第2の供給路36Bの対応する第2および第3の領域40B,41Bが延びている。
連結部材50の内部には、空間Dが形成されており、この空間Dが潤滑油供給路34の第3の供給路51を区画している。第3の供給路51は、第2の供給路36Bの第3および第4の領域63B,64Bの他端とそれぞれ接続されているとともに、周壁25に形成された貫通孔52と連なっている。貫通孔52によって噴射口49が区画されている。第2の供給路36Bの第2および第3の領域40B,41Bを通ってきた潤滑油は、第3の供給路51を通って噴射口49から噴射され、ローラ14の周面14cに供給される。
本実施の形態によれば、最も高温となり負担の大きいトルク伝達領域A1,A2に近いローラ14の周面14cに向けて、より多くの潤滑油を噴射することができ、ローラ14のトルク伝達領域A1,A2を冷却する性能をより向上することができる。
なお、本実施の形態において、第2の供給路36Bの第2の領域40Bまたは第3の領域41Bの何れか一方を廃止して、ローラ14の一対の側面14a,14bの一方にのみ潤滑油が噴射されるようにしてもよい。
図7は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。なお、以下では、図1〜図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図7を参照して、本実施の形態が図1〜図4に示す実施の形態と主に異なるのは、潤滑油供給路34Cの一部が、ローラ14Cの内部に設けられている点にある。
具体的には、キャリッジ15Cの主体部17Cの一方の側板19Cの一側面に取り付けられたアダプタ部材53内に、潤滑油供給路34Cの第4の供給路54が区画されている。また、支軸16C内に、潤滑油供給路34Cの第5の供給路55が区画されている。さらに、ローラ14C内に潤滑油供給路34Cの第6の供給路56が区画されている。
第2の供給路36Cの第2の領域40Cの他端は、第4の供給路54の一端に接続されている。
アダプタ部材53は、内面側が密封されたすべり軸受57を介して支軸16Cの一端面上に相対回転可能に取り付けられている。第4の供給路54の他端と第5の供給路55の一端とは、潤滑油が漏れないように接続されている。
第5の供給路55は、支軸16Cの軸方向に沿って延びるとともに、一端が第4の供給路54の他端に接続された鉛直部分58と、鉛直部分58の途中で当該鉛直部分58から直角方向に分岐され、第6の供給路56に接続される接続部分59とを有している。接続部分59は、第6の供給路56の数に応じて1または複数形成されている。
また、第5の供給路55は、鉛直部分58と接続され且つカバー18の側壁24aおよびローラ14C間に臨む噴射口60と、鉛直部分58と接続され且つカバー18の側壁24bおよびローラ14C間に臨む噴射口61とを有している。
第6の供給路56は、1または複数(本実施の形態において、2つ。)設けられており、ローラ14Cの周方向に等間隔に配置されている。各第6の供給路56の一端は、第5の供給路55の対応する接続部分59にそれぞれ接続されている。
第6の供給路56の他端はそれぞれ、ローラ14Cの一方の側面14aまたは他方の側面14bに開放されている。例えば、一方の第6の供給路56は、ローラ14Cの一方の側面14aに開放され、他方の第6の供給路56は、ローラ14Cの他方の側面14bに開放されている。第6の供給路56の他端はそれぞれ、ローラ14Cに設けられた噴射口62とされている。
上記の構成により、第2の供給路36Cの第2の領域40Cに到達した潤滑油は、第4の供給路54を通って第5の供給路55の鉛直部分58に到達する。鉛直部分58に到達した潤滑油の一部は、噴射口60に到達し、噴射口60からローラ14Cの一方の側面14aの中心近傍および軸受22に供給される。
同様に、鉛直部分58に到達した潤滑油の一部は、噴射口61に到達し、噴射口61からローラ14Cの他方の側面14bの中心近傍および軸受23に供給される。
また、鉛直部分58に到達した潤滑油の一部は、接続部分59を通って対応する第6の供給路56に到達する。第6の供給路56に到達した潤滑油は、対応する噴射口62からローラ14Cの対応する側面14a,14bの外周縁近傍に供給される。
本実施の形態によれば、潤滑油供給路34Cの一部をローラ14Cの内部に設けていることにより、ローラ14Cの内部からローラ14Cを冷却することができ、ローラ14Cを冷却する性能をより向上することができる。
なお、本実施の形態において、第6の供給路56を廃止してもよい。また、ローラ14Cの一対の側面14a,14bの何れか一方にのみ潤滑油が噴射されるようにしてもよい。さらに、ローラ14Cの周面14cの複数箇所に潤滑油が噴射されるようにしてもよい。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されない。例えば、上記各実施の形態において、カバー18の外部から対応するローラ14,14Cの表面に潤滑油を供給する供給手段を設けてもよい。さらに、本発明をハーフトロイダル型無段変速機に適用してもよい。
本発明の一実施の形態にかかるフルトロイダル型無段変速機の要部を示す模式的な断面図である。 図1のキャリッジ周辺の要部の側面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図3のIV−IV線に沿う要部の断面図である。 本発明の別の実施の形態の要部の側面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態の要部の断面図である。
符号の説明
3…入力円板、12…出力円板、14,14A,14C…ローラ、14a,14b…(ローラの)側面、14c…(ローラの)周面、15,15B,15C…キャリッジ、18…カバー、24…側壁、25…周壁、34,34C…潤滑油供給路、42,43,46,49…(カバーの)噴射口、100…トロイダル型無段変速機、A1,A2…トルク伝達領域、B1,B2…隙間、T…トロイド状隙間

Claims (3)

  1. 入力円板と出力円板との間に形成されるトロイド状隙間に跨ってローラを配置し、ローラのトルク伝達領域と対応する円板との間でトルクが伝達されるトロイダル型無段変速機において、
    ローラを支持する支軸およびキャリッジを備え、
    上記キャリッジはローラを覆うカバーを含み、
    カバーは、ローラの周面のトルク伝達領域を除く領域に所定の隙間を設けて対向する周壁と、トルク伝達領域の近傍を除くローラの側面に所定の隙間を設けて対向する側壁とを含み、
    カバーの周壁を介して上記トルク伝達領域に潤滑油が導かれ
    上記カバーの内面とローラの表面との間へ潤滑油を供給するための潤滑油供給路が備えられ、
    上記潤滑油供給路の噴射口は、上記ローラを支持する支軸の周囲を取り囲む環状をなし、且つ、上記ローラの側面のうち上記ローラの支軸の近傍に向けて潤滑油を噴射する噴射口を含むことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 請求項において、上記潤滑油供給路の噴射口は上記カバーに設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項またはにおいて、上記潤滑油供給路はローラの内部に設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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