JP3452021B2 - 熱収縮性ポリエステル系チューブ、及び熱収縮ポリエステル系チューブ - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系チューブ、及び熱収縮ポリエステル系チューブ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系フ
ィルム(シートを含む、以下同じ)を材料とするチュー
ブ状体に関し、詳細には容器、瓶(プラスチックボトル
も含む)、缶、棒状物(パイプ、棒、木材、各種棒状物
体)等(以下容器と略す)の被覆用として特に、これ等
のキャップ、肩部、胴部等の一部又は全面を被覆し、表
示、保護、結束、商品価値向上等を目的として用いられ
るチューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記用途にはポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等から形成された
フィルムを用い、これをチューブ状体にしてから前記容
器にかぶせて熱収縮させていた。ポリ塩化ビニルやポリ
スチレンを用いてチューブ状体を製造する場合には、溶
剤をフィルムに塗布して接合することが多く、超音波シ
ールを用いる場合もある。又ポリエチレンを材料とする
場合は、溶断シール法やインパルスシール法も用いられ
る。これに対してポリエステル系チューブでは超音波シ
ールが検討され始めている程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
従来技術には、以下述べる様な問題点がある。
【0004】(a)産業廃棄物の問題 近年プラスチックボトルの使用量が急激に伸長してい
る。このボトルの回収を考えた場合、特にポリエステル
ボトルの被覆に塩化ビニルやポリスチレン等の異種フィ
ルムが使用されていると回収再利用に付すことができな
いという等問題がある。又焼却する場合にも高熱を発し
て処理設備に悪影響を与えるという問題や、塩素ガスに
よる腐食の問題が提起されている。
【0005】(b)耐熱性の不足 前記従来フィルムはいずれも高温のボイル処理やレトル
ト処理に耐えることができず、殺菌処理には不適当なフ
ィルムである。例えばレトルト処理を行うと、前記従来
フィルムは処理中に破壊、破裂し、全ての機能が失なわ
れる。これに対し、ポリエステル系フィルム、例えば代
表的なポリエチレンテレフタレートフィルムは耐熱性を
有するという面で期待されるが、その接着部分について
も優れた耐熱性を示すチューブは未だに開発されていな
い。例えばポリエチレンテレフタレートフィルムを超音
波シールすると一応の接合はできる。しかしながらボイ
ル処理やレトルト処理を行うと、超音波シール部が熱劣
化及び結晶化して脆くなり、容器類を包装すると該シー
ル部より衝撃破壊してしまう。
【0006】(c)印刷性 ハーフトーン印刷によるピンホールの発生、広範囲各種
インクとの接着性等に関し、上記従来フィルムはそれぞ
れ固有の欠点を有する。例えばポリ塩化ビニルではゲル
状物によるインクピンホールが発生し易く、長尺フィル
ムの途中にピンホールが存在すると、連続的なチューブ
加工においてこれを自動ラベリングマシンに供給した場
合、ピンホールを持ったまま製品化されてしまう。その
為、最終的に全品検査を行わなければならず、その労力
と抜取りによる再加工等により、実稼動率が著しく低下
する。このピンホール欠陥を印刷終了後の段階で検査し
て除去しようとすれば、カット後再び連続フィルム状に
戻す為の接着テープによる接合が必要になる。その為継
ぎ目が入り、その部分及び前後は継ぎ目の影響によって
不良品となり、工程中に欠陥包装体を取り除かなければ
ならない。更に高精度の印刷では、印刷後にフィルムの
収縮による印刷ピッチの減少(経時収縮)を生じ、しか
も流通温度条件下で絶えず変化するという管理の難しさ
に遭遇する。従ってポリ塩化ビニル収縮フィルム等では
保冷車や低温倉庫等が必要となる。
【0007】(d)クレーズの発生 ポリスチレンではクレーズが発生し易く、商品外観上問
題であり、薬品によるクレーズも生じやすい。
【0008】(e)容器類のラベル破壊 前記溶断シールや超音波シールでは、容器類の落下衝撃
等によって、該シール部が破壊の引き金になり易く、保
護性に欠ける。
【0009】(f)白濁化 高温接合したものでは折角配向しておいたフィルムが未
配向状縮に戻り、後加工、例えば加熱殺菌等で白化す
る。
【0010】(g)接合部の加工速度と接合強度 ポリエステル系重合体のチューブ加工では既に超音波加
工が実用化され、試験的には接着剤を用いて接合するこ
とも検討されている。しかるに超音波加工シールによっ
て十分なシール強度を得ようとすれば極めて低速度しか
接合できず、生産性が低くなってチューブ加工費用がか
さむ。又超音波シール加工は発振子のギャップ調節によ
って敏感に作動し、接合部強度のばらつきを招き、また
基材を変形させて損傷するので脆化破損の原因となって
いる。一方接着剤による接合は一見常識的であるが、一
般のラミネートやコーティングによる接合と異なり、フ
ィルムの弾性に基づく反発作用により、接合部が離れ易
いという問題がある。これを防止するには瞬間的に高い
タック力を生じる接着剤を用いなければならず、又そう
した場合、塗布作業性が低くなる。万一うまく接合でき
たとしても、後工程の加熱殺菌処理で接着剤が加熱軟化
するのでフィルムの収縮応力によって接合部にずりを生
じ、接合がギザギザの状態になり、且つ接着剤がはみ出
したような状態となり、その部分だけが元のフィルム面
と異なった外観を与え、商品価値上問題がある。
【0011】(h)溶剤接着における問題 上記(b)、(e),(g)の問題を解決するためには
溶剤及び膨潤剤(以下溶剤という)を使用するのが有効
な手段であるが、以下の問題点がある。 (1)接合部の接合強度 接合に使用される溶剤及び基材フィルムの特性により接
合強度は決定されるが基材フィルムに対して適切な溶剤
を用いてない場合接合力不足によるはがれ、あるいは溶
剤により基材フィルムの形態が犯される問題が生じる。 (2)溶剤の衛生性 接合に使用される溶剤が人体へ強い毒性を持つ場合、加
工作業者の健康及び加工場周辺の環境に悪い影響を与え
る可能性があるので工業生産に用いるには好ましくな
い。
【0012】本発明は上記の様な従来技術の欠点を克服
する為になされたものであって、具体的には接合部につ
いてもフィルム基材部分と同程度の熱収縮特性を発揮
し、且つ該接合部が加熱変形のない状態で接合される様
なポリエステル系チューブ、及び、該熱収縮性ポリエス
テル系チューブを前記容器にかぶせて熱収縮することに
よって得られる熱収縮ポリエステル系チューブを提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の熱収縮性ポリエ
ステル系チューブは、比重1.30〜1.35の熱収縮
性ポリステルフィルムを1,3ジオキソランあるいは
1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液にて
接合することを特徴とするものである。
【0014】さらに、本発明の熱収縮ポリエステル系チ
ューブは、上記の熱収縮性ポリエステル系チューブを熱
収縮させたことを特徴とするものである。
【0015】プラスチックボトルの出現を契機に産業廃
棄物問題が大きく取り上げられ、これを回避することの
必要上から回収性の検討が行われ、又焼却時の塩素ガス
や煙害等の回避が重要視されてきた中で、ポリエステル
系チューブが着目されつつある。又包装の自動化、高速
化、ライフの延長等の要望に答え得る様なもの、即ち高
速作業性に耐え得る剛性を有し、又加熱殺菌に耐え得る
様なチューブが検討されているが、特に熱収縮性チュー
ブで上記要望に答えるものは未だに完成されていない。
【0016】更に近年、印刷効果、表示の見やすさ、P
R効果等から高級印刷の傾向が強く、一般的傾向として
寸法安定性のあるフィルムが要求されている。これは熱
収縮性においても同様であり、加熱収縮特性を有してお
りながら、一方では自然流通過程において寸法安定性を
発揮することが必要なのである。
【0017】これらの要望を満足するものとしてポリエ
ステル系チューブが開発されるに至ったが、残念ながら
チューブ化加工においては色々な難題に遭遇している。
ポリエステル系チューブであっても、ポリエステルフィ
ルムを素材とし、これに従来の超音波シール法や接着剤
接合法を適用して製造することが一応可能ではあるが、
前記の如く加工速度が低速で且つばらつきが大きく、更
に接合部が破壊の引き金となるだけでなく、熱収縮時に
接合部と基材部が同じ収縮性を示さず、収縮後に収縮班
やしわを生じてしまうので熱収縮性チューブとして実用
上問題である。この他チューブを加熱収縮して被覆した
後で加熱殺菌した時に接合部が剥離したり、軟化による
ずれを生じることも多く、商品外観上問題となる。そこ
で基材フィルム以外に如何なる接着剤も使用せずに、溶
剤を用いて基材フィルム同士を接着する方法が有効な手
段となるが、基材フィルムに対して不適切な溶剤を用い
た場合実用上必要な接合強度が得られず、加熱収縮時に
接合部が剥離したり、溶剤により基材フィルムが犯され
破壊の引き金になるなどの問題を生じる。本発明では密
度の規定された特定の熱収縮性ポリエステルフィルムに
対して特定の溶剤を用いて基材フィルムを接着したチュ
ーブを提供し、上述の全ての問題を解決したのである。
【0018】上記のような特性を得る為の手段として、
本発明の熱収縮性ポリエステル系チューブでは、比重が
1.30から1.35の熱収縮性ポリエステルフィルム
を1,3ジオキソランあるいは1,3ジオキソランと相
溶する有機溶剤との混合液で接合することが必要であ
る。
【0019】さらに、本発明の熱収縮ポリエステル系チ
ューブでは、1,3ジオキソランあるいは1,3ジオキ
ソランと相溶する有機溶剤との混合液で接合することが
必要である。
【0020】本発明で使用される基材の熱収縮性ポリエ
ステルフィルムの組成物としては、ポリエチレンテレフ
タレート単位を65〜92モル%含む様な共重合体或い
はその混合物を選択することが推奨される。この様なポ
リエステルの一例としてはテレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、オルソフタル酸、セバシン酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の2塩基酸から選ばれる1種以上と
エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール類
から選ばれる1種以上によって製造されるポリエステル
重合体が例示され、より具体的にはポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフテレート、ポリシクロヘ
キサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンα、β
−ビス(2−クロル又は2−メトキシフェノキシ)エタ
ン4,4’−ジカルボン酸オシレート等が非限定的に例
示される。これらのポリエステルに透明性を害しない範
囲でポリエステル/ポリエーテルブロック共重合体を混
合することもできる。
【0021】本発明で使用される溶剤は、1,3ジオキ
ソランあるいは1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤
との混合液であることが必要である。混合する有機溶剤
としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル
類、ケトン類、エステル類、アルコール類が用いられる
が、人体へ強い毒性をもつハロゲン化炭化水素、特に塩
素系のものは好ましくない。
【0022】本発明の熱収縮ポリエステル系チューブ
は、本発明の熱収縮性ポリエステル系チューブを前記容
器にかぶせて熱収縮することによって得られる。
【0023】本発明の熱収縮性ポリエステル系チュー
ブ、及び、熱収縮ポリエステル系チューブを採用するこ
とによる作用効果を上記問題点との対比によって明らか
にするならば下記のように整理することができる。
【0024】(a) 産業廃棄物の問題については、塩
素ガスが発生せず、且つ最近急速に出回っているポリエ
ステルボトルと同系統のチューブを使用することによっ
て回収作業も一段と容易になる。本発明はポリエステル
系フィルムを使用することによって本問題を解決した。
【0025】(b) 耐熱性不足の問題については、ポ
リエステル系フィルムの優れた耐熱性を利用することに
よって解決し、レトルト処理の如き高温熱水処理すら可
能な熱収縮ポリエステル系チューブを提供することに成
功した。特にその接合部の耐高温性は基材部分に比べ全
く見劣りしないものとなった。これらの作用は接着剤を
用いずに基材自体で接着することによってはじめて達成
される。
【0026】(c) 印刷性については、ピンホールの
原因となるゲルの発生を防止する必要がある為、熱安定
性にすぐれたポリエステル系重合体を使用した。優れた
表面平滑性を得る為には多くの添加剤を使用しないこと
が推奨される。
【0027】本発明の熱収縮性ポリエステル系チュー
ブ、及び、熱収縮ポリエステル系チューブに求められる
諸特性に関しては、各種添加剤で調節するということを
せず、ポリエステル系重合体を構成する酸成分及びアル
コール成分を変化させ、分子構造的に変化させることに
よって調節することが望ましく、具体的には芳香族ジカ
ルボン酸残基30〜90モル%を占める共重合ポリエス
テルフィルムが望ましい。尚、印刷後の印刷ピッチの経
時収縮というトラブルを防止する為には、ガラス転移温
度が35℃以上のポリエステル系重合体を使用すること
が特に推奨される。更に好ましくは45℃以上のガラス
転移温度を有する重合体が一層有用である。ガラス転移
温度が35℃未満のものでは自然流通過程で印刷ピッチ
が変化するので、保冷車輸送や低温倉庫保管を要する
等、品質管理のわずらわしさが生じる。
【0028】(d) クレーズの発生に関しては、ポリ
エステル系重合体は元々クレーズが発生しないという特
徴を有している。
【0029】(e) 容器類の落下や輸送中の衝撃力に
よる破壊現象については、チューブ状体の接合部から生
じないように、またフィルムに本質的なダメージを与え
ないように検討を加えた。これは接着剤を用いずに溶剤
を用いて接合されることにより達成され、熱的損傷や機
械的損傷がなく、しかも接合力の強い熱収縮ポリエステ
ル系チューブが得られた。これらの熱収縮ポリエステル
系チューブを得るために、熱収縮性ポリエステル系チュ
ーブを、フィルム端部の接合によって製造するに当たっ
ては、基材フィルムとして比重1.30〜1.35の熱
収縮性ポリエステルフィルムを1,3ジオキソラン又は
1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液で接
着することが必要である。熱収縮性ポリエステル系チュ
ーブにおける接合部は可能な限り細い接合幅のものから
50mm以上に及ぶ広幅のものであってもよく、勿論容
器類の大きさに応じて適宜定められるものであるが、通
常の種類では1〜5mm幅が標準である。又接合部は一
本の線状に接合されたものでもよいが、2本以上に渡っ
て複数の線状接合が形成されたものでも良い。これらの
接合部はフィルム基材にほとんど損傷を与えないもので
あるから、ポリエステル系重合体の特性をそのまま保持
しており、耐衝撃性や耐破瓶性等の保護特性を有するに
止まらず、熱収縮による配向度の低下、又その後の熱処
理による白化現象や脆化現象を見ることもない。これは
熱収縮ポリエステル系チューブにとって重要な基本特性
を満たしていることを意味する。
【0030】(f) 白濁化は接合部を加熱し、未配向
させることにより生じるものであるから、単なる溶剤接
合手段を採用した本発明では、加熱を行わないので、ポ
リエステル系重合体にみられる加熱白化現象を防止する
ことができた。即ち基材の変質を防止することに成功し
たのである。
【0031】(g) 接合部の加工速度は、本発明の熱
収縮性ポリエステル系チューブではポリエステル系フィ
ルムを丸めてチューブ状体を得るに際し、接合面の少な
くとも片面に1,3ジオキソラン又は1,3ジオキソラ
ンと相溶する有機溶剤との混合液を塗布し、接合するこ
とにより、高速度化することができ、且つ強固な接合強
度を得ることに成功した。
【0032】(h)(1) 接合に使用される溶剤及び基材
フィルムの特性により接合強度は決定されるが基材フィ
ルムに対して適切な溶剤を用いていない場合、接合力不
足によるはがれ、あるいは溶剤により基材フィルムの形
態が犯される問題が生じる。本発明者は比重1.30〜
1.35のポリエステル系フィルムが1,3ジオキソラ
ンあるいは1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との
混合液によって強固に接着されることを見出した。本発
明の熱収縮性ポリエステル系チューブで使用される熱収
縮性ポリエステルフィルムは比重1.30〜1.35の
範囲にあることが必要である。比重1.30未満のポリ
エステル系フィルムでは1,3ジオキソランあるいは、
1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液によ
って基材フィルムが犯され破壊の引き金になり、また、
外観が悪くなり商品価値を失う問題を生じる。又1.3
5を越えると1,3ジオキソランあるいは、1,3ジオ
キソランと相溶する有機溶剤との混合液では接合力不足
によるはがれを生じる。
【0033】(2) 接合に使用される溶剤が人体へ強い毒
性を持つ場合、例えば塩素系溶剤を使用する場合は加工
作業者の健康及び加工場周辺の環境に悪い影響を与える
可能性があるので工業生産に用いるには好ましくない。
本発明では1,3ジオキソランあるいは1,3ジオキソ
ランと相溶する有機溶剤を使用することによりこの問題
を解決した。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、下
記実施例は本発明を制限するものではない。尚、実施例
で用いた測定方法は次の通りである。
【0035】比重 硝酸カルシウム溶液より作成した密度勾配管にて30℃
にて測定した。
【0036】接合強度 チューブ状体を加工時の流れ方向と直交方向に15mm
幅にカットしてサンプルをとり、接合部分を上記方向に
引っ張り試験機(東洋ボールドウイン社製STM−T)
で引っ張り接合部分を剥離するのに必要な応力を測定
し、接合強度とした。
【0037】破瓶テスト 300mlシングルサービス瓶を用い、肩部までチュー
ブがかかるようにチューブの長さを定め、瓶に水を充填
し、75cmの高さから落下させるJIS規格に準拠し
た方法でテストした。
【0038】実施例1 組成がテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エ
チレングリコール/ジエチレングリコール=83/14
/3//97/3(モル比)よりなる比重1.32の熱
収縮性ポリエステル系フィルムをチューブ状成形装置に
かけ、フィルムの一面に1,3ジオキソランを塗布し、
直ちに(乾燥しない間に)フィルムを重ね合わせてチュ
ーブ状体に加工した。加工速度は80m/分であった。
該チューブをシングルサービス瓶にかぶせて、100℃
の温度下で5秒間熱収縮させ、次いで110℃、30分
間殺菌熱処理をした。一方本発明フィルムに汎用ドライ
ラミネート用接着剤(東洋モートン社製)を用いてチュ
ーブの接着テストをした(比較例1)。更に塩化ビニル
(比較例2)、ポリスチレン(比較例3)を用いて同じ
ようにテストした。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1の如く本発明チューブは常態での外観
や強度は勿論のこと各熱履歴による変化もなく、基材部
分と同一の特性を有し、一体に接合していることを示し
た。
【0041】実施例2 組成がテレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコ
ール/ジエチレングリコール=87/13//98/2
よりなる比重1.34の熱収縮性ポリエステル系フィル
ムをチューブ状成形装置にかけ、フィルムの一面に1,
3ジオキソランとテトラヒドロフランを9:1の重量比
で混合した混合液を塗布し、直ちに(乾燥しない間に)
フィルムを重ね合わせチューブ状体に加工した。加工速
度は80m/分であった。これを実施例1と同一の方法
で熱収縮させ、殺菌処理をして、実施例1と同様にテス
トした。更に組成がテレフタル酸/イソフタル酸/セバ
シン酸//エチレングリコール/ジエチレングリコール
/ネオペンチルグリコール=83/14/3//70/
3/27(モル比)よりなる比重1.29の熱収縮性ポ
リエステル系フィルム(比較例4)、組成がテレフタル
酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ジエチレン
グリコール=95/5//98/2よりなる比重1.3
6の熱収縮性ポリエステル系フィルム(比較例5)を同
一の方法で加工、熱収縮、殺菌処理をして同様にテスト
した。又、実施例2と同一のフィルムに テトラヒドロ
フランを塗布し直ちに(乾燥しない間に)フィルムを重
ね合わせチューブ状体に、加工速度80m/分で加工
し、実施例2と同様に熱収縮、殺菌処理をして同様にテ
ストした(比較例6)。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】第2表の如く比重1.30未満のフィルム
ではフィルムが塗布された溶剤によって犯されて接合強
度の不足及び外観上の不良を起こす(比較例4)。又、
比重1.35を越えるフィルムではフィルムの接着が得
られない(比較例5)。更に不適切な溶剤を用いた場合
にも接着が得られない(比較例6)。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ボトル等の被覆包装においては美麗且つ強固な包装
状態を得ることが可能となり、又チューブの耐熱性、耐
衝撃性も良好であり、且つフィルム同士の接合部につい
ては、加工速度も接合強度も良好でありしかも使用する
溶剤の衛生性も問題なく工業生産性に優れたものとなっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:02 B29K 105:02 B29L 23:00 B29L 23:00 C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 奥村 慎一郎 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (56)参考文献 特開 昭62−92826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 25/36 B29C 61/06,63/42,65/48 C08J 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重が1.30から1.35の熱収縮性
    ポリエステルフィルムを1,3ジオキソランあるいは
    1,3ジオキソランと相溶する有機溶剤との混合液にて
    接合したものであることを特徴とする熱収縮性ポリエス
    テル系チューブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル
    系チューブを熱収縮させてなるものであることを特徴と
    する熱収縮ポリエステル系チューブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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